説明

有機光電変換素子及びそれを用いた太陽電池

【課題】高い変換効率を達成可能で、耐久性が高く、安価な製造を可能とする塗布プロセスに対応でき、安価なプラスチック基板上に形成できる有機薄膜太陽電池材料を提供する。
【解決手段】第1の電極と第2電極の間に、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを含有するバルクへテロジャンクション層を有する有機光電変換素子であって、該第1の電極上に隔壁が形成され、該バルクへテロジャンクション層は、該隔壁によって複数の領域に分割されて形成され、かつ、該第2電極は該隔壁によって複数に分割された領域と接続するように形成されていることを特徴とする有機光電変換素子及び太陽電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機光電変換素子及びそれを用いた太陽電池に関し、さらに詳しくは、バルクへテロジャンクション型の有機光電変換素子、この有機光電変換素子を用いた太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の化石エネルギーの高騰によって、自然エネルギーから直接電力を発電できるシステムが求められており、単結晶・多結晶・アモルファスのSiを用いた太陽電池、CdTeやCIGSなどの化合物系の太陽電池、あるいは色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)などが提案・実用化されている。
【0003】
しかしながら、これらの太陽電池で発電するコストは未だ化石燃料を用いて発電・送電される電気の価格よりも高いものとなっており、普及の妨げとなっていた。また、基板に重いガラスを用いなければならないため、設置時に補強工事が必要であり、これらも発電コストが高くなる一因であった。
【0004】
このような状況に対し、化石燃料による発電コストよりも低コストな発電コストを達成しうる太陽電池として、透明電極と対電極との間に電子供与体層(p型半導体層)と電子受容体層(n型半導体層)とが混合されたバルクへテロジャンクション層を挟んだバルクへテロジャンクション型光電変換素子が提案されて(例えば、非特許文献1参照)いる。
【0005】
これらのバルクへテロジャンクション型太陽電池においては、陽極・陰極以外は塗布プロセスで形成されているため、高速かつ安価な製造が可能であると期待され、前述の発電コストの課題を解決できる可能性がある。さらに、上記のSi系太陽電池・化合物半導体系太陽電池・色素増感太陽電池などと異なり、160℃より高温のプロセスがないため、安価かつ軽量なプラスチック基板上への形成も可能であると期待される。
【0006】
なお発電コストには、初期の製造コスト以外にも発電効率及び素子の耐久性も含めて算出されなければならないが、前記非特許文献1では、太陽光スペクトルを効率よく吸収するような、長波な有機高分子を用いることによって、5%を超える変換効率を達成するにいたっている。
【0007】
これらの素子は400〜900nmの幅広い波長の光を吸収することで高効率の変換効率を達成しているものの、IPCEスペクトルから読み取れる内部量子効率は、未だ50〜60%であり、太陽光を十分高い効率で利用しているとは言えず、逆に言えばこの内部量子効率を向上していくことでより高い光電変換効率を達成できるものと推定される。
【0008】
内部量子効率を向上させる手段としては、バルクへテロジャンクション層の厚膜化が挙げられるが、主に
i)有機半導体材料の励起子拡散長の短さ、
ii)有機半導体材料を厚膜塗布する困難さ、の2つの理由のために厚膜化は困難であった。
【0009】
有機半導体材料は移動度が低く励起子拡散長が短いと言われており、厚膜化によって太陽光の吸収率を向上させても、厚い膜中を励起子が拡散していく過程で失活し、効率よく電荷として取り出せないという課題を有していた。しかしながら、最近高純度化されたフラーレンを用いることで、1μm厚に達する膜厚を有し可視光のほとんどの波長を吸収できる黒色の素子を報告しており、その素子の効率は5.2%(内部量子効率は可視域400〜800nmで70〜100%)に到達して(例えば、非特許文献2参照)いる。このように、有機半導体材料を高純度化し、キャリアトラップとなりうる不純物を徹底的に取り除き、キャリア輸送性を高めることで、厚膜化によって光電変換効率を向上可能であることが示されている。
【0010】
しかしながら、上記の1μm厚の素子は蒸着法によって形成されており、コスト的に有利な塗布法でこのような厚膜を形成することは異なる困難を有していた。それは、一般的に有機半導体材料の溶解性が高くないことに由来しており、溶液の濃度・粘度が低いために1回の塗布によって形成できる膜厚は50〜100nm程度が限界で、1回の塗布で厚い膜を得ることは困難であった。
【0011】
さらなる課題は、上記の変換効率値はセル面積が1cm以下の試験的なサイズのセルでの効率であり、実用的な面積のセルサイズ(〜100cm)にすると変換効率が低下してしまうといった課題を有していた。このような大面積化に伴う効率低下の原因は明確には解明されていないが、一つの原因は透明導電膜の導電性が不足しているためであるといわれ、補助的な補助電極線を付与することによって、透明導電膜の導電性を向上させるような改善策が提案されているが(例えば、特許文献1参照)、これらの補助電極線の形成はバルクへテロジャンクション層の塗布時のモルホロジー・塗布均一性に影響し、ひいては光電変換効率に影響することが懸念される。
【0012】
本発明者らは、上記のバルクへテロジャンクション層の厚膜化という課題と、大面積化時の効率低下という課題が、有機ELディスプレイにおいて多く検討されている(例えば、特許文献2、3参照)。中でも特許文献3では、有機ELディスプレイ以外にも有機薄膜太陽電池にも適用可能であるとの記載があるが、実際に有機薄膜太陽電池に応用した例はなく、また隔壁は一つ一つの画素に分割するために使われており、電極から有機層まで全ての層が隔壁によってサブセルに分割されている。このような構成はディスプレイ用としては有用であるものの、そのような構造をそのまま有機薄膜太陽電池に適用すると、各セル間の接続に精細なパターニングを有する工程が必要となり、有機薄膜太陽電池のメリットである高い生産性及び低コスト性が損なわれる恐れがあった。
【0013】
そこで本発明者らは、このような隔壁技術を有機薄膜太陽電池に適した形に改良することで、前記の厚膜化および大面積化時の効率低下の課題を同時に達成可能であることを見出した。すなわち、隔壁技術によって有機半導体薄膜のウェット膜厚を厚膜化でき、かつ隔壁によって有機光電変換素子の面積を特定の大きさのサブセルに分割することで、大面積化時の効率低下を最小限に抑えられることを見出し、前記課題を解決できることを見出した。さらには、陽極及び陰極は微細にパターニングする必要がないため、有機薄膜太陽電池のメリットである高い生産性及び低コスト性も保つことができる。
