説明

有機エレクトロルミネッセンス装置

【課題】補助配線層を形成する場合でも、隣接する画素で挟まれた領域の幅を広げる必要のない有機EL装置を提供すること。
【解決手段】有機EL装置100において、第2電極層83の下層側には第2電極層83に対して接触する補助配線層84が形成されている。補助配線層84は、アルミニウムよりも導電率が高い銀層あるいは銀合金層からなり、略完全な透光性を発揮するほど、薄い膜厚で形成されている。従って、補助配線層84については、複数の画素100aの各々において有機EL素子80に平面視で少なくとも一部が重なるようにストライプ状に形成しても出射光量が低下することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持基板上に有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置という)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機EL装置は、支持基板上に複数の画素が配列された画素領域を有し、前記複数の画素の各々に、少なくとも第1電極層、発光層、および第2電極層を備えた有機EL素子が形成された構造を有している。かかる有機EL装置において、第2電極層は、複数の画素に跨るように形成された薄膜によって形成されており、かかる第2電極層の電気的抵抗が高い場合や、電気的抵抗が場所によってばらついた場合、有機EL装置では輝度ばらつきが発生してしまう。特に有機EL素子から出射された光を第2電極層が位置する側(支持基板が位置する側とは反対側)から出射するトップエミッションタイプの有機EL装置では、第2電極層に透光性が求められることから、第2電極層の膜厚を薄くするため、第2電極層の電気的抵抗に起因する輝度ばらつきが発生しやすい。
【0003】
そこで、第2電極層の上層側または下層側に第2電極層に対して接触する補助配線層をアルミニウムなどの金属膜により形成することにより、第2電極層の電気的抵抗に起因する輝度ばらつきを防止することが提案されており、かかる技術によれば、例えば、図10に示すように、補助配線層88が有機EL素子から出射される光を遮らないように、隣接する画素100aの間を通るように延在させている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−80094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、隣接する画素100aの間には補助配線層88を通すための十分なスペースを確保する必要があるため、画素サイズを小さくする必要がある。また、有機EL素子が形成された基板に、カラーフィルタが形成された透光性基板を対向配置させてカラー表示を行なう場合、混色などを防止するために隣接する画素で挟まれた領域に平面視で重なる領域に遮光層23を形成することが多いが、このような場合、補助配線層88が遮光層23からはみ出ないように遮光層23を幅広に形成する必要があり、その結果、画素100a内において光出射領域が占める割合(画素開口率)が低下するという問題点もある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、補助配線層を形成する場合でも、隣接する画素で挟まれた領域の幅などを広げる必要のない有機EL装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、支持基板の一方面側に複数の画素が配列された画素領域を有し、前記複数の画素の各々に、少なくとも第1電極層、発光層、および透光性の第2電極層が順に積層された有機EL素子を備え、前記有機EL素子から出射された光を前記第2電極層が位置する側から出射する有機EL装置において、前記第2電極層は、前記画素領域の全面あるいは略全面に形成され、前記第2電極層の上層側または下層側には、当該第2電極層と接するストライプ状あるいは格子状の補助配線層が形成され、前記補助配線層は、透光性を発揮する膜厚の金属層からなるとともに、前記複数の画素の各々における有機EL素子に平面視で少なくとも一部が重なるように形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明において、補助配線層は、銀層あるいは銀合金層などといった金属層からなり、透光性を発揮するほど、薄い膜厚に形成されている。このため、平面視で画素と重なるように補助配線層を形成しても出射光量が大幅に低下しない。それ故、隣接する画素の間に補助配線層を通す必要がないため、画素間に広いスペースを確保する必要がないので、画素サイズを大きくすることができる。
【0008】
本発明において、前記補助配線層は、銀層または銀合金層からなることが好ましい。
【0009】
本発明において、前記支持基板の一方面側に対向配置された透光性基板を備えている構成を採用することができる。
【0010】
この場合、前記透光性基板には、隣接する前記画素で挟まれた領域に平面視で重なる領域にストライプ状あるいは格子状の遮光層が形成されている構成を採用することができる。この場合でも、補助配線層が遮光層と平面視で重なってもよいので、遮光層の幅寸法が狭くてよい。それ故、画素内において光出射領域が占める割合(画素開口率)を高くできる。
