説明

最適化されたFc変異株

親ポリペチドに比べてFcRnに対する結合性が増加し、Fc領域に少なくとも2つのアミノ酸変異を有する、親ポリペチドの変異株。
【課題】
【解決手段】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Fc領域を含む親ポリペチドの変異株に関するものである。
この変異株は親ポリペチドと比べてFcRnに対する結合性が増加し、Fc領域中にも少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有する。
【背景技術】
【0002】
モノクローナル抗体は、ガン、自己免疫性疾患、慢性炎症性疾患、移植拒絶反応、感染症および心血管病気を含む各種状態の治療で治療方学として使用されている。現在、20種以上のモノクローナル抗体またはモノクローナル抗体断片製品が上市されており、400種以上が臨床開発中である。こうした市況および承認にもかかわらず、抗体の構造上および機能上の特性を最適化するという大きなニーズが残っている。
【0003】
モノクローナル抗体を治療で使用する上で大きな問題の1つは、それが循環血液中に残ることである。抗体のクリアランス速度は治療効果、従って、患者に悪影響を生じさせる医薬品の投与頻度および投薬量に直接影響し、医学コストを増大させる。
【0004】
IgGは最も普及している免疫グロブリンのクラスであり、ヒトの治療で最も多く利用されている。IgGホメオスタシス機構は母親から胚または齧歯動物の新生児への受動免疫のトランスファーに関する研究で明らかになった(非特許文献1〜3)。初期の研究でBrambellはIgGの母胎間(maternofetal)伝達のためのレセプタがあり、このIgGの母胎間伝達およびIgG異化に関与する機構は同じものであるか、少なくとも非常に密接に関連していると仮定した(非特許文献1)。
【0005】
研究の結果、分極細胞中またはそれを横切るIgGの運搬はFc領域が高い親和性のFcレセプタ(新生Fcレセプタ(FcRn)といわれる)に結合することによって仲介されるということが分かった。このFcRnは主組織適合性複合クラスI分子のα-鎖の細胞外領域に対して構造上の相同性を有するトランスメンブレンα-鎖I分子とβ2−ミクログロブリン(β2m)とから成る可溶性の軽鎖から成るヘテロダイマである (非特許文献4)。
【0006】
ヒトではFcRnは胎盤細胞、腸、腎臓、気管支細胞、血管内皮細胞、上皮細胞、造血細胞、例えば小腸マクロファージ、単核細胞および単核細胞派生樹状細胞で発現される(非特許文献5)。FcRnはその2つの主たるリガンドIgGおよび血清アルブミンに結合し、pH依存性で、pH 6.0〜6.5で有効な結合が起こり、pH 7.0〜7.5で解放する (非特許文献6)。
【0007】
異化(catabolism)からIgGを保護する機構としてはIgGが非特異性のピノサイトーシスによって血管内皮細胞のエンドソームに内面化され、低pHでFcRnへの結合が促進されるという機構が提案されている(非特許文献7)。結合したIgG-FcRn錯体が細胞表面へ再循環され、細胞外液の中性pHで分離し、血液循環中へ戻る。FcRnに結合しないIgGはリソソームへ送られ、プロテアーゼによって分解される。低漿液IgG濃度で生き残ったIgGの濃度依存異化機構によってリセプタは全てのエンドサイトーシス(endocytosed)IgGを結合し、それを効率的に循環形に返し、IgG半減期を長くする。逆に、高IgG濃度ではリセプタがIgGで飽和され、IgGの主画分がリセプタによって結合解除され、劣化し、束縛を解かれたIgGがより急速に異化ずる。
【0008】
ハツカネズミIgGのFc領域の各種部位特異的突然変異実験によって、IgGとFcRnとの間の相互作用に関係するある種の重要なアミノ酸残基が確認された非特許文献7〜11)。これらの研究および配列比較研究から、位置253のイソロイシン、的位置310のヒスチ遺伝子、位置435のヒスチ遺伝子(Kabatに従った番号)がヒトおよびウサギで高度に保持され、結合IgG-FcRnでのその重要性を示唆していることが見出された(非特許文献12)。これらのアミノ酸残基はCH2-CH3領域界面に位置し、ラットFcと錯体化したラットFcRnのX−線結晶構造でこれら残基に対する機能サイトのマッピングが作られた(非特許文献13)。
【0009】
非特許文献14ではハツカネズミIgG1 Fc-ヒンジ断片の位置252、位置254および位置256がランダムに突然変異化(mutagenized)された。そのぞれ、1つのミュータントはハツカネズミFcRnに対して3倍の親和性を示し、2つのハツカネズミ株では半減期が野生型と比べ約23%または65%長くなった。
【0010】
非特許文献15では、Fc領域の位置253、位置310または位置435のアミノ酸置換によってヒトIgG1を突然変異して突然変異Fcヒンジ断片が野性型IgG1 Fc-ヒンジ断片と比較してハツカネズミ漿液中の半減期を減らすことを示し、Ne253、His310およびHis435がIgGの漿液半減期のコントロールで中心的な役割を演じていると結論している。
【0011】
非特許文献16はキメラのヒトIgG1抗体のFc領域の位置253の一つのアミノ酸の置換でハツカネズミの排除を加速し、固形腫瘍の免疫シンチグラフィを改善することを示した。
【0012】
非特許文献17はアラニン走査突然変異生成を用いてヒトIgG1抗体のFc領域の残基を変え、ヒトFcRnへの結合性をアセスしている。アラニンに変えた時のFcRn結合性を効果的に排除する位置には1253、S254、H435およびY436が含まれる。結合性がそれより少なく減少した他の位置はE233-G236、R255、K288、L309、S415およびH433である。アラニンに変えた時にいくつかのアミノ酸位置でFcRn結合性が改良した。特にP238、T256、E272、V305、T307、Q31 1、D312、K317、D376、E380、E382、S424およびN434で顕著である。多くの他のアミノ酸位置でFcRn結合性がわずかな改良を示し(D265、N286、V303、K360、Q362およびA378)すか、変化がなかった(S239、K246、K248、D249、M252、E258、T260、S267、H268、S269、D270、K274、N276、Y278、D280(V282)E283、H285、T289、K290、R292、E293、E294、Q295、Y296、N297、S298、R301、N315、E318、K320、K322、S324、K326、A327、P329、P331、E333、K334、T335、S337、K338、K340、Q342、R344、E345、Q345、Q347、R356、M358、T359、K360、N361、Y373、S375、S383、N384、Q386、E388、N389、N390、K392、L398、S400、D401、K414、R416、Q418、Q419、N421、V422、E430、T437、K439、S440、S442、S444およびK447)。
【0013】
最も大きな加算性(additivity)はFcRnに対する結合性が改良された複合変異株 (combination 変異株)の場合である。例えばE380Aでは2倍、N434Aでは3倍であるが、E380A/N434A変異株はpH 6.0で天然のIgG1に対してFcRnに対する結合性が8倍強くなる。これにT307Aを加えると天然IgG1に対して結合性は12倍改良する。
【0014】
非特許文献18はランダム突然変異生成とハツカネズミFcRnに対するヒトIgG1ヒンジ-Fc断片ファージのスクリーニングのライブラリを示しており、位置251、252、254-256、308、309、311、312、314、385-387、389、428、433、434および436でのランダム突然変異生成を記載している。IgG1-ヒトFcRn錯体の安定性の主たる改良はFc-FcRn境界(M252、S254、T256、H433、N434およびY436)を横切るバンド中に位置する残基の置換で起こり、より小さい改良はV308、L309、Q311、G385、Q386、P387およびN389でのような末梢での残基の置換で起こる。ヒトFcRnに対して最も高い親和性を示す変異株は例えばM252Y/S254T/T256E突然変異とH433K/N434F/Y436H突然変異とを組合せた時に得られ、天然型IgG1に対して57倍の増加を示す。
【0015】
非特許文献19には2つの突然変異(T250QおよびM428L)が記載され、これらはヒトFcRnに対するヒトIgG2の結合性をそれぞれ約3倍および7倍増加させる。これらの2つの突然変異は、組み合わせると、IgG2の28倍の結合能の増加を誘発する。薬物動態学研究のためにM428LおよびT250Q/M428の両方のIgG2ミュータントをアカゲザルに注射すると野生型抗体より半減期が約2倍長くなる。
【0016】
非特許文献20には、位置252、254および256でFc領域を変化させたヒト型抗-RSウィルスIgG1(M252Y/S254T/T256E)が記載されてる。これらの突然変異はヒトFcRnに対する結合性をpH 6.0で約10倍増加させ、pH 7.4で効率的な解除を許す(非特許文献18)。こうした変移させたヒトIgG1のインビボ挙動によってカニクイザルで漿液の半減期を野生型IgG1と比べてほぼ4倍増加する。
【0017】
さらに、半減期を変えた生理活性分子を得る方法は種々の文献に記載されており、FcRn-結合ポリペチドを分子中に入れる(特許文献1〜5)方法や、上記分子をFcRn-結合親和性を保存し、他のFcレセプタに対する親和性を大きく減少させた抗体と溶合する方法(特許文献6)や、抗体のFcRn結合領域と溶合する(特許文献7、8)方法がある。
【0018】
特許文献9には抗体をコードするDNAセグメント中に突然変異を誘導して生物学的半減期を減少された抗体を生産する方法が開示されている。この突然変異にはFc-ヒンジ領域の位置253、310、31 1、433または434のアミノ酸の置換が含まれる。上記で引用した特許文献9およびその他全て米国特許の開示内容は本明細書の一部を成す。
【0019】
特許文献10にはFcRn結合能を変えた突然変異Fc領域を有するポリペチドが開示されている。このポリペチドはFc領域のアミノ酸位置238、252、253、254、255、256、265、272、286、288、303、305、307、309、31 1、312、317、340、356、360、362、376、378、380、386、388、400、413、415、424、433、434、435、436、439および447の任意の一つ以上のアミノ酸が突然変異し、Fc領域の残基の位置の数え方はEUインデックスの位置の数え方 (上記Kabat et al.) と同じである。
【0020】
特許文献11には、野性-型IgGの不変領域に対して一つ以上のアミノ酸を変異させたIgG不変領域を有する変成IgGが開示されている。変成したIgGは野性型IgGの不変領域に比べてIgGの半減期が増加し、一つ以上のアミノ酸変異は位置251、253、255、285-290、308-314、385-389および428-435の一つ以上で行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】国際特許第WO97/43316号公報
【特許文献2】米国特許第5,869,046号明細書
【特許文献3】米国特許第5,747,035号明細書
【特許文献4】国際特許第WO96/32478号公報
【特許文献5】国際特許第WO91/14438号公報
【特許文献6】国際特許第WO99/43713号公報
【特許文献7】国際特許第WO00/09560号公報
【特許文献8】米国特許第4,703,039号明細書
【特許文献9】米国特許第6,165,745号明細書
【特許文献10】国際特許第WO00/42072号公報
【特許文献11】国際特許第WO02/060919 A2号公報
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】Brambell, 1966, Lancet; 2(7473):1087-93
【非特許文献2】Rodewald, 1976, J Cell Biol.;71 (2):666-9
【非特許文献3】Jones et aL, 1972, J Clin Invest., 51 (11):2916-27
【非特許文献4】Simister and Mostov, Cold SPRing Harb Symp Quant Biol.: 1989, 54 Pt 1 :571-80
【非特許文献5】Zhu X et aL, 2001, J Immunol.; 166:3266-76
【非特許文献6】Raghavan et al., 1995, Biochemistry., 34:14649-5
【非特許文献7】Ghetie and Ward, 1997, Nat. Biotechnol., 15: 637-40
【非特許文献8】Kim et al., 1994, Eur J Immunol.;24:2429-34
【非特許文献9】Kim ef al.,1994, Eur J Immunol; 24:542-8
【非特許文献10】Medesan et al., 1996, Eur J Immunol.;26:2533-6
【非特許文献11】Medesan et al., 1997, J Immunol.,158: 2211-7
【非特許文献12】Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.(1991)
【非特許文献13】Burmeister et al., 1994, Nature; 372(6504):379-83)
【非特許文献14】Ghetie et al. 1997, Nat. Biotechnol; 15: 637-40
【非特許文献15】Kim et al. 1999, Eur J Immunol; 29: 2819-25
【非特許文献16】Hornick et al. 2000, J Nucl Med., 41: 355-6
【非特許文献17】Shields et al. 2001, J Biol Chem; 276: 6591-604
【非特許文献18】Dall'Acqua et al. 2002, J lmmunol.; 169:5171-80
【非特許文献19】Hinton et al. 2004, J Biol Chem.; 279:6213-6
【非特許文献20】Dall'Acqua et al. 2006, J. Biol.Chem.; 281:23514-24
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかし、さらに最適化した新規なFc変異株に対するニーズが依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、最適化された性状を有する親ポリペチドの変異株を提供する。 この最適化された特性には対応する親ポリペチドよりFcRnに対する高い結合性が含まれる。本発明の好ましい実施例では、親のポリペチドの変異株は親ポリペチドに比べてFcRnに対する結合性か増加したFc領域を有し、親ポリペチドのFc領域中に少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有し、その突然変異は親ポリペチドに対してFc領域の中の下記の群の中から選択される:226、227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259、264, 265, 267, 269, 270, 276, 284, 285, 288, 289, 290, 291 , 292, 294, 297, 298, 299, 301 , 302, 303, 305, 307, 308, 309, 31 1 , 315, 317, 320, 322, 325, 327, 330, 332, 334, 335, 338, 340, 342, 343, 345, 347, 350, 352, 354, 355, 356, 359, 360, 361 , 362, 369, 370, 371 , 375, 378, 380, 382, 383, 384, 385, 386, 387, 389, 390, 392, 393, 394, 395, 396, 397, 398, 399, 400, 401 , 403, 404, 408, 41 1 , 412, 414, 415, 416, 418, 419, 420, 421, 422, 424, 426, 428, 433、434、438、439、440、443、444、445、446および447。(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabat中でのEUインデックスの数え方と同じである)
【0025】
本発明の他の実施例では、本発明は本発明の変異株を含む医薬組成物を提供する。
本発明の他の実施例では、本発明は本発明の変異株をコードする単離された核酸を提供する。
本発明の他の実施例では、本発明は上記核酸を含むベクターを提供する。
本発明の他の実施例では、本発明は上記ベクターを含む宿主細胞を提供する。
本発明の他の実施例では、上記宿主細胞を培養して核酸を発現させることから成る、ポリペチド変異株の生産方法を提供する。
本発明の他の実施例では、本発明は本発明の変異株を含む医薬品を提供する。
本発明の他の実施例では、本発明は医薬品製造での本発明変異株の使用を提供する。
本発明の他の実施例では、本発明はFc最適化変異株を識別する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】はヒトIgG1重鎖(Fc226(SEQ番号1))に由来するアミノ酸残基226-447 (KabatでのEUインデックス)をコードするヒトFc遺伝子がクローンされたファージミド(ファージmid)ベクターpMG58を示す図。 CVDE:VMA1-由来のエンドヌクレアーゼのC末端部、 VMA:空胞(vacuolar)ATPアーゼ・サブユニット(VMA)、 CPIII:ファージM13のカプシドタンパクpIII(またはp3)のC末端部。
【図2】は固相(2A)および溶液中(2B)でFc変異株を選択するのに使用する方法を示す図。 FcRn-biotはビオチチル化(biotinylated)FcRnを表し、 FcRn-p3はFcRn-p3融合タンパクを表す。 Fc-ファージはそのカプシッド上にFc変異株を発現するファージM13である。固相選択法では免疫プレート(免疫プレート)のウエルにFcRn-p3融合タンパク(FcRn-p3)またはニュトラビディン(neutravidin)、次いでFcRn-biotを被覆する。
【図3】は選択したFc変異株で実施したファージ−ELISAアッセイの原理を示す図。Fc-ファージはそのカプシッド上にFc変異株を発現するファージM13であり、FcRn-p3は免疫プレートのウエルに被覆したFcRn-p3融合タンパクであり、抗−M13はELISA検出用に使用したホースラディシュ(Horseradish)ペルオキシダーゼ(HRP)に溶合したハツカネズミ抗M13抗体である。
【図4】はFc IgG1の各アミノ酸位置に対するその位置で突然変異を含む変異体の百分比を表すヒストグラム。X−座標:変異位置でのKabatでのEUインデックスに従ったアミノ酸数。Y−座標:変異位置を含むFc変異株の百分比。
【0027】
【図5a】はFcRnに対するFc変異株の結合能を測定するためのELISAアッセイの原理を示す。FcRn-p3は免疫プレートのウエルを被覆したFcRn-p3融合タンパクであり、FcはELISA検出用のV5タグを有するFc変異株であり、抗V5はHRPに溶合させた抗V5抗体である。ELISA検出には抗体を使用した。
【図5b】は実施例1に記載のIV.1.aでのELISAアッセイで得られた野生型Fc(丸)およびFc−H変異株(四角)の投与量効果曲線を示す。X−座標:Fcポリペチドの濃度、Y−座標:Fcポリペチドに結合したFcRnの百分比。
【図5c】は実施例1に記載のIV.1.aでのELISAアッセイで得られた野生型Fc(丸)およびS3A_07変異株(四角)の投与量効果曲線を示す。X−座標:Fcポリペチドの濃度、Y−座標:Fcポリペチドに結合したFcRnの百分比。
【図5d】は実施例1に記載のIV.1.aでのELISAアッセイで得られた野生型Fc(丸)およびS5A_41変異株(四角)の投与量効果曲線を示す。X−座標:Fcポリペチドの濃度、Y−座標:Fcポリペチドに結合したFcRnの百分比。
【図6】は天然ヒトIgG1配列の位置216-447(KabatでのEUインデックスに従う)とヒトIgG4(SEQ ID NO:16)、ヒトIgG3(SEQ ID NO:15)およびヒトIgG2(SEQ ID NO:14)の対応配列とのアランメントを示す図。IgG1配列はG1m1,17アロタイプ(SEQ ID NO:12)およびG1m3アロタイプ(SEQ ID NO:13)である。IgG1の「低部ヒンジ-CH2-CH3」領域は位置216から開始する(矢印参照)。
【図7】は各種pHで実行したFcRnに対するFc-変異株の結合能を示すためのELISAアッセイの結果を示す図(詳細は実施例2のIV.2を参照)。このヒストグラムは各変異株に対してpH=6(黒棒)、pH=6.5(白棒)またはpH=7.4(灰色棒)で実行したELISAアッセイのOD450nmの値を表す。OD450nm値はFc変異株に結合した固定FcRnの量に関係する。
【0028】
【図8a】はFc変異株を含む組換え型IgG1抗体を発現するための発現ベクターの模式的な地図を示す。得られた組換え型IgG1抗体はCD20抗体に対して特異的な結合性を有する。明細書および実施例に記載の突然変異を含む重鎖の恒常部をコードする核酸は、[図8a]に示すように、Apa1とHKCD20-Opti-GAベクター中に存在するAsclクローンサイトとの間に挿入される。
【図8bc】はそれぞれ非還元条件下および還元条件下でのIgG変異株のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を示す。(1) 野生型Fcから成IgGを表し、(2) Fc−H変異株から成るIgGを表し、(3) C6A_69から成るIgGを表し、(4) C6A_78から成るIgGを表し、(5) T5A_74変異株から成るIgGを表し、(6) C6A_74変異株から成るIgGを表し、(7)C6A_60変異株から成るIgGを表し、(8)C6A_66変異株から成るIgGを表す。
【図9】はFcRnに対するIgG変異株の結合性を特徴付けるために実施例2の111.1で行ったELISAアッセイで得られた本発明IgG変異株(「1」)および野生型のIgG変異株(「2」)の投与量効果曲線。X−座標:IgG濃度、Y−座標:IgGに結合したFcRnの百分比。
【0029】
【図10】は本発明のIgG変異株のFcγRlllaに対する親和性を特徴付けるためのELISAアッセイで得られた投与量効果曲線。(1)C6A_66変異株で得られた曲線、(2)Rituximabで得られた曲線、(3)C6A_69;C6A_78;T5A_74;C6A_74;C6A_60変異株および野生型IgGで得られた曲線。 ELISAアッセイは実施例2のIV.1a.に記載の方法で実行した。X−座標:IgGの濃度、Y−座標:IgGに結合したFcγRlllaの百分比。
【図11】はJurkat FcRnに対する各種組換え型IgGの結合性を示す図。[図11]は「材料と方法」で説明したJurkat FcRnに対する本発明の各種変異株の結合性またはRitixanを示す。平均蛍光強度(MFI)で表す。
【図12】は本発明のIgG変異株に対するADCCアッセイで得られた投与量効果曲線。(1) C6A_66変異株の曲線、(2)Rituximabの曲線、(3)LFB-R603、WT-IgGおよび本発明のIgG変異株(すなわちC6A_69;C6A_78;T5A_74;C6A_74;C6A_60変異株)の曲線。X−座標:IgGの濃度、Y−座標:溶菌の百分比。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明をより完全に理解できるようにするために、いくつかの定義をする。以下の定義は文法的に均等なものを含む。
本明細書および特許請求の範囲でFc領域の残基の数の教え方は非特許文献12(Sequences of Proteins of Immunological Interest、5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.、1991)に記載のKabat et al.,のEUインデックスに従った免疫グロブリン重鎖の教え方である。非特許文献12の内容は本明細書の一部を成す。「KabatでのEUインデックス」とはヒトIgG1 EU抗体の残基の数か方である。
【0031】
「ポリペチド」または「タンパク」とは、少なくとも2つの共有結合で結合したアミノ酸を意味し、タンパク質、ポリペチド、オリゴペプチドおよびペプチドを含む。
「アミノ酸」とは特定の定義された位置に存在する20の天然または類似の非天然のアミノ酸を意味する。天然のアミノ酸は3文字または1文字暗号で略記できる:
【0032】

