説明

曲面鏡

【課題】 曲面鏡としては、ガラスを曲面状に加工し、その上に前記同様の処理を施し鏡にする。よって、ガラスを用いる場合には比較的簡単に製造できる。しかし、プラスチックを用いる場合には、まずプラスチックを曲面に加工することが難しい。1つづつ切削することは不可能であるため、型を作り、成形することになるが、型が高価であるため、どうしても高価なものになっていた。
【解決手段】 金属板、反射層、プラスチックフィルム層、防曇処理層の順に積層されたものであって、積層と同時、又はその前に、若しくはその後に、押圧によって絞り加工されたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲面鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鏡は元来、ガラスに銀メッキを施し、そのメッキ面を塗料等で保護したものである。しかしながら、ガラスは重く、薄くすると割れやすいという欠点を有するため、携帯用には不向きであった。
【0003】
そこで、最近プラスチック製のものが考案され使用されてきている。これは、透明プラスチックの裏面にアルミ箔を貼付し、その上に透明保護フィルムを貼ったものである。これならば、非常に軽量で、割れることも少ない。
【0004】
また、これらの平面鏡とは別に凹面鏡や凸面鏡も存在する。これは、ガラスを曲面状に加工し、その上に前記同様の処理を施し鏡にする。よって、ガラスを用いる場合には比較的簡単に製造できる。
しかし、プラスチックを用いる場合には、まずプラスチックを曲面に加工することが難しい。1つづつ切削することは不可能であるため、型を作り、成形することになるが、型が高価であるため、どうしても高価なものになっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、ガラスのような割れやすいという欠点がなく、安価で簡単に製造できる曲面鏡を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明曲面鏡を完成させたものであり、その特徴とするところは、金属板、反射層、プラスチックフィルム層、防曇処理層の順に積層されたものであって、積層と同時、又はその前に、若しくはその後に、押圧によって絞り加工された点にある。
【0007】
ここで金属板は、アルミニウム板が好適である。これは軽量で、安価で、成形が簡単なためである。勿論、このようなものがあれば他の金属でもよい。厚みとしては、携帯用としては、0.5〜1.5mm程度が好適であるが、より大きなものではもっと厚くてもよい。
【0008】
反射層とは、銀やアルミニウム等の反射の大きな金属層である。銀の場合には通常は銀メッキであり、高価であるが反射率は優れている。また、アルミニウム層は、アルミニウム箔、アルミニウムメッキ層その他でよい。よって、厚みは自由であり、蒸着のように薄い層でもよい。
【0009】
プラスチックフィルム層は、通常のガラス鏡でいうガラスに相当するもので、透明又は色付き透明であることが前提である。割れる心配がないため、薄くてもよい。表面の硬度(傷つきにくさ)を考慮すると、PETのようなフィルムが好適である。
【0010】
防曇処理層は、単に防曇処理剤を塗布しても、防曇フィルムとして市販されているものを貼付してもよい。防曇処理剤も、市販されているものでよい。
【0011】
以上のような成形体を絞り加工して湾曲させたものである。この絞り加工は、通常の加工技術であり、特別な方法でなくともよい。所定の曲面の型部材に押圧する等の方法でよい。最下層の金属板がアルミニウム等の加工容易な金属であれば、非常に簡単である。
成形する形状は、凹面鏡や凸面鏡になるように成形すればよい。
【0012】
この絞り加工は、上記の積層体を製造した後に行なっても、最初に金属板を加工し、それに順次積層してもよい。また、積層と絞り加工を同時に行なってもよい。
【0013】
本発明曲面鏡としては、大きなものとしては道路のカーブミラー(広範囲を見るため凸面鏡)、小さいものとしては口の中に入れて歯の裏を見るような鏡(凹面鏡にして拡大する)等である。
【発明の効果】
【0014】
本発明曲面鏡には次のような大きな利点がある。
(1) 本発明曲面鏡は、軽量で割れにくい。
(2) 製造が簡単であり、安価である。
(3) 大きいものも、小さいものもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下実施例に沿ってより詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の1例を示す凹面鏡1の1例を示す断面図であり、図2はその部分拡大図である。底部にアルミニウム板2があり、その上(内側)にPETフィルム3が貼付されている。アルミニウム板2は、厚みが1.0mmで、フィルムは0.09mmである。PETフィルム3の下面にはアルミニウム4が蒸着され、上面には防曇処理剤5が塗布されている。
【0017】
図3は、本発明の凹面鏡1を歯科用小型鏡に応用した例である。本発明王面鏡1をプラスチックの1体成形品に固着したものである。この成形品は、柄6、皿部7及び連結部8から構成されている。この連結部8は塑性変形するようにしているため、角度が自由に変えられる。この例では、鞄に1つ入れておけば、食後洗面所等の鏡の前に行けば簡単に口の中をチェックできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の1例を示す凹面鏡1の1例を示す断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明の凹面鏡1を歯科用小型鏡に応用した例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 凹面鏡
2 アルミニウム板
3 PETフィルム
4 アルミニウム
5 防曇処理剤
6 柄
7 皿部
8 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板、反射層、プラスチックフィルム層、防曇処理層の順に積層されたものであって、積層と同時、又はその前に、若しくはその後に、押圧によって絞り加工されたことを特徴とする曲面鏡。
【請求項2】
金属板は厚みが0.5〜1.0.5mmのアルミニウム板であり、プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレート(PET)でありアルムニウム蒸着さあれたものである請求項1記載の曲面鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−243106(P2006−243106A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−55523(P2005−55523)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(594082785)株式会社テクノワ−クス (1)
【Fターム(参考)】