説明

最終印刷前の印刷ジョブのスタッキング

【課題】用紙の無駄を最小にするユーザインターフェースを提供する。
【解決手段】プリンタドライバユーザインタフェース内の印刷プロパティのリストから連続印刷モードを起動し、この連続印刷モードは、印刷が命令されるまで印刷ジョブの待ち行列中に少なくとも二つの印刷ジョブをスタッキングするものであり、少なくとも二つの印刷ジョブを印刷ジョブの待ち行列に送り、少なくとも二つの印刷ジョブの各々に対して最終印刷フォーマットを選択し、少なくとも二つの印刷ジョブの各々を一つの合成された印刷ジョブ中に処理してフォーマットし、この一つの合成された印刷ジョブを印刷する。印刷ユニット及びクライアントコンピュータは、ローカルネットワーク接続を介して接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最終印刷が選択されるまで、ジョブ待ち行列内に少なくとも二つの印刷ジョブをスタックし、スタックされた印刷ジョブを一つの合成された印刷ジョブで印刷するシステム、方法、及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプリンタドライバは、一般に、前の印刷ジョブで残った余白及び/又は白紙面(即ち、両面印刷における用紙又は媒体の裏面)とは無関係に、新たな用紙上で新たなジョブを開始する。また、このプリンタドライバは、現在のジョブに要求される及び/又は利用可能なスペースを考慮することもない。状況によっては、このことは紙資源の非効率的な利用につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、紙や他の印刷媒体は、一般に限られた天然資源から製造されるので、無駄を低減し環境を保全することが望ましい。したがって、プリンタ及び/又はプリンタドライバは、環境を保全して用紙の無駄を最小にするユーザインタフェースとすることが望ましい。用途によっては、各ジョブを独立に印刷する必要があると認められる。しかしながら、多くの印刷ジョブは、実際に、印刷及び/又は後処理を同時に行うことで利益を享受することができ、これは用紙を節約するのみでなく、資料をより良いフォーマットでまとめる助けとなりうる。例えば、旅行の際、ホテルの予約と地図とを印刷することが必要となりうる。通常、これら二つのジョブは、別々の二枚の用紙上に印刷される。しかしながら、これらの二つの印刷ジョブが一つの印刷ジョブに合成されると、用紙又は媒体の片面にホテルの予約を印刷し、用紙の他の面に地図を印刷することができる。この合成された印刷ジョブは、情報の検索を容易にするだけでなく、持ち運びにも便利である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した問題を考慮して、プリンタドライバユーザインタフェース(UI)において一つ以上の追加の選択を加えることにより、上述した節約を達成することができ、連続印刷モード又は印刷スタッキングモード(即ち用紙節約モード)が選択又は使用されている場合に、最終印刷が選択されるまで全ての印刷ジョブがスタックされる印刷ドライバが開示される。最終印刷が選択されると、スタックされた又は待ち行列に入れられた印刷ジョブが、それぞれ一個の合成された印刷ジョブで印刷及び/又は後処理される。
【0005】
例示的な実施形態によれば、連続印刷ジョブを生成するシステムは、画像を印刷する印刷ユニットと、連続印刷ジョブを生成するための印刷ジョブを作成するための実行可能な命令を有するクライアントコンピュータとを備え、前記命令は、プリンタドライバユーザインタフェース内の印刷プロパティのリストから連続印刷モードを起動し、この連続印刷モードは、印刷を命令されるまで少なくとも二つの印刷ジョブを印刷ジョブ待ち行列中にスタックするものであり、少なくとも二つの印刷ジョブを前記印刷ジョブ待ち行列に送り、前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々に対して最終印刷フォーマットを選択し、前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々を一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットし、前記一つの合成された印刷ジョブを前記印刷ユニットにより印刷することを含む。
【0006】
他の例示的な実施形態によれば、印刷ジョブのスタッキング方法は、少なくとも二つの印刷ジョブを印刷ジョブ待ち行列に送り、前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々に対して最終印刷フォーマットを選択し、前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々を一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットし、前記一つの合成された印刷ジョブを印刷することを有する。
