説明

時間通知装置

【課題】カプセル内視鏡から送信される情報に応じてカプセル内視鏡の位置を把握し、適切なときに適切な量の投薬を行うべく、ユーザに報知する時間通知装置を得る。
【解決手段】カプセル内視鏡が嚥下されると処理が開始される。ステップS21では、画像データの平均色が一定範囲に一定期間以上入っているかが判断される。ステップS21において平均色が一定範囲に一定期間入っているとき処理はステップS22へ移行する。ステップS22においてカプセル内視鏡の現在位置は基準位置にあると特定される。ステップS23では基準位置時間差を算出する。ステップS24では調整投薬時間を算出する。調整投薬時間はカプセル内視鏡が基準位置から目標位置への移動に要する時間の予測値である。ステップS25で調整投薬時間が経過すると、音声合成回路は投薬時間が到来した旨の音声を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば薬剤の投薬を行う時機が到来したことをユーザに報知する時間通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤は、過剰投与及び過少投与を防止して薬効を発揮するために、正しい時間間隔で投薬されるべきである。そこで、予め設定された時間間隔で、ユーザに薬を服用する時機を報知する構成が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特表昭55−500803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、カプセル内視鏡を用いて体内の観察を行うとき内臓は充分に洗浄されている必要がある。また適切な観察を行うためカプセル内視鏡の移動速度を促進又は鈍化させなければならないことがある。そこで、カプセル内視鏡が嚥下された後に、内臓を洗浄する薬剤や、カプセル内視鏡の移動を促進又は鈍化させる薬剤を投与することがある。
【0004】
これらの薬剤を投与するタイミングを決定する場合には、体内におけるカプセル内視鏡の位置を確認する必要がある。従来、医師はカプセル内視鏡から送信される画像を監視することによりカプセル内視鏡の位置を確認していた。これは医師の負担を増やすだけでなく、医療コストの上昇に直結する。
【0005】
本願はこれらの問題を踏まえてなされたものであり、カプセル内視鏡から送信される情報に応じてカプセル内視鏡の位置を把握し、適切なときに適切な量の投薬を行うべく、ユーザに報知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願第1の発明による時間通知装置は、カプセル内視鏡から送信されるデータ信号を受信するデータ受信手段と、データ信号を用いてカプセル内視鏡の現在位置を特定する位置特定手段と、位置特定手段により特定された現在位置を用いて、報知時機を決定する時機決定手段と、報知時機が到来したことを示す報知手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
データ信号は画像データを有し、位置特定手段は、カプセル内視鏡が予め定められた基準位置を通過したことを画像データを用いて検知することにより、カプセル内視鏡の現在位置を特定することが好ましい。
【0008】
位置特定手段は、画像データが有する色が一定の範囲に入っているときにカプセル内視鏡が予め定められた基準位置を通過したと検知しても良い。また、色が一定の範囲に一定期間以上入っているときにカプセル内視鏡が予め定められた基準位置を通過したと検知するように構成されても良い。
【0009】
あるいは、データ信号はpH値を有し、位置特定手段は、カプセル内視鏡が予め定められた基準位置を通過したことをpH値を用いて検知することにより、カプセル内視鏡の現在位置を特定するものでも良い。
【0010】
さらに、時機決定手段はカプセル内視鏡が現在位置から予め定められた目標位置に到達するまでの標準的な到達時間である標準目標到達時間を有し、カプセル内視鏡が現在位置にある時から標準目標到達時間が経過したときを報知時機として決定することが望ましい。
【0011】
