説明

有害生物の防除に有効なトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体

【課題】 本発明は、優れた殺虫、殺ダニ活性を有する新規トリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体を提供する。
【解決手段】 次式で示されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体。
【化1】


式中、Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、R1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基をす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体及びその製造法、並びにその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の殺虫剤等の有害生物防除剤が検討されている(例えば、特許文献1〜3)。そして、特許文献1〜3には、アミジン化合物を使用する有害生物防除剤が開示されている。
しかしながら、特許文献1は、農園芸用殺菌剤に関するものであり、カルボニルイミノ基(C=N)の窒素置換基として、トリフルオロメチルスルホニル基について全く開示していない。
また、特許文献2は、殺虫剤に使用されるアミジン誘導体を開示しているが、アミジン結合のアミノ窒素の置換基として、トリフルオロメチルスルホニル基は全く言及されていない。
更に、特許文献3は、除草剤に関するものであり、カルボニルイミノ基の窒素置換基として、トリフルオロメチルスルホニル基は全く言及されていない。
【0003】
一方、トリフルオロメチルスルホンアミド基を有する有害生物防除剤が開示されている(例えば、特許文献4〜6)。
しかしながら、特許文献4及び特許文献5は、殺虫、殺ダニ剤に関するものであるが、アミジン結合を有するものではなく、単にスルホンアミド化合物を開示するに過ぎない。
また、特許文献6は、屋内塵性ダニ類防除剤に使用される化合物について開示するが、アミジン結合を有するものではなく、単にスルホンアミド化合物を開示するに過ぎない。
一方、トリフルオロメチルスルホニル基を有するアミジン化合物は開示されている(例えば、非特許文献1)。しかしながら、開示されている化合物は、アミジン結合の両方の窒素原子にトリフルオロメチルスルホニル基が入った化合物であり、片方の窒素原子にアルキル基やシクロアルキル基の入った化合物は全く言及されておらず、更には用途に関する記載も全くない。
【0004】
【特許文献1】特開昭56−22704号公報
【特許文献2】特開平5−1034号公報
【特許文献3】特開平6−293738号公報
【特許文献4】特開昭57−156407号公報
【特許文献5】特公昭63−24483号公報
【特許文献6】特開平10−218857号公報
【非特許文献1】J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2, 2002,1950-1955
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、優れた殺虫、殺ダニ活性を有する新規トリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、従来公知の化合物について調査検討した結果、アミジン結合のカルボニルイミノ基の窒素置換基として特定のトリフルオロメチルスルホニル基を有する化合物が、優れた殺虫、殺ダニ活性を有することを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、以下の発明に関するものである。
1.次式(I)、
【化1】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体。
2.次式(II)、
【化2】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基又はC3〜C5シクロアルキル基を表す。)
で表される化合物と、
次式(III)、
【化3】

(III)
(式中、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
1は、水素原子、C1〜C3アルキル基又はCH2OR2基、C(=O)OR2基を表し、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させること上記1項に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。





3.次式(IV)、
【化4】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(V)、
【化5】

で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、上記1項に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
4.次式(VI)、
【化6】

(式中、
1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基、C(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(VII)、
【化7】

(式中、
は、C〜Cアルキル基又はシクロアルキル基を表し、
Yは、NH2基、SH基又はOH基を表す。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、





次式(VIII)、
【化8】

(式中、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
Zは、NH基、硫黄原子又は酸素原子を表す。)
で表されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
5.次式(IX)、
【化9】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(X)、
【化10】

(式中、
3は、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基、C(=O)OR2基を表し、
Xは、脱離基を表す。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、
次式(XI)、
【化11】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
3は、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体は、優れた殺虫又は殺ダニ効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のアミジン誘導体は、上記式(I)に示される構造を有する化合物である。
前記式中、Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基、C(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
【0009】
ここで、AとしてのC1〜C5アルキル基は、直鎖状でも、分岐していてもよく、例えば、メチル基や、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基が挙げられ、好ましくは、メチル基や、エチル基、イソプロピル基等のC1〜C3アルキル基が好適に挙げられる。
AとしてのC3〜C5シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基や、シクロブチル基、シクロペンチル基が挙げられ、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基が挙げられる。
【0010】
Bとしてのハロゲン原子としては、フッ素原子や、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好適に挙げられる。
1としてのC1〜C3アルキル基は、直鎖状でも、分岐していてもよく、例えば、メチル基や、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好適に挙げられる。
2としてのC1〜C3アルキル基の範囲は、R1のものと同様である。また、R2としてのシクロアルキル基としては、R1の場合の他に、炭素数が、6以上のシクロアルキル基が包含される。
【0011】
次に本発明のアミジン誘導体の製造法について説明する。
本発明のアミジン誘導体は、例えば、以下の製造法1〜4に従って製造することができる。なお、特に規定がない場合を除き、式中の記号は、上記の意味を有する。
製造法1
化合物(II)を、塩基の存在下、化合物(III)と反応させることにより、本発明の化合物(I)を得る。


