説明

有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂、該樹脂を含む樹脂組成物、ならびに該樹脂組成物から得られた成形体

【課題】ポリ乳酸等の生分解性ポリエステル中での無機微粒子の分散性を向上させることにより、生分解性ポリエステルの耐熱性、成形性、力学強度を改善する。
【解決手段】生分解性ポリエステルの原料モノマーと金属アルコキサイドとを、液相で重縮合反応させた後、さらに固相重合を行うことにより得られることを特徴とする有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ乳酸のような生分解性ポリエステルと、金属アルコキサイドの重縮合物である無機微粒子が複合化(ハイブリッド)された有機−無機ハイブリッド型生分解性樹脂に関し、詳細には、結晶化速度が非常に速い生分解性ポリエステル樹脂に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリ乳酸は生分解性ポリマーの一種であり、原料が再生産可能な植物資源や、日常生活の食物残渣、古紙等であって、石油資源を利用せずに製造することができる。また、廃棄物が自然界で分解するので、従来のプラスチック製品のように廃棄物処理が問題となることが少ない。よってポリ乳酸は、現在から将来において、資源やエネルギー、環境の問題の解決に大きな役割を果たすことが期待されている。
【0003】
しかしながら、ポリ乳酸は、汎用のポリスチレン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂と同様に透明性に優れる反面、耐熱性、成形性、衝撃性等の力学強度に劣るという問題がある。かかる性質は、幅広い用途展開を図る上で課題となっている。
【0004】
このようなポリ乳酸の耐熱性、成形性、衝撃性等の力学強度を改善するため、ポリ乳酸にシリカ等のフィラーを配合する方法が試みられている(例えば、特許文献1〜3等)。しかしながら、従来用いられているシリカ等のフィラーは、マトリックスポリマーであるポリ乳酸中での分散性やポリ乳酸との相互作用が不十分である。従って、これらのフィラーをポリ乳酸に配合しても、耐熱性、成形性、衝撃性等の力学強度が実用的な要求に耐えうるほど向上するには至っていない。
【0005】
また、ポリ乳酸等の生分解性ポリエステルは結晶化速度が遅いため(例えば前記特許文献3)、金型を用いた通常の成形方法が採用できず、この点も実用化を阻む要因となっていた。
【特許文献1】特開2005−200600号公報
【特許文献2】特開2005−112456号公報
【特許文献3】特開2004−224990号公報(請求項5、[0003]等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、ポリ乳酸等の生分解性ポリエステル中での無機微粒子の分散性を向上させることにより、生分解性ポリエステルの耐熱性、成形性、力学強度を改善することを課題として掲げた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、生分解性ポリエステルの原料モノマーと金属アルコキサイドとを、液相で重縮合反応させた後、さらに固相重合を行うことにより得られる有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂であるところに要旨を有する。
【0008】
上記有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂は、溶融状態から降温する過程で自己結晶化ピークが観察されるものであることが好ましい。本発明で最も好ましい実施態様は、生分解性ポリエステルの原料モノマーとして乳酸を用いた有機−無機ハイブリッド型ポリ乳酸である。なお、本発明には、本発明の生分解性ポリエステル樹脂を含む有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂組成物、ならびに該樹脂組成物から成形された有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂成形体も含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、結晶化速度が速く、無機微粒子と生分解性ポリエステルとがハイブリッド化された樹脂が得られた。よって、この樹脂を含む樹脂組成物は、押出、射出、ホットプレス等による成形が可能であり、耐熱性、耐衝撃性等の諸特性に優れていると考えられる。従って、ペレット、シート、フィルム、発泡体、繊維、各種成形体等の形態で、生分解性が要求されるあらゆる用途に適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の特徴の一つは、生分解性ポリエステルの原料モノマーを金属アルコキサイドの存在下で重縮合させるところにある。これにより、金属アルコキサイド自身も同時に重縮合反応を起こすため、生成した無機ポリマーと生分解性ポリエステルからなる有機ポリマーとが複合化された有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂が得られる。得られる樹脂中では、無機ポリマーは微粒子形状となっており、このような無機微粒子がポリエステル中にナノ分散している。その分散状態は、無機微粒子とポリエステルとが各々独立して存在しているのではなく、水素結合によって相互にインタラクションを及ぼしあっている。また、無機微粒子に結合している水酸基が、エステル結合で生分解性ポリエステルと結合したり、あるいは無機微粒子に結合している有機部分の官能基(アミノ基、水酸基、エポキシ基等)と、アミド結合やエステル結合等を介してポリエステルが結合している場合もあり、いずれの態様も本発明に含まれる。また、金属アルコキサイドは多官能であるので金属原子の周囲には酸素原子を介して複数のポリエステルの分子鎖が集合する。さらに、無機微粒子が結晶核剤として作用するため、結晶化速度が速くなる。