【0033】
「位置」とはタンパクの配列の位置を意味し、Fc領域での位置はKabatでのEUインデックスに従って番号を付ける。
「アミノ酸の変更」とはポリペチドのアミノ酸配列の変化を意味する。この「アミノ酸変更」は「アミノ酸変化」ともよばれ、アミノ酸の置換、挿入および/またはポリペチド配列の欠失を含む。「アミノ酸の置換」または「置換」とは親ポリペチド配列の特定の位置でのアミノ酸を他のアミノ酸と置換することを意味する。例えば、置換N434Sとは位置434でのアスパラギンがセリンと置換した変異ポリペチド、この場合Fc変異株を意味する。「アミノ酸の挿入」または「挿入」とは親ポリペチド配列の特定位置でのアミノ酸の付加を意味する。例えば、挿入G>235-236とは位置235と236の間にグリシンを挿入することを示す。「アミノ酸欠失」または「欠失」とは親ポリペチド配列の特定位置のアミノ酸を取り去ることを意味する。例えば、E294delは位置294でのグルタミン酸の欠失を示す。
【0034】
例えば下記の突然変異のフォーマットが好ましく使われる:434SまたはN434Sは親アミノ酸が位置434で(すなわちアスパラギンが)セリンと置換することを意味する。
【0035】
置換の組合せの場合の好ましいフォーマットは以下である:259I/315D/434YまたはV259I/N315D/N434Y。これは変異株中に3つの置換(一つは位置259、一つは位置315、一つは位置434)を意味する。すなわち、親ポリペチドの位置259のアミノ酸すなわちバリンがイソロイシに置換され、親ポリペチドの位置315のアミノ酸すなわちアスパラギンがアスパラギン酸に置換され、親ポリペチドの位置434のアミノ酸すなわちアスパラギンがチロシンに置換されることを意味する
【0036】
「可変部」とはVκ、Vλおよび/またはκ、λおよび重鎖免疫グロブリン遺伝の遺伝子座を形成するVH遺伝子のいずれかによって実質的にコードされる一つ以上のIg領域を有する免疫グロブリンの領域を意味する。可変領域はコンプレメンタリティ−決定領域(CDR)およびフレームワーク領域(FR)を含む。
【0037】
「Fc」または「Fc領域」とは第1恒常免疫グロブリン領域を除く抗体の恒常部から成るポリペチドを意味する。従って、FcはIgA、IgD、IgGの最後の2つの恒常部の免疫グロブリン領域、IgEおよびIgMの最後の3つの恒常部の免疫グロブリン領域、これら領域への可撓性ヒンジN末端を意味する。IgAおよびIgMの場合、FcはJ鎖を含むことができる。IgGの場合、Fcは免疫グロブリン・領域Cγ2およびCγ3から成る(それぞれCH2およびCH3領域であるCγ2、Cγ3、IgGで)およびCgammal(Cγ1)とCγ2(Cγ2)との間の低ヒンジ領域を含む。ヒトIgG1重鎖Fc領域はそのカルボキシル末端に残基C226を含むと定義されるが、数え方はKabatでのEUインデックスに従う。ヒトIgG1では、低ヒンジはKabatでのEUインデックスに従った位置226-236を示し、CH2領域は位置237-340を示し、CH3はと位置341-447を示す。他の免疫グロブリンの対応するFc領域は配列アランメントによって同定できる。
【0038】
Fcは単離でのこの領域を示すか、以下で説明するように、Fcポリペチドの内容でのこの領域を示す。「Fcポリペチド」とはFc領域の全部または一部のポリペチドを意味する。Fcポリペチドには抗体、Fc融合体、単離されたFc、Fc-コンジュゲートおよびFc断片を含むが、これらに限定されるものではない。
【0039】
「抗体」という用語はここで最も広い意味で使われる。「抗体」は少なくとも(i) Fc領域および(ii) 免疫グロブリンの可変部に由来する結合ポリペチド領域を含む任意のポリペチドを意味する。この結合ポリペチド領域は一つの所定標的抗原または一群の標的抗原に特異的に結合できる。免疫グロブリンの可変部から生じる結合ポリペチド領域は一つ以上きCDRを有する。抗体には完全長の免疫グロブリン、モノクローナル抗体、多くの特異抗体、少なくとも一つの可変部を有するFc-融合タンパク、合成の抗体(ここでは「ミメティック抗体」ともいう)、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、抗体-融合タンパク、抗体複合体および各々の断片が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
「完全長の抗体」または「免疫グロブリン」とは抗体の天然の生物構造を構成する構造を意味し、変数領域および恒常領域を含む。「完全長の抗体」はモノクローナル完全長抗体、野性型完全長抗体、キメラの完全長抗体、ヒト化完全長抗体を含むがこれらに限定されるものではない。
【0041】
ヒトおよびハツカネズミを含む大部分の哺乳類では、完全長の抗体の構造は一般にテトラマである。このテトラマは2つの全く同じ一組のポリペプチド鎖から成り、その1つの「軽」鎖(一般に約25kDaの分子量を有する)であり、その1つは「重」鎖(一般に約50-70kDaの分子量を有する)である。いくらかの哺乳類、例えばラクダおよびラマでは、完全長の抗体が2つの重鎖だけから成り、各重鎖はFc領域に付いた変数領域から成る。
【0042】
各連鎖のアミノ末端部分は主として抗原認識に関与する少なくとも約100〜110のアミノ酸の可変部を含む。可変部では3つの輪状構造が重鎖および軽鎖の各々のV領域と集まり、抗原結合部位を形成する。輪状構造の各々をコンプレメンタリティ-決定領域という(以下に「CDR」という)。、ここでのアミノ酸配列の変異が最も重大である。
【0043】
各鎖のカルボキシ末端部分は主としてエフェクタ機能に関与する恒常部を敵意する。Kabat et alは重鎖および軽鎖の可変部の多くの一次配列を集めてある。配列の保護度に基づいてそれらはCDRおよびフレーム・ワークへの個体一次配列を分類して、リストを作った(非特許文献21)。この文献の内容は本発明の一部を成す。
【非特許文献21】E. A. Kabat et al. Sequences of Immunological Interest, 5th edition, NIH publication, No. 91 -3242
【0044】
ヒト免疫グロブリンの場合、軽鎖はカッパ軽鎖およびラムダ軽鎖に分類される。重鎖はミュー、デルタ、ガンマ、αまたはエプシロンに分類され、それぞれIM、ID、IgG、IAおよびIEとして抗体のアイソタイプを定義する。IgG1は複数のサブクラスを有し、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含むが、これらに限定されない。IgMもサブクラスを有し、IgMIおよびlgM2があるが、これらに限定されない。「アイソタイプ」とは恒常部の化学特性および抗原性特性によって定義される免疫グロブリンのサブクラスを意味する。公知のヒト免疫グロブリン・アイソタイプはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAI、lgA2、IgMI、lgM2、lgDおよびlgEである。
【0045】
「IgG」は認識された免疫グロブリン・ガンマ遺伝子によって実質的にコードされる抗体のクラスに属するポリペチドを意味する。ヒトではIgGはサブクラスまたはアイソタイプIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4から成る。ハツカネズミではIgGはIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3から成る。完全長のIgGはテトラマで、2対の全く同じ2つの免疫グロブリン鎖から成り、1つの軽鎖とび1つの重鎖を有する各一組から成り、各軽鎖は免疫グロブリン・領域VLおよびCLから成り、各重鎖は免疫グロブリン領域VH、Cγ1(CH1とも呼ばれる)、Cγ2(CH2とも呼ばれる)およびCγ3(CH3とも呼ばれる)から成る。ヒトIgG1では、「CH1」は位置118-220、CH2領域がは位置237-340、CH3領域は位置341−447にある(KabatでのEUインデックスに従う)。IgG 重鎖もIgGLの場合、位置221-236と称するヒンジ領域にある。
【0046】
「親ポリペチド」または「ポリペチド親」とは変異株を発生するために修正される未変更のポリペチドを意味する。この親ポリペチドは天然由来のポリペチド、天然由来のポリペチドの変異株、天然由来のポリペチドの設計バージョンまたは合成ポリペチドにすることができる親ポリペチドはそれをコードするポリペチド自体またはアミノ酸配列を表すこともできる。本発明での親ポリペチドはFc領域は野生型Fc領域、その断片およびそのミュータントから成る群の中から選択される。従って、親ポリペチドは野生型Fc領域と比べてそのFc領域中に既存のアミノ酸突然変異(すなわちFcミュータント)を含むことができる。
【0047】
親ポリペチドは抗体、免疫グロブリン、Fc合着ポリペチド、Fc共役であるのが好ましいが、これらに限定されるものではない。従って、「親免疫グロブリン」とは変異体の免疫グロブリンを生じるように修正された免疫グロブリン・ポリペチドを意味し、「親抗体」とは変異体の抗体を生じるように修正された抗体を意味する。「親抗体」には公知の商業的な組み換え抗体も含まれる点に留意する必要がある。
【0048】
「少なくとも一つの」という用語は「一つ以上の」と同じ意味である。
【0049】
「変異株ポリペチド」、「ポリペチド変異株」または「変異株」とは少なくとも一つのアミノ酸突然変異によって親ポリペチド配列のそれと異なるポリペチド配列をを有するものを意味する。
【0050】
変異株はFc変異株、Fcポリペチド変異株、タンパク変異株、抗体変異株、免疫グロブリン変異株、IgG変異株にすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
「免疫グロブリン変異株」または「変異株免疫グロブリン」とは少なくとも一つのアミノ酸突然変異によって親免疫グロブリン配列のそれと異なる免疫グロブリン配列となったものを意味する。親ポリペチドは天然由来の野性-型(WT)ポリペチドまたはWTポリペチドの修正バージョンでもよい。
【0052】
重要な親ポリペチドは上記定義のFc領域を有するポリペチドである。本発明の変異株はFc領域の少なくとも一つのアミノ酸突然変異によって親ポリペチド配列のそれと異なるポリペチド配列を有するのが好ましい。従って上記変異株はFc変異株から成る。
【0053】
従って、「Fc変異株」または「変異株Fc」とは少なくとも一つのアミノ酸突然変異によって親Fc配列のそれと異なるFc配列を意味する。このFc変異株は単離されたFc領域およびそ断片にすることができ、また、抗体はFc合着およびその断片にすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
「タンパク変異株」または「変異株タンパク」とは少なくとも一つのアミノ酸突然変異によって親タンパクと異なるタンパクを意味する。「抗体変異株」または「変異株抗体」とは少なくとも一つのアミノ酸突然変異によって親抗体と異なる抗体を意味する。「IgG変異株」または「変異株IgG」とは少なくとも一つのアミノ酸突然変異によって親IgGと異なる抗体を意味する。変異株は親ポリペチドと比較して少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有し、例えば約1〜約45のアミノ酸突然変異、好ましくは約1〜約20のアミノ酸突然変異、より好ましくは約1〜約10のアミノ酸突然変異を有するのが好ましい。
【0055】
変異配列はその親ポリペチド配列と少なくとも約80%の一致性を有し、より好ましくは少なくとも約90%の一致性を有するのが好ましい。
【0056】
少なくとも約90%アミノ酸一致性を有するポリペチドには、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%のアミノ酸一致性を有するポリペチドが含まれる。
【0057】
2つのアミノ酸配列の一致性のパーセントを決定するためには配列を最適比較のために整列させる。例えば、最適のアランメントのためにギャップ期を第一および第二のアミノ酸配列の一方または両方に導入でき、非相同配列は比較のためには無視できる。最適比較のためにの2つのアミノ酸配列の一致性パーセントは下記パラメータでCLUSTAL W(バージョン1.82)で実行できる:
(1) CPU MODE = ClustalW mp ;
(2) ALIGNMENT = full;
(3) OUTPUT FORMAT = aln w/numbers;
(4) OUTPUT ORDER = aligned;
(5) COLOR ALIGNMENT = no;
(6) KTUP (word size) = default;
(7) WINDOW LENGTH = default ;
(8) SCORE TYPE = percent ;
(9) TOPDIAG = default ;
(10) PAIRGAP = default;
(11) PHYLOGENETIC TREE/TREE TYPE = none;
(12) MATRIX = default;
(13) GAP OPEN = default;
(14) END GAPS = default;
(15) GAP EXTENSION = default;
(16) GAP DISTANCES = default;
(17) TREE TYPE = cladogram;
(18) TREE GRAP DISTANCES = hide
【0058】
「野生型またはWT」とは天然のアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を意味し、対立遺伝子の(allelic)変異を含む。WTタンパク、ポリペチド、抗体、免疫グロブリン、IgG、その他は修正されていないアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を有する。
【0059】
「FcRn」または「新生Fcレセプター」はIgG抗体Fc領域を結合し、少なくともFCRN遺伝子によっ、部分的にコードされるタンパクを意味する。FcRnはヒト、ハツカネズミ、ラット、ウサギおよびサルを含む任意のものからのものにすることができる。公知のように、機能性FcRnタンパクは2つのポリペチド、大抵は重鎖および軽鎖から成る。軽鎖はβ-2-ミクログロブリンであり、重鎖はFCRN遺伝子によってコードされる。特に断らない限り、FcRnまたはFcRnタンパクはβ-2ミクログロブリンを有するα鎖の錯体を言う。ヒトではFcRnをコードする遺伝子はFCGRTと呼ばれる。
【0060】
「増加した結合性FcRn」とはインビボまたはインビトロで親ポリペチドと比較してFcRnに対する本発明の変異株が結合能を増加することを意味する。FcRnを結合するポリペチド変異株の能力はELISA(実施例1のIV.1)またはSPR(実施例1のIV.I.。)でインビトロで評価できる。FcRnに対する改良された結合性を最も有する変異株はインビトロで改良された漿液保持性を有し、従って半減期が増加する。
【0061】
Fc領域の保持をインビトロで増やすに、FcRnへの結合能の増加が約pH 6で起り、約pH 7.4で低い親和性を維持する必要がある。
【0062】
研究中ではあるが、pH 6でのFcRnへの結合でエンドソーム中にFc領域の隔離をさせ、Fc領域はインビボで長い半減期を有すると考えられている(非特許文献22参照)。
【非特許文献22】Ghetie and Ward, 1997 Immunol Today. 18(12):592-598
【0063】
エンドソー区画はFc領域を細胞表面へリサイクさせる。この区画が細胞外空間に開放されると、より高いpH(約7.4)で血液中へ戻り、Fc領域の開放を誘発する。従って、インビボでFc領域の半減期を増やすFc領域のアミノ酸突然変異は、理想的にはより低いpHでFcRn結合性を増加させ、より高いpHでFc領域を開放するものである。
【0064】
「インビボ半減期」という用語は所定動物の循環に重要なポリペチドの生物学的半減期を意味し、動物の循環および/または他の組織からの循環に中に存在する半分の量が浄化されるのに必要な時間で表される。
【0065】
本発明はFcRnに対するFc領域の結合能を増やすFc領域のアミノ酸突然変異突然を同定することをベースにしたものである。重要なアミノ酸突然変異はランダム突然変異生成によって2つのFc変異株ライブラリを作り、その変異株のFcRnに対する結合性を測定することで決定される。
【0066】
従って、本発明は親ポリペチドと比べてFcRnへの結合性増加を表するFc領域を有する親ポリペチドの変異株に関するものである。
【0067】
本発明の親ポリペチドはFc領域から成るポリペチドである。このポリペチドは単一ポリペプチド鎖または共有結合ではなく一緒にリンクした複数のポリペプチド鎖はから成ることができる。親ポリペチドは抗体、Fc融合タンパク、Fc共役、Fc由来のポリペチド、単離されたFcおよびその断片を含むが、これらに限定されるものではない。従って、親ポリペチドは天然由来のポリペチド、天然由来のポリペチドの変異株、合成ポリペチドまたは非タンパク性断片から成るポリペチドの設計バージョンにすることができる。天然由来のポリペチドの設計バージョンは天然由来の遺伝子によってコードされないポリペチドである。例えば、設計されたポリペチドはキメラ抗体またはヒト化抗体にできる。
【0068】
親ポリペチドのFc領域はの野性-型Fc領域のIgG、その断片およびそミュータントから成る群の中から選択するのが好ましい。IgGのFc領域は「低ヒンジ」-CH2-CH3領域(IgGではCH2およびCH3はCγ2およびCγ3領域とも呼ばれる)に対応する。野生型ヒトIgG1の「低ヒンジ」-CH2-CH3領域の配列はSEQ ID番号:1の配列である。ヒトIgG1では、低ヒンジは位置226-236、CH2領域は位置237-340、CH3領域は位置341-447である。これらの位置はKabatでのEUインデックスに従う。他のIgGサブクラスの類似領域はヒトIgG1のそれとIgGサブクラスの重鎖または重鎖断片のアミノ酸配列のアランメントで決定できる。
【0069】
Fc領域の断片は野性-型Fc領域由来、好ましくは野生型IgGの「より低いヒンジ-CH2-CH3」領域由来の一つ以上のポリペチドを有するポリペチドと定義される。この断片のFcRnに対する解離定数は実施例1のIV.1に記載のSPRアッセイで1microM以下である。
【0070】
上記のように、親ポリペチドは野生型Fcミュータントから成ることができる。
例えば、Fc領域は既存のアミノ酸突然変異、例えば付加、挿入および/または置換を有することができる。ただし、このミュータントはSPRアッセイに従った解離定数が実施例1のIV.1に記載のSPRアッセイで1microM以下でなければならならず且つ野性-型Fc領域ではない。
【0071】
「変異株ポリペチド」または「変異株」とは少なくとも一つのアミノ酸突然変異によって親ポリペチドのそれと異なるポリペチド配列を意味する。
【0072】
本発明の変異ポリペチドは対応する親ポリペチドと比べてFcRnに対する増加した結合性を示す。換言すれば、変異株の親和性は親ポリペチドよりFcRn対する結合性が高い。そうした変異株が本発明の最適化された変異株である。
【0073】
このポリペチドのFcRnに対する親和性は従来の周知方法で評価できる。例えば、当業者は実施例1のIV.I .bに示すように、表面プラスモン共鳴(Surface Plasmon Resonance、SPR)実験を使用して解離定数(Kd)を求めることができる。変異株のKdが対応する親のそれより1.1倍以下であれば、その変異株は本発明の最適化された変異株である。
【0074】
変形例では、当業者は抵当なELISAアッセイを実行できる。このELISAアッセイによって実施例 1に示すように、変異株のFcRnに対する結合強度と親のそれとを比較することができる。変異株および親ポリペチドで検出される特定信号を比較する。この特定信号は親ポリペチドのそれより少なくとも1.2-倍強く、より好ましくは少なくとも3.2-倍強い場合、その変異株は本発明の最適化された変異株である(例えば、少なくともダブルアミノ酸突然変異T250Q/M428Lを有するFc変異株と同程度)。
【0075】
適当なELISAアッセイは本出願の実施例1に示してある。結合能は完全長のポリペチドを評価することによって(実施例 2のIII参照)または単離されたFc領域を評価すること(実施例 1のIV参照)で一義的に決定できる。
【0076】
本発明で重要なポリペチド変異株は親ポリペチドと比べて少なくとも一つのアミノ酸突然変異をそのFc領域に含む。このアミノ酸突然変異はアミノ酸の挿入、欠失および置換から成る群の中から選択される。
【0077】
本発明社は、親ポリペチドと比べて、FcRnに対する結合性を増加させたポリペチド変異株を得るためには、少なくとも一つのアミノ酸突然変異が親ポリペチドと比較して、Fc領域の226、227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259、264、265、267、269、270、276、284、285、288、289、290、291、292、294、297、298、299、301、302、303、305、307、308、309、311、315,317、320、322、325、327、330、332、334、335、338、340、342、343、345、347、350、352、354、355、356、359、360、361、362、369、370、371、375、378、380、382、383、384、385、386、387、389、390、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、403、404、408、411、412、414、415、416、418、419、420、421、422、424、426、428、433、434、438、439、440、443、444、445、446および447から成る群の中から選択されるアミノ酸位置で導入されなければならないことを示した。ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0078】
ここで、「KabatでのEUインデックス」とはヒトIgG1EU抗体の残基の数得方を言う。例えば、他のFc領域での類似位置はそのFc領Fc領域をSEQ ID 番号:1のポリペチドから成るヒトIgG1の重鎖断片とアミノ酸配列アランメントして決定できる。例として、図6にヒトIgG1、IgG2、IgG3および「低ヒンジ-CH2-CH3」領域から成るIgG4 重鎖断片の配列アランメントを示した。
【0079】
「少なくとも一つのアミノ酸突然変異」とは「一つ以上の突然変異」を意味する。Fc領域に20を超えるアミノ酸の突然変異を導入するその生物学的活性度は著しく悪くすると考えられる。従って、ポリペチド変異株は上記でリストした位置の好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10のアミノ酸突然変異を有するのが好ましい。「1〜20のアミノ酸突然変異」には1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、そして、20のアミノ酸突然変異を含む。この変異株配列はその親ポリペチド配列と少なく約90%のポリペチド一致性を有するのが好ましい。
【0080】
ここで少なくとも約90%アミノ酸一致性を有するとは、アミノ酸が参照ポリペチドと少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.5%のアミノ酸一致性を有することを含む。
【0081】
一般にFcRnに対して最も高い結合能を示す本発明のFc変異株は複数のアミノ酸突然変異を有する。実施例Ilに記載のファージELISAアッセイから得られる結果は、複数のアミノ酸突然変異を有する最適化された変異株野生型Fcより約3.2-倍から30-倍までの強い特定信号を有することを示し(表2および表3を参照)、単一の先端アミノ酸突然変異を有する変異株は野生型Fcより約1.2-倍から3.5-倍までの強い信号を示す(表1参照)。表3に示すように、二重のアミノ酸突然変異T250Q/M428Lを有するFc変異株とよぶ最適化された変異株の信号はFc−Hのそれより約1-倍からる約10-倍強い。
【0082】
特定実施例では変異株は226、227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259、264、265、267、269、270、276、284、285、288、289、290、291、292、294、297、298、299、301、302、303、305、307、308、309、311、315,317、320、322、325、327、330、332、334、335、338、340、342、343、345、347、350、352、354、355、356、359、360、361、362、369、370、371、375、378、380、382、383(384)385、386、387、389、390、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、403、404、408、411、412、414、415、416、418、419、420、421、422、424、426、428、433、434、438、439、440、443、444、445、446およ447から成るリストの中から選択される少なくとも2つのアミノ酸突然変異を親ポリペチドと比較したFc領域中に有する。Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0083】
[表5]で説明するように、FcRnに対して最も高い結合能を示すFc変異株は3〜6のアミノ酸突然変異を有する。
【0084】
従って、更なる実施例では、本発明の変異ポリペチドは226、227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259、264、265、267、269、270、276、284、285、288、289、290、291、292、294、297、298、299、301、302、303、305、307、308、309、31 1、315,317、320、322、325、327、330、332、334、335、338、340、342、343、345、347、350、352、354、355、356、359、360、361、362、369、370、371、375、378、380、382、383、384、385、386、387、389、390、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、403、404、408、41 1、412、414、415、416、418、419、420、421、422、424、426、428、433、434、438、439、440、443、444、445、446、447から成るぐ群の中から選択されるアミノ酸位置で親ポリペチドと比較してFc領域中に3〜6のアミノ酸突然変異を有する。
【0085】
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0086】
アミノ酸突然変異は、好ましくは欠失および置換の群の中から選択される。
上記リストのいくつかのアミノ酸位置、すなわち226、230、241、264、307、315、330、342、362、378、382、389、396、397、421および434にはキーとなる重要な位置である。換言すれば、FcRnに高い結合能を示すFc変異株は少なくとも一つのアミノ酸突然変異を上記アミノ酸位置に有する。
【0087】
一つの実施例での本発明ポリペチド変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中の226、230、241、264、307、315、330、342、362、378、382、389、396、397、421および434から成る群の中から選択されるアミノ酸位置に少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有する。Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0088】
上記のキー位置の中でFcRnに最も強い結合を示すFc変異株のシークエンシングはアミノ酸位置230、264、307、315、330、378および434が最も多く変化した位置であることが示された。従って、本発明の他の実施例では、少なくとも一つの突然変異は親ポリペチドと比べてFc領域中の264、315、378および434、より好ましくは230、264、307、315、330、378および434から成る群の中から選択される1つの位置で起こる。Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0089】
既に述べたように、少なくとも2つのアミノ酸突然変異の導入でFc変異株のFcRnへの結合能はFc親と比べて顕著に改良できる。
【0090】
従って、変形実施例では、ポリペチド変異株は少なくとも2つのアミノ酸突然変異を有し、この少なくとも2つのアミノ酸突然変異は親ポリペチドと比較したFc領域中の下記にある:
(i) 226、230、241、264、307、315、330、342、362、378、382、389、396、397、421および434から成る群の中から選択されるアミノ酸位置での1つの突然変異と、
(ii) 226、227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259、264、265、267、269、270、276、284、285、288、289、290、291、292、294、297、298、299、301、302、303、305、307、308、309、311、315、317、320、322、325、327、330, 332, 334, 335, 338, 340, 342, 343, 345, 347, 350, 352, 354, 355, 356, 359, 360, 361 , 362, 369, 370, 371, 375, 378, 380, 382, 383, 384, 385, 386, 387, 389,390, 392, 393, 394, 395, 396, 397, 398, 399, 400, 401, 403, 404, 408, 411, 412,414, 415, 416, 418, 419, 420, 421 , 422, 424, 426, 428, 433, 434, 438, 439, 440, 443、444、445、446、447から成る群の中から選択されるアミノ酸位置での少なくとも一つの突然変異。ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)と同じアミノ酸位置では起らない。
【0091】
前記例外条件から、例えば、アミノ酸突然変異(i)が位置434で起こる場合、(ii)に記載のリストの中の位置434を除く任意の位置で少なくとも一つのアミノ酸突然変異(ii)が起こる。
【0092】
本発明の他の実施例では、ポリペチド変異株は少なくとも2つのアミノ酸突然変異を有する、その少なくとも2つのアミノ酸突然変異はFc領域中の下記から成る:
(i) 264、315、378および434から成っている群の中から選択されるアミノ酸位置での1つの突然変異と、