【特許文献1】米国特許第7304361号明細書
【特許文献2】特開2005−026237号公報
【特許文献3】特開2007−088127号公報
【非特許文献1】A.Heeger:Nature Mat.,vol.6,p497(2007)
【非特許文献2】平本昌宏:応用物理、vol.77,p539(2008)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、高い変換効率を達成可能で、耐久性が高く、安価な製造を可能とする塗布プロセスに対応できる有機薄膜太陽電池材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
【0016】
1.第1の電極と第2電極の間に、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを含有するバルクへテロジャンクション層を有する有機光電変換素子であって、該第1の電極上に隔壁が形成され、該バルクへテロジャンクション層は、該隔壁によって複数の領域に分割されて形成され、かつ、該第2電極は該隔壁によって複数に分割された領域と接続するように形成されていることを特徴とする有機光電変換素子。
【0017】
2.前記隔壁によって分割された領域の大きさが、0.01cm〜10cmであることを特徴とする、前記1に記載の有機光電変換素子。
【0018】
3.前記隔壁によって分割された領域の大きさが、0.1cm〜4cmであることを特徴とする、前記1又は2に記載の有機光電変換素子。
【0019】
4.前記隔壁の高さが、0.5〜10μmであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【0020】
5.前記隔壁の巾が、5〜1000μmであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【0021】
6.前記隔壁の、少なくとも上面は水接触角が80°以上の撥液性表面であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【0022】
7.前記隔壁が、液滴吐出法によって形成されていることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【0023】
8.前記隔壁内に、補助電極線が格納されていることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【0024】
9.前記補助電極線が、液滴吐出法によって形成されていることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【0025】
10.前記隔壁によって複数の領域に分割された前記バルクへテロジャンクション層が、塗布法によって形成されることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【0026】
11.前記バルクへテロジャンクション層が、溶液プロセスによって形成された後に不溶化することが可能な材料を用いていることを特徴とする、前記1〜10のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【0027】
12.前記n型有機半導体材料が、三次元ネットワーク構造を形成していることを特徴とする前記11に記載の有機光電変換素子。
【0028】
13.前記1〜11のいずれか1項に記載の有機光電変換素子からなることを特徴とする太陽電池。
【発明の効果】
【0029】
本発明により、高い変換効率を達成可能で、安価な製造を可能とする塗布プロセスに対応できる有機薄膜太陽電池材料を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明を更に詳しく説明する。
〔有機光電変換素子の層構成〕
図1は従来の有機光電変換素子の断面図を示す。図1において、基板11の一方面上に、第1の電極(通常、透明電極)12が堆積され、それとほぼ同等の面積を有する正孔輸送層17、バルクへテロジャンクション層14、電子輸送層18、及び第2の電極(通常、金属電極)13が順次積層されている。
【0031】
他方、図2に示される本発明の有機光電変換素子は、第1の電極12と第2の電極13の間の層(正孔輸送層17、バルクへテロジャンクション層14、および電子輸送層18)は、該第1の電極上12上に形成された隔壁19によって複数の領域に分割されていることが特徴である。
【0032】
図3は、第1の電極12上に隔壁19が形成された、本発明の有機光電変換素子の上面図である。第1の電極12は隔壁19によって小区画に分割され、その区画の中に正孔輸送層17、バルクへテロジャンクション層14、および電子輸送層が形成されている。
【0033】
このような構成とすることで、第1電極12および第2電極13は精細なパターニングは必要なく、容易に製膜することができ、工程が簡略化され、低コストな太陽電池を提供することが可能となる。また、実際に光電変換を行うバルクへテロジャンクション層14が小面積に分割されていることで、大面積化時の発電効率の低減を防止することができる。
【0034】
隔壁19によって分割する面積としては、分割されたサブセル面積が小さいほどサブセルの効率は向上するが、あまりに細分化すると、分割するために用いる隔壁19が占める面積が大きくなり、実質的に発電する面積が低下するため0.01cm〜10cmあることが好ましく、より好ましくは0.1cm〜4cmである。
【0035】
同様の理由で、隔壁19の巾は5〜1000μmであることが好ましい。隔壁19の巾が1000μm以上だと、隔壁19の占める面積が大きくなりすぎて有機光電変換素子全体が発電する発電量が低下する。一方、5μmより細いと、隔壁が狭くなりすぎてバルクへテロジャンクション層5等を塗布した際に完全にサブセル間を分離できなくなる恐れがある。
【0036】
また、隔壁の高さは、0.5〜10μmであることが好ましい。隔壁の高さが0.5μm以下だとバルクへテロジャンクション層5等を塗布した際に完全にサブセル間を分離できなくなる恐れがある。また、10μm以上であると、フレキシブルな基板上に形成した際の曲げ応力などで割れたり剥離する恐れがある。
【0037】
このような隔壁19は、従来公知のフォトレジストを露光・現像する方法や、スクリーン印刷やフレキソ印刷、μコンタクトプリンティング、インクジェット等の溶液吐出法、などといった直接パターンを形成する方法によって形成することができる。好ましくは簡略な工程である直接パターンを形成する方法であり、より好ましくはインクジェット等の溶液吐出法である。非常に精細なパターンを形成したい場合は、静電吸引式のインクジェット等を用いることもできるが、高精細なパターニング法はパターニングに時間がかかることもあるため、必要とする精細度を満たす範囲で、高速なパターニング方法を選べばよい。