【0011】
上記の通り、最初の重縮合によって、既にある程度結晶化速度の向上したポリエステルが得られるため、予備結晶化等の工程を必要とせず、固相重合に供することができ、容易に高分子量化することができる。従って、最終的には、結晶化が速く、成形性に優れ、耐熱性、強度等にも優れる生分解性ポリエステル樹脂が得られるものと考えられる。以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
[生分解性ポリエステルの原料モノマー]
本発明で用いることのできる生分解性ポリエステルの原料モノマーとしては、D−乳酸、L−乳酸、DL−乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸類;これらの二量体である環状ラクチド類;ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン等の環状ラクトン類が挙げられ、これらはモノマー同士で重縮合反応(開環重合反応も含む)する。
【0013】
また、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、1,10−デカンジカルボン酸、パーフルオロアジピン酸、パーフルオロスベリン酸、パーフルオロセバシン酸、1,3−アダマンタンジ酢酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンカルボン酸等の二価の脂肪族カルボン酸の1種以上と、下記の二価のアルコール類1種以上を原料モノマーとして用いれば、生分解性の脂肪族ポリエステルを得ることができる。
【0014】
なお、テレフタル酸、イソフタル酸、チッソ社製のサイラプレーン(登録商標)FM−6611、サイラプレーンFM−6621、サイラプレーンFM−6625等の両末端カルボキシル化ポリジメチル(フェニル)シロキサン等の二価の芳香族カルボン酸や、トリメシン酸、1,2,3−ベンゼンカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−トリメチル−1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の三価のカルボン酸;1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−ヘキサカルボン酸等の四価以上のカルボン酸等も、ポリエステルの生分解性を損なわない範囲であれば用いてもよい。
【0015】
二価のアルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量200〜35,000のポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、宇部興産株式会社製のUC−CARB100、UH−CARB50、UH−CARB100、UH−CARB200、UH−CARB300、UM−CARB90(1/1)、UM−CARB90(3/1)等の分子量250〜10,000のポリカーボネートジオール;ポリテトラハイドロフラン等の分子量250〜10,000のポリエーテルジオール;分子量250〜10,000のポリエステルジオール;分子量250〜10,000のポリカプロラクトンジオール;4,8−ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキサノール、1,5−デカリンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール等が挙げられる。
【0016】
また、1,4−ジベンジルアルコール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4−ヒドロキシフェネチルアルコール、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロパノール、ハイドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、4,4’−イソプロピリデンビス[2−(2,6−ジブロモフェノキシ)エタノール]、2−(2−ヒドロキシエトキシ)フェノール、trans−9,10−ジヒドロ−9,10−エタノアントラセン−11,12−ジメタノール、2−ヒドロキシフェネチルアルコール、3−ヒドロキシフェネチルアルコール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、2−ベンジルオキシ−1,3−プロパンジオール、3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン、2,2−ビフェニルジメタノール、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロベンゾイン、α−ナフトールベンゼイン、ベンゾピナコール、2−ヒドロキシベンジルアルコール、1,2−ベンゼンジメタノール、2,2−(1,2−フェニレンジオキシ)ジエタノール、3−ヒドロキシベンジルアルコール、1,3−ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−テトラキス(トリフルオロメチル)−1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、3−アミノベンジルアルコール、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,4−ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−テトラキス(トリフルオロメチル)−1,4−ベンゼンジメタノールハイドレート、フェニルハイドロキノン、2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ−4,4’−ビフェノールハイドレート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビスフェノールA、ビスフェノールP、ビスフェノールM、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、へキセストロール、テトラフルオロハイドロキノン、1,1’−ビ−2−ナフトール、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノール、2,7−ジヒドロキシフルオレン、4,4’−(1,3−アダマンタネジル)ジフェノール、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)オキサミド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、チッソ株式会社製のサイラプレーンFM−4411、サイラプレーンFM−4421、サイラプレーンFM−4425等の両末端水酸化ポリジメチル(フェニル)シロキサン等の芳香族ジオール類も、ポリエステルの生分解性を損なわない範囲であれば用いてもよい。
【0017】
さらに、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,1,1,−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、1,2,4−ブタントリオール、グリセロール、1,3,5−トリメチロールベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ピロガロール、1,3,5−トリス(2−ヒドロシキシエチル)シアヌル酸等の三価のアルコールまたはフェノール;ペンタエリスリトール、ジ(トリメチロールプロパン)、DL−キシロース、D−キシロース、L−キシロース、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,2,4,4−ペンタンテトロール、1,2,4,5−テトラメチロールベンゼン、カリックス[4]アレーン等の四価のアルコールまたはフェノール;L−マンノースやキシリトール等の五価のアルコール;ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、イノシトール、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、カリックス[6]アレーン、カリックス[8]アレーン等の六価以上のアルコールまたはフェノール等も、ポリエステルの生分解性を損なわない範囲であれば用いてもよい。
【0018】
上記の生分解性ポリエステルの原料モノマーのなかでも、D−乳酸、L−乳酸、およびこれらの混合物が好ましいものとして挙げられる。
【0019】
[金属アルコキサイド]
金属アルコキサイド類としては、ケイ素系アルコキサイド類、チタン系アルコキサイド類、アルミニウム系アルコキサイド類、ジルコニウム系アルコキサイド類、スズ系アルコキサイド類、ベーマイトゾル溶液系アルコキサイド類、希土類系アルコキサイド類およびこれらの混合物および/または複合アルコキサイドが挙げられる。
【0020】
ケイ素系アルコキサイド類としては、テトラエトキシシラン等、アルコキシ基の炭素数が1〜5のテトラアルコキシシラン;メチルトリエトキシシラン等のメチルトリアルコキシシラン;フェニルトリエトキシシラン等のフェニルトリアルコキシシラン;ジメチルジエトキシシラン等のジメチルジアルコキシシラン;ジフェニルジメトキシシランやジフェニルシランジオール等のジフェニルジアルコキシシランが挙げられる。安価で入手も容易なテトラアルコキシシランが好ましい。
【0021】
また、サイラエースS210やS220等のビニルトリアルコキシシラン;サイラエースS310等のN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン;サイラエースS320等のN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリアルコキシシラン;サイラエースS330やS360等の3−アミノプロピルトリアルコキシシラン;サイラエースS510等の3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン;サイラエースS520等の3−グリシドキシプロピルメチルジアルコキシシラン;サイラエースS530等の2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリアルコキシシラン;サイラエースS610等の3−クロロプロピルメチルジアルコキシシラン;サイラエースS620等の3−クロロプロピルトリアルコキシシラン;サイラエースS710等の3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン;サイラエースS810等の3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン;サイラエースS340等のN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリアルコキシシリル)−1−プロパンアミン;サイラエースS350等のN−[2−(ビニルベンジルアミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン・塩酸塩;サイラエースXS1003等のN,N’-ビス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]エチレンジアミン;サイラエースオリゴマーMS3201、MS3202、MS3301、MS3302等のアミノ系シランカップリング剤のオリゴマー;サイラエースオリゴマーMS5101やMS5102等のエポキシ系シランカップリング剤のオリゴマー;サイラプレーンFM−1111、サイラプレーンFM−1121、サイラプレーンFM−1125等の末端水素化ポリジメチルシロキサン;サイラプレーンFM−2231等の末端ビニル化ポリジメチルシロキサン;サイラプレーンFM−7711、サイラプレーンFM−7721、サイラプレーンFM−7725、サイラプレーンFM−0711、サイラプレーンFM−0721、サイラプレーンFM−0725、サイラプレーンTM−0701、サイラプレーンTM−0701T等の末端メタクリロキシ基化ポリジメチルポリシロキサン;サイラプレーンFM−0411、サイラプレーンFM−0421、サイラプレーンFM−0425、サイラプレーンDA−11、サイラプレーンDA−21、サイラプレーンDA−25等の末端水酸化ポリジメチルシロキサン;サイラプレーンFM−0511、サイラプレーンFM−0521、サイラプレーンFM−0525等の末端エポキシ化ポリジメチルシロキサン;サイラプレーンFM−0611、サイラプレーンFM−0621、サイラプレーンFM−0625等の末端カルボキシル化ポリジメチルシロキサン等も使用可能である。これらの「サイラエース(登録商標)」シリーズや「サイラプレーン(登録商標)」シリーズはいずれもチッソ社製である。
【0022】
さらに、ポリメチルシルセスキオキサン100%メチル、ポリメチル−ヒドリドシルセスキオキサンの90%メチル−10%ヒドリド、ポリフェニルシルセスキオキサン100%フェニル、ポリフェニル−メチルシルセスキオキサンの90%フェニル−10%メチル、フェニルシルセスキオキサン−ジメチルシロキサンコポリマーの70%フェニル−30%ジメチル、ポリフェニル−プロピルシルセスキオキサン70%フェニル,30%プロピル、ポリフェニル−ビニルシルセスキオキサンの90%フェニル−10%ビニル、ポリシクロヘキシルシルセスキオキサンシラノール反応性>90%T7立方体、ポリシクロヘキシルシルセスキオキサンシラノール反応性>95%T7立方体、ポリシクロペンチルシルセスキオキサン(H置換体)ヒドロシリル化用T8立方体、ポリシクロペンチルシルセスキオキサン(メタクリロキシ置換体)重合性T8立方体、ポリシクロペンチルシルセスキオキサン(全H置換体)T8立方体、ポリ(2−クロロエチル)シルセスキオキサン、T8立方体、ポリ(2−クロロエチル)シルセスキオキサン等のポリシルセスキオキサン等もケイ素系アルコキサイドとして用い得る。
【0023】
チタン系アルコキサイド類としては、テトラエトキシチタン等の、アルコキシ基の炭素数が1〜10のテトラアルコキシチタン;チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート等)を例示することができる。
【0024】
アルミニウム系アルコキサイド類としては、アルミニウムトリイソプロポキサ;アルミニウムジsec−ブトキサイドエチルアセトアセテート等のアルミニウムジアルコキシジケトネート;アルミニウム−sec−ブトキサイドビス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムアルコキシビスジケトネート;アルミニウムトリ2,4−ペンタンジオネート等のアルミニウムトリジケトネート;酢酸アルミニウムやアクリル酸アルミニウム等のアルミニウムカルボキシレートを例示することができる。
【0025】
ジルコニウム系アルコキサイド類としては、水酸化ジルコニウム;テトラ−n−プロプキシジルコニウム等のアルコキシ基の炭素数が1〜10のテトラアルコキシジルコニウム;ジルコニウムメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリ−n−プロポキサイド等のジルコニウムトリアルコキシジケトネート;ジルコニウムジ−iso−プロポキサイド(ビス−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタジオネート)等のジルコニウムジアルコキシジケトネート;ジルコニウムテトラ−2,4−ペンタンジオネート等のジルコニウムテトラケトネート;ジルコニルジメタクリレートやジルコニルプロピオネート等のジルコニウムカルボキシレートを例示することができる。
【0026】
ハフニウム系アルコキサイド類としては、テトラ−n−ブチルハフニウム等の、アルコキシ基の炭素数が1〜10のテトラアルコキシハフニウム;ハフニウムテトラ−2,4−ペンタンジオネート等のハフニウムテトラケトネート;ハフニウムジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)等のハフニウムジアルコキシジケトネートを例示することができる。
【0027】
イットリウム系アルコキサイド類としては、イットリウムトリイソプロポキサイド等のアルコキシ基の炭素数が1〜10のトリアルコキシイットリウム;イットリウムトリ2,4−ペンタンジオネート等のイットリウムトリジケトネート;酢酸イットリウムやアクリル酸イットリウム等のイットリウムカルボキシレート等が挙げられる。
【0028】
金属アルコキサイドは、ポリエステルの原料モノマー100質量部に対し、0.001質量部以上が好ましい。0.01質量部以上がより好ましく、さらに好ましくは0.1質量部以上である。上限は900質量部が好ましく、500質量部がより好ましく、100質量部がさらに好ましい。
