有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置及び有機エレクトロルミネッセンスパネル
【課題】有機ＥＬパネルを発光光源として用いた有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、平面光源からの放熱効率を高めた、照明器具への簡易な光源の保持方法を提供する。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンスパネルを照明器具に取り付けた有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、平面状であって、発光面の反対側（背面）に金属膜を含む封止部材層を有し、該封止部材層と照明器具の取り付け面とが密着されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンスパネルを照明器具に取り付けた有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、平面状であって、発光面の反対側（背面）に金属膜を含む封止部材層を有し、該封止部材層と照明器具の取り付け面とが密着されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は有機エレクトロルミネッセンスパネルの照明器具への取り付け方法に関し、特に放熱性を改良した照明器具への取り付け方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
有機エレクトロルミネッセンス（以下、有機ＥＬと表す。）素子は、有機発光層に電流を流すことによって発光するので僅かではあるが発熱する。
【０００３】
有機発光層は高温に成るほど発光開始電圧が低下するという温度特性を有するという問題がある。
【０００４】
即ち、有機ＥＬ素子が高温に成る程発光するのに過剰な電圧が掛けられることになるため、発光輝度が高くなり、有機ＥＬ形成層の寿命が短くなると言う問題がある。
【０００５】
また、有機ＥＬ照明装置として構成した場合、高温となる発光層とそうでない低温の発光層とで発光効率が異なるため輝度が不均一となり、表示ムラが生じるという問題もあった。
【０００６】
そのため、有機ＥＬ素子には熱を逃す工夫として、封止基板の全面に金属膜を形成すると共に、封止基板のシール材内に導電材料を混入し、陰電極をその導電材料を介して金属膜に接続することにより、陰電極から発生する熱を金属膜に伝達させて放熱する方法が開示されている（例えば、特許文献１参照。）。また、背面の封止部材自体に凹凸を設けて放熱を効率良くするといった工夫が盛り込まれたものが開示（例えば、特許文献２、３参照。）されている。しかし、これらは有機ＥＬ素子単体としての放熱機能に限定されたものである。
【０００７】
一方、平面発光パネルの照明器具への安全な着脱を考慮した照明装置として、発光パネルに電極端子を形成し、スライドして発光パネルを装填することにより、接続端子と接続される保持部材を有する照明装置が開示（例えば、特許文献４，５参照。）されている。
【０００８】
しかしながら、照明器具にセットされた場合の発熱の効率的な除去には言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開２００４−１８６０４５号公報
【特許文献２】特開２００６−１８５６４３号公報
【特許文献３】特開２００７−２５０３０２号公報
【特許文献４】特開２００９−１２９７７１号公報
【特許文献５】特開２００８−２４３４９４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明の目的は、有機ＥＬパネルを発光光源として用いた有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、平面光源からの放熱効率を高めた、照明器具への簡易な光源の固定化方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記課題は、本発明の下記の構成により、解決することができた。
【００１２】
１．有機エレクトロルミネッセンスパネルを照明器具に取り付けた有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、平面状であって、発光面の反対側（背面）に金属膜を含む封止部材層を有し、該封止部材層と照明器具の取り付け面とが密着されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１３】
２．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがコネクタを用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１４】
３．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがフランジを用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１５】
４．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがマグネットを用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１６】
５．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが粘着材を用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１７】
６．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが吸盤を用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１８】
７．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが板バネを用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１９】
８．前記有機エレクトロルミネッセンスパネル及び前記照明器具には各々正極及び負極の接続電極を有し、該接続電極の正極と負極で形状が異なることを特徴とする前記１〜７の何れか１項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００２０】
９．前記１〜８の何れか１項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置に用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
【発明の効果】
【００２１】
