説明

時刻受信装置、電波修正時計および時刻受信装置の制御方法

【課題】受信信号にノイズが含まれている場合であっても受信に成功する確率を高めることができ、誤受信の少ない時刻受信装置を提供すること。
【解決手段】時刻受信装置は、標準電波を受信する受信回路と、受信回路で受信した時刻データを各ビット毎に符号化する符号化手段と、符号化された時刻データの各ビット情報に基づいて時刻データにおいて1分間隔で送信されるタイムコードの開始位置を確定する開始位置確定手段とを備える。符号化手段は、開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定するまで(S33でNoの場合)は、前記時刻データを、「0」、「1」、「P」の3種類に符号化し、前記開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定した後(S33でYes)は、前記時刻データを、「0」、「1」の2種類に符号化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻情報を有する標準電波を受信し、受信した標準電波に基づいて時刻データを取得する時刻受信装置、この時刻受信装置を有する電波修正時計、および時刻受信装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標準電波を受信可能な電波修正時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、1Hzの矩形波パルスからなる日本の標準電波であるJJY(登録商標)を受信する際に、受信信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしてタイムコード信号に波形整形する時刻受信装置が開示されている。
この特許文献1の時刻受信装置は、タイムコード信号の1秒毎に区分された期間において最後に変化する変化点を検知し、前記期間の開始時から前記変化点までの時間によって前記1秒毎のデータが「P,1,0」のいずれの符号であるかを判定し、ノイズの影響を軽減していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−139703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された符号化の判定方法によっても、受信環境が悪い場合にはノイズの影響を完全に除去することができない場合があった。このため、例えばJJYを受信している際に、本来は、「1」と判定されるところが、「P」と判定され、時刻情報を正しく受信できない場合があるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、上記問題点を解決するものであり、受信信号にノイズが含まれている場合であっても受信に成功する確率を高めることができ、誤受信の少ない時刻受信装置、電波修正時計および時刻受信装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の時刻受信装置は、時刻情報を含む標準電波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した標準電波に基づく時刻データを、時刻データの各ビット毎に符号化する符号化手段と、前記符号化手段によって符号化された時刻データの各ビット情報に基づいて、時刻データにおいて1分間隔で送信されるタイムコードの開始位置を確定する開始位置確定手段とを備え、前記符号化手段は、前記開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定するまでは、前記時刻データを、「0」、「1」、「P」の3種類に符号化し、前記開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定した後は、前記時刻データを、「0」、「1」の2種類に符号化することが好ましい。
【0007】
本発明では、タイムコードの開始位置(0秒位置)を確定するまでは、時刻データを「0」、「1」、「P」の3種類に符号化している。従って、マーカおよびポジションマーカを示す「P」信号を利用して、タイムコードの開始位置を確定することができる。
そして、タイムコードの開始位置を確定した後は、時刻データを「0」、「1」の2種類に符号化しているので、誤って「P」と判定してしまうことがない。このため、ノイズが含まれる受信環境においても、受信に成功する確率を高めることができ、誤受信の少ない時刻受信装置にすることができる。
すなわち、マーカやポジションマーカは、タイムコードの開始位置を確定するために用いられ、実際の時刻データには利用されないため、タイムコードの開始位置確定後であれば、マーカやポジションマーカのビット情報が「P」以外と判定されても問題ない。一方、マーカやポジションマーカ以外のビット情報において「P」と誤判定されることも無くなるため、ノイズが含まれる受信環境においても、受信に成功する確率を高めることができ、誤受信の少ない時刻受信装置にすることができる。
【0008】
本発明の電波修正時計は、前記時刻受信装置と、前記時刻受信装置で取得された各ビット情報に基づく時刻データによって内部時刻データを修正する時刻修正手段と、前記内部時刻データに基づいて時刻を指示する時刻表示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