【0029】
[液相による重縮合]
液相での重縮合は、脱水しながら行う脱水重合法を採用すればよい。モノマー水溶液と金属アルコキサイドを反応容器に仕込んだ後は、100〜250℃程度で10〜100時間程度、脱水しながら反応を行う。圧力は、大気圧下でも減圧下でも、適宜選択可能である。また、アルゴン等の不活性ガスをバブリングしてもよい。反応容器には、金属アルコキサイドのゾル水溶液を添加しても構わない。また、ベンゼンやトルエン等の溶媒を用いてもよい。重縮合反応時には公知のエステル化触媒を用いてもよいが、金属アルコキサイドには触媒作用があるため、触媒を添加しなくても重縮合反応は進行する。
【0030】
[固相重合]
重縮合反応が終了したら、一旦、得られたポリエステルを冷却する。固相重合に供するためである。このとき、水等で急冷すると非晶状態で固まってしまうので、放冷(徐冷)することが好ましい。ペレット状にしたり、冷却固化した大きな塊を粉砕して粉状体を作って、表面積を大きくすると、固相重合の効率が向上する。
【0031】
固相重合は、1Torrレベルの高真空度下で行うことが好ましい。また、本発明の液相による重縮合物は、ある程度結晶化しているので、予備結晶化工程を経ずとも固相重合に供することができる。また、本発明では、前記したとおり、金属アルコキサイドに触媒作用があるので、固相重合を行うに当たっては触媒を添加しなくてもよい。固相重合は、ポリ乳酸の場合は100〜150℃程度で行うとよい。重合時間が長いほど高分子量化するが、製造効率との兼ね合いで適宜設定すればよい。
【0032】
本発明の有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂においては、無機微粒子とポリエステルが結合しているため、ポリエステルの分子量測定は事実上困難であるが、溶融粘度や融点で重合度や分子量を把握することは可能である。
【0033】
[ポリエステル末端の化学修飾]
固相重合後に、ポリエステル末端の水酸基またはカルボキシル基を保護(化学修飾)してもよい。より具体的には、当該水酸基またはカルボキシル基を、エステル化、ウレタン化、またはエーテル化する。特に、エステル化することが好ましい。本発明のポリエステル樹脂の熱安定性が向上する。
【0034】
上記エステル化には、カルボン酸エステル化の他、スルホン酸エステル化やリン酸エステル化も含まれるものとする。リン酸エステルには、モノエステル、ジエステル、トリエステルが含まれる。
【0035】
上記水酸基は、エステル化、ウレタン化、またはエーテル化により保護することができる。エステル化は、有機酸:R−CO2Hまたはその酸無水物等の誘導体等を用いて行うことができる。ウレタン化は、RNCO等のイソシアネート誘導体等を用いて行うことができる。エーテル化は、R−Cl等のハロゲン化合物等を用いて行うことができる。また、上記カルボキシル基は、エステル化により保護することができる。当該エステル化は、R−OH等により行うことができる。
【0036】
これらの保護(化学修飾)の具体的な条件としては、当業者公知の方法を採用することができる。例えば、固相重合後、ニーダーや二軸押し出し機中で、ポリエステルと各化合物と反応させることによって、末端を修飾して保護することが可能である。
【0037】
上記Rは、通常の有機基であれば特に制限されないが、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−へキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル等の炭素数1〜12のアルキル基;トリフルオロメチル等の炭素数1〜12の置換アルキル基;エチレン等の炭素数2〜12のアルキレン基;シクロヘキシル等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;フェニル等のアリール基を挙げることができる。
【0038】
上記保護を行うための具体的な試薬としては、例えば、無水酢酸、酢酸、酢酸塩化物、無水プロピオン酸、プロピオン酸、無水ブチリック酸、ブチリック酸、無水コハク酸、コハク酸、無水フタル酸、フタル酸、アジピン酸、カンファー酸、シクロヘキサン二酢酸、シクロペンタン二酢酸、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸無水物、ノルボルナンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、ノルボルネンカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、無水トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、無水ペンタフルオロプロピオン酸、無水ヘプタフルオロブチリック酸、ヘプタフルオロブチリック酸、無水安息香酸、安息香酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸;エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、sec−ブチルイソシアネート、tert−ブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、ヘプチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−クロロメチル−2,4−ジイソシアネートベンゼン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジフェニルイソシアネート)、4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)、1