説明

曳航生簀

【課題】曳航船を漁場まで迅速に移動させることができるとともに、曳航時に生簀網の定形性を確保することができる曳航生簀を提供すること。
【解決手段】本発明の曳航生簀1Aは、生簀網2、生簀網2を曳航船に接続する曳航ロープ8、複数の第1の浮子3およびロープ状沈子7とを備える。複数の第1の浮子3は、曳航方向TDの直交方向にそれぞれ延在しており、曳航方向TDに一定間隔に配列されて生簀網2の上面2dにそれぞれ着設されている。したがって、漁場到着前には曳航生簀1Aをその曳航方向TDおよび深さ方向DDに収縮させて折りたたむことができ、曳航時には、曳航張力、第1の浮子3の張力および沈子7の重力により、生簀網2を所望の形状に伸張させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曳航生簀に係り、特に、まき網漁法により捕獲したマグロやカジキなどの大型魚を活魚のまま漁港まで輸送させるために好適に利用することができる曳航生簀に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、まき網漁法により捕獲したマグロやカジキなどの大型魚を活魚のまま漁港や養殖場所まで輸送する手段として、主に2つの輸送方法が知られている。1つ目の輸送方法は、活魚運搬船の内部に配設された水槽に捕獲した魚を入れて輸送する方法である。
【0003】
2つ目の輸送方法は、曳航船に取り付けられた曳航生簀に捕獲した魚を入れて輸送する方法である。従来の曳航生簀101は、図13に示すように、直方形状に形成された生簀網102の上面102aの周縁に四角枠状に配列された複数の樽状浮子103を着設するとともに、生簀網102の深さ方向に沈子107を釣り下げて形成されており、その生簀網102の前方に取付けられた曳航ロープ108を曳航船120に接続することにより、曳航船120に曳航される。
【0004】
曳航生簀101を用いて魚121を輸送する場合、曳航生簀101の生簀網102の容積が活魚運搬船(図示せず)の水槽の容積よりも大きいことから、魚の収容量が活魚運搬船を用いて魚121を輸送する場合の魚の収容量よりも多くなるというメリットがある。
【0005】
【特許文献1】特開2002−360112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、曳航船120の移動時においては、曳航生簀101が流水抵抗になるので、港湾から漁場までの移動時間が活魚運搬船による移動時間よりも長くなってしまい、曳航船120が漁場まで迅速に移動できないという問題があった。
【0007】
また、樽状浮子103は生簀網102を曳航方向TDの直交方向に保持する力を有していないので、曳航船120の移動時においては、曳航生簀101の曳航による潮流により生簀網102が曳航方向TDの直交方向につぶれた形状になってしまい、生簀網102の容積が小さくなってしまうという問題があった。生簀網102の容積が小さくなると、捕獲した魚121が相互にぶつかってしまい、死滅する原因となるので、捕獲した魚121を活魚のまま輸送する目的を達成し得ない。
【0008】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、曳航船を漁場まで迅速に移動させることができるとともに、曳航時に生簀網の定形性を確保することができる曳航生簀を提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明の曳航生簀は、その第1の態様として、捕獲した魚の周囲を囲繞する生簀網と、生簀網の曳航方向前方を曳航船に接続する曳航ロープと、曳航方向の直交方向にそれぞれ延在しており、曳航方向に一定間隔に配列されているとともに、生簀網の上面にそれぞれ着設されている複数の第1の浮子と、生簀網の下面周縁に着設されている1個または2個以上の沈子とを備えていることを特徴としている。
【0010】
本発明の第1の態様の曳航生簀によれば、生簀網の形状は、その曳航方向の直交方向にのみ第1の浮子の張力によって固定されており、その曳航方向および深さ方向に固定されていないので、漁場到着前においては曳航生簀をその曳航方向および深さ方向に収縮させて折りたたんで曳航船内に保管することができる。また、漁場到着後に曳航生簀を着水させて曳航する際においては、曳航生簀を曳航方向に曳航して得られる張力、第1の浮子の張力および沈子の重力を利用することにより、生簀網の曳航方向、その直交方向および深さ方向の形状を所望の形状に伸張させることができる。
【0011】
本発明の第2の態様の曳航生簀は、第1の態様の曳航生簀において、曳航ロープおよび曳航方向前方に配列された第1の浮子ならびに配列された複数の第1の浮子の間を曳航方向にそれぞれ接続する1列または2列以上の形状保持ロープを備えていることを特徴としている。
【0012】