【0011】
本発明を適用した有機EL装置において、複数の画素から異なる色の光を出射するように構成する場合、例えば、前記透光性基板には、前記複数の画素と平面視で重なる領域に異なる色のカラーフィルタが形成されている構成を採用すればよい。また、前記複数の有機EL素子が異なる色の光を出射するように構成してもよい。
【0012】
本発明において、前記補助配線層は、当該補助配線層よりも前記支持基板側に配置された光反射面との間に光共振器を構成するハーフミラー層を構成していることが好ましい。このように構成すると、各画素から出射される色純度を高めることができるので、品位の高いカラー画像を表示することができる。
【0013】
本発明において、前記第2電極層の上層側または下層側には、当該第2電極層と接する金属層からなるハーフミラー層が形成され、前記ハーフミラー層は、前記複数の画素の各々における有機EL素子に平面視で少なくとも一部が重なるように形成されて、当該ハーフミラー層よりも前記支持基板側に配置された光反射面との間に光共振器を構成していることが好ましい。このように構成すると、各画素から出射される色純度を高めることができるので、品位の高いカラー画像を表示することができる。また、ハーフミラー層が金属層からなるため、ハーフミラー層も補助配線層と同様な機能を発揮することになる。この場合、前記ハーフミラー層は、銀層、銀合金層、アルミニウム層あるいはアルミニウム合金層からなることが好ましい。
【0014】
本発明において、前記ハーフミラー層が前記画素の有機EL素子に対して平面視で重なる領域の面積は、前記画素が対向する色によって相違する構成を採用してもよい。
【0015】
本発明を適用した有機EL装置は、携帯電話機あるいはモバイルコンピュータなどの電子機器において直視型の表示部などとして用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0017】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明を適用した有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図1に示す有機EL装置100において、第1基板10上には、複数の走査線3aと、走査線3aに対して交差する方向に延びる複数のデータ線6aと、走査線3aに対して並列して延在する複数の電源線3eとを有している。また、第1基板10において、矩形形状の画素領域10aには複数の画素100aがマトリクス状に配列されている。データ線6aにはデータ線駆動回路101が接続され、走査線3aには走査線駆動回路104が接続されている。画素領域10aの各々には、走査線3aを介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ30bと、このスイッチング用の薄膜トランジスタ30bを介してデータ線6aから供給される画素信号を保持する保持容量70と、保持容量70によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ30cと、この薄膜トランジスタ30cを介して電源線3eに電気的に接続したときに電源線3eから駆動電流が流れ込む第1電極層81(陽極層)と、この第1電極層81と陰極層との間に有機機能層が挟まれた有機EL素子80とが形成されている。
【0018】
かかる構成によれば、走査線3aが駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ30bがオンになると、そのときのデータ線6aの電位が保持容量70に保持され、保持容量70が保持する電荷に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ30cのオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ30cのチャネルを介して、電源線3eから第1電極層81に電流が流れ、さらに有機機能層を介して対極層に電流が流れる。その結果、有機EL素子80は、これを流れる電流量に応じて発光する。
【0019】
このように構成した有機EL装置100において、複数の画素100aは各々、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応し、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3つの画素100aによって1つのピクセルを構成している。本形態において、有機EL素子80は、白色光、または赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の混合色光が出射され、画素100aが赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれに対応するかは、後述するカラーフィルタ層によって規定されている。
【0020】