このような電波修正時計によれば、前記時刻受信装置を備えているため、ノイズが含まれる受信環境においても、受信に成功する確率を高めることができる。従って、正しい時刻データを受信することができ、時刻表示手段の指示を、受信した時刻データに基づいて正しい時刻に修正でき、高精度の時刻指示を行うことができる。
【0010】
本発明は、時刻情報を含む標準電波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した標準電波に基づく時刻データを、時刻データの各ビット毎に符号化する符号化手段と、前記符号化手段によって符号化された時刻データの各ビット情報に基づいて、時刻データにおいて1分間隔で送信されるタイムコードの開始位置を確定する開始位置確定手段とを備える時刻受信装置の制御方法であって、前記開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定するまでは、前記時刻データを、「0」、「1」、「P」の3種類に符号化し、前記開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定した後は、前記時刻データを、「0」、「1」の2種類に符号化することを特徴とする。
【0011】
こ発明においても、前記時刻受信装置と同じ作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態に係る電波修正時計の構成を示すブロック図である。
【図2】日本における標準電波「JJY」のタイムコードフォーマットを説明する図である。
【図3】日本における標準電波「JJY」の各信号のパルス幅を示す図である。
【図4】受信信号の波形例を示す図であり、(A)はノイズの影響が無い場合の波形図であり、(B)はノイズの影響がある場合の波形図である。
【図5】第1実施形態の符号変換処理動作を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態の各ビットの情報の変化例を説明する図である。
【図7】第2実施形態の符号変換処理動作を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態の符号変換処理動作を示すフローチャートである。
【図9】第3実施形態の受信信号の波形例を示す図であり、(A)はノイズの影響が無い場合の波形図であり、(B)はノイズの影響がある場合の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態に係る電波修正時計1を図面に基づいて説明する。
【0014】
[電波修正時計1の全体構成]
電波修正時計1は、図1に示すように、マイコン2と、アンテナ3と、マイコン2から出力される制御信号に基づいてアンテナ3を介して長波標準電波を受信し、その受信信号を復調してTCO(Time Code Out)信号を出力する受信回路(受信手段)4とを備える。
また、電波修正時計1には、時針11、分針12、秒針13が設けられ、さらに、外部操作部材として、りゅうず15、ボタン(SWA)16、ボタン(SWB)17が設けられている。
【0015】
マイコン2は、制御回路20と、基準クロックを生成する発振回路30と、発振回路30により生成される基準クロックを分周して制御回路20に供給する分周回路40とを備える。
制御回路20は、受信処理手段21と、受信制御手段25と、計時手段26と、表示時刻制御手段27と、外部操作制御手段28とを備える。なお、本実施形態では、前記アンテナ3、受信回路4、受信処理手段21、受信制御手段25によって時刻受信装置が構成されている。
【0016】
[受信回路の構成]
受信回路4は、図示を略すが、同調回路、増幅回路、バンドパスフィルタ、包絡線検波回路、AGC(Auto Gain Control)回路、二値化回路等を備える一般的な受信回路である。
なお、本実施形態の受信回路4は、日本の標準電波「JJY」を受信可能に構成されているが、同調回路等を用いて、アメリカ合衆国の標準電波「WWVB」、ドイツの標準電波「DCF77」、イギリスの標準電波「MSF」、中華人民共和国の標準電波「BPC」などの各地域における標準電波を受信可能に構成してもよい。
【0017】
ここで、時刻情報(タイムコード)は、各国毎に所定の時刻情報フォーマット(タイムコードフォーマット)に合わせて構成されている。
すなわち、図2に示す日本の標準電波(JJY)のタイムコードフォーマットでは、1秒ごとに一つの信号が送信され、60秒で1レコード(1フレーム)として構成されている。つまり、1フレームが60ビットのデータである。また、データ項目として現時刻の分、時、現在年の1月1日からの通算日、年(西暦下2桁)、曜日および「うるう秒」が含まれている。各項目の値は、各秒毎(各ビット毎)に割り当てられた数値の組み合わせによって構成され、この組み合わせが信号の種類から判断される。なお、図2中「M」で示されるのは正分(毎分0秒)に対応するマーカであり、「P1〜P5」で示されるのはポジションマーカであり、予めその位置が定められている信号である。
【0018】
図3に示すように、各マーカを示す信号Pは、約0.2秒のパルス幅の信号であり、各項目において「1」を表す信号は約0.5秒のパルス幅の信号、「0」を表す信号は約0.8秒のパルス幅の信号である。
なお、JJYの送信信号は、電波(パルス)の立ち上がりから立ち上がりが1秒であるが、受信回路4で反転されるため、受信回路4から出力されるTCO信号では図3に示すように、立ち下がりから立ち下がりが1秒とされる。このため、「P,1,0」の各信号のパルス幅も信号レベルがLowの部分の長さで設定される。