本発明の第2の態様の曳航生簀によれば、形状保持ロープが曳航ロープから得た曳航方向への張力を各々の第1の浮子に付与することができる。そのため、曳航船の曳航速度が速くなったとしても、第1の浮子がその曳航時に潮流の抵抗を受けて湾曲することにより、生簀網の容積が減少したり、第1の浮子がその湾曲により破損したりすることを防止することができる。
【0013】
本発明の第3の態様の曳航生簀は、第1または第2の態様の曳航生簀において、生簀網の曳航方向後方に接続されているシーアンカーを備えていることを特徴としている。
【0014】
本発明の第3の態様の曳航生簀によれば、生簀網の曳航方向後方において張力が曳航方向の前方から後方へ付与されるので、潮流により変形しやすい生簀網の曳航方向後方においても生簀網の形状を所望の形状に伸張させることができる。
【0015】
本発明の第4の態様の曳航生簀は、第1から第3のいずれか1の態様の曳航生簀において、1の対角長さを他の対角長さよりも長くして得た丸角六角形状に形成された上面および下面の長手方向を曳航方向とする丸角六角柱状に形成されていることを特徴としている。
【0016】
本発明の第4の態様の曳航生簀によれば、生簀網における曳航方向前面の投影面積が小さくなるので、流水抵抗が小さくなる。したがって、生簀網に加わる水圧が小さくなるので、曳航生簀の曳航速度を速くすることができるとともに、生簀網の定形性を保持しやすくなる。
【0017】
本発明の第5の態様の曳航生簀は、第1から第4のいずれか1の態様の曳航生簀において、曳航方向に延在しているとともに曳航方向に対向する複数の第1の浮子の各端部の間にそれぞれ配設されている複数の第2の浮子と、第1の浮子の各端部および第2の浮子の両端を旋回自在に連結させる連結拘束具とを備えていることを特徴としている。
【0018】
本発明の第5の態様の曳航生簀によれば、第1の浮子および第2の浮子を組み合わせて得た一群の浮子がはしご状に形成されるので、生簀網の形状を保持する張力が曳航方向に付与されないとき、すなわち微潮流時や曳航船の停留時においても、生簀網の曳航方向、その直交方向および深さ方向の形状を所望の形状に伸張させることができる。また、第1の浮子および第2の浮子は旋回自在に連結されているので、第1の浮子に対して第2の浮子を約90度旋回させることにより、漁場到着前(曳航生簀の着水前)においては当該一群の浮子をその曳航方向に収縮させて折りたたむことができる。
【0019】
本発明の第6の態様の曳航生簀は、第1から第5のいずれか1の態様の曳航生簀において、連結拘束具は、第1の浮子の各端部および第2の浮子の両端にそれぞれ取り付けられている連結具と、連結具の端部に環状に形成された各々の連結リングを互いに旋回自在に拘束させる2種の拘束具のうちのいずれか1種の拘束具とを有しており、第2の浮子の一端に取り付けられた連結具の連結リングは、環状に形成された拘束具を用いて、一方の第1の浮子の端部に取り付けられた連結具の連結リングに接続されており、
第2の浮子の他端に取り付けられた連結具の連結リングは、生簀網の深さ方向の長さと同等の長さを有するロープ状に形成された拘束具の一端に接続されており、ロープ状に形成された拘束具の他端は、他方の第1の浮子の端部に取り付けられた連結具の連結リングを通して沈子に接続されていることを特徴としている。
【0020】
本発明の第6の態様の曳航生簀によれば、第2の浮子の一端は曳航生簀の着水前後においても変化なく旋回自在に拘束される。それに対し、第2の浮子の他端は、曳航生簀の着水後においては、ロープ状の拘束具が沈子の重さを利用して第1の浮子の端部に取り付けられた連結具の連結リングを通りながら深さ方向に引っ張られて第1の浮子の一端に拘束された状態に自動的に組立てられる。また、この第2の浮子の他端は、曳航生簀の着水前においては、生簀網が深さ方向に収縮して折りたたまれることにより沈子の重さを利用してロープ状の拘束具を引っ張ることができないので、第2の浮子の他端は第1の浮子の一端から解放される。これにより、曳航生簀の着水前においては第2の浮子の一端を第1の浮子の一端から解放し、曳航生簀を小さく折りたたみ易くすることができる。
【0021】
本発明の第7の態様の曳航生簀は、第1から第6のいずれか1の態様の曳航生簀において、第1の浮子は、1本の樹脂製パイプまたは継手を用いて連結された複数本の樹脂製パイプを用いて形成されていることを特徴としている。
【0022】
本発明の第7の態様の曳航生簀によれば、第1の浮子を軽量にすることにより、曳航生簀を折りたたむ作業性を向上させることができるとともに、折りたたんだ曳航生簀を容易に運搬することができる。
【0023】
本発明の第8の態様の曳航生簀は、第5から第7のいずれか1の態様の曳航生簀において、第2の浮子は、1本の樹脂製パイプまたは継手を用いて連結された複数本の樹脂製パイプを用いて形成されていることを特徴としている。
【0024】
本発明の第8の態様の曳航生簀によれば、第2の浮子を軽量にすることにより、曳航生簀を折りたたむ作業性を向上させることができるとともに、折りたたんだ曳航生簀を容易に運搬することができる。