本発明の固定化方法により、平面光源からの発熱を効率よく放熱することができ、且つ光源の交換が容易な照明器具への平面発光体の保持方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】有機エレクトロルミネッセンスパネルの断面模式図である。
【図２】本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置における有機エレクトロルミネッセンスパネルと照明器具とを、接続、固定化する方法を示す概略断面図である。
【図３】本発明に用いられる種々の固定化する方法の例を示す断面模式図である。
【図４】本発明に用いられる種々の固定化する方法の他の例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
前記課題を解決するために、本発明の前記１は、発光面と反対側の背面に、金属膜を含む封止部材を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルを光源として有し、該光源を照明器具に取り付けた照明装置において、該有機エレクトロルミネッセンスパネルの前記封止部材と前記照明器具とを密着構造とすることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置である。
【００２４】
本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置の、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと照明器具との固定化方法としては、コネクタ、フランジ、マグネット、粘着材、吸盤、板バネ等が好ましく、これらを２つ以上組み合わせた固定化方法であることが好ましい。
【００２５】
本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置の、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと照明器具との固定化方法を図を参照しながら詳細に説明する。
【００２６】
図１は、本発明に用いられる平面状の有機エレクトロルミネッセンスパネルの断面模式図である。図１（ａ）は、１個の有機ＥＬ素子によって１個の有機エレクトロルミネッセンスパネルを形成する構成とするものであり、パネル基板１上に透明電極（陽極）２がパターン形成され、その上に有機発光層３が積層され、更にその上に陰極４が積層されて、有機ＥＬ素子が形成されている。有機ＥＬ素子の発光側（矢印は発光を示す。）とは反対側の背面には、封止部材層として、接着剤層５を介して封止基板６が、素子全体を封止し、電極端子２ａ、４ａが露出している。
【００２７】
図１（ｂ）は、１つの基板上に複数の有機ＥＬ素子を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルの構成を示し、有機ＥＬ素子が直列に接続した例である。図１（ａ）に示した様に、１つの有機ＥＬ素子により１つの有機エレクトロルミネッセンスパネルを形成しても良く、図１（ｂ）に示される様に、複数の有機ＥＬ素子により１つの有機エレクトロルミネッセンスパネルを形成しても良い。
【００２８】
本発明においては、封止基板６の何れかの位置に金属板を含むことを要件とする。封止基板６の何れかの位置に金属板を含むとは、封止基板そのものが金属板であっても良く、また封止基板６の何れかの表面或いは内部に、金属板或いは金属薄膜を有するものであってもよい。本発明においては、封止基板の外表面が金属板で有ることが好ましい。
【００２９】
金属板としては、鉄、銅、アルミニウム、真鍮等を挙げることが出来る。又これらの金属の薄膜であってもよく、更には樹脂とのラミネート板であっても良い。本発明において最も好ましく用いられる封止基板としては、アルミニウムラミネートフィルムである。
【００３０】
図２は、本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０と、照明器具２０とが、密着した状態で、固定化され、電源部が接続された状態を示す概略断面図である。
【００３１】
本発明において、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０と、照明器具２０とが、密着した状態とは、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０の背面の面積の５０％以上が照明器具２０の器具筐体２５とが接していることであり、好ましくは８０％以上、更には９０％以上が密着していることが好ましい。
【００３２】
図２（ａ）において、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０は図１（ａ）または図１（ｂ）に示したものを用いることができ、その端部２ａ，４ａには接続電極２３、２４が形成されている。一方、照明器具２０には、器具筐体２５、接続電極２１、２２、及び電源部２６を有し、各接続電極２１、２２は電源部２６に接続されている。
【００３３】
図２（ｂ）では、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０と、照明器具２０とが、接続電極を介して接続、固定化された状態を示す概略断面図であり、封止基板６の背面と器具筐体２５が密着状態にあることを示す。
【００３４】
図３、４は、本発明に用いられる種々の固定方法の例を示す断面模式図である。
【００３５】
図３（ａ）は、照明器具の接続電極２１、２２と有機エレクトロルミネッセンスパネルの接続電極２３、２４が互いにコネクタとして接続、固定化された状態を示す。接続電極２１、２２は互いに異なる形状のものであることが誤接続を防止する観点から好ましい。
【００３６】
図３（ｂ）は、接続電極２１、２２、２３、２４が接触型の電極で、周囲をフランジ３１で押さえることにより、接続、固定化される構成とするものである。
【００３７】
図３（ｃ）は、板バネ３２で押さえることにより、接続、固定化される構成とするものである。
【００３８】
図４（ａ）は、接続電極２１、２２、２３、２４がマグネット３３となっており、２１と２３、２２と２４は、互いに引き合うことにより、接続、固定化される構成とするものである。逆に、２１と２４、或いは２２と２３は互いに反発する様な構成とすることが誤接続を防止する点から好ましい。
【００３９】
図４（ｂ）は、掛け金３４で押さえることにより、接続、固定化する構成とするものである。
【００４０】
図４（ｃ）は、照明器具の背面に排気機構３５を有し、器具筐体２５に有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止基板６を減圧吸引することにより密着させ、接続、固定化する構成とするものである。
【００４１】
その他、図には示していないが、封止基板６の表面に粘着材シートを貼り付けた粘着材方式、封止基板６の表面にマグネットシートを貼り付けたマグネットシート方式、封止基板６の表面に粘着材を直接塗り筐体に貼り付ける方式、等種々の固定化方法を用いることができる。
【００４２】