【0012】
【化12】

【0013】
該反応は、通常不活性溶媒中、塩基の存在下に行われる。
反応に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害するもので無ければ特に制限されることなく、各種の溶剤を適宜使用することができる。このような不活性溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドンや、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類や、ジエチルエーテルや、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類、トルエンや、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンや、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類あるいはそれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば、ピリジンや、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類、水素化ナトリウムや、炭酸カリウム等の無機塩基類が好適に挙げられる。
【0014】
塩基の量は、化合物(III)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜1.5モルの割合である。
反応に供される化合物(II)の量は、化合物(III)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは1〜1.5モルの割合である。
反応温度は、通常−20℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜室温の範囲である。
反応時間は、通常、1〜72時間であり、好ましくは、1〜24時間である。
反応終了後は、塩をろ過後そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出して濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
【0015】
製造法2 (式(I)中、置換基R1が水素原子である場合)
化合物(IV)を塩基の存在下、化合物(V)と反応させることにより、本発明の化合物(VIII)を得る。
【0016】
【化13】

【0017】
この反応は、通常不活性溶媒中、塩基の存在下に行われる。反応に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害するもので無ければ何でもよく、例えば、N−メチルピロリドンや、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類や、テトラヒドロフランや、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類、ベンゼンや、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンや、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類あるいはそれらの混合物が好適に挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば、ピリジンや、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類、水素化ナトリウムや、炭酸カリウム等の無機塩基類、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、化合物(V)1モルに対して、通常2〜10モルの割合であり、好ましくは、2〜3モルの割合である。
反応に供される化合物(IV)の量は、化合物(V)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜1.5モルの割合である。
反応温度は、通常−20℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜室温の範囲である。
反応時間は、例えば、1〜72時間であり、好ましくは、1〜24時間である。
反応終了後は、塩をろ過後そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出して濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
【0018】
製造法3
化合物(VI)を塩基の存在下、化合物(VII)と反応させることにより、本発明の化合物(VIII)を得る。
【0019】
【化14】

【0020】
式中、Yは、NH2基、SH基又はOH基を表す。
この反応は、通常不活性溶媒中、塩基の存在下に行われる。反応に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害するもので無ければ何でもよく、例えば、N−メチルピロリドンや、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類や、テトラヒドロフランや、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類、ベンゼンや、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンや、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類あるいはそれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば、ピリジンや、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類、水素化ナトリウムや、炭酸カリウム等の無機塩基類、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。
【0021】
反応に用いられる塩基の量は、化合物(VII)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜2モルの割合である。
反応に供される化合物(VI)の量は、化合物(VII)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜1.5モルの割合である。
反応温度は、通常−20℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜室温の範囲である。
反応時間は、例えば、1〜72時間であり、好ましくは、1〜24時間である。
反応終了後は、塩をろ過後そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出して濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
【0022】
製造法4
化合物(IX)を塩基の存在下、化合物(X)と反応させることにより、本発明の化合物(XI)を得る。
【0023】
【化15】

【0024】
式中、Xは、脱離基を表す。このような脱離基としては、例えば、反応に際して、脱離する基であれば、特に制限なく各種の脱離基を使用することができる。このような脱離基の例としては、例えば、ハロゲン原子や、トシル基等の当業者には公知の各種の脱離基が好適に挙げられる。
また、R3は、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、その範囲は、R1の場合と同様である。
この反応は、通常不活性溶媒中、塩基の存在下に行われる。反応に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害するもので無ければ何でもよく、例えば、N−メチルピロリドンや、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類や、テトラヒドロフランや、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類、ベンゼンや、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンや、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類あるいはそれらの混合物が好適に挙げられる。
【0025】
反応に用いられる塩基としては、例えば、ピリジンや、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類、水素化ナトリウムや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基類、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが好適に挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、化合物(IX)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜2モルの割合である。
反応に供される化合物(X)の量は、化合物(IX)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜2モルの割合である。
反応温度は、通常−20℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜反応溶媒の沸点の範囲である。
反応時間は、例えば、1〜72時間であり、好ましくは、1〜48時間である。
反応終了後は、塩をろ過後そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出して濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
【0026】
製造法5 (式(I)中、置換基AがR2S基である場合)
化合物(V)を塩基の存在下、化合物(XII)と、さらに続けて化合物(XIII)と反応させることにより、本発明化合物(XIV)を得る。