また、時間通知装置はカプセル内視鏡が体腔内に嚥下された時から現在位置に到達するまでの基準位置到達時間を測定する経過時間測定手段をさらに備え、時機決定手段は、カプセル内視鏡が体腔内に嚥下された時から現在位置に到達するまでの標準的な到達時間である標準到達時間と、カプセル内視鏡が現在位置から予め定められた目標位置に到達するまでの標準的な到達時間である標準目標到達時間とを有し、標準到達時間と基準位置到達時間との差、及び標準目標到達時間に応じて、カプセル内視鏡が現在位置から目標位置に到達するまでの目標到達時間を算出し、カプセル内視鏡が現在位置にある時から目標到達時間が経過したときを報知時機として決定することが好ましい。
【0012】
一方、時機決定手段はカプセル内視鏡が体腔内に嚥下された時から現在位置に到達するまでの標準的な到達時間である標準到達時間を有し、時間通知装置は、カプセル内視鏡が体腔内に嚥下された時から現在位置に到達するまでの基準位置到達時間を測定する経過時間測定手段と、基準位置到達時間と標準到達時間との差及び標準到達時間に対応する基準投薬量に応じて調整投薬量を算出する投薬量算出手段とをさらに備え、報知手段は調整投薬量を示すものでも良い。
【0013】
そして、この報知手段は、時機決定手段が決定した時機が到来したときに投薬量を示すものであればなお良い。
【0014】
本願第2の発明による体外ユニットは、上記時間通知装置を備え、カプセル内視鏡と共に用いられることを特徴とする。
【0015】
本願第3の発明によるカプセル内視鏡システムは、上記時間通知装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、カプセル内視鏡から送信される情報に応じてカプセル内視鏡の位置を把握し、適切なときに適切な量の投薬を行うべく、ユーザに報知する時間通知装置を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0018】
本発明による第1の実施形態について、図1から3を用いて説明する。
【0019】
図1は投薬時間通知装置を備えるカプセル内視鏡システムである。カプセル内視鏡システムはカプセル内視鏡200と体外ユニット100とから構成され、投薬時間通知装置は体外ユニット100に設けられる。
【0020】
カプセル内視鏡200は、嚥下されて体内に導かれ、内臓の内壁を撮影して得られた映像を体外ユニット100に無線信号で送信する。体外ユニット100は受信した無線信号を復号して映像を得る。映像は表示装置102に表示される。
【0021】
カプセル内視鏡200は、レンズ201の周囲に設けられた照明装置202を用いて観察対象物を照明する。観察対象物からの反射光はレンズ201から入射して撮像素子203に結像する。撮像素子203は結像した像を電気信号に変換し、信号処理回路204に送信する。電気信号は信号処理回路204により画像信号に処理され、画像信号送信回路205は画像信号を無線信号として送信アンテナ206から発信する。電源207は、これらの装置に電力を供給する。
【0022】
体外ユニット100は、カプセル内視鏡200からの無線信号を受信アンテナ103で受信する。信号は画像信号受信回路104で画像信号に復号される。受信アンテナ103及び画像信号受信回路104はデータ受信手段を構成する。表示装置102は復号された画像信号を受信して表示する。
【0023】
画像信号受信回路104に接続される画像メモリ105は、観察対象物の映像を記録する。画像信号受信回路104は投薬タイミング算出回路106に接続され、画像信号を送信する。投薬タイミング算出回路106は、位置特定手段及び時機決定手段を構成し、記憶メモリ107及び経過時間測定手段であるタイマ108に接続されて投薬のタイミングを算出する。
【0024】
投薬のタイミングに到達すると、投薬タイミング算出回路106は音声合成回路109に信号を送信する。信号を受信した音声合成回路109は、投薬のタイミングが到来したことをユーザに報知する音声をスピーカ110から発する。音声合成回路109及びスピーカ110は報知手段を構成する。ユーザは音声を確認すると確認ボタン112を押圧して投薬タイミング算出回路106に信号を送信し、音声を停止させる。
【0025】
このとき投与される薬は、例えば消化器官内洗浄剤又は蠕動亢進剤である。消化器官内洗浄剤により消化器官内壁が洗浄されて内壁の観察が容易となり、蠕動亢進剤によりカプセル内視鏡の進行が促進される。