【0019】
なお、上記において、JJYにおけるタイムコード(TC)の認識を例示したが、受信された標準電波が他の種類である場合、それぞれの電波に対応するパルス幅(デューティ)により、TCを認識する。例えば、アメリカ合衆国における標準電波(WWVB)では、図示を略すが、電波の立ち下がりから立ち下がりが1秒であり、電波の立ち下がりからLレベルの信号部分の幅が約0.2秒の場合に「0」の信号、Lレベルの信号部分の幅が約0.5秒の場合に「1」の信号、Lレベルの信号部分の幅が約0.8秒の場合に「P」の信号と判定する。
【0020】
[受信処理手段の構成]
受信処理手段21は、タイムコード取得手段22と、ビット情報記憶手段23と、タイムコード変換手段24とを備える。また、タイムコード変換手段24は、非存在符号検出手段241と、符号修正手段242とを備える。
タイムコード取得手段22は、受信回路4から出力されるTCO信号を処理し、「P,1,0」のいずれかに符号化し、タイムコードを取得する処理を行う。本実施形態のタイムコード取得手段22は、まず、受信回路4から出力されたTCO信号の立ち下がりを検出して秒同期処理を行う。すなわち、前述したように、TCO信号の立ち下がりから立ち下がりは1秒であるため、TCO信号の立ち下がりから1秒間隔で立ち下がりを取得することで、TCO信号の秒同期を行うことができる。そして、タイムコード取得手段22は、秒同期後、TCO信号の立ち下がりタイミングを基準として、所定時間間隔で信号レベルを検出してサンプリング処理を行う。前記所定時間間隔は、サンプリング周波数で設定される。例えば、32Hzのサンプリング周波数でTCO信号をサンプリングする場合は、TCO信号の立ち下がりタイミングから、1/32秒間隔で信号レベルを検出する。そして、タイムコード取得手段22は、1秒のTCO信号をサンプリングすることで取得した32個の信号において、信号レベルがLの回数をカウントして、「P,1,0」のいずれかに符号化している。従って、このタイムコード取得手段22によって符号化手段が構成されている。
【0021】
このように、タイムコード取得手段22は、例えば、32Hzのサンプリング周波数でTCO信号をサンプリングし、信号レベルLの回数をカウントする。そして、以下の表1に示すように、信号レベルLのサンプル数(カウント数)が0〜10であれば、そのビットは「P」と判定し、11〜22であれば「1」と判定し、23〜31であれば「0」と判定する。
そして、タイムコード取得手段22は、表1の判定基準で判定した各ビットの情報(符号コード)をビット情報記憶手段23に記憶する。
【0022】
【表1】

【0023】
なお、表1の判定基準は、パルス幅が約0.2秒の場合、具体的にはパルス幅が0〜312msの場合は「P」と判定し、パルス幅が約0.5秒の場合、具体的にはパルス幅が313〜687msの場合は「1」と判定し、パルス幅が約0.8秒の場合、具体的にはパルス幅が688〜1000msの場合は「0」と判定するように設定されている。
【0024】
ここで、図4(A)は、送信局よりパルス幅500ms(符号コード「1」)のノイズの無いタイムコード信号を受信した例である。この場合、信号レベルLのサンプル数(カウント数)が16であるため、表1の判定基準の11〜22の範囲に含まれる。従って、符号データは「1」と判定される。
【0025】
一方、図4(B)は、送信局より送信されたパルス幅500ms(符号コード「1」)の信号にノイズが含まれている場合である。この場合、信号レベルLのサンプル数は8であり、表1の判定基準の0〜10の範囲に含まれる。従って、符号データは「P」と判定される。つまり、送信機側では符号コード「1」で送信したのに、受信機側では符号コード「P」と判定してしまい、正しい時刻にならず、結果的に時刻データの受信に失敗することになる。
【0026】
そこで、タイムコード変換手段24の非存在符号検出手段241は、「P」と判定されるはずがないビットの情報が「P」と判定されているか否かを検出する。ここで、本実施形態における「P」と判定されるはずがないビットとは、時刻データによって「1」および「0」に変化するデータビットを意味する。
例えば、図2に示すJJYにおいては、データが固定された固定値ビットと、データが変化するデータビットとがある。
ここで、固定値ビットは、符号「P」に固定されるマーカM(0秒位置)およびポジションマーカP1,P2,P3,P4,P5,P0(9、19、29、39、49、59秒位置)と、符号「0」に固定されるビット(4、10、11、14、20、21、24、34、35、55、56、57、58秒位置)とである。従って、データビットは、これらの固定値ビット以外のビットとなる。
【0027】
従って、非存在符号検出手段241は、ビットの符号が「P」と判定された場合に、そのビットが固定値ビットではない、つまりデータビットであれば、データビットでは符号が「P」となることがないため、非存在符号であると判定する。
【0028】
そして、符号修正手段242は、非存在符号検出手段241で非存在符号であると判定した固定値ビットの情報を、符号化された符号に信号波形が最も近い符号に修正する。
従って、前記データビットにおいて符号「P」と判定された場合、JJYでは、パルス幅が約0.2秒の「P」に最も近い符号は、パルス幅が約0.5秒の「1」であるため、符号修正手段242は、データビットの符号「P」を符号「1」に修正する。