【0038】
なお、バルクへテロジャンクション層14は、前記の隔壁が形成された基板上にバルクへテロジャンクション層14を形成しうる溶液を全面塗布した後、乾燥時に隔壁19の高さによって自然と分割されるが、より正確に前記塗布液を分割したい場合は、バルクへテロジャンクション層形成溶液もインクジェット方により隔壁に囲まれたエリアのみに吐出するか、全面塗布時の前記隔壁19の上面を撥液性とすることで、バルクへテロジャンクション層形成溶液が隔壁上から弾かれ、自発的にサブセルに分割されるといった効果を利用することができる。このような効果を発揮するためには、隔壁上面の水接触角は80°以上であることが好ましい。より好ましくは90°以上、さらに好ましくは100°以上である。
【0039】
他方で隔壁の側面も撥液性であると、バルクへテロジャンクション層の隔壁と接する周辺部の膜厚が薄くなってしまうことがあるため、撥液性であるのは隔壁19の上面だけであることが好ましい。
【0040】
このような隔壁は、例えば、
(1)通常のフォトレジスト上に撥液性の薄膜を製膜し、2層を同時に露光・現像する方法、
(2)表層に撥液性の置換基が自発的に集合することで、通常の露光・現像プロセスを行うだけで表層は低表面エネルギーに、側面は高表面エネルギーになるフォトレジストを用いる方法(例えば特開2003−11974号公報に開示のフォトレジスト)
(3)高表面エネルギーの隔壁パターンを形成後、インクジェット等の液滴吐出法によって隔壁パターン上部のみに低表面エネルギーを形成する方法などを挙げることができる。
【0041】
本発明において、さらに好ましい態様は、前記隔壁内に補助電極線を第1の電極12に接して内包することである。このようにすることで、第1の電極の導電率が向上し、より光電変換効率を向上させることができる。なお隔壁は通常絶縁性の材料で構成されるため、補助電極線とバルクへテロジャンクション層は影響することはない。
【0042】
補助電極線を形成する方法は、各種公知の方法を挙げることができるが、補助電極線を覆う形で隔壁19を形成するプロセスを考慮すると、インクジェット等の溶液吐出法を用いて形成することが好ましい。
【0043】
補助電極線を構成する材料としては、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、カーボンナノチューブ等の炭素材料、および導電性高分子を用いることができるが、これに限らない。
【0044】
(有機光電変換素子および太陽電池の層構成)
上記のようなプロセスによって隔壁を形成した後、透明電極上に各種有機層を積層することによって、有機光電変換素子を形成することができる。本発明においては、有機光電変換素子の面積が隔壁によって小区画に分割されている以外は、従来公知の層構成を用いて作製することができる。
【0045】
前述の図2を用いて説明すると、基板11の一方面上に、第1の電極(通常、透明電極)12が堆積され隔壁によって分割された正孔輸送層17、バルクへテロジャンクション層14、電子輸送層18、及び第1の電極と略同等の面積を有する第2の電極(通常、金属電極。対電極とも言う)13が順次積層されることで有機光電変換素子10が形成される。これらの層の働きは、以下の通りである。
【0046】
基板11を介して透明電極12から入射された光は、光電変換部14のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は、内部電界、例えば、透明電極12と対電極13の仕事関数が異なる場合では透明電極12と対電極13との電位差によって、電子は、電子受容体間を通り、また正孔は、電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。例えば、透明電極12の仕事関数が対電極13の仕事関数よりも大きい場合では、電子は、透明電極12へ、正孔は、対電極13へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば電子と正孔は、これとは逆方向に輸送される。また、透明電極12と対電極13との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
【0047】
なお、バルクへテロジャンクション層と各電極の間には、HOMOおよびLUMO準位の差があり、これらの差が電流を取り出す際の抵抗となることがあるため、電流を取り出しやすくするために、中間的なHOMOまたはLUMOを有する正孔輸送層17および電子輸送層18を設けることで効率が向上する。すなわち、正孔輸送層17はバルクへテロジャンクション層14のp型半導体層のHOMO準位と第1の電極の仕事関数の中間に準位を有することが好ましく、電子輸送層18はバルクへテロジャンクション層14のn型半導体のLUMO準位と第2の電極の仕事関数との中間に準位を有することが好ましい。
【0048】
基板11は、順次積層された透明電極12、バルクへテロジャンクション層14及び対電極13を保持する部材である。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射するので、基板11は、この光電変換される光を透過させることが可能な、すなわち、この光電変換すべき光の波長に対して透明な部材である。基板11は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板11は、必須ではなく、例えば、バルクへテロジャンクション層14の両面に透明電極12及び対電極13を形成することでバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10が構成されてもよい。
【0049】
透明電極12は、バルクへテロジャンクション層14において光電変換される光を透過させることが可能な電極であり、好ましくは300〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、またはナノ粒子・ナノワイヤー層、および導電性高分子を用いることができる。
【0050】
正孔輸送層17としては、スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP等のPEDOT、ポリアニリン及びそのドープ材料、WO2006019270号パンフレット等に記載のシアン化合物、などを用いることができる。なお、バルクへテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有する正孔輸送層には、バルクへテロジャンクション層で生成した電子を陽極側には流さないような整流効果を有する、電子ブロック機能が付与される。このような正孔輸送層は、電子ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する正孔輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクへテロジャンクション層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