なお、図1に示す構成では、電源線3eは走査線3aと並列していたが、電源線3eがデータ線6aに並列している構成を採用してもよい。また、図1に示す構成では、電源線3eを利用して保持容量70を構成していたが、電源線3eとは別に容量線を形成し、かかる容量線によって保持容量70を構成してもよい。
【0021】
(有機EL装置の具体的構成)
図2(a)、(b)は各々、本発明を適用した有機EL装置の平面的な構成を各構成要素と共に第2基板側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。なお、図2(b)にはカラーフィルタ層などの図示を省略してある。図2(a)、(b)において、本形態の有機EL装置100では、素子基板としての第1基板10と、封止基板およびカラーフィルタ層基板の双方の機能を担う第2基板20とを備えており、第1基板10において、複数の有機EL素子80が形成されている面側に第2基板20が重ねて配置されている。第1基板10と第2基板20とは、第1シール材層91および第2シール材層92によって貼り合わされている。かかる第1シール材層91および第2シール材層92の詳細な構成は後述するが、第1シール材層91は、図2(a)にドットを密に付した領域で示してあるように、画素領域10aの周りを囲む周辺領域10cに沿って枠状に形成されている。これに対して、第2シール材層92は、図2(a)にドットを疎に付した領域で示してあるように、第1シール材層91で囲まれた領域の全体にわたって形成されている。
【0022】
第1基板10において、第2基板20からの張り出し領域には端子102が形成されている。また、第1基板10において、周辺領域10cや、画素領域10aと周辺領域10cとに挟まれた領域を利用して、図1を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104(図示せず)が形成されている。
【0023】
(有機EL素子の構成)
図3(a)、(b)は、本発明を適用した有機EL装置の断面構成を模式的に示す断面図、および画素の1つを拡大して模式的に示す拡大断面図である。なお、図3(a)には、有機EL素子として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応する3つの有機EL素子のみを示してある。
【0024】
図3(a)、(b)に示すように、第1基板10は、石英基板、ガラス基板、セラミック基板、金属基板などからなる支持基板10dを備えている。支持基板10dの表面には、絶縁膜11、12、13、14、15が形成され、絶縁膜15の上層には有機EL素子80が形成されている。本形態において、絶縁膜11、12、13、15は、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などから形成され、絶縁膜14は、厚さが1.5〜2.0μmの厚い感光性樹脂からなる平坦化膜として形成されている。絶縁膜11は下地絶縁層であり、図示を省略するが、絶縁膜11、12、13、14の層間などを利用して、図1を参照して説明した薄膜トランジスタ30b、30c、保持容量70、各種配線や各駆動回路が形成されている。また、絶縁膜12、13、14、15に形成されたコンタクトホールを利用して、異なる層間に形成された導電膜同士の電気的な接続が行なわれている。
【0025】
本形態の有機EL装置100は、トップエミッション型であり、矢印L1で示すように、支持基板10dからみて有機EL素子80が形成されている側から光を取り出すので、支持基板10dとしては、アルミナなどのセラミックス、ステンレススチールなどといった不透明な基板を用いることができる。また、絶縁膜14、15の層間には、アルミニウム、銀、それらの合金からなる光反射層41が形成されており、有機EL素子80から支持基板10dに向けて出射された光を光反射層41で反射することにより、光を出射可能である。
【0026】
第1基板10では、絶縁膜15の上層にITO膜やIZO膜などからなる透光性の第1電極層81(陽極/画素電極)が島状に形成されており、第1電極層81の上層には、発光領域を規定するための開口部を備えた感光性樹脂などからなる厚い隔壁51が形成されている。
【0027】
第1電極層81の上層には、有機機能層82および透光性の第2電極層83(陰極)が積層されており、第1電極層81、有機機能層82および第2電極層83によって、有機EL素子80が形成されている。本形態において、有機機能層82および第2電極層83は、隔壁51が形成されている領域も含めて、画素領域10aの全面あるいは略全面にわたって形成されている。ここで、第2電極層83は、直接あるいは陰極配線を介して定電位が印加されている。
【0028】
本形態において、有機機能層82は、トリアリールアミン(ATP)多量体からなる正孔注入層、TPD(トリフェニルジアミン)系正孔輸送層、アントラセン系ドーパントやルブレン系ドーパントを含むスチリルアミン系材料(ホスト)からなる発光層、アルミニウムキノリノール(Alq3)からなる電子注入層をこの順に積層した構造を有しており、その上層にMgAgなどの薄膜金属からなる第2電極層83が形成されている。また、有機機能層82と第2電極層83との間には、LiFからなる電子注入バッファ層が形成されることもある。これらの材料のうち、有機機能層82を構成する各層、および電子注入バッファ層は、加熱ボート(るつぼ)を用いた真空蒸着法で順次形成することができる。また、第2電極層83などを構成する金属系材料については真空蒸着法により形成でき、第1電極層81を構成するITOなどの酸化物材料についてはECRプラズマスパッタ法やプラズマガン方式イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタ法などの高密度プラズマ成膜法により形成することができる。
