説明

暖房装置

【課題】暖房装置において、燃焼効率、及びエミッションの発生を改善すること。
【解決手段】暖房装置は、高温流体流動部を流動する高温流体としての燃焼ガスとの間で熱交換することによって、低温流体としての空気を加温し、その加温した空気を吐出する。高温流体流動部の燃焼部は、燃料を噴射する噴射機構と、噴射機構から噴射された燃料を点火する点火機構と、噴射機構から噴射された燃料Flが燃焼される燃焼空間を有した燃焼室13とを備えている。燃焼室13は、該燃焼室の外殻をなし、かつ円筒状に形成された外筒45を有している。その上で、燃焼部では、燃焼室13の周方向に沿って火炎、ひいては燃焼ガスGcが生じる(即ち、燃焼ガスによる旋回流が生じる)ように、外筒45の内壁に対する接線方向に沿って噴射ノズル16から噴射された燃料及び圧縮空気に、点火プラグ19にて点火する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から取り込んだ流体を加温して吐出する暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設園芸用温室の暖房に用いる暖房装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、図17は、特許文献1に記載された暖房装置の構成を模式的に示した図である。
【0003】
図17に示すように、暖房装置200は、燃料を燃焼させることで生成した燃焼ガスGcを、暖房装置200の外部へと排出する流路を構成する燃焼ガス流動部205と、燃焼ガス流動部205を流れる高温流体としての燃焼ガスGcとの間で熱交換することによって、送風ファン216によって暖房装置200の外部から取り入れた低温流体としての空気Arを加温して施設園芸用温室内に吐出する流路を構成する低温流体流動部215とを備えている。
【0004】
特許文献1に記載の暖房装置200における燃焼ガス流動部205は、燃料を燃焼させる空間を有した燃焼室207と、その燃焼室207内で燃料を燃焼させて火炎Fを発生させるバーナ206と、燃焼室207内での燃焼によって生じた燃焼ガスGcの流路を構成する煙管208,煙室209,及び煙突210とを備えている。
【0005】
そして、燃焼室207は、一端が閉塞された筒状に形成されている。この燃焼室207の閉塞された一端を形成する底部の軸方向中心(即ち、円中心)には、燃焼室207の軸方向に沿って火炎が噴き出すようにバーナ206が設置され、燃焼室207の他端には、煙管208が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−034356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように形成された燃焼室207の軸方向に沿ってバーナ206から火炎Fを生じさせることで燃焼室207にて燃料を燃焼させる場合、その燃焼室207での燃焼温度は低くなる。このため、特許文献1に記載の暖房装置200では、煤などに代表される粒子状物質(PM)や、二酸化炭素などのいわゆるエミッションが多く発生するという問題がある。
【0008】
つまり、暖房装置において、燃焼効率が良く、エミッションの発生を低減させることが望まれている。
そこで、本発明は、暖房装置において、燃焼効率、及びエミッションの発生を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明は、暖房装置に関する。
本発明の暖房装置では、低温流体流動部が、当該暖房装置の外部から取り入れた低温流体を、熱交換によって加温して吐出する流路をなす。
【0010】
そして、少なくとも一つの燃焼部が、少なくとも燃料を噴射するノズル、ノズルから噴射された燃料を燃焼させることで燃焼ガスを生成する燃焼室、及び燃焼室で生成された燃焼ガスを高温流体として、低温流体流動部を流れる低温流体との間で熱交換する熱交換部を有している。このように熱交換部にて熱交換された燃焼ガスである排気ガスは、排気ガス流動部を流路として、当該暖房装置の外部へと排出される。
【0011】
本発明における燃焼室は、該燃焼室の外殻をなし、筒状に形成された外筒を有している。そして、本発明における燃焼部では、燃焼室の周方向に沿って火炎が生じるように、外筒の内壁に対して接線方向に沿ってノズルから燃料を噴射して燃焼させる。
【0012】
このような暖房装置であれば、燃焼室内において、燃焼室の周方向に沿って旋回するように火炎が形成され、燃焼室内での燃焼ガスは旋回流となる。
このような旋回流により、本発明の暖房装置によれば、燃焼室内を高温にすることができる。しかも、このように高温となる燃焼室において燃料を燃焼させることで、燃料の気化が促進され、燃料の燃焼温度をより高温とすることができる。
【0013】
この結果、本発明の暖房装置によれば、燃焼効率を向上させることができ、排気ガス中に含まれるエミッションを低減できる。換言すれば、本発明の暖房装置によれば、燃焼効率、及びエミッションの発生を改善できる。
【0014】
本発明の暖房装置においては、燃焼部を2つ備えていても良い(請求項2)。
このような暖房装置によれば、より多くの低温流体の温度を高温にすることができ、その高温となった低温流体を当該暖房装置から吐出することができる。
【0015】
さらに、本発明における燃焼室は、外筒の径よりも径が小さい筒状に形成され、外筒と同心円状に配置される内筒を有している。そして、本発明における燃焼部は、外筒の内壁と内筒の外壁との間に形成される空間にノズルから燃料を噴射して燃焼させる(請求項3)。
【0016】
このような燃焼室であれば、燃焼ガスによる旋回流をより確実に発生させることができ、当該燃焼室内での燃焼温度をより確実に高温とすることができる。
ところで、本発明の暖房装置のように、燃料を高温で燃焼させた場合であっても、煤などの粒子状物質(いわゆるPM)の発生を完全に「0」とすることは困難である。
【0017】
このため、本発明における燃焼部には、燃焼ガスに含まれる微粒子を収集する集塵部が設けられていることが好ましい(請求項4)。なお、ここで言う微粒子とは、塵や、不完全燃焼に起因して生じる煤などの粒子状物質を含むものである。
【0018】
このような暖房装置であれば、燃焼ガスに含まれる微粒子を収集することができ、排気ガス中に含まれる粒子状物質を低減できる。
本発明において、集塵部は、燃焼室に接続されたサイクロン集塵機構であっても良い(請求項5)。このサイクロン集塵機構とは、燃焼ガス中の微粒子を遠心分離する機構である。
【0019】
このような暖房装置であれば、サイクロン集塵機構を燃焼室に接続することで、燃焼ガスに含まれる微粒子の収集を実現できる。
本発明における排気ガス流動部では、硫黄酸化物除去部が、少なくとも水を含む液体を燃焼ガスに噴霧しても良い(請求項6)。この場合、本発明の排気ガス流動部は、硫黄酸化物除去部にて液体が噴霧された後の燃焼ガスを、排気ガスとすれば良い。
【0020】
このように熱交換部にて熱交換された後の燃焼ガスに対して液体を噴霧することで、本発明の暖房装置から排出される排気ガスの温度を低下させることができる。この結果、本発明の暖房装置によれば、排気ガスを用いて、例えば、施設園芸用温室などの対象物を暖房することが可能となる。
【0021】
また、本発明の暖房装置における燃料として、硫黄が含まれる燃料(例えば、軽油や重油といった石油から精製した燃料)を用いると、その燃料を燃焼させた燃焼ガスには、硫黄酸化物が含まれる。
【0022】
しかしながら、本発明の暖房装置によれば、燃焼ガスに対して液体を噴霧するため、その液体に硫黄酸化物を融解させることができる。この結果、排気ガス中に含まれる硫黄酸化物を減少させることができる。
【0023】
なお、硫黄酸化物除去部にて噴霧された後、燃焼ガスと反応した液体には、硫黄酸化物が融解している。このように硫黄酸化物が融解した液体は、強酸性であるため、暖房装置の外部に排出する際には、中和処理を加える必要がある。
【0024】
そこで、本発明の暖房装置においては、第一液体流動部を流路として、硫黄酸化物除去部にて噴霧された液体を流動させ、その第一液体流動部を流れる液体を、液体中和部が中和しても良い。この場合、液体排出流動部を流路として、中和された液体を暖房装置の外部に排出しても良い(請求項7)。
【0025】
このような暖房装置によれば、硫黄酸化物が融解した液体を中和することができ、当該暖房装置から暖房装置の外部に排出する液体を、安全性の高いものとすることができる。
一般的な燃焼ガスには、水分が含まれる。このため、熱交換部にて、燃焼ガスが低温流体との間で熱交換されて冷却されると、燃焼ガス中の水分が凝縮される。この燃焼ガスが凝縮されることで生じた液体には、硫黄酸化物が融解している可能性が高い。
【0026】
そこで、本発明の暖房装置においては、第二液体流動部を流路として、熱交換部にて燃焼ガスが冷却されることで生じる液体を流動させ、その第二液体流動部を流れる液体を、液体中和部が中和しても良い。この場合、液体排出流動部を流路として、中和された液体を当該暖房装置の外部に排出しても良い(請求項8)。
【0027】
このような暖房装置であれば、燃焼ガスが凝縮されることで生じた液体を中和することができ、当該暖房装置から暖房装置の外部に排出する液体を、安全性の高いものとすることができる。
【0028】
通常、硫黄酸化物が融解した液体は、カルシウム(例えば、炭酸カルシウム)などによって中和可能である。このため、本発明における液体中和部は、カルシウムを含むフィルタを、少なくとも一つ備えていても良い(請求項9)。
【0029】
このような暖房装置であれば、硫黄酸化物が融解した液体を中和できる。
さらに、本発明の暖房装置において、フィルタは、牡蠣の貝殻を少なくとも一つ有していても良い(請求項10)。
