説明

有機エレクトロルミネセンス素子

【課題】 照明光を発するとともに、外部から入射した光を拡散反射できる有機EL素子を提供する。
【解決手段】 基板20上に、反射基板11を積層する。反射基板11の上面を、凹凸面11Aとして形成する。凹凸面11Aは、上方からの光を拡散反射することができる。凹凸面11A上には、導電性高分子材料で形成される平滑層12、有機EL発光層13、電極層14を順に積層する。反射基板11および電極層14の間に電流が流れると、有機EL発光層13は照明光を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネセンス素子(以下有機EL素子という)に関し、特に安全照明装置に適用するのに適した有機EL素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自転車等の車両においては、その後方に安全照明装置として尾灯が設けられることが知られている(例えば特許文献1)。このような安全照明装置は、例えば他の歩行者や自動車等に自己の存在を知らしめることができるので、夜間走行時の安全性を確保することができる。
【0003】
また従来、泥避けカバー、ペダルの背面、自転車サドルの背面等に、反射テープが取り付けられることが知られている(例えば特許文献2)。反射テープは、その裏面が凹凸面として形成されており、光が照射されると、その照射光を拡散反射させる。拡散反射された光は、光が照射された方向にも戻るので、反射テープはどのような方向から光が入射されても、その入射された方向に光を反射させることができる。したがって、例えば自動車から反射テープに向けてライト光が照射されると、その照射方向によらず自動車のライト光は照射側に戻っていき、自動車の運転手に自転車の存在を知らしめることができる。
【特許文献1】特開平8−80883号公報
【特許文献2】実開平6−3785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、自転車の尾灯ランプの電源は、太陽電池や発電機等によって供給されており、その光量を大きくするのには限界がある。したがって、尾灯を用いて広い範囲に亘って自転車の存在を知らしめることは困難であり、例えば自動車に対して、その存在を注意喚起することは困難である。
【0005】
一方、特許文献2の反射テープは、ライトを照射する自動車等に対して注意を喚起するには有効であるが、例えばライトを持たない歩行者に対しては、自己の存在を知らしめることができないので、走行の安全性を確保するのに十分とは言えない。
【0006】
本願発明は、これら問題点に鑑みて成されたものであり、自転車の走行の安全を確保するために好適な安全照明装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る有機EL素子は、外部からの光を拡散反射する凹凸面が形成された反射材と、凹凸面上に密接して積層され、凹凸面を平滑にする平滑層と、平滑層上に積層され、外部に向け光を発する有機EL発光層とを備える。このような構成によれば、有機EL素子は、外部に向けて自ら光を発するとともに、外部から入射された光を拡散反射することができるので、例えば安全照明装置として利用することができる。
【0008】
本発明においては、反射材は、有機EL発光層に電源を供給する第1電極であって、有機EL発光層上にはさらに有機EL発光層に電源を供給するための第2電極が積層されても良い。このような構成によれば、反射材を電極として用いることができるので、少ない部品点数で外部からの光を拡散反射することができる有機EL素子を提供することができる。この場合、平滑層は、有機EL発光層に電流を流すことができるように、導電性を有することが好ましい。また、有機EL発光層は、平滑層に隣接して積層されることが好ましい。また、平滑層は、導電性高分子有機材料を含むことが好ましい。
【0009】
本発明においては、反射材は、第1電極として必ずしも利用される必要はなく、平滑層と有機EL発光層の間に第1電極が設けられても良い。この場合においても、有機EL発光層上にはさらに有機EL発光層に電源を供給するための第2電極が積層されることが好ましい。この場合、平滑層は絶縁性を有することが好ましく、これにより反射材と第1電極は絶縁されるので、反射材に余計な電流が流されることはない。
【発明の効果】
【0010】
本発明の有機EL素子は、外部に向けて自ら光を発するとともに、外部から入射された光を拡散反射することができるので、例えば安全照明装置として利用することができる。また、平滑層を反射材上に隣接して積層させることにより、有機EL発光層と反射材を一体的に成形することができるので、より簡易な構成で、外部から入射された光を拡散反射する有機EL素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る有機EL素子の模式的な断面図を示す。図2は、反射基板の凹凸面を上方から見たときの平面図である。有機EL素子10は、基板20、反射基板(反射材)11、平滑層12、有機EL発光層13、および電極層14が順に密接して積層されて構成される。反射基板11と電極層14には、反射基板11が陰極に、電極層14が陽極となるように電源17が接続される。ただし、電源17は反射基板11が陽極となり、電極層14が陰極となるように接続されても良い。
【0012】