【0007】
更なる例示的な実施形態によれば、印刷ジョブを生成するためのコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な媒体は、前記コンピュータプログラムが、プリンタドライバユーザインタフェース内の印刷プロパティのリストから連続印刷モードを起動し、この連続印刷モードは、印刷を命令されるまで少なくとも二つの印刷ジョブを印刷ジョブ待ち行列中にスタックするものであり、少なくとも二つの印刷ジョブを前記印刷ジョブ待ち行列に送り、前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々に対して最終印刷フォーマットを選択し、前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々を一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットし、前記一つの合成された印刷ジョブを印刷すること、を実行するためのコンピュータにより実行可能な命令を有する。
【0008】
例示的な実施形態によれば、スタックされた印刷ジョブは、各印刷ジョブ及び全ての印刷ジョブが、同一のアプリケーション及び/又はソフトウェアプリケーション、即ち、Word(登録商標)、Outlook(登録商標)、ウェブブラウザ等、から生じる必要はなく、異なるアプリケーションから生じてもよい。
【0009】
他の例示的な実施形態によれば、ここに記載されたシステムと方法とは、前の印刷ジョブから残された余白領域に新しい印刷ジョブを追加し、及び/又は前の印刷ジョブから残された白紙面上で新しい印刷ジョブを開始できる。
【0010】
前述した一般的な説明及び以下の詳細な説明は共に例示的で説明的なものであって、特許請求の範囲に記載された発明について更なる説明を提供しようとするものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】例示的な実施形態に係るネットワーク印刷システムの図である。
【図2】例示的な実施形態に係る、最終印刷前に印刷ジョブをスタックするシステムの概略説明図である。
【図3】例示的な実施形態に係るプリンタドライバユーザインタフェースの説明図である。
【図4】別の実施形態に係るプリンタユーザインタフェース中に示される印刷プロパティの説明図である。
【図5】例示的な実施形態に係る、最終印刷前に印刷ジョブをスタックするシステムを示すフローチャートの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面は、本発明の更なる理解を与えるために含まれ、ここに組み込まれることにより本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本発明の実施形態を示し、実施形態の記載と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
【0013】
ここで、本発明の好ましい実施形態の詳細を参照するが、その例は添付の図面に示される。可能な場合は、図面及び実施形態の記載において同一又は類似の部品を参照するために同一の参照番号を用いている。
【0014】
図1は、例示的な実施形態に係る、最終印刷前に印刷ジョブをスタックするネットワーク印刷システム100の図である。図1に示すように、システム100は、印刷ユニット即ちプリンタ(即ち画像形成ユニット)110、及びクライアントコンピュータ(即ちクライアント装置)120を含み、これらはネットワーク130(例えば、LAN又はWAN)を介して互いに接続されている。例示的な実施形態によれば、クライアントコンピュータ120は、最終印刷の前に、少なくとも二つ及び/又は複数の印刷ジョブをスタックするための実行可能な命令を含む。例示的な実施形態によれば、プリンタ(即ち画像形成ユニット)110は、クライアントコンピュータ120から印刷ジョブを受信し、この印刷ジョブは少なくとも二つの印刷ジョブを含み、この二つの印刷ジョブはその後一つの印刷ジョブに合成される。この一つの印刷ジョブは、その後少なくとも一枚の用紙及び/又は印刷可能な媒体上に印刷される。
【0015】
本発明の実施形態に適合するネットワーク130の例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及びワイドエリアネットワーク(WAN)を含むが、これらに限定されるものではない。プリンタ110及びクライアントコンピュータ120は有線接続され、又は、無線周波数(RF)、赤外線(IR)送信、USB、IEEE1394及び/若しくは他の適当な無線技術を用いて無線接続され得る。
【0016】