【0027】
【化16】

【0028】
この反応は通常不活性溶媒中、塩基の存在下に行われる。
反応に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害するもので無ければ何でも良く、例えば、N−メチルピロリドンや、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類や、テトラヒドロフランや、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類、ベンゼンや、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンや、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類あるいはそれらの混合物が好適に挙げられる。反応に用いられる塩基としては、例えば、水素化ナトリウムや、炭酸カリウム等の無機塩基類、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが好適に挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、化合物(V)1モルに対して通常1〜2モルの割合であり、好ましくは1〜1.2モルの割合である。反応に用いられる(XIII)の量は、化合物(V)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは1〜2の割合である。反応に用いられる(XII)の量は、通常1〜2モルの割合であり、好ましくは1〜1.1モルの割合である。
反応温度は、通常−10℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜50℃の範囲である。
反応時間は、通常1〜72時間の範囲であり、好ましくは、4〜24時間の範囲である。反応終了後は、そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出をして濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
また、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
【0029】
本発明のアミジン誘導体は、以下のように、例えば、カルボニルイミノ基(C=N)の二重結合に基づく幾何異性体、及びN=C−NH−に基づく互変異性体が存在するが、本発明にはこれらの異性体のいずれもが含まれる。
















【0030】
【化17】

(式中、aを付した矢印は、R1が、水素原子であることを示す。)
【0031】
本発明のアミジン誘導体は、殺虫又は殺ダニ剤として有用である。従って、本発明のアミジン誘導体を使用する殺虫又は殺ダニ剤は、以下の昆虫又はダニ類に効果的に適用できる。
鱗翅目害虫
ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガなどのヨトウ類、タマナヤガなどのヤガ類、ニカメイガ、コブノメイガ、ヨーロピアンコンボーラーなどのメイガ類、モンシロチョウなどのシロチョウ類、ナシヒメシンクイ、コドリングモスなどのハマキガ類、モモシンクイガなどのシンクイガ類、リオネティア属などのハモグリガ類、コナガどのスガ類、ワタアカミムシなどのキバガ類、アメリカシロヒトリなどのヒトリガ類、イガ、コイガなどのヒロズコガ類など。
【0032】
半翅目害虫
ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカなどのウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイなどのヨコバイ類、ワタアブラムシ、モモアカアブラムシなどのアブラムシ類、アオクサカメムシ、ホソヘリカメムシなどのカメムシ類、オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミなどのコナジラミ類、アカマルカイガラムシ、ルビーロウムシなどのカイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類など。
【0033】
双翅目害虫
アカイエカ、コガタアカイエカなどのイエカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエなどのイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、タネバエ、タマネギバエなどのハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ブユ類、アブ類、サシバエ類、ハモグリバエ類など。
鞘翅目害虫
ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワームなどのコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネなどのコガネムシ類、メイズウィービル、イネミズゾウムシ、アズキゾウムシなどのゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキなどのゴミムシダマシ類、ウリハムシ、キスジノミハムシ、コロラドハムシなどのハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウなどのエピラクナ類、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシなど。
【0034】
直翅目網翅類害虫
チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、トウヨウゴキブリなど。
アザミウマ目害虫
ミナミキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、ハナアザミウマなど。
膜翅目害虫
アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類など。
直翅目害虫
ケラ類、バッタ類など。
【0035】
隠翅目害虫
ヒトノミなど。
シラミ目害虫
ヒトジラミ、ケジラミなど。
等翅目害虫
ヤマトシロアリ、イエシロアリなど。
【0036】
ダニ目害虫
ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、オリゴニカス属などのハダニ類、ミカンサビダニ、リンゴサビダニなどのフシダニ類、チャノホコリダニなどのホコリダニ類、ヒメハダに類、ケナガハダニ類、フタトゲチマダニ、ヤマトチマダニ、タイワンカクマダニ、ヤマトマダニ、シュルツマダニ、オウシマダニ、などのマダニ類、ケナガコナダニなどのコナダニ類、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニなどのヒョウヒダニ類、ホンツメダニ、クワガタツメダニ、ミナミツメダニなどのツメダニ類、ワクモ類など。
クモ類
カバキコマチグモ、セアカゴケグモなど。
【0037】
唇脚網類
ゲジ、トビスムカデなど。
倍脚網類
ヤケヤスデ、アカヤスデなど。
等脚目類
オカダンゴムシなど。
腹足網類
チャコウラナメクジ、キイロコウラナメクジなど。
【0038】
線虫類
ミナミネグサレセンチュウ、キタネグサレセンチュウ、ダイズシストセンチュウ、ジャガイモシストセンチュウ、キタネコブセンチュウ、サツマイモネコブセンチュウなど。
更に、本発明のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体は、既存の殺虫剤に対し抵抗性の発達した害虫にも有効である。