【0030】
牡蠣の貝殻は、カルシウムを含む複数の薄膜が層状に重なることで形成されているため、硫黄酸化物が融解した液体を効率良く中和することができる。
本発明における燃焼部は、燃焼室に、当該燃焼室内への空気の取り入れ口である空気取入口が形成され、該空気取入口への空気の流入経路となるように、一端が空気取入口に接続され、他端が大気開放された管状に形成された空気取入管を有していても良い。この場合、空気取入管は、空気取入口から他端までの距離を変更可能に構成されていることが好ましい(請求項11)。
【0031】
つまり、暖房装置の外部へと排気ガスが排気される際に、その排気ガス(即ち、燃焼ガス)により流路内の空気が振動する(即ち、脈動が生じる)ことがある。この振動が空気取入管にて共振すると、燃焼室内に空気を取り入れることが困難となり、燃焼室内での燃焼が不完全燃焼となる可能性があった。
【0032】
しかしながら、本発明の暖房装置であれば、空気取入管の軸方向に沿った長さを変更することで、空気取入管の固有振動数を変更でき、共振を防止できる。この結果、燃焼室内への空気の取り入れを確実に実施でき、燃焼室内での燃焼が不完全燃焼となることをより確実に低減できる。
【0033】
さらに、本発明における排気ガス流動部では、消音器が、燃焼ガスによって生じる音を低減しても良い(請求項12)。
このような暖房装置によれば、排気ガスによって生じる音を低減でき、当該暖房装置が設置される場所の周辺に対して騒音を発することを低減できる。
【0034】
なお、本発明の暖房装置におけるノズルは、燃料と共に、圧縮空気を噴射しても良い(請求項13)。
このような暖房装置であれば、燃料を霧化することができ、燃焼効率をより向上させることができる。
【0035】
なお、本発明において、熱交換部は、波板状に形成された2つの板材を、当該2つの板材の間が高温流体の流路となるように、当該2つの板材の間に隙間が形成されるように配置された熱交換器を備えていても良い(請求項14)。
【0036】
このような熱交換器によれば、表面積、即ち、低温流体と接触する面積が広いため、効率良く熱交換を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明が適用された暖房装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す暖房装置の一部分のA'−A'断面図である。
【図3】燃焼室の斜視図である。
【図4】消音器の構成を模式的に示す図である。
【図5】後処理装置の構成を模式的に示す図である。
【図6】暖房装置の制御系を示すブロック図である。
【図7】第二実施形態における暖房装置の一部分を模式的に示す図である。
【図8】図7に示す暖房装置の一部分のA'−A'断面図である。
【図9】エアインテークの構成を模式的に示す図である。
【図10】第三実施形態における暖房装置一部分を模式的に示す図である。
【図11】図10に示す暖房装置の一部分のA'−A'断面図である。
【図12】図10に示す暖房装置の一部分のB'−B'断面図である。
【図13】第三実施形態における燃焼室を示す図である。
【図14】燃焼室の変形例を示す斜視図である。
【図15】図14に示す燃焼室の内部構造を示す図面である。
【図16】図14に示す燃焼室のB'−B'断面図である。
【図17】従来の暖房装置の構成を模式的に示す図である。
【図18】第四実施形態における暖房装置を示す図である。
【図19】第四実施形態の暖房装置における高温流体流動部を示す斜視図である。
【図20】第四実施形態における燃焼部を示す斜視図である。
【図21】図20に示す燃焼部のA−A断面図である。
【図22】図20に示す燃焼部のC−C断面図である。
【図23】図20に示す燃焼部のB−B断面図である。
【図24】第四実施形態における高温流体流動部の変形例を示す図である。
【図25】図24に示す排気ガス流動部のD−D断面図である。
【図26】暖房装置の変形例を示す図である。
【図27】第四実施形態における燃焼部の構成を示す図である。
【図28】第四実施形態における排気ガス流動部の概略構成を示す図である。
【図29】第四実施形態におけるドレンパイプの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第一実施形態]
〈暖房装置の構成〉
図1は、本発明が適用された暖房装置の構成を模式的に示す図であり、図2は、図1に示す暖房装置のA'−A'断面図である。
【0039】
本実施形態の暖房装置1は、施設園芸用温室の室内を暖房することに用いられる。
この暖房装置1は、図1,2に示すように、少なくとも燃料Flを燃焼することで生成した燃焼ガスGcが流れる流路を構成する高温流体流動部8と、高温流体流動部8を流動する高温流体としての燃焼ガスGcとの間で熱交換することによって、低温流体としての空気Arを加温し、その加温した空気Arを吐出する流路を構成する低温流体流動部85と、高温流体流動部8での燃料Flの燃焼を少なくとも制御する制御部95(図6参照)とを備えている。
【0040】
暖房装置1の高温流体流動部8は、燃料Flを燃焼することで高温流体としての燃焼ガスGcを生成する燃焼部10と、燃焼部10にて生成された後、熱交換された燃焼ガスGc(以下、排気ガスGs)が、暖房装置1の外部へと排出される流路を構成する排気ガス流動部60とを備えている。
【0041】
排気ガス流動部60は、排気ガス流動部60を流動する排気ガスGsに対し、少なくとも水Wtを噴霧する硫黄酸化物除去部65と、排気ガスGsが流動することで生じる音を低減する消音器70とを含む。つまり、排気ガス流動部60を流動する排気ガスGsは、硫黄酸化物除去部65及び消音器70を経て、排気口61から排出される。また、排気ガス流動部60は、少なくとも硫黄酸化物除去部65にて水Wtが噴霧されることで生じる液体Wa1に対し後処理を加える後処理装置75を備えている。
【0042】
一方、低温流体流動部85は、筐体90内に形成されたダクト86と、筐体90に設けられた空気取込口91から取り込んだ空気Arをダクト86内へと送風する少なくとも一つの送風ファン87とを備えている。つまり、低温流体流動部85では、送風ファン87が駆動されることによって、空気取込口91から筐体90内へと空気Arを取り込む。その筐体90内に取り込まれた空気Arは、高温流体との間で熱交換されることによって加温された後、筐体90に設けられた少なくとも一つの空気吐出口92から吐出される。実施形態における空気吐出口92は、一つの暖房装置1に2つ設けられている。
【0043】
なお、実施形態における暖房装置1は、低温流体流動部85を流動し加温された空気Arが施設園芸用温室内に吐出されるように設置されている。また、本実施形態における暖房装置1では、高温流体流動部8の排気口61が、施設園芸用温室内に設置されていても良い。
〈暖房装置の具体的構造について〉
燃焼部10は、少なくとも燃料Flを噴射する噴射機構11と、噴射機構11から噴射された燃料Flに点火する点火機構12と、噴射機構11から噴射された燃料Flが燃焼される空間(以下、燃焼空間とする)を有した燃焼室13と、燃焼室13にて燃料Flが燃焼されることで生じた燃焼ガスGcを高温流体として熱交換することによって、低温流体流動部85を流動する空気Arを加温する熱交換器14とを備えている。
【0044】
噴射機構11は、少なくとも燃料Flを燃焼室13内に噴射する噴射ノズル16と、噴射ノズル16に燃料Flを供給する燃料供給機構17と、噴射ノズル16に圧縮空気Acを供給する圧縮空気供給機構18とを備えている。
【0045】
このうち、燃料供給機構17は、A重油(即ち、軽油)を燃料Flとして貯留するタンクである外部燃料タンク20と、外部燃料タンク20から噴射ノズル16への燃料Flの供給経路上に設けられた燃料バルブ22、油面調整タンク23、及び燃料流量調整バルブ26とを備えている。
【0046】
油面調整タンク23は、外部燃料タンク20からの燃料Flを一時的に貯留するタンクである。この油面調整タンク23には、油面調整タンク23自身に貯留した燃料Flの量を計測する燃料フロート24、及び燃料センサ25が設けられている。
【0047】
燃料流量調整バルブ26は、油面調整タンク23から噴射ノズル16への燃料Flの供給量を調整する。この燃料流量調整バルブ26は、燃料Flの供給量を、一つのバルブによって調整しても良いし、複数のバルブを切り替えることによって調整しても良い。
【0048】
そして、燃料バルブ22は、外部燃料タンク20から噴射ノズル16への燃料Flの供給経路を開放または閉鎖する。
また、圧縮空気供給機構18は、圧縮空気Acを生成するエアコンプレッサ30と、エアコンプレッサ30から噴射ノズル16までの経路に設けられた減圧バルブ31、空気流量調整バルブ32、及び噴射バルブ33とを備えている。
【0049】
減圧バルブ31は、エアコンプレッサ30にて生成された圧縮空気Acを減圧する。空気流量調整バルブ32は、減圧バルブ31にて減圧された圧縮空気Acの噴射ノズル16への供給量を調整する。この空気流量調整バルブ32は、圧縮空気Acの供給量を、一つのバルブによって調整しても良いし、図1に示すように複数のバルブ32A〜32Eを切り替えることによって調整しても良い。後者の場合、バルブ32A〜32Eは、それぞれ、噴射ノズル16への圧縮空気Acの供給量が、互いに異なる供給量に設定されている必要がある。
【0050】
噴射バルブ33は、減圧バルブ31にて減圧された圧縮空気Acを噴射ノズル16に供給することによって、噴射ノズル16を駆動する。
すなわち、噴射機構11の噴射ノズル16は、外部燃料タンク20から供給される燃料Flと、エアコンプレッサ30から供給される圧縮空気Acとを噴射する。
【0051】
