説明

曲げ耐性マルチモード光ファイバ

【課題】低減された曲げ損失および50ミクロンより大きい中心コア直径を有するマルチモード光ファイバを提供する。
【解決手段】マルチモード光ファイバは、アウタークラッドにより囲まれた中心コアを含む。中心コアは、アウタークラッドに対してグレーデッドインデックス型プロファイルと、約30ミクロンから50ミクロンの間の外半径rとを有する。この光ファイバはまた、中心コアとアウタークラッドとの間に位置するインナークラッドと、インナークラッドとアウタークラッドとの間に位置するくぼみ溝とを含む。このマルチモード光ファイバは、低減された曲げ損失を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ伝送の分野に関し、特に低減された曲げ損失を有するマルチモード光ファイバに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ(すなわち、通常は1つまたは複数の被覆層により囲われたガラスファイバ)は、従来、光信号を伝送及び/又は増幅する光ファイバコアと、コア内に光信号を閉じ込める光クラッドとを含む。従って、コアの屈折率nは、通常、光クラッドの屈折率nよりも大きい(すなわち、n>n)。
【0003】
マルチモード光ファイバは、企業内情報通信網又はLAN(ローカルエリア・ネットワーク)などの広帯域幅を必要とする短距離のアプリケーションにより利用される。シングルモード光ファイバが通常約6ミクロンから9ミクロンの直径を有するのに対し、マルチモード光ファイバのコアは、通常約50ミクロンから62.5ミクロンの間の直径を有する。マルチモード光ファイバでは、特定の波長に対し、いくつかの光モードが光ファイバに沿って同時に伝搬される。
【0004】
マルチモード光ファイバは、特に光ファイバの互換性条件に関する基準(例えば帯域幅、開口数、及びコア径)を規定する国際標準化規格であるITU−T G.651.1に従う。ITU−T G.651.1標準規格(2007年7月)は、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0005】
光ファイバの開口数(NA)は、下記の式により近似される。
【数1】

ここで、nは中心コアの屈折率であり、nはアウタークラッド(例えばアウター光クラッド)の屈折率である。
【0006】
光ファイバにおいては、屈折率のプロファイルは、通常、屈折率と光ファイバの半径とを関連付ける関数のグラフィック表示によって分類される。従来、光ファイバの中心に対する距離がx軸に示され、(半径rにおける)屈折率と、光ファイバの外側のクラッド(例えば、アウター光クラッド)の屈折率との差がy軸に示される。屈折率のプロファイルは、それぞれ図としてステップ、台形、放物形、アルファ形、または三角形の形状を有する、「ステップ」プロファイル、「台形(trapezoidal)」プロファイル、「放物形」プロファイル、「アルファ」プロファイル、または「三角形」プロファイルと称される。これらの曲線は、一般的に、光ファイバの理論的な又は設定されたプロファイルを表すものである。しかしながら、光ファイバの製造における制限のために、実際のプロファイルは僅かに異なるものとなる可能性がある。
【0007】
(すなわち、ステップインデックス型マルチモード光ファイバにおける)同一の伝搬媒体に関し、異なるモードは異なる群遅延時間を有する。この群遅延時間の差は、光ファイバを異なる半径方向オフセットで伝搬するパルス間にタイムラグ(すなわち、遅延)をもたらす。この遅延により、光パルスの広がりが生じる。光パルスの広がりは、パルスが後続のパルスに重なり合うリスクを高め、これは、光ファイバがサポートする帯域(すなわちデータ転送速度)を低下させる。従って、帯域は、光ファイバのマルチモードコアを伝搬する光モードの群遅延時間に関係している。それ故、広帯域を保証するために、全てのモードの群遅延時間が同一になることが望ましい。別の言い方をすれば、所定の波長に対して、多モード分散がゼロであるか、または少なくとも最小化されるべきである。
【0008】
多モード分散を低減するために、遠距離通信に用いられるマルチモード光ファイバは、一般的に、光ファイバの中心からクラッドとの接合部分まで徐々に減少する屈折率のコア(すなわち、「アルファ」コアプロファイル)を有する。このような光ファイバが長年にわたって用いられており、その特性は、"Multimode Theory of Graded-Core Fibers" by D. Gloge et al., Bell system Technical Journal 1973, pp. 1563-1578に記載されており、"Comprehensive Theory of Dispersion in Graded-Index Optical Fibers" by G. Yabre, Journal of Lightwave Technology, February 2000, Vol. 18, No. 2, pp. 166-177に要約されている。上記論文のそれぞれは、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0009】
グレーデッドインデックス型プロファイル(すなわち、アルファ・インデックス型プロファイル)は、下記の数式のような屈折率nと光ファイバの中心からの距離rとの関係により表される。
【数2】

ここで、
α≧1であり、αはインデックス型プロファイルの形状を示す無次元パラメータであり、
は、光ファイバのコアの最大屈折率であり、
aは、光ファイバのコアの半径であり、
【数3】

である。
ここで、nはマルチモードコアの最小屈折率であり、これはアウタークラッド(ほとんどの場合、シリカで形成されている)の屈折率に相当する。
【0010】
従って、グレーデッドインデックス型の(すなわちアルファプロファイルの)マルチモード光ファイバは、光ファイバの半径方向に沿って、光ファイバのコアの中心から外周にかけて連続的に屈折率が減少するような回転対称のコアプロファイルを有する。マルチモード光信号がこのようなグレーデッドインデックス型のコアを伝搬するとき、異なる光モードは、(すなわち変化する屈折率のために)異なる伝搬媒質を経験する。これは、順々に、各光モードの伝搬速度に異なった影響を及ぼす。従って、パラメータαの値を調整することにより、全てのモードに対して実質的に等しい群遅延時間を得ることができる。別の言い方をすれば、多モード分散を低減、さらには除去するように屈折率プロファイルを修正できる。
【0011】
一般的に、高い開口数を有するマルチモード光ファイバほど、低いマクロベンド損失(以下、「曲げ損失」と称する)を有する。
【0012】
中心コアの直径が50ミクロンを超える従来のマルチモード光ファイバは、通常、多くのアプリケーションに対して十分な曲げ耐性をもたらすと期待されている。このような典型的な光ファイバは、62.5ミクロンの中心コア直径および0.275の開口数、または80ミクロンの中心コア直径および0.3の開口数を有してもよい。
【0013】
それでもなお、急な曲げ半径(例えば、5ミリメータ)に対し、このような光ファイバは(例えば、小型のコンシューマ電子デバイスにおける)高速伝送にとってクリティカルとなる大きな曲げ損失を示す。
【0014】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2010/036684号は、大きなコアの光ファイバを扱っている。しかしながら、この開示された光ファイバは、
【数4】

となるような中心コア半径aおよび相対屈折率差Δを有する。
【0015】
開示された光ファイバの中心コアは、低減されたマイクロベンド損失を提供することができない。なぜなら、任意のΔ値に対し、中心コアの拡大はより大きなマイクロベンド損失をもたらすからである。さらに、開示された中心コア半径aと相対屈折率差Δとの間の関係は、望ましくない大きなマイクロベンド損失をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
それ故、低減された曲げ損失および50ミクロンより大きい中心コア直径を有するマルチモード光ファイバが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
従って、一態様において、本発明は、アウタークラッド(例えばアウター光クラッド)により囲まれた中心コアを含む光ファイバを包含する。アウタークラッドは、屈折率nclを有する。中心コアは、外半径rと、最大屈折率nと、アウタークラッドに対するグレーデッドインデックス型プロファイルとを有する。中心コアはまた、相対屈折率差:
【数5】

を有する。
中心コアの外半径rは、典型的には、約30ミクロンから50ミクロンの間である。典型的には、中心コアの外半径rと相対屈折率差Δは、以下の不等式を満たす。
【数6】