各図に示した如く、照明器具の器具筐体２５と、有機エレクトロルミネッセンスパネルの発光面と反対側の背面の、金属板を含む封止基板６とを、封止基板６の全面を密着させた構造とすることにより、連続、長時間発光を行っても安定した放熱を行うことができ、安定した有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置を提供することができた。
【符号の説明】
【００４３】
１ パネル基板
２ 透明電極（陽極）
２ａ 陽極端子
３ 有機発光層
４ 陰極
４ａ 陰極端子
５ 接着剤層
６ 封止基板
１０ 有機エレクトロルミネッセンスパネル
２０ 照明器具
２１、２２、２３、２４ 接続電極
２５ 器具筐体
２６ 電源部
３０ 有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置
３１ フランジ
３２ 板バネ
３３ マグネット
３４ 掛け金
【技術分野】
【０００１】
本発明は有機エレクトロルミネッセンスパネルの照明器具への取り付け方法に関し、特に放熱性を改良した照明器具への取り付け方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
有機エレクトロルミネッセンス（以下、有機ＥＬと表す。）素子は、有機発光層に電流を流すことによって発光するので僅かではあるが発熱する。
【０００３】
有機発光層は高温に成るほど発光開始電圧が低下するという温度特性を有するという問題がある。
【０００４】
即ち、有機ＥＬ素子が高温に成る程発光するのに過剰な電圧が掛けられることになるため、発光輝度が高くなり、有機ＥＬ形成層の寿命が短くなると言う問題がある。
【０００５】
また、有機ＥＬ照明装置として構成した場合、高温となる発光層とそうでない低温の発光層とで発光効率が異なるため輝度が不均一となり、表示ムラが生じるという問題もあった。
【０００６】
そのため、有機ＥＬ素子には熱を逃す工夫として、封止基板の全面に金属膜を形成すると共に、封止基板のシール材内に導電材料を混入し、陰電極をその導電材料を介して金属膜に接続することにより、陰電極から発生する熱を金属膜に伝達させて放熱する方法が開示されている（例えば、特許文献１参照。）。また、背面の封止部材自体に凹凸を設けて放熱を効率良くするといった工夫が盛り込まれたものが開示（例えば、特許文献２、３参照。）されている。しかし、これらは有機ＥＬ素子単体としての放熱機能に限定されたものである。
【０００７】
一方、平面発光パネルの照明器具への安全な着脱を考慮した照明装置として、発光パネルに電極端子を形成し、スライドして発光パネルを装填することにより、接続端子と接続される保持部材を有する照明装置が開示（例えば、特許文献４，５参照。）されている。
【０００８】
しかしながら、照明器具にセットされた場合の発熱の効率的な除去には言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開２００４−１８６０４５号公報
【特許文献２】特開２００６−１８５６４３号公報
【特許文献３】特開２００７−２５０３０２号公報
【特許文献４】特開２００９−１２９７７１号公報
【特許文献５】特開２００８−２４３４９４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明の目的は、有機ＥＬパネルを発光光源として用いた有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、平面光源からの放熱効率を高めた、照明器具への簡易な光源の固定化方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記課題は、本発明の下記の構成により、解決することができた。
【００１２】
１．有機エレクトロルミネッセンスパネルを照明器具に取り付けた有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、平面状であって、発光面の反対側（背面）に金属膜を含む封止部材層を有し、該封止部材層と照明器具の取り付け面とが密着されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１３】
２．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがコネクタを用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１４】
３．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがフランジを用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１５】
４．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがマグネットを用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１６】
５．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが粘着材を用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１７】
６．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが吸盤を用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１８】
７．前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが板バネを用いて固定化されていることを特徴とする前記１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００１９】
８．前記有機エレクトロルミネッセンスパネル及び前記照明器具には各々正極及び負極の接続電極を有し、該接続電極の正極と負極で形状が異なることを特徴とする前記１〜７の何れか１項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【００２０】
９．前記１〜８の何れか１項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置に用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
【発明の効果】
【００２１】
本発明の固定化方法により、平面光源からの発熱を効率よく放熱することができ、且つ光源の交換が容易な照明器具への平面発光体の保持方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】有機エレクトロルミネッセンスパネルの断面模式図である。
【図２】本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置における有機エレクトロルミネッセンスパネルと照明器具とを、接続、固定化する方法を示す概略断面図である。
