説明

有機デバイス用電極およびそれを有する電子機器

単一の有機化合物(111)に、電子注入用金属(112)(仕事関数が4.2[eV]以下の金属)と正孔注入用金属(113)(仕事関数が4.2[eV]よりも大なる金属)を混合したキャリア注入電極層(110)を、有機デバイスの有機層(100)と金属電極(101)との間、もしくは、第一の有機層(100a)と第二の有機層(100b)との間に設けることで、電圧を印加した時の極性に応じて電子注入機能若しくは、正孔注入機能が発揮され、有機デバイスの活用範囲を拡大することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、有機化合物の性質を利用したEL素子やFETなどの有機デバイスに用いる有機デバイス用電極およびその有機デバイス用電極を有する電子機器に関するものである。
【背景技術】
有機デバイスの一つとして、EL素子が広く知られている。このEL素子は、有機化合物を発光層とし、この発光層を挟持するように設けた一対の電極から電圧を印加することで発光層に電流を流し、その電流密度に応じたフォトンを放出させることで光源とするものである。EL素子における発光層への電圧印加に際しては、基本的に絶縁物とみなされる有機化合物に対して電子注入障壁を低下させると共に、発光層表面への密着性を高めるために、仕事関数の小さいMg(マグネシウム)とAg(銀)との合金や、Li(リチウム)とAl(アルミニウム)との合金を陰極側の金属電極として用いていた。
上記のようなMgやLiの合金電極では、電極の酸化等による素子劣化が起きる上に、種々の制限もあることから、金属電極そのものを見直し、発光層の陽極側に正孔注入層を設けるように、陰極側にも電子供与性を有する層を設けるべく、陰極電極に接する発光層の表面に仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属をドーピングして金属ドーピング層を形成した有機EL素子が提案されている(例えば、特開平10−270171号公報参照)。
しかし、上記特許公報に記載された技術では、金属ドーピング層を設けることによって陰極側から発光層への電子注入障壁を低減できるものの、金属ドーピング層と金属電極との密着性を確保するために材料選定の制限があり、また、用いることが出来る金属の種類も限られていた。
また、近来は複数の発光層を直列に接続した構造のマルチフォトンエミッション(MPE)素子も提案されており、このMPE素子を実現するには、隣接する発光層の間に設ける内部電極が、一方の発光層へ電子を注入し他方の発光層へ正孔を注入する機能を併せ持っていなければならず、上記特許公報に記載された技術は、MPE素子用の内部電極には適用できない。
本発明は、正孔注入機能と電子注入機能とを併せ持つことで、有機デバイスの活用範囲を拡張する有機デバイス用電極を提供することを目的としている。
【発明の開示】
本発明に係る有機デバイス用電極は、有機化合物の性質を利用した機能素子である有機デバイスの有機層(有機化合物を含む層)に接して設けられた有機デバイス用電極において、単一の有機化合物に、仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属と、仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属を混合した電極材料を、少なくとも前記有機層との接合面に用いることを特徴とする。
また、第2の発明は、有機化合物の性質を利用した機能素子である有機デバイスにおける第一の有機層(有機化合物を含む第1の有機層)と第二の有機層(有機化合物を含む第2の層)との間に設ける有機デバイス用電極において、単一の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属を混合した第一の領域と、前記単一の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属を混合した第二の領域とを有し、前記第一の領域と第二の領域が夫々第一の有機層と第二の有機層に接するようにしたことを特徴とする。
また、上記第1の発明又は第2の発明に係る有機デバイス用電極において、前記単一の有機化合物には、π共役系を有する有機化合物を用いても良いし、バイポーラ性を有する有機化合物を用いても良い。
更に、第3の発明は、有機化合物の性質を利用した機能素子である有機デバイスにおける第一の有機層と第二の有機層との間に設ける有機デバイス用電極において、第一の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属を混合した電子注入電極層と、前記第一の有機化合物とは異なる第二の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属を混合した正孔注入電極層とを有し、前記電子注入電極層と正孔注入電極層が夫々第一の有機層と第二の有機層に接するようにしたことを特徴とする。
また、上記第3の発明に係る有機デバイス用電極において、前記電子注入電極層の第一の有機化合物には電子輸送性の高い有機化合物を、前記正孔注入電極層の第二の有機化合物には正孔輸送性の高い有機化合物を用いても良い。