【0029】
本形態において、有機EL素子80は、白色光、または赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の混合色光を出射する。このため、有機EL装置100では、第2基板20において、有機EL素子80と対向する位置に形成した赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルタ層22(R)、(G)、(B)によって色変換を行なうことにより、フルカラー表示を行なう。すなわち、第2基板20には、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどプラスチック基板や、ガラス基板などからなる透光性の支持基板20d(透光性基板)に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルタ層22(R)、(G)、(B)、カラーフィルタ層22(R)、(G)、(B)の間で光の漏洩を防止するための遮光層23(ブラックマトリックス層)、透光性の平坦化膜24、酸窒化シリコン層などからなる透光性のガスバリア層25がこの順に形成されている。カラーフィルタ層22(R)、(G)、(B)は、透明樹脂バインダーに顔料または染料が混合されている層であり、赤(R)、緑(G)、青(B)を用いるのが基本であるが、目的に応じてライトブルーやライトシアン、白などを加えてもよい。カラーフィルタ層22(R)、(G)、(B)の厚みは、光線透過率を考慮して極力薄い方がよく、0.1〜1.5μmの範囲で形成され、その厚さは、対応する色によって相違させることもある。遮光層23は、黒色顔料を含んだ樹脂からなり、その厚さは、カラーフィルタ層22(R)、(G)、(B)よりも厚く、1〜2μm前後の膜厚が好ましいが、これ以上の膜厚であってもよい。なお、第2基板20には、紫外線の入射を防止する紫外線遮断・吸収層や、光反射防止層、放熱層などの機能層が形成されることもある。
【0030】
このように構成した有機EL装置100において、有機機能層82、陰極として用いた第2電極層83、電子注入層などは、水分により劣化しやすく、かかる劣化は、電子注入効果の劣化を惹き起こし、ダークスポットと呼ばれる非発光部分を発生させてしまう。そこで、本形態では、第2基板20を封止基板として第1基板10と貼り合せた構成と、第1基板10に対して以下に説明する封止膜60を形成した構成とを併用する。
【0031】
まず、第1基板10には、第2電極層83の上層に画素領域10aよりも広い領域にわたって封止膜60が形成されている。かかる封止膜60として、本形態では、第2電極層83上に積層されたシリコン化合物層からなる第1層61、この第1層61上に積層された樹脂層からなる第2層62、およびこの第2層62上に積層されたシリコン化合物からなる第3層63を備えた積層膜が用いられている。第1層61および第3層63は、高密度プラズマ源を用いた高密度プラズマ気相成長法、例えば、ブラズマガン方式イオンプレーティング、ECRプラズマスパッタ、ECRプラズマCVD、表面波プラズマCVD、ICP−CVDなどを用いて成膜された窒化シリコン(SiNx)や酸窒化シリコン(SiOxy)などから構成されており、かかる薄膜は、低温で成膜しても水分を確実に遮断する高密度ガスバリア層として機能する。第2層62は、樹脂層から構成されており、隔壁51や配線などに起因する表面凹凸を平坦化して第1層61および第3層63にクラックが発生するのを防止する有機緩衝層として機能している。
【0032】
次に、本形態では、図2(a)、(b)、および図3に示すように、第1基板10と第2基板20との間では、周辺領域10cに沿って第1シール材層91が矩形枠状に形成され、周辺領域10cで囲まれた領域の全体にわたって透光性の第2シール材層92が形成されており、第1基板10と第2基板20とは、第1シール材層91および第2シール材層92によって貼り合わされている。本形態において、第1シール材層91には、紫外線によって硬化するエポキシ系接着剤91aが用いられている。第2シール材層92は、第1基板10と第2基板20との間に介在して第1基板10と第2基板20との基板間隔を制御するビーズ状あるいはファイバー状のギャップ材95が樹脂96中に分散された構造になっており、第1基板10と第2基板20との間隙はギャップ材95によって制御されている。第2シール材層92において、樹脂96には、熱によって硬化するエポキシ系接着剤92aが用いられている。
【0033】
(補助陰極層の構成、および本形態の主な効果)