(ii) 226、227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259、264、265、267、269、270、276、284、285、288、289、290、291、292、294、297、298、299、301、302、303、305、307、308、309、31 1、315,317、320、322、325、327、330、332、334、335、338、340、342、343、345、347、350、352、354、355、356、359、360、361、362、369、370、371、375、378、380、382、383、384、385、386、387、389、390、392, 393, 394, 395, 396, 397, 398, 399, 400, 401 , 403, 404, 408, 411 , 412, 414, 415, 416, 418, 419, 420, 421 , 422, 424, 426, 428, 433, 434, 438, 439, 440, 443, 444、445、446および447から成る群の中から選択されるアミノ酸位置での少なくとも一つの突然変異。
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え型はKabatに記載のEUインデックスと同じである、ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)と同じアミノ酸位置では起こらない)
【0093】
追加の実施例では、前記変異株は少なくとも2つのアミノ酸突然変異を有するし、その少なくとも2つのアミノ酸突然変異はFc領域中の下記から成る:
(i) 264、315、378および434から成っている群の中から選択される位置での1つのアミノ酸突然変異と
(ii) 226、230、241、264、307、315、330、342、362、378、382、389、396、397、421および434から成っている群の中から選択される位置での少なくとも一つのアミノ酸突然変異、
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え型はKabatに記載のEUインデックスと同じである、ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)と同じアミノ酸位置では起こらない)
【0094】
他の追加の実施例の前記変異株はFc領域中に下記から成る少なくとも2つのアミノ酸突然変異を有する:
(i) 378および434から成っている群の中から選択される位置での1つのアミノ酸突然変異と
(ii) 226、230、241、264、307、315、330、342、362、378、382、389、396、397、421および434から成っている群の中から選択される位置での少なくとも一つのアミノ酸突然変異、
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え型はKabatに記載のEUインデックスと同じである、ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)と同じアミノ酸位置では起こらない)
【0095】
本発明の変形実施例では、ポリペチド変異株は少なくとも3つのアミノ酸突然変異をそのFc領域中に含む。この少なくとも3つのアミノ酸突然変異はFc領域中の下記から成ることができる:
(i) 226、230、241、264、307、315、330、342、362、378、382、389、396、397、421および434から成っている群の中から選択される2つのアミノ酸位置での2つの突然変異と
(ii) 226、227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259, 264, 265, 267, 269, 270, 276, 284, 285, 288, 289, 290, 291, 292, 294, 297, 298, 299, 301 , 302, 303, 305, 307, 308, 309, 311 , 315, 317, 320, 322, 325, 327, 330, 332, 334, 335, 338, 340, 342, 343, 345, 347, 350, 352, 354, 355, 356, 359,360, 361, 362, 369, 370, 371, 375, 378, 380, 382, 383, 384, 385, 386, 387, 389, 390, 392, 393, 394, 395, 396, 397, 398, 399, 400, 401, 403, 404, 408, 411 , 412, 414、415、416、418、419、420、421、422、424、426、428、433、434、438、439、440、443、444、445、446および447から成る群の中から選択されるアミノ酸位置での少なくとも一つの突然変異。
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え型はKabatに記載のEUインデックスと同じである、ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)と同じアミノ酸位置では起こらない)
【0096】
変形実施例では、ポリペチド変異株は少なくとも3つのアミノ酸突然変異を有する、この少なくとも3つのアミノ酸突然変異はFc領域中の下記から成る:
(i) 264、315、378および434から成っている群の中から選択されるアミノ酸位置での1つの突然変異;
(ii) 226、230、241、264、307、315、330、342、362、378、382、389、396、397、421および434から成っている群の中から選択されるアミノ酸位置での1つの突然変異;
(iii) 227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259、264、265、267、269、270、276、284、285、288、289、290、291、292、294、297、298、299、301、302、303、305、307、308、309、31 1、315,317、320、322、325、327、330、332、334、335、338、340、342、343、345、347、350、352、354、355、356、359、360、361、362、369、370、371、375、378、380、382、383、384、385、386、387、389、390、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、403、404、408、411、412、414、415、416、418、419、420、421、422、424、426、428、433、434、438、439、440、443、444、445、446および447から成っている群の中から選択されるアミノ酸位置での少なくとも一つの突然変異、
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え型はKabatに記載のEUインデックスと同じである、ただし、突然変異(i)、突然変異(ii)および突然変異(iii)が同じアミノ酸位置で同時に起こらない)
【0097】
本発明の他の実施例では、ポリペチド変異株は少なくとも3つのアミノ酸突然変異を有し、その少なくとも3つのアミノ酸突然変異Fc領域中の下記から成る:
(i) 378および434から成っている群の中から選択されるアミノ酸位置での1つの突然変異;
(ii) 226、230、241、264、307、315、330、342、362、378、382、389、396、397、421および434の群の中から選択されるアミノ酸位置での1つの突然変異;
(iii) 227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259, 264, 265, 267, 269, 270, 276, 284, 285, 288, 289, 290, 291 , 292, 294, 297, 298, 299, 301 , 302, 303, 305, 307, 308, 309, 31 1 , 315,317, 320, 322, 325, 327, 330, 332, 334, 335, 338, 340, 342, 343, 345, 347, 350, 352, 354, 355, 356, 359, 360, 361, 362, 369, 370, 371 , 375, 378, 380, 382, 383, 384, 385, 386, 387, 389, 390, 392, 393, 394, 395, 396, 397, 398, 399, 400, 401 , 403, 404, 408, 411 , 412, 414, 415, 416, 418, 419, 420, 421 , 422, 424, 426, 428, 433, 434, 438, 439, 440, 443, 444、445、446および447から成る群の中から選択されるアミノ酸位置での少なくとも一つの突然変異。
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え型はKabatに記載のEUインデックスと同じである、ただし、突然変異(i)、突然変異(ii)および突然変異(iii)が同じアミノ酸位置で同時に起こらない)
【0098】
本発明の上記全ての実施例で、アミノ酸突然変異はアミノ酸の置換および欠失から成る群の中から選択されるのが好ましい。
【0099】
本発明のさらに他の対照は、Fc領域中に下記から成る群の中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有する、親ポリペチドと比べてFcRnに対する結合正が増加した親ポリペチドの変異株にある:
230T、226G、226Y、227S、227L、228R、228L、230S、230L、230A、230Q、231T、231V、233D、234R、239A、241L、241Y、241R、243L、246R、250A、252L、256N、259I、264A、264E、264M、265G、265N、267N、267R、269D、269G、270N、270E、276S、284L、285Y、288R、289I、290R、290E、291S、291Q、292W、294del、297D、298G1、298N1、299M1、299A1、299K1、301C1、302A1、303A1、3031、305A、307P、307A、307N、3081、309P、311R、315D、317R、320T、320E、322R、325S、327V、327T、330V、330T、332V、334E、334R、335A、338R、340E、342R、342E、342K、343S、345Q、345G、347R、350A、352S、354P、355Q、355G、356N、359A、360N、360R、361D、361S、362R、362E、369A、370R、371D、375A、375G、378V、378T、378S、380Q、382V、382G、383R、383N、384I、384T、385R、386R、386K、387S、387T、389T、389K、389R、390S、401G、392E、392R、393N、394A、395A、395S、396S、396L、397A、397M、398P、399N、400P、401のA 403T、404L、408T、411A、412A、414R、415D、415N、416K、416G、418R、418K、418E、419H、420R、421T、421S、421D、422A、424L、426T、428L、433R、433P、434Y、434S、434H、438R、439R、440R、440N、443R、444F、444P、445S、446A、447Eおよび447N。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0100】
変形実施例の前記ポリペチドは親ポリペチドと比較してFc領域中下記の群の中から選択される少なくとも一つの突然変異を有する:
226G、227L、230S、230T、230L、231T、241L、243L、250A、256N、259I、264E、265G、267R、290E、294del、303A、305A、307P、307A、308I、315D、322R、325S、327V、330V、342R、347R、352S、361D、362R、362E、370R、378V、378T、382V、383N、386R、386K、387T、389T、389K、392R、395A、396L、397M、403T、404L、415N、421T、416K1、426T、428L、433R、434Y、434Sおよび439R。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0101】
上記変異株は親ポリペチドと比べて上記リストから選択される1〜20、好ましくは1〜10のアミノ酸突然変異を有するのが好ましい。既に述べたように、「1〜20の突然変異」は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20の突然変異を意味する。
【0102】
他の実施例の上記変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に下記の群の中から選択される3〜6のアミノ酸突然変異を有する:
226G、226Y、227S、227L、228R、228L、230S、230T、230L、230A、230Q、231T、231V、233D、234R、239A、241L、241Y、241R、243L、246R、250A、252L、256N、259I、264A、264E、264M、265G、265N、267N、267R、269D、269G、270N、270E、276S、284L、285Y、288R、289I、290R、290E、291S、291Q、292W、294del、297D、298G、298N、299M、299A、299K、301C、302A、303A、303I、305A、307P、307A、307N、308I、309P、311R、315D、317R、320T、320E、322R、325S、327V、327T、330V、330T、332V、334E、334R、335A、338R、340E、342R、342E、342K、343S、345Q、345G、347R、350A、352S、354P、355Q、355G、356N、359A、360N、360R、361D、361S、362R、362E、369A、370R、371D、375A、375G、378V、378T、378S、380Q、382V、382G、383R、383N、3841、384T、385R、386R、386K、387S、387T、389T、389K、389R、390S、392E、392R、393N1、394A1、395A1、395S1、396S1、396L1、397A1、397M1、398P1、399N1、400P1、401A1、401G1、403T、404L、408T、411A1、412A、414R、415D、415N、416K、416G、418R、418K、418E、419H、420R、421T、421S、421D、422A、424L、426T、428L、433R、433P、434Y、434S、434H、438R、439R、440R、440N、443R、444F、444P、445S、446A、447Eおよび447N。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0103】
変形実施例の上記ポリペチドは親ポリペチドと比較してFc領域中に下記の群の中から選択される3〜6のアミノ酸突然変異を有する:
226G、227L、230S、230T、230L、231T、241L、243L、250A、256N、259I、264E、265G、267R、290E、294del、303A、305A、307P、307A、308I、315D、322R、325S、327V、330V、342R、347R、352S、361D、362R、362E、370R、378V、378T、382V、383N、386R、386K、387T、389T、389K、392R、395A、396L、397M、403T、404L、415N、416K1、421T、426T、428L、433R、434Y、434Sおよび439R。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0104】
上記のリスト中のいくらかのアミノ酸突然変異は重要な突然変異である。換言すればFcRnに高い結合能を示すFc変異株はこの重要な突然変異から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有する。
【0105】
従って、上記ポリペチド変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に226G、230S、230T、230L、241L、264E、307P、315D、330V、342R、362R、362E、378V、378T、382V、389T、389K、396L、397M、421T、434Yおよび434Sから成っている群の中から選択される少なくとも一つの突然変異を有する。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0106】
他の実施例の上記ポリペチド変異株は、親ポリペチドと比較してFc領域中に315D、264E、378V、378T、434Yおよび434Sから成る群の中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異から成る。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0107】
さらに他の実施例の上記ポリペチド変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に378V、378T、434Yおよび434Sから成る群の中から選択される少なくとも一つアミノ酸突然変異を有する。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0108】
既に述べたように、少なくとも2つのアミノ酸突然変異を導入することで親と比べてFcRnに対して結合正が顕著に改良されるFc変異株にすることができる。上記突然変異の少なくとも1つはこの重要な突然変異から選択できる。すなわち342R、226G、230S代、230T、230L、241L、264E、307P、315D、330V、362R、362E、378V、378T、382V、389T、389K、396L、397M、421T、434Yおよび434Sから成る群の中から選択される。
【0109】
変形実施例では上記ポリペチド変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中の少なくとも2つのアミノ酸突然変異を有し、その少なくとも2つの突然変異は下記アミノ酸位置から成る:
(i) 226G、230S、230T、230L、241L、264E、307P、315D、330V、342R、362R、362E、378V、378T、382V、389T、389K、396L、397M、421T、434Yおよび434Sから成る群の中から選択される1つの突然変異と、
(ii) 227、228、230、231、233、234、239、241、243、246、250、252、256、259、264、265、267、269、270、276、284、285、288、289、290、291、292、294、297、298、299、301、302、303、305、307、308、309、31 1、315,317、320、322、325、327、330、332、334、335、338、340、342、343、345、347、350、352、354、355、356、359、360、361、362、369、370、371、375、378、380、382、383、384、385、386、387、389、390、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、403、404、408、41 1、412、414、415、416、418、419、420、421、422、424、426、428、433、434、438、439、440、443、444、445、446および447から成る群の中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異。
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)とが同じアミノ酸位置では起こらない)
【0110】
さらに他の実施例では、上記変異株が少なくとも2つのアミノ酸突然変異から成り、この少なくとも2つの突然変異はFc領域中の下記から成る:
(i) 378V、378T、434Yおよび434Sから成る群の中から選択される1つのアミノ酸突然変異と、
(ii) 226、230、241、264、307、315、330、342、362、378、382、389、396、397、421および434から成っている群の中から選択されるアミノ酸位置での少なくとも一つのアミノ酸突然変異、
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)とが同じアミノ酸位置では起こらない)
【0111】
他の実施例では上記変異株が少なくとも2つのアミノ酸突然変異から成り、その少なくとも2つのアミノ酸突然変異は下記から成る:
(i) 378V、378T、434Yおよび434Sから選択される1つのアミノ酸突然変異と、
(ii) 226G、230S代、230T、230L、241L、264E、307P、315D、330V、342R、362R、362E、378V、378T、382V、389T、389K、396L、397M、421T、434Yおよび434S、より好ましくは226G、230S、230T、230L、241Lから、264E、307P、315D、330V、362R、378V、378T、389T、389K、434Yおよび434Sから選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異。
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)とが同じアミノ酸位置では起こらない)
【0112】
従って、本発明のさらに他の対照は、親ポリペチドと比較してFcRnに対する結合正が増加した、Fc領域中に少なくとも一つのアミノ酸突然変異の組合せを有する親ポリペチドの変異株にある。この突然変異の少なくとも一つの組合せはFc領域中の下記の群の中から選択される:
【0113】
226G/330V、230L/264E、230L/378V、230S/315D、230S/434Y、230T/378V、241L/434S、250A/434Y、264E/378T、305A/315D、305A/330V、305A/434Y、307P/434Y、315D/389T、330V/382V、330V/389T、378V/421T、389K/434Y、389T/434Y、396L/434S、230T/264E、230T/315D、230T/434S、230T/434Y、241L/307P、264E/307P、264E/396L、315D/362R、315D/382V、362R/434Y、378V/434Y、382V/434Y、226G/315D、226G/434Y、241L/378V、307P/378V、241L/264E、378V/434S、264E/378V、264E/434S、315D/330V、330V/434Yおよび315D/434Y。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0114】
上記変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に下記の群の中から選択される少なくとも一つの突然変異をさらに含むことができる:227S、226G、226Y、227L、228R、228L、230S、230T、230L、230A、230Q、231T、231V、233D、234R、239A、241L、241Y、241R、243L、246R、250A、252L、256N、259I、264A、264E、264M、265G、265N、267N、267R、269D、269G、270N、270E、276S、284L、285Y、288R、289I、290R、290E、291S、291Q、292W、294del、297D、298G、298N、299M、299A、299K、301C、315D、302A、303A、303I、305A、307P、307A、307N、308I、309P、311R、317R、320T、320E、322R、325S、327V、327T、330V、330T、332V、334E、334R、335A、338R、340E、342R、342E、342K、343S、345Q、345G、347R、350A、352S、354P、355Q、355G、356N、359A、360N、360R、361D、361S、362R、362E、369A、370R、371D、375A、375G、378V、378T、378S、380Q、382V、382G、383R、383N、384I、384T、385R、386R、386K、387S、387T、389T、389K、389R、390S、392E、401G、392R、393N、394A、395A、395S、396S、396L、397A、397M、398P、399N、400P、401A 403T、404L、408T、411A、412A、414R、415D、415N、416K、416G、418K、418R 418E、419H、420R、421T、421S、421D、422A、424L、426T、428L、433R、433P、434Y、434S、434H、438R、439R、440R、440N、443R、444F、444P、445S、446A、447Eおよび447N。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0115】
本発明の他の実施例では、本発明変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に以下を有する:
(i) 下記の群の中から選択されるアミノ酸突然変異の少なくとも一つの組合せ:226G/330V、230L/264E、230L/378V、230S/315D、230S/434Y、230T/378V、241L/434S、250A/434Y、264E/378T、305A/315D、305A/330V、305A/434Y、307P/434Y、315D/389T、330V/382V、330V/389T、378V/421T、389K/434Y、389T/434Y、396L/434S、230T/264E、230T/315D、230T/434S、230T/434Y、241L/307P、264E/307P、264E/396L、315D/362R、315D/382V、362R/434Y、378V/434Y、382V/434Y、226G/315D、226G/434Y、241L/378V、307P/378V、241L/264E、378V/434S、264E/378V、264E/434S、315D/330V、330V/434Yおよび315D/434Yと、
(ii) 226G、227L、228L、228R 230S代、230T、230L、231T、241L、243L、250A、256N、259I, 264E、265G、267R、290E、294del、303A、305A、307P、307A、308I、315D、322R、325S1 327V1 330V1 342R1 347R1 352S1 361のD1 362R1 362E1 370R1 378V1 378T1 382V、383N、386R、386K、387T、389T、389K、392R、395A、396L、397M、403T、404L、415N1、416K1、421T、426T、428L、433R、434Y、434Sおよび439Rから成る群の中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異。
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)とが同じアミノ酸位置では起こらない)
【0116】
他の実施例での上記変異株は250A/434Y、307P/434Y、230T/434S、264E/396L、378V/434Y、378V/434S、264E/378V、264E/434S、315D/330Vおよび315D/434Yから成る群の中から選択されるアミノ酸突然変異の少なくとも一つの組合せをFc領域中に有する。Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0117】
上記変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に下記の群の中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有する:230T、226G、226Y、227S、227L、228R、228L、230S、230L、230A、230Q、231T、231V、233D、234R、239A、241L、241Y、241R、243L、246R、250A、252L、256N、259I、264A、264E、264M、265G、265N、267N、267R、269D、269G、270N、270E、276S、284L、285Y、288R、289I、290R、290E、291S、291Q、292W、294del、297D、298G、298N、299M、299A、299K、301C、315D、302A、303A、303I、305A、307P、307A、307N、308I、309P、311R、317R、320T、320E、322R、325S、327V、327T、330V、330T、332V、334E、334R、335A、338R、340E、342R、342E、342K、343S、345Q、345G、347R、350A、352S、354P、355Q、355G、356N、359A、360N、360R、361のD、361S、362R、362E、369A、370R、371D、375A、375G、378V、378T、378S、380Q、382V、382G、383R、383N、384I、384T、385R、386R、386K、387S、387T、389T、389K、389R、390S、392E、392R、393N、394A、395A、395S、396S、396L、397A、397M、398P、399N、400P、401A、401G、403T、404L、408T、1A 41、412A、414R、415D、415N、416K、416G、418R、418K、418E、419H、420R、421T、421S、421のD、422A、424L、426T、428L、433R、433P、434Y、434S、434H、438R、439R、440R、440N、443R、444F、444P、445S、446A、447Eおよび447N。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0118】
他の実施例では本発明の変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に下記を有する:
(i) 下記の群の中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異の組合せ:
250A/434Y、307P/434Y、230T/434S、264E/396L、378V/434Y、378V/434S、264E/378V、264E/434S、315D/330Vおよび315D/434Yと、