【0026】
次に図2及び3を用いて投薬時間通知装置において実行される投薬時間通知処理について説明する。
【0027】
カプセル内視鏡200が嚥下されて体内に置かれると、投薬タイミング算出回路106においてこの処理がステップS20から開始される。このとき、投薬タイミング算出回路106からの信号によりタイマ108がカウントを開始する。
【0028】
ステップS21では、画像信号から得られる画像データの平均色が、一定の範囲に一定期間以上入っているかが判断される。内臓の内壁の色は、例えば胃あるいは小腸といった内臓の種類によって異なる。そのため、画像データに含まれる色がどのような色であるかを判断することにより、現在カプセル内視鏡200が位置する内臓を知ることができる。本実施形態による位置特定手段である投薬タイミング算出回路106は、基準とする内臓を基準位置P1として予め定め、この内臓の内壁色に対応する基準色を記憶メモリ107に記憶する。そして、画像データに含まれる色の平均色が、基準色を中心とする一定の範囲に一定期間以上の間、入っているかどうか判断する。これにより、カプセル内視鏡200が基準位置P1にあるかどうか精度良く判断することができる。
【0029】
ステップS21において平均色が一定の範囲に一定期間入っていないと判断されたとき、処理は平均色が一定の範囲に一定期間入るまでステップS21を繰り返す。入っていると判断されると処理はステップS22へ移行する。
【0030】
画像データの平均色が一定の範囲に一定期間入っているとき、カプセル内視鏡200は基準位置P1にあると判断されるため、ステップS22においてカプセル内視鏡200の現在位置は基準位置P1にあると特定される。そして、投薬タイミング算出回路106はタイマ108を参照して、カプセル内視鏡200が嚥下されてから現在位置に到達するまでの基準位置到達時間t1を取得する。
【0031】
投薬タイミング算出回路106に接続される記憶メモリ107には、カプセル内視鏡200が体腔内に嚥下された時から基準位置P1に到達するまでの標準的な到達時間である標準到達時間a1があらかじめ記録されている。ステップS23では、この標準到達時間a1を記憶メモリ107から読み込み、基準位置到達時間t1から標準到達時間a1を減ずることにより基準位置時間差を算出する。
【0032】
投薬タイミング算出回路106に接続される記憶メモリ107には、カプセル内視鏡200が基準位置P1から目標位置P2に到達するまでの標準的な到達時間である標準目標到達時間a2があらかじめ記録されている。ステップS24では、記憶メモリ107からこの標準目標到達時間a2を読み込んで、調整投薬時間を算出する。調整投薬時間はカプセル内視鏡200が基準位置P1から目標位置P2に到達するまでに経過する時間の予測値であり、基準位置時間差に投薬時間調整係数を乗じて得た値を標準目標到達時間a2に加えて算出される。
【0033】
投薬時間調整係数は、カプセル内視鏡200が基準位置P1に到達する時間及び目標位置P2に到達するまでの時間を実験により調査し統計処理することによって決定された係数である。基準位置到達時間t1が標準到達時間a1よりも短いとき、つまり、カプセル内視鏡200が基準位置P1を通過する時機が標準よりも早いとき、調整投薬時間が標準目標到達時間a2よりも長くなるように、投薬時間調整係数が設定される。あるいは、基準位置到達時間t1が標準到達時間a1よりも長いとき、つまり、カプセル内視鏡200が基準位置P1を通過する時機が標準よりも遅いとき、調整投薬時間が標準目標到達時間a2よりも短くなるように、投薬時間調整係数が設定される。
【0034】
そして、ステップS25でカプセル内視鏡200が基準位置P1に到達した時から調整投薬時間が経過すると、投薬タイミング算出回路106は音声合成回路109に信号を送信する。信号を受信した音声合成回路109は、スピーカ110を介してビープ音、又は投薬時間が到来した旨の音声を発し、ユーザに投薬時機が来たことを報知する。
【0035】
本実施形態によれば、カプセル内視鏡200の進行に応じ、適切な投薬タイミングを被験者に報知することが可能になる。
【0036】
本発明による第2の実施形態について、図3から5を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0037】