【0051】
バルクへテロジャンクション層14は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とが一様に混合された層である。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。本発明に用いることのできるp型半導体材料およびn型半導体材料については、後述する。
【0052】
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。その結果、バルクへテロジャンクション層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
【0053】
電子輸送層18としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)を用いることができるが、同様に、バルクへテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有する電子輸送層には、バルクへテロジャンクション層で生成した正孔を陰極側には流さないような整流効果を有する、正孔ブロック機能が付与される。このような電子輸送層は、正孔ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する電子輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。また、バルクへテロジャンクション層に用いたn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
【0054】
第2の電極13は、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、あるいは第1の電極12の材料等を用いることができるが、これに限らない。
【0055】
さらに好ましい構成としては、前記バルクへテロジャンクション層14が、いわゆるp−i−nの三層構成となっている構成(図4)である。通常のバルクへテロジャンクション層は、p型半導体材料とn型半導体層が混合した、i層単体であるが、p型半導体材料単体からなるp層、およびn型半導体材料単体からなるn層で挟むことにより、正孔及び電子の整流性がより高くなり、電荷分離した正孔・電子の再結合等によるロスが低減され、一層高い光電変換効率を得ることができる。
【0056】
このような構成は、いわば同一材料を濃度違いで積層するものであり、蒸着法で製膜する場合は容易に形成することができるが、塗布法で形成する場合には、例えばp層14pの上にi層14iを塗布する場合、i層溶液にもp型半導体が含まれるため、i層の溶剤はp層を溶解してしまい、積層することができないといった課題を有している。このような課題を解決するためには、塗布後に不溶化できるような材料を用いることで解決でき、好ましい。このような材料については後述する。
【0057】
さらに、太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成としてもよい。図5は、タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。タンデム型構成の場合、基板11上に、順次透明電極12、第1の光電変換部20を積層した後、電荷再結合層15を積層した後、第2の光電変換部21、次いで対電極13を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。第2の光電変換部21は、第1の光電変換部20の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。また、電荷再結合層15の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等が好ましい。
【0058】
また、作製した有機光電変換素子10が環境中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上10を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)または有機膜(パリレン等)を真空下で堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
【0059】
以下、本発明のバルクへテロジャンクション層14に用いることができる、p型半導体材料およびn型半導体材料について説明する。
【0060】
〔p型半導体材料〕
本発明のバルクへテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマーが挙げられる。
【0061】
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
【0062】
また上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
【0063】
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、WO2008000664に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv Mater,2007p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
【0064】
また、ポリマー材料ではなくオリゴマー材料としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
【0065】
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。このような化合物を用いることで、バルクへテロジャンクション層を溶液プロセスで形成しても厚い膜を形成することができ、また厚い膜であってもキャリアの拡散長を膜厚以上にすることができ、高い光電変換効率を得ることができる。
【0066】
他方で、より厚い膜を得るためには、一度塗布した層の上にさらに塗布することができれば、容易に厚い膜を得ることができるが、通常溶解性の良い材料からなる層の上にさらに層を溶液プロセスによって積層使用とすると、下地の層を溶かしてしまうために積層することができないという課題を有していた。したがって、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料が好ましい。