(ii) 226G、227L、228L、228R、230S代、230T、230L、231T、241L、243L、250A、256N、259I、264E、265G、267R、290E、294del、303A、305A、307P、307A、308I、315D、322R、325S、327V、330V、342R、347R、352S、361D、362R、362E、370R、378V、378T、382V、383N、386R、386K、387T、389T、389K、392R、395A、396L、397M、403T、404L、415N、421T 416K1、426T、428L、433R、434Y、434Sおよび439Rの中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異。
そこにおいて、
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)とが同じアミノ酸位置では起こらない)
【0119】
他の実施例の上記変異株はFc領域中に下記から成る群の中から選択される突然変異の少なくとも一つのアミノ酸の組合せを有する:
226G/315D/330V、226G/315D/434Y、226G/330V/434Y、230L/264E/378V、230T/264E/378V、230T/264E/434S、230S/315D/434Y、230T/315D/434Y、230T/389T/434S、241L/264E/434S、241L/264E/378V、241L/264E/307P、241L/307P/378V、250A/389K/434Y、256N/378V/434Y、2591/315D/264E 434Y/378T/396L、264E/378V/294del 416K1/307P/434Y、264E/307P/378V、264E/396L/434S、264E/378V/434S、305A/315D/330V、305A/315D/434Y、305A/330V/434Y、307P/378V/434Y、315D/330V/382V、315D/330V/389T、315D/378V/434Y、315D/389T/434Y、315D/362R/434Y、315D/382V/434Y、315D/330V/434Y 330V/382V/434Y、330V/389T/434Yおよび378V/383N/434Y。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0120】
上記変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に下記から成る群の中から選択される少なくとも一つの追加の突然変異を有する:226Y、226G、227S、227L、228R、228L、230S、230T、230L、230A、230Q、231T、231V、233D、234R、239A、241L、241Y、241のR、243L、246R、250A、252L、256N、259I、264A、264E、264M、265G、265N、267N、267R、269D、269G、270N、270E、276S、284L、285Y、288R、289I、290R、290E、291S、291Q、292W、294del、297D、298G、298N、299M、299A、299K、301C、315D、302A、303A、303I、305A、307P、307A、307N、308I、309P、311R、317R、320T、320E、322R、325S、327V、327T、330V、330T、332V、334E、334R、335A、338R、340E、342R、342E、342K、343S、345Q、345G、347R、350A、352S、354P、355Q、355G、356N1、359A1、360N1、360R1、361D1、361S1、362R1、362E1、369A1、370R1、371D1、375A1、375G1、378V、378T、378S、380Q、382V、382G、383R、383N、3841、384T、385R、386R、386K、387S、387T、389T、389K、389R、390S、392E、392R、393N、394A、395A、395S、396S、396L、397A、397M、398P、399N、400P、401A、401G、403T、404L、408T、41 1A、412A、414R、415D、415N、416K、416G、418R、418K、418E、419H、420R、421T、421S、421のD、422A、424L、426T、428L、433R、433P、434Y、434S、434H、438R、439R、440R、440N、443R、444F、444P、445S、446A、447Eおよび447N。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0121】
他の実施例では、本発明の変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に下記を有する:
(i)下記から成る群の中から選択されるアミノ酸突然変異の少なくとも一つの組合せ:226G/315D/330V、226G/315D/434Y、226G/330V/434Y、230L/264E/378V、230T/264E/378V、230T/264E/434S、230S/315D/434Y、230T/315D/434Y、230T/389T/434S、241L/264E/434S、241L/264E/378V、241L/264E/307P、241L/307P/378V、250A/389 K/434Y、256N/378V/434Y、2591/315 D/264E 434Y/378T/396L、264E/378V/416K、294del/307P/434Y、264E/307P/378V、264E/396L/434S、264E/378V/434S、305A/315D/330V、305A/315D/434Y、305A/330V/434Y、307P/378V/434Y、315D/330V/382V、315D/330V/389T、315D/389T/434Y、315D/362R/434Y、315D/378V/434Y、315D/382V/434Y、315D/330V/434Y 330V/382V/434Y、330V/389T/434Yおよび378V/383N/434Yと、
(ii) 下記から成る群の中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異:226G、227L、228L、228R、230S代、230T、230L、231T、241L、243L、250A、256N、259I、264E、265G、267R、290E、294del、303A、305A、307P、307A、308I、315D、322R、325S、327V、330V、342R、347R、352S、361のD、362R、362E、370R、378V、378T、382V、383N、386R、386K、387T、389T、389K、392R、395A、396L、397M、403T、404L、415N、421T 416K1、426T、428L、433R、434Y、434Sおよび439R。
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)とが同じアミノ酸位置では起こらない)
【0122】
他の実施例の上記変異株はFc領域中に下記から成る群の中から選択される突然変異の少なくとも一つのアミノ酸の組合せを有する:
226G/315D/434Y、230S/315D/434Y、230T/315D/434Y、230T/264E/434S、230T/389T/434S、241のL/264E/378V、241L/264E/434S、250A/389K/434Y、256N/378V/434Y、259I/315D/434Y、264E/378T/396L、264E/378V/416K、264E/378V/434S、264E/396L/434S、294del/307P/434Y、307P/378V/434Y、315D/330V/434Y、315D/378V/434Y、315D/382V/434Yおよび378V/383N/434Y。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0123】
前記変異株はさらに、、親ポリペチドと比較してFc領域中に下記から成る群の中から選択される少なくとも一つの追加の突然変異を有する:226G1、226Y1、227S1、227L1、228R1、228L1、230S1、230T1、230L1、230A、230Q、231T、231V、233D、234R、239A、241L、241Y、241R、243L、246R、250A、252L、256N、259I、264A、264E、264M、265G、265N、267N、267R、269D、269G、270N、270E、276S、284L、285Y、288R、289I、290R、290E、291S、291Q、292W、294del、297D、298G、298N、299M、299A、299K、301C、302A、303A、303I、305A、307P、307A、307N、308I、309P、311R、315D、317R、320T、320E、322R、325S、327V、327T、330V、330T、332V、334E、334R、335A、338R、340E、342R、342E、342K、343S、345Q、345G、347R、350A、352S、354P、355Q、355G、356N、359A、360N、360R、361D、361S、362R、362E、369A、370R、371D、375A、375G、378V、378T、378S、380Q、382V、382G、383R、383N、384I、384T、385R、386R、386K、387S、387T、389T、389K、389R、390S,392E、392R、393N、394A、395A、395S、396S、396L、397A、397M、398P、399N、400P、401A、401G、403T、404L、408T、41の1つのA、412A、414R、415D、415N、416K、416G、418R、418K、418E、419H、420R、421T、421S、421のD、422A、424L、426T、428L、433R、433P、434Y、434S、434H、438R、439R、440R、440N、443R、444F、444P、445S、446A、447Eおよび447N。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0124】
他の実施例では、本発明の変異株は親ポリペチドと比較してFc領域中に以下を有する:
(i) 下記から成る群の中から選択されるアミノ酸突然変異の少なくとも一つの組合せ:226G/315D/434Y、230S/315D/434Y、230T/315D/434Y、230T/264E/434S、
230T/389T/434S、241L/264E/378V、241L/264E/434S、250A/389K/434Y、256N/378V/434Y、2591/315 D/434Y、264E/378T/396L、264E/378V/416K、264E/378V/434S、264E/396L/434S、294del/307P/434Y、307P/378V/434Y、315D/330V/434Y、315D/378V/434Y、315D/382V/434Yおよび378V/383N/434Yと、
(ii) 下記から成る群の中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異:227L、228R 226G、228L、230S、230T、230L、231T、241L、243L、250A、256N、259I、264E、265G、267R、290E、294del、303A、305A、307P、362R、307A、308I、315D、322R、325S、327V、330V、342R、347R、352S、361D、370R、362E 378V、378T、382V、383N、386R、386K、387T、389T、389K、392R、395A、396L、397M、403T、404L、415N、416K、421T、426T、428L、433R、434Y、434Sおよび439R。
(ここで、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。ただし、突然変異(i)は突然変異(ii)とが同じアミノ酸位置では起こらない)
【0125】
上記の全ての実施例のアミノ酸突然変異は親ポリペチドと比較して1〜20、好ましくは1〜10の変異株を有するのが好ましい。
【0126】
変形例の実施例の上記変異株はFc領域中に下記から成る群の中から選択されるアミノ酸突然変異の1つの組合せを有する:307A/315D/330V/382V/389T/434Y、307A/315D/382V/389T/434Y、256N/378V/383N/434Y、256N/378V/434Y、315D/330V/361D/378V/434Y、315D/361D/378V/434Y、2591/315D/434Y、230S/315D/428L/434Y、241L/264E/307P/378V/433R、250A/389K/434Y、305A/315D/330V/395A/434Y、264E/386R/396L/434S/439R、315D/330V/362R/434Y、294del/307P/434Y、305A/315D/330V/389K/434Y、315D/327V/330V/397M/434Y、230T/241L/264E/265G/378V/421T、264E/396L/415N/434S、227L/264E/378V/434S、264E/378T/396L、230T/315D/362R/426T/434Y、226G/315D/330V/434Y、230L/241L/243L/264E/307P/378V、250A/315D/325S/330V/434Y、290E/315D/342R/382V/434Y、241L/315D/330V/392R/434Y、241L/264E/307P/378V/434S、230T/264E/403T/434S、264E/378V/416K、230T/315D/362E/434Y、226G/315D/434Y、226G/315D/362R/434Y、226G/264E/347R/370R/378V/434S、3081/315D/330V/382V/434Y、230T/264E/378V/434S、231T/241のL/264E/378T/397M/434S、230L/264E/378V/434S、230T/315D/330V/386K/434Y、226G/315D/330V/389T/434Y、267R/307P/378V/421T/434Y、230S/315D/387T/434Y、230S/264E/352S/378V/434Sおよび230T/303A/322R/389T/404L/434S。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0127】
他の実施例の上記変異株は256N/378V/434Y、307A/315D/330V/382V/389T/434Y、256N/378V/383N/434Y、315D/330V/361のD/378V/434Y、259I/315D/434Yおよび230S/315D/428L/434Yから成る群の中から選択されるアミノ酸突然変異の1つの組合せを含む。
【0128】
本発明のさらに他の対照は、親ポリペチドと比べてFcRnに対する結合正が増加し、且つ下記から成る群の中から選択されるFc変異株を含むポリペチド変異株を提供することにある:307A/315D/330V/382V/389T/434Y、307A/315D/382V/389T/434Y、256N/378V/383N/434Y、315D/330V/361D/378V/434Y/361D/378V/434Y、2591/315D/434Y、230S/315D/428L/434Y、241L/264E/307P/378V/433R、250A/389K/434Y、256N/378V/434Y、305A/315D/330V/395A/434Y、264E/386R/396L/434S/439R、315D/330V/362R/434Y、294del/307P/434Y、305A/315D/330V/389K/434Y、315D/327V/330V/397M/434Y、230T/241L/264E/265G/378V/421T、264E/396L/415N/434S、227L/264E/378V/434S、264E/378T/396L、230T/315D/362R/426T/434Y、226G/315D/330V/434Y、230L/241L/243L/264E/307P/378V、250A/315D/325S/330V/434Y、290E/315D/342R/382V/434Y、241L/315D/330V/392R/434Y、241L/264E/307P/378V/434S、230T/264E/403T/434S、264E/378V/416K、230T/315D/362E/434Y、226G/315D/434Y、226G/315D/362R/434Y、226G/264E/347R/370R/378V/434S、3081/315D/330V/382V/434Y、230T/264E/378V/434S、231T/241のL/264E/378T/397M/434S、230L/264E/378V/434S、230T/315D/330V/386K/434Y、226G/315D/330V/389T/434Y、267R/307P/378V/421T/434Y、230S/315D/387T/434Y、230S/264E/352S/378V/434Sおよび230T/303A/322R/389T/404L/434S。
Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatでのEUインデックスの数え方である。
【0129】
他の実施例では、親ポリペチドと比較してFcRnに対する結合性が増加したポリペチド変異株は下記から成っている群の中から選択されるFc変異株を有する:256N/378V/434Y、307A/315D/330V/382V/389T/434Y、256N/378V/383N/434Y、315D/330V/361D/378V/434Y、259I/315D/434Yおよび230S/315D/428L/434Y。
【0130】
本発明の上記全ての変異株で、親ポリペチドのFc領域は野生型IgGのFc領域(例えば、「低ヒンジ-CH2-CH3」)およびその断片)から作ることができる。
より多くの好ましい実施例において、親ポリペチドのFc領域は、ヒトIgGサブクラス(すなわち、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4)に由来する。他の好ましい実施例では、親ポリペチドのFc領域は野性-型IgG1 Fc領域(SEQ ID:NO1)、野生型IgG2 Fc領域(SEQ ID:NO2)、野性-型IgG3 Fc領域(SEQ ID:NO3)および野性-型IgG4 Fc領域(SEQ ID:NO4)から成る群の中から選択される。
【0131】
本発明の別の対照は上記IgG1 Fc変異株から成るポリペチドにあり、このIgG1 Fc変異株はIgG1 Fc(SEQ ID NO:1)の野生型配列と比較して少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有し、野性-型IgG1 Fcと比較してFcRnに対する結合性が増加する。ただし、このIgG1 Fc変異株の配列はSEQ ID 番号2、SEQ ID 番号3およびSEQ番号4ではない。
【0132】
本発明の別の対照は上記IgG2Fc変異株から成るポリペチドであり、このIgG2 Fc変異株はFcRnに野性-型IgG2Fcと比べて少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有し、野性-型IgG2Fcと比較してFcRnに対する結合性が増加する。ただし、このIgG2Fc変異株の配列はSEQ ID 番号1、SEQ ID 番号3およびSEQ番号4ではない。
【0133】
本発明の別の対照は上記IgG3Fc変異株から成るポリペチドであり、このIgG3Fc変異株はFcRnに野性-型IgG3Fcと比べて少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有し、野性-型IgG3Fcと比較してFcRnに対する結合性が増加する。ただし、このIgG3Fc変異株の配列はSEQ ID 番号1、SEQ ID 番号2およびSEQ番号4ではない。
【0134】
本発明の別の対照は上記IgG4Fc変異株から成るポリペチドであり、このIgG4Fc変異株はFcRnに野性-型IgG4Fcと比べて少なくとも一つのアミノ酸突然変異を有し、野性-型IgG4Fcと比較してFcRnに対する結合性が増加する。ただし、このIgG4Fc変異株の配列はSEQ ID 番号1、SEQ ID 番号2およびSEQ番号3ではない。
【0135】
好ましい実施例では、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4Fc変異株ポリペチドから成る群の中から選択される少なくとも一つのアミノ酸突然変異はは、上記の対応する親ポリペチドと比べてFcRnに対する結合性が増加するアミノ酸突然変異、アミノ酸突然変異の組合せの群の中から選択される。
【0136】
上記のように、本発明の変異株は、対応する親ポリペチドと比べてFcRnに対する増加した結合性を示す。一つの実施例ではエフェクタ機能および結合性は対応する親のそれと同様である。この変異株は特にFc-γリセプタまたはC1qに対する結合性が親ポリペチドと比べて大きく変化しない。
【0137】
他の実施例の上記変異株はFcRnへの結合性が増加し且つの一つ以上のエフェクタ機能および/またはFcリガンド結合性(FcRn以外の)を有する。
【0138】
実施例2に示すように、本発明の変異株はFcγRへの結合性、特にFcγRllla、ADCC(抗体依存細胞介在細胞毒性(Dependent Cell-mediated Cytotoxicity)活性およびCDC(Complement-Dependent Cytotoxicity)活性を変えずに、ポリペチド変異株と比較したFcRnへの結合性が増加する。また、本発明変異株は少なくともそのポリペチド親と同じADCCおよびCDC活性を有すると同時にFcRnに対する結合性が増加する。他のケースでは、本発明変異株は親ポリペチドと比べてFcRnに対する結合性が増加すると同時に、親ポリペチドと同等なADCCおよびCDCの中から選択される少なくとも一つのエフェクタ活性とを組み合わせて有する。
【0139】
ADCC活性およびCDC活性は従来技術で公知で、実施例2のIV.2、IV.3に記載の方法で評価できる。
【0140】
FcγRへの結合は従来法(例えばSPRまたはELISAアッセイ)で評価できる。
【0141】
本発明のさらに他の対照は、親ポリペチドと比べてFcRn対する結合性が増加した上記とは異なる追加のアミノ酸突然変異を含む変異株を提供することにある。
【0142】
従って、本発明のFc突然変異は、FcRnに対するFc親和性が増加することが公知である他のFc突然変異(例えば関連技術の説明に記載のものを参照)と組み合せることができる。
【0143】
あるいは、Fc突然変異をエフェクタ機能を変える突然変異または一つ以上のFcリガンドを有する他のFc突然変異と組み合せることができる。すなわち、この種の変異株は親ポリペチドと比較して1つのFcリガンド(FcRn以外)および/またはエフェクタ機能と、FcRnに対する結合性の増加とを組み合わせせて有する。
【0144】
FcリガンドはFcγRs(Fcγリセプタ)、C1q、C3、レクチン結合マンナン、マンノースレセプター、プロテインA、溶連菌タンパクGおよびウイルス性FcγRsを含むが、これに限定されるものではない。FcリガンドもFcレセプタ相同体(FcRH)を含む。これはFcγRs(非特許文献23)に対応するFcレセプタのファミリーである。
【非特許文献23】Debis et al.,2002、Immunological Reviews 190 123-136
【0145】
「エフェクタ機能」とはFcレセプタまたはリガンドを有する抗体Fc領域の相互作用で生じる生化学的または細胞事象である。エフェクタ機能はADCC(抗体依存細胞介在細胞毒性(Dependent Cell-mediated Cytotoxicity)、ADCP(抗体依存細胞介在食作用-Dependent Cell-mediated Phagocytosis)およびCDC(補体依存細胞介在細胞毒(Dependent Cytotoxicity)を含むが、これらに限定されるものではない、。
【0146】
本発明の変異株はFc領域を有し、親ポリペチドと比べてFcRnに対する結合性の増加を示す任意のポリペチドを含み、そのポリペチドFc領域のアミノ酸突然変異の少なくとも一つのアミノ酸突然変異またはその組合せが親ポリペチドと異なる。重要なアミノ酸の突然変異およびその組合せは本発明の変異株の一般的な特徴を説明した上記の突然変である。
【0147】
変異株(従って親ポリペチド)は抗体、Fc融合タンパク、Fc共役、単離されたFcおよびそれらの断片を含むが、これに限定されるものではない。特に、変異株はFc-含有結合タンパクにすることができる。換言すれば、変異株は(i) Fc変異株と(ii)所定分子に特異的に結合可能な結合ポリペチド領域とを有する。
【0148】
本発明実施例では、本発明ポリペチド変異株はFc-融合タンパク変異株および変異株をFc-接合(conjugates)から成る群の中から選択される。Fc-融合タンパクおよびFc-接合(conjugates)はパートナーにリンクされるFc領域から成る。Fc領域はスペーサを介してまたは介さずにパートナーにリンクできる。
【0149】
本発明ではFc融合タンパクは単一遺伝子によってコードされるタンパクであり、タンパク、ポリペチドまたはFc領域に結合した小さいペプチドから成る。Fc融合タンパクは必要に応じてペプチド・スペーサを含む。実質的には任意のタンパクまたは小分子をにFc領域にリンクさせて、Fc合着させることができる。タンパク合着には任意の抗体、任意の抗体可変部に由来するポリペチド、リセプタ、接着分子、リガンド、酵素、サイトカイン、ケモキンまたは他のタンパクの標的結合領域またはタンパク領域を含むが、これらに限定されるものではない。特に、Fc-融合タンパクは抗体のようなタンパク、免疫グロブリン不変領域(すなわちFc領域)断片と接着する異種「接着」タンパクの結合領域を結合する免疫接着要素(immunoadhesin)、例えば、リセプタ、リガンドまたは酵素にすることができる。)(免疫接着要素(immunoadhesinに関しては下記文献を参照のこと)
【非特許文献24】Ashkenazi A, Chamow SM. 1997, Curr Opin Immunol.;9(2):195-200
【0150】
小さいペプチド合着パートナーでは、Fc合着を治療の標的に向ける任意の治療剤が含まれるが、これに限定されるものではない。この種の標的は任意の分子、好ましくは病気に関係する細胞外リセプタにすることができる。
【0151】
本発明では、Fc共役は共役パートナーとFc領域との化学的カップリングで得られる。共役パートナーはタンパク性のものでも非タンパク性のものでもよい。共役反応は一般にFc領域上および共役パートナー上の官能基を使用する。共役の合成に適切な種々のリンカーが公知である。例えば、ホモ-またはヘテロ-二官能性リンカーが周知である(非特許文献25を参照)。
【非特許文献25】Pierce Chemical Company catalog, 2005-2006, technical section on cross-linkers, pages 321 -350
【0152】
適した共役パートナーはポリペプチド製剤、標識(例えば下記標識)、医薬品、細胞毒素、細胞毒(例えば化学療法剤)、トキシンおよびこの種のトキシンの活性断片を含むが、これに限定されるものではない。適切なトキシンおよびそれらの対応断片にはdiptheria A連鎖、エキソトキシンA連鎖、リシンA鎖、アブリンA連鎖、curcin、クロチン、phenomycin、enomycin等が含まれるが、これらに限定されるものではない。細胞毒素剤はFc変異株と直接共役できる任意の放射性核種またはFc変異株に共有結合できるキレート剤にすることができる。追加の実施例では、共役パートナーはcalicheamicin、auristatins、ゲルダナマイシン、メイタンシンおよびduocarmycins等から成る群の中から選択できる(特許文献12を参照、この特許の内容は本明細書の一部を成す)。
【特許文献12】米国特許第200310050331号明細書
【0153】
この種の変異株は低pH(例えば、約pH 6)でFcRnに対する結合性が増加し、高pH(例えば約pH 7,4)では実質的に結合性が変更されてない。特に重要なFc-融合タンパクおよびFc-共役体変異株は親ポリペチドと比べてインビボでの半減期が増加するものである。
【0154】
好ましい実施例では、本発明のポリペチド変異株は親抗体の異なる抗体である。「抗体」という用語はここでは最も広い意味で使われる。本発明で「抗体」とはは少なくとも(i) Fc領域および (ii) 免疫グロブリンの可変領域と結合するポリペチド領域を含む任意のポリペチドを意味する。このポリペチド領域は一つの所定標的抗原または一群の標的抗原に特異的に結合できる。
【0155】
免疫グロブリンの可変部に由来する結合ポリペチド領域は少なくとも1つのCDRを有する。ここで、抗体は完全長の免疫グロブリン、モノクローナル抗体、多特異抗体、少なくとも一つの可変部を有するFc-融合タンパク、合成抗体(「疑似抗体(mimetics)」とも呼ばれる)、キメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト抗体を含むが、これに限定されるものではない。抗体はさらに抗体-融合タンパク、抗体複合体およびその各断片を含む。従って、本発明の異なる抗体はそのFc領域中に親抗体と比べてFcRnに対する結合能が増加させる上記の少なくとも一つのアミノ酸突然変異または突然変異の組合せを含む。FcRnに低pH(例えば、約pH 6)で結合能が増加し、高pH(例えば約pH 7,4)で実質的に接合性が変更しない抗体変異株が重要である。さらに、親ポリペチドと比べてインビボでの半減期が増加する抗体変異株が重要である。
【0156】
実施例では、本発明の異なる抗体は親の完全長の抗体の変異株から成る群の中から選択される。「完全長の抗体」とは可変領域および恒常部を含む天然抗体の生物学的な形および構造を有するものを意味する。本発明の完全長の抗体変異株の親ポリペチドは野生型抗体、野生型抗体ミュータント(例えば、既存の突然変異を含む)、野生型抗体の設計バージョン(例えばキメラ)、ヒト化抗体または完全ヒト抗体にすることができるがこれらに限定されるものではない。完全長の抗体の構造は一般にラマやラクダ等のいくつかの哺乳類を除いて免疫グロブリンがテトラマおよびダイマーである。各テトラマは典型的に2つの全く同じ一組(1つが典型的に約25kDaの分子量を有する「軽」鎖の一組)と1つの「重」鎖(典型的に約50-70kDaの分子量を有する)から成るポリペプチド鎖である。
【0157】
完全長の抗体の例は免疫グロブリンM、免疫グロブリンD、IgG、免疫グロブリンAおよび免疫グロブリンEのクラスを含むヒト免疫グロブリンである。