,4−ジイソシアネートブタン、1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,8−ジイソシアネートオクタン、1,12−ジイソシアネートドデカン、1,5−ジイソシアネート−2−メチルペンタン、トリメチル−1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、trans−1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート誘導体類;新日本理化社製リカシッド(登録商標)TH、リカシッドHT−1A、リカシッドHH、リカシッドMH−700、リカシッドMT−500TZ、リカシッドHNA−100等の酸無水物類;およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0039】
[結晶化挙動]
本発明の有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂は、無機微粒子が核となるため結晶化速度が速く、高分子量で高融点なものとなる。よって、成形速度や延伸温度、延伸倍率の向上が可能となり、得られた成形物の物性向上や成形性の改善が可能となり、用途を拡大することができる。また、結晶化しても球晶サイズが小さいために透明性が維持され、球晶界面での破壊もなく成形体の脆さが改善する。樹脂の結晶化度は、リガク社製の「DSC8230」等の示差走査熱量計を用いて測定することができる。
【0040】
また、本発明の有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂は、樹脂が溶融している状態から、次第に降温させたときに、自己(降温)結晶化ピークを示すものであることが好ましい。具体的には、示差走査熱量計により、速度10℃/分で200℃まで昇温した後、降温速度15℃/分で降温したときに、降温結晶化ピークが観察されるものである(実施例参照)。通常の例えばポリ乳酸などでは結晶化が遅いため、上記条件では降温結晶化ピークは観察されない。
【0041】
[有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂組成物]
本発明に係る有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂組成物は、本発明の有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂を含むものである。この樹脂組成物は成形体を形成する際に必要な当業界の公知のあらゆる添加剤を含んでいてもよい。
【0042】
[難燃剤]
本発明に係る樹脂組成物は、種々の難燃剤を適正量混練することにより、耐熱性難燃材料とすることができる。難燃剤としてはハロゲンアンチモン系難燃剤や環境対応型難燃剤等が挙げられるが、主に使用されるのは環境対応型難燃剤である。
【0043】
環境対応型難燃剤としては、例えば、シリコーン系難燃剤、リン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、窒素系難燃剤等が挙げられる。
【0044】
シリコーン系難燃剤としては、例えば、ダウコーニング・シリコーン社製のフェニルシリコーンであるSZ6018、ダウコーニング・シリコーン社製のメタクリル基含有ポリメチルシロキサンであるDC4−7081、ダウコーニング・シリコーン社製のポリカーボネート+ポリジメチルシロキサンであるMB50−315、信越シリコーン社製のメチルフェニル系シリコーンであるX40−9805、GE東芝シリコーン社製のフェニルシリコーンであるXC99−B5664等が挙げられる。
【0045】
リン系難燃剤としては、例えば、Clarient社製等から販売されているAP系難燃剤、OP系難燃剤、TPP系難燃剤;大八化学社製のPX−200等の芳香族縮合リン酸エステル;鈴裕化学社製のファイカットFCP730等のポリリン酸アンモニウム;大八化学社製等から販売されているトリフェニルホスフェート等が挙げられる。
【0046】
金属水酸化物系難燃剤としては、例えば、日本軽金属社製の水酸化アルミニウムであるBF013ST(平均粒径1μm、キスマー5A)等が挙げられる。
【0047】
窒素系難燃剤としては、例えば、ラインケミー社製のビス(ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド主成分の混合物であるスタバクゾールI;ラインケミー社製の芳香族モノカルボジイミド95%とシリカ5%の混合物であるスタバクゾールP;日産化学工業社製のMC−440等のメラミンシアヌレート、ジメラミンフォスフェート、メラミンボレート等のメラミン化合物;三和ケミカル社製アピノンシリーズやモンサント社製Melarシリーズ等、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、リン酸グアニール尿素等のグアニジン化合物等が挙げられる。
【0048】
[その他の添加剤]
本発明の樹脂組成物には、用途に応じて、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーや無機フィラー;滑剤;帯電防止剤;蛍光増白剤;色調調節剤等を適宜添加してもよい。
【0049】
[有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂成形体]
本発明には、上記樹脂組成物を成形することにより得られる成形体も含まれる。成形方法としては、例えば、射出成形、押出し成形、インフレーション、ブロー成形、トランスファー成形、圧縮成形、紡糸、その他、通常、プラスチック成形法に用いられるあらゆる成形法を採用することができる。また、フィルム化後の延伸も可能である。