また、点火機構12は、噴射ノズル16から噴射された燃料Flと圧縮空気Acとの混合気に点火する点火プラグ19と、点火プラグ19を駆動するイグナイタ35とを備えている。
〈燃焼室の構造について〉
ここで、図3は、燃焼室13の斜視図である。
【0052】
この図3に示すように、燃焼室13は、噴射ノズル16から噴射された燃料Flと圧縮空気Acとの混合気に点火プラグ19で点火することで生じた火炎を当該燃焼室13に導入する導入部40と、導入部40にて導入された火炎が継続して燃焼する本体部42と、本体部42での燃焼によって発生した燃焼ガスGcを熱交換器14へと導く燃焼ガス排出部49とを備えている。
【0053】
このうち、本体部42は、円板状に形成された天板43及び底板44と、円筒状に形成された外筒45とを備えている。その本体部42は、天板43,底板44,及び外筒45によって囲まれた内部空間が燃焼空間として形成されるように、外筒45の軸方向に沿った端部に、天板43,底板44が接続されている。つまり、本体部42は、天板43、底板44、外筒45が本体部42の外殻を形成し、内部空間を燃焼空間とした有底筒状の構造である。
【0054】
導入部40は、両端が開口を有した筒状に形成されている。そして、外筒45には、周方向に沿った一部分に開口が形成されており、その外筒45の開口の周縁に、導入部40の一端に設けられた開口の周縁が一致するように、導入部40が外筒45に接続されている。なお、導入部40の外筒45に接続されていない端に設けられた開口は、本体部42内に空気を取り込むための空気取入口46として機能する。
【0055】
また、燃焼ガス排出部49は、下端(図3における下側)から上端(図3における上側)に向けて径が拡大する両端開口の円筒状に形成されている。そして、天板43には、軸方向中心を円中心とした円形の開口が形成されており、その天板43の開口の周縁に、燃焼ガス排出部49における下端の開口の周縁が一致するように、燃焼ガス排出部49の下端が天板43に接続されている。
【0056】
このように形成された燃焼室13では、外筒45の内壁に対する接線方向に沿って燃料Fl及び圧縮空気Acが噴射されるように、噴射ノズル16が導入部40に設置されている。これと共に、導入部40には、点火プラグ19が設けられている。
【0057】
つまり、燃焼部10では、燃焼室13の外筒45における内壁の接線方向に沿って噴射ノズル16から燃料Flと圧縮空気Acとを噴射すると共に、その噴射された燃料Flと圧縮空気Acとに点火プラグ19が点火することで、燃焼室13の本体部42の周方向に沿って火炎、ひいては燃焼ガスGcが生じる。
〈熱交換器の構造について〉
図1,2に示すように、熱交換器14は、第一熱交換器51と、第二熱交換器52と、フィン53とを備えている。これら第一熱交換器51、第二熱交換器52、及びフィン53は、低温流体流動部85のダクト86内に設けられており、空気取込口91からの空気Arの流路に沿って、第一熱交換器51、第二熱交換器52、フィン53の順に設けられている。
【0058】
フィン53は、周知の放熱板であり、燃焼室13の外壁に設けられている。
第一熱交換器51、第二熱交換器52は、それぞれ、燃焼ガスGcの流路を構成するように、筒状に形成された煙管54,55を少なくとも一つ有している。
【0059】
そして、第二熱交換器52の煙管55の上流端(図1,2における下側)は、燃焼室13の燃焼ガス排出部49に接続され、第二熱交換器52の煙管55の下流端(図1,2における上側)は、第一熱交換器51に接続されている。また、第一熱交換器51の煙管54の上流端は、第二熱交換器52に接続され、第一熱交換器51の煙管55の下流端は、排気ガス流動部60に接続されている。
【0060】
つまり、熱交換器14は、燃焼ガスGcの流路に沿って上流側から、フィン53、第二熱交換器52、第一熱交換器51の順に設けられている。このように熱交換器14が設けられたことで、空気Ar(即ち、低温流体)との熱交換を行う燃焼ガスGc(即ち、高温流体)は、対向流式の熱交換器と同様、空気Arが低温流体流動部85における下流側に進むほど高温となる。
【0061】
したがって、低温流体流動部85を流動する空気Arは、第一熱交換器51、第二熱交換器52、及びフィン53のそれぞれで、確実に加温(加熱)され、空気吐出口92から吐出されるときには、高い温度となる。
〈硫黄酸化物除去部の構成について〉
次に、硫黄酸化物除去部65について説明する。
【0062】
実施形態における暖房装置1では、燃料Flとして石油に由来するA重油を用いているため、燃焼ガスGc(即ち、排気ガスGs)には、硫黄酸化物(SOx)が含まれる。この排気ガスGsに含まれる硫黄酸化物を低減することを目的として、排気ガス流動部60を流動する排気ガスGsに対し、少なくとも水Wtを噴霧する。
【0063】
これを実現するために、硫黄酸化物除去部65は、水Wtを貯留する水タンク66と、水タンク66から供給される水Wtを排気ガス流動部60内に噴霧するノズル67と、水タンク66からノズル67への経路上に設けられ、水タンク66に貯留された水Wtをノズル67へ圧送するポンプ68とを備えている。
【0064】
つまり、硫黄酸化物除去部65は、ポンプ68が駆動されることで、排気ガス流動部60内を流動する排気ガスGsに、ノズル67から水Wtを噴霧する。
〈消音器の構成について〉
次に、消音器70について説明する。
【0065】
ここで、図4は、消音器の構成を模式的に示した図面であり、図4(A)は、消音器の正面断面を、図4(B)は、消音器の側面断面を示したものである。
消音器70は、排気ガス流動部60において、硫黄酸化物除去部65から排気口61への経路上に設けられる。
【0066】
この消音器70は、筒状に形成された外壁部71と、外壁部71よりも径の小さい筒状に形成され、外壁部71の内壁との間に空間が形成されるように配置される内壁部72と、外壁部71と内壁部72との間に形成された空間に配置されるガラスウール73とを備えている。なお、内壁部72には、網目状の孔(いわゆるパンチングメタル)74が設けられている。
〈後処理装置の構成について〉
次に、後処理装置75について説明する。
【0067】
実施形態における暖房装置1では、燃料Flとして石油に由来するA重油を用いているため、燃焼ガスGc(即ち、排気ガスGs)には、硫黄酸化物(SOx)が含まれる。したがって、排気ガスGsに水Wtを噴霧することで生じた液体Wa1や、燃焼ガスGcが冷却されることで生じる液体Wa2には、硫黄酸化物が融解しており、当該液体Wa1,Wa2は、強酸性となる。
【0068】
そこで、後処理装置75では、液体Wa1,Wa2を中和することを、後処理として実行する。
これを実現するために、図5に示すように、後処理装置75は、硫黄酸化物除去部65にて水Wtが噴霧されることで生じた液体Wa1の流路を構成する第一液体流動部76と、熱交換器14にて燃焼ガスGcが冷却されることで生じる液体Wa2の流路を構成する第二液体流動部77とを備えている。
【0069】
さらに、後処理装置75は、第一液体流動部76からの液体Wa1及び第二液体流動部77からの液体Wa2を中和する中和部本体78と、中和部本体78にて液体Wa1,Wa2を中和した液体Wnを暖房装置1の外部に排出する流路を構成する液体排出流動部81とを備えている。
【0070】
第一液体流動部76、第二液体流動部77、液体排出流動部81のそれぞれは、チューブである。
また、中和部本体78は、第一液体流動部76からの液体Wa1及び第二液体流動部77からの液体Wa2を中和する液体中和部79と、液体中和部79にて中和された液体Wnを貯留する廃棄物タンク80とを備えている。
【0071】
液体中和部79は、カルシウムを含むフィルタ82を少なくとも一つ備えている。各フィルタ82は、複数個の牡蠣の貝殻83が載置され、液体(例えば、水)を通過可能に形成された容器84によって構成されている。すなわち、液体中和部79では、牡蠣の貝殻83に含まれるカルシウム分によって、液体Wa1,Wa2を中和する。
【0072】
なお、ここで言う牡蠣の貝殻83は、加工されていない貝殻であっても良いし、加工された貝殻であっても良い。加工された貝殻には、少なくとも粉砕された貝殻を含む。
〈制御部について〉
次に、制御部について説明する。
【0073】
ここで、図6は、暖房装置1の制御系を示すブロック図である。
暖房装置の制御系は、暖房装置1の状態を検出するセンサ群96と、センサ群96での検出結果に従って制御対象97を制御する制御部95とを備えている。
【0074】
センサ群96には、温度を検出する少なくとも一つの温度センサ98と、流量を検出する流量センサ99と、燃料フロート24と、燃料センサ25とが含まれる。
温度センサ98は、燃焼室13内での燃焼ガスGcの温度、燃焼室13から第二熱交換器52に流入する燃焼ガスGcの温度、及び第一熱交換器51から流出した燃焼ガスGcの温度のそれぞれを検出するように、少なくとも3つ設けられている。また、流量センサ99は、低温流体流動部85を流動する空気Arの流量を検出するように、送風ファン87の近傍に設けられている。
【0075】
また、制御対象97には、空気流量調整バルブ32と、噴射バルブ33と、イグナイタ35と、送風ファン87と、ポンプ68と、燃料バルブ22と、燃料流量調整バルブ26とが含まれる。
【0076】
そして、制御部95は、暖房装置1が始動されると、噴射ノズル16に対する圧縮空気Acの供給量が予め規定された供給量となるように空気流量調整バルブ32を開放すると共に、噴射バルブ33を開放して、燃料Fl及び圧縮空気Acを噴射ノズル16から噴射する。これと共に、イグナイタ35を駆動して、噴射ノズル16から噴射された燃料Fl及び圧縮空気Ac(即ち、混合気)を燃焼させる。
【0077】