【0067】
このような材料としては、Technical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、または米国特許出願公開第2003/136964号、および特開2008−16834等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料などを挙げることができる。
【0068】
これらの中でも、不溶化後の移動度の高い塗布後に顔料化できる材料が好ましく、中でも好ましくは前記特開2008−16834号公報記載のポルフィリン系化合物を用いることが好ましい。このポルフィリン系化合物(BP−1前駆体)は、塗布時は立体的に嵩高いビシクロ基を分子末端に4箇所有しているが、熱等のエネルギーが加えられると、逆Diels−Alder反応を起こしてビシクロ基部分が反応し、4分子のエチレンガスを放出して溶剤に不要なベンゾポルフィリン誘導体(BP−1)に変換される。
【0069】
【化1】

【0070】
このような、塗布後に不溶な顔料に変換できる材料としては、特開2008−16834号段落番号0044及び0045に記載されている化合物を挙げることができる。
【0071】
このようなポルフィリン系化合物は、前記特開2008−16834号公報、Chem.Commun.1998,p1661等を参考として合成することができる。
【0072】
〔n型半導体材料〕
本発明のバルクへテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料としては、特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
【0073】
しかし、本発明のチオフェン含有縮合環を有する材料をp型半導体材料として用いる場合、効率的な電荷分離を行えるフラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
【0074】
中でも[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nヘキシルエステル(PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報等のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7329709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
【0075】
より好ましくは、塗布後に三次元的に架橋したネットワーク構造を形成可能なn型半導体材料である。塗布後に三次元ネットワーク構造を形成することで、剛性の高いn型キャリアパス構造を形成することができ、p型層とn型層の相分離構造が経時で変化することを防ぎ、結果として高い耐久性を有する有機光電変換素子を得ることができる。さらなる副次的な効果としては、バルクへテロジャンクション層(i層)の上に正孔輸送層・電子輸送層・正孔ブロック層・電子ブロック層、p−i−n構造のn層、あるいは再度バルクへテロジャンクション層(i層)を溶液プロセスで積層する際に、バルクへテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなるため、前記の層を構成する材料とバルクへテロジャンクション層を形成する材料とが混合することがなくなり、一層の効率向上・寿命向上を達成することができる。
【0076】
そのような三次元ネットワーク構造を形成することが可能なフラーレン含有モノマーの例としては、以下のような化合物を挙げることができる。
【0077】
【化2】

【0078】
【化3】

【0079】
【化4】

【0080】
これらの化合物は、J.Mater.Chem.,vol.15(2005),p5158,Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116、Angewadte Chemie,International Edition,vol.41(2002),p838等を参考として、モノマーを合成することができる。
【0081】
これらの化合物の中でも、重合架橋反応後にキャリアトラップとなる官能基が発生しない重合基として、ビニル基である化合物が好ましい。
【0082】
なお、これらの三次元ネットワークを形成する高分子化合物は溶剤に不溶であるため、モノマーの状態でバルクへテロジャンクション層を形成後に熱、光、放射線、及び重合開始反応を引き起こす化合物蒸気に晒す等の方法によって重合架橋反応を引き起こし、三次元ネットワーク構造を形成させることができる。また、熱、光、放射線等によって重合開始反応を引き起こす重合開始剤を予め混合しておいてもよい。これらの方法の中でも、熱または光によって重合架橋反応を起こすことが好ましく、中でも重合開始剤を用いずに重合架橋可能な化合物が好ましい。
【0083】
なお本発明においては、前記化合物中の重合性基が全て反応する必要はなく、溶剤に不要となる程度の架橋密度が得られれば十分であるため、必要最低限の加熱または紫外光照射を行えばよい。なおフラーレン類はラジカルをトラップするため、通常単官能のビニルモノマーを用いたラジカル重合によって高分子量の高分子を得ることは困難であるが、他官能ビニルモノマーを用いてネットワークポリマーを形成する場合は、低重合度であっても溶剤に不溶な架橋構造を形成することができる。
〔有機光電変換素子の作成プロセス〕
次いで、本発明の有機薄膜太陽電池の作製プロセスについて説明する。図6は、本発明の有機薄膜太陽電池を製造する概略フロー図である。
【0084】
本図に示す様に、有機薄膜太陽電池は、概略画素電極形成工程、隔壁形成工程、有機化合物層形成工程、第2電極形成工程、封止層形成工程を経ることで製造されている。本図において有機化合物層形成工程では、正孔輸送層形成と、バルクへテロジャンクション層形成とが行われる。以下にフロー図に従って説明する。
【0085】
S1は第1電極パターニング工程で、基材供給工程から供給された基板に対して、第1電極(透明電極)形成工程で、第1電極がパターン化されて形成される。基材上に前面に第1電極を形成後に公知のフォトリソグラフィー工程によってパターニングを行っても良いし、第1電極が塗布製膜可能な材料であれば、各種の印刷法や液滴吐出法(インクジェット法、ディスペンサ法、静電吸引ノズル吐出法等)によって直接パターニングをしても良い。
【0086】