【0050】
それぞれの成形法に適用する際には、樹脂組成物の溶融特性や、固化・結晶化特性が重要な要素になるが、本発明ではいずれの成形法に対しても最適化が容易に可能である。
【実施例】
【0051】
以下実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお以下特にことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
【0052】
実験No.1
テトラエトキシシラン(TEOS)100gを、L−乳酸(LLA;ピューラック社製;90質量%水溶液;)1000gに溶解させ、アルゴンバブリングさせながら130℃で24時間、更に170℃で48時間攪拌して、脱水しながら縮重合を行った。縮重合反応終了後、流動性のポリマーをテフロン(登録商標)の容器に移し、冷却固化させることにより、白色樹脂568g得た。
【0053】
生成物の示差走査熱量計(DSC)曲線を図1に示した。自己結晶化ピークが観察されているのがわかる。融点と降温結晶化温度を表1に示した。なお、DSCはリガク社製の「DSC8230」を用い、試料質量は約10mg、温度範囲は25℃〜200℃、昇温速度は10℃/min、降温速度は15℃/minとした。以下の例でも同様にした。
【0054】
実験No.2
TEOS100gを、D−乳酸(DLA;ピューラック社製;90質量%水溶液)1000gに溶解させ、アルゴンバブリングさせながら130℃で24時間、更に170℃で24時間攪拌して、脱水しながら縮重合を行った。縮重合反応終了後、流動性のポリマーをテフロン(登録商標)の容器に移し、冷却固化させることにより、白色樹脂583g得た。生成物の示差走査熱量計による測定結果を表1に示した。
【0055】
実験No.3
実験No.1で得られた生成物を、重合温度130℃で、真空度1Torrの条件下で24時間、固相重合を行った。生成物の示差走査熱量計による測定結果を表1に示した。固相重合を行うことにより、有機−無機ハイブリッド型ポリ乳酸の融点が150.9℃から160℃まで向上した。この結果は、固相重合によりハイブリッド型ポリ乳酸の分子量が増大したためであると考えられる。
【0056】
実験No.4
実験No.3で得られた生成物を、さらに、重合温度150℃、真空度1Torrの条件下で24時間、固相重合を行った。生成物の示差走査熱量計曲線を図4に示し、融点と降温結晶化温度を表1に示した。その結果、ハイブリッド型ポリ乳酸の融点が160℃から168.8℃まで向上した。市販の成形可能な高分子量ポリ乳酸の融点が170℃付近であることから、このハイブリッド型ポリ乳酸は、充分に成形可能であると思われる。
【0057】
実験No.5
実験No.2で得られた生成物を、重合温度120℃で、真空度1Torrの条件下で24時間、固相重合を行った。生成物の示差走査熱量計による測定結果を表1に示した。固相重合を行うことにより、ハイブリッド型ポリ乳酸の融点が134℃から152℃まで向上した。この結果は、固相重合によりハイブリッド型ポリ乳酸の分子量が増大したためであると考えられる。
【0058】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂は、結晶化が速く、成形性に優れているため、成形速度や延伸温度、延伸倍率の向上が可能である。よって、本発明の有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂を含む組成物から得られた成形物の耐熱性、耐衝撃性等に優れている。また、生分解性を有するため、環境に優しい。
【0060】
従って、上記樹脂、ペレット、シート、フィルム、発泡体、繊維、各種成形体等の形態で、生分解性が要求されるあらゆる用途に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実験No.1で得られたポリ乳酸のDSC曲線である。
【図2】実験No.3で得られた有機−無機ハイブリッド型ポリ乳酸のDSC曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性ポリエステルの原料モノマーと金属アルコキサイドとを、液相で重縮合反応させた後、さらに固相重合を行うことにより得られることを特徴とする有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂。
【請求項2】
溶融状態から降温する過程で自己結晶化ピークが観察されるものである有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂。
【請求項3】
生分解性ポリエステルの原料モノマーとして乳酸を用いたものである請求項1または2に記載の有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂。
【請求項4】
上記生分解性ポリエステル樹脂の末端が、エステル化、ウレタン化またはエーテル化されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の生分解性ポリエステル樹脂組成物から成形されたものであることを特徴とする有機−無機ハイブリッド型生分解性ポリエステル樹脂成形体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−239715(P2008−239715A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80108(P2007−80108)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(591167430)株式会社KRI (211)
【Fターム(参考)】