さらに、上記発明に係る有機デバイス用電極は電子機器に搭載することもできる。電子機器としては、携帯電話、パーソナルコンピュータ、モニタ、ビデオカメラ、ディジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、オーディオコンポ、カーオーディオ、ゲーム機器、モバイルコンピュータ、携帯型ゲーム機、電子書籍、記録媒体を備えた画像再生装置などが挙げられる。
上記のように構成した第1の発明に係る有機デバイス用電極は、少なくとも有機デバイスの有機層と接する部分に、仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属と仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属を単一の有機化合物に混合した電極材料を用いるので、有機層への電圧印加の極性に応じて、仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属に由来する電子注入機能、もしくは仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属に由来する正孔注入機能が発揮される。従って、有機デバイスの陽極・陰極のどちらの電極としても使えると共に、MPE素子の内部電極のような一方の有機層に対して電子注入機能が、他方の有機層に対して正孔注入機能が各々必要とされる有機デバイスにも利用できる。また、単一の有機化合物を電極材料に用いるので、有機デバイスの有機層との密着性も向上する。
また、第2の発明に係る有機デバイス用電極は、第一の有機層と第二の有機層との間に設ける内部電極に特化したものである。すなわち、単一の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属を混合した第一の領域により、第一の有機層に電子を注入可能とし、単一の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属を混合した第二の領域により、第二の有機層に正孔を注入可能とすることで、見かけ上、第一の有機層から第二の有機層へ電流を流すことが可能な内部電極として用いることが出来る。
また、上記第1の発明又は第2の発明に係る有機デバイス用電極において、単一の有機化合物としてπ共役系の有機化合物を用いれば、混合した金属と電荷の授受が起こりやすくなり、有機デバイス用電極のキャリアの注入性が向上する。単一の有機化合物としてバイポーラ性を有する有機化合物を用いれば、有機デバイス用電極内部での正孔・電子両方のキャリアの移動が有利になり、デバイスの駆動電圧等の特性向上に寄与できる。
また、第3の発明に係る有機デバイス用電極は、第一の有機層と第二の有機層との間に設ける内部電極に特化したものである。すなわち、第一の有機化合物に仕事関数が4.2[eV]以下の金属を混合した電子注入電極層により、第一の有機層に電子を注入可能とし、前記第一の有機化合物とは異なる第二の有機化合物に仕事関数が4.2[eV]よりも大なる金属を混合した正孔注入電極層により、第二の有機層に正孔を注入可能とすることで、見かけ上、第一の有機層から第二の有機層へ電流を流すことが可能な内部電極として用いることが出来る。
また、上記第3の発明に係る有機デバイス用電極において、前記電子注入電極層の第一の有機化合物には電子輸送性の高い有機化合物を、前記正孔注入電極層の第二の有機化合物には正孔輸送性の高い有機化合物を用いることにより、電子注入電極層においては電子が、正孔注入電極層においては正孔が、夫々動き易くなり、デバイスの駆動電圧等の特性向上に寄与できる。
さらに、上記の特徴を有する第1〜第3の発明に係る有機デバイス用電極を搭載することにより汎用性のある電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は、本発明の有機デバイス用電極の第1実施形態の一実施例を示す概略断面図である。
第1図(b)は、本発明の有機デバイス用電極の第1実施形態の他の実施例を示す概略断面図である。
第2図は、本発明の有機デバイス用電極の第2実施形態の一実施例を示す概略断面図である。
第3図は、本発明の有機デバイス用電極の第3実施形態の一実施例を示す概略断面図である。
第4図は、本発明に係る有機デバイス用電極を用いたMPE素子の概略構成図である。
第5図は、上記第3実施形態に係る有機デバイス用電極を適用したMPE素子の特性図である。
第6図(a)は、本発明に係る有機デバイス用電極を用いた有機電界効果トランジスタの一実施例を示す概略構成図である。
第6図(b)は、本発明に係わる有機デバイス用電極を用いた有機電界効果トランジスタの他の実施例を示す概略構成図である。
第7図(a)は、本発明に係わる有機デバイス用電極を搭載した表示装置の一実施例を示す概略図である。
第7図(b)は、本発明に係わる有機デバイス用電極を搭載したノート型パーソナルコンピュータの一実施例を示す概略図である。
第7図(c)は、本発明に係わる有機デバイス用電極を搭載したモバイルコンピュータの一実施例を示す概略図である。
第7図(d)は、本発明に係わる有機デバイス用電極を搭載した携帯型の画像再生装置の一実施例を示す概略図である。