【0018】
中心コアとアウタークラッドとの間には、インナークラッドが位置している(例えば、中心コアを直接に囲んでいる)。インナークラッドは、外半径rと、アウタークラッドに対する屈折率差Δnとを有する。典型的に、インナークラッドの外半径rと中心コアの外半径rとの差r−rは、約1ミクロンから3ミクロンの間である。
【0019】
インナークラッドとアウタークラッドとの間には、くぼみ溝が位置している(例えば、インナークラッドを直接に囲んでいる)。くぼみ溝は、外半径rと、アウタークラッドに対する負の屈折率差Δnを有する。典型的には、くぼみ溝の外半径rとインナークラッドの外半径rとの差r−rは、約3ミクロンから7ミクロンの間である。くぼみ溝の屈折率差Δnは、典型的には、約−10×10−3から−5×10−3の間である。
【0020】
典型的な実施形態では、850nmの波長において、5mmの曲率半径の2巻きに対し、この光ファイバは約0.3dB未満の曲げ損失を有する。
【0021】
別の典型的な実施形態では、850nmの波長において、5mmの曲率半径の2巻きに対し、この光ファイバは約0.2dB未満の曲げ損失を有する。
【0022】
さらに別の典型的な実施形態では、中心コアの外半径rと相対屈折率差Δは、以下の不等式を満たす。
【数7】

【0023】
さらに別の典型的な実施形態では、中心コアの外半径rは、35ミクロンから50ミクロンの間である。
【0024】
さらに別の典型的な実施形態では、中心コアの外径(すなわち2r)は、約62.5ミクロンである。
【0025】
さらに別の典型的な実施形態では、中心コアの外径(すなわち2r)は、約80ミクロンである。
【0026】
別の態様において、本発明は、上述の光ファイバを含むマルチモード光学システムを包含する。
【0027】
本発明の前述の概要および他の典型的な目的および/または利点、ならびにそれらが達成される方法は、以下の詳細な説明およびそれに付随する図面の中でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る典型的な光ファイバの屈折率プロファイルをグラフを使って示す図である。
【0029】
【図2】本発明に係る典型的な光ファイバと、比較の光ファイバとに関し、曲げ損失を曲げ半径(すなわち、曲率半径)の関数としてグラフを用いて示す図である。
【0030】
【図3】本発明に係る別の典型的な光ファイバと、別の比較の光ファイバとに関し、曲げ損失を曲げ半径(すなわち、曲率半径)の関数としてグラフを用いて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、低減された曲げ損失および50ミクロンより大きい中心コア直径を有するマルチモード光ファイバを包含する。
【0032】
図1は、本発明に係る典型的な光ファイバの屈折率プロファイルを示す。この典型的な光ファイバは、アウタークラッド(例えばアウター光クラッド)により囲まれた中心コア(例えばインナーコア)を含むマルチモード光ファイバである。
【0033】
図示されるように、この典型的な光ファイバもまた、中心コアとアウタークラッドとの間に位置するインナークラッドを含んでいる(例えば、中心コアを直接に取り囲んでいる)。インナークラッドとアウター光クラッドとの間には、くぼみ溝(depressed trench)が位置している(例えばインナークラッドを直接に取り囲んでいる)。
【0034】
中心コアは、通常30ミクロンから50ミクロン(例えば35ミクロンから50ミクロン)の外半径rを有する。中心コアもまた、アウタークラッドに対してグレーデッドインデックス型プロファイルを有する。中心コアの外半径rと相対屈折率差Δは、通常下記の不等式を満たす。
【数8】