【0025】
本発明の第9の態様の曳航生簀は、第1から第8のいずれか1の態様の曳航生簀において、生簀網は、開閉自在に形成されている開口部を有していることを特徴としている。
【0026】
本発明の第9の態様の曳航生簀によれば、開口部を閉じることにより開口部から魚が生簀網から逃げ出すことを防止することができるので、開口部の形状や大きさを自由に変更して、捕獲した魚をまき網の漁網から生簀網に効率良く移すことができる。
【0027】
本発明の第10の態様の曳航生簀は、第1から第9のいずれか1の態様の曳航生簀において、第1の浮子および沈子は、生簀網を吊上げるために使用される吊上げロープに接続されていることを特徴としている。
【0028】
本発明の第10の態様の曳航生簀によれば、生簀網の骨組みとなる第1の浮子および生簀網を深さ方向に引っ張る沈子を上方に持ち上げながら曳航生簀を吊上げることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の曳航生簀によれば、漁場までの移動の際においては、曳航生簀を折りたたみ、曳航船内に保管して運搬することができる。また、曳航生簀の曳航時においては、曳航生簀を着水させ、または曳航することにより、生簀網の曳航方向、その直交方向および深さ方向の形状を所望の形状に伸張させることができるので、生簀網を所望の形状に固定することができる。そのため、曳航船を漁場まで迅速に移動させることができるとともに、捕獲魚を活魚のまま迅速に大量輸送することができるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明の曳航生簀によれば、曳航生簀を小さく折りたたんで漁場まで運搬することができるので、曳航生簀の大きさを従来よりも大きくしたとしても、漁場までの移動時間は変わらない。そのため、従来よりも曳航生簀の容積を大きくしたとしても、輸送効率を落とさずに魚の収容量を多くすることができるという効果を奏する。
【0031】
さらに、本発明の曳航生簀によれば、開口部の形状および大きさを自由に設計することができるので、捕獲した魚をまき網の漁網から生簀網に移すための時間が短くなり、まき網船団の滞留時間が短くなるので、生簀網へ魚の移動を終えたまき網船団が次の漁場に迅速に移動を開始することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の曳航生簀の2つの実施形態を説明する。
【0033】
はじめに、図1から図7を用いて、第1の実施形態の曳航生簀を説明する。図1は、第1の実施形態の曳航生簀を示す全体斜視図である。また、図2は、第1の実施形態の曳航生簀の平面図を示しており、図3は、第1の実施形態の曳航生簀の側面図を示している。
【0034】
第1の実施形態の曳航生簀1Aは、図1に示すように、生簀網2、複数の第1の浮子3、沈子7および曳航ロープ8を備えている。
【0035】
生簀網2は、図1から図3に示すように、捕獲した魚(図示せず)の周囲を囲繞するため、可撓性の魚網を用いて形成されている。この形状は、立方形状、直方形状、多角柱状、球形状、楕円形ボール状など様々な形状を選択することができる。第1の実施形態の生簀網2においては、図1に示すように、1の対角長さを他の対角長さよりも長くして得た六角形状の上面2dおよび下面2eの長手方向を曳航方向TDとする六角柱状に形成されており、その長手方向が66m、短手方向が25m、深さ方向DDが10m程度の大きな容積となるように形成されている。さらに、潮流Tiの抵抗を考慮すれば、この生簀網2は、正確な六角柱形状ではなく、角に丸みを帯びている丸角六角柱形状であることが好ましい。
【0036】
また、この生簀網2は、図2および図3に示すように、上面2dの曳航方向TD後方付近もしくは側面を一部切断して形成された開口部2a1、2a2を有している。この開口部2a1、2a2には、開閉自在のファスナが取付けられている。この開口部2a1、2a2の大きさは、まき網漁法により捕獲した魚を生簀網2に移送させ易い程度の大きさまで大きく形成されている。
【0037】
図4は、生簀網の曳航方向後方に着設された第1の浮子を示す部分斜視図である。また、図5は、第1の浮子に用いられる第1の連結具を示す斜視図であり、図6は、第1の浮子に用いられる第2の連結具を示す斜視図である。
【0038】
第1の浮子3は、図4から図6に示すように、第1の実施形態において複数本の樹脂製パイプ3cとして用いられる4本もしくは2本の円筒状の高密度ポリエチレンパイプ、複数本の樹脂製パイプ3cの継手として用いられる第1の連結具11および第1の浮子3の両端3a、3bに接続される第2の連結具12を有している。この樹脂製パイプ3cの直径は250mm〜315mm、その長さは3m程度となっており、その連結本数は生簀網2の幅寸法(曳航方向TDの直交方向における生簀網2の長さ)に応じて決められる。第1の連結具11は、図5に示すように、両端に円形状の差込口11b、11cを有する円筒状に形成されており、その側面に半円環状の連結リング11aが複数個形成されている。第2の連結具12は、図6に示すように、片端に円形状の差込口12bを有する有底円筒状に形成されており、その側面側および差込口12bを有しない他端側に半円環状の連結リング12aが複数個形成されている。