そして、受信処理手段21は、符号修正手段242によって修正されたビット情報を含む時刻情報(タイムコード)を、受信制御手段25に出力する。
【0029】
なお、本実施形態では、符号「0」に固定される固定ビット(4、10、11、14、20、21、24、34、35、55、56、57、58秒位置のビット)が「P」と判定された場合は、その固定ビットの情報は修正されずに「P」のままに維持されることになる。但し、符号「0」の固定ビットは、時刻情報のデータとして利用されていないため、仮に「P」のままに維持されたとしても、データ処理上は問題とならない。すなわち、図2に示すように、分のデータは、40分を表す1秒位置のビット、20分を表す2秒位置のビット、10分を表す3秒位置のビット、8分を表す5秒位置のビット、4分を表す6秒位置のビット、2分を表す7秒位置のビット、1分を表す8秒位置のビットの計7ビットで表される。このため、4秒位置のビット(図2では”0”で表示)は、時刻を表すためには用いられない。このように、符号「0」に固定される固定ビット(4、10、11、14、20、21、24、34、35、55、56、57、58秒位置のビット)は時刻を表すデータではなく、これらの固定ビットの情報は無視できるため、「P」のままであってもデータ処理上は問題とならないのである。
【0030】
受信制御手段25は、受信回路4に対して制御信号を出力して受信動作を制御するものである。通常は、計時手段26で計時された時刻が予め設定された受信処理時刻(例えば、午前2時など)になると、受信回路4を駆動して受信動作を行わせる。
また、受信制御手段25は、受信処理手段21から入力された時刻情報が正しくない情報であった場合、予め設定された時間経過後に、再度受信処理を実施させる処理なども行う。ここで、受信制御手段25は、例えば、時刻情報が25時とか、65分などの現実にあり得ない時刻データであった場合や、時刻情報に含まれるパリティを用いて、時刻情報が正しいかを判断する。
受信制御手段25は、受信処理手段21から時刻情報が入力されると、その時刻情報によって計時手段26の時刻を修正する。そして、受信制御手段25は、計時手段26で計時されている時刻の更新に伴い、表示時刻制御手段27に制御信号を出力する。従って、本実施形態では、受信制御手段25によって、時刻修正手段が構成されている。
【0031】
計時手段26は、発振回路30および分周回路40を介して入力される基準クロック(1Hz)に基づいて計時するとともに、受信制御手段25から受信時刻情報が入力されると、計時時刻を受信時刻情報に修正して時刻合わせを行うように構成されている。
【0032】
表示時刻制御手段27は、受信制御手段25から出力される制御信号に基づき、電波修正時計1の時針11、分針12、秒針13からなる指針の駆動を制御する。具体的には、計時手段26で計時される時刻に対応し、各指針を駆動する電動モータを制御して各指針の運針を制御する。従って、本実施形態では、表示時刻制御手段27および時針11、分針12、秒針13によって時刻表示手段が構成されている。
なお、本実施形態の時刻表示手段は指針を用いて時刻を表示していたが、例えば液晶パネルを用いて時刻を表示させる構成であってもよい。
【0033】
外部操作制御手段28は、りゅうず15、ボタン16,17の操作を検出し、その操作に応じた制御を指示するものである。
この操作に応じた制御とは、例えば、アンテナ3で受信される標準電波の種類(例えば、日本におけるJJY、アメリカ合衆国におけるWWVB、ドイツにおけるDCF77など)を設定する制御や、標準電波を受信して時刻を修正させる手動受信処理(強制受信処理)を行う制御などである。
【0034】
[電波修正時計の受信動作]
次に、上記のような電波修正時計1における、標準電波による受信動作について説明する。
図5は、受信処理手段21における符号修正処理の動作を示すフローチャートである。
制御回路20は、定期的な受信時刻になった場合や、ボタン16,17等の操作によって強制受信操作が行われた場合に、受信回路4を作動し、アンテナ3を介して標準電波を受信する。なお、本実施形態ではJJYを受信するように設定されているが、ボタン16,17等の操作によって受信局が選択された場合には、同調回路などを用いて受信局を切り替える。
【0035】
制御回路20は、受信回路4から出力されるTCO信号に基づいて秒同期を確立する。例えば、日本の標準電波JJYでは、1秒間隔でパルスが立ち上がるため、1秒間隔のパルス立ち上がりを検出することで秒同期を確立することができる。実際には、受信回路4で信号が反転するため、1秒間隔のパルス立ち下がりを検出することで秒同期を確立している。
【0036】
秒同期を確立すると、受信処理手段21は、図5に示すように、受信回路4から出力されるTCO信号を符号に変換する処理を1秒毎に行う。すなわち、図5の符号変換処理は、受信回路4が作動されている間、1秒毎に繰り返し実行される。
符号変換処理が実行されると、タイムコード取得手段22は、受信回路4から出力されるTCO信号を取得し(S1)、サンプリングする(S2)。サンプリング処理の周波数(サンプリングレート)は、例えば、32Hzである。
さらに、タイムコード取得手段22は、サンプリングされた各信号においてLレベルの回数をカウントし、表1の判定基準に基づいて、「P,1,0」のいずれかに符号化する(S3)。なお、タイムコード取得手段22は、S3の符号化処理において、符号化された情報をビット情報記憶手段23に記憶する。
【0037】