【0158】
好ましい実施例の前記変異株はIgG変異株から成る群の中から選択される完全長の抗体である。
【0159】
より好ましい実施例の前記変異株では、完全長の抗体がヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4の変異株から成る群の中から選択されるが、そのが変異株のFc領域の配列はSEQ ID番号1、SEQ ID 番号2、SEQ ID番号3およびSEQ ID 番号4ではない。
【0160】
前記変異株がその親IgGと比較して、一つ以上のアミノ酸突然変異から成るIgG アミノ酸突然変異の前記一つ以上の突然変異または化合は、現在の明細書において先に述べたそれらである。そのとき、Fc領域から成っていて、FcRnに対応する親ポリペチドと比べて、増加する結合を有しているポリペチドの変異株を一般に定義すること。
【0161】
他の実施例の前記変異株が変数領域から誘導される結合するポリペチド・領域から成っているFc-fusionタンパクから成っている群の中から選択される抗体免疫グロブリン。
以下から成る抗体が、特定の利子のある:
(a) 本発明のFc変異株および免疫グロブリンの可変部から誘導される以下の結合するポリペチド・領域の(b)一つ(すなわち、それは少なくとも一つのCDRから成る):
(i) VL、VHClおよびCH1領域から成っているFab断片、
(ii) VHおよびCH1領域から成っているFd断片、
(iii) 単一の抗体のVLから成っているFv断片およびVH領域;
(iv) CDR領域((v)F(ab)を単離した』)2断片(2つの連結されたFab断片(vi)一つの連鎖Fv分子(scFv)から成っている二価断片)
そこにおいて、
関連する2つの領域が抗原結合部位を形成することができるペプチド・リンカーによって、VH領域およびVL領域は連結される、(vii)bispecificな一つの連鎖Fv そして、(viii)「diabodies」または「triabodies」(多価性または遺伝子融合によって造られるμltispecificな断片)制限的でないこのリスト。
【0162】
他の実施例において、抗体はminibodyである。
Minibodiesは、CH3領域につながれるscFvから成っている最小にされた抗体のようなタンパク質類である(非特許文献26(ここで引用したものとする)全体として)。
いくらかのケースにおいて、scFvは完全長のFc領域(非特許文献27は、引例によってここでその全部を取り入れた)につながれることができて、また、ヒンジ領域またはそれの断片を含むことができる。
【非特許文献26】Hu et al., 1996, Cancer Res. 56:3055-3061
【非特許文献27】De Lorenzo et al., 2005, Carcinogenesis 26:1890-1895
【0163】
実施例において、本発明の抗体は、μltispecificな抗体の群の中から選択される、そして、特に時々あるbispecificな抗体の基から、「diabodies」としてと称した。
これらの抗体は、2(以上)まで異なるテストを結合する。
Diabodiesは、いろいろな公知技術である方法で製作されることができる非特許文献28が、引例によって全体としてここで結合した)、例えば、化学的に、調製されるかまたはハイブリドーマに由来する。
【非特許文献28】Holliger and Winter, 1993, Current Opinion Biotechnol. 4:446-449
【0164】
いくらかの実施例において、抗体変異株の懸垂足場成分は、異なる生物種からの混合物であることができる。
この種の抗体変異株は、キメラ抗体および/またはヒトらしくなられた抗体であってもよい。
一般に両方とも、「キメラ抗体」、そして、「抗体をヒト化した」複数の生物種から領域を結合する抗体に言及する。
例えば、「キメラ抗体」がヒト外の動物、一般にハツカネズミ(または、いくらかのケースの、ラット)および恒常部から伝統的に可変部から成ってからヒト。
ほとんどの場合、ヒト化された抗体が、キメラ抗体である‖それが、含む最小である
配列は、なしヒト免疫グロブリンから生じた。
一般に、ヒトらしくなられた抗体において、CDRs以外の、全抗体は、ヒト・オリ遺伝子のポリヌクレオチドによってコードされるかまたはヒト抗体にそのCDRs以外内に同一である。
CDRs(どちらがヒト外の生物から始まっている核酸によってコードされるかいくつかまたは全て)が、ヒト抗体可変部のbeta-シート・フレーム・ワークに、抗体をつくるためにグラフトされる、どちらが差し込まれたCDRsによって決定されるか、特異性。
例えば、この種の抗体の生成は特許文献13に記載されている;非特許文献28、非特許文献29に記載されている。ここでそれらの全部において引用したものとする全て。
【特許文献13】国際特許第WO 92/11018号公報
【非特許文献28】Jones, 1986, Nature 321 :522-525
【非特許文献29】Verhoeyen et al., 1988, Science 239:1534-1536
【0165】
ヒトらしくなられた抗体も、少なくとも最適に免疫グロブリン恒常部の一部から成る、典型的に、ヒト免疫グロブリンのそれ、
そして、したがって、典型的に以下から成る:
ヒトFc領域。
ヒトらしくなられた抗体は、また、geneticallyな設計された免疫系を有するハツカネズミを使用して発生されることができる全体としてここで引用したものとする(非特許文献30Roque et al., 2004, Biotechnol. Prog. 20:639-654,)。
いろいろなテクニックおよびヒト外の抗体をヒト化して、作り直す方法は、公知技術である(非特許文献31、そこにおいて、全く引用される引例は、それらの全部の引例によって結合した)。非特許文献31〜非特許文献40には各種のヒト化方法が記載されているが、これらに限定されるものではない。これらの全部において引用したものとする全て。ヒト化またはヒト外の抗体可変部の免疫原性を減らす他の方法は、方法に新しい表をつけることを含むことができる、例えば非特許文献40に記載されているように全体として。ここで引用したものとする。
【非特許文献30】Roque et al., 2004, Biotechnol. Prog. 20:639-654
【非特許文献31】Tsurushita & Vasquez, 2004, Humanization of Monoclonal Antibodies, Molecular Biology of B Cells, 533-545, Elsevier Science (USA),
【非特許文献32】Jones et al., 1986, Nature 321 :522-525 ;
【非特許文献33】Riechmann et al.,1988; Nature 332:323-329 ;
【非特許文献34】Verhoeyen et al., 1988, Science, 239:1534-1536 ;
【非特許文献35】Queen et al., 1989, Proc Natl Acad Sci, USA 86:10029-33 ;
【非特許文献36】He et al., 1998, J. mmunol. 160: 1029-1035 ;
【非特許文献37】Carter et al., 1992, Proc Natl Acad Sci USA 89:4285-9 ;
【非特許文献38】Presta et al., 1997, Cancer Res. 57(20):4593-9 ;
【非特許文献39】Gorman et al., 1991 , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:4181 -4185 ;
【非特許文献40】O'Connor et al., 1998, Protein Eng 11 :321-8
【非特許文献41】Roguska et al., 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91 :969-973
【0166】
実施例において、前記抗体変異株少なくとも一つのアミノ酸を有する充分にヒト抗体が、その概略について述べましたように、ここで突然変異である。
「充分にヒト抗体」または「完全なヒト抗体」は、完全にヒト・遺伝子から始まっている配列から成っている抗体と称する。
いくらかのケースにおいて、これはここで概説される突然変異を有する人の染色体に由来する抗体の遺伝子配列を有するヒト抗体であってもよい。
あるいは、抗体の成分はヒト、しかし、単一遺伝子に由来しない。
したがって、例えば、1つの抗体からのヒトCDRsは、一つ以上のヒト抗体からの配列(例えば懸垂足場配列)と組み合わせられることができる。
例えば、いろいろなgermline配列は、ヒト抗体またはヒト懸垂足場を形成するために結合されることができる(例えばヒトらしくなられたかキメラの配列ために、その概略については特許文献14に記載されている。その本願明細書に引用したものとする)と同じ全体として。
【特許文献14】米国特許出願第11/022,289号明細書
【0167】
一定の実施例において、本発明の抗体変異株は、キメラのIgG、ヒトらしくなられたIgGおよびfully-ヒトIgGから成っている群の中から選択される。
【0168】
抗体の共有結合による修飾は、また、この発明およびアールの範囲内で一般に含まれるが、必ずしもpost-translationallyにされない。
この種の突然変異は、glycosylates、標識化および共役を含むが、これに限定されるものではない。
【0169】
それゆえに、いくらかの実施例において、ここで開示されるポリペチド変異株は、一つ以上の設計されたglycoformsを含むために修正されることができる。
によってここで使用して「glycoformを設計した」炭水化物組成(すなわちFc変異株から成っているポリペチドに付けられる共有結合で)定める
そこにおいて、
前記炭水化物組成は、化学的にポリペチド親のそれと異なる。
設計されたglycoformsは、エフェクタ機能を改良するかまたは減らすことに特急列車以外のを含むいろいろな目的に役立ってはならない。
設計されたglycoformsは、異なる配列のいかなるアミノ酸でも取付けられることができる。
好ましい実施例の前記Fc領域のアミノ酸で取付けられるglycoformsアール。
【0170】
設計されたglycoformsは、いろいろな公知技術である方法によって発生されることができる(非特許文献42〜非特許文献47、特許文献15〜22)。全くそれらの全部において引用したものとする;
(Potelligentななこと工学[ Biowa社、プリンストン、N.J. ];GlycoMAb?グリコシル化工学技術工学[ Glycart Biotechnology社、Zuerich、スイス])。
【非特許文献42】Umaa et al., 1999, Nat Biotechnol 17:176-180;
【非特許文献43】Davies et al., 2001 , Biotechnol Bioeng 74:288-294;
【非特許文献44】Shields et al., 2002, J Biol Chem 277:26733-26740;
【非特許文献45】Shinkawa et al., 2003, J Biol Chem 278:3466-3473;
【非特許文献46】Potelligent (登録商標) technology [Biowa, Inc., Princeton, N.J.];
【非特許文献47】GlycoMAb(登録商標) glycosylation engineering technology [Glycart Biotechnology AG, Zuerich, Switzerland]
【特許文献15】米国特許第6,602,684号明細書
【特許文献16】米国特許出願第10/277,370号明細書
【特許文献17】米国特許出願第10/113,929号明細書
【特許文献18】国際特許第WO 00/61739A1号公報
【特許文献19】国際特許第WO 01/29246A1号公報
【特許文献20】国際特許第WO 02/31140A1号公報
【特許文献21】国際特許第WO 02/30954A1号公報
【特許文献22】国際特許第WO 01/771811号公報
【0171】
これらのテクニックの多くの人々は、Fc領域に付けられる共有結合でであるfucosylatedされたおよび/または二つに分けているオリゴ糖のレベルを制御することに基づいている、例えば種々の生物の抗体変異株または細胞系(設計されるかまたは違っている)を発現することによって(例えばLec-13 CHO細胞またはラット・ハイブリドーマYB2/0セル)、グリコシル化経路に関係している酵素を統制することによって(実施例FUT8 [ .α.1 ,6-fucosyltranserase ]のためのおよび/または.β.1-4- N- セチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII [ GnTIII ])、または、抗体の後、炭水化物を修正することによって、変異株は発現された。
【0172】
あるいは、設計されたglycoformは、異なる炭水化物またはオリゴ糖から成る抗体変異株と称することができる。
技術では周知のように、グリコシル化パターンは、タンパクの両方の配列に依ることができる(例えば特定のグリコシル化アミノ酸残基の有無、論議された下記)、またはタンパクが生じる宿主細胞または生物。
特定の発現系は、下で論議される。
【0173】
ポリペチドのグリコシル化は、典型的にNにリンクされているかOにリンクされている。
Nにリンクされたアスパラギン残基の側鎖への炭化水素部分の付着に言及する。
トリ-ペプチド配列N-X-セリンおよびN-X T、
そこにおいて、
Xが、P以外のいかなるアミノ酸でもある、N側鎖への炭化水素部分の酵素の付着のための認識配列である。
したがって、ポリペチドのこれらのtri-peptide配列のどちらでもの存在は、潜在的なグリコシル化サイトをつくる。
Oにリンクされたグリコシル化は、糖N-アセチルガラクトサミン、ガラクトースまたはキシロースのうちの1つの付着と称する、ヒドロキシアミノ酸、最も共通にセリンまたはTに5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリシンがまた、使われることができるにもかかわらず。
【0174】
抗体へのグリコシル化サイトの添加は、アミノ酸配列を変えることによって便利に完成しているそれが上記のtri-peptide配列のうちの少なくとも1つを含むように、(Nにリンクされたグリコシル化サイトのための)。
交互が、また、添加によって製造することができる‖または置換、一つ以上のセリンまたは出発することへのT残基が、そばに順番に配列する‖(Oにリンクされたグリコシル化サイトのための)。
容易さのために、所望のアミノ酸に並進するコードンが発生されるように、抗体アミノ酸配列はデオキシリボ核酸レベルにおける変更によって、特に予め選択された塩基で標的ポリペチドをコードするデオキシリボ核酸を変化させることによって好ましくは変えられる。
【0175】
抗体上の炭化水素部分の数を増やす他の手段が、グリコシドの化学であるか酵素の連結のそばに、タンパクに対してある。
それらがN-およびO-linkedされたグリコシル化のグリコシル化資格を有する宿主細胞のタンパクの生産を必要としないという点で、これらの手順は有利である。
使われる連結モードに従い、糖は以下に付けられることができる:
(a) RおよびH、
(b) 自由なカルボキシル基、
(c) Cのそれらのような自由なスルフヒドリル基、
(d) セリン、Tまたはヒドロキシプロリンのそれらのような自由な水酸基、
(e) F、YまたはWのそれらのような芳香族残基、または、
(f) グルタミンのアミド基。
これらの方法は、1987年9月11日公開特許文献23および非特許文献48に記載されている。
【特許文献23】国際特許第WO 87/05330号公報
【非特許文献48】ApNn and Wriston, 1981 , CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306
【0176】
出発している抗体に存在する炭化水素部分の収奪は、化学的にまたは酵素で完成していてもよい。
化学物質脱グリコシルは、合成のtrifluoromethanesulfonicな酸または等価な化合物にタンパクの照射を必要とする。
結鎖糖以外の大部分のすべてのもの糖の開裂のこの治療結果(N- アセチルグルコサミンまたはN- アセチルガラクトサミン)、。その一方で、ポリペチドを手をつけていなくしておくこと。
化学物質脱グリコシルは非特許文献49、非特許文献50に記載されている。
ポリペチド上の炭化水素部分の酵素の開裂は非特許文献51に記載のように、各種endo-およびexo-glycosidasesの使用によって成し遂げられることができる。非特許文献52に記載されているように、潜在的なグリコシル化サイトでのグリコシル化は合成のツニカマイシンの使用によって防がれることができる。
ツニカマイシンが、形成をブロックするタンパク-N- グリコシド・リンケージ。
【非特許文献49】Hakimuddin et al., 987, Arch. Biochem. Biophys. 259:52
【非特許文献50】Edge et al., 1981 , Anal. Biochem. 118:131
【非特許文献51】Thotakura et al., 1987, Meth. Enzymol. 138:350
【非特許文献52】Duskin et al., 1982, J. Biol. Chem. 257:3105
【0177】
いくらかの実施例において、本発明の抗体変異株は、キメラのIgGから成っている基、ヒトらしくなられたIgGおよび設計されたglycoformsから成るfully-ヒトIgGから選択される。
【0178】
別の実施例において、本発明の抗体変異株の共有結合による修飾は、一つ以上の標識の添加から成る。
いくらかのケースにおいて、これらのアールは、抗体合着を考慮した。
用語「標識化基」は、いかなる検出可能な標識も意味する。
いくらかの実施例において、標識化基は、ポテンシャル立体障害を減らすために種々の長さのスペーサ・アームを経た抗体に連結する。
標識化タンパク質類ための種々の方法が、公知技術であって、本発明を実行する際に、使われることができる。
【0179】
一般に、アッセイに従いまたはそれらが検出されることである診断された手順に、標識はいろいろな綱に落ちる:
a) タグ。そして、それは、放射性があるか重質同位元素であってもよい;
b) 磁気の標識(例えば磁気の粒子);
c) レドックス活性部分;
d) 光学の触媒酸化;
酵素の基(例えばワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ);
e) biotinylatedされた基;
そして、
f) 第二のリポータによって認識される所定のポリペチド・エピトープ(例えばロイシン・ジッパー一組配列、第二の抗体のための結合部、領域を結合している金属、エピトープタグ、その他)。
【0180】
特定の標識が、光学の触媒酸化を含む、しかし、制限する(発色団)燐および、多くの例において特定の後者を有する、蛍光団。
蛍光団は、どちらの螢光性の「小分子」蛍光剤でもまたは蛍光剤タンパク質類であることができる。
【0181】
他の実施例において、本発明の抗体変異株は、溶解されることができるかまたはタンパクまたは小分子に活用したそれが、標識化基として上記のように使われない。実質的には、いかなるタンパクもまたは小分子は、抗体にリンクされることができる。タンパク合着パートナーは、リセプタの標的-結合領域を含むが、これに限定されるものではない、接着分子、リガンド、酵素、サイトカイン、chemokineまたはいくらかの他のタンパクまたはタンパク領域。小分子は、医薬品(細胞障害能薬剤)を含むが、これに限定されるものではないトキシンまたは能動は、この種のトキシンのバラバラになる。(例えば化学療法剤)
【0182】
上記のように、本発明の抗体変異株は、特異的に一つの標的抗原または一群の標的抗原を結合することが可能である。
「標的抗原」によってここで使われる、特異的に与えられた抗体または免疫グロブリンの可変部によって縛られている分子を定める。
標的抗原は、タンパク、炭水化物、リピドまたは他の化学化合物であってもよい。
【0183】
適切なテストの選択は、所望の用途に依る。
実質的には、いかなるテスト(例えば膜タンパク質)も、目標とされることができる成るしかし、RhDテストへの特急列車でなく、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD25、CD28、CD32B、CD33、CD38、CD40、CD44、CD52、CD71 (トランスフェリン・リセプタ)、CD80、CD86、CTLA-4、CD147、CD160、CD224、リセプタErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4(EGFR、HER2/neu、HER3、HER4)、VEGF-R1、VEGF-R2、IGF-FM 1つのPIGF-RのErbB科へのそれらの私有物のような生長因子レセプタ、
MHC綱IおよびMHC綱Il分子(例えばHLA-DR、IL-1 Rのようなインターロイキンレセプタ、IL-2Rα)IL-2RβおよびIL-2Rガンマ、IL-6R、Mのようなホルモンレセプタ?llerianの抑制する物質型Ilリセプタ、LDLリセプタ、NKp44L、CXCR4およびCCR5のようなchemokineリセプタ、インテグリン、CD2のような接着分子、ICAM、EpCAM。
膜タンパク質も、GD2、GD3、CA125、MUC-1、MUC-16のような腫瘍マーカーを含む、carcinoembrionicなテスト(CEA)、Tn、グリコプロテイン72、PSMA、HMW-MAA。
本発明の抗体は、また、サイトカインに特急列車以外のを含む可溶タンパクを目標とすることができないchemokinesに、成育因子はVEGF-Aが好きである、(たとえばIL-1β、IL-2、IL-6、IL-12、IL-23、TGFベータ、TNFα、IFNガンマ)EGF、PIGF、PDGF、IGF、ホルモン、細菌毒素および他のボツリヌス毒素のようなオリ遺伝子、リシン、B.のトキシンanthracis感染防御抗原、B. anthracis致死因子、B. anthacis水腫因子、shigatoxins 1および2(異なるウィルスからのウイルス性テスト)例えばFVIII阻害抗体を含む病原ウイルス(阻害抗体)。
【0184】
好ましい実施例において、本発明の変異株は、CD20を目標とすることができる。
この場合、親ポリペチドは、以下から選択されることができる:EMAB6またはEMAB603(WO2006064121参照)(RITUXIMAB(Rituxan?(IDEC/ジェネンテク/ロシュ)))(特許文献24参照)、例えば、引用したものとする全体として)、HUMAX.ctheta.-CD20(全体として引用したものとする特許文献25に記載されている)AME-133(Molecular Evolutionを加えた)(hA20(Immunomedics社))HumaLYM(Intracel)、そして、PRO70769‖(特許文献26(「免疫グロブリン変異株およびUses Thereof」と名付けられる)全体として引用したものとする)。
【特許文献24】米国特許第5,736,137号明細書
【特許文献25】米国特許第5,500,362号明細書
【特許文献26】国際特許出願第PCT/US2003/040426号
【0185】
他の実施例において、本発明の変異株は、RhDテストを目標とすることができる。この場合、親ポリペチドは、EMAB2(FR 03 12 229を参照のこと)(SymOOI(Symphogen A/S)またはMonoRho(ZLB(チューリッヒ)))から選択されることができる。
【0186】
親ポリペチドはAvastin(登録商標)、抗VEGF、Remicade(登録商標)、抗TNF-α、Erbitux(登録商標)、Vectibix(登録商標)、抗EGFR、Tysabri(登録商標)、integrineの抗α4鎖、Herceptin(登録商標)、抗HER2/neuでもよい。これらに限定さるものではない。
【特許文献27】フランス特許第FR 03 12 229号公報
【0187】
本出願も、いろいろな周知の治療として関連した性状から選択される他の最適化された性状と組み合わせられるFcRnに対する結合性が増加したを表示する変異株を提供する。
最適化されることができる最も好適な性状は、インビボでの半減期である。
増加するインビボでの半減期を表示するために、変異株はより低いpH(例えばエンドソームと関連があるpH)で、増加する結合能をFcRnに示さなければならない例えばpH 6.0より高いpH(例えば7.4.)で減少する親和性を維持すると共に、通常の解除速度以外のエンドソームに増加する結合をFcRnに許す(非特許文献53);
【非特許文献53】Dall'Acqua et al., 2002, J. Immunol. 169: 5171-5180
【非特許文献54】Gurbaxani et al., 2006, MoI Immunol. 43(9):1462-73)
【0188】
同様に、結合しているこの種の調整されたFcRnを有するこれらの変異株は、選択的に他の望ましい性状を有することができる、例えば、結合しているFc.γ.Rを調整した。
1つの追加の実施例において、変異株はヒト・アクティブにしているFc.γ.Rのための改良された親和性を所有するために最適化される、好ましくはプロフィルを結合しているFcRnに加えてFc.γ.Rllla。代替の実施例において、変異株はFcRnのための親和性を増やして、ヒトFc.γ.Rのための親和性を増減したために最適化される、特急列車以外のFcγRI、FcγRlla、FcγRllb、FcγRllcおよびFcγRlllbにそれらのallelicな変異を含むことを含まないこと。
【0189】
別の実施例において、本発明の変異株は、選択的に増加する漿液半減期と同様に(または減少したこと)エフェクタ機能を増やすことができた。特に好ましい実施例において、本発明の変異株は、ADCC活性を増やすことができておよび/または増加する漿液半減期と同様にそのポリペチド親と比べて、Fc.γ.Rに結合することを増やした。
他の実施例において、本発明の変異株は、そのポリペチド親と比べて、更に増加するCDC活性を有することができる。
【0190】
変異株は、広範囲にわたる生成物の使用を見つけることができる。実施例において、変異株がある‖治療の(症候)または調査試薬、好ましくは治療の。
【0191】
それらがFcRnに対する結合性が増加したを表示するので、本発明の異なるものはより長いインビボでの半減期(それらの親ポリペチドより長いより正確にインビボでの漿液半減期)を有するために予期される。結果として、親ポリペチドが置換するように、親ポリペチドが循環血液からあまりに速くきれいにされるときに、この種の変異株は役に立つ用途を有するまたは、なぜならば、長い半減期活性原理を必要とする慢性であるか長期的な病気の治療の使用。
【0192】
変異株が抗体の群の中から選択されるときに、それらはモノクローナルであるかポリクローン性である抗体組成物の使用を見つけることができる。
好ましい実施例の前記標的抗原を運ぶ的状赤血球を殺すために用いる抗体変異株アール(例えば癌細胞)。代替の実施例において、変異株はブロックに慣れているか、敵対行動をとるかまたは標的抗原を苦しめる、例えば、バクテリアまたはウィルスのような感染因子またはトキシン(例えば細菌毒素)を中和するために、サイトカインまたはサイトカイン受容体に敵対するための。かわるがわるに好ましい実施例において、変異株はブロックに慣れていて、敵対してまたは標的抗原を苦しめて、標的抗原を運ぶ的状赤血球を殺す。
【0193】
好ましい実施例において、異なる抗体は、antibody-relatedされた無秩序を治療するために患者に与えられる。本発明の目的のための「患者」は、ヒトおよび他の動物(好ましくは哺乳類および最も好ましくはヒト)を含む。によって「抗体は、無秩序を話した」、または、「抗体応答する無秩序」または「条件」、または、「病気」がここで意味される‖本発明の変異株から成っている医薬品組成物の投与によって改良されることができる無秩序。抗体関連した無秩序は、自己免疫性疾患、免疫学的疾患、感染症、炎症性疾患、神経学上の病気を含むが、これに限定されるものではない、痛覚、肺の病気、hematologicalな条件、fibroticな条件およびoncologicalなおよび腫瘍疾患含んでいるガン。
【0194】
「ガン」によって、そして、ここで「ガンの」無秩序な細胞発育によって典型的に特徴づけられる哺乳類の生理的な条件を言及してまたは記載されている。
ガンの例は、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫(脂肪肉腫を含むこと)を含むが、これに限定されるものではない、神経内分泌腫瘍、中皮腫、schwanoma、髄膜腫、腺癌、メラノーマおよび白血病およびリンパ性悪性。治療されることができる他の条件は、リウマチ様関節炎、若年性慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、Sjorgrenの病気を含むが、これに限定されるものではない、多発性硬化症、強直性脊椎炎、喘息、アレルギーおよびallergenic条件、移植片対宿主疾患、など。
【0195】
更なる本発明の目的が、医薬品組成物を提供するために成っている‖前記変異株。前記処方純度の所望の度を有するポリペチド変異株を混ぜることによって調製されるアールオプションの生理的に許容範囲内である薬学的に許容範囲内である担体、賦形剤または凍結乾燥された処方または水溶液の形の安定化剤を有する。
(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed., 1980が、引例によって全体としてここで結合した)。この種の医薬品組成物は、困っている時の患者を治療することを前もって別になっている。
【0196】
困っている時の患者を治療するために、変異株の治療として効果的な供与量は、管理されることができる。それが管理される効果を生産する供与量は、「治療として有効量」によってここで意味される。正確な供与量は、治療の目的に依って、公知のテクニックを使用している当業者によって確かめられる。供与量が、0.001から100mg/kgのボディー重量まで変動することができる‖以上、例えば0.1、1.0、10または50mg/kgのボディー重量、1〜10mg/むしろ好まれているkgを有する。
局所化された出産対完全長の技術(タンパク劣化のための適応)では周知のように、そして、加齢、ボディー重量、公衆衛生、性、食餌、投与の時間と同じ、新しいプロテアーゼ合成の速度条件の医薬品相互作用および厳しさは、必要でもよい、そして、ルーチン実験については当業者によって確かめられる。
【0197】
変異株から成っている組成物がいろいろな方法でされることができる医薬品の投与、しかし、特急列車でなく、口頭で、皮下に、静脈内に、ために非経口的にintraorticallyに、鼻腔内に、直腸に、鞘状に、topicallyに、transdermal^をintraocularlyする(例えばゲル、慰安、化粧水、クリーム、その他)、intramuscularlyに、intraperitoneal^ intrapulmonaryに。
【0198】
治療の記載されているここで他の治療学を有する付随して管理するすなわち、ここで記載されている治療学がもう一方については治療または治療学を例えばco-administeredされることができて小分子(他の生物学的製剤)照射治療、外科、その他