【0035】
中心コアの相対屈折率差Δは、下記の式により定義される。
【数9】

ここで、nは、中心コアの最大屈折率(通常、中心コアの中心の屈折率に相当する)であり、nclは、アウタークラッドの屈折率である。
【0036】
光ファイバのインナークラッドは、外半径rを有する。通常、インナークラッドの外半径rと中心コアの外半径rとの差r−r(例えば、中心コアの外半径とくぼみ溝の内半径との間の半径方向距離)は、1ミクロンから3ミクロンの間である。
【0037】
くぼみ溝は、外半径rと、アウタークラッドに対する負の屈折率差Δnを有する。通常、くぼみ溝の外半径rとインナークラッドの外半径rとの差r−r(例えば、くぼみ溝の幅)は、3ミクロンから7ミクロンである。くぼみ溝の屈折率差Δn(例えば、くぼみ溝の深さ)は、通常−10×10−3から−5×10−3の間である。
【0038】
本マルチモード光ファイバは、優れたマクロベンド性能を提供する。例えば、850nmの波長において、曲率半径5mmの2巻きに対し、本光ファイバは通常0.3dB未満(例えば0.2dB未満)の曲げ損失を有する。
【0039】
本発明に係る典型的なマルチモード光ファイバは、62.5ミクロンの外径を有する中心コアを含み(すなわち62.5ミクロンMMF(マルチモードファイバ))、改善された曲げ耐性を示す。加えて、典型的なマルチモード光ファイバは、80ミクロンの外径を有する中心コアを含み(すなわち80ミクロンMMF)、改善された曲げ耐性を示す。
【0040】
言及したように、典型的なマルチモード光ファイバは、アウタークラッドに対してグレーデッドインデックス型プロファイルを有する(すなわち、グレーデッドインデックス型マルチモードファイバまたはGI−MMF)。GI−MMFのモード構造は以下の通りである。
【0041】
以下の屈折率プロファイル:
【数10】

ここでαは約1.9から2.1の間、Δ>1.2の差、およびa>30ミクロン、を有するマルチモード光ファイバにおいては、導波モードの実効屈折率は以下のように正しく近似される。
【数11】

ここで、mはモードの次数であり、
【数12】

である。ここで、k=2π/λ、およびλ=850nmである。
【0042】
約2に等しいαに対し、モード間の間隔は、モード次数mからいくらか独立しており、単に中心コアの半径aと、中心コアの高さΔの関数である。
【数13】

【0043】
Δ=0.9の差およびa=26ミクロン(閾値として)を有する50ミクロンGI−MMFに対し、大規模生産に特有の拡散(spreading)を考慮すると、このモード間隔(すなわちΔβ)は5.1×10−3μm−1に等しい。
【0044】
特定の理論に縛られることがなければ、本発明者は、モード間隔がマイクロベンド損失に影響を及ぼすことを見いだした。実際に、表1の3つの実施例を検討すると、

の値(すなわち、モード間隔基準)が大きくなると、マイクロベンド損失が小さくなるという関係がある。
【表1】

【0045】
従って、本発明に係る典型的な光ファイバは、

が5.1×10−3μm−1以上(例えば、5.4×10−3μm−1以上)となるように、中心コア外半径rおよび相対屈折率差Δを有する。
【0046】
上述の中心コア外半径rと相対屈折率差Δの関係を満たすために、表2に示されるように、寄り大きな中心コア半径は、Δに対してより大きな値を要求する。
【表2】

【0047】
通常、マクロベンド損失は、このような大きな開口数の光ファイバに関しては低い。さらに、図2および図3に示すように、中心コアとアウタークラッド間のくぼみ溝を含むことにより、これらの大きなコア半径のMMFのマクロな曲げ挙動(マクロベンド挙動)がさらに改善される。
【0048】
図2は、本発明に係る典型的な溝を用いた光ファイバ(すなわち実施例2)と、ITU−T G.651.1勧告に準拠した比較の光ファイバ(すなわち実施例1)とに関し、曲げ損失を曲げ半径(すなわち、曲率半径)の関数としてグラフを用いて示す。
【0049】
図3は、本発明に係る別の典型的な溝を用いた光ファイバ(すなわち実施例4)と、所定のエンサークルド・フラックス・ランチ(Encircled Flux Launch(EFL))の条件に従う別の比較の光ファイバ(すなわち実施例3)とに関し、曲げ損失を曲げ半径(すなわち、曲率半径)の関数としてグラフを用いて示す。
【0050】
曲げ前の光ファイバのエンサークルドフラックス(EF)は、以下の表3の基準を満たしている。
【表3】