本実施形態による体外ユニット100は、投薬量算出手段である最適投与量算出回路113を備える。最適投与量算出回路113は、投薬タイミング算出回路106と音声合成回路109との間に設けられ、カプセル内視鏡200の進行に応じた投薬量を算出する。記憶メモリ107は、投薬タイミング算出回路106及び最適投与量算出回路113に接続される。
【0038】
次に図3及び5を用いて投薬時間通知装置において実行される最適投与量通知処理について説明する。
【0039】
カプセル内視鏡200が嚥下されて体内に置かれると、最適投与量算出回路113においてこの処理がステップS40から開始される。このとき、投薬時間通知処理も同時に開始され、投薬タイミング算出回路106からの信号によりタイマ108がカウントを開始する。
【0040】
ステップS41からS43では前述のステップS21からS23と同様に、画像信号から得られる画像データの平均色が一定の範囲に一定期間以上入っているかが判断され、基準位置時間差が算出される。
【0041】
最適投与量算出回路113に接続される記憶メモリ107には、カプセル内視鏡200が基準位置P1に標準目標到達時間a2で到達したときに投薬すべき薬の量である、標準投薬量があらかじめ記録されている。ステップS44では、記憶メモリ107からこの標準投薬量を読み込んで、調整投薬量を算出する。調整投薬量はカプセル内視鏡200が目標位置P2に到達したときに投薬されるべき薬の量であり、基準位置時間差に投薬量調整係数を乗じて得た値を標準投薬量に加えて算出される。
【0042】
投薬量調整係数は、カプセル内視鏡200が基準位置P1に到達する時間及び目標位置P2に到達するまでの時間と投薬量との関係を実験により調査し統計処理することによって決定された係数である。基準位置到達時間t1が標準到達時間a1よりも短いとき、つまり、カプセル内視鏡200が基準位置P1を通過する時機が標準よりも早いとき、調整投薬量が標準投薬量よりも少なくなるように、投薬時間調整係数が設定される。あるいは、基準位置到達時間t1が標準到達時間a1よりも長いとき、つまり、カプセル内視鏡200が基準位置P1を通過する時機が標準よりも遅いとき、調整投薬量が標準投薬量よりも多くなるように、投薬時間調整係数が設定される。
【0043】
そしてステップS45では、カプセル内視鏡200が基準位置P1に到達した時から標準目標到達時間a2が経過したとき、投薬タイミング算出回路106は最適投与量算出回路113に標準目標到達時間a2が経過したことを示す第1の信号を送信する。最適投与量算出回路113は第1の信号を受けて、音声合成回路109に最適調整投薬量を通知する第2の信号を送信する。第2の信号を受信した音声合成回路109は、最適調整投薬量を通知する音声を発し、ユーザに標準目標到達時間a2の経過及び最適調整投薬量を報知する。
【0044】
本実施形態によれば、カプセル内視鏡200の進行に応じた最適な投薬量の薬剤を被験者に投与することが可能になる。
【0045】
本発明による第3の実施形態について、図3、4及び6を用いて説明する。第1及び第2の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0046】
図6は投薬時間通知装置において実行される最適投薬処理について説明する。
【0047】
カプセル内視鏡200が嚥下されて体内に置かれると、投薬タイミング算出回路106及び最適投与量算出回路113においてこの処理がステップS50から開始される。
【0048】
ステップS51からS53では前述のステップS21からS23と同様に、画像信号から得られる画像データの平均色が一定の範囲に一定期間以上入っているかが判断され、基準位置時間差が算出される。
【0049】
ステップS54では、記憶メモリ107から標準投薬量を読み込んで、最適調整投薬時間及び最適調整投薬量を算出する。
【0050】