第7図(e)は、本発明に係わる有機デバイス用電極を搭載したゴーグル型ディスプレイの一実施例を示す概略図である。
第7図(f)は、本発明に係わる有機デバイス用電極を搭載したビデオカメラの一実施例を示す概略図である。
第7図(g)は、本発明に係わる有機デバイス用電極を搭載した携帯電話の一実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本発明に係る有機デバイス用電極の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
第1図に示すのは、第1実施形態に係る有機デバイス用電極で、例えば、第1図(a)の電極構造は、有機デバイスの有機層100上にキャリア注入電極層110を介して金属電極101を形成したものである。このキャリア注入電極層110は、単一の有機化合物111に、電子注入用金属112(仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属)と正孔注入用金属113(仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属)を混合した電極材料を層状としたものである。
斯く構成した有機デバイス用電極においては、有機層100との接合にキャリア注入電極層110を用いるので、有機層100への電圧印加の極性に応じて、電子注入用金属112による電子注入機能もしくは正孔注入用金属113による正孔注入機能が発揮され、有機デバイスの陽極・陰極のどちらの電極としても使える。また、キャリア注入電極層110は、有機層100との密着性が良く、金属電極101とも密着性を確保し易いという利点もある。なお、キャリア注入電極層110上へ別途に金属電極101を設ける電極構造とせずに、キャリア注入電極層110単体で有機デバイス用電極として機能させても良いが、比較的高価な有機化合物を含むキャリア注入電極層110を薄くして、安価なAl等の金属でコンタクト用電極(ここでは、金属電極101)を形成した方が経済的である。
第1図(b)の電極構造は、第一の有機層100aと第二の有機層100bとの間にキャリア注入電極層110を設けたものである。この例では、キャリア注入電極層110が内部電極として機能する。斯く構成した有機デバイス用電極においては、第一の有機層100a側から第二の有機層100b側へ電圧が印加されると、キャリア注入電極層110から第一の有機層100aへは電子が供給され、逆に、キャリア注入電極層110から第二の有機層100bへは正孔が供給されるので、第一の有機層100aから第二の有機層100bへ電流が流れることとなる。すなわち、キャリア注入電極層110により構成した有機デバイス用電極は、一方の有機層(第一の有機層)に対しては電子注入機能を、他方の有機層(第二の有機層)に対しては正孔注入機能を発揮できるので、MPE素子や有機電界効果トランジスタの内部電極として利用することもでき、今後開発される様々な有機デバイスへの広範な応用が期待できる。
上記キャリア注入電極層110における電子注入用金属112として用いる仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属としては、リチウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、エルビウム、イッテルビウム等の希土類金属、あるいはこれら金属を含む合金(アルミニウム合金、インジウム合金等)が挙げられる。一方、キャリア注入電極層110における正孔注入用金属113として用いる仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属としては、希土類金属を除く多くの遷移金属、およびそれらの合金が適用でき、金、銀、銅、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル等が好ましい。
また、キャリア注入電極層110における有機化合物111としては、それ自体が正孔ないしは電子輸送性を有し、また金属と電荷の授受ができることが必要なので、π共役系を有するものが望ましい。π共役系を有する有機化合物としては、例えば、4,4′−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(略称:α−NPD)、4,4′,4″−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4′,4″−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:BND)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2,2′,2″−(1,3,5−ベンゼントリ−イル)−トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](略称:TPBI)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、ビス(10−ヒドロキシ−ベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