例示的な実施形態によれば、クライアントコンピュータ120は、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションソフトウェア及びプリンタドライバソフトウェアを含んでいる。プリンタドライバソフトウェアは、このプリンタドライバソフトウェアがインストールされたクライアントコンピュータ120に接続されたプリンタ110を制御する。ある実施形態では、プリンタドライバソフトウェアは、画像データ及び/又は文書データに基づく印刷ジョブを生成する。ある実施形態では、プリンタドライバソフトウェアは、クライアントコンピュータ120からプリンタ110への印刷ジョブの送信を制御することができる。
【0017】
例示的な実施形態によれば、クライアントコンピュータ120は、画像データ及び/又は文書データに基づいて印刷ジョブを生成し、この印刷ジョブをプリンタ110に送信する。クライアントコンピュータ120のユーザは、画像の生成及び/又は印刷ジョブの作成をすることができ、これはネットワーク130を介してプリンタ110に送信される。本発明のある実施形態に適合するクライアントコンピュータ120の例には、パーソナルコンピュータ(即ちPC)及び携帯型情報端末(PDA)が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、クライアントコンピュータ120は処理ユニット、記憶ユニット、表示ユニット、入力ユニット及び送信ユニットを含む。
【0018】
例示的な実施形態によれば、クライアントコンピュータ120の処理ユニットは、クライアントコンピュータ全体及び/又はクライアントコンピュータ中の種々のユニットを制御すると認められる。この処理ユニットは、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションソフトウェア及びプリンタドライバソフトウェアを含む種々のソフトウェアを実行できる。例示的な実施形態によれば、この処理ユニットは、プリンタドライバソフトウェアを用いて画像及び/又は文書データに基づく印刷ジョブを生成する。本発明のある実施形態に適合する処理ユニットの例として、中央演算処理ユニット(CPU)又は処理のために必要なメモリとソフトウェアを有するマイクロプロセッシングユニット(MPU)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本発明の例示的な実施形態に適合するプリンタ110の例には、レーザビームプリンタ(LBP)、インクジェットプリンタ(IJP)、感熱式プリンタ(例えば、昇華型プリンタ)及びハロゲン化銀プリンタが含まれるが、これらに限定されるものではない。プリンタ110は、文書走査機能、印刷機能及びコピー機能を含む、いわゆる複合機(Multi-function peripheral)であってもよい。プリンタ110は、カラープリンタ又は白黒(B/W)プリンタであってよい。例示的な実施形態によれば、プリンタ110は、処理ユニット、印刷ユニット及び送信ユニットを含む。プリンタ110は、クライアントコンピュータ130から送信される印刷ジョブを解釈し、このように解釈された印刷ジョブに基づいて画像を印刷するように構成されている。
【0020】
図2は、例示的な実施形態に係る、最終印刷の前に印刷ジョブをスタックするシステム200の概略説明図である。図2に示すように、システム200は、複数の印刷又はプリンタプロパティ220を含むプリンタドライバユーザインタフェース210、少なくとも一つのプリンタスプール又はスプール装置240,250、プリンタ即ち画像形成ユニット260、及び出力270を含む。好ましくは、印刷又はプリンタプロパティ220は、連続印刷モード(即ち、印刷スタッキングモード又は用紙節約モード)222を含む。出力270は、好ましくは、プリンタ即ち画像形成ユニット260により生成された一以上の画像を有する、少なくとも一の用紙又は他の適切な印刷可能媒体(図示せず)の形をとる。
【0021】
例示的な実施形態においては、好ましくは、連続印刷モード(即ち、印刷スタッキングモード又は用紙節約モード)222は、プリンタドライバユーザインタフェース210を介して選択できる印刷プロパティの選択肢である。連続印刷モード(即ち、印刷スタッキングモード)222は、好ましくは、選択されたときに(即ち、「オン」位置又は「オン」モードで)、印刷ジョブ待ち行列234内に登録された少なくとも二つの印刷ジョブをスタックする、オン/オフ特性230を含む。この少なくとも二つの印刷ジョブは、その後最終印刷時に一つの合成された印刷ジョブとして処理され、印刷される。
【0022】