次に、タイムコード変換手段24の非存在符号検出手段241は、S3で符号化されたビットが「P」に符号化されたかを判定する(S4)。非存在符号検出手段241は、S4において「No」と判定した場合は、図5の処理を終了する。
【0038】
また、非存在符号検出手段241は、S4において「Yes」と判定した場合は、「P」に符号化されたビットが固定値ビットであるかを判定する(S5)。S5で「Yes」と判定された場合、非存在符号検出手段241は図5の処理を終了する。
一方、S5で「No」と判定された場合、符号修正手段242は、符号「P」を「1」に修正し(S6)、図5の処理を終了する。
以上の図5に示すS1〜S6の処理は、受信回路4が作動されている間は、1秒毎に繰り返し実行される。このため、データビットでありながら「P」に符号化されている場合は、そのデータビットは「1」に修正される。
【0039】
なお、S5において、固定値ビットであるか否かの判定は、次のようにして行われる。すなわち、非存在符号検出手段241は、タイムコードの0秒位置を確認するため、分同期を確立する。例えば、日本の標準電波では、図2に示すように、P0およびMのマーカが連続する部分がタイムコードの開始時点となり、この連続するマーカを検出することで分同期を確立することができる。
そして、分同期つまり0秒位置が把握できれば、固定値ビットの位置は予め設定されているので、非存在符号検出手段241は、現在処理中のビットが固定値ビットであるか否かを判定できる。
【0040】
このような処理を行うことで、図6に示すように、誤って符号化された情報を、正しい符号に修正することができる。
例えば、図6は、JJYにおいて、ある時間の25分時の送信データの「分」の部分の処理例を示すものである。「分」のデータは、図2に示すように、1〜3秒および5〜8秒のデータビットで表される。25分時の送信データであれば、「20分」を示す2秒目のビットと、「4分」を示す6秒目のビットと、「1分」を示す8秒目のビットが「1」とされる。これにより、「20+4+1=25分」が示される。
【0041】
しかし、ノイズの影響などによって、「1」の符号を「P」の符号に誤って符号化してしまう場合がある。例えば、図6では、「20分」を示す2秒目のビットと、「1分」を示す8秒目のビットは、送信符号が「1」であるが、受信符号は「P」と誤って符号化している。しかし、本実施形態では、このようなデータビットが「P」と符号化された場合、タイムコード変換手段24によって「1」に修正されるため、図6に示すように、受信符号の変換後のタイムコードは、送信符号と同じ正しいデータに修正できる。
なお、本実施形態では、本来「0」の符号が「P」に符号に誤って符号化されていた場合には、その符号を「1」にしてしまうため、実際の送信符号と一致しないことになる。しかしながら、前述のとおり、「0」のパルス幅は約0.8秒であり、「P」のパルス幅との差が大きいため、「0」の符号が「P」に誤って符号化される可能性は小さいため、実際の処理において、このような問題が生じることは殆ど無い。
【0042】
以上の処理によって、受信処理手段21からは、データビットに「P」が存在しない時刻データが出力される。但し、データビットにおいて、「1」で送信されたビット情報を「0」と誤認識したり、逆に「0」で送信されたビット情報を「1」と誤認識している可能性は残る。このため、受信制御手段25は、少なくとも3レコード分の時刻情報を蓄積し、そのデータ相互間で整合性を確認して、受信時刻が正しいものであるかをチェックしている。例えば、タイムコードは1分間隔で送信されるため、連続して3分間のデータを受信した場合、各時刻情報は1分毎に異なるデータとなる。従って、各データで表される時刻の差が、各1分であれば、正しい時刻データを受信していると判定できる。
【0043】
[第1実施形態の作用効果]
本実施形態の電波修正時計1では、非存在符号検出手段241により、各マーカを示す符号「P」に符号化されているデータビットを検出し、符号修正手段242により、符号「P」とされたデータビットを符号「1」に修正しているので、存在し得ない「P」に符号化されたデータビットの情報を符号「1」に修正できる。このため、データビットが「P」の状態であれば受信エラーと判定されて受信に失敗するが、本実施形態では、「P」を「1」に修正しているため、受信エラーとはならず、受信に成功する確率を向上できる。そして、正しい時刻データを受信できる可能性も向上するため、誤受信の少ない電波修正時計1とすることができる。
【0044】
また、符号修正手段242は、データビットの「P」を、「P」のパルス波形に近い符号「1」に修正しているので、正しいデータに修正できる確率を向上できる。すなわち、ノイズの影響があっても、パルス幅0.8秒の符号「1」がパルス幅0.2秒の符号「P」に符号化される可能性は非常に低い。このため、通常は、「P」の波形に最も近い符号「1」の信号がノイズの影響で「P」に符号化された可能性が高いため、符号修正手段242において、「P」を「1」に修正するように設定しておけば、正しいデータに修正できる可能性も高くなり、誤受信の少ない電波修正時計1とすることができる。
【0045】
さらに、受信処理手段21は、受信回路4から出力されるTCO信号を1秒毎に取得してサンプリングし、表1の判定基準で符号化処理し、さらに非存在符号であるかを判定して符号を修正しているので、ほぼリアルタイムで受信信号を正しいデータに修正することができる。従って、1フレーム分の時刻データを受信した直後に、正しい時刻データを取得できるため、その後の時刻修正処理なども迅速に行うことができる。