、4,4′−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:β−DNA)などの低分子有機化合物や、ポリ(ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVT)、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン)(略称:RO−PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレン)(略称:RO−PPP)、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(略称:PDAF)、ポリ(3−アルキルチオフェン)(略称:PAT)などの高分子有機化合物などが挙げられる。なお、電子注入用金属112から注入される電子と正孔注入用金属113から注入される正孔の両方を流すことを考慮した場合、有機デバイスの有機層100がバイポーラ性を有していることが、一層好ましい。
本第1実施形態に係る有機デバイス用電極、特にキャリア注入電極層110の形成手法は特に限定されるものではなく、公知既存の種々の方法を適用できる。例えば、3元蒸着法を用いる場合は、有機化合物111となる有機化合物と、電子注入用金属112となる金属と、正孔注入用金属113となる金属を、それぞれ同一チャンバー内の別のボートに仕込んでおき、真空下においてそれぞれのボートを加熱してキャリア注入電極層形成面へ蒸着することにより、これら(有機化合物,仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属,仕事関数が4.2〔eV〕より大の金属)の全てが混合されたキャリア注入電極層110を形成することができる。この時、有機化合物と金属との比率としては、金属/有機化合物(モル比)が1/10以上、50/1以下が好ましい。金属の割合が少なすぎる場合は電極としての機能を失い、また、金属の割合が多すぎる場合は有機デバイスの有機層との密着性に問題が生じるためである。電子注入用金属112と正孔注入用金属113との比率に関しては、電子注入と正孔注入のバランスを保つため、モル比で1/10以上、10/1以下が好ましい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る有機デバイス用電極の第2実施形態を第2図に基づき説明する。第2実施形態に係る有機デバイス用電極の電極構造は、第一の有機層100aと第二の有機層100bとの間に電極層120を設けたものである。この電極層120は、単一の有機化合物121に対し、第一の有機層100aと接する側に電子注入用金属122(仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属)を混合した電子注入領域120aを形成し、第二の有機層100bと接する側に正孔注入用金属123(仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属)を混合した正孔注入領域120bを形成したものである。
斯く構成した有機デバイス用電極においては、第一の有機層100a側から第二の有機層100b側へ電圧が印加されると、電極層120の電子注入領域120a(第一の領域)から第一の有機層100aへは電子が供給され、逆に、電極層120の正孔注入領域120b(第二の領域)から第二の有機層100bへは正孔が供給されるので、第一の有機層100aから第二の有機層100bへ電流が流れることとなる。すなわち、電極層120により構成した有機デバイス用電極は、一方の有機層に対しては電子注入機能を、他方の有機層に対しては電子注入機能を発揮できるので、MPE素子や有機電界効果トランジスタの内部電極として利用することもでき、今後開発される様々な有機デバイスへの広範な応用が期待できる。
第2実施形態に係る有機デバイス用電極である電極層120の形成手法は特に限定されるものではなく、公知既存の種々の方法を適用できる。例えば、2元蒸着を2回行う場合、有機化合物121となる有機化合物と、電子注入用金属122となる金属(仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属)と、正孔注入用金属123となる金属(仕事関数が4.2〔eV〕より大の金属)を、それぞれ同一チャンバー内の別のボートに仕込んでおき、真空下において、最初に有機化合物と仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属とを共蒸着することにより、電子注入領域120aとなる層を形成し、次に、有機化合物と仕事関数が4.2〔eV〕より大の金属とを共蒸着することにより、正孔注入領域120bとなる層を形成する。これにより、単一の有機化合物121の中に、機能の異なる領域(電子注入領域120aおよび正孔注入領域120b)を選択的に形成できるのである。