基板20は、例えばガラス、樹脂等によって形成される。基板20の上には、反射基板11が貼り付けられる。反射基板11の上面は凹凸面11Aであって、凹凸面11Aは外部(図1においては上方)から入射された光を拡散して反射することができる。凹凸面11Aは図2に示すように、ピラミット形状の正四角錐11Bが図2中の上下左右に接するように配列されて形成される。ただし、凹凸面11Aの形状は、図2に示す形状に限定されず、三角錐、円錐等が配列されて形成されても良い。また、凹凸面11Aは、その面に凹凸が形成され、入射された光を拡散反射するものであれば、他のいかなる態様も採ることができる。反射基板11は、導電性を有する例えばチタン、ニッケル、白金、銅、亜鉛、金、銀、水銀、アルミニウム等の金属単体、これら金属2種以上の合金、またはこられ金属を含む合金等によって形成されるが、反射率の高いアルミニウムを含む合金、またはアルミニウム単体で形成されることが好ましい。
【0013】
平滑層12は、反射基板11の凹凸面11A上に密接して積層され、凹凸面11Aを平滑する役割を果たす。すなわち、平滑層12の下面12Aは、凹凸面11Aの凹凸に応じて、凹凸面に形成されるとともに、上面12Bは略平面に形成される。上面12Bは、略平面に形成されるので、上面12B上に積層される有機EL発光層13等は、その層厚を均一に形成することができる。
【0014】
平滑層12は、導電性を有する層であって例えば導電性高分子層である。導電性高分子層は、導電性高分子有機材料を主成分として構成され、必要に応じて後述のドーパント等の添加剤が添加されている。導電性高分子有機材料としては、その種類が限定されるわけではないが、例えば共役系高分子であって、例えばポリアセチレン(アセチレンを重合して得られるアセチレン重合体)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリアニリン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアルミノフタロシアニンフルオライド等、若しくはこれらの誘導体、またはこれらの2種以上の混合物等が使用される。導電性高分子層は、ドーパントが必要に応じてドーピングされる。ドーパントとしては、例えば電子受容性物質や電子供与性物質が用いられる。電子受容性物質としては、ヨウ素等のハロゲン、AsF5等の含ハロゲン化合物、ClO4-等の含ハロゲン化合物イオンが用いられる。電子供与性物質としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属等が用いられる。ドーパントは特に限定されるわけではないが、導電性高分子有機材料に対して、例えば0.01mol%〜0.25 mol%ドープされる。このような構成により、導電性高分子層は例えば電気伝導度が1Ω-1・cm-1以上に設定されるが、電気伝導度はより高く設定されたほうが良い。なお、平滑層12は透明性を有しており、入射された光を透過させることができる。また平滑層12は、導電性を有する層であれば特に限定されず、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などの一般に知られた透明導電膜で形成することも可能である。
【0015】
平滑層12は公知の方法により形成される。例えば導電性高分子有機材料およびドーパント等の添加剤が、水あるいは有機溶剤中に溶解、分散され、公知の方法で反射基板11の凹凸面11A上に塗布された後、揮発分が除去されて、平滑層12が形成される。さらに、例えばドーパント等を含有するモノマーが凹凸面11A上に塗布された後、凹凸面11A上でモノマーが重合されて導電性高分子層が形成されても良い。また、例えば、スクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷法により形成されても良い。
【0016】
有機EL発光層13は、平滑層12の上に密接して積層される。有機EL発光層13は例えば特開平7−142169号公報に記載されるように、陰極側から例えば、緑色発光層、赤色発光層、青色発光層、正孔輸送層の順で積層されて構成される。有機EL素子13は、好ましくは白色光を発するように構成されるが、可視光であれば他の色の光を発するように構成されても良い。
【0017】
緑色発光層は、上述の緑色発光材料に緑色ドーパント色素がドープされて形成される。ただし、緑色ドーパント色素はドープされていなくても良い。緑色発光材料は、例えばAlq3(トリキノリノレートアルミニウム)等のアルキレート化合物である。緑色ドーパント色素は、例えばC545T(10−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H,11H−ピラノ[2,3−f]ピリド[3,2,1−ij]キノリン−11−オン)、クマリン6(coumarin 6)等である。
【0018】
赤色発光層は、例えば特開平7−142169号公報に記載されるように、例えば上述の緑色発光材料に赤色ドーパント色素がドープされて形成される。赤色ドーパント色素は、特に限定されるわけではないが、DCM2(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(2−(2,3,6,7−テトラ−ヒドロ−1H,5H−ベンゾ)[ij]キノリジン−8−イル)−4H−ピラン)、DCJTB(4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン)、ローダミン6G(rhodamine 6G)、DCM(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)等が使用される。ただし、赤色発光層は、上述の青色発光材料に赤色ドーパント色素がドープされて形成されても良い。また、赤色発光層には、赤色ドーパント色素に加えてさらにルブレン(Rubrene)等の黄色ドーパント色素がドープされていても良い。
【0019】