【0046】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図7のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した他の実施形態と同一または同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第1実施形態では、1秒毎に各ビットの符号を確認して修正していたが、第2実施形態では、1フレーム分(0〜59秒)のビットデータを取得してビット情報記憶手段23に記憶した後に、各ビットの符号を確認して修正している点が相違する。すなわち、前記第1実施形態では、リアルタイム処理で符号修正を行っていたが、第2実施形態では、1フレーム分のデータを取得した後にまとめて符号修正を行っており、いわゆるバッチ処理で処理している点が相違する。
【0047】
すなわち、図7に示すように、第2実施形態の受信処理手段21は、前記第1実施形態と同様に、受信回路4から出力されるTCO信号を取得するタイムコード取得処理S11と、取得したTCO信号に対してサンプリングするサンプリング処理S12とを行う。そして、Lレベルのサンプル数をカウントし、表1の判定基準に基づいて符号化し、ビット情報記憶手段23に記憶する符号化処理S13を行う。
【0048】
次に、受信処理手段21は、59秒のビットデータを取得したか、つまり時刻データの1フレームを取得してビット情報記憶手段23に記憶したか否かを判定する(S14)。
なお、59秒のビットデータであるかは、前記第1実施形態と同様に、分同期を行って0秒位置を確定することで判定できる。
そして、S14で「59秒」に達していないと判定された場合、受信処理手段21は、タイムコード取得処理S11、サンプリング処理S12、符号化処理S13を繰り返し実行する。
【0049】
また、S14で「59秒」に達して1フレーム分のビットデータを取得したと判定された場合、タイムコード変換手段24の非存在符号検出手段241は、ビット情報記憶手段23に記憶されたデータを順次確認するための変数Aを0にリセット(初期化)する(S15)。
ここで、変数Aは、ビット情報記憶手段23に記憶された0〜59秒のビットデータのアドレス(記憶場所)を示すものである。
【0050】
次に、非存在符号検出手段241は、ビット情報記憶手段23において、変数Aで特定されるビットデータが符号「P」であるかを判定する(S16)。
S16で「Yes」と判定された場合、非存在符号検出手段241は、符号「P」と判定されたビットが固定値ビットであるかを判定する(S17)。固定値ビットは前記第1実施形態と同じく、「P」および「0」に固定されるビットである。
そして、S17で固定値ビットではない、つまりデータビットであると判定されると、符号修正手段242は、符号「P」を「1」に修正する(S18)。
【0051】
次に、S18で符号を修正した後、非存在符号検出手段241は、変数Aが59秒になったかを判定する(S19)。また、S16で「No」と判定された場合およびS17で「Yes」と判定された場合も、変数Aが59秒になったかを判定する(S19)。
【0052】
S19で「No」と判定された場合、非存在符号検出手段241は、変数Aに1を加算して変数Aを更新する(S20)。そして、非存在符号検出手段241は、新たな変数Aで特定されるビットデータが符号「P」であるかを判定し(S16)、上記各処理S17〜S20を繰り返す。
一方、S19で「Yes」と判定された場合は、1フレーム分のビットデータの符号変換処理が完了したことになるため、処理を終了する。
なお、受信処理手段21は、受信回路4が作動されてTCO信号が受信処理手段21に入力されている間は、図7に示す処理を繰り返し実行し、各フレームの符号変換処理を実行する。
【0053】
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、第2実施形態でも、非存在符号検出手段241は、符号「P」に符号化されているデータビットを検出し、符号修正手段242は、符号「P」とされたデータビットを符号「1」に修正している。このため、第2実施形態においても、存在し得ない「P」に符号化されたデータビットの情報を正しい符号「1」に修正でき、正しい時刻データを受信できる可能性も向上するため、誤受信の少ない電波修正時計1とすることができる。
【0054】
また、第2実施形態では、S11〜S14を繰り返して1フレーム(0〜59秒)分のビットデータを符号化した後に、非存在符号検出手段241および符号修正手段242による符号修正処理をまとめて行っているので、制御回路20の負荷を分散することができる。
【0055】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、図8のフローチャートを参照して説明する。
前記第1,2実施形態は、タイムコード取得手段22で符号化したデータが、データビットでありながら「P」と符号化されている場合に、非存在符号検出手段241および符号修正手段242を用いて「1」に修正するものである。
これに対し、第3実施形態は、タイムコード取得手段22で符号化する際に、0秒位置が確定していない状態では、「P,1,0」の3値に符号化し、0秒位置が確定している状態では、「P」の符号化は行わずに、「1,0」の2値に符号化するものである。