その後、制御部95は、送風ファン87を駆動して、低温流体流動部85内に空気Arを流入させる。このとき、流量センサ99の検出結果が異常値であれば、空気流量調整バルブ32及び噴射バルブ33を閉鎖すると共に、イグナイタ35の駆動を停止して、暖房装置1の動作を停止させる。
【0078】
また、制御部95は、流量センサ99の検出結果が正常値であれば、温度センサ98の検出結果に従って、噴射ノズル16に対する圧縮空気Acの供給量が増加するように、空気流量調整バルブ32を制御する。
【0079】
また、制御部95は、流量センサ99の検出結果が正常値であれば、温度センサ98での検出の結果、燃焼室13内の温度が予め規定された閾値以下であれば(即ち、燃焼室13内の温度が低ければ)、噴射ノズル16に対する燃料Flの供給量が、予め規定された最低限の供給量である供給下限値となるように、燃料流量調整バルブ26を制御する。さらに、燃焼室13内の温度が高くなるほど、噴射ノズル16に対する燃料Flの供給量が増加(ただし、予め規定された最大限の供給量である供給上限値まで)するように、燃料流量調整バルブ26を制御する。
【0080】
なお、制御部95は、暖房装置1が始動されると、ポンプ68を駆動して、硫黄酸化物除去部65のノズル67から、排気ガス流動部60内に水Wtを噴射する。
さらに、制御部95は、燃料フロート24または燃料センサ25の検知結果が、予め規定された下限値以上となるように、燃料バルブ22を制御する。つまり、燃料フロート24または燃料センサ25の検知結果に基づいて、油面調整タンク23に貯留される燃料Flの量が、予め規定された範囲内となるように、燃料バルブ22を制御する。これにより、噴射ノズル16に供給される燃料Flは、油面調整タンク23によって、その供給圧力が予め規定された範囲内に維持される。
[第一実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の暖房装置1であれば、燃焼室13の周方向に沿って旋回する火炎が形成され、燃焼室13内での燃焼ガスGcは旋回流となる。
【0081】
このような旋回流の燃焼ガスGcが形成される暖房装置1によれば、燃焼室13内を高温にすることができ、燃焼温度をより高温とすることができる。
この結果、暖房装置1によれば、燃焼効率を向上させることができ、さらには、燃料Flを完全燃焼させることで、排気ガスGs中に含まれるエミッションを低減できる。換言すれば、暖房装置1によれば、燃焼効率、及びエミッションの発生を改善できる。
【0082】
しかも、暖房装置1においては、高温の燃焼ガスGcとの間で熱交換することで、低温流体としての空気Arを加熱するため、その空気Arを高温とすることができる。特に、暖房装置1においては、低温流体流動部85を流動する空気Arが、第一熱交換器51、第二熱交換器52、及びフィン53のそれぞれで、確実に加温(加熱)されるため、空気Arを効率良く加熱することができる。
【0083】
したがって、暖房装置1を用いれば、このように高温となった空気Arを施設園芸用温室内に吐出することで、施設園芸用温室内の温度の上昇を効率良く実現できる。
ところで、従来の一般的な暖房装置にて生じる排気ガスの温度(以下、従来排気温度とする)は、施設園芸用温室の室温として要求される温度に比べて非常に高い。このため、従来の一般的な暖房装置では、排気ガスを施設園芸用温室の室内を暖房する用途に用いることが困難であり、当該排気ガスを施設園芸用温室の室内に導入することなく排気していた。
【0084】
しかしながら、暖房装置1では、硫黄酸化物除去部65にて、熱交換された後の燃焼ガスGc(即ち、排気ガスGs)に対して水Wtを噴霧することで、従来排気温度に比べて、排気ガスGsの温度を低下させることができる。このように温度が低下した排気ガスGsであれば、当該排気ガスGsを施設園芸用温室の室内に導入して、排気ガスを施設園芸用温室の室内を暖房する用途に用いることができる。
【0085】
この結果、暖房装置1によれば、施設園芸用温室内の温度の上昇を効率良く実現できる。
なお、暖房装置1によれば、硫黄酸化物除去部65にて、燃焼ガスGc(排気ガスGs)に対して水Wtを噴霧するため、その水Wtに排気ガスGs中の硫黄酸化物を融解させることができる。この結果、排気ガスGs中に含まれる硫黄酸化物を減少させることができ、暖房装置1から排出される排気ガスGsを、よりクリーンなガスとすることができる。
【0086】
また、暖房装置1では、後処理装置75にて、硫黄酸化物が融解した液体である液体Wa1や液体Wa2を中和している。このため、暖房装置1によれば、暖房装置1の外部に排出する液体Wnを、安全性の高いものとすることができる。
【0087】
そして、暖房装置1においては、液体Wa1及び液体Wa2の中和を、牡蠣の貝殻83に含まれるカルシウムによって実行している。この牡蠣の貝殻83は、カルシウムを含む複数の薄膜が層状に重なることで形成されているため、暖房装置1によれば、液体Wa1,Wa2を効率良く中和することができる。
【0088】
さらに、暖房装置1には、消音器70が設けられているため、排気ガスGsによって生じる音を低減でき、当該暖房装置1が設置される場所の周辺に対して騒音を発することを低減できる。
【0089】
なお、暖房装置1では、燃焼室13内の温度が高くなるほど、噴射ノズル16に対する燃料Flの供給量を増加させるものの、燃焼室13内の温度が低いときには、噴射ノズル16に対する燃料Flの供給量を供給下限値としている。このため、暖房装置1によれば、燃焼室13内が低温であるときに、必要以上の量の燃料Flが燃焼室13内に噴射されることを防止できる。この結果、暖房装置1によれば、燃焼室13内が低温であるときに、不完全燃焼に起因して失火することを防止できる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
【0090】
本実施形態の暖房装置101(図7参照)は、第一実施形態の暖房装置1とは、主として、高温流体流動部の構成が異なる。このため、本実施形態では、第一実施形態の暖房装置1と同様の構成には、同一の符合を付して説明を省略し、第一実施形態の暖房装置1とは異なる高温流体流動部を中心に説明する。
【0091】
ここで、図7は、第二実施形態における暖房装置の一部分の構造を模式的に示した図であり、図8は、図7に示す暖房装置101の一部分のA'−A'断面図である。
本実施形態における暖房装置101は、高温流体流動部103と、低温流体流動部85と、制御部95とを備えている。
【0092】
低温流体流動部85は、送風ファン87を複数(本実施形態では、2つ)備えること、及び2つの空気取込口91、2つの空気吐出口92が、筐体90に設けられていることを除けば、第一実施形態と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0093】
暖房装置101の高温流体流動部103は、燃焼部110,111を備えると共に、燃焼部110,111内に空気Aiを取り入れるエアインテーク115を一つ備えている。さらに、高温流体流動部103は、レゾネータ112と、排気ガス流動部60とを備えている。
【0094】
燃焼部110,111は、それぞれ、噴射機構11(図7,8中は、噴射ノズル16を示す)と、点火機構12(図7,8中は、点火プラグ19を示す)と、燃焼室13と、熱交換器14とを備えている。ただし、本実施形態においては、燃焼部110に設けられた第一熱交換器51と、燃焼部111に設けられた第一熱交換器51とは、一つの熱交換器として構成されている(即ち、燃焼部110と燃焼部111とにより、一つの第一熱交換器51を共有する)。また、燃焼部110に設けられた第二熱交換器52と、燃焼部111に設けられた第二熱交換器52とは、一つの熱交換器として構成されている(即ち、燃焼部110と燃焼部111とにより、一つの第二熱交換器52を共有する)。
【0095】
以下、燃焼部110の構成要素(即ち、噴射機構11、点火機構12、燃焼室13、熱交換器14)と、燃焼部111の構成要素について、区別する必要があるときには、燃焼部110の構成要素については、符号Aを付し、燃焼部111の構成要素については、符号Bを付す。
【0096】
また、本実施形態の燃焼部110,111では、噴射機構11について、噴射ノズル16と燃料供給機構17と圧縮空気供給機構18とを、燃焼部110,111のそれぞれに別個に設けても良いし、噴射ノズル16のみを燃焼部110,111のそれぞれに別個に設け、燃料供給機構17と圧縮空気供給機構18とについては、燃焼部110,111にて共有しても良い。さらに、本実施形態の燃焼部110,111では、点火機構12について、点火プラグ19とイグナイタ35との両方を、燃焼部110,111のそれぞれに別個に設けても良いし、点火プラグ19のみを燃焼部110,111のそれぞれに別個に設け、イグナイタ35については、燃焼部110,111にて共有しても良い。
【0097】
つまり、本実施形態の燃焼部110,111は、第一熱交換器51と、第二熱交換器52とを共有していることを除けば、第一実施形態の燃焼部10と同様に構成されている。
なお、レゾネータ112は、内部に空洞を有した箱形に形成されており、第一熱交換器51から流出した燃焼ガスGcが流入する位置に設けられている。
【0098】
〈エアインテークの構造について〉
次に、エアインテーク115の構造について説明する。
ここで、図9は、エアインテークの構成を模式的に示した図面であり、図9(A)は、エアインテークの正面断面を、図9(B)は、エアインテークの側面断面を示したものである。
【0099】
エアインテーク115は、空気Aiの流路を構成する空気取入管116と、空気取入管116を流動する空気Aiを燃焼室13A,13Bに導入する空気導入室117とを備えている。
【0100】