なお、電極層120における有機化合物121としては、上述した第1実施形態における有機化合物111と同様のものが適用でき、電極層120の電子注入領域120aにおける電子注入用金属122としては、上述した第1実施形態における電子注入用金属112と同様のものが適用でき、電極層120の正孔注入領域120bにおける正孔注入用金属123としては、上述した第1実施形態における正孔注入用金属113が適用できる。また、電子注入領域と正孔注入領域における有機化合物と金属との比率としては、金属/有機化合物(モル比)が1/10以上、50/1以下が好ましい。
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係る有機デバイス用電極の第3実施形態を第3図に基づき説明する。第3実施形態に係る有機デバイス用電極の電極構造は、第一の有機層100aと第二の有機層100bとの間に積層電極130を設けたものである。この積層電極130は、電子輸送用有機化合物131aに電子注入用金属132(仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属)を混合した電子注入電極層130aを第一の有機層100a側に、正孔輸送用有機化合物131bに正孔注入用金属133(仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属)を混合した正孔注入電極層130bを第二の有機層100b側に、各々積層したものである。
斯く構成した有機デバイス用電極においては、第一の有機層100a側から第二の有機層100b側へ電圧が印加されると、積層電極130の電子注入電極層130aから第一の有機層100aへは電子が供給され、逆に、積層電極130の正孔注入電極層130bから第二の有機層100bへは正孔が供給されるので、見かけ上、第一の有機層100aから第二の有機層100bへ電流が流れることとなる。すなわち、有機デバイス用電極として用いる積層電極130は、一方の有機層(第一の有機層)に対しては電子注入機能を、他方の有機層(第二の有機層)に対しては正孔注入機能を発揮できるので、MPE素子や有機電界効果トランジスタの内部電極として利用することもでき、今後開発される様々な有機デバイスへの広範な応用が期待できる。
加えて、本実施形態に係る有機デバイス用電極では、電子注入電極層130aの電子輸送用有機化合物130a(第一の有機化合物)として電子輸送性の高い有機化合物を用い、正孔注入電極層130bの正孔輸送用有機化合物131b(第二の有機化合物)として正孔輸送性の高い有機化合物を用いることができるので、上述した第1,第2実施形態の如く、電子注入用金属から注入される電子と正孔注入用金属から注入される正孔の両方を流すために、バイポーラ性を有する有機化合物を用いる必要がないという利点もある。
第3実施形態に係る有機デバイス用電極である積層電極130の形成手法は特に限定されるものではなく、公知既存の種々の方法を適用できる。例えば、2元蒸着を2回行う形成法を用いる場合、電子輸送用有機化合物131aとなる有機化合物Aと、正孔輸送用有機化合物131bとなる有機化合物Bと、電子注入用金属122となる金属(仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属)と、正孔注入用金属123となる金属(仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属)を、それぞれ同一チャンバー内の別のボートに仕込んでおき、真空下において、最初に有機化合物Aと仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属とを共蒸着することにより電子注入電極層130aを形成し、次いで、有機化合物Bと仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属とを共蒸着することにより正孔注入電極層130bを形成することで、積層電極130を形成できる。
なお、電子注入電極層130aにおける電子輸送用有機化合物131aとして好ましい電子輸送性の高い有機化合物としては、BND、PBD、OXD−7、TAZ、BPhen、BCP、TPBI、Alq、BeBq、BAlq、Zn(BOX)などが挙げられ、正孔注入電極層130bにおける正孔輸送用有機化合物131bとして好ましい正孔輸送性の高い有機物としては、TPD、α−NPD、TDATA、MTDATA、PVT、PVKなどが挙げられる。また、積層電極130の電子注入電極層130aにおける電子注入用金属132としては、上述した第1実施形態における電子注入用金属112と同様のものが適用でき、積層電極130の正孔注入電極層130bにおける正孔注入用金属133としては、上述した第1実施形態における正孔注入用金属113が適用できる。
〔有機デバイス構成例1〕
次に、上述した各実施形態に係る有機デバイス用電極を用いて構成した有機デバイスの構成例として、有機EL素子への適用例を説明する。その素子構造を第4図に示す。
第4図は、電子注入機能と正孔注入機能を併せ持つ有機デバイス用電極(上述した第1〜第3実施形態の何れでも適用可能)を内部電極として導入した公知の有機EL素子(MPE素子)であり、201は陽極、202は陰極、203aは第一の電界発光層、203bは第二の電界発光層、204は電荷発生層である。なお、第一の電界発光層203aおよび第二の電界発光層203bは、電界発光可能な、あるいはキャリア注入により発光可能な有機化合物を含む層である。また、電荷発生層204は外部回路と接続しておらず、フローティング状の内部電極となっている。