【0199】
他の本発明の目的は、本発明の変異株をコードする単離された核酸を提供することである。最もたびたび、親ポリペチドをコードするデオキシリボ核酸は、利用できるかまたは得られることができる。従って、利子の変異株をコードするデオキシリボ核酸は、従来技術において公知のいろいろな方法のおかげで、親ポリペチドをコードするデオキシリボ核酸を変えることによって発生されることができる。これらの方法は、部位特異的突然変異、ランダムな突然変異生成、PCR突然変異生成およびカセット突然変異生成を含むが、これに限定されるものではない。アミノ酸置換は、好ましくは部位特異的突然変異によって製造する(Zoller and Smith, 1982, Nucl. Acids Res. 10:6487-6500; Kunkel, 1985, Proc. Natl. Acad. Sci USA82:488を参照のこと、例えば、それは全体として本願明細書に引用したものとする)。
【0200】
あるいはまたは加えて、ポリペチド変異株をコードする所望のアミノ酸配列は、決定されることができて、したがって、syntheticallyに従来技術のウエル-公知の方法によって発生されることができる。
【0201】
それらのコードする核酸が得られる。一旦、そうすると、本発明の変異株はいかなる公知技術である方法によっても製造することができる。実施例において、異なる配列(例えばIgG変異株配列)は構成メンバ配列をコード化する核酸をつくるために用いる、そして、それはそれから宿主細胞にクローンされることができて、発現されることができて、希望する場合、分析されることができる。使用を発見することができる周知の手順を使用することによって実行されるこれらの実行アールおよびいろいろな方法が非特許文献53および非特許文献54に記載されている。これらの内容は本発明の一部を成す。
【非特許文献53】Molecular Cloning - A Laboratory Manual, 3rd Ed. (Maniatis, Cold SPRing Harbor Laboratory Press, New York, 2001
【非特許文献54】Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley & Sons)
【0202】
変異株をコード化する核酸は、タンパクを発現するために発現ベクターに組み込まれることができる。発現ベクターは、典型的に以下を含む:機能の類縁において、いかなる合着も組むコントロールまたは調節配列(選択可能なマーカー)についてはすなわち、置かれて、タンパクが使用可能な状態でつながった‖および/または添加元素。本発明の変異株(例えばIgG変異株)が、核酸については変形する宿主細胞を培養することによって生じることができる、好ましくは、該当する条件でタンパクの発現を誘発するかまたは引き起こすために変異株をコードする核酸を含んで、発現ベクター。特急列車以外の哺乳動物にセル、バクテリア、昆虫セルおよびイーストを含まなくて、多種多様な該当するホスト細胞系が、使われることができる。例えば、使用を見つけることができるいろいろな哺乳動物細胞系は、ATCC細胞系カタログに記載されている、アメリカのType Culture Collectionから入手可能な。
【0203】
宿主細胞が、あってもよい、しかし、制限する(YB2/0(YB2/3HL.P2.GII.IGAg.2Oセル、アメリカのType Culture Collectionへの鉱床、ATCC番号CRL-1662))SP2/0、YE2/0、1つのR983F、Namalwa、PERC6、CHO細胞ライン、特にCHO-K-1、CHO-LeclO、CHO-Lecl、CHO-Lecl3、CHO Pro-5、CHO dhfr-、Wil-2、Jurkat、Vero、Molt-4、COS-7、293-HEK、BHK、KGH6、NSO、SP0分の2-Ag 14、P3X63Ag8.653、C127、JC、LA7、ZR-45-30、hTERT、NM2C5、UACC-812など。外部性核酸を宿主細胞にもたらす方法は、公知技術で、使われる宿主細胞によって変化する。本発明の好ましい実施例において、変異株はYB2/0のセルにおいて発現されて、抗CD20抗体または抗RhD抗体である。
【0204】
それに加えて、本発明の変異株が、トランスジェニックヒト外の動物またはトランスジェニック植物によって生じることができる。また、トランスジェニックヒト外の動物は、受精卵に所望の遺伝子を直接注入することによって得られることができる(非特許文献55)。
【非特許文献55】Gordon et a/., 1980 Proc Natl Acad Sci U S A.;77:7380-4
【0205】
トランスジェニックヒト外の動物は、ハツカネズミ、ウサギ、ラット、ヤギ、ウシ、ウシまたは鳥、などを含む。所望の遺伝子を有するトランスジェニックヒト外の動物は、以下によって得られることができる:所望の遺伝子を胎生期幹細胞にもたらすこと、そして、会合キメラ方法または注入キメラ方法によって動物を調製すること(非特許文献56、非特許文献57)。胎生期幹細胞の例は、ハツカネズミの胎生期幹細胞を含む(非特許文献58)、ラット、ヤギ、ウサギ、サル、鳥、ウシなど。それに加えて、トランスジェニックヒト外の動物は、また、クローンのテクニックを使用して調製されることができる所望の遺伝子が導かれる細胞核は、どれにおいて細胞核を取り除かれた卵子に移住させられるか(非特許文献59)。
【非特許文献56】Manipulating the Mouse Embryo, A Laboratory Manual, Second edition, Cold SPRing Harbor Laboratory Press (1994);
【非特許文献57】Gene Targeting, A Practical Approach, IRL Press at Oxford University Press (1993)
【非特許文献58】Evans and Kaufman, 1981 , Nature; 292: 154-156
【非特許文献59】Ryan et aL, 1997 Science; 278: 873 - 876
【非特許文献60】Cibelli et_a/., 1998 Science, 280 : 1256-1258
【0206】
ポリペチド変異株が、上記の方法によってこのことにより動物の異なる分子を形成して、累積するために調製される動物に、異なる分子をコードするデオキシリボ核酸を導くことによって生じることができる、そうすると、動物からポリペチド変異株を集めること。ポリペチド変異株は、形成されるために実行されることができて、乳汁(動物の卵子等)において累積されることができる。
【0207】
本発明の別の目的は、方法を最適化された変異株であるFc変異株を識別するために提供することであるすなわち、それは対応する野性-型Fc領域と比べて、Fcリガンドのための増加する結合を有する。
次の工程から成っている前記方法:
(i) 核酸の発現によってFc変異株を生産しているFc変異株
(ii)をコードする一組の核酸から成っている核酸ライブラリを発生することは、中で成った‖前記ライブラリ
(iii) 段階(ii)(Fcリガンドに結合することが可能であるそれら)において生じるFc変異株の中で選ぶこと
(iv) Fc変異株の結合する性状を測定することは、Fcリガンドのための1つのFcコントロールの段階(iii)およびそれにおいて選んだ、そして、
(v) Fcリガンドのための増加する結合を表示するFc変異株を選ぶ前記Fcコントロール
【0208】
核酸一次構造が、中で成った。
【0209】
前記核酸ライブラリ・リボゾームリボ核酸またはデオキシリボ核酸にあることができる。好ましい実施例の前記ライブラリFc変異株をコードするDNAの塩基配列を成る。Fcコントロールは、等しいFcリガンドのための性状を結合することを有する野生型Fc領域から成っている基および公知のFc変異株から選択されるかまたは野生型Fcのそれより高い。
【0210】
Fcリガンドは、FcRnおよびFc.γ.レセプターs(制限的でないリスト)から選択されることができる。
【0211】
実施例において、Fc変異株をコード化するライブラリの核酸は、野生型FcのためのDNAの塩基配列符号化を変えることによって発生されることができる。
ここで使用しているように、そばに、「核酸一次構造を変える」突然変異(例えば挿入、欠失または与えられた核酸一次構造のヌクレオチドの置換)のはじめにを定める。この種の突然変異は、従来技術の周知の方法によって実行されることができる。
これらの方法は、ランダムな突然変異生成、部位特異的突然変異、PCR突然変異生成およびカセット突然変異生成を含むが、これに限定されるものではない。
【0212】
好ましい実施例において、ライブラリはランダムな突然変異生成によって一つ以上の低い忠実度DNAポリメラーゼの使用に基づいて発生される。
この種のランダムな突然変異生成は、全体として引用したものとする特許協力条約出願WO0238756に記載されている。それゆえに、ライブラリは1つの一つのRNA依存性DNAポリメラーゼについては発生される副ライブラリの混合または材料にて説明したように、RNA依存性DNAポリメラーゼおよび本出願の例の方法一部の指定された化合によって発生されることができる。
【特許文献27】国際特許第WO0238756号公報
【0213】
他の実施例の前記ライブラリがabove-言及された方法のうちの1つを使用しているプレ最適化されたFc変異株のプールのためのDNAの塩基配列符号化を変えて発生される核酸。ランダムな突然変異生成が、好ましくは使われる。プレ最適化されたFc変異株は、少なくとも一つのアミノ酸突然変異から成って、Fcリガンドのための増加する結合を表示するFc変異株である野生型Fcと比較すると。Pre-optimizedされたFc変異株が、野生型Fcと比べて、好ましくは1〜4のアミノ酸突然変異を有する。この種のプレ最適化されたFc変異株は、野生型Fcの突然変異によって発生されるライブラリのスクリーニングから得られることができる。
それらも、従来技術に記載されているFc変異株と称する(本出願の第1の一部が関連技術の説明に捧げた上記は、例のために見える)。より好ましくは、約2から約100のプレ最適化された変異株まで、プレ最適化されたFc変異株のプールは、いくつかのポリペチドから成る。
【0214】
プレ最適化された変異株から発生されるライブラリは、選択されたより最適化されたFcに変異株を可能にする。図のために、この種のライブラリのスクリーニングから選択される最高のFc変異株の結合能を示す本出願の表5を参照のこと。
【0215】
Fc変異株の発現が宿主細胞を使用している周知の方法によって実行されることができるi.eが以前に記述した段階(ii)。好ましい実施例において、Fcライブラリは、外観は標準手順(Smith, Science, 1985, 228: 1315を参照のこと)を使用しているファージ(ファージ表示)の発現される。
【非特許文献61】Smith, Science, 1985, 228: 1315
【0216】
段階(iii)は、以下によって実行されることができる:
Fc変異株-Fcリガンド錯体を発生すること、そうすると、結合したFc変異株を束縛を解かれたFc変異株から切り離すこと。この分離段階を実行するために、Fcリガンドは、固体担体に有利には固定されることができるかまたは固体担体に段階(iii)のプロセスの間、固定されることが可能でなければならない。この種の手順の例は、本出願の実施例 1に記載されている。段階(iii)が、好ましくは選抜のいくつかの円から成る‖それ‖最も効果的なFcリガンド(実施例 2は、図のために見える)を識別する可能にする。
【0217】
段階(iv)において、FcリガンドのためのFc変異株の結合する性状は、従来技術の周知の方法によって評価されることができる。
例えば、当業者は該当するELISAを実行することができる。
その特定の信号が少なくともFc親のそれより強い1.2-倍である場合、変異株は選択される。
該当するELISAアッセイは、単離されたFcにまたは例Ilにて図示したように、ファージに、そして、本出願の例IVにおいて表示されるFcに実行されることができる。
【0218】
選択肢としてまたは確認目的のために、当業者は本出願の例IVにて図示したように、Surface Plasmon Resonance (SPR)実験を使用している解離定数を決定することができる。
変異株が解離定数を有する場合、3-折り目がそれからそれからFc親のそれを下げて前記変異株段階(v)の選ぶ。
【0219】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0220】
実施例1
Fc-WiId-型と比較してFcRnに対する結合性が増加するするFc変異株の同定と、その変異株の結合性の特徴付け
I.材料と方法
I.1 ヒトFcRnの発現および精製
バクロウイルス系を使用して可溶性ヒトFcRnの発現を非特許文献62に記載のGTP Technology(Labege、フランス)によって実行した。
【非特許文献62】Popov et al., MoI. Immunol. 33:521 -530 (1996)
【0221】
TEV配列および6×ポリヒスチジンのタグを用いてリーダーペプチドおよび細胞外領域(コードン1-290)をコードするα鎖相補DNAにタグを付けた。誘導体のα-鎖およびβ2ミクログロブリン鎖はP10およびpolyhedrineプロモータの下にpFastBacDualにクローンした。非オチニル化(biotinylated)したバージョンのFcRn(FcRn-biot)はFluoReporter(登録商標)Biotin-XX Protein Labeling Kit F2610(分子プローブ)を用い、メーカのプロトコルに従って化学的カップリングで作った。さらに、β2ミクログロブリン鎖を含み、α-連鎖がファージp3タンパクおよびCVDEタンパクのアミノ末端部に溶合した融合タンパクも作った(FcRn-p3)。IgG-セファロースおよびIMAC精製段階後に純度が90%以上の純粋なタンパクが得られた。
【0222】
I.2. Fc遺伝子の構築
Fcポリペチド(ヒトIgG1重鎖(SEQ番号1) (Poul MA et al., Eur. J. Immunol. 25(7):2005-2009 (1995)に由来するアミノ酸残基226-447(KabatでのEUインデックス)をコードするヒトFcライブラリを標準的なPCRを用いてBamHI/EcoRI断片としてのファージミドベクターpMG58(pMG58_Fc226(図1))にクローンした。このベクターは[図1]に示した。複数の完全にランダム化したライブラリはMUTAGEN(登録商標)(特許文献28)を使用して作った。これは低忠実度のヒトDNAポリメラーゼ(ムターゼ)を用いて標的配列全体に突然変異を均一かつランダムに導入する方法である。
【特許文献28】国際特許第WO0238756号公報
【0223】
互いに異なる条件で相補突然変異パターンを作るため3つの別々のムターゼ(polβ、polηおよびpolι)を使用した。これらのヒトポリメラーゼは公知の方法(非特許文献62、63)で製造し、精製した。
【非特許文献62】Mondon et al., Biotechnol J. 2: 76-82 (2007)
【非特許文献63】Emond et al. Protein Eng. Des. SeI. 21 : 267-274(2008)
【0224】
I.2a ムータジエンプロセス(登録商標)を用いた突然変異生成
ヒトFc遺伝子(Fc遺伝子)を5'−プライマMG_619:5'-AGTACTGACTCTACCTAGGATCCTGCCCACCGTGCS−3'(SEQ ID番号5)および3'−プライマMG_621:5'-ACTGCTCGATGTCCGTACTATGCGGCCGCGAATTC-3'(SEQ ID番号6)を使用しているムターゼでダブル複製した(BamHIおよびEcoRI制限サイトには下線を引いた。イタリック部は非特異性テイルに対応する)。0.6.μgの鋳型としてのpMG58_Fc226プラスミド(Mut1ライブラリ用の野生型FcまたはMut2ライブラリ用のFc変異株)と、プライマMG_619およびMG_621(それぞれ25OnM)と、適切な複製緩衝液(下記に詳述)とを含む混合物を95℃で5分間処理した後、直ちに4℃まで冷却してDNA鎖の特性を変性させる。Polβの場合の複製緩衝液は5OmMトリスHCl pH 8.8、1OmM-MgCl2、1OmM-KCl、1mM-DTTおよび1%(v/v)グリセリンである。polη(またはpolηおよびpolι) 場合の複製緩衝液は25mMトリスHCl pH 7.2、5mM-MgCl2、1OmM-KCl、1mM-DTTおよび2.5%(v/v)グリセリンである。変性段階後、突然変異誘発性複製を50μM dATP/dCTP、100μM dTTP/dGTPおよび1μgのpolβまたは100μM dNTPs、1μgのpolη(またはpolηおよびpolι、各1μgのムターゼ)を加えて行った。複製反応は37℃で2時間行った。それから複製生成物を脱塩し、ミクロコムカラム(ミリポア)で濃縮したに濃縮した。
【0225】
l.2.b 変異断片の選択的増幅およびクローン化
上記で得られた複製生成物はテイルプライマを用いた選択的PCRによって増幅した。プライマ(MG_619およびMG_621)はムターゼによって合成されるDNA断片の特異的増幅ができるように鋳型に非相補であるテイルを用いて設計した。PCR緩衝液(2OmM Tris-HCl pH 8.4、5OmM KCl)、1.5mM MgCl2、10pmolの5'および3'プライマ、200μμM-dNTPsおよび1.25 U Platinum Taq DNAポリメラーゼ(InvitroGen)を含む混合物に複製生成物画分を加えた。PCRサイクルは以下のとおり:第1サイクル:94℃で2分、64℃で10秒、75℃で30秒、94℃で1分、および30の選択サイクル:94℃で20秒および75℃で30秒。
【0226】
増幅された複製生成物は(w/v)1%アガロースゲルで精製し、BamHIおよびEcoRI限定酵素で消化し、pMG58ベクターにクローンした。ライゲーション混合物を電気競合性(electrocompetent)のE. coll XL1-Blue細胞にトランスホームし、100μg/mlのアンピシリンおよび1%(w/v)グルコースを補った固体2YT培地(16g/5g lペプトン、10g/l酵母エキス、5g/l NaCl、15g/l寒天)に塗布した。成長後、コロニー数を求め、ライブラリの寸法を見積り、各ライブラリ当たり96クローンをランダムにPCRし、高速DNA塩基配列決定した。15%グリセリンを含む2YT培地に細胞を掻き取り、凍結し、-80℃に維持した。
【0227】
第1ラウンドの突然変異生成およびスクリーニング(MS1)で4つの異なるライブラリを構築した。第1のライブラリは3.2×106クローンを含む野生型Fc遺伝子上でのpolβを使用して得た(Mut1.1と呼ぶ)。この第1のライブラリのDNAを用い、polβ(3.8×106クローン(Mut1.2))およびpolηおよびi(3.0×106クローン(Mut1.3))をそれぞれ使用して第2および第3のライブラリを作った。この2累積複製段階戦略で突然変異率を増やすことができる。第4のライブラリは野生型Fc遺伝子(1.0×106クローン、Mut1.4)のみでポリメラーゼηで作った。最後に、これらの4つのライブラリを正比例で混合して、1.1×107の異なるクローンを表すMut1とよばれる最終ライブラリを得る。
【0228】
第2ラウンドの突然変異生成およびスクリーニング(MS2)ではMS1で単離し、ファージELISAでFcRn-接合性を改良した42の単一変異またはダブル変異体のDNAプールを用いて2つのライブラリを構築した。第1のライブラリはpolβ(1.9×107クローン、Mut2.1)で得られ、第2のライブラリはpolη(1×106クローン、Mut2.2)で得られた。最後に、これらの2つのライブラリを正比例で混合して2×107の異なるクローンを表すMut2とよばれる最終ライブラリを得た。
【0229】
I.2.c シークエンシングによるFcライブラリの品質管理
上記で作った各ライブラリの品質を細胞上のPCRで査定した。Fc遺伝子(5'−プライマ、5'-CAGGAAACAGCTATGACC-3'(SEQ ID番号7)および3'−プライマ、5'-TCACGTGCAAAAGCAGCGGC-3'(SEQ ID 番号8)を増幅し、高速シークエンシングした(5'−プライマ、5'-TGATTACGCCAAGCTTGC-3'(SEQ ID 番号9)。各ライブラリからランダムに採った96のクローン配列を(Mut1.4〜Mut1.1、Mut2.2〜Mut2.1)を決定した。最後に、プールしたライブラリMut1の35のクローンとプールしたライブラリMut2の86のクローンもシークエンシングして選択プロセスの前に最終ライブラリの品質を制御した。
【0230】
変異した配列の変更を上記のソフトウェア(Mutanalyse 2.5のソフトウェアからFc分子に適応させたMilleGen社のMutanalyse4)(Mondon et al., Biotechnol J. 2: 76-82、2007)を使用して分析した)。この解析から突然変異は全遺伝子に沿ってランダムに分布し、「ホットスポット」は無いことが確認された。
【0231】
Mut1の解析
Mut1ライブラリの突然変異頻度は1キロ塩基(kb)当たり6.3の突然変異であり、これは遺伝子(666nt)当たり4.2の突然変異があることを意味する。これらの突然変異の中で、81.4%は置換でり、16.8%は欠失であり、1.8%は付加であり、最後の2つのカテゴリは遺伝子にフレームシフトをさせる。フレーム中の配列だけを考慮すると、突然変異体頻度は1kb当たり4.0の突然変異であり1遺伝子当たり2.7の突然変異である(遺伝子当たり1〜6つの変化したヌクレオチド)。また、タンパクレベルでライブラリの活性部分を決定することで突然変異の解析をさらに行った。最後に、Mut1ライブラリは28.6%の野生型断片(非変異または、サイレント変異)を発現したクローン、40.0%のフレームからの配列またはストップコードン(非発現)を含むクローン、31.4%の変異した配列(Fc変異株)を有するクローンを含む。これらの最後のクローンは1分子当たり平均2.3の変化したアミノ酸を有する3.5×106の異なるクローンを含むライブラリの活性部分を表す。
【0232】
Mut2の解析
Mut2ライブラリの突然変異頻度は1キロ塩基(kb)当たり4.5の突然変異であり、これは遺伝子当たり3.0つの突然変異に壮途うする。これらの突然変異の96.3%は置換であり、3.2%は欠失であり、0.5%は付加である。フレーム中の配列だけを考慮した場合、突然変異頻度は4.3/kbであり、遺伝子当たり2.9の突然変異である(1遺伝子当たり1〜7つのヌクレオチド変化1)。Mut2ライブラリはタンパクレベルで17.4%の野生型断片(非変化またはサイレント突然変異)を発現するクローンを含み、9.3%のフレームからの配列またはストップコードン(非発現)を含むクローン、73.3%の変化した配列(Fc変異株)を有するクローンを含む。これらの最後のクローンは1分子当たり平均して1.9の変異aaを有する1.5×107の異なるクローンを含むライブラリの活性部分を有する。
【0233】
II. Fcライブラリのファージ提示発現およびFcRn改良物の選択
Fcライブラリを標準的手順(Smith GP, Science 228: 1315 (1985))を使用してファージM13の表面で発現させた。E. Mut1ライブラリ(pMG58ベクター)を含む大腸菌XL1-Blueバクテリアを、100μg/mlアンピシリン、15μg/mlテトラサイクリンおよび1%(w/v)グルコースを補った60mlの2YTでOD600nm=0.6に達するまで230回転数/分で3O℃で成長させた。それからら細胞を37℃で20分間、M13ヘルパーファージ(M13KO7、Biolabs、バクテリア/ファージ比=1/3)に感染させ、ファージFcの生産を2YT/アンピシリン/グルコース(0.5mM IPTGおよびカナマイシン30μg/ml)中で230回転数/分、26℃で一晩続けた。次の日、ファージを標準プロトコールを使用してPEG6000中に沈澱させ、1mlのリン酸緩衝液(pH6、(リン酸ナトリウム10OmM、塩化ナトリウム5OmM、pH6.0、P6をよばれる)に再懸濁させ、XL1-Blue細胞を感染させて滴定した。上記の3つの選択戦略を異なる条件を使用して適用し(図2)、1つの戦略に対して選抜を3〜8ラウンド実行した(下記参照)。
【0234】
11.1. 固相上での選択(戦略1、2)([図2A]参照)
固相選抜のために、P6/5%脱脂乳/0.1%Tween 20中で4×1011ファージをMaxisorp免疫プレートの8つのウエルで培養した。各ウエルには予め0.5μgのニュートラビジン(neutravidin)、0.5μgのビオチニル化(biotinylated)FcRn(戦略1)または0.5μgのFcRn-p3(戦略2)を塗布し、P6中の5%脱脂乳でブロックした。
37℃で2時間培養した後、ウエルをP6/0.1% Tween 20で20回洗浄し、10OμlのpH7.4のリン酸緩衝液で37℃で2時間、培養溶出した(リン酸ナトリウム10OmM、塩化ナトリウム5OmM、pH7.4)/ウエル。滴定後、溶出したファージを用いて指数的に増殖したぺXL1-Blueバクテリアを10ml 再感染させ、固体2YT培地/アンピシリン/グルコースに塗布した。次の日、細胞を15%グリセリンを含む2YT培地に掻き取り、凍結し、80℃で保存した。
【0235】
11.2. 液相での選択(戦略3)([図2B]参照)
液相での選択では最初に4×1011のファージを1mlのP6/5%脱脂乳/0.1%Tween 20中で低攪拌下に室温で1時間、25OnMまたは10OnMのビオチチル化したFcRnで培養した。予めP6中の5%脱脂乳でブロックしたストレプトアビディンで被覆した磁気ビーズ(Dynal)を室温で30分間、ファージに加えた。このファージ−ビーズ錯体を磁石を使用してP6/0.1% Tween 20で15回洗浄した(磁気粒子選鉱機(Dynal))。ファージを室温で2時間、500μlのpH7.4リン酸緩衝液(リン酸ナトリウム10OmM、塩化ナトリウム5OmM、pH 7.4)中に培養溶出した。ビーズは磁石を用して捨て、上澄中に溶出したファージを集める。滴定後、溶出したファージを用いて10mlの指数的に増殖するXL1-Blueバクテリアを再感染し、その後、固体2YT培地/アンピシリン/グルコース上に塗布した。次の日、細胞を15%グリセリンで2YT培地に掻き取り、凍結し、次の選択ラウンドまで-80℃でストックした。
【0236】
11.3. 配列解析
スクリーニング・プロセス(MS1およびMS2)では、各戦略のために、ラウンド3〜8から、48〜96のクローンを細胞のPCR(l.2-cで説明)後、配列決定した。配列解析は選択したFc変異株を迅速に分析するために内部開発しMilleGen社のソフトウェアAnalyseFcを使用して実行した。Fc変異株はそれを単離した選択ラウンドに従って名前を付けた(Mut1スクリーニング用:戦略1用にはB3A〜B6A、戦略2用にはS3〜S6A、戦略3用にはL3A/B〜L6A-F、Mut2スクリーニング用には戦略1用にC3A〜C8A、戦略2用にT3A 〜T8A、戦略3用にM3A/B)。数(1〜96)はシークエンシング用PCRプレート上の場所を示す。最後に全選択プロセス中に、227の異なる変異クローンをMut1のために単利し、Mut2のために223の異なる変異したクローンを単離した。これら全てのクローンはファージ−ELISAアッセイを使用して特徴付けた。
【0237】
11.4. 目標突然変異生成
MS1で単離した改良型のFc-変異株の配列解析から、多数のクローンが類似した突然変異(N434Y、N434S、P230S、P230T ...)を含むことが明らかになった。付随する突然変異の効果をs綺羅かにするために、目標突然変異生成(directed mutagenesis)を行ってこれらの突然変異を除去した。これらの新しいミュータントは親のクローンの名前の後にAまたはBを付けて命名した。61の新しいミュータントをテストした。これらのミュータントは[表1]に示す。ポジティブとみなされるこれらミュータントはファージ−ELISAアッセイでFc−WTより1.2〜2.6-倍高い特異信号を有する(下記参照)。MS2後にヒンジ領域に1つまたは2つの突然変異を加えて、標的突然変異生成によっていくつかの新しいミュータントを構築した(P230SまたはP228LまたはP228RまたはP228L/P230SまたはP228R/P230S)。これらのミュータントは親クローンの名前の後に文字(A〜G)を加えて命名した。24の新しいミュータントをテストし、[表5]に示した。
【0238】
II.5. 選択した変異株のファージELISAアッセイ(図3)
MS1、MS2で単離した変異株のファージで表された結合特性を、ウエルに塗布したFcRn-p3でELISAテストを用いpH6.0で決定した(図3)。簡単に言うと、ヘルパーファージM13K07に感染させた2YT/アンピシリングルコース中の800μl倍養液中に6-ウエルプレート上で単離したクローンとしてファージFc変異株を作った(パラグラフ3で説明した方法)。26℃で一晩かけて製造したファージを30分間300Ogで遠心分離して上澄中に回収した。この上澄をP6/5%脱脂乳/0.1%Tween 20に直接希釈(1/2および1/4)し、予め0.25μgFcRn-p3/ウエルを被覆し、P6中の5%脱脂乳でブロックしたMaxisorp 免疫プレート上でテストした。37℃で2時間培養の後、ウエルをP6/0.1%Tween-20で3回洗浄し、結合したファージをHRP抗M13抗体(GE Healthcare)で検出した。
【0239】
このELISAテストを用いて、MS1中に選択した227Fc変異株を野生型Fc(Fc−WT)およびポジティブ対照と比較するテストを行った。ポジティブ対照(Fc−H変異株という)はダブル突然変異体T250Q/M428Lで、FcRnに対する親和性が改良されたものと記載されいる(x28, Hinton PR et al., J. Biol. Chem. 279(8): 6213-6216 (2004))。この変異株を突然変異コードンと制限サイトとを有する下記の2つの長いオリゴヌクレオチドを用いて標的なPCRプロトコルでジェネレートした:
5'プライマ5'-CGGGATCCTGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTC CTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACCAACTCATGATCTCCCGGAC-3'(SEQ ID NO:10)
5'プライマ5'-GCGAATTCTTTACCCGGAGACAGGGAGAGGCTCTTCTGCGTGTAGTG GTTGTGCAGAGCCTCATGCAGCACGGAGCATGAGAAG-3'(SEQ ID NO:1 1)
(BamHIおよびEcoRI/制限サイトには下線を引いた。灰色は突然変異コードンに対応する)
【0240】
ファージELISAアッセイで、Fc−H変異株は野生型FcすなわちFc−WTより平均して3.2-倍強い特定の信号(突然変異/Fc−WT比)を有し、テストした227のFc-変異株の中で、73の変異株が比/Fc−WT>3.2を示した。これはFcRnに対してFc−H変異株変異株より強い結合をすることを意味する(表2)。単一ポイントアミノ酸突然変異を有するMS1からのポジティブ変異株は野生型Fcより約1.2-倍〜3.5-倍強い特定信号を有する(表1参照)。
【0241】
【表1】