【0039】
また、第1の浮子3は、図1、図2および図4に示すように、曳航方向TDの直交方向にそれぞれ延在しており、生簀網2の上面2dにそれぞれ着設されている。この第1の浮子3は9本存在し、曳航方向TDに一定間隔(例えば6m間隔)に配列されている。
【0040】
沈子7は、鉛を中空ロープに詰めて得た可撓性の沈子ロープであり、図1および図3に示すように、生簀網2の下面2eの周縁に沿って着設されている。この沈子7は、その下面2eの周縁に対して深さ方向DDへの力を加えることができればよいので、他の実施形態においては、生簀網2の下面2eの周縁に沿って取付けられた複数の流線型鉛や鎖オモリであってもよい。
【0041】
曳航ロープ8は、図1に示すように、生簀網2の上面2dおよび下面2eにおける曳航方向TDの最前方頂点2b、2c、曳航方向TDの前方から計数して第1番目の第1の浮子31の両端31a、31bおよび第2番目の第1の浮子32の両端32a、32bならびに生簀網2の下面2eの周縁上であって第2番目の第1の浮子32の両端32a、32bの下方に位置する部分2f(他方の部分は図示せず)にそれぞれ接続されている。また、この曳航ロープ8は、曳航生簀1Aを曳航するため、曳航船(図示せず)に接続されている。
【0042】
また、第1の実施形態の曳航生簀1Aは、図1、図2および図4に示すように、その性能を向上させるため、前述の生簀網2、複数の第1の浮子3、沈子7および曳航ロープ8の他に、形状保持ロープ6、シーアンカー9および吊上げロープ10を備えている。
【0043】
形状保持ロープ6は、第1の実施形態においては直径18mm程度の可撓性のポリプロピレン・ロープである。この形状保持ロープ6は、図1および図2に示すように、曳航方向TDと平行方向に配列されており、曳航ロープ8の上面2dの側端部と曳航方向TDの前方に配列された第1番目の第1の浮子31とを曳航方向TDに接続させている。また、この形状保持ロープ6は、図4に示すように、第1の浮子3に取付けられた各第1の連結具11の間および各第2の連結具12の間を曳航方向TDにそれぞれ接続させている。形状保持ロープ6の配列数は生簀網2の大きさおよび潮流Tiの抵抗に応じて選択することができる。第1の実施形態においては、生簀網2が大型であり、流水抵抗が大きくなりやすいことから、形状保持ロープ6は等間隔に5列配列されている。
【0044】
シーアンカー9は、図1に示すように、生簀網2における曳航方向TDの後端部の上方2gおよび下方2hに取り付けられている。このシーアンカー9は、パラシュート状に形成された布袋9aおよびその布袋9aに接続された接続ロープ9bにより形成されている。
【0045】
吊上げロープ10は、図4に示すように、曳航生簀1Aの重さ以上の強度を有している複数のロープにより形成されており、第1の浮子3に係る樹脂製パイプ3c、第1の連結具11および第2の連結具12にそれぞれ接続されている。また、この吊上げロープ10は、第1の浮子3の両端3a、3bに接続された第2の連結具12の連結リング12aを通って沈子7に接続されている。
【0046】
次に、図1から図7を用いて、第1の実施形態の曳航生簀の作用を説明する。ここで、図7は、第1の実施形態の曳航生簀をその曳航方向および深さ方向に収縮させた状態を示す斜視図である。
【0047】
第1の実施形態の曳航生簀1Aにおいては、図1に示すように、生簀網2が可撓性の漁網を用いて形成されており、その生簀網2の曳航方向TDの直交方向に9本の第1の浮子3が延在して着設されている。したがって、生簀網2の形状は、その曳航方向TDの直交方向にのみ第1の浮子3の張力によって固定されており、その曳航方向TDおよび深さ方向DDに固定されていない。そのため、港湾から漁場到着までの移動においては、図7に示すように、曳航生簀1Aをその曳航方向TDおよび深さ方向DDに収縮させて折りたたんで曳航船内に保管することができる。
【0048】
また、第1の実施形態の曳航生簀1Aにおいては、曳航方向TDに曳航する曳航ロープ8が生簀網2の曳航方向TDの前方に取付けられているとともに、沈子7が生簀網2の下面2eの周縁に着設されている。したがって、漁場到着後に曳航生簀1Aを着水させて曳航する際においては、第1の浮子3の張力の他に、曳航生簀1Aを曳航方向TDに曳航して得られる張力および沈子7の深さ方向への張力(重力)を利用して、生簀網2の曳航方向TD、その直交方向および深さ方向DDに生簀網2を引っ張ることができる。そのため、第1の実施形態の曳航生簀1Aにおいては、漁場から港湾までの移動においては、生簀網2の形状を収縮させずに所望の形状に伸張させることができる。