最適調整投薬時間はカプセル内視鏡200が基準位置P1から目標位置P2に到達するまでに経過する時間の予測値であり、基準位置時間差に最適投薬時間調整係数を乗じて得た値を標準目標到達時間a2に加えて算出される。最適投薬時間調整係数は、カプセル内視鏡200が基準位置P1に到達する時間及び目標位置P2に到達するまでの時間を実験によって調査し統計処理することにより決定された係数である。基準位置到達時間t1が標準到達時間a1よりも短いとき、つまり、カプセル内視鏡200が基準位置P1を通過する時機が標準よりも早いとき、最適調整投薬時間が標準目標到達時間a2よりも長くなるように、最適投薬時間調整係数が設定される。あるいは、基準位置到達時間t1が標準到達時間a1よりも長いとき、つまり、カプセル内視鏡200が基準位置P1を通過する時機が標準よりも遅いとき、最適調整投薬時間が標準目標到達時間a2よりも短くなるように、最適投薬時間調整係数が設定される。
【0051】
最適調整投薬量はカプセル内視鏡200が目標位置P2に到達したときに投薬されるべき薬の量であり、最適調整投薬量は基準位置時間差に最適投薬量調整係数を乗じて得た値を標準投薬量に加えて算出される。最適投薬量調整係数は、カプセル内視鏡200が基準位置P1に到達する時間及び目標位置P2に到達するまでの時間と投薬量との関係を実験によって調査し統計処理することにより決定された係数である。基準位置到達時間t1が標準到達時間a1よりも短いとき、つまり、カプセル内視鏡200が基準位置P1を通過する時機が標準よりも早いとき、最適調整投薬量が標準投薬量よりも少なくなるように、最適投薬時間調整係数が設定される。あるいは、基準位置到達時間t1が標準到達時間a1よりも長いとき、つまり、カプセル内視鏡200が基準位置P1を通過する時機が標準よりも遅いとき、最適調整投薬量が標準投薬量よりも多くなるように、最適投薬時間調整係数が設定される。
【0052】
そしてステップS55では、カプセル内視鏡200が基準位置P1に到達した時から最適調整投薬時間が経過したとき、投薬タイミング算出回路106は最適投与量算出回路113に最適調整投薬時間が経過したことを示す第1の信号を送信する。最適投与量算出回路113は第1の信号を受けて、音声合成回路109に最適調整投薬量を通知する第2の信号を送信する。第2の信号を受信した音声合成回路109は、最適調整投薬量を通知する音声を発し、ユーザに最適調整投薬時間の経過及び最適調整投薬量を報知する。
【0053】
本実施形態によれば、カプセル内視鏡200の進行に応じ、最適な投薬タイミングで最適な投薬量の薬剤を被験者に投与することが可能になる。
【0054】
なお、第1から第3の実施形態において、投薬タイミング算出回路106が表示装置に信号を送信して、表示装置が調整投薬時間を表示してもよい。
【0055】
また、第2及び第3の実施形態において、最適投与量算出回路113が表示装置に信号を送信して、表示装置が調整投薬量を表示してもよい。
【0056】
なお、カプセル内視鏡200にはpHセンサが設けられても良い。pHセンサにより測定された体内のpH値は、カプセル内視鏡200が備える信号送信回路を介して体外ユニット100に送信される。投薬タイミング算出回路106はpH値が所定の範囲にあるか否かにより体内におけるカプセル内視鏡200の位置を検知する。これにより、画像処理を行わずにカプセル内視鏡200の位置を把握することが可能になる。
【0057】
タイマは時刻を出力するものであり、投薬タイミング算出回路106はカプセル内視鏡200が基準位置P1に到達した時刻から嚥下された時刻を減ずることにより基準位置到達時間t1を算出するものでも良い。
【0058】
投薬時間通知装置は体外ユニット100の内部に設けられなくても良く、体外ユニット100と別体式であって通信手段により接続されるものでも良い。また、体外ユニット100とは別個に設けられ、カプセル内視鏡200からの画像信号を直接受信するように構成されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1の実施形態による投薬時間通知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】投薬時間通知装置の処理を示したフローチャートである。
【図3】体内におけるカプセル内視鏡の位置とその位置に到達するまでの時間との関係を示した図である。
【図4】第2の実施形態による投薬時間通知装置の構成を示すブロック図である。
【図5】投薬時間通知装置の処理を示したフローチャートである。
【図6】第3の実施形態による投薬時間通知装置の処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