青色発光層は、青色発光材料に青色ドーパント色素がドープされて形成される。青色発光材料は、特に限定されるわけではないが、アントラセン誘導体、スチリル誘導体等であって、例えばDPVBi(1,4−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル)、ADS082(4,4−ビス(ジフェニルビニレン)−ビフェニル)、β-ADN(9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、TBADN(2−t−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)等が使用される。青色ドーパント色素は、特に限定されるわけではないが、ペリレン(perylene)や、テトラ(t−ブチル)ペリレン等のペリレン誘導体が使用される。なお、青色発光層は、ドーパント色素がドープされていなくても良い。
【0020】
正孔輸送層は、正孔輸送材料を材料として形成され、正孔輸送材料には、特に限定されるわけではないが、NPB(N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)―N,N’−ジフェニル−ベンジジン)等が使用される。
【0021】
ただし、有機EL発光層13においては必要に応じて、緑色発光層の陰極側にさらに電子輸送層が積層されても良い。同様に、正孔輸送層の陽極側に正孔注入層が積層されていても良い。また、赤色発光層および緑色発光層の積層される順は、陽極側から順に緑色発光層、赤色発光層の順でも良い。さらに、有機EL発光層13は、上述の構成に限定されず、公知の他の構成も適用することができる。また、有機EL発光層13を構成する材料は、上述した低分子材料に限定されず、高分子材料でも良い。
【0022】
有機EL発光層13の上には、電極層14が密接して積層される。電極層14は、透明電極であって、例えばITO(Indium Tin Oxide)、ATO(Antimony Doped Tindioxide)、ZnO(Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)で形成される。有機EL発光層13および電極層14の各層は、例えば真空蒸着法により形成される。真空蒸着法としては、例えば化学蒸着(CVD)、または物理蒸着(PVD)等が用いられる。
【0023】
電極層14の上方には、透明性を有する封止カバー(不図示)が設けられる。封止カバーは、基板20に接着剤等により接合され、反射基板(反射材)11、平滑層12、有機EL発光層13、および電極層14を封止する。
【0024】
電源17から電流が流されると、電極層(陽極)14から正孔が有機EL発光層13に注入される。また、反射基板(陰極)11から、平滑層12を介して電子が有機EL発光層13に注入される。有機EL発光層13に注入された正孔及び電子は、有機EL発光層13で再結合され、これにより有機EL発光層13から白色光が発せられる。発せられた白色光は、電極層14および封止カバー(不図示)を介して外部(図1中上方側)に発せられる。
【0025】
また、有機EL素子10は、外部(図1中上方側)から光が入射されると、封止カバー、電極層14、有機EL層13、平滑層12を透過して、反射板11の凹凸面11Aに入射される。凹凸面11Aに入射された光は拡散反射され、拡散反射された光は、平滑層12、有機EL層13、電極層14、透明カバー(不図示)を介して外部(図1中上方側)に射出される。
【0026】
上述した有機EL素子10を安全照明装置として用いた例を図3に示す。本実施形態においては、有機EL素子(安全照明装置)10は、自転車サドル31の背面に設けられる。具体的には、有機EL素子10は、例えば基板20の下面(図1における下側)に接着剤が塗布され、接着剤が塗布された下面が、自転車サドル31の背面31Bに貼り付けられている。なお、背面31Bは平面でも曲面でも良いが、曲面の場合、有機EL素子10の基板20には、屈曲性を有する樹脂シートが使用される。
【0027】
本実施形態の有機EL素子10は、その照明光により、歩行者等に向けて自転車の存在を知らしめることができる。また有機EL素子10は、入射した光を反射することができるので、他の車両等のランプにより照射されると、その照射光を反射し、自転車の存在を知らしめることができる。このとき、有機EL素子10は入射した光を拡散反射するので、例えば、他の車両等のランプが自転車の背面を斜め方向から照射するような場合でも、有機EL素子10は、その車両の存在する方向にその照射光を反射することができる。
【0028】
なお、本実施形態においては、有機EL素子10は、自転車サドル31の背面31Bに取り付けられたが、取り付けられる場所は特に限定されず、例えば自転車の後輪の泥よけ、後輪の上方の荷台、ペダル等に取り付けられても良い。また有機EL素子10は、オートバイや自動車等の他の車両に取り付けられても良いし、ランドセルや服などの車両以外のものに取り付けられても良い。なお、有機EL素子(安全照明装置)10の電源17(図1参照)には、例えば電池や太陽電池等が使用される。その他、例えば本実施形態の有機EL素子を自転車に適用する場合には、前照灯用の発電機を有機EL素子の電源として兼ねること等が考えられる。
【0029】
さらに本実施形態の有機EL素子10は、基板20の下面に接着剤が塗布された後保護シートが貼り付けられて、任意な場所に貼り付け可能な安全照明装置として利用されても良い。このような構成によれば、使用者は使用したいときに、保護シートを剥がし、下面に塗布された接着剤により、安全照明装置を任意の場所に取り付けることができる。
【0030】
図4に第2の実施形態に係る有機EL素子10を示す。第2の実施形態においては、平滑層12と有機EL発光層13の間に、電極層が設けられる点において、第1の実施形態と相違する。この構成により、第2の実施形態においては、反射基板11が電極として利用されないので、平滑層12は電流が導通される必要がなく、絶縁層で形成される。以下、第2の実施形態について第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0031】