空気導入室117は、筒状に形成された導入室外壁部118と、導入室外壁部118よりも径の小さい筒状に形成され、導入室外壁部118の内壁との間に空間が形成されるように配置される導入室内壁部119と、導入室外壁部118と導入室内壁部119との間に形成された空間に配置されるガラスウール120とを備えている。なお、導入室内壁部119には、網目状の孔(いわゆるパンチングメタル)121が設けられている。
【0101】
つまり、空気導入室117は、内部に空間を有している。
この空気導入室117には、空気導入室117の内部空間から空気導入室117の外部へと貫通する、少なくとも3つの開口122〜124が設けられている。このうち2つの開口122,123には、燃焼室13A,13Bの導入部40A,40Bが接続されている。
【0102】
空気取入管116は、空気導入室117の開口124に一端が接続された管状の部材であり、一端から他端までの長さが変更可能となるように構成されている。一端から他端までの長さを変更可能とする構成としては、種種の構成が考えられるが、例えば、内管125と、内管125よりも径の大きな外管126とを設け、内管125及び外管126のうちの一方(本実施形態では、内管125)をスライド可能となるように、外管126の内部に内管125の少なくとも一部分を挿入することで実現すれば良い。
【0103】
なお、空気導入室117の開口124は、空気取入口46として機能する。
以上説明したように、暖房装置101は、第一実施形態の暖房装置1からの変更点として、燃焼部の数が2つである点(燃焼部が一つ加えられている点)、及びエアインテーク115が加えられている点を有している。
[第二実施形態の効果]
そして、燃焼部110,111の2つを有した暖房装置101によれば、空気Arの流量を増加させても、それらの空気Arを加熱することが可能となる。このため、暖房装置101によれば、より多くの空気Ar(即ち、低温流体)の温度を高温にすることができ、その高温となった空気Arを当該暖房装置101から吐出することができる。
【0104】
また、暖房装置101のエアインテーク115における空気取入管116は、一端(即ち、空気取入口46)から他端までの長さを変更可能に構成されている。このように構成された空気取入管116によれば、当該空気取入管116の軸方向に沿った長さを変更することで、空気取入管116の固有振動数を変更できる。
【0105】
この結果、暖房装置101の外部へと排気ガスGsが排気される際に、その排気ガスGs(即ち、燃焼ガスGc)により高温流体流動部103内にて生じる空気の振動が空気取入管116にて共振することを防止できる。これにより、暖房装置101によれば、各燃焼室13内に空気Aiの取り入れを確実に実施でき、各燃焼室13内での燃焼が不完全燃焼となることをより確実に低減できる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
【0106】
本実施形態の暖房装置131(図10参照)は、第二実施形態の暖房装置101とは、主として、燃焼部の構成が異なる。このため、本実施形態では、第一実施形態の暖房装置1、及び第二実施形態の暖房装置101と同様の構成には、同一の符合を付して説明を省略し、第二実施形態の暖房装置101とは構成が異なる燃焼部を中心に説明する。
【0107】
ここで、図10は、第三実施形態における暖房装置の一部分の構造を模式的に示した図である。図11は、図10に示す暖房装置131一部分のA'−A'断面図であり、図12は、図10に示す暖房装置131の一部分のB'−B'断面図である。
【0108】
本実施形態における暖房装置131は、高温流体流動部133と、低温流体流動部85と、制御部95とを備えている。
高温流体流動部133は、燃焼部145,146と、レゾネータ148,149と、排気ガス流動部60とを備えている。
【0109】
燃焼部145,146は、それぞれ、噴射機構11(図10,11中は、噴射ノズル16のみ示す)と、点火機構12(図10,11中は、点火プラグ19のみ示す)と、燃焼室150と、熱交換器14(図10〜12では、第一熱交換器51,第二熱交換器52,フィン53を示す)と、燃焼ガスGcに含まれる微粒子Pを収集する集塵部160とを備えている。
【0110】
以下、燃焼部145の構成要素(即ち、噴射機構11、点火機構12、燃焼室150、熱交換器14、集塵部160)と、燃焼部146の構成要素について、区別する必要があるときには、燃焼部145の構成要素については、符号Cを付し、燃焼部146の構成要素については、符号Dを付す。
【0111】
なお、第二実施形態においては、燃焼部110と燃焼部111とにより、一つの第一熱交換器51を共有していたが、本実施形態においては、第一熱交換器51Cと第一熱交換器51Dとは、別個の熱交換器として構成されている。また、第二実施形態においては、燃焼部110と燃焼部111とにより、一つの第一熱交換器51を共有していたが、本実施形態においては、第二熱交換器52Cと第二熱交換器52Dとは、別個の熱交換器として構成されている。
【0112】
また、噴射機構11C,11Dについては、第二実施形態と同様、噴射ノズル16と燃料供給機構17と圧縮空気供給機構18とを、燃焼部145,146のそれぞれに別個に設けても良いし、噴射ノズル16のみを燃焼部145,146のそれぞれに別個に設け、燃料供給機構17と圧縮空気供給機構18とについては、燃焼部145,146にて共有しても良い。さらに、点火機構12C,12Dについては、点火プラグ19とイグナイタ35との両方を、燃焼部145,146のそれぞれに別個に設けても良いし、点火プラグ19のみを燃焼部145,146のそれぞれに別個に設け、イグナイタ35については、燃焼部145,146にて共有しても良い。
【0113】
レゾネータ148,149は、それぞれ、内部に空洞を有した箱形に形成されている。そして、レゾネータ148は、第二熱交換器52Cから第一熱交換器51Cまでの経路上に設けられている。また、レゾネータ149は、第二熱交換器52Dから第一熱交換器51Dまでの経路上に設けられている。
〈燃焼室及び集塵部の構造について〉
ここで、図13は、本実施形態における燃焼室の構成を示す図である。
【0114】
図13に示すように、燃焼室150C,150Dは、それぞれ、導入部40と、本体部151と、燃焼ガス排出部49とを備えている。このうち、本体部151は、天板43と、外筒45と、内筒152とを備えている。
【0115】
この内筒152は、外筒45よりも径の小さい円筒状に形成されており、外筒45と同心円状となるように、燃焼ガス排出部49の下端から本体部151内へと延出されている。ただし、内筒152は、軸方向に沿った長さが、外筒45よりも短く形成されている。
【0116】
つまり、本体部151は、内筒152が外筒45の内側に位置することで二重管構造となり、外筒45の内壁と内筒152の外壁との間にリング状の空間を有している。
また、図10,11に示すように、集塵部160は、微粒子Pを遠心分離する集塵機構161と、集塵機構161によって分離された微粒子Pを保持するケース162とを備えている。
【0117】
集塵機構161は、漏斗状に形成されている。なお、ここで言う漏斗状とは、側面同士によってなされる角度αを規定角度(ここでは、例えば30°とする)とした円錐状(ただし、内部に直円錐の空洞を有し、両端が径の異なる円形の開口を有する)である。
【0118】
この集塵機構161は、2つの開口のうちの径が大きい開口の周縁が、燃焼室150の外筒45周縁に一致するように燃焼室150に接続されている。なお、集塵機構161の径が小さい開口には、ケース162が接続されている。つまり、集塵部160は、いわゆるサイクロン式の集塵装置である。
【0119】
このように形成された燃焼部145,146では、燃焼室150C,150Dの外筒45C,45Dの内壁に対する接線方向に沿って燃料Fl及び圧縮空気Acが噴射され、かつ燃焼室150C,150Dの外筒45C,45Dの内壁と内筒152C,152Dの外壁との間に形成される空間(すなわち、リング状の空間)に燃料Fl及び圧縮空気Acが噴射されるように、噴射ノズル16C,16Dが導入部40C,40Dに設置されている。これと共に、導入部40C,40Dには、点火プラグ19C,Dが設けられている。
【0120】
そして、燃焼部145,146では、噴射ノズル16C,16Dから噴射された燃料Flを点火プラグ19C,19Dが点火することで、燃焼室150C,150Dの周方向に沿って火炎が生じると共に、燃焼ガスGcによって旋回流が生じる。このとき、遠心力によって微粒子Pが燃焼ガスGcから分離されケース162C,162Dに収集される。そして、その微粒子Pが分離された燃焼ガスGcは、燃焼ガス排出部49C,Dへと流動する。
[第三実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の暖房装置131によれば、燃焼室150に内筒152を設けることで、リング状の空間を形成し、そのリング状の空間にて燃料Flを燃焼させているため、燃焼ガスGcによる旋回流をより確実に発生させることができる。
【0121】
しかも、燃焼室150のリング状の空間は、燃焼室13の燃焼空間に比べて狭いため、燃焼温度、ひいては燃焼ガスGcの温度を、より高温とすることができる。
これらの結果、暖房装置131によれば、燃焼室150内での燃焼温度をより確実に高温とすることができ、燃焼効率を向上させることができる。
【0122】
さらに、暖房装置131には、燃焼室150に集塵部160が接続されているため、燃焼ガスGcに含まれる微粒子Pを収集することができる。
つまり、通常、燃料Flを高温で燃焼させても、煤などの粒子状物質(いわゆるPM)が若干は発生するため、排気ガスGs中には、粒子状物質が含まれる。
【0123】