図4は、本発明の実施の形態1に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。なお、図4において、補助配線層の形成領域については右下がりの点線を付した領域で示し、図4には、第2基板20に形成した遮光層23を、右上がりの斜線を付した領域として示してある。また、図4では、各画素100aおよび有機EL素子80を矩形の実線で示してある。
【0034】
このように構成した有機EL装置100は、有機EL素子80から出射された光を第2電極層83が位置する側(支持基板10dが位置する側とは反対側)から出射するトップエミッションタイプであるため、第2電極層83に透光性が求められる。このため、第2電極層83は、膜厚が薄く、例えば10nm未満に設定されているため、第2電極層83では場所によって電気的抵抗がばらつきやすく、かかる電気的抵抗のばらつきは輝度ばらつきを発生させる。
【0035】
そこで、本形態では、第2電極層83の下層側には第2電極層83に対して接触する補助配線層84が形成されている。本形態において、補助配線層84は、図3(a)、(b)および図4に示すように、複数の画素100aの各々における発光領域(有機EL素子80が形成されている領域)に平面視で少なくとも一部が重なるようにストライプ状に形成されており、1つの画素100aに2本の補助配線層84が平行に通っている。かかる補助配線層84については、定電位が印加されずに第2電極83全体としての電気的抵抗の低減、およびばらつき解消の機能を担っている場合の他、直接、あるいは陰極配線を介して定電位が印加される場合もある。
【0036】
ここで、補助配線層84は、アルミニウムよりも導電率が高い銀層あるいは銀合金層からなり、略完全な透光性を発揮するほど、薄い膜厚、例えば10nm未満に形成されている。このため、本形態では、平面視で画素100aと重なるように補助配線層84を形成しても出射光量が大幅に低下しない。それ故、隣接する画素100aの間に補助配線層84を通す必要がないため、隣接する画素100aの間には補助配線層84を通すための広いスペースを確保する必要がないので、画素サイズを大きくすることができる。また、第2基板20に形成された遮光層23と平面視で完全に重なっている必要がないので、遮光層23の幅寸法が狭くてよい。それ故、本形態によれば、画素100a内において光出射領域が占める割合(画素開口率)が高い。よって、本形態の有機EL装置100によれば、輝度が高くて品位の高い画像を表示することができる。
【0037】
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。また、本形態の有機EL装置の画素の基本的な構成は、図3(a)、(b)を参照して説明する。
【0038】
本形態の有機EL装置も、実施の形態1と同様、トップエミッションタイプであるため、図3(a)、(b)に示す第2電極層83に透光性が求められる。このため、第2電極層83は、膜厚が薄く設定されているため、第2電極層83では場所によって電気的抵抗がばらつきやすく、かかる電気的抵抗のばらつきは輝度ばらつきを発生させる。そこで、本形態でも、実施の形態1と同様、第2電極層83の下層側には第2電極層83に対して接触する補助配線層84が形成されている。かかる補助配線層84については、定電位が印加されずに第2電極83全体としての電気的抵抗の低減、およびばらつき解消の機能を担っている場合の他、直接あるいは陰極配線を介して定電位が印加される場合もある。
【0039】
本形態において、補助配線層84は、図3(a)、(b)および図5に示すように、複数の画素100aの各々における発光領域(有機EL素子80が形成されている領域)に平面視で少なくとも一部が重なるようにストライプ状に形成されており、1つの画素100aに幅広の補助配線層84が通っている。ここで、補助配線層84は、アルミニウムよりも導電率が高い銀層あるいは銀合金層からなり、透光性を発揮するほど、薄い膜厚で形成されている。このため、本形態では、平面視で画素100aと重なるように補助配線層84を形成しても出射光量が大幅に低下しない。それ故、隣接する画素100aの間に補助配線層84を通す必要がないため、隣接する画素100aの間には補助配線層84を通すための広いスペースを確保する必要がないので、画素サイズを大きくすることができる。また、第2基板20に形成された遮光層23と平面視で完全に重なっている必要がないので、遮光層23の幅寸法が狭くてよい。それ故、本形態によれば、画素100a内において光出射領域が占める割合(画素開口率)が高い。
【0040】
ここで、補助配線層84の膜厚は、実施の形態1よりも厚く、例えば10nm程度であるため、ハーフミラー層としての機能を発揮する。そこで、本形態では、補助配線層84(ハーフミラー層)を利用して光共振器を構成し、有機EL素子80から出射される光のスペクトラムを画素100aが対応する色毎に調整してある。かかる光共振器を構成するにあたっては、例えば、図3(a)、(b)に示す第1電極層81の膜厚を画素100aが対応する色毎に相違させた構成、あるいは第1電極層81と光反射層41との間に介在する絶縁膜15の膜厚を画素100aが対応する色毎に相違させた構成とする。その結果、補助配線層84(ハーフミラー層)と光反射層41との間には、画素100aが対応する色の波長に対応する光路長をもった光共振器が形成される。それ故、各画素100からは、光共振器によって、対応する色に合った調整が施された光と、補助配線層84を通らずに直接、出射された光とが出射され、かかる光は、カラーフィルイタ22(R)、(G)、(B)で色変換された後、出射されることになる。それ故、各画素100aからは、色純度が優れた光が出射されるので、品位の高いカラー画像を表示することができる。