【0051】
62.5ミクロンおよび50ミクロンMFFに関し、マクロベンド損失測定に対するEFの条件は、ITU−T G.651.1勧告およびIEC61280−4−1ドキュメント内のEFテンプレートにより与えられ、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
図2および図3の比較の光ファイバ(実施例1および3)並びに典型的な光ファイバ(実施例2および4)は、表4に記載されたパラメータパラメータを有する光ファイバに対応する。
【0053】
【表4】

【0054】
言及したように、実施例2および4は、本発明に従う光ファイバであり、適切な幅(すなわち、r−r)および深さ(すなわち、Δn)のくぼみ溝を有する。実施例1および3は、比較の光ファイバであり、くぼみ溝はない。曲げ損失は、850nmの波長で測定されている。
【0055】
表4により証明され、図2および図3により示されるように、くぼみ溝は、低減された曲げ損失の達成を容易にする。実際に、典型的な光ファイバは、比較の光ファイバの曲げ損失に比べて4倍以上小さい曲げ損失を示す(すなわち、比較の光ファイバの曲げ損失の1/4未満に減少する)。
【0056】
本明細書および/または図面においては、本発明の典型的な実施形態が開示されている。本発明はこのような典型的な実施形態に限定されない。「および/または」という用語の使用は、関連した並び項目の1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。図面は、略図であり、従って必ずしも縮尺どおりには描かれていない。特に断りのない限り、明細書の用語は、一般的且つ説明的な意味で用いられており、限定を目的とするものではない。
【0057】
(例えば同一出願による米国特許出願第61/511,672号に開示されるような)80ミクロンのコアを有する溝を用いたマルチモード光ファイバを含んだ相互接続ケーブルに対し、別のテストが行われた。850nmの波長において、これらの溝を用いたマルチモード光ファイバは、(1)曲げ半径5mmのスプールの回りを2巻きに対してわずか0.3dBのマクロベンド損失、および/または(2)曲げ半径3mmのスプールの回りを1巻きに対してわずか0.5dBのマクロベンド損失を有する。ピンチテストの間に、この相互接続ケーブル中に含まれるこれらの溝を用いたマルチモード光ファイバは、850nmにおいて約0.227dBの損失が追加された減衰を受けた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折率nclを有するアウター光クラッドにより囲まれた中心コアであって、(1)約30ミクロンから50ミクロンの間の外半径rと、(2)最大屈折率nと、(3)前記アウター光クラッドに対するグレーデッドインデックス型プロファイルと、(4)相対屈折率差:

を有する中心コアと、
前記中心コアと前記アウター光クラッドとの間に位置し、外半径rを有するインナークラッドと、
前記インナークラッドと前記アウター光クラッドとの間に位置するくぼみ溝であって、外半径rと、約−10×10−3から−5×10−3の間の前記アウター光クラッドに対する相対屈折率差とを有するくぼみ溝と、
を備えるマルチモード光ファイバであって、

が約5.1×10−3μm−1以上であり、
前記インナークラッドの外半径rと前記中心コアの外半径rとの差r−rが約1ミクロンから3ミクロンの間であり、
前記くぼみ溝の外半径rと前記インナークラッドの外半径rとの差r−rが約3ミクロンから7ミクロンの間であり、
850nmの波長において、5mmの曲率半径の2巻きに対し、当該光ファイバが約0.3dB未満の曲げ損失を有する、
ことを特徴とするマルチモード光ファイバ。
【請求項2】

が約5.4×10−3μm−1以上であることを特徴とする請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項3】
前記中心コアの外半径rは、約35ミクロンから50ミクロンの間であることを特徴とする請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項4】
850nmの波長において、5mmの曲率半径の2巻きに対し、当該光ファイバが約0.2dB未満の曲げ損失を有することを特徴とする請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項5】
前記中心コアは、約62.5ミクロンの外径を有することを特徴とする請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項6】
前記中心コアは、少なくとも70ミクロンの外径を有することを特徴とする請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項7】
前記中心コアは、少なくとも80ミクロンの外径を有することを特徴とする請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項8】
請求項1に記載の光ファイバを備えることを特徴とする光学システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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