S2は基板洗浄・表面改質処理工程で、正孔輸送層を形成する前に基板上にパターン化され形成された第1電極(透明電極)表面の洗浄改質を行うため、基板洗浄処理装置(不図示)により処理がなされ、この後、帯電除去処理が行われる。基板洗浄処理装置としては、例えば、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置等を使用することが好ましい。低圧水銀ランプによる基板洗浄処理の条件としては、例えば、波長184.2nmの低圧水銀ランプを、照射強度5〜20mW/cmで、距離5〜15mmで照射し基板洗浄を行う条件が挙げられる。プラズマ洗浄装置による基板洗浄処理の条件としては、例えば、大気圧プラズマが好適に使用される。洗浄条件としてはアルゴンガスに酸素1〜5体積%含有ガスを用い、周波数100KHz〜150MHz、電圧10V〜10KV、照射距離5〜20mmで基板洗浄処理を行う条件が挙げられる。
【0087】
帯電除去手段は、非接触式帯電除去装置(不図示)と接触式帯電除去装置(不図示)とを使用することが好ましく、画素電極側に非接触式帯電除去装置(不図示)、基板裏面側には接触式帯電除去装置(不図示)を適用することが好ましい。非接触式帯電除去装置としては例えば、非接触式のイオナイザーが挙げられイオナイザーの種類については特に制限はなく、イオン発生方式はAC方式、DC方式どちらでも構わない。ACタイプ、ダブルDCタイプ、パルスACタイプ、軟X線タイプが用いることが出来るが、特に精密除電の観点から、ACタイプが好ましい。ACタイプの使用の際に必要となる噴射気体については、空気かN2が用いられるが、十分に純度が高められたN2で行うことが好ましい。又、インラインで行う観点より、ブロワータイプもしくはガンタイプより選ばれる。
【0088】
接触式帯電除去装置としては、除電ロール又はアース接続した導電性ブラシを用いて行われる。除電機としての除電ロールは、接地されており、除電された表面に回転自在に接触して表面電荷を除去する。この様な除電ロールとしては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属製ロールの他に、カーボンブラック、金属粉、金属繊維等の導電性材料を混合した弾性のあるプラスチックやゴム製のロールが使用される。特に、基板との接触をよくするため、弾性のあるものが好ましい。アース接続した導電性ブラシとは、一般には、線状に配列した導電性繊維からなるブラシ部材や線状金属製のブラシを有する除電バー又は除電糸構造のものを挙げることが出来る。除電バーについては、特に限定はないが、コロナ放電式のものが好ましく用いられ、例えば、キーエンス社製のSJ−Bが用いられる。除電糸についても、特に限定はないが、通常フレキシブルな糸状のものが好ましく用いられ、例えば、ナスロン社製の12/300×3をその一例として挙げることが出来る。
【0089】
S3は隔壁形成工程で、基板上にパターン化されて形成された第1電極上に、各種公知の方法および前記の方法により隔壁形成を行い隔壁が形成される。この後、帯電除去処理を行った後、次の工程に送られる。帯電除去処理はS2で示した帯電除去処理と同じ方法で行われる。隔壁形成工程に関しては別途詳細に説明する。尚、隔壁は正孔輸送層が形成された後に形成しても構わなく、必要に応じて適宜選択する。
【0090】
S4は正孔輸送層形成工程で、隔壁により区画化された各区画内に液滴吐出法によってそれぞれ塗布しても良いし、アプリケーター塗布やワイヤーバー塗布のような公知の塗布法によって、隔壁出で区切られた各区画を同時に塗布しても良い。正孔輸送層用溶液が塗布され、乾燥・加熱処理されることで正孔輸送層が形成される。この後、帯電除去処理を行った後、次の工程に送られる。帯電除去処理はS2で示した帯電除去処理と同じ方法で行われる。尚、正孔輸送層が既に形成されている場合は、不要となる。
【0091】
S5はバルクへテロジャンクション層形成工程で、隔壁により区画化された各区画内に既に形成された正孔輸送層の上に液滴吐出法によってそれぞれ塗布しても良いし、アプリケーター塗布やワイヤーバー塗布のような公知の塗布法によって、隔壁出で区切られた各区画を同時に塗布しても良い。バルクへテロジャンクション層用溶液が塗布され、乾燥・加熱処理されることでバルクへテロジャンクション層が形成され、帯電除去処理を行った後、次の工程に送られる。帯電除去処理はS2で示した帯電除去処理と同じ方法で行われる。
【0092】
S6は電子輸送層形成工程で、隔壁により区画化された各区画内に既に形成された正孔輸送層の上に液滴吐出法によってそれぞれ塗布しても良いし、アプリケーター塗布やワイヤーバー塗布のような公知の塗布法によって、隔壁出で区切られた各区画を同時に塗布しても良い。バルクへテロジャンクション層用溶液が塗布され、乾燥・加熱処理されることでバルクへテロジャンクション層が形成され、帯電除去処理を行った後、次の工程に送られる。帯電除去処理はS2で示した帯電除去処理と同じ方法で行われる。
【0093】
蒸着法によって形成する場合は、基板上に形成された第1電極パターンに合わせたマスクを使用し、発光層上に電子輸送層が蒸着方式により形成される。
【0094】
S7は第2電極形成工程で、基板上に形成された隔壁のパターン化に合わせたマスクを使用し、電子輸送層上に第2電極が蒸着方式により形成される。電子輸送層及び第2電極の形成方法については、特に限定はなく、例えばスパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来る。また、インジウム等の融点が200度以下の低融点金属や塗布可能な導電性高分子、導電性ナノワイヤー・ナノ粒子の分散物などで形成する場合は、前述と同様の塗布工程で作製してもよい。
【0095】
なお、隔壁によって第2の電極が小分割されたセルごとに分断されてしまうような場合には、再度第2の電極上に導電性のペースト等を塗布し、各小セルを連結することができる。
【0096】
S8は封止層形成工程で、第2電極上に封止層が形成され、有機EL素子が製造される。封止層は蒸着方式で形成してもよいし、封止フィルムを接着剤で貼着しても構わない。
【0097】
このような工程を経ることで、本発明の有機薄膜太陽電池を得ることができる。
【0098】
なお、本発明のバルクへテロジャンクション層を発光層とし、各電極及び正孔輸送層・電子輸送層を有機EL素子に適合したものに代えることで、照明などのような、全体が同一の発光色で光る有機ELデバイスの製造方法にも用いることができる。
【実施例】
【0099】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0100】
実施例1
<比較の有機光電変換素子1の作製>
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を110nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて10cm幅にパターニングして、透明電極(第1の電極)を形成した。
【0101】
パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に10分間の紫外線オゾン洗浄を行なった。
【0102】