すなわち、前記第1,2実施形態のタイムコード取得手段(符号化手段)22は、0秒位置の確定後も「P,1,0」の3値に符号化し、その後、タイムコード変換手段24の非存在符号検出手段241および符号修正手段242で、データビットの「P」を「1」に修正していた。
これに対し、第3実施形態のタイムコード取得手段22は、0秒位置の確定後は、「1,0」の2値に符号化している。このため、0秒位置確定後は、データビットで「P」と誤って符号化されることを未然に防止でき、タイムコード変換手段24も不要にできる。従って、本実施形態のタイムコード取得手段22は、受信した標準電波に基づく時刻データを、時刻データの各ビット毎に符号化する符号化手段であるとともに、符号化された時刻データの各ビット情報に基づいて、時刻データにおいて1分間隔で送信されるタイムコードの開始位置を確定する開始位置確定手段としても機能する。
【0056】
なお、0秒位置確定とは、前記各実施形態の分同期と同じ意味である。例えば、JJYであれば、59秒のポジションマーカP0と、0秒のマーカMを取得できた場合、0秒位置確定(マーカ位置確定)となる。具体的には、P0,Mは共に符号「P」、つまりパルス幅が0.2秒の信号であるため、0.2秒のパルス信号が連続して2回続いた場合には上記0秒位置確定と判断できる。さらに、0秒位置確定の信頼性を高めるため、符号「P」を連続して取得して0秒位置を検出し、さらに9秒のポジションマーカP1を取得できた場合に、0秒位置を確定してもよい。
【0057】
以下に第3実施形態における処理を、図8に基づいて説明する。
第3実施形態のタイムコード取得手段22は、図8に示すように、受信回路4から出力されるTCO信号を1秒毎に取得し(S31)、32Hzのサンプリング周波数でサンプリング処理する(S32)。
【0058】
次に、タイムコード取得手段22は、0秒位置が確定しているかを判断する(S33)。
そして、受信開始当初は、0秒位置は確定されていないため、タイムコード取得手段22は、S33で「No」と判定する。
次に、タイムコード取得手段22は、以下の表2に示す判定基準に基づいて符号化処理を行う。すなわち、0秒位置が確定する前の判定基準は、前記各実施形態の表1と同じく、信号レベルLのカウント数が0〜10(第1範囲)であれば「P」と判定し、11〜22(第1,2範囲外)であれば「1」と判定し、23〜31(第2範囲)であれば「0」と判定する。
【0059】
【表2】

【0060】
従って、タイムコード取得手段22は、サンプリング処理S32でカウントした信号レベルLの回数(Lレベル数)が第1範囲(0〜10)であるかを判定する(S34)。
S34で「Yes」と判定された場合、タイムコード取得手段22は、そのビットの符号を「P」とし、ビット情報記憶手段23に記憶する(S35)。
一方、S34で「No」と判定された場合、タイムコード取得手段22は、Lレベル数が第2範囲内(23〜31)であるかを判定する(S36)。
【0061】
そして、S36で「Yes」と判定された場合、タイムコード取得手段22は、そのビットの符号を「0」とし、ビット情報記憶手段23に記憶する(S37)。
また、S36で「No」と判定された場合、タイムコード取得手段22は、そのビットの符号を「1」とし、ビット情報記憶手段23に記憶する(S38)。
従って、0秒位置が確定する前は、タイムコード取得手段22は、前記各実施形態と同様に、Lレベル数に応じて「P,0,1」の3値に符号化する。
【0062】
一方、このような符号化によって、符号「P」が連続したことを検出できれば、0秒位置を確定することができる。そして、0秒位置を確定してS33で「Yes」と判定された場合、タイムコード取得手段22は、表2の最下段に記載された判定基準に基づいて符号化処理を行う。
【0063】
すなわち、タイムコード取得手段22は、Lレベル数が第2範囲内(23〜31)であるかを判定する(S36)。
そして、S36で「Yes」と判定された場合、タイムコード取得手段22は、そのビットの符号を「0」とし、ビット情報記憶手段23に記憶する(S37)。
また、S36で「No」と判定された場合、タイムコード取得手段22は、そのビットの符号を「1」とし、ビット情報記憶手段23に記憶する(S38)。
従って、0秒位置が確定した後は、タイムコード取得手段22は、表2に基づき、Lレベル数に応じて「0,1」の2値に符号化し、「P」に符号化することは行わない。
【0064】
例えば、図9に示す信号例は、それぞれ符号「1」の信号を受信した際の受信波形であり、図9(A)はノイズの影響がなかった場合の信号波形であり、図9(B)はノイズの影響があった場合の信号波形である。
そして、図9(A)はLレベル数が16であるため、タイムコード取得手段22は、0秒位置の確定前および確定後のいずれの場合も「1」に符号化する。
一方、図9(B)はLレベル数が8であるため、タイムコード取得手段22は、0秒位置の確定前は「P」に符号化し、誤って判定をしてしまう。しかし、タイムコード取得手段22は、0秒位置の確定後は「1」に符号化するため、正しい判定を行うことができる。
なお、0秒位置確定後は、「P」の符号が無くなるが、0秒位置が確定していれば、各ビットの位置も把握できる。従って、時刻情報を得るために必要なデータビットの情報のみを利用して時刻を求めることができるので、エラーを生じることなく、正しい時刻情報を取得することができる。
【0065】
[第3実施形態の作用効果]