【図３】本発明に用いられる種々の固定化する方法の例を示す断面模式図である。
【図４】本発明に用いられる種々の固定化する方法の他の例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
前記課題を解決するために、本発明の前記１は、発光面と反対側の背面に、金属膜を含む封止部材を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルを光源として有し、該光源を照明器具に取り付けた照明装置において、該有機エレクトロルミネッセンスパネルの前記封止部材と前記照明器具とを密着構造とすることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置である。
【００２４】
本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置の、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと照明器具との固定化方法としては、コネクタ、フランジ、マグネット、粘着材、吸盤、板バネ等が好ましく、これらを２つ以上組み合わせた固定化方法であることが好ましい。
【００２５】
本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置の、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと照明器具との固定化方法を図を参照しながら詳細に説明する。
【００２６】
図１は、本発明に用いられる平面状の有機エレクトロルミネッセンスパネルの断面模式図である。図１（ａ）は、１個の有機ＥＬ素子によって１個の有機エレクトロルミネッセンスパネルを形成する構成とするものであり、パネル基板１上に透明電極（陽極）２がパターン形成され、その上に有機発光層３が積層され、更にその上に陰極４が積層されて、有機ＥＬ素子が形成されている。有機ＥＬ素子の発光側（矢印は発光を示す。）とは反対側の背面には、封止部材層として、接着剤層５を介して封止基板６が、素子全体を封止し、電極端子２ａ、４ａが露出している。
【００２７】
図１（ｂ）は、１つの基板上に複数の有機ＥＬ素子を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルの構成を示し、有機ＥＬ素子が直列に接続した例である。図１（ａ）に示した様に、１つの有機ＥＬ素子により１つの有機エレクトロルミネッセンスパネルを形成しても良く、図１（ｂ）に示される様に、複数の有機ＥＬ素子により１つの有機エレクトロルミネッセンスパネルを形成しても良い。
【００２８】
本発明においては、封止基板６の何れかの位置に金属板を含むことを要件とする。封止基板６の何れかの位置に金属板を含むとは、封止基板そのものが金属板であっても良く、また封止基板６の何れかの表面或いは内部に、金属板或いは金属薄膜を有するものであってもよい。本発明においては、封止基板の外表面が金属板で有ることが好ましい。
【００２９】
金属板としては、鉄、銅、アルミニウム、真鍮等を挙げることが出来る。又これらの金属の薄膜であってもよく、更には樹脂とのラミネート板であっても良い。本発明において最も好ましく用いられる封止基板としては、アルミニウムラミネートフィルムである。
【００３０】
図２は、本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０と、照明器具２０とが、密着した状態で、固定化され、電源部が接続された状態を示す概略断面図である。
【００３１】
本発明において、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０と、照明器具２０とが、密着した状態とは、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０の背面の面積の５０％以上が照明器具２０の器具筐体２５とが接していることであり、好ましくは８０％以上、更には９０％以上が密着していることが好ましい。
【００３２】
図２（ａ）において、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０は図１（ａ）または図１（ｂ）に示したものを用いることができ、その端部２ａ，４ａには接続電極２３、２４が形成されている。一方、照明器具２０には、器具筐体２５、接続電極２１、２２、及び電源部２６を有し、各接続電極２１、２２は電源部２６に接続されている。
【００３３】
図２（ｂ）では、有機エレクトロルミネッセンスパネル１０と、照明器具２０とが、接続電極を介して接続、固定化された状態を示す概略断面図であり、封止基板６の背面と器具筐体２５が密着状態にあることを示す。
【００３４】
図３、４は、本発明に用いられる種々の固定方法の例を示す断面模式図である。
【００３５】
図３（ａ）は、照明器具の接続電極２１、２２と有機エレクトロルミネッセンスパネルの接続電極２３、２４が互いにコネクタとして接続、固定化された状態を示す。接続電極２１、２２は互いに異なる形状のものであることが誤接続を防止する観点から好ましい。
【００３６】
図３（ｂ）は、接続電極２１、２２、２３、２４が接触型の電極で、周囲をフランジ３１で押さえることにより、接続、固定化される構成とするものである。
【００３７】
図３（ｃ）は、板バネ３２で押さえることにより、接続、固定化される構成とするものである。
【００３８】
図４（ａ）は、接続電極２１、２２、２３、２４がマグネット３３となっており、２１と２３、２２と２４は、互いに引き合うことにより、接続、固定化される構成とするものである。逆に、２１と２４、或いは２２と２３は互いに反発する様な構成とすることが誤接続を防止する点から好ましい。
【００３９】
図４（ｂ）は、掛け金３４で押さえることにより、接続、固定化する構成とするものである。
【００４０】
図４（ｃ）は、照明器具の背面に排気機構３５を有し、器具筐体２５に有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止基板６を減圧吸引することにより密着させ、接続、固定化する構成とするものである。
【００４１】
その他、図には示していないが、封止基板６の表面に粘着材シートを貼り付けた粘着材方式、封止基板６の表面にマグネットシートを貼り付けたマグネットシート方式、封止基板６の表面に粘着材を直接塗り筐体に貼り付ける方式、等種々の固定化方法を用いることができる。
【００４２】
各図に示した如く、照明器具の器具筐体２５と、有機エレクトロルミネッセンスパネルの発光面と反対側の背面の、金属板を含む封止基板６とを、封止基板６の全面を密着させた構造とすることにより、連続、長時間発光を行っても安定した放熱を行うことができ、安定した有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置を提供することができた。
【符号の説明】
【００４３】
１ パネル基板