この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック社製)を30nmのドライ膜厚となるようにアプリケーターで塗布した後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
【0103】
これ以降は、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。まず、窒素雰囲気下で上記基板を140℃で3分間加熱処理した。クロロベンゼンにp型半導体材料として、プレクストロニクス社製ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、プレックスコアOS2100を1.0質量%、n型半導体材料としてフロンティアカーボン社製PC61BMを1.0質量%で溶解した液を作製し、0.45μmのフィルタでろ過をかけた後、アプリケーターで塗布を行い、室温で30分乾燥し、バルクへテロジャンクション層を成膜した。
【0104】
次に、上記一連の有機層を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。10cm幅のシャドウマスクが透明電極と直交するように素子をセットし、10−3Pa以下にまでに真空蒸着機内を減圧した後、フッ化リチウムを0.5nm、Alを200nmを蒸着し、第2の電極を作製した。最後に120℃で30分間の加熱を行い、比較の有機光電変換素子1を得た。なお蒸着速度はいずれも2nm/秒で蒸着し、最終的に10cm角のサイズの素子が得られた。
【0105】
得られた有機光電変換素子1は、窒素雰囲気下でアルミニウム缶とUV硬化樹脂を用いて封止を行った後に大気下に取り出し、ソーラシュミレーターの光を100mW/cm(AM1.5G)の照射強度で照射して、電圧−電流特性を測定し、初期の変換効率を測定した。また、断面を電子顕微鏡で撮影し、バルクへテロジャンクション層(BHJ層ともいう)の膜厚も測定した。
【0106】
<本発明の有機光電変換素子2の作製>
前記有機光電変換素子1の作製において、ITO上に下記の工程に従って隔壁を作製した。
【0107】
ITO電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行なった。
【0108】
洗浄済みのITO上に、京セラケミカル製低温硬化ポリイミド、CT4112をドライ膜厚2μmとなるようにスピンコートし、80℃、120℃、180℃でそれぞれ1h加熱を行い、ポリイミド膜を得た。
【0109】
ついで東京応化製フォトレジストOFPR−800を厚さ1μmに塗布し、所定のマスクを用いて1000mJ/cmで露光を行い、紫外線露光装置(キャノン社製:PLA−501)により、全光紫外光を1000mJ/cmの露光量で照射した。露光後、室温で東京応化社製アルカリ現像液NMD−3に20秒間浸漬することにより現像を行った後、純水で20秒間リンスした。レジスト剥離後、未露光部分に隔壁パターンの形成が確認された。なお隔壁の形状は、開口部2.45cm角(6.0cm)、サブセル数16、線幅0.5mm、高さ2μmで形成した。なおCT4112表面の水接触角は55°であった。
【0110】
このような隔壁を形成した後は、有機光電変換素子1と同様にして、Baytron P4083層、P3HTとPC61BMからなるバルクへテロジャンクション層、LiF層、Al層を形成し、隔壁で分断されたサブセル間を接続するために銀ペーストを塗布し、最後に120℃で30分間の加熱を行い、有機光電変換素子2を得た。
【0111】
得られた有機光電変換素子2は、窒素雰囲気下でアルミニウム缶とUV硬化樹脂を用いて封止を行った後に大気下に取り出し、ソーラシュミレーターの光を100mW/cm(AM1.5G)の照射強度で照射して、電圧−電流特性を測定し、初期の変換効率を測定した。また、断面を電子顕微鏡で撮影し、バルクへテロジャンクション層の膜厚も測定した。
【0112】
<本発明の有機光電変換素子3の作製>
前記有機光電変換素子2の作製において、隔壁のパターンを以下のように変更した以外は、前記有機光電変換素子2と同様にして光電変換素子3を得、同様に変換効率とBHJ層膜厚を測定した。
【0113】
隔壁パターン:開口部0.95cm角(0.90cm)、サブセル数100、線幅0.5mm、高さ2μm
<本発明の有機光電変換素子4の作製>
前記有機光電変換素子3の作製において、隔壁を形成するフォトレジストを特開2003−11974の実施例1に記載のフッ素化ポリイミドに変更し、ポリイミドの焼成条件を250℃1時間に変更した以外は、前記有機光電変換素子4と同様にして有機光電変換素子4を得、同様に変換効率とBHJ層膜厚を測定した。
【0114】
なおこのポリイミドは、上面は低表面エネルギーとなり、側面は高表面エネルギーとなるタイプのポリイミドであり、このポリイミド表面の水接触角は90°であった。
【0115】
<本発明の有機光電変換素子5の作製>
前記有機光電変換素子3の作製において、隔壁の形成を下記のインクジェット法によって形成した以外は、前記有機光電変換素子4と同様にして光電変換素子5を得、同様に変換効率とBHJ層膜厚を測定した。
【0116】
宇部興産製ポリイミド、ユピコートFS−100Lを90質量部と、メチルイソブチルケトン(MIBK)を10質量部とを混合し、粘度は室温で20Pa・sとなるように調整した。
【0117】
洗浄済みのITO基板上に、インクジェット法によって描画吐出させ、真空乾燥炉を用い、133Pa、120℃の条件下に90分間配置することで加熱処理し、前記有機光電変換素子3と同様の隔壁パターンを形成した。なおユピコートFS−100Lの表面の水接触角は55°であった。
【0118】
<本発明の有機光電変換素子6の作製>
前記有機光電変換素子5の作製において、ポリイミドによる隔壁の形成を行う前に、隔壁と同様のパターンで、銀ナノ粒子インク(Advanced Nano Products社製、DGP45LT)を用いて描画を行い、140℃15分間の加熱を行うことによって開口部0.99cm角、サブセル数100、線幅0.2mm、高さ1μmの補助電極線パターンを得た。その上からさらに、前記有機光電変換素子5と同様のポリイミドによる隔壁を、前記の銀ナノ粒子インクで形成したパターンを完全に被覆するように形成した以外は、有機光電変換素子6と同様にして有機光電変換素子7を得、同様に変換効率とBHJ層膜厚を測定した。
【0119】
<本発明の有機光電変換素子7の作製>
前記有機光電変換素子6の作製において、Baytron P4083の層を形成して窒素下に移送した後、以下のように3層のp−i−n層を形成した。
【0120】
まずp層として、クロロベンゼンにp型半導体材料として、BP−1前駆体を0.6質量%で溶解し、0.45μmのフィルタでろ過をかけた後、アプリケーターで塗布を行った後、180℃で20分間加熱することで、BP−1前駆体をBP−1へと変換し、p層を得た。