【表2−1】

【表2−2】

【0242】
MS2中に選択した223の変異株をELISAプロトコルを使用してテストしたが、同じELISAプレート上で比較するにはFc−WT信号とFc変異株の信号との相違が大き過ぎるためFc−H変異株およびMS1(S5A_41)中に単離した最高のFc変異株と比較した。テストした223のFc変異株の中で209のFc変異株はFc−Hより良く(比/Fc−H>1.1)、39のFc変異株はMS1中に単離した最高のFc変異株より良かった。各変異株をFc−WTと比較するために、各変異株の比/Fc−HにMS1中に求めたFc−H(= 3.2)の比/Fc−WTを掛けて予想比/Fc−WTを計算した(比/Fc−WT=3.2×比/Fc−H)(表3)。
【0243】
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【表3−4】

【表3−5】

【表3−6】

【表3−7】

【0244】
全体として、FcRnに対する結合性がFc−Hより良い282のFc変異株がMS1プロセスおよびMS2プロセスで単離された。これらの282のFc変異株の配列解析から分子全体に115の異なる位置で突然変異を含んでいることが明らかになった(表4)。
【0245】
【表4−1】

【表4−2】

【表4−3】

【表4−4】

【0246】
さらに、下記の16の位置は優先して突然変異される重要な位置とみなされる:C226、P230、F241、V264、T307、N315、A330、Q342、Q362、A378、E382、N389、P396、V397、N421およびN434。特に、下記の4つの位置はより優先して突然変異される最も重要な位置とみなされる:V264、N315、A378およびN434(図4)。
MS1(S5A_41)の最高変異株と比較してFcRnに対してより良い結合性を有するMS2のFc変異株を[表5]に示す。
【0247】
【表5−1】

【表5−2】

【表5−3】

【0248】
III. Fc変異株の大腸菌発現
Fc−H変異株と同じFc−WT配列およびMS1およびMS2で単離したFc変異株は、BamHIおよびE.coli制限サイトを使用してpMG58 フアージミド(ファージmid)ベクターからpMG62ベクターにサブクローン(subクローン)し、精製用のC末端6xHisタグとELISAアッセイでの検出用V5タグとを有する可溶性周辺質(periplasmic)発現ができるようにした。組換え型Fcポリペチドの生産はHB2151大腸菌株において実行した(200℃で16時間、0.5mM IPTGで誘導)。精製は標準プロトコルを用いてNi-NTA上で実行し、各ポリペチドの約200-500μgを得た。
【0249】
IV. ELISAおよび表面プラスモン共鳴(SPR)を用いたFc変異株のFcRn結合特性
IV.1. Fc_WTと比べたS5A 41、S3A 07およびFc−H変異株のFcRn結合特性
IV.1.a ELISAアッセイ
可溶性フォーマットで産生したFc変異株の結合特性をウエルを被覆したFcRn-p3でpH6.0でELISAテストを使用して決定し、Fc−WTと比較した。P6/5%脱脂乳/0.1%Tween-20に連続的に希釈した精製Fc変異株(IIIに記載)をMaxisorp 免疫プレートでテストされた。この免疫プレートは予め0.25.μgのFcRn-p3/ウエルを被覆し、P6の5%脱脂乳でブロックした。37℃で2時間培養後、ウエルをP6/0.1% Tween-20で3回洗浄し、結合したFc-変異株をHRP抗V5抗体(invitroGen)で検出した(OD450nmの測定)(図5a)。ELISAテストは、S5A_41、MS1の最高変異株およびS3A_07、Fc−H変異株に均等な変異株、Fc−H変異株で実行した。これらのELISAテストによってFc−H、S5A_41、S3A_07がFc−WTと比較してFcRnに対する結合性が改善することを確認した(図5b、図5c、び図5d)。各結合曲線ではFc−WTと比較したFc変異株の結合特性を示すために、曲線の50%飽和でのFc濃度(EC50)の測定値を用いた。得られた比から、S5A_41がFc−H変異株より良い結合剤性を示し、S3A_07がFc−H変異株に匹敵することが確認された(表6)。
【0250】
IV.I.b. SPR(表面プラスモン共鳴、Surface Plasmon Resonance)アッセイ
Fc変異株と固定されたFcRnとの相互作用をCM5センサーチップ(Biacore, GE Healthcare)を使用したBIAcore X100機器を用いてモニターした。この方法は上記でFc-FcRn相互作用を分析するために記載したものと同様である(Popov S. et al., MoI Immunol. 33(6):521 -530 (1996))。組換え型可溶性FcRnをアミン-カップリング化学を使用したセンサーチップのフローセル2にカップリングさせた。フローセルは0.1MのN-ヒドロキシスクシンイミドと0.1Mの3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル- N-エチルカルボジイミドの1:1混合物で30μl/分の流速3分間慣性化した。組み換えヒトFcRn(10mM酢酸ナトリウム中に5μg/ml、pH 5.0)を10μl/分で2〜8分間、フローセル2に注入し、結果は表面密度を1200〜1300応答単位(RU)となった。表面は1M− エタノールアミン-HCl、pH 8.5を3-分間注入してブロックした。フローセル1はFcRnを含まないコントロール(対照)として使い、同じサンプルフローセルと同様に調整した。このブランクフローセルからのデータをサンプル・データから引いた。
【0251】
Fc断片をPBS/Tween-20(50mMリン酸緩衝液、pH 6.0、150mM NaCl、0.02% NaN3、0.01% Tween-20)で希釈し、それを平衡結合実験でランニング緩衝液として使用した。全ての測定は25℃で、一般に1〜200nMのFc断片濃度で10μl/分の流速で実行した。
【0252】
データは10分間、PBSの1分-パルスで集め、表面の再生には0.05% Tween-20を含むpH 8を用いた。センサーグラム(Sensorgrams)を作り、BIAevaluationソフトウェア(バージョン3.1)を使用して分析した。各注入毎に観測された平衡RUをFc濃度に対してプロットした。BIAevaluationソフトウェアに含まれる安定状態親和性モデルを使用してプロット線を解析することによって平衡Kd値を得た。得られたるKd比から、S5A_41がFc−H変異株よりよい結合性であることと、S3A_07がFc−Hに匹敵することが確認された(表6)。
【0253】
IV.1.c 得られた結果のまとめ
表6は、 (i)ファージELISA、(ii) ELISAおよび(iii) SPRによってFc−WTと比較した変異株S5A_41、S3A_07およびFc−HのFcRn結合能力を示す。全てのケースで変異株S5A_41はFc−WTより大幅に高い能力を示した。
【0254】
【表6】