【0041】
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施の形態3に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。また、本形態の有機EL装置の画素の基本的な構成は、図3(a)、(b)を参照して説明する。
【0042】
本形態の有機EL装置においても、実施の形態1、2と同様、トップエミッションタイプであるため、図3(a)、(b)に示す第2電極層83に透光性が求められる。このため、第2電極層83は、膜厚が薄く設定されているため、第2電極層83では場所によって電気的抵抗がばらつきやすく、かかる電気的抵抗のばらつきは輝度ばらつきを発生させる。そこで、本形態でも、実施の形態1と同様、第2電極層83の下層側には第2電極層83に対して接触する補助配線層84が形成されている。かかる補助配線層84については、定電位が印加されずに第2電極層83の全体としての電気的抵抗の低減、およびばらつき解消の機能を担っている場合の他、直接あるいは陰極配線を介して定電位が印加される場合もある。
【0043】
本形態において、補助配線層84は、図3(a)、(b)および図6に示すように、複数の画素100aの各々における発光領域(有機EL素子80が形成されている領域)に平面視で少なくとも一部が重なるようにストライプ状に形成されており、1つの画素100aに、2本の補助配線層84が隣接しながら平行に通っている。ここで、補助配線層84は、アルミニウムよりも導電率が高い銀層あるいは銀合金層からなり、略完全な透光性を発揮するほど、薄い膜厚、例えば10nm未満に形成されている。
【0044】
また、本形態では、補助配線層84と同一の層間(有機機能層82と第2電極層83との間)にはハーフミラー層85が形成されている。ここで、ハーフミラー層85は、複数の画素100aの各々における発光領域(有機EL素子80が形成されている領域)に平面視で少なくとも一部が重なるようにストライプ状に形成されており、各画素100aにおいて、補助配線層84と平行に通っている。ここで、ハーフミラー層85は、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金など導電率が高い銀層からなり、数十%程度の透光性を発揮するほど、薄い膜厚、例えば10nm程度に形成されている。
【0045】
本形態において、ハーフミラー層85は、図3(a)、(b)に示す光反射層84との間に、画素100aが対応する色の波長に対応する光路長をもった光共振器を構成している。すなわち、図3(a)、(b)に示す第1電極層81の膜厚、あるいは第1電極層81と光反射層41との間に介在する絶縁膜15の膜厚は、画素100aが対応する色毎に相違させてある。それ故、各画素100からは、光共振器によって、対応する色に合った調整が施された光と、ハーフミラー層85を通らずに出射された光とが出射され、かかる光は、カラーフィルイタ22(R)、(G)、(B)で色変換された後、出射されることになる。それ故、各画素100aからは、色純度が優れた光が出射されるので、品位の高いカラー画像を表示することができる。
【0046】
また、ハーフミラー層85は、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金など導電率が高い銀層からなるため、定電位が印加されずに第2電極層83の全体としての電気的抵抗の低減、およびばらつき解消の機能を担う他、直接あるいは陰極配線を介して定電位が印加される等、補助配線層84と同様な機能を発揮する。それ故、本形態によれば、ハーフミラー層85および補助電極層84によって、第2電極層83全体としての電気的抵抗の低減、およびばらつき解消を効果的に図ることができる。
【0047】
[実施の形態4]
図7は、本発明の実施の形態4に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態3と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。また、本形態の有機EL装置の画素の基本的な構成は、図3(a)、(b)を参照して説明する。
【0048】
図7に示すように、本形態でも、実施の形態3と同様、複数の画素100aの各々を通るように、略完全な透光性を発揮する補助配線層84と、数十%程度の透光性を発揮するハーフミラー層85とを画素100aを通してある。かかる構成を採用するにあたって、実施の形態3では、2本の補助配線層84を画素100aの一方の端部で平行に延在させ、他方の端部でハーフミラー層85を2本の補助配線層84に平行に延在させたが、その位置関係に限定はなく、図7に示すように、2本の補助配線層84の間でハーフミラー層85が延在している構成を採用してもよい。