【0049】
ここで、生簀網2は、図1から図3に示すように、開閉自在に形成されている開口部2a1、2a2を有しており、開口部2a1、2a2を閉じることにより開口部2a1、2a2から魚が生簀網2から逃げ出すことを防止することができる。そのため、開口部2a1、2a2の形状や大きさを自由に変更することができ、魚の移し替えに適した形状にすることができるので、捕獲した魚をまき網漁網から生簀網2に効率良く移し換えることができる。
【0050】
また、この生簀網2は、その上面2dおよび下面2eの長手方向を曳航方向TDとした丸角六角柱状に形成されているので、水圧に対する投影面積を少なくすることができる。これによって、生簀網2の曳航方向TDの前面に生じる潮流Tiの抵抗(水圧)を小さくすることができるので、曳航生簀1Aの曳航速度を速くすることができる。また、生簀網2に加わる水圧が小さくなれば、生簀網2が曳航方向TDの直交方向につぶれにくくなるので、生簀網2の定形性を保持しやすくなる。
【0051】
さらに、この生簀網2は、その曳航方向TDの後端部の上方2gおよび下方2hにシーアンカー9が取り付けられている。このシーアンカー9は、曳航生簀1Aが曳航方向TDに曳航されると、曳航方向TDの反対方向に抗力を生じる。この抗力は接続ロープ9bを介して生簀網2の後端部の上方2gおよび下方2hに付与されるので、生簀網2の後端部の上方2g、2h付近に生簀網2の形状を乱すような潮流が生じたとしても、生簀網2の形状を所望の形状に伸張させることができる。
【0052】
また、第1の浮子3は、図4から図6に示すように、4本もしくは2本の樹脂製パイプ3cを第1の連結具11より連結して形成されている。そのため、第1の浮子3を軽量にすることができる。したがって、曳航生簀1Aを折りたたむ際に、その作業性を向上させることができる。また、曳航生簀1Aの軽量化に貢献することができ、折りたたんだ曳航生簀1Aを容易に運搬することができる。
【0053】
この第1の浮子3は、図1および図2に示すように、曳航方向TDに一定間隔をもって9本配列されており、これら9本の第1の浮子3は曳航方向TDの直交方向に延在している。そのため、曳航生簀1Aの曳航速度が速くなると、第1の浮子3に加わる潮流抵抗が増大するので、第1の浮子3は曳航方向TDに曲がりやすくなる。
【0054】
したがって、第1の実施形態の曳航生簀1Aにおいては、曳航方向TDに延在する5列の形状保持ロープ6が、曳航ロープ8および第1番目の第1の浮子31の間ならびに9本の第1の浮子3の間に、それぞれ接続されている。これにより、曳航ロープ8から得た曳航方向TDへの張力が形状保持ロープ6を介して各々の第1の浮子3に付与されるので、曳航船の曳航速度が速くなったとしても、第1の浮子3がその曳航時に潮流Tiの抵抗を受けて湾曲し、生簀網2の容積が減少したり、第1の浮子3がその湾曲により破損したりすることを防止することができる。
【0055】
図4に示すように、このような第1の浮子3および沈子7には、生簀網2を吊上げるために使用される吊上げロープ10が接続されている。これにより、生簀網2の骨組みとなる第1の浮子3とともに、生簀網2を深さ方向DDに引っ張る沈子7を上方に持ち上げながら曳航生簀1Aを吊上げることができるので、生簀網2がバランス良く吊上がり、生簀網2にできる限り負担をかけないようにすることができる。また、船上のクレーン(図示せず)によって吊上げロープ10を介して生簀網2を吊上げつつ、海中への投入、海上からの揚網を行なうことができるので、投揚網作業も簡単なものとなる。
【0056】
すなわち、第1の実施形態の曳航生簀1Aによれば、漁場までの移動の際においては、曳航生簀1Aを折りたたみ、曳航船内に保管して運搬することができる。また、曳航生簀1Aの曳航時においては、曳航生簀1Aを曳航することにより、生簀網2の曳航方向TD、その直交方向および深さ方向DDの形状を所望の形状に伸張させることができるので、生簀網2を所望の形状に固定することができる。そのため、曳航生簀1Aを折りたたんで曳航船を漁場まで迅速に移動させることができるとともに、着水させた生簀網2の形状を保持して捕獲魚を活魚のまま迅速に大量輸送することができるという効果を奏する。
【0057】
また、第1の実施形態の曳航生簀1Aによれば、曳航生簀1Aを小さく折りたたんで漁場まで運搬することができるので、曳航生簀1Aの大きさを従来よりも大きくしたとしても、漁場までの移動時間は変わらない。そのため、従来よりも曳航生簀の容積を大きくしたとしても、輸送効率をあまり落とさずに魚の収容量を多くすることができるという効果を奏する。
【0058】
さらに、第1の実施形態の曳航生簀1Aによれば、開口部2a1、2a2の形状および大きさを自由に設計することができるので、捕獲した魚をまき網の漁網から生簀網2に移すための時間が短くなり、まき網船団の滞留時間が短くなるので、生簀網2へ魚の移動を終えたまき網船団が次の漁場に迅速に移動を開始することができるという効果を奏する。