暖房装置131によれば、この煤などの粒子状物質を微粒子Pとして収集することで、排気ガスGs中に含まれる粒子状物質をより低減できる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
【0124】
第四実施形態の暖房装置は、第一実施形態から第三実施形態の暖房装置とは、当該暖房装置を構成する高温流体流動部が異なるものの、多くの部位が共通する。このため、第四実施形態においては、第一実施形態から第三実施形態に記載した暖房装置と共通する部位には、同一の符合を付して説明を省略する。
〈暖房装置の構成〉
ここで、図18は、本実施形態における暖房装置を示す図である。
【0125】
本実施形態の暖房装置300は、施設園芸用温室の室内を暖房することに用いられる。
この暖房装置300は、高温流体流動部308と、低温流体流動部385と、制御部95とを備えている。
【0126】
暖房装置300の高温流体流動部308は、燃料Flを燃焼することで高温流体としての燃焼ガスGcを生成する燃焼部310と、燃焼部310にて生成された後、排気ガスGsが、暖房装置300の外部へと排出される流路を構成する排気ガス流動部360とを備えている。
【0127】
なお、一つの暖房装置300は、高温流体流動部308を一つ備えていても良いし、高温流体流動部308を複数備えていても良い。ここで言う複数とは、二つでも良いし、3つ以上でも良い。
【0128】
低温流体流動部385は、筐体390の内部空間が低温流体の流路として機能するように、筐体390に設けられた空気取込口391から空気Arを取り込むと共に、その取り込んだ空気Arを、高温流体流動部308を流動する高温流体によって加温して、空気吐出口392から送出する少なくとも一つの送風ファン387を備えている。本実施形態において、空気取込口391及び空気吐出口92は、一つの筐体390に1つ設けられていても良いし、一つの筐体390に2つ設けられていても良いし、一つの筐体390に3つ以上設けられていても良い。
【0129】
なお、本実施形態においては、暖房装置300を設置したときに、空気取込口391が筐体390の上面に、空気吐出口392が筐体390の下部に配置されるように、空気取込口391及び空気吐出口392は設けられている。
〈燃焼部の具体的構造について〉
ここで、図19は、燃焼部310の構造を示す斜視図である。
【0130】
この燃焼部310は、噴射機構11(図20参照)と、点火機構12(図20参照)と、噴射機構11から噴射された燃料Flが燃焼される空間(以下、燃焼空間とする)を有した燃焼室313と、燃焼室313にて燃料Flが燃焼されることで生じた燃焼ガスGcを高温流体として熱交換することによって、低温流体流動部385を流動する空気Arを加温する熱交換器314とを備えている。
〈燃焼室の構造について〉
ここで、図20は、燃焼室313の斜視図であり、図21は、図20に示す燃焼部のA−A断面図であり、図22は、図20に示す燃焼部のC−C断面図であり、図23は、図20に示す燃焼部のB−B断面図である。
【0131】
燃焼室313は、図20に示すように、噴射ノズル16から噴射された燃料Flと圧縮空気Acとの混合気に点火プラグ19で点火することで生じた火炎を当該燃焼室313に導入する導入部340と、導入部340にて導入された火炎が継続して燃焼する本体部342と、本体部342での燃焼によって発生した燃焼ガスGcを熱交換器314へと導く燃焼ガス排出部349とを備えている。
【0132】
導入部340は、両端が開口を有した筒状に形成されている。この導入部340は、噴射ノズル16から噴射された燃料Flと圧縮空気Acとの混合気に点火プラグ19で点火する着火部411と、着火部411にて生じた火炎を本体部342へと導入するガス導入部412とを備えている。
【0133】
このうち、ガス導入部412は、全体としてL字形に形成され、両端が開口を有した管材である。そして、ガス導入部412の一端は、本体部342に接続され、ガス導入部412の他端は、着火部411に接続されている。
【0134】
また、着火部411は、図21に示すように、両端が開口を有した筒状に形成されている。このガス導入部412に接続されない一端には、空気を取り込む空気取入口420が形成された板材421が接続され、この板材421には、噴射ノズル16と、点火プラグ19とが固定されている。
【0135】
なお、着火部411の外周には、サイレンサ425が設けられている。このサイレンサ425は、着火部411との間に空間が形成されるように、着火部411を覆う外殻426と、着火部411と外殻426との間に形成される空間に配置されるシリカウール427とを備えている。
〈本体部について〉
本体部342は、図22,図23に示すように、本体部342の外殻を形成する天板481、底板482、及び外筒483と、当該本体部342の内部に配置される内部部材484と、当該本体部342の外部から本体部342の内部に挿入される空気流入管485とを備えている。
【0136】
外筒483は、筒状の部材である。天板481及び底板482は、ノズル状の部材であり、それぞれ、径の大きな開口部が、外筒483の端部に接続されている。
つまり、天板481、底板482、及び外筒483によって囲まれた本体部342の内部には、内部空間が形成される。さらに、底板482には、空気流入管485が挿入され、外部からの空気が本体部342内に流入される。
【0137】
なお、空気流入管485には、底板482との境界部分に、消音器490が装着される。この消音器490は、空気流入管485を覆う外殻491と、空気流入管485と外殻491との間に形成される空間に配置されるシリカウール492とを備えている。
【0138】
内部部材484は、中心に開口を有し、外径が外筒483の内径に一致する円板486を中心とした部材であり、当該開口から立設したフランジ487を有している。
この内部部材484は、外筒483の内部空間において、外筒483と天板481との境界部分に配置される。なお、フランジ487と外筒483の内壁との間の空間には、導入部340が接続されている。すなわち、導入部340は、フランジ487と外筒483の内壁との間の空間(即ち、リング状の空間)に沿って火炎が生じると共に、燃焼ガスGcによる旋回流が生じるように接続されている(図23参照)。
〈熱交換器の構造について〉
熱交換器314は、それぞれ、図19に示すように、第一熱交換器351と、第二熱交換器352と、フィン353とを備えている。これら第一熱交換器351、第二熱交換器352、及びフィン353は、筐体390内に設けられており、空気取込口91からの空気Arの流路に沿って、第一熱交換器351、第二熱交換器352、フィン353の順に設けられている。
【0139】
フィン353は、周知の放熱板であり、ガス導入部412の外周(外壁)に形成されている。
第一熱交換器351は、アルミを用いて波板状に形成された2つの板材を、当該2つの板材の間が高温流体の流路となるように、当該2つの板材の間に隙間が形成されるように配置することで形成したものである。さらに、第二熱交換器352は、ステンレス鋼を用いて波板状に形成された2つの板材を、当該2つの板材の間が高温流体の流路となるように、当該2つの板材の間に隙間が形成されるように配置することで形成したものである。
【0140】
本実施形態においては、3つの第一熱交換器351と一つの第二熱交換器352とが、全体として、高温流体の流路を形成するように、互いの接続部分が形成されており、一つのユニット(以下、熱交換ユニット315と称す)を構成する。
【0141】
熱交換ユニット315には、各熱交換ユニット315にて燃焼ガスGcが冷却されることで生じる液体Wa2の流路を構成するドレンパイプ410が接続されている。このドレンパイプ410は、図29に示すように、各熱交換ユニット315にて燃焼ガスGcが冷却されることで生じる液体Wa2を収集して、第二液体流動部77、ひいては、後処理装置75へと送出するパイプである。
【0142】
以上説明したように、熱交換器314は、燃焼ガスGcの流路に沿って上流側から、フィン353、第二熱交換器352、3つの第一熱交換器351の順に設けられている。このように熱交換器314が設けられたことで、空気Ar(即ち、低温流体)との熱交換を行う燃焼ガスGc(即ち、高温流体)は、対向流式の熱交換器と同様、空気Arが低温流体流動部85における下流側に進むほど高温となる。
【0143】
したがって、低温流体流動部85を流動する空気Arは、第一熱交換器351、第二熱交換器352、及びフィン353のそれぞれで、確実に加温(加熱)され、空気吐出口392から吐出されるときには、高い温度となる。
【0144】
なお、本実施形態の暖房装置300においては、図27に示すように、一つの燃焼部310に対して、6つの熱交換ユニット315が設けられている。ただし、本発明においては、一つの燃焼部310に対して設けられる熱交換ユニット315の数は、6つに限るものではなく、例えば、一つの燃焼部310に対して、一つの熱交換ユニット315が設けられても良いし、2つの熱交換ユニット315が設けられていても良いし、さらには、7つ以上の熱交換ユニット315が設けられていても良い。すなわち、一つの燃焼部310に対して設けられる熱交換ユニット315の数は、少なくとも一つ以上であれば、どのような数でも良い。
【0145】
〈排気ガス流動部について〉
ここで、図28は、本実施形態の排気ガス流動部360の構成を示した図である。
排気ガス流動部360は、熱交換ユニット315から排出された排気ガスGsが集合させる煙突アダプタ363と、煙突アダプタ363にて集合された排気ガスGsを大気中に放出する煙突ダクト365とを備えている。
【0146】
煙突ダクト365は、筒状の部材であり、一方の端部が煙突アダプタ363に接続され、他方の端部が大気中に配置される。本実施形態の暖房装置300においては、少なくとも2つの煙突ダクト365を備えている。