【0255】
IV.2 SPRおよびELISAによりFc_WTと比較した他のMS2変異株のFcRn結合特性
IIIuに記載の方法でMS2のいくつかのFc変異株を作った。各変異株のFcRn結合能力を上記IV.2.bおよびIV.2cに記載の(i)SPRおよび(ii) ELISAによって分析した。
【0256】
結果は図7に示した。この[表7]は(i) SPRおよび(ii) ELISAでテストした各MS2変異株で得られた結果を示す。なお、上記で得られたELISA−ファージの結果も示してある。
ELISAおよびSPRアッセイから、全てのFc変異株はFcRnに対して野生型Fcより良い結合性を示すことが示され、これはファージFc変異株でのELISAアッセイで得られた全館の結果と一致した。pH=6でのMS2変異株のKd値は5.2〜22.7nMであり、これはFc−WTと比べて親和性が1.3〜5.8倍増加することに対応する。
【0257】
【表7】

【0258】
FcRnを異なるpH結合させるFc変異株の能力もELISAアッセイで調べた。上記でテストした各Fc変異株に対してpH=6でELISAアッセイを実行した時の0.8〜1.0の範囲のOD450nmを与える濃度でELISAアッセイを実行した。実験的条件とIV.I.aに記載のものである。[表8]はこのELISAアッセイを実行するのに使用した各Fc変異株の濃度を示す。
【0259】
【表8】

【0260】
[図7]は各変異株で得れれたELISAアッセイの結果を示す。OD450 nmは、固定されたFcRnに結合したFc変異株の量に関係する(HRP抗V5抗体で結合したFc変異株を検出)。OD450 nmでの特異的信号が高い程、FcRnに対するFc-変異株の結合はより強い。
【0261】
[図7]はFcRnとFc変異株の結合がpHによって変化することを明らかに示している。予想した通り、pH 7,4でのFcRnに対するFc変異株の結合性はpH 6.0での結合と比較すると弱い。
本発明のFc変異株を得るために導入したアミノ酸変更によってpH 6.0でFcRnへの結合をFc−WTのそれと比較して大幅に増加でき、pH 7.4での結合は極めて低くしたままにすることができると結論できる。
【0262】
実施例2
Fc変異株ベースのIgG変異株の製造と、このIgGの生物学的特徴
I. IgG変異株の発現
1.1. ベクター構築
Fc変異株C6A_69;C6A_78;T5A_74;C6A_74;C6A_60およびC6-A66を、YB2/0細胞系での抗CD20特異性を用いたIgGフォーマットで調製した。比較のために、野生型Fc(IgG−WT)をベースにしたIgGも作った。
YB2/0の細胞系の生産性を最大にするために、完全長の重鎖および軽鎖cDNAおよび変異株をコードするFc断片をRattus norvegicusに対するコードン最適化で合成した。暗号スプライシングサイトや制限サイトのような不必要な特徴は除去した。、変数/恒常部結合には制限サイト(Apal)のみが存在する。
【0263】
第1段階で、YB2/0の発現のために最適化した発現ベクターCHK622-08のNhelとAsclの間で野生型重鎖をクローンして、中間の構造物HCD20-Opti-GAにした。次に、最適化した軽鎖をSpelとXbal制限サイトの間でクローンして、野性型抗CD20抗体の発現のための最終構造物HKCD20-Opti-GA(以下、IgG−WTという)にした。
Fc変異株はHKCD20-Opti-GAに存在する野生型IgG1Fc断片を適当な変異に代えることで調製した。これをApalとAscl制限サイトの間でクローンした(図8a)。
全ての断片クローニングは従来バクテリアのトランスフォーメーションの古典的な消化/ライゲーション手順で行った。発現構造物は酵素消化にPCRを加え、シークエンシングして確認した。
【0264】
1.2. 細胞培養生産
YB2/0細胞系(ATCC(CRL-1662))の5.106細胞を各発現線形ベクターと一緒にで電気穿孔し、RPMI 1640媒体+5% v/v透析FCS(InvitroGen)中に25,000細胞/mlに希釈し、1ml/ウエルで24-ウエルに分けた。3日後に細胞を回収し、ジエネティシン(geneticin)(Invitrogen)を最終0.5g/L、濃縮MTX(シグマ)を最終25mM、2ml/ウエルで加えることによって選択圧を加えた。11日間の培養後、耐性細胞は各々8つの構造物用(選択されたIgG MS2変異株、IgG−WTのコード用)に集め、DMEM媒体+5% v/v Ultra-lowIgG FCS(InvitroGen)で希釈し、0.9Lの細胞懸濁液の含む2L-ローラボトルの各々を2サイクル/分で培養する。細胞は成長し、死ぬ(4〜5日)。その前に上澄を回収し、低速度遠心して清浄し、容積を減し、Pellicon XL Filter(ミリポア)で限外濾過する。
【0265】
II. IgG変異株の精製と特徴付け
濃縮した培養上清はをHiTrapプロテインA FFカラム(GE Healthcare)に注入した。結合した抗体はpH 3.0の0.1M−クエン酸ナトリウム緩衝液で溶出させ、各画分を1mlの溶出緩衝液当たり100μlのpH 7.5の1M−トリスを使用して中和した。抗体を含む画分を集め、PBS pH 6.0で透析し、サンプルを滅菌濾過(0.22ナノメートル)し、4℃で保存した。
精製したIgGをSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で非還元性および還元性条件下で特徴付けた。クマシー青色染色(Coomassie Blue-stained) ゲルから、全ての突然変異で、IgGは95%以上の均質性で精製され、各IgGに対する特徴的な重鎖および軽鎖バンドが示された([図8]および[図8c])。
【0266】
III. IgG変異株のFcRn結合特性
FcRnへのIgG変異株の結合特性を (i) ELISAアッセイ、(ii) SPRおよび(iii) 蛍光ラベ化したRituximab(抗CD20IgG)の存在下で先端を切ったFcRnを発現するJurkat-細胞株を用いた結合競合アッセイの3つの別々のテストで決定した。
【0267】
III.1 ELISA
III.1a 材料および方法
Y2B/Oで産生したIgG変異株の結合特性をウエルに被覆したFcRn-p3でpH6.0でELISAテストを用いて決定した。比較のためにIgG−WTでもELISAアッセイを実行した。
精製したIgG変異株をP6/5%脱脂乳/0.1%Tween-20を用いて連続的に希釈し、予め0.1μgのFcRn-p3/ウエルで被覆し、P6中の5%脱脂乳でブロックしたMaxisorp 免疫プレートでテストした。37℃で2時間培養した後、ウエルをP6/0.1% Tween-20で3回洗浄し、結合したIgG変異株をHRP Fab'2ヤギ抗ヒトFab'2(Interchim)で検出した。
各IgG変異株に対して結合したFcRnの百分比をIgG-変異株の濃度(log)に対してプロットした。得られた各結合曲線で、曲線(EC50)の50%飽和に関連するIgG濃度の測定値を決定し、WT-IgGのEC50と比較した。
【0268】
III.1.b ELISAの結果
ELISAテストの結果は、産生したIgG変異株はがWT-IgGと比べて、FcRnに対する結合性か増加することを示している。この事実は結合曲線([図9]参照)およびEC50値から明らかである。
下記の[表9]に示すように、IgG-変異株のEC50は野生型IgGより少なくとも5.8-倍以下低い。最大EC50はC6A_69変異株で得られる。
【0269】
【表9】

【0270】
III.2 SPRを用いたIgG/FcRn結合親和性の測
lll.2.a 材料および方法
IgG−WTおよびIgG変異株の固定したヒト組換え型FcRnとの相互作用をBIAcore X100機器(GE Healthcare)を用いて表面プラスモン共振(SPR)検出によってモニターした。実験のプロトコルはFc変異株(パラグラフIV.2b参照)で親和性を決定するのに使用したものと同様である。
各注入で観測される平衡RUをFc濃度に対してプロットした。平衡Kd値はBIAevaluationソフトウェアに含まれる安定親和性モデルを使用してプロット線の解析によって得た。動力学的パラメータはモデル1:2で解離相と会合層のデータをグローバルフィッテングして決定した。
【0271】
lll.2.b SPRの結果
ヒトFcRnに対するIgG−WTの結合能(Kd値)は78,3nMであった。[表10]に示すように、6つのIgG変異株 Kd値は10.5〜18.8 nMで変動し、これはFcRnへの親和性がpH 6.0でのIgG−WTのそれと比べて4〜7倍増加することを示す。
【0272】
【表10】

【0273】
[表11]に示すように、WTに対するヒトFcRnへのIgG変異株の改良された親和性は主として会合キネティクス(kon値)の増加によるものである。すなわち、変異株konをWT-konで割った比は13〜23で、これはFcRnに対する変異株の親和性の大きな増加を示している。WTに対するIgG変異株のKoffof値の増加は2〜4で、これは会合にと比べて解離が弱いことを示す。
【0274】
【表11】

【0275】
III.3 Jurkat-FcRnへの結合
lll.3.a 材料および方法
IgG−WTおよび変異株のFcRnとの相互作用の能力を評価するために、Dall'Ozzo達が記載の方法(Dall'Ozzo S, Tartas S, Paintaud G, Cartron G, Colombat P, Bardos P, Watier H, Thibault G, Cancer Res., 2004 JuI 1 ;64(13):4664-9)の変形法で競合免疫蛍光法アッセイを実行した。
簡単に言うと、IgG−WTおよび変異株をPBS pH6に希釈して最終濃度を0,06〜2mg/mlにし、Alexa-共役 Rituximab(ラベル化Rituximab)の存在下で、50μg/mlの濃度でJurkat FcRn(150000セル)と一緒に培養する。20分後、細胞をフローサイトメトリで分析して、結合したAlexa-共役 Rituximabを定量する。結果は平均蛍光強度(MFI)の百分比で表される。100%は Alexa- Rituximab単独(すなわち競争なし)で得られる平均蛍光強度(MFI)であり、0%はJurkat FcRnがAlexa-共役 Rituximabと一緒に培養されなかった時の測定MFI値である。各実験は3回行った。
コントロール(対照)は(i) ラベル化なしのRituximabまたは(ii)IgG−WTの培養から成る。
【0276】
各テストしたIgGに対してMFIをIgG濃度(log)に対してプロットした。MFI信号の50%阻害を与える各テストしたIgGの濃度(IC50)を決定した。このアッセイの一般的な説明は下記特許文献12(フランス特許第FR 2 894 983号公報)にも記載されている。
【特許文献12】フランス特許第FR 2 894 983号公報
【0277】
III.3.b 実験結果
[図11]にいくつかの結果を示す。この図では本発明およびJurkatFcRnの各種変異株の結合またはRitixanを上記の「材料および方法」に記載のようにして決定し、平均蛍光強度(MFI)値で表してある。
下記の[表12]に示すように、本発明の変異株で得られるIC50はWT-IgGにで得られるそれに比べておおははに低い。本発明のIgG変異株のIC50の減少度はC6A_66を除いて40〜60-倍である。
【0278】
【表12】

【0279】
III.4 結論
FcRnへのIgG変異株の結合特性を特徴付けるために実行した3,の別々のテストは一貫した結果を与えた。全てのケースで本発明のIgG変異株はFcRnに対してIgG野生型のそれと比べて結合性か大きく増加した。
【0280】
IV. IgG変異株の機能上の特徴と、G-WTおよびLFB-R603との比
Fcγリセプタを結合するIgG変異株の能と、そのADCCおよびCDC活性をアッセイしてその生物学的機能を完全に特徴付けた。
【0281】
IV.1 hFcγRIIIAに結合するIgG変異株の結合性
IV.1a. ELISAアッセイ:固定した組換え型hFcγRIIIAに結合するIgG変異株の結合性
ヒト組換え型FcγRIIIA(F158アロタイプ)をEZ-link NHS-PEOキット(Pierce)でビオチン化し、アッセイ緩衝液(25mMトリス、150mM- NaCl、pH 7.35、0.05% Tween-20、0.1% BSA)中に1μg/mlに希釈し、react-bind(登録商標)ストレプトアビ遺伝子 ELISAプレート(Pierce)上に塗布し、室温で2時間培養した。この培養中に、5μg/mlのIgGと2μg/mlのワサビペルオキシダーゼでラベル化したF(ab')2抗ヒトF(ab')2(Jackson ImmunoResearch)とを室温で2時間混合して、緩衝液中にIgG-F(ab')2抗-F(ab')2錯体が作られる。一連の希釈をした錯体をプレートに加え、室温で2時間穏やかに振盪して培養する。プレートをアッセイ緩衝液で洗浄した後、hFcγRIIIAへ結合した錯体をTMB(Pierce)で検出した。450nmでの吸光度をプレートリーダ(Tecan)を使用して読んだ。
各IgG変異株に対して結合したFcγRIIIA(OD450nmから得られる)の百分比をIgG-変異株の濃度に対してプロットした。
[図10]に示すように、、hFcγRIIIAへのIgG変異株の結合性はhFcγRIIIAと結合しない変異株C6A_66を除いて、IgG−WTのそれと同様である。
【0282】
IV.2 ADCC活性
天然キラー細(NK細胞)は健康なドナーの抹消血液からMiltenyi社が開発したネガティブ減損法を用いて精製した。ADCCテストでは異なる濃度の抗CD20抗体の存在下で、CD20リセプタを発現するRaji株の標的細胞と一緒にNK細胞を培養する。16時間培養した後、抗CD20抗体が誘導した細胞毒性をクロマトグラフで測定し、溶解した標的細胞が開放した細胞上澄中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)と呼ばれる細胞内酵素のレベルを定量する。結果は[図12]に示してある。
特異的リーシス(溶離)の結果、リーシスパーセントが抗体濃度の関数として表される。EC50(最大細胞溶解の50%を誘発する抗体量)はPRISMソフトウェアを使用して計算した。対照実験は (i) Rituximab、(ii) Y2/0細胞およびLFB-R603中に産生されるWT−IgGを用いて実行した。LFB-R603がADDC機能を有する抗CD20抗体であることは下記文献の記載の通り公知である:de Romeuf et al. in 2004 (de RomeuFc, Dutertre CA, Le Garff-Tavernier M, Fournier N, Gaucher C, Glacet A, Jorieux S, Bihoreau N, Behrens CK, Beliard R, Vieillard V, Cazin B, Bourel D, Prost JF, Teillaud JL, Merle-Beral H。すなわち、慢性リンパ球白血病細胞はFcγRIIIA/CD16の改良のために選択した抗CD20モノクローナル抗体で能率的に殺される:Br J Haematol. 2008 Mar;140(6):635-43)。また、特許文献13(国際特許第W02006/064121号公報)にも記載されている。
【0283】
[表13]は各変異株のEC50とLFB-R603およびWT-IgGと比較したIgG変異株のADCC機能を示している。全てのIgG変異株は、C6A_66変異株を除いて、ADCC活性を示す。C6A_66変異株はADCC活性がなく、それはFcγRIIIに対する極めて低い親和性と一致している。
C6A_69、C6A_60およびC6A_74はIgG−WTと比べてADCC活性が増加する点に注意する必要がある。他の変異株(すなわちC6A_78およびT5A_75)はIgG−WTのそれと同様なADCC活性を有する。
【0284】
【表13】

【0285】
IV.3 CDC活性
こここでは、標的CD20+Raji株の細胞を、補助ソースとしてのベビー・ウサギ漿液(Cedarlane参照番号CL3441、希釈度1/10)の存在下で、抗CD20抗体の異なる濃度(0〜5000ng/ml)で培養した。37℃で1時間培養後、溶解した標的細胞によって上澄中に開放されたLDHの量をクロマトグラフ (Roche Applied Sciences Cytotoxicity Detection Kit)で測定し、抗体を介した補体依存性細胞毒性を定量した。結果は細胞溶解の百分比で表しした。EC50(最大細胞溶解の50%を誘発する抗体量)およびEmax(最大細胞溶解百分比)はPRISMソフトウェアを使用して計算した。
[表14]は各変異株で得られたEmaxおよびEC50を示す。CDC活性レベルはIgG変異株によって変化する。C6A_78およびC6A_60はIgG−WTよりかなり高いCDC活性を示す。C6A_69、T5_74およびC6A_66のCDC活性は低い。C6A_74変異株のCDC活性はIgG−WTと同様である。
【0286】
【表14】

【0287】
IV.3 結論
Y2B/0細胞株が産生する組み換え型の6つの本発明のIgG変異株はIgG−WTと比べてFcRnリセプタに対して結合性が増加する(同じ宿主細胞で同じ条件下で)。
本発明のIgG変異株は、FcgRIIIとに少なくとも同じ結合能を有し、IgG−WTと少なくとも同じADCC活性を有するする(但し、FcgRIIIに対する親和性が悪いC6AA_66は除く)。
IgG変異株は別々のCDC活性を示す。
いくつかの観点から、本発明によるアミノ酸変更によって対応する親IgG(例えばIgG−WT)と少なくとも同様な一つ以上のFcエフェクタ活性を有するし、FcRnに対する結合性が増加したIgG変異株を得ることができる。
別の観点から、本発明のアミノ酸変更によって、例えばCDCまたはADCCのような少なくとも一つの減少したFcエフェクタ活性を有する、FcRnに対する結合性が増加したIgG変異株を得ることができる。
[表15]は本研究のIgG変異株に関する主たる結論を示している。
【0288】
【表15】

【0289】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
親ポリペチドに比べてFcRnに対する結合性が増加し、Fc領域に少なくとも2つのアミノ酸の変異を有する、親ポリペチドの変異株であって、上記の少なくとも2つのアミノ酸の変異がFc領域の下記変移から成ることを特徴とする変異株:
(i) 378V、378T、434Yおよび434Sから成る群の中から選択される1つのアミノ酸変異と、
(ii) 226G、P228L、P228R、230S、230T、230L、241L、264E、307P、315D、330V、362R、378V、378T、389T、389K、434Yおよび434Sから成る群の中から選択され少なくとも1つのアミノ酸変異、
(ただし、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatのEUインデックスでの数え方であり、(i)の変異は(ii)の変異と同じアミノ酸位置では起こらない)
【請求項2】
上記変異株が親ポリペチドと比較してFc領域の下記の群の中から選択されるアミノ酸変異の少なくとも一つの組合せを有する請求項1に記載の変異株:226G/315D/434Y、230S/315D/434Y、230T/315D/434Y、230T/264E/434S、230T/389T/434S、241L/264E/378V、241L/264E/434S、250A/389K/434Y、2591/315D/434Y、264E/378T/396L、264E/378V/416K、264E/378V/434S、264E/396L/434S、294del/307P/434Y、307P/378V/434Y、315D/330V/434Y、315D/382V/434Yおよび378V/383N/434Y、
(ただし、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatのEUインデックスでの数え方である)
【請求項3】
上記変異株が親ポリペチドと比較してFc領域の下記の群の中から選択されるアミノ酸変異の少なくとも一つの組合せをさらに有する請求項2に記載の変異株:
226G、227L、230S、230T、230L、231T、241L、243L、250A、256N、259I、264E、265G、267R、290E、294del、303A、305A、307P、307A、308I、315D、322R、325S、327V、330V、342R、347R、352S、361のD、362R、362E、370R、378V、378T、382V、383N、386R、386K、387T、389T、389K、392R、395A、396L、397M、403T、404L、415N、421T 416K1、426T、428L、433R、434Y、434Sおよび439R
(ただし、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatのEUインデックスでの数え方である)
【請求項4】
上記変異株が親ポリペチドと比較してFc領域の下記の群の中から選択されるアミノ酸変異の少なくとも一つの組合せをさらに有する請求項1または2に記載の変異株:
307A/315D/330V/382V/389T/434Y、256N/378V/383N/434Y、315D/330V/361D/378V/434Y、2591/315D/434Y、230S/315D/428L/434Y、241L/264E/307P/378V/433R、250A/389K/434Y、305A/315D/330V/395A/434Y、264E/386R/396L/434S/439R、315D/330V/362R/434Y、294del/307P/434Y、305A/315D/330V/389K/434Y、315D/327V/330V/397M/434Y、230T/241L/264E/265G/378V/421T、264E/396L/415N/434S、227L/264E/378V/434S、264E/378T/396L、230T/315D/362R/426T/434Y、226G/315D/330V/434Y、230L/241L/243L/264E/307P/378V、250A/315D/325S/330V/434Y、290E/315D/342R/382V/434Y、241L/315D/330V/392R/434Y、241L/264E/307P/378V/434S、230T/264E/403T/434S、264E/378V/416K、230T/315D/362E/434Y、226G/315D/434Y、226G/315D/362R/434Y、226G/264E/347R/370R/378V/434S、3081/315D/330V/382V/434Y、230T/264E/378V/434S、231T/241L/264E/378T/397M/434S、230L/264E/378V/434S、230T/315D/330V/386K/434Y、226G/315D/330V/389T/434Y、267R/307P/378V/421T/434Y、230S/315D/387T/434Y、230S/264E/352S/378V/434Sおよび230T/303A/322R/389T/404L/434S
(ただし、Fc領域のアミノ酸の数え方はKabatのEUインデックスでの数え方である)
【請求項5】
変異株が抗体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の変異株。
【請求項6】
抗体がIgG抗体である請求項5に記載の変異株。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の変異株含む医薬組成物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の変異株をコードする単離された核酸。
【請求項9】
請求項8の核酸を含むベクター。
【請求項10】
請求項9のベクターを含む宿主細胞。
【請求項11】
請求項10の宿主細胞を培養して上記抗体を発現させる請求項1〜6のいずれか一項に記載の変異株を作る方法。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の変異株を含む医薬品。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の変異株の医薬品製造での使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8bc】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−524522(P2012−524522A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500274(P2012−500274)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053644
【国際公開番号】WO2010/106180
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(509342935)エルエフベー ビオテクノロジーズ (9)
【Fターム(参考)】