上述した構成の有機EL素子において、陽極201と陰極202との間に電圧Vを印加した場合、電荷発生層204から第一の電界発光層203aに対しては電子が、電荷発生層204から第二の電界発光層203bに対しては正孔が、それぞれ注入される。一方、外部回路から見れば、陽極201から第一の電界発光層203aに対しては正孔が、陰極202から第二の電界発光層203bに対しては電子が注入されるため、第一の電界発光層203aおよび第二の電界発光層203bの両方でキャリアの再結合が起こり、発光に至る。この時、電流Iが流れているとすると、第一の電界発光層203aおよび第二の電界発光層203b共に、電流Iに対応する分のフォトンを放出することができる。したがって、電界発光層が一層のみの有機EL素子に比べると、同じ電流で二倍の量の光を放出できるというメリットがある。
なお、本構成例では、二層の電界発光層を電荷発生層で積層するものとしたが、より多くの電界発光層を積層する(各電界発光層の間には各々電荷発生層を挿入する)ことにより、電流効率を何倍にも向上させることができ、理論上においては、電流効率の向上に伴い、素子寿命に関しても大きな向上が期待される。但し、電界発光層の積層数が増えれば、同じ電流Iを流すために、高電圧が必要となる。
〔有機EL素子の実施例〕
上述した有機EL素子における電荷発生層としては、第1〜第3実施形態の何れの電極構造でも適用できるが、ここでは、第3実施形態に係る有機デバイス用電極を適用した有機EL素子を作成した例を説明する。すなわち、第4図に於て、第一の電界発光層203a側が電子注入電極層204aで、第二の電界発光層203b側が正孔注入電極層204bとなるように、電荷発生層204を形成するのである。
まず、陽極201として用いるITOがパターンされたガラス基板をエタノールで煮沸洗浄し、さらにオゾンプラズマ洗浄機で基板表面を洗浄した。この洗浄した基板と蒸着する材料を真空蒸着装置内にセットした後、チャンバー内を10−4Pa程度まで減圧した。
目的の真空度に到達した後、まず、TPDを0.2〜0.4nm/s程度のレートで蒸着し、70nm成膜した。次いで、Aiqを0.2〜0.4nm/s程度のレートで蒸着し、60nm成膜した。以上が第一の電界発光層203aとなる。
次に、Mgの蒸着レートを0.1nm/sに固定しつつ、Aiqも蒸発させることにより、MgとAlqの共蒸着を行った。この時、トータルの蒸着レートが0.2nm/sとなるように調整したため、MgとAlqの比率は重量比で1:1(モル比で約19:1)となっている。なお、この共蒸着層は10nm形成した。さらに、Auの蒸着レートを0.1nm/sに固定しつつ、TPDも蒸発させることにより、AuとTPDの共蒸着を行った。この時、トータルの蒸着レートが0.2nm/sとなるように調整したため、AuとTPDの比率は重量比で1:1(モル比で約2.6:1)となっている。なお、この共蒸着層は10nm形成した。以上の計20nmの共蒸着層が本発明の有機デバイス用電極であり、電荷発生層204として作用する。
このようにして形成された電荷発生層204上に、第一の電界発光層203aと同様に、TPD(70nm)とAlq(60nm)とを積層した第二の電界発光層203bを形成した。さらに、上述と同様の手法にてMgとAlqが重量比で1:1となるように共蒸着して10nmの共蒸着層を形成し、次いで0.2〜0.4nm/s程度の蒸着レートにてAlを80nm成膜することにより、陰極202とした。
上述のようにして形成された本発明の有機デバイス用電極を用いたマルチフォトンエミッション素子(ITO/TPD(70nm)/Alq(60nm)/Mg:Alq(10nm)/Au:TPD(10nm)/TPD(70nm)/Alq(60nm)/Mg:Alq(10nm)/Al(80nm))の特性を第5図に示す。横軸は電流密度〔V〕、縦軸は外部量子効率〔%:外部に取り出されるフォトンの数/注入されたキャリアの数〕である。発光時の外部量子効率は1.2〜1.6%程度であった。
〔比較例1〕
比較のため、電荷発生層を持たない、すなわち電界発光層が一層のみの有機EL素子(ITO/TPD(70nm)/Alq3(60nm)/Mg:Aiq(10nm)/Al(80nm))を作成した。その特性も第5図中に示してある。発光時の外部量子効率は0.6〜1.1%程度であった。
この結果から、上記実施例として示した素子では、比較例1の素子に比べて駆動電圧が上昇しているが、外部量子効率で比較例1の素子を十分に上回っており、マルチフォトンエミッション素子として動作している。したがって、本発明の有機デバイス用電極は、電荷発生層として機能しており、正孔および電子の両方のキャリアを注入できることが明らかとなった。
〔比較例2〕
更に、比較例2では、上記実施例のデバイスからAuとTPDとの共蒸着層を除き、その他は同様のマルチフォトンエミッション素子を作製した。すなわち素子構造は、ITO/TPD(70nm)/Alq(60nm)/Mg:Alq(10nm)/TPD(70nm)/Alq(60nm)/Mg:Alq(10nm)/Al(80nm)、となる。この場合、電荷発生層として、有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属を混合した層(MgとAlqとの共蒸着層)のみを適用していることになる。