【0147】
煙突アダプタ363は、一つの流入口367と2つの流出口368,369とを備え、一つの流入口367から2つの流出口368,369に向かって内部で2つの流路に分岐する筒状の部材である。そして、流入口367は、各熱交換器314に接続され、流出口368,369には、煙突ダクト365が接続される。
【0148】
なお、図28(図18を含む)には記載しないが、排気ガス流動部360は、硫黄酸化物除去部65と、消音器70と、後処理装置75とを備えている。つまり、排気ガス流動部360を流動する排気ガスGsは、硫黄酸化物除去部65及び消音器70を経て、排気口61から排出される。なお、本実施形態における排気ガス流動部360は、硫黄酸化物除去部65と、消音器70と、後処理装置75とを備えていなくとも良い。
[第四実施形態の効果]
以上、説明したように、本実施形態の暖房装置300では、熱交換ユニット315それぞれを、波板状の2つの板材によって形成している。このため、熱交換ユニット315の表面積を大きくすることができ、高温流体から低温流体へと移動する熱量を大きくすることができる。
【0149】
また、本実施形態の暖房装置300のように、一つの煙突アダプタ363及び2つの煙突ダクト365を設けることで、排気ガスGsをスムーズに大気中に放出することができ、排気による脈動の発生を抑制できる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0150】
例えば、上記第四実施形態の暖房装置300における高温流体流動部は、図24、図25に示すように構成されていても良い。
この図24に示す高温流体流動部510は、燃焼部310と、燃焼部310にて生成された後、排気ガスGsが、暖房装置300の外部へと排出される流路を構成する排気ガス流動部550とを備えている。
【0151】
ただし、高温流体流動部510における排気ガス流動部550には、図25に示すように、排気ガスGsを低温流体流動部に排出すると共に、当該排気ガス流動部550内に空気を取り込む開口部としての排気呼吸部570が設けられている。この排気呼吸部570の開口部には、パンチングメタルが取り付けられており、ゴミなどが排気ガスGsの流路に流入することを防止できる。
【0152】
なお、この高温流体流動部510に設けられる熱交換器515としては、第四実施形態に記載した熱交換ユニット315であっても良いし、第一実施形態に記載した熱交換器14であっても良い。
【0153】
ところで、上記第四実施形態の暖房装置300は、当該暖房装置300を設置したときに、空気取込口391が筐体390の上面に、空気吐出口392が筐体390の下部に配置されるように、空気取込口391及び空気吐出口392それぞれが設けられていたが、本発明において、空気取込口391及び空気吐出口392の設置位置は、これに限るものではない。例えば、図26に示すように、暖房装置600を設置したときに、空気取込口391及び空気吐出口392は、筐体390の上部に位置するように設けられていても良い。
【0154】
例えば、本発明においては、第一実施形態の暖房装置1及び第二実施形態の暖房装置101における燃焼室13に替えて、第三実施形態の暖房装置131における燃焼室150を適用しても良い。
【0155】
この場合、第一実施形態の暖房装置1及び第二実施形態の暖房装置101に適用される燃焼室150には、底板44が設けられている必要がある。ただし、第一実施形態の暖房装置1及び第二実施形態の暖房装置101に適用される燃焼室150に集塵部160を接続する場合には、燃焼室150に底板44を設ける必要はない。
【0156】
また、第三実施形態の暖房装置131には、集塵部160が設けられていたが、本発明においては、この集塵部160は、省略されていても良い。この場合、燃焼室150には、底板44を設ける必要がある。
【0157】
なお、上記実施形態(ここでは、第一実施形態から第三実施形態)の燃焼部10,110,111,145,146には、燃焼室13,150が設けられていたが、燃焼部10,110,111,145,146に設けられる燃焼室は、これに限るものではない。
【0158】
ここで、図14は、燃焼室の変形例を示す斜視図であり、図15は、図14に示す燃焼室の内部構造を示す図であり、図16は、図14に示す燃焼室のB'−B'断面図である。
図14〜図16に示すように、燃焼室170は、噴射ノズル16から噴射された燃料Flと圧縮空気Acとの混合気に点火プラグ19で点火することで生じた火炎を当該燃焼室170に導入する、2つの導入部171,172と、導入部171,172にて導入された火炎が継続して燃焼する、1つの本体部173と、本体部173での燃焼によって発生した燃焼ガスGcを熱交換器14へと導く、1つの燃焼ガス排出部174とを備えている。
【0159】
このうち、本体部173は、本体部173の外殻を形成する天板181、底板182、及び外筒183と、当該本体部173の内部に配置される内筒184と、当該本体部173の外部から本体部173の内部に挿入される空気流入管185とを備えている。
【0160】
外筒183は、軸方向に対して直交する方向での断面が楕円状となるように形成された筒状の部材である。天板181及び底板182は、外筒183の断面と同様の楕円に形成された板状の部材である。そして、天板181は、外筒183の軸方向に沿った一端に、底板182は、外筒183の軸方向に沿った他端に接続されている。
【0161】
つまり、天板181、底板182、及び外筒183によって囲まれた本体部173の内部には、内部空間が形成される。なお、天板181及び底板182には、楕円の中心から長軸に沿ってズレた位置を中心とした真円状の開口が形成されており、それらの開口は、本体部173の軸方向に沿って円中心が一致するように配置されている。
【0162】
内筒184は、外筒183よりも径の小さい真円の筒状に形成されている。
次に、燃焼ガス排出部174は、両端が開口した筒状に形成されている。この開口が設けられた燃焼ガス排出部174における2つの端部のうち、一方の端部は、第二熱交換器52に接続されている。また、燃焼ガス排出部174の他方の端部は、天板181に設けられた開口の周縁に接続されている。さらに、この燃焼ガス排出部174の他方の端部には、内筒184の一端が接続されている。
【0163】
したがって、本体部151は、内筒184が外筒183の内側に位置することで二重管構造となり、外筒183の内壁と内筒184の外壁との間にリング状の空間を有している。ただし、内筒184の燃焼ガス排出部174に接続されていない側の端部は、本体部173に空間が形成されるように、底板182に到達しない位置に配置される。
【0164】
また、内筒184の円中心が設けられる位置は、外筒183の長軸に沿って楕円の中心からズレた位置である。
また、空気流入管185は、内筒184よりも径の小さい真円の筒状に形成されている。この空気流入管185は、2つの開口のうち、一端に設けられた開口187が大気中に位置し、他端に設けられた開口が本体部173内に配置される。なお、この空気流入管185は、内筒184と同心円状に配置される。したがって、本体部151は、空気流入管185が内筒184の内側に位置することで三重管構造となる。
【0165】
また、導入部171,172は、両端が開口を有した筒状に形成されている。その導入部171,172は、当該導入部171,172から本体部173内への燃焼ガスGcの流路が末広がりのノズル状となるように外筒183に接続されている。具体的には、外筒183には、周方向に沿った一部分であって、内筒184が接続されていない側における長辺の先端の近傍に2つの開口が形成されている。そして、その外筒183の各開口の周縁に、導入部171,172の一端に設けられた開口の周縁が一致するように、導入部171,172が接続されている。より具体的には、導入部171,172は、外筒183における長辺と、導入部171,172の軸方向に直交する断面とのなす角度(図中、β)が、予め規定された角度(例えば、45°)となるように、外筒183に接続されている。
【0166】
なお、導入部171,172の外筒183に接続されていない端に設けられた開口は、本体部173内に空気を取り込むための空気取入口46として機能する。
この燃焼室170においても、導入部171,172には、燃焼室170の外筒183の内壁に対する接線方向に沿って燃料Fl及び圧縮空気Acが噴射され、かつ燃焼室170の外筒183の内壁と内筒184の外壁との間に形成される空間(すなわち、リング状の空間)に燃料Fl及び圧縮空気Acが噴射されるように、噴射ノズル16が設置されている。これと共に、導入部171,172には、点火プラグ19が設けられている。
【0167】
以上説明したように、燃焼室170では、噴射ノズル16から噴射された燃料Flを点火プラグ19が点火することで、燃焼室170において、外筒183の内壁と内筒184の外壁との間に形成される空間(即ち、リング状の空間)に沿って火炎が生じると共に、燃焼ガスGcによって旋回流が生じる。このように生じた燃焼ガスGcに対し、当該燃焼ガスGcが燃焼ガス排出部174へと流動する経路上にて、空気流入管185から空気が供給される。これにより、燃焼ガスGcが更に燃焼する。
【0168】
このような燃焼室170を用いれば、燃焼ガスGcの温度をより高温とすることができる。
さらに、このような燃焼室170によれば、導入部171,172から外筒183への経路が末広がりのノズル状であるため、燃焼ガスGcによって振動が生じることを防止できる。
【0169】
さらに、本発明においては、第一実施形態の暖房装置101及び第三実施形態の暖房装置131に対し、第二実施形態の暖房装置101と同様、エアインテーク115を設けても良い。