このような第3実施形態によれば、0秒位置を確定する前は、「P,1,0」の3値に符号化しているので、マーカやポジションマーカを表す「P」を確認することで、0秒位置を確定することができる。
そして、0秒位置を確定した後は、「1,0」の2値に符号化しているので、データビットの情報を誤って「P」に符号化することを防止できる。このため、データビットに「P」が含まれることによる受信エラーを防止でき、誤受信の少ない電波修正時計を提供することができる。
【0066】
また、前記各実施形態のように、一旦、「P」に符号化されたデータビットを「1」に修正する必要がないため、タイムコード変換手段24を設ける必要もなく、制御回路20の構成を簡易化でき、かつ、データ処理負荷も軽減できる。
【0067】
[変形例]
なお、本発明は、前記各実施形態に限らない。
例えば、前記各実施形態では、日本の標準電波JJYを受信する場合で説明したが、他の国の標準電波を受信するように構成してもよい。特に、米国の標準電波「WWVB」は、JJYと同様に、複数箇所にマーカとなる「P」を設けており、データビットが「P」と判断されると受信エラーになりやすい。このため、本発明を適用することで、受信性能を向上できる。
【0068】
さらに、前記第1,2実施形態の符号修正手段242は、データビットにおいて「P」と判定された場合は「1」に修正していたが、「P」に最も近い波形の符号が「0」の標準電波の場合は「0」に修正するように設定すればよい。
同様に、前記第3実施形態では、0秒位置確定後は、0秒位置の確定前に「P」と判定した条件に該当する場合は「1」に符号化するようにしていたが、「P」に最も近い波形の符号が「0」の場合、0秒位置の確定前に「P」と判定した条件に該当する場合は「0」に符号化するように設定すればよい。
【0069】
本発明の受信処理は、予め設定された時刻に受信する自動受信の場合に限らず、外部操作部材の操作による手動受信時に行ってもよい。また、自動受信を行う条件としては、予め決められた時刻に受信を行う定時受信に限らず、例えば、太陽電池や紫外線センサ等を利用した屋外検出によって1日に1回の受信処理を行うように設定してもよい。
【0070】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【符号の説明】
【0071】
1…電波修正時計、2…マイコン、3…アンテナ、4…受信回路、11…時針、12…分針、13…秒針、20…制御回路、21…受信処理手段、22…タイムコード取得手段、23…ビット情報記憶手段、24…タイムコード変換手段、25…受信制御手段、26…計時手段、27…表示時刻制御手段、28…外部操作制御手段、241…非存在符号検出手段、242…符号修正手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻情報を含む標準電波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した標準電波に基づく時刻データを、時刻データの各ビット毎に符号化する符号化手段と、
前記符号化手段によって符号化された時刻データの各ビット情報に基づいて、時刻データにおいて1分間隔で送信されるタイムコードの開始位置を確定する開始位置確定手段とを備える時刻受信装置であって、
前記符号化手段は、
前記開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定するまでは、前記時刻データを、「0」、「1」、「P」の3種類に符号化し、
前記開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定した後は、前記時刻データを、「0」、「1」の2種類に符号化することを特徴とする時刻受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の時刻受信装置と、
前記時刻受信装置で取得された各ビット情報に基づく時刻データによって内部時刻データを修正する時刻修正手段と、
前記内部時刻データに基づいて時刻を指示する時刻表示手段とを備えることを特徴とする電波修正時計。
【請求項3】
時刻情報を含む標準電波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した標準電波に基づく時刻データを、時刻データの各ビット毎に符号化する符号化手段と、
前記符号化手段によって符号化された時刻データの各ビット情報に基づいて、時刻データにおいて1分間隔で送信されるタイムコードの開始位置を確定する開始位置確定手段とを備える時刻受信装置の制御方法であって、
前記開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定するまでは、前記時刻データを、「0」、「1」、「P」の3種類に符号化し、
前記開始位置確定手段においてタイムコードの開始位置を確定した後は、前記時刻データを、「0」、「1」の2種類に符号化することを特徴とする時刻受信装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−92533(P2013−92533A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−5746(P2013−5746)
【出願日】平成25年1月16日(2013.1.16)
【分割の表示】特願2008−207192(P2008−207192)の分割
【原出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】