100 体外ユニット
106 投薬タイミング算出回路
107 記憶メモリ
108 タイマ
109 音声合成回路
113 最適投与量算出回路
200 カプセル内視鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル内視鏡から送信されるデータ信号を受信するデータ受信手段と、
受信された前記データ信号を用いて前記カプセル内視鏡の現在位置を特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段により特定された現在位置を用いて、報知時機を決定する時機決定手段と、
前記報知時機が到来したことを示す報知手段と
を備える時間通知装置。
【請求項2】
前記データ信号は画像データを有し、
前記位置特定手段は、前記カプセル内視鏡が予め定められた基準位置を通過したことを前記画像データを用いて検知することにより、前記カプセル内視鏡の現在位置を特定する請求項1に記載の時間通知装置。
【請求項3】
前記位置特定手段は、前記画像データの有する色が一定の範囲に入っているときに前記カプセル内視鏡が予め定められた基準位置を通過したと検知する請求項2に記載の時間通知装置。
【請求項4】
前記位置特定手段は、前記画像データの有する色が一定の範囲に一定期間以上入っているときに前記カプセル内視鏡が予め定められた基準位置を通過したと検知する請求項2に記載の時間通知装置。
【請求項5】
前記データ信号はpH値を有し、
前記位置特定手段は、前記カプセル内視鏡が予め定められた基準位置を通過したことを前記pH値を用いて検知することにより、前記カプセル内視鏡の現在位置を特定する請求項1に記載の時間通知装置。
【請求項6】
前記時機決定手段はカプセル内視鏡が前記現在位置から予め定められた目標位置に到達するまでの標準的な到達時間である標準目標到達時間を有し、前記カプセル内視鏡が前記現在位置にある時から前記標準目標到達時間が経過したときを前記報知時機として決定する請求項1に記載の時間通知装置。
【請求項7】
前記時間通知装置は、前記カプセル内視鏡が体腔内に嚥下された時から前記現在位置に到達するまでの基準位置到達時間を測定する経過時間測定手段をさらに備え、
前記時機決定手段は、
前記カプセル内視鏡が体腔内に嚥下された時から前記現在位置に到達するまでの標準的な到達時間である標準到達時間と、
前記カプセル内視鏡が前記現在位置から予め定められた目標位置に到達するまでの標準的な到達時間である標準目標到達時間とを有し、
前記標準到達時間と前記基準位置到達時間との差、及び前記標準目標到達時間に応じて、前記カプセル内視鏡が前記現在位置から前記目標位置に到達するまでの目標到達時間を算出し、前記カプセル内視鏡が前記現在位置にある時から前記目標到達時間が経過したときを前記報知時機として決定する請求項1に記載の時間通知装置。
【請求項8】
前記時機決定手段は、前記カプセル内視鏡が体腔内に嚥下された時から前記現在位置に到達するまでの標準的な到達時間である標準到達時間を有し、
前記時間通知装置は、
前記カプセル内視鏡が体腔内に嚥下された時から前記現在位置に到達するまでの基準位置到達時間を測定する経過時間測定手段と、
前記基準位置到達時間と前記標準到達時間との差及び前記標準到達時間に対応する基準投薬量に応じて調整投薬量を算出する投薬量算出手段とをさらに備え、
前記報知手段は前記調整投薬量を示す請求項1に記載の時間通知装置。
【請求項9】
前記報知手段は、前記時機決定手段が決定した時機が到来したときに前記投薬量を示す請求項8に記載の時間通知装置。
【請求項10】
請求項1に記載の時間通知装置を備え、カプセル内視鏡と共に用いられる体外ユニット。
【請求項11】
請求項1に記載の時間通知装置を備えるカプセル内視鏡システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−34367(P2009−34367A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201677(P2007−201677)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】