【0059】
次に、図8から図12を用いて、第2の実施形態の曳航生簀を説明する。図8は、第2の実施形態の曳航生簀を示す全体斜視図であり、図9は、第2の実施形態の曳航生簀を示す平面図である。
【0060】
第2の実施形態の曳航生簀1Bは、図8に示すように、生簀網2、複数の第1の浮子3、複数の第2の浮子4、沈子7および曳航ロープ8を備えている。また、第2の実施形態の曳航生簀1Bは、その性能を向上させるため、それらの他に、形状保持ロープ6、シーアンカー9および吊上げロープ10を備えている。第1の実施形態の曳航生簀1Aと第2の実施形態の曳航生簀1Bとの相違点は、図8および図9に示すように、第2の浮子4および連結拘束具5が配設されているか否か、ならびに、図10に示すように、吊上げロープ10が第2の浮子4の所定の端部4bに取付けられているか否かである。
【0061】
図10は、生簀網の後方に着設された第1の浮子および第2の浮子を示す部分斜視図であり、図11は、第2の浮子に用いられる第3の連結具を示す斜視図である。
【0062】
第2の浮子4は、図8から図10に示すように、曳航方向TDに配列された9本の第1の浮子3の間であって、その曳航方向TDにおいて対向するそれらの各端部3a、3aおよび3b、3bの間にそれぞれ配設されている。この第2の浮子4は、図10に示すように、第1の浮子3の樹脂製パイプ3cと同様の樹脂製パイプ4cを1本用いて形成されており、曳航方向TDに延在している。
【0063】
また、この第2の浮子4は、連結拘束具5を用いることにより、第2の浮子4の両端4a、4bが第1の浮子3の各端部3a、3aおよび3b、3bに対して旋回自在となるように第1の浮子3の各端部3a、3aおよび3b、3bに連結されている。この連結拘束具5は、第2の浮子4の両端4a、4bに取付けられた第2の連結具12もしくは第3の連結具13のいずれか一方の連結具と、第1の浮子3の各端部3a、3bに取付けられた第2の連結具12に対して第2の浮子4の両端4a、4bに取付けられた第2の連結具12もしくは第3の連結具13を旋回自在に拘束する2種の拘束具14、15のうちのいずれか1種の拘束具を有している。
【0064】
第3の連結具13は、図11に示すように、片端に円形状の差込口13bを有する有底円筒状に形成されており、その差込口13bを有しない他端側に半円環状の連結リング13aが1個形成されている。拘束具14、15は、いずれも可撓性のポリプロピレン・ロープにより形成されており、その拘束態様および方法が第2の浮子4の各端部4a、4bによって異なっている。
【0065】
第2の浮子4の一端4aを拘束する拘束具(以下、「一端側拘束ロープ」という。)14は、図10に示すように、環状に締結されており、第2の浮子4の一端4a側に取り付けられた第3の連結具13の連結リング13aを、一方の第1の浮子3の端部3a2、3b2に取り付けられた第2の連結具12の連結リング12aに接続させている。
【0066】
また、第2の浮子4の他端4bを拘束する拘束具(以下、「他端側拘束ロープ」という。)15は、図8および図10に示すように、生簀網2の深さ方向DDの長さに等しい長さに形成されており、その一端15aが第2の浮子4の他端4bに取り付けられた第2の連結具12の連結リング12aに接続されている。また、この他端側拘束ロープ15の他端15bは、他方の第1の浮子3の端部3a1、3b1に取り付けられた第2の連結具12の連結リング12aを通って、沈子7に取り付けられている。
【0067】
吊上げロープ10は、図10に示すように、第1の実施形態と同様、第1の浮子3および沈子7に接続されている。第2の実施形態においては、この吊上げロープ10を沈子7の各部分に直接的に接続させているだけでなく、第1の連結具11の連結リング11aを通して第2の浮子4の他端4bに取り付けられた第2の連結具12の連結リング12aに吊上げロープ10を取付けることにより、第2の浮子4の他端4bに取り付けられた第2の連結具12および他端側拘束ロープ15を介して、この吊上げロープ10を沈子7の各部分に間接的に接続させている。
【0068】
次に、図8から図12を用いて、第2の実施形態の曳航生簀の作用、特に、第1の実施形態の曳航生簀と第2の実施形態の曳航生簀との相違点に係る作用を説明する。ここで、図12は、第2の実施形態の曳航生簀をその曳航方向および深さ方向に収縮させた状態を示す斜視図である。
【0069】
図8に示すように、第2の実施形態の曳航生簀1Bは、第1の実施形態の曳航生簀1Aにおいて、第2の浮子4および連結拘束具5を備えている。この第2の浮子4は、図11に示すように、曳航方向TDに配列された第1の浮子3の各端部3a、3aおよび3b、3bの間に配設されており、連結拘束具5により第1の浮子3の各端部3a、3aおよび3b、3bに旋回自在に拘束されている。したがって、図12に示すように、第1の浮子3に対して第2の浮子4を約90度旋回させることにより、漁場到着前(曳航生簀1Bの着水前)においては当該一群の浮子をその曳航方向TDに収縮させて折りたたむことができる。