【0039】
本発明のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体は、製剤中において、例えば、0.1〜98質量%、好ましくは、0.5〜80質量%の範囲で配合することが好適である。
本発明のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体は、このようにして得られた本発明のアミジン誘導体を実際に施用する際には他成分を加えず純粋な形で使用できるし、また農薬として使用する目的で、一般の農薬の取り得る形態、例えば、水和剤や、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、乳濁剤、可溶化製剤、液剤等の形態で使用することもできる。
本発明のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体を散布する場合、例えば、10〜10,000ppm、好ましくは、100〜2,000ppmであることが適当である。
本発明において、製剤化する際に任意に配合される添加剤及び担体としては、固形剤を目的とする場合は、大豆殻粒や、小麦粉、くるみ殻粒等の植物性粉末、珪藻土や、石灰石、石こう、炭カル、タルク、べントナイト、パイロフィライト、クレー等の鉱物性微粉末、硫酸塩、燐酸塩、尿素、芒硝、糖類、水溶性高分子粉体等の有機及び無機化合物が使用される。
【0040】
液体の剤型を目的とする場合は、ケロシンや、キレシン、ソルベントナフサ等の石油留分、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロルエチレン、メチルイソブチルケトン、キシリルキシレン鉱物油、植物油、水等を溶剤として使用する。
これらの製剤において均一かつ安全な形態をとるためには、必要ならば界面活性剤や、その他補助剤を添加することが有用である。有効成分量は、それぞれ製剤に調製した場合、その質量に基づいて、一般的には、0.1〜90%、好ましくは0.5〜70%である。
このようにして得られた水和剤や、乳剤、懸濁剤、乳濁剤等は、水で所定の濃度に希釈して、粉剤又は粒剤等は、そのまま一般的な散布する方法で使用される。
このようにして得られる製剤は、そのままで又は水等で希釈して用いることができる。
また、他の市販の殺虫剤や、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等と混合して、又は混合せずに同時に用いることによって、適用範囲を拡大し、省力化を図ることもできる。
【0041】
以下、本発明を実施例、製剤例及び試験例を参照しながら、更に詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例等によって何ら限定されるものではない。
まず、本発明のアミジン誘導体の調製について示す。
【0042】
実施例1
N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N’−(トリフルオロメチルスルホニル)−イソプロピルカルボキシイミダミド(化合物12)の製造
テトラヒドロフラン10mlに3,5−ビス−トリフルオロメチルアニリン1.3g、トリエチルアミン1.0gを溶解し、氷冷撹拌下、N−(トリフルオロメチルスルホニル)イソブチルイミドイル クロリド1.2gを添加した。室温に戻した後、反応終了まで撹拌し、トリエチルアミン塩酸塩をろ別し残渣を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことによって、目的物0.6gを得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO-d6/TMS):σ(ppm)=1.42(d,d、6H)、3.40(m、1H)、8.03(s、1H)、8.22(s、2H)、10.91(s、1H)
m.p.(161−163℃)
【0043】
実施例2
N−(2,4,6−トリクロロフェニル)−N’−(トリフルオロメチルスルホニル)−シクロプロパンカルボキシイミダミド(化合物30)の製造
テトラヒドロフラン10mlに2,4,6−トリクロロアニリン0.9g、トリエチルアミン0.5gを溶解し、氷冷撹拌下、N−(トリフルオロメチルスルホニル)シクロプロパンカルボキシイミドイル クロリド1.0gを添加した。室温に戻した後、反応終了まで撹拌し、トリエチルアミン塩酸塩をろ別し残渣を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことによって、目的物0.4gを得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO-d6/TMS):σ(ppm)=1.00−1.43(m、4H)、2.50−2.56(m、1H)、7.87(s、2H)、10.51(s、1H)
m.p.(160−161℃)
【0044】
実施例3
N-(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N’−(トリフルオロメチルスルホニル)−O-イソプロピル−イソウレア(化合物65)の製造
テトラヒドロフラン10mlにイソプロピルアルコール0.15g、トリエチルアミン0.29gを溶解し、氷冷撹拌下、N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルアミノ−クロロメチレン)−トリフルオロメタンスルホンアミド1.0gを添加した。室温に戻した後、反応終了まで撹拌し、トリエチルアミン塩酸塩をろ別し残渣を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことによって、目的物0.7gを得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3/TMS):σ(ppm)=1.33(dd、6H)、5.32(m、1H)、7.64−7.74(m、3H)、9.29(s、1H)
【0045】
実施例4
N-(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N’−(トリフルオロメチルスルホニル)−S-メチル−イソチオウレア(化合物67)の製造
テトラヒドロフラン10mlにトリフルオロメタンスルホンアミド0.55gを溶解し、室温撹拌下、カリウム−t−ブトキシド0.5gを添加した。室温で30分撹拌した後、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルイソチオシアネート1.0gを添加し、室温で1時間、さらに50℃で30分間撹拌した。反応液を室温に戻した後、ヨウ化メチル0.68gを滴下して、室温で一日撹拌した。溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィに付すことによって、目的物0.8gを得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3/TMS):σ(ppm)=1.33(dd、6H)、5.32(m、1H)、7.64−7.74(m、3H)、9.29(s、1H)
m.p.(94−95℃)
【0046】
実施例1〜4、及びそれらと同様にして製造した一般式(I)で表される化合物の例を表に示す。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、表中に記載のn-はノルマル−を、i-はイソ−を、sはセカンダリーを、t−はターシャリー−を、c−はシクロを、Meはメチルを、Etはエチルを、Prはプロピルを、Buはブチルの意味を表す。
【0047】
【化18】