【0049】
[実施の形態5]
図8は、本発明の実施の形態5に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態3と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。また、本形態の有機EL装置の画素の基本的な構成は、図3(a)、(b)を参照して説明する。
【0050】
図8に示すように、本形態でも、実施の形態3と同様、複数の画素100aの各々を通るように、略完全な透光性を発揮する補助配線層84と、数十%程度の透光性を発揮するハーフミラー層85とを画素100aを通してある。かかる構成を採用するにあたって、実施の形態3では、複数の画素100aのいずれにおいても、平面視でハーフミラー層85が画素100aと重なる面積が等しかったが、本形態では、ハーフミラー層85の幅寸法が、画素100aが対応する色毎に相違しており、各画素100aにハーフミラー層85が重なる面積は、カラーフィルタ23(R)、(G)、(B)の色変換特性、有機EL素子80の発光特性、各色間での視認性などを考慮して、以下の関係
画素100a(G)<画素100a(B)<画素100a(R)
に設定してある。それ故、本形態によれば、品位の高いカラー画像を表示することができる。
【0051】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、補助配線層84およびハーフミラー層85を第2電極層83の下層側に形成したが、補助配線層84およびハーフミラー層85を第2電極層83の上層側に形成してもよい。また、上記実施の形態では、補助配線層84およびハーフミラー層85を同一の層間に形成したが、補助配線層84およびハーフミラー層85の一方を第2電極層83の下層側に形成し、他方を第2電極層83の上層側に形成してもよい。
【0052】
上記実施の形態では、補助配線層84およびハーフミラー層85をストライプ状に形成したが、格子状に形成してもよい。また、補助配線層84およびハーフミラー層85の一方をストライプ状に形成し、他方を格子状に形成してもよい。
【0053】
上記実施の形態では、トップエミッション型の有機EL装置100において第2基板20にカラーフィルタ層22(R)、(G)、(B)を設けた場合を例に説明したが、有機EL素子自身が各色の光を出射する有機EL装置に本発明を適用してもよく、この場合、第2基板20は封止基板のみとして機能する。
【0054】
また、上記実施の形態では、カラー表示用の有機EL装置100を例に説明したが、複写機の光学ヘッドなどとして利用する場合には、モノクロでよく、このようなモノクロ用の有機EL装置に本発明を適用してもよい。この場合も、第2基板20は封止基板のみとして機能する。
【0055】
また、上記形態では、有機機能層82を画素領域10aの全面に形成した例を説明したが、隔壁51で囲まれた領域内にインクジェット法などで有機機能層を選択的に塗布した後、定着させて、第1電極層81の上層には、3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)などからなる正孔注入層、および発光層からなる有機機能層が形成された有機EL装置に発明を適用してもよい。この場合、発光層は、例えば、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープした材料から構成される。また、発光層としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる組成物も使用可能である。
【0056】
[電子機器への搭載例]
図9を参照して、上述した実施形態に係る有機EL装置100を搭載した電子機器について説明する。図9は、本発明に係る有機EL装置を用いた電子機器の説明図である。
【0057】
図9(a)に、有機EL装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての有機EL装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。図9(b)に、有機EL装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての有機EL装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、有機EL装置100に表示される画面がスクロールされる。図9(c)に、有機EL装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての有機EL装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が有機EL装置100に表示される。なお、有機EL装置100が適用される電子機器としては、図9(a)〜(c)に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した有機EL装置100が適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明を適用した有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