【0070】
また、この第2の浮子4は、連結拘束具5により第1の浮子3の各端部3a、3aおよび3b、3bに旋回自在に拘束されているので、図8および図9に示すように、第1の浮子3および第2の浮子4を組み合わせて得られる一群の浮子がはしご状に形成されることになる。これにより、曳航生簀1Bに係る曳航方向TDへの折りたたみ性を害することなく、生簀網2の形状を保持する張力を曳航方向TDに付与することができる。したがって、生簀網2の形状を保持する張力が曳航方向TDに適切に付与されないとき、すなわち、曳航生簀1Bの曳航速度が遅いとき(微潮流時)や曳航生簀1Bを曳航していないとき(曳航船の停留時)においても、生簀網2の曳航方向TD、その直交方向および深さ方向DDの形状を所望の形状に伸張させることができる。
【0071】
前述の連結拘束具5は、図10に示すように、第2の浮子4の両端4a、4bに取り付けられた第2の連結具12の連結リング12aおよび第3の連結具13の連結リング13aを、2種の拘束具14、15を用いて第1の浮子3の両端3a、3bに取付けられた第2の連結具12の連結リング12aに拘束させている。第2の浮子4の一端4aは、曳航生簀1Bの着水前後においても、環状の一端側拘束ロープ14により、拘束性に変化を生じることなく、一方の第1の浮子3の端部3a2、3b2に対して旋回自在に拘束される。
【0072】
それに対し、第2の浮子4の他端4bは、曳航生簀1Bの着水前後において、他方の第1の浮子3の端部3a1、3b1に対する拘束性が異なる。曳航生簀1Bの着水前においては、生簀網2が深さ方向DDに収縮して折りたたまれているので、沈子7の重さを利用して他端側拘束ロープ15を引っ張ることができない。したがって、曳航生簀1Bの着水前においては、他方の第1の浮子3の端部3a1、3b1から第2の浮子4の他端4bを解放させることができる。
【0073】
その一方、曳航生簀1Bの着水後においては、沈子7の重さを利用することにより、生簀網2の深さ方向DDに他端側拘束ロープ15を引っ張ることができる。この他端側拘束ロープ15は他方の第1の浮子3の端部3a1、3b1に取付けられた第2の連結具12の連結リング12aを通っているので、他端側拘束ロープ15が引っ張られると、第2の浮子4の他端4bは他方の第1の浮子3の端部3a1、3b1に吸い付くように当接する。したがって、曳航生簀1Bの着水後においては、第2の浮子4の他端4bを他方の第1の浮子3の端部3a1、3b1に対して旋回自在に拘束させることができるので、剛性部材である第1の浮子3および第2の浮子4によって矩形を形成し、曳航生簀1Bの形状保持力を高くすることができる。
【0074】
これにより、曳航生簀1Bの着水後においては第2の浮子4の他端4bを他方の第1の浮子3の一端3a1、3b1に旋回自在に拘束するが、曳航生簀1Bの着水前においては第2の浮子4の他端4bを他方の第1の浮子3の端部3a1、3b1から解放することができるので、曳航生簀1Bを折りたたみ易くすることができる。
【0075】
また、船上のクレーン(図示せず)によって吊上げロープ10を介して生簀網2を吊上げつつ、海中への投入、海上からの揚網を行なうことができるので、投揚網作業も簡単なものとなる。特に、第2の実施形態においては、海中に曳航生簀1Bを投入する際に、クレーンから吊上げロープ10をもって第1の浮子3および第2の浮子4とともに生簀網2全体を海中に着水させると、沈子7の重さにより、第2の浮子4を第1の浮子3の端部3a、3a間および3b、3b間に自動的に展張させて自動組立てさせることができる。
【0076】
すなわち、第2の実施形態の曳航生簀1Bによれば、漁場までの移動の際においては、曳航生簀1Bを折りたたみ、曳航船内に保管して運搬することができる。また、曳航生簀1Bの曳航時においては、曳航生簀1Bを着水させることにより、生簀網2の曳航方向TD、その直交方向および深さ方向DDの形状を所望の形状に伸張させることができるので、生簀網2を所望の形状に固定することができる。そのため、曳航船を漁場まで迅速に移動させることができるとともに、捕獲魚を活魚のまま迅速に大量輸送することができるという効果を奏する。
【0077】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1の実施形態の曳航生簀を示す全体斜視図
【図2】第1の実施形態の曳航生簀を示す平面図
【図3】第1の実施形態の曳航生簀を示す側面図
【図4】生簀網の曳航方向後方に着設された第1の浮子を示す部分斜視図
【図5】第1の実施形態の第1の連結具を示す斜視図
【図6】第1の実施形態の第2の連結具を示す斜視図