表1




























【0048】
表1(続き)















【0049】
表1(続き)

【0050】
1H−NMRデータ
化合物番号15
1H−NMR(300MHz,DMSO-d6/TMS):σ(ppm)=1.40(d、6H)、3.40−3.45(m、1H)、7.50(s、2H)、7.86(s、1H)、10.91(s、1H)
化合物番号65
1H−NMR(300MHz,CDCl3/TMS):σ(ppm)=1.33(dd、6H)、5.32(m、1H)、7.64−7.74(m、3H)、9.29(s、1H)
化合物番号66
1H−NMR(300MHz,CDCl3/TMS):σ(ppm)=2.49(s、3H)、7.79(s、2H)、7.94(s、1H)、9.69(bs、1H)
【0051】
次に、本発明のアミジン誘導体の製剤例を示す。尚、部は質量部を表す。
製剤例1(水和剤)
ハンマーミルで平均粒径10μmに微粉砕した化合物2、50部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、合成含水珪酸10部及びクレー35部をよく混合した後、ジェットミルにより粉砕し各々の水和剤を得た。
製剤例2(乳剤)
化合物12、10部、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル9部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部、N-メチルピロリドン20部及びキシレン55部を均一に溶解して各々の乳剤を得た。
【0052】
製剤例3(粒剤)
ハンマーミルで平均粒径10μmに微粉砕した化合物13、5部にリグニンスルホン酸ナトリウム3部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、ベントナイト30部及びクレー61部を加え、リボンミキサーにより充分撹拌混合した後、これらの混合物に適量の水を加え、更に混練し、押し出し型造粒機(スクリーン孔:0.8mm)で造粒し、通風乾燥した後、整粒及び篩別して各々の粒剤を得る。
【0053】
製剤例4(粉剤)
ハンマーミルで平均粒径8μmに微粉砕した化合物30、1部、合成含水珪酸5部、PAP 0.3部及びクレー93.7部を加え、ピンミルで撹拌混合して各々の粉剤を得た。
【0054】
製剤例5(フロアブル剤)
ハンマーミルで平均粒径8μmに微粉砕した化合物48、20部、ポリオキシエチレンスチレンスチレン化フェニルエーテルフォスフェートアンモニウム塩7部、シリコン消泡剤0.2部及び水22.8部を加え、ミキサーで撹拌し、分散液を得た。この分散液をビーズミルによって平均粒径1.5μmまで微粉砕した後、この中にキサンタンガム0.5部及び防腐剤0.2部を含む水溶液40部を加え、更に、プロピレングロコール10部を加えて緩やかに撹拌混合して各々の10%フロアブル剤を得る。
【0055】
次に、本発明のアミジン誘導体が殺虫剤又は殺ダニ剤の有効成分として有用であることを試験例により示す。なお、本発明のアミジン誘導体は、表に記載の化合物番号で示し、比較対照に用いた化合物は、下記に示す化合物Aで示す。
【0056】
比較化合物A:特開昭56−26803号公報に記載の化合物番号58
【0057】
【化19】