２ 透明電極（陽極）
２ａ 陽極端子
３ 有機発光層
４ 陰極
４ａ 陰極端子
５ 接着剤層
６ 封止基板
１０ 有機エレクトロルミネッセンスパネル
２０ 照明器具
２１、２２、２３、２４ 接続電極
２５ 器具筐体
２６ 電源部
３０ 有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置
３１ フランジ
３２ 板バネ
３３ マグネット
３４ 掛け金
【特許請求の範囲】
【請求項１】
有機エレクトロルミネッセンスパネルを照明器具に取り付けた有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、平面状であって、発光面の反対側（背面）に金属膜を含む封止部材層を有し、該封止部材層と照明器具の取り付け面とが密着されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項２】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがコネクタを用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項３】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがフランジを用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項４】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがマグネットを用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項５】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが粘着材を用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項６】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが吸盤を用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項７】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが板バネを用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項８】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネル及び前記照明器具には各々正極及び負極の接続電極を有し、該接続電極の正極と負極で形状が異なることを特徴とする請求項１〜７の何れか１項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項９】
請求項１〜８の何れか１項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置に用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
【請求項１】
有機エレクトロルミネッセンスパネルを照明器具に取り付けた有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置において、該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、平面状であって、発光面の反対側（背面）に金属膜を含む封止部材層を有し、該封止部材層と照明器具の取り付け面とが密着されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項２】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがコネクタを用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項３】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがフランジを用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項４】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とがマグネットを用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項５】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが粘着材を用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項６】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが吸盤を用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項７】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記照明器具とが板バネを用いて固定化されていることを特徴とする請求項１に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項８】
前記有機エレクトロルミネッセンスパネル及び前記照明器具には各々正極及び負極の接続電極を有し、該接続電極の正極と負極で形状が異なることを特徴とする請求項１〜７の何れか１項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置。
【請求項９】
請求項１〜８の何れか１項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル用照明装置に用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１１−２４３４３１（Ｐ２０１１−２４３４３１Ａ）
【公開日】平成２３年１２月１日（２０１１．１２．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１１４９６０（Ｐ２０１０−１１４９６０）
【出願日】平成２２年５月１９日（２０１０．５．１９）
【出願人】（０００００１２７０）コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１２月１日（２０１１．１２．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年５月１９日（２０１０．５．１９）
【出願人】（０００００１２７０）コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Ｆターム（参考）】
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