例示的な実施形態によれば、連続印刷モード(即ち、印刷スタッキングモード)222は、印刷フォーマットモード232、印刷ジョブ待ち行列234、及び、図5により詳細に説明し示されている、最終印刷コマンドの選択時に、全ての登録された(即ち待ち行列に入れられた)ジョブを処理及びフォーマットするためのプロセッサ236を含む。スタックされた(即ち、待ち行列に入れられた)印刷ジョブの各々の処理及びフォーマットが完了したときに、最終印刷ジョブがスプール(即ちスプール装置)240,250に送信され、そこで最終印刷ジョブはプロセッサ(図示せず)によりバッファ(通常ディスク上の一領域)に記憶され、そして検索され、画像形成ユニット即ちプリンタ260によってそれ自体の速度で印刷される。例示的な実施形態によれば、スプーラソフトウェア又は印刷管理ソフトウェアは、印刷ジョブに優先順位を割り当て、それらが印刷されたときにユーザに通知し、幾つかのプリンタ間で印刷ジョブを配分し、印刷用紙を自動的に変更又は選択させ、印刷ジョブを識別して分離するためのバナーページの生成等を行うと認識される。
【0023】
連続印刷モード(即ち、印刷スタッキングモード)222が選択されない場合(即ち、「オフ」位置又は「オフ」モードに入った場合)、印刷ジョブは、選択された印刷プロパティ220に従って処理及びフォーマットされ(238)、上述のようにスプール又はスプール装置240及びプリンタ250に送信される。「オフ」モードにおいては、各印刷ジョブは、新しい用紙又は印刷媒体の各々の上端から別々に印刷されると認められる。
【0024】
図3に示すように、プリンタドライバユーザインタフェース300は、複数の選択即ちウインドウを含み、これらのウインドウには、プリンタのリストからプリンタを選ぶためのプルダウンメニュー312を有するプリンタ選択ウインドウ310(即ち、コニカミノルタプリンタV1.0)、印刷プロパティボタン320、承認即ち「OK」選択ボタン330及び「キャンセル」選択ボタン340が含まれる。例示的な実施形態によれば、印刷プロパティ320のいくつかは、初期のプリンタドライバユーザインタフェース300に含められることができ、又はその代わりに、図4に示すように、独立したプリンタドライバユーザインタフェーススクリーン上に含められることができる。プリンタドライバ又は印刷プロセッサに関連するプリンタドライバユーザインタフェース300は、印刷されるデータを、プリンタに固有の形式に変換するソフトウェアの一部であると認められる。プリンタドライバは、アプリケーションが、各プリンタモデルの技術的詳細を認識することなく印刷することを可能する。プリンタドライバユーザインタフェース300は、印刷ボタン350を含んでもよい。あるいは、印刷ボタン350又は印刷コマンドは、ツールバー、キーストローク及び/又は他の方法を介して、起動され又はアクセスされ得る。
【0025】
図3に示す例示的な実施形態において、プリンタ選択ウインドウ310、印刷プロパティボタン320、承認即ち「OK」ボタン330、「キャンセル」ボタン340及び印刷ボタン350は、マウス及び/又はキーボードを介したカーソルの使用により制御されることが好ましい。他の実施形態によれば、プリンタウインドウ310、印刷プロパティボタン320、承認即ち「OK」ボタン330、「キャンセル」ボタン340及び印刷ボタン350は、タッチスクリーン技術を介して制御され得る。タッチスクリーン技術は、表示領域内の接触の存在及び位置を検出して、ページサイズの変更、画像のレイアウトの変更、及び印刷処理の起動及び/又は開始を行うことができる。
【0026】
図4に示すように、印刷プロパティ400は、連続印刷モード(即ち、印刷ジョブスタッキングモード)410、用紙設定420、レイアウト又はレイアウト設定430、及び後処理又は後処理設定440を含むことができる。用紙設定420には、コピー枚数、用紙の向き(ポートレート又はランドスケープ)、丁合い印刷に関する情報、オフセット印刷に関する情報、原稿用紙サイズ、出力用紙サイズ、用紙の種類、及びトレイ番号等の用紙源情報を含みうると認められる。レイアウト設定430は、印刷レイアウトに関する設定を含むことができる。後処理設定440は、綴じ、ステープル、及び穴開け等の用紙綴じの選択肢を含む用紙後処理設定を特定できる。
【0027】
図5は、例示的な実施形態に係る、最終印刷前に印刷ジョブをスタックするシステム500を示すフローチャートの例示である。例示的な実施形態によれば、連続印刷モード(即ち、スタック印刷モード)で複数の印刷ジョブを印刷する場合、その処理は、好ましくは、プリンタドライバの一部、又は画像を取り扱うアプリケーションプログラムの一部としてのソフトウェアにより起動される。ドライバユーザインタフェース210は、好ましくは印刷プロパティボタン320を含み、この印刷プロパティボタン320は、ユーザに複数の印刷プロパティを提供し、この複数の印刷プロパティには、連続印刷モード(即ち、スタック印刷モード)510が含まれる。任意的な連続印刷モード(即ち、スタック印刷モード)は、「オン」又は「オフ」選択ボタン(即ちモード)520を含む。スタック印刷モード520が「オフ」位置又はモードに入った場合、印刷ジョブは、処理され、フォーマットされ、印刷のためにスプール装置240及びプリンタ260に送られ、そこで各印刷ジョブが新しいページ上で開始される。