【図2】(a)、(b)は各々、本発明を適用した有機EL装置の平面的な構成を各構成要素と共に第2基板の側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。
【図3】(a)、(b)は、本発明を適用した有機EL装置の断面構成を模式的に示す断面図、および画素の1つを拡大して模式的に示す拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。
【図9】本発明に係る有機EL装置を用いた電子機器の説明図である。
【図10】従来の有機EL装置に形成した補助配線層と画素との平面的な位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
10・・第1基板、10a・・画素領域、20・・第2基板、22(R)、(G)、(B)・・カラーフィルタ層、23・・遮光層、80・・有機EL素子、81・・第1電極層、82・・有機機能層、83・・第2電極層、84・・補助配線層、85・・ハーフミラー層、100・・有機EL装置、100a・・画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板の一方面側に複数の画素が配列された画素領域を有し、前記複数の画素の各々に、少なくとも第1電極層、発光層、および透光性の第2電極層が順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子を備え、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から出射された光を前記第2電極層が位置する側から出射する有機エレクトロルミネッセンス装置において、
前記第2電極層は、前記画素領域の全面あるいは略全面に形成され、
前記第2電極層の上層側または下層側には、当該第2電極層と接するストライプ状あるいは格子状の補助配線層が形成され、
前記補助配線層は、透光性を発揮する膜厚の金属層からなるとともに、前記複数の画素の各々において前記有機エレクトロルミネッセンス素子に平面視で少なくとも一部が重なるように形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項2】
前記補助配線層は、銀層または銀合金層からなることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項3】
前記支持基板の一方面側に対向配置された透光性基板を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項4】
前記透光性基板には、隣接する前記画素で挟まれた領域に平面視で重なる領域にストライプ状あるいは格子状の遮光層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項5】
前記透光性基板には、前記複数の画素と平面視で重なる各領域に異なる色のカラーフィルタが形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項6】
前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子は、異なる色の光を出射することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項7】
前記補助配線層は、当該補助配線層よりも前記支持基板側に配置された光反射面との間に光共振器を構成するハーフミラー層を構成していることを特徴とする請求項5または6に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項8】
前記第2電極層の上層側または下層側には、当該第2電極層と接する金属層からなるハーフミラー層が形成され、
前記ハーフミラー層は、前記複数の画素の各々における有機エレクトロルミネッセンス素子に平面視で少なくとも一部が重なるように形成されて、当該ハーフミラー層よりも前記支持基板側に配置された光反射面との間に光共振器を構成していることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項9】
前記ハーフミラー層は、銀層、銀合金層、アルミニウム層あるいはアルミニウム合金層からなることを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項10】
前記ハーフミラー層が前記有機エレクトロルミネッセンス素子に対して平面視で重なる領域の面積は、前記画素が対向する色によって相違することを特徴とする請求項5乃至9の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−259509(P2009−259509A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105409(P2008−105409)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】