【図7】第1の実施形態の曳航生簀をその曳航方向および深さ方向に収縮させた状態を示す斜視図
【図8】第2の実施形態の曳航生簀を示す全体斜視図
【図9】第2の実施形態の曳航生簀を示す平面図
【図10】生簀網の後方に着設された第1の浮子および第2の浮子を示す部分斜視図
【図11】第2の実施形態に用いられる第3の連結具を示す斜視図
【図12】第2の実施形態の曳航生簀をその曳航方向および深さ方向に収縮させた状態を示す斜視図
【図13】従来の曳航生簀を示す全体斜視図
【符号の説明】
【0079】
1A、1B 曳航生簀
2 生簀網
3 第1の浮子
4 第2の浮子
5 連結拘束具
7 沈子
8 曳航ロープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲した魚の周囲を囲繞する生簀網と、
前記生簀網の曳航方向前方を曳航船に接続する曳航ロープと、
前記曳航方向の直交方向にそれぞれ延在しており、前記曳航方向に一定間隔に配列されているとともに、前記生簀網の上面にそれぞれ着設されている複数の第1の浮子と、
前記生簀網の下面周縁に着設されている1個または2個以上の沈子と
を備えていることを特徴とする曳航生簀。
【請求項2】
前記曳航ロープおよび前記曳航方向前方に配列された前記第1の浮子ならびに配列された複数の前記第1の浮子の間を前記曳航方向にそれぞれ接続する1列または2列以上の形状保持ロープを備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の曳航生簀。
【請求項3】
前記生簀網の曳航方向後方に接続されているシーアンカーを備えている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の曳航生簀。
【請求項4】
前記生簀網は、1の対角長さを他の対角長さよりも長くして得た丸角六角形状に形成された前記上面および前記下面の長手方向を前記曳航方向とする丸角六角柱状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の曳航生簀。
【請求項5】
前記曳航方向に延在しているとともに、前記曳航方向に対向する複数の前記第1の浮子の各端部の間にそれぞれ配設されている複数の第2の浮子と、
前記第1の浮子の各端部および前記第2の浮子の両端を旋回自在に連結させる連結拘束具と
を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の曳航生簀。
【請求項6】
前記連結拘束具は、前記第1の浮子の各端部および前記第2の浮子の両端にそれぞれ取り付けられている連結具と、前記連結具の端部に環状に形成された各々の連結リングを互いに旋回自在に拘束させる2種の拘束具のうちのいずれか1種の拘束具とを有しており、
前記第2の浮子の一端に取り付けられた前記連結具の連結リングは、環状に形成された前記拘束具を用いて、一方の前記第1の浮子の端部に取り付けられた前記連結具の連結リングに接続されており、
前記第2の浮子の他端に取り付けられた前記連結具の連結リングは、前記生簀網の深さ方向の長さと同等の長さを有するロープ状に形成された前記拘束具の一端に接続されており、
前記ロープ状に形成された拘束具の他端は、他方の前記第1の浮子の端部に取り付けられた前記連結具の連結リングを通して前記沈子に接続されている
ことを特徴とする請求項5に記載の曳航生簀。
【請求項7】
前記第1の浮子は、1本の樹脂製パイプまたは継手を用いて連結された複数本の樹脂製パイプを用いて形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の曳航生簀。
【請求項8】
前記第2の浮子は、1本の樹脂製パイプまたは継手を用いて連結された複数本の樹脂製パイプを用いて形成されている
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の曳航生簀。
【請求項9】
前記生簀網は、開閉自在に形成されている開口部を有している
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の曳航生簀。
【請求項10】
前記第1の浮子および前記沈子は、前記生簀網を吊上げるために使用される吊上げロープに接続されている
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の曳航生簀。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−54648(P2008−54648A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238966(P2006−238966)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(000110882)ニチモウ株式会社 (52)
【Fターム(参考)】