【0028】
あるいは、連続印刷モード520が選択された場合(即ち、「オン」位置又はモードに入った場合)、プリンタドライバは、複数の印刷ジョブに対応するように構成され、それらを結合又は合成して一つの印刷ジョブとする。例示的な実施形態によれば、第一の印刷ジョブ(即ち、第一の文書)を、プリンタドライバを介して印刷するために登録し、第二の印刷ジョブ(即ち、第二の文書)を、プリンタドライバを介して印刷するために登録し、これらの印刷ジョブを一つの印刷ジョブとして、対象とするプリンタに急送又は送信することができる。好ましい実施形態によれば、第二の文書の先頭画像(即ち、印刷ジョブ2)は、第一の文書(即ち、印刷ジョブ1)上の最終画像と同一のページ上で開始できる。
【0029】
図5に示すように、連続印刷モード(即ちスタック印刷モード)520が選択され、「オン」位置又はモードに入った場合、印刷ジョブは、印刷・スタッキング・フォーマット・選択ステップ530に送られ(522)、そこで、ユーザは、3つの選択肢の一つを選択できる。即ち、(1)「新ページ開始」コマンド532、(2)「継続」コマンド534、又は(3)「最終印刷」コマンド536である。「新ページ開始」コマンド532中では、新しい印刷ジョブ550が、印刷ジョブ待ち行列(即ちジョブ待ち行列)540に送られ、「最終印刷」コマンド536がプリンタドライバにより受信されるまで、少なくとも二つの印刷ジョブ550の各々が登録されスタック(すなわち保持)される。この「新ページ開始」コマンド532は、プリンタドライバ(プリンタアプリケーション又はプリンタアプリケーションファームウェア)に、新しい印刷ジョブ(例えば、印刷ジョブ2)がジョブ待ち行列540に追加されており、「最終印刷」コマンド536を受信したときに、この新しい印刷ジョブ(例えば、印刷ジョブ2)が新しい用紙又は他の適当な印刷媒体の上端又は上部で開始されるべき、という命令を提供する。
【0030】
あるいは、ユーザは、「継続」コマンド534を選択することができ、この場合、新しい印刷ジョブ550(例えば、印刷ジョブ3)がジョブ待ち行列540に追加され、「最終印刷」コマンド536を受信したときに、この新しい印刷ジョブ(印刷ジョブ3)は、そのままであった余白領域又は前の印刷ジョブ(即ち、印刷ジョブ2)の終端から残された余白領域に追加される。例えば、新しい文書(即ち、印刷ジョブ3)の先頭画像は、前の文書(即ち、印刷ジョブ2)の最終画像と同じページで開始できる。
【0031】
各印刷ジョブ550がジョブ待ち行列540に追加された後、ユーザは、「最終印刷」コマンド536をジョブ待ち行列540に送り、この「最終印刷」コマンド536は、少なくとも二つの印刷ジョブ(即ち、複数の印刷ジョブ)550(即ち、印刷ジョブ1,印刷ジョブ2,印刷ジョブ3,・・・印刷ジョブn)を、処理及びフォーマットするためにプロセッサ560に転送する(542)ことをジョブ待ち行列540に命令する。各印刷ジョブ550(即ち、印刷ジョブ1〜n)は、印刷ジョブ550(印刷ジョブ1〜n)がジョブ待ち行列540に登録され又は配置される間に、提供されたフォーマット命令に従って、処理されフォーマットされる。その後、フォーマットされた印刷ジョブ562は、スプール装置又はスプール250(図2)に送信され、プリンタ260がそのジョブを所望の出力270に印刷する準備が整うまで保持される。
【0032】
他の例示的な実施形態において、印刷ジョブ550は、一以上のアプリケーションからジョブ待ち行列540中に載置することができ、一つのアプリケーションに限定されないことが認識される。例えば、ユーザは、Eメールからの第一の印刷ジョブ(例えば、印刷ジョブ1)とウェブ上のアプリケーションからの第二の印刷ジョブ(例えば、印刷ジョブ2)とを組み合わせることができ、最終印刷コマンド536(即ち、「印刷スタックジョブ」)が受信されるまで、ジョブ待ち行列540が二つの印刷ジョブ550をスタックすることとなる。最終印刷コマンド536を受信すると、前記システム及び方法500は、本明細書において十分に述べたように、少なくとも二つの印刷ジョブ550を所望の最終印刷フォーマットで印刷する。
【0033】
更に、少なくとも二つの印刷ジョブ550の最終印刷フォーマットは、(1)前の又は先行する印刷ジョブ(例えば、印刷ジョブ1)から残された余白領域への、新しい又は後続する印刷ジョブ(例えば、印刷ジョブ2)の追加、(2)新しい用紙又は媒体上での新しい又は後続する印刷ジョブ(印刷ジョブ2)の開始、(3)前の又は先行する印刷ジョブ(印刷ジョブ1)から残された余白(又は用紙の裏面)での新しい又は後続する印刷ジョブ(印刷ジョブ2)の開始、及び/又は(4)これらの任意の組み合わせを含みうると認められる。
【0034】
例示的な実施形態によれば、印刷ジョブ550は、クライアント側(即ち、コンピュータ)の印刷ドライバ上に処理されることなく残ると認められる。更に、本明細書において記載した方法及びシステムは、印刷能力を有する任意のアプリケーション、任意のプリンタ言語、及び/又は任意かつ全てのタイプのプリンタで実施できると認められる。
【0035】
同一又は異なるアプリケーションからの異なる印刷ジョブを、用紙及び/又は印刷媒体の同じページの次の行に追加することができ、及び/又は両面印刷出力(二面印刷出力)の裏面に追加することができることが認められる。両面印刷は、典型的には、用紙又は印刷可能な媒体の第一の面に印刷し、用紙又は印刷可能な媒体を反転し、用紙又は印刷可能な媒体の第二の面に印刷することによって行われると認められる。
【0036】
連続印刷モード又は印刷スタッキングモードをプリンタドライバプログラムに挿入するためのプリンタジョブ言語(PJL)フォーマットを用いた構成設定の一例を以下に述べる。印刷ジョブが保持モードにあるときは、この構成設定は以下の追加のシンタックス又は印刷コマンドを含むことができる。
@PJL SET PAPERSAVE = ON
@PJL SET CONTINUEPRINT = YES
@PJL SET FINALPRINT = NO
【0037】
あるいは、最終印刷コマンドが送信されたときに、シンタックス又は印刷コマンドは次のように読み取ることができる。
@PJL SET PAPERSAVE = ON
@PJL SET CONTINUEPRINT = YES
@PJL SET FINALPRINT = YES
【0038】
他の例示的な実施形態によれば、印刷ジョブを作成するためのコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な媒体が開示される。この媒体は、プリンタドライバユーザインタフェース内の印刷プロパティのリストから、印刷を命令されるまで印刷ジョブ待ち行列中に少なくとも二つの印刷ジョブをスタッキングする連続印刷モードを起動し、少なくとも二つの印刷ジョブを印刷ジョブ待ち行列に送り、この印刷ジョブ待ち行列内の少なくとも二つの印刷ジョブの各々に対する最終印刷フォーマットを選択し、この少なくとも二つの印刷ジョブの各々を一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットし、この一つの合成された印刷ジョブを印刷するための実行可能な命令を含む。
【0039】
例示的な実施形態によれば、方法及びシステムは、連続印刷モードを有するドライバユーザインタフェースアプリケーションを有し、この連続印刷モードは、印刷を命令されるまで、印刷ジョブ待ち行列中に少なくとも二つの印刷ジョブをスタックする。方法は、プリンタドライバの一部又は画像を取り扱うアプリケーションプログラムの一部としてソフトウェにより実施されうると認識される。
【0040】
本発明は、前記方法と、リード・オンリ・メモリ(ROM)等の不揮発性メモリに格納されたプログラムを実行することにより前記方法を実施するプリンタ又はコンピュータ等の装置と、の双方に関する。この方法は、不揮発性メモリにおけるファームウェアを更新することにより装置中に導入できる。この点について、前記方法は、インストールソフトウェア及びファームウェアのパッケージの形態で装置中に取り入れられる。このファームウェアは、インストールソフトウェアが効率的にファームウェアをインストールするように、分割及び/又は圧縮できる。このパッケージは、コンパクトディスク等のコンピュータ読み取り可能なディスケット中に確実に格納することができ、又は有線/無線の通信回線を介して送信することができる。
【0041】
上述した方法は、紙又は薄いプラスチックシートのような他の適当な印刷媒体における印刷に使用可能である。コンピュータ読み取り可能な媒体は、勿論、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、又は将来開発されうる他の任意の記録媒体であってもよい。これらの全ての記録媒体は、全て同じ方法で本発明に適用できると考えられる。一次及び二次複製物並びにその他のものを含むこれらの媒体の複製は、疑いもなく、上記媒体と均等であると考えられる。更に、本発明の実施形態がソフトウェア及びハードウェアの組み合わせであったとしても、このことは本発明の概念から何ら逸脱するものではない。本発明は、そのソフトウェア部分を事前に記録媒体に書き込み、動作中に必要に応じて読み出すように実施してもよい。
【0042】
当業者にとって、本発明の要旨から逸脱することなく、本発明の構造に種々の変形及び変更を加えうることは明白である。前述した観点から、本発明は、以下の請求項及びその均等物の範囲内において提供される変更及び修正に及ぶことが意図されている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続印刷ジョブを生成するシステムであって、