【0058】
試験例1(ハスモンヨトウに対する殺虫試験)
製剤例2に準じて得られた化合物の各々の乳剤を、有効成分濃度が500ppmとなるように水で希釈した。得られた水希釈液を6〜7葉期の白菜葉に散布し風乾した後、タテ21cm×ヨコ13cm×深さ3cmのプラスチック容器に入れ、その中にハスモンヨトウ(Spodoptera litura)3令幼虫を10頭放飼した。蓋をして26℃の定温室内に静置し、48時間後における生死虫数を調査し死虫率を求めた。その結果を以下の表2に示した。











【0059】
表2

【0060】
試験例2(カンザワハダニに対する殺ダニ試験)
水を入れたスチロールカップ上に穴のあいたガラス円盤(直径12cm)を乗せて、細く切った綿を垂らした上にろ紙(直径11cm)を乗せて湿らせた。湿ったろ紙上に縦5cm×横2.5cmに切ったインゲン初生葉のリーフディスクを乗せ、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)雌成虫を10頭ずつ放飼した。26℃定温器内に1日静置した後、製剤例2に準じて得られた化合物の各々の乳剤を有効成分濃度が500ppmとなるように水で希釈した。得られた水希釈液をリーフディスクに散布し風乾して、26℃定温器内に戻した。散布24時間後における成虫の生死虫数を調査し、成虫死虫率を求めた。
更に、成虫の死虫率を調査後、リーフディスク上のハダニ成虫を小筆で取り除き、26℃定温器内に戻して静置した。散布7日後に未ふ化卵数・幼若虫の生死虫数を調査し、未ふ化卵率及びふ化幼虫死虫率を求めた。その結果を以下の表3に示した。











【0061】
表3

※表中、ふ化幼虫死虫率の−は殺卵率100%を示す。
【0062】
試験例3(ツマグロヨコバイに対する殺虫試験)
製剤例2に準じて得られた化合物の各々の乳剤を、有効成分が500ppmとなるように水で希釈した。得られた希釈液に1.5〜2葉令期の稲苗を5本束ねて10秒間浸漬し、風乾後長さ20cm、直径2.5cmの試験管に入れ、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cinceticeps )3齢幼虫10頭放飼した。蓋をして26℃定温室内に静置し、48時間後における生死虫数を調査し死虫率を求めた。その結果を以下の表4に示した。












表4

【0063】
本発明のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体は、上記試験例から分かるように、優れた殺虫効果、及び殺ダニ効果を有する。従って、本発明のアミジン誘導体を使用して、殺虫又は殺ダニ剤を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(I)、
【化1】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体。
【請求項2】
前記Aが、C1〜C3アルキル基又はC3〜C5シクロアルキル基である請求項1に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体。
【請求項3】
前記Bが、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基である請求項1に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体。
【請求項4】
次式(II)、
【化2】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基又はC3〜C5シクロアルキル基を表す。)
で表される化合物と、
次式(III)、
【化3】

(式中、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
【請求項5】
次式(IV)、
【化4】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基又はC3〜C5シクロアルキル基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(V)、
【化5】

で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
【請求項6】
次式(VI)、
【化6】

(式中、
1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(VII)、
【化7】

(式中、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
Yは、NH2基、SH基又はOH基を表す。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、
次式(VIII)
【化8】

(式中、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
Zは、NH基、硫黄原子、酸素原子を表す。)
で表されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
【請求項7】
次式(IX)
【化9】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(X)、
【化10】

(式中、
3は、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
Xは、脱離基を表す。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、
次式(XI)、
【化11】

(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
3は、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤又は殺ダニ剤。
【請求項9】
請求項2に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤又は殺ダニ剤。
【請求項10】
請求項3に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤又は殺ダニ剤。

【公開番号】特開2006−321745(P2006−321745A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145787(P2005−145787)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000101123)アグロカネショウ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】