【0170】
本発明においては、第一実施形態の暖房装置101に対し、第二実施形態の暖房装置101または第三実施形態の暖房装置131と同様、レゾネータ112,148,149を設けても良い。逆に、第二実施形態の暖房装置101または第三実施形態の暖房装置131から、レゾネータ112,148,149を省略しても良い。
【0171】
また、上記実施形態の暖房装置1,101,131における排気ガス流動部60は、硫黄酸化物除去部65と、消音器70と、後処理装置75とを備えていたが、本発明においては、これらのうち、少なくとも一つが省略されていても良い。
【0172】
そして、上記実施形態の暖房装置1,101,131における低温流体流動部85のダクト86には、空気Arの流路に沿って、第一熱交換器51、第二熱交換器52、フィン53が順に設けられていたが、第一熱交換器51、第二熱交換器52、フィン53を設ける順序はこれに限るものではない。つまり、空気取込口91から取り入れた空気Arがこれら第一熱交換器51、第二熱交換器52、フィン53を通過することで、加温された空気Arが空気吐出口92から吐出されるのであれば、第一熱交換器51、第二熱交換器52、フィン53はどのような順序で配置されていても良い。
【0173】
なお、上記実施形態においては、燃料FlとしてA重油(即ち、軽油)を用いたが、燃料Flは、これに限るものではない。例えば、重油や灯油、ガソリンといった石油を精製することで製造される燃料でも良いし、エマルジョン燃料でも良い。後者の場合、エマルジョン燃料を外部燃料タンク20に予め貯留しても良いし、外部燃料タンク20や油面調整タンク23においてエマルジョン燃料を生成しても良い。
【0174】
さらに言えば、上記実施形態では、暖房装置1,101,131が暖房する対象を施設園芸用温室としていたが、暖房する対象は、これに限るものではなく、例えば、工場内や体育館内などの建物の内部であっても良いし、その他のものを暖房の対象としても良い。[実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
最後に、上記実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との関係を説明する。
【0175】
上記実施形態の低温流体流動部85が、特許請求の範囲における低温流体流動部に相当し、噴射機構11が、特許請求の範囲におけるノズルに相当し、燃焼室13,150が、特許請求の範囲における燃焼室に相当し、熱交換器14が、特許請求の範囲における熱交換部に相当し、排気ガス流動部60が、特許請求の範囲における排気ガス流動部に相当する。
【0176】
上記実施形態の集塵部160が、特許請求の範囲における集塵部に相当し、硫黄酸化物除去部65が、特許請求の範囲における硫黄酸化物除去部に相当する。さらに、上記実施形態の第一液体流動部76が、特許請求の範囲における第一液体流動部に相当し、第二液体流動部77が、特許請求の範囲における第二液体流動部に相当し、中和部本体78が、特許請求の範囲における液体中和部に相当し、液体排出流動部81が、特許請求の範囲の液体排出流動部に相当する。
【符号の説明】
【0177】
1,101,131…暖房装置 8,103,133…高温流体流動部 10,110,111,145,146…燃焼部 11…噴射機構 12…点火機構 13,150,170…燃焼室 14…熱交換器 16…噴射ノズル 17…燃料供給機構 18…圧縮空気供給機構 19…点火プラグ 20…外部燃料タンク 30…エアコンプレッサ 35…イグナイタ 40,171,172…導入部 42,151,173…本体部 43,181…天板 44,182…底板 45,183…外筒 152,184…内筒 46…空気取入口 49,174…燃焼ガス排出部 51…第一熱交換器 52…第二熱交換器 53…フィン 54,55…煙管 60…排気ガス流動部 61…排気口 65…硫黄酸化物除去部 66…水タンク 67…ノズル 68…ポンプ 70…消音器 75…後処理装置 76…第一液体流動部 77…第二液体流動部 78…中和部本体 79…液体中和部 80…廃棄物タンク 81…液体排出流動部 82…フィルタ 83…貝殻 84…容器 85…低温流体流動部 86…ダクト 87…送風ファン 90…筐体 91…空気取込口 92…空気吐出口 112,148,149…レゾネータ 115…エアインテーク 116…空気取入管 117…空気導入室 125…内管 126…外管 160…集塵部 161…集塵機構 162…ケース 185…空気流入管 187…開口 Ac…圧縮空気 Ai…空気 Ar…空気 Fl…燃料 Gc…燃焼ガス Gs…排気ガス P…微粒子 Wa,Wa1,Wa2…液体 Wn…液体 Wt…水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から取り入れた低温流体としての流体を、熱交換によって加温して吐出する流路をなす低温流体流動部と、
少なくとも燃料を噴射するノズル、前記ノズルから噴射された燃料を燃焼させることで燃焼ガスを生成する燃焼室、及び前記燃焼室で生成された燃焼ガスを高温流体として、前記低温流体流動部を流れる低温流体との間で熱交換する熱交換部を有した少なくとも一つの燃焼部と、
前記熱交換部にて熱交換された燃焼ガスである排気ガスが、外部へと排出される流路をなす排気ガス流動部と
を備え、
前記燃焼部は、
前記燃焼室が、該燃焼室の外殻をなし、筒状に形成された外筒を有し、
前記燃焼室の周方向に沿って火炎が生じるように、前記外筒の内壁に対して接線方向に沿って前記ノズルから燃料を噴射して燃焼させることを特徴とする暖房装置。
【請求項2】
前記燃焼部を2つ備えていることを特徴とする請求項1に記載の暖房装置。
【請求項3】
前記燃焼室は、
前記外筒の径よりも径が小さい筒状に形成され、前記外筒と同心円状に配置される内筒を有し、
前記燃焼部は、
前記外筒の内壁と前記内筒の外壁との間に形成される空間に前記ノズルから燃料を噴射して燃焼させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の暖房装置。
【請求項4】
前記燃焼部は、
前記燃焼ガスに含まれる微粒子を収集する集塵部
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の暖房装置。
【請求項5】
前記集塵部は、
前記燃焼室に接続され、前記微粒子を遠心分離するサイクロン集塵機構であることを特徴とする請求項4に記載の暖房装置。
【請求項6】
前記排気ガス流動部は、
少なくとも水を含む液体を前記燃焼ガスに噴霧する硫黄酸化物除去部を備え、
前記硫黄酸化物除去部にて液体が噴霧された燃焼ガスを、前記排気ガスとすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の暖房装置。
【請求項7】
前記硫黄酸化物除去部にて噴霧された液体の流路をなす第一液体流動部と、
前記第一液体流動部を流れる液体を中和する液体中和部と、
前記液体中和部にて中和された液体を外部に排出する流路をなす液体排出流動部と
を備えることを特徴とする請求項6に記載の暖房装置。
【請求項8】
前記熱交換部にて前記燃焼ガスが冷却されることで生じる液体の流路をなす第二液体流動部と、
前記第二液体流動部を流れる液体を中和する液体中和部と、
前記液体中和部にて中和された液体を外部に排出する流路をなす液体排出流動部と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の暖房装置。
【請求項9】
前記液体中和部は、
カルシウムを含むフィルタを、少なくとも一つ備えていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の暖房装置。
【請求項10】
前記フィルタは、
牡蠣の貝殻を有することを特徴とする請求項9に記載の暖房装置。
【請求項11】
前記燃焼部は、
前記燃焼室に、当該燃焼室内への空気の取り入れ口である空気取入口が形成され、
該空気取入口への空気の流入経路となるように管状に形成され、一端が前記空気取入口に接続され、他端が大気開放された空気取入管を有し、
前記空気取入管は、
前記空気取入口から前記他端までの距離を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の暖房装置。
【請求項12】
前記排気ガス流動部は、
前記燃焼ガスによって生じる音を低減する消音器を備えることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の暖房装置。
【請求項13】
前記ノズルは、
前記燃料と共に、圧縮空気を噴射することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の暖房装置。
【請求項14】
前記熱交換部は、
波板状に形成された2つの板材を、当該2つの板材の間が前記高温流体の流路となるように、当該2つの板材の間に隙間が形成されるように配置された
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の暖房装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2012−184915(P2012−184915A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262281(P2011−262281)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(500427017)伊藤レーシングサービス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】