画像を印刷する印刷ユニットと、
連続印刷ジョブを生成するための印刷ジョブを作成するための実行可能な命令を有するクライアントコンピュータと、を備え、
前記命令は、
プリンタドライバユーザインタフェース内の印刷プロパティのリストから連続印刷モードを起動し、前記連続印刷モードは、印刷が命じられるまで、印刷ジョブ待ち行列中に少なくとも二つの印刷ジョブをスタッキングするものであり、
少なくとも二つの印刷ジョブを前記印刷ジョブ待ち行列に送り、
前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々に対して最終印刷フォーマットを選択し、
前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々を、一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットし、
前記一つの合成された印刷ジョブを前記印刷ユニットで印刷すること含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記クライアントコンピュータ内に更にプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々を前記一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットすることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一つの合成された印刷ジョブは、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの他の印刷ジョブの一つの最終画像と同じページ上で開始する、前記二つの印刷ジョブのうちの少なくとも一つの先頭画像を有することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記一つの合成された印刷ジョブは、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの少なくとも一つを、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの他の印刷ジョブの一つの用紙の白紙面において開始することを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの少なくとも一つは、第一のアプリケーションから生じたものであり、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの他の印刷ジョブの少なくとも一つは、前記第一のアプリケーションとは異なる第二のアプリケーションから生じたものであることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記クライアントコンピュータから前記一つの合成された印刷ジョブを受け取るスプール装置を、前記印刷ユニット中に更に備えたことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
印刷ジョブをスタックする方法であって、
少なくとも二つの印刷ジョブを印刷ジョブ待ち行列に送る工程と、
前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々に対して最終印刷フォーマットを選択する工程と、
前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々を、一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットする工程と、
前記一つの合成された印刷ジョブを印刷する工程と、を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
プリンタドライバユーザインタフェース内の印刷プロパティのリストから連続印刷モードを起動する工程を更に有し、前記連続印刷モードは、印刷が命じられるまで、印刷ジョブ待ち行列中に少なくとも二つの印刷ジョブをスタックするものであることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記連続印刷モードは、前記プリンタドライバユーザインタフェース中で起動されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々を前記一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットする工程は、クライアント装置中で行われることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記一つの合成された印刷ジョブを、ネットワークを介して印刷ユニットに送信する工程を更に有することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記一つの合成された印刷ジョブは、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの他の印刷ジョブの一つの最終画像と同じページ上で開始する、前記二つの印刷ジョブのうちの少なくとも一つの先頭画像を有することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記一つの合成された印刷ジョブは、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうち少なくとも一つを、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの他の印刷ジョブの一つの白紙面上で開始することを含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの少なくとも一つは、第一のアプリケーションから生じたものであり、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの他の印刷ジョブの少なくとも一つは、前記第一のアプリケーションとは異なる第二のアプリケーションから生じたものであることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
印刷ジョブを作成するためのコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータプログラムは、
プリンタドライバユーザインタフェース内の印刷プロパティのリストから連続印刷モードを起動し、前記連続印刷モードは、印刷が命じられるまで、印刷ジョブ待ち行列中に少なくとも二つの印刷ジョブをスタッキングするものであり、
少なくとも二つの印刷ジョブを前記印刷ジョブ待ち行列に送り、
前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々に対して最終印刷フォーマットを選択し、
前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々を、一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットし、
前記一つの合成された印刷ジョブを印刷することを、実行するための、コンピュータにより実行可能な命令を有することを特徴とする媒体。
【請求項16】
クライアント装置中で、前記少なくとも二つの印刷ジョブの各々を前記一つの合成された印刷ジョブに処理してフォーマットすることを更に含むことを特徴とする、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項17】
前記一つの合成された印刷ジョブをネットワークを介して印刷ユニットに送信することを更に有することを特徴とする、請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項18】
前記一つの合成された印刷ジョブは、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの少なくとも一つを、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの他の印刷ジョブの一つから残された余白領域に追加することを含むことを特徴とする、請求項15に記載の媒体。
【請求項19】
前記一つの合成された印刷ジョブは、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの他の印刷ジョブの一つの白紙面上において開始する、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項20】
前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの少なくとも一つは、第一のアプリケーションから生じたものであり、前記少なくとも二つの印刷ジョブのうちの他の印刷ジョブの少なくとも一つは、前記第一のアプリケーションとは異なる第二のアプリケーションから生じたものであることを特徴とする、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−138474(P2011−138474A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−143682(P2010−143682)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(507031918)コニカ ミノルタ ラボラトリー ユー.エス.エー.,インコーポレイテッド (157)
【Fターム(参考)】