【0121】
ついでi層として、BP−1前駆体を1.2質量%、およびn型半導体材料としてフロンティアカーボン社製PC61BMを1.0質量%を溶解した液を作製し、0.45μmのフィルタでろ過をかけた後、アプリケーターで塗布を行った後、180℃で20分間加熱することで、i層を得た。なおBP−1前駆体はBP−1に変換される際に分子量が約5/6となるため、p型半導体材料:n型半導体材料=1:1である。
【0122】
最後にn層として、フロンティアカーボン社製PC61BMをクロロベンゼンに0.5質量%で溶解した液を作製し、0.45μmのフィルタでろ過をかけた後、アプリケーターで塗布を行った後、180℃で30分間加熱することで、n層を得た。
【0123】
これ以降は、前記有機光電変換素子6と同様にして有機光電変換素子7を得、同様に変換効率とBHJ層(i層)の膜厚を測定した。
【0124】
<本発明の有機光電変換素子8の作製>
前記有機光電変換素子6の作製において、Baytron P4083の層を形成して窒素下に移送した後、以下のように3層のp−i−n層を形成した。
【0125】
まずp層として、クロロベンゼンにp型半導体材料として、BP−1前駆体を0.6質量%を溶解し、0.45μmのフィルタでろ過をかけた後、アプリケーターで塗布を行った後、180℃で30分間加熱することで、BP−1前駆体をBP−1へと変換し、p層を得た。
【0126】
ついでi層として、BP−1前駆体を1.2質量%、およびn型半導体材料として前記例示化合物1を1.0質量%を溶解した液を作製し、0.45μmのフィルタでろ過をかけた後、アプリケーターで塗布を行った後、180℃で30分間加熱することで、180℃で30分間加熱することで、BP−1前駆体をBP−1へと変換し、かつ例示化合物1を重合架橋した。
【0127】
さらにもう一度、同様のi層塗布液を塗布・加熱することで、倍の厚みを有するi層を得た。
【0128】
最後にn層として、例示化合物1を0.5質量%を溶解した液を作製し、0.45μmのフィルタでろ過をかけた後、アプリケーターで塗布を行った後、180℃で30分間加熱することで、n層を得た。
【0129】
これ以降は、前記有機光電変換素子6と同様にして有機光電変換素子8を得、同様に変換効率とBHJ層(i層)の膜厚を測定した。
【0130】
【表1】

【0131】
表1から判るように、隔壁を利用することで塗布膜厚が向上し、光の吸収率を高められていることがわかる。またその結果、高い効率を有していることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】従来の有機光電変換素子の断面図である。
【図2】本発明の有機光電変換素子の断面図である。
【図3】基板上に形成された複数の画素電極を囲む形で形成された格子状の隔壁の状態を示す概略平面図である。
【図4】本発明の好ましい有機光電変換素子の断面図である。
【図5】本発明のタンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。
【図6】本発明の有機薄膜太陽電池を製造する概略フロー図である。
【符号の説明】
【0133】
10 有機光電変換素子
11 基板
12 第1の電極
13 第2の電極
14 バルクへテロジャンクション層
14p p型半導体層(p層)
14i バルクへテロジャンクション層(i層)
14n n型半導体層(n層)
15 電荷再結合層
16 陰極
17 正孔輸送層
18 電子輸送層
19 隔壁
20 第1の光電変換部
21 第2の光電変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と第2電極の間に、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを含有するバルクへテロジャンクション層を有する有機光電変換素子であって、該第1の電極上に隔壁が形成され、該バルクへテロジャンクション層は、該隔壁によって複数の領域に分割されて形成され、かつ、該第2電極は該隔壁によって複数に分割された領域と接続するように形成されていることを特徴とする有機光電変換素子。
【請求項2】
前記隔壁によって分割された領域の大きさが、0.01cm〜10cmであることを特徴とする、請求項1に記載の有機光電変換素子。
【請求項3】
前記隔壁によって分割された領域の大きさが、0.1cm〜4cmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機光電変換素子。
【請求項4】
前記隔壁の高さが、0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【請求項5】
前記隔壁の巾が、5〜1000μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【請求項6】
前記隔壁の、少なくとも上面は水接触角が80°以上の撥液性表面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【請求項7】
前記隔壁が、液滴吐出法によって形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【請求項8】
前記隔壁内に、補助電極線が格納されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【請求項9】
前記補助電極線が、液滴吐出法によって形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【請求項10】
前記隔壁によって複数の領域に分割された前記バルクへテロジャンクション層が、塗布法によって形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【請求項11】
前記バルクへテロジャンクション層が、溶液プロセスによって形成された後に不溶化することが可能な材料を用いていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
【請求項12】
前記n型有機半導体材料が、三次元ネットワーク構造を形成していることを特徴とする請求項11に記載の有機光電変換素子。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機光電変換素子からなることを特徴とする太陽電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−103204(P2010−103204A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271623(P2008−271623)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】