この比較例2の特性も第5図中に示してある。駆動電圧は比較例1の素子に比べて上昇するが、外部量子効率は向上せず、マルチフォトンエミッション素子として動作していない。したがって、本比較例2のように、仕事関数の小さい金属を混合しただけでは、正孔、電子の両方を注入する電極にはならなかった。
〔有機デバイス構成例2〕
次に、上述した各実施形態に係る有機デバイス用電極を用いて構成した有機デバイスの構成例として、有機電界効果トランジスタへの適用例を説明する。その素子構造を第6図に示す。
第6図(a)は、電荷発生層を内部電極として導入した有機電界効果トランジスタであり、基板301、第一のゲート電極302、第一のゲート絶縁膜303、第一のソース電極304a、第一のドレイン電極304b、電子輸送性の有機化合物を用いた電子輸送層305a、正孔輸送性の有機化合物を用いた正孔輸送層305b、電荷発生層306、第二のドレイン電極307a、第二のソース電極307b、第二のゲート絶縁膜308、第二のゲート電極309、から構成されている。なお、以下では、電子輸送層305aと正孔輸送層305bとを併せて有機半導体層と称する。
この構造において、第一のゲート電極302にVg1(>0)を、第二のゲート電極309にVg2(<0)を印加すると、第6図(a)に示すように、電界効果によって、電荷発生層306から電子輸送層305aに電子が、正孔輸送層305bに正孔が、それぞれ注入される。一方、第一のゲート絶縁膜303および第二のゲート絶縁膜308が存在するため、第一のゲート電極302や第二のゲート電極309から有機半導体層中にキャリアが注入されることはない。したがって、第一のゲート絶縁膜303表面近傍の有機半導体層中に電子が、第二のゲート絶縁膜308表面近傍の有機半導体層中に正孔が、それぞれ蓄積され、電子と正孔それぞれの電荷蓄積チャネル層を形成する。
この時、第6図(b)に示すように、第一のソース電極304aと第一のドレイン電極304bとの間にVsd1(>0)を、第二のソース電極307bと第二のドレイン電極307aとの間にVsd2(<0)を印加する。すると、第一のゲート絶縁膜303近傍の電子蓄積チャネル層の電子と、第二のゲート絶縁膜308近傍の正孔蓄積チャネル層の正孔が、それぞれのソース−ドレイン回路に電流を流す。
このようにして得られる有機電界効果トランジスタは、大きな電流量を高速に制御可能な実用性を有すると考えられるが、電荷発生層306は、第6図における上方向に正孔を、下方向に電子を、それぞれ注入する機能を持つ必要がある。そして、第1実施形態に係る有機デバイス用電極は極性に関係なくそのまま電荷発生層306として用いることができ、第2実施形態に係る有機デバイス用電極は、電子輸送層305a側に電子注入領域を、正孔輸送層305b側に正孔注入領域を配置することで電荷発生層306として用いることができ、第3実施形態に係る有機デバイス用電極は、電子輸送層305a側に電子注入電極層を、正孔輸送層305b側に正孔注入電極層を配置することで電荷発生層306として用いることができる。
本発明に依る有機デバイス用電極を用いた有機電界効果トランジスタの説明をしたが、本発明に係る有機デバイス用電極は電子機器に搭載することもできる。電子機器としては、携帯電話、パーソナルコンピュータ、モニタ、ビデオカメラ、ディジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、オーディオコンポ、カーオーディオ、ゲーム機器、モバイルコンピュータ、携帯型ゲーム機、電子書籍、記録媒体を備えた画像再生装置などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を第7図(a)〜(g)に示す。
第7図(a)は表示装置の一実施例を示し、筐体1001、支持台1002、表示部1003、スピーカー部1004、ビデオ入力端子1005等を含む。本発明の有機デバイス用電極は、上記表示部1003等に搭載されている。なお、有機デバイス用電極を搭載した表示装置としては、コンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの情報表示用装置が含まれる。
第7図(b)はノート型パーソナルコンピュータの一実施例を示し、本体1201、筺体1202、表示部1203、キーボード1204、外部接続ポート1205、ポインティングマウス1206等を含む。本発明の有機デバイス用電極は上記表示部1203等に掲載されている。
第7図(c)はモバイルコンピュータの一実施例を示し、本体1301、表示部1302、スイッチ1303、操作キー1304、赤外線ポート1305等を含む。本発明の有機デバイス用電極は、上記表示部1302等に搭載されている。
第7図(d)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)の一実施例を示し、本体1401、筐体1402、表示部1403、表示部1404、記録媒体(DVD等)読み込み部1405、操作キー1406、スピーカー部1407等を含む。表示部1403は主として画像情報を表示し、表示部1404は主として文字情報を表示するが、本発明の有機デバイス用電極をこれら表示部1403、1404等に搭載されている。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
第7図(e)はゴーグル型ディスプレイの一実施例を示し、本体1501、表示部1502、アーム部1503を含む。本発明の有機デバイス用電極は、上記表示部1502等に搭載されている。
第7図(f)はビデオカメラの一実施例を示し、本体1601、表示部1602、筐体1603、外部接続ポート1604、リモコン受信部1605、受像部1606、バッテリー1607、音声入力部1608、操作キー1609、接眼部1610等を含む。本発明の有機デバイス用電極は、表示部1602等に搭載にされている。
ここで、第7図(g)は携帯電話の一実施例を示し、本体1701、筐体1702、表示部1703、音声入力部1704、音声出力部1705、操作キー1706、外部接続ポート1707、アンテナ1708等を含む。本発明の有機デバイス用電極をその表示部1703等に用いることにより作製される。なお、表示部1703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができる。
以上の様に、本発明の有機デバイス用電極の適用範囲は極めて広く、この有機デバイス用電極をあらゆる分野の電子機器に適用することにより、汎用性の拡大が可能となる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機化合物の性質を利用した機能素子である有機デバイスの有機層に接して設けられた有機デバイス用電極において、
単一の有機化合物に、仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属と、仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属を混合した電極材料を、少なくとも前記有機層との接合面に用いることを特徴とする有機デバイス用電極。
【請求項2】
有機化合物の性質を利用した機能素子である有機デバイスにおける第一の有機層と第二の有機層との間に設ける有機デバイス用電極において、
単一の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属を混合した第一の領域と、前記単一の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属を混合した第二の領域とを有し、前記第一の領域と第二の領域が夫々第一の有機層と第二の有機層に接するようにしたことを特徴とする有機デバイス用電極。
【請求項3】
前記単一の有機化合物には、π共役系を有する有機化合物を用いることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の有機デバイス用電極。
【請求項4】
前記単一の有機化合物には、バイポーラ性を有する有機化合物を用いることを特徴とする請求の範囲第3項記載の有機デバイス用電極。
【請求項5】
有機化合物の性質を利用した機能素子である有機デバイスにおける第一の有機層と第二の有機層との間に設ける有機デバイス用電極において、
第一の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕以下の金属を混合した電子注入電極層と、前記第一の有機化合物とは異なる第二の有機化合物に仕事関数が4.2〔eV〕よりも大なる金属を混合した正孔注入電極層とを有し、前記電子注入電極層と正孔注入電極層が夫々第一の有機層と第二の有機層に接するようにしたことを特徴とする有機デバイス用電極。
【請求項6】
前記電子注入電極層の第一の有機化合物には電子輸送性の高い有機化合物を、前記正孔注入電極層の第二の有機化合物には正孔輸送性の高い有機化合物を用いることを特徴とする請求の範囲第5項記載の有機デバイス用電極。
【請求項7】
請求の範囲第1項、第2項又は第5項の何れか1項記載の前記有機デバイス用電極を有する電子機器であって、前記電子機器は、表示装置、パーソナルコシピュータ、モバイルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置、ゴーグル型ディスプレイ、ビデオカメラ、又は携帯電話である有機デバイス用電極を有する電子機器。

【図7】
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【国際公開番号】WO2005/020643
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【発行日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513386(P2005−513386)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012440
【国際出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】