第2の実施形態に係る有機EL素子10は、基板20、反射基板(反射材)11、平滑層12、第1電極層14A、有機EL発光層13、および第2電極層14Bが順に密接して積層されて構成される。第1電極層14Aと第2電極層14Bには、第1電極層14Aが陰極に、第2電極層14Bが陽極となるように電源17が接続される。ただし、第2電極層14Bが陽極となり、第1電極層14Aが陰極となるように接続されても良い。
【0032】
基板20および反射基板11は、第1の実施形態と同一の構成であるので、その説明は省略する。平滑層12は、反射基板11の凹凸面11A上に密接積層され、凹凸面11Aを平滑する役割を果たす。すなわち、平滑層12の下面12Aは凹凸面11Aの凹凸に対応して凹凸面に形成されるとともに、上面12Bは略平面に形成される。平滑層12は絶縁層であって、高分子材料を主成分として構成され、必要に応じて添加剤が添加される。高分子材料としては、その種類が限定されるわけではないが、例えばシリコーン、エポキシ、ポリエステル、ポリイミド、またはこれらの2種以上の混合物等が使用される。このような構成により、平滑層12の電気伝導度は例えば1×10-10Ω-1・cm-1以下に設定されるが、第1電極14Aに流された電流が反射基板11に実質的に導通しない範囲であれば、例えば帯電性を防止するため、電気伝導度は1×10-10Ω-1・cm-1以上に設定されても良い。平滑層12は、第1の実施形態と同様の方法により製造される。なお、平滑層12は透明性を有しており、外部(図1においては上方)から入射された光を透過させることができる。
【0033】
有機EL発光層13を挟持する第1及び第2電極層14A、14Bは、それぞれ透明電極であって、例えばITO(Indium Tin Oxide)、ATO(Antimony Doped Tindioxide)、ZnO(Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)で形成される。第2の実施形態の有機EL発光層13は、第1の実施形態と同様の構成であるので、その記載は省略する。第2電極層14B上には、第1の実施形態と同様に封止カバー(不図示)が設けられる。
【0034】
電源17から電流が流されると、第2電極層(陽極)14Bから正孔が、第1電極層14Aから電子が有機EL発光層13に注入される。有機EL発光層13に注入された正孔及び電子は、有機EL発光層13で再結合され、これにより有機EL発光層13から白色光が発せられる。発せられた白色光は、第2電極層14Bおよび封止カバー(不図示)を介して外部(図1中上方側)に発せられる。
【0035】
また、有機EL素子10は、外部(図1中上方側)から光が入射されると、封止カバー、第2電極層14B、有機EL発光層13、第1電極層14A、平滑層12を透過して、反射板11の凹凸面11Aに入射される。凹凸面11Aに入射された光は拡散反射され、拡散反射された光は、平滑層12、第1電極層14A、有機EL発光層13、第2電極層14B、封止カバー(不図示)を介して外部(図1中上方側)に射出される。
【0036】
以上の第2の実施形態の構成によれば、有機EL素子10は、外部に向けて自ら発光するとともに、外部から入射された光を拡散反射することができるので、第1の実施形態と同様に例えば安全照明装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1の実施形態の有機EL素子について概略的に示した断面図である。
【図2】反射基板の凹凸面を示した平面図である。
【図3】有機EL素子を安全照明装置として用いた例を示す斜視図である。
【図4】第2の実施形態の有機EL素子について概略的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 有機EL素子
11 反射基板(反射材)
11A 凹凸面
12 平滑層
13 有機EL発光層
14 電極層
14A 第1電極層
14B 第2電極層
20 基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの光を拡散反射する凹凸面が形成された反射材と、前記凹凸面上に密接して積層され、前記凹凸面を平滑する平滑層と、前記平滑層上に積層され、外部に向け光を発する有機EL発光層とを備える有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項2】
前記反射材は、前記有機EL発光層に電源を供給するための第1電極であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項3】
前記平滑層は、導電性を有することを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項4】
前記平滑層は、導電性高分子有機材料を含むことを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項5】
前記平滑層と前記有機EL発光層の間には、さらに前記有機EL発光層に電源を供給するための第1電極が積層されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項6】
前記平滑層は、絶縁性を有することを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項7】
前記有機EL発光層上にはさらに前記有機EL発光層に電源を供給するための第2電極が積層されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項8】
前記平滑層が透明性を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate