有機廃棄物処理装置および有機廃棄物処理材梱包
【課題】発酵方式有機廃棄物処理装置においても、有機廃棄物処理が繰り返し行われるにつれて処理残渣が積算してくる。その結果嵩が増えてくることと、有機廃棄物処理材の組成比率が変化し発酵性能が低下することが問題である。
【解決手段】処理室の横面に設けられたオーバーフロー用窓から、適宜処理室の内容物(処理材と積算残渣)の一部を排出し、代わりに補充用処理材を投入し、処理室内容物の処理材比率を所定の範囲に保つ。補充用処理材は処理材により容易に分解される材料から成る易分解性包装材で密封梱包され、さらに防湿性が高く該有機廃棄物処理材により分解されない材料から成る包装材で2重梱包し、保全性と投入の利便性を実現する。
【解決手段】処理室の横面に設けられたオーバーフロー用窓から、適宜処理室の内容物(処理材と積算残渣)の一部を排出し、代わりに補充用処理材を投入し、処理室内容物の処理材比率を所定の範囲に保つ。補充用処理材は処理材により容易に分解される材料から成る易分解性包装材で密封梱包され、さらに防湿性が高く該有機廃棄物処理材により分解されない材料から成る包装材で2重梱包し、保全性と投入の利便性を実現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発酵方式有機廃棄物処理装置では微生物と微生物担持体を主たる構成要素とする有機廃棄物処理材が使われているが、この有機廃棄物処理材の発酵性能は処理装置の機能を左右する最重要な管理項目である。有機廃棄物処理が繰り返し行われるにつれて、次第に処理残渣が積算してきて嵩が増えてくる。これ自体問題であるが、この積算残渣により有機廃棄物処理材の組成比率変化が進行し、発酵性能が低下することも問題である。本発明は、これらの問題に対処するための処理装置および処理方法の工夫と、この工夫に関連して取扱いが必要となる有機廃棄物処理材の取扱上の利便性の高い梱包に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許公開平06−304542
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日立家庭用生ゴミ処理機BGD−V18使用説明書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レストランや給食などの業務では、毎日大量の生ゴミを中心とする有機廃棄物が発生し、処理業者にその都度引き取ってもらっている。家庭においても、生ゴミを分別し数日に一度は集積所に出し、自治体の収集車に回収を委ねている。日本での生ゴミ系有機廃棄物の総排出量は年間2,500万トン、家庭からだけでも年間1,000万トンを超えると言われている。そして回収されたこれらの有機廃棄物は、通常は埋め立て処分されるか焼却される。最近は新規な埋め立て地が激減しており、焼却の比重が高まっている。ここに膨大な回収と焼却のエネルギーが使われ、関連活動を含め大量の二酸化炭素を発生させている。この社会的大問題に対処するために、生ゴミに限らず農業・酪農・製造業における種々の不用有機廃棄物の発生原点において、有機廃棄物量を大幅に減量しようと企図するのが、業務用及び家庭用有機廃棄物処理装置である。
【0006】
一般的な有機廃棄物処理方法は大別すると2種類ある。有機廃棄物を加熱し撹拌し減量する「加熱乾燥方式」と、有機廃棄物に微生物を混ぜ合わせ有機廃棄物を発酵させ分解させて減量する「発酵方式」とである。「加熱乾燥方式」は処理過程での臭気発生が少ないので屋内での使用が可能であるが、「発酵方式」に比べると加熱エネルギーを多く必要とする欠点がある。一方「発酵方式」は「加熱乾燥方式」に比し処理エネルギーが少なく、ほとんど消滅させるほど減量度合いも大であるものの、処理時間が数倍長くかつ処理過程で臭気が発生し、屋内での使用には高能率の脱臭装置が不可欠である。
【0007】
両方式とも処理の進行により処理室内の内容物の嵩は次第に増加してくる。内容物は、加熱乾燥方式では乾燥した有機廃棄物であり、仮に毎回最大許容容量を投入し続けると10〜15回で最大許容容量と同量となる。そこで脱着自在の処理室を取り出して、内容物である乾燥した有機廃棄物を廃棄したりコンポストとして利用したりすることになっている。
【0008】
発酵方式における処理室の内容物は、微生物と微生物担持体を主たる構成要素とする有機廃棄物処理材と、発酵残渣である。この発酵残渣は加熱乾燥方式の乾燥物に比べれば、その量ははるかに少ないがゼロではない。仮に毎回最大許容容量を投入し続けると30〜40回で最大許容容量と同量の増加分となることに多々遭遇する。これまでの市販機で良く見られる対応策は、特許文献1に見られるように処理室の端部から処理物が順次オーバーフローする機構とし、オーバーフローする処理物を回収するストッカーを配設し、所定量回収した後はストッカーを外部に取り出す構成である。
【0009】
発酵方式では上記のように残渣物の発生量が加熱乾燥方式より少なく、処理室が満杯になって何らかのメンテナンスをせねばならなくなる間隔がはるかに長いという長所を有している。加えて本来処理エネルギーが加熱乾燥方式より少ない長所も併せ持っていて、本来ならばこちらのほうが環境保護の観点からは望ましい方式であるが、必ずしも普及しているとは言えない。理由のひとつは、処理装置の蓋を開けた時発酵特有の臭気が強く感じられ、特に室内での使用が嫌われるためである。臭気問題は別途解決するとしても、上記の内容物の嵩増加に伴う特有の問題点も普及を阻む原因の一つである。これは必ずしも適切に対処されてこなかった。
【0010】
発酵方式における残渣物の内容は、卵の殻・骨・甲殻類の殻など由来の無機物と、野菜の筋などに含まれるリグニン等であり、これらが粉末状になって積算されていくのである。ここで肝心の分解微生物の量は、これらの粉末にも付着し増殖と死滅を繰り返すので問題はない。また全体の嵩が増大することにも、公知技術である例えば特許文献1のような手段で対処できる。しかしこの粉末状残渣の増加により、処理材の構成比率が変化するのは問題であり、過去必ずしも適切対処されていないように見える。すなわち、処理材の主たる構成物は微生物と微生物担持体と若干の培養のための有機廃棄物粉体と水分であるが、形状的には粒状の微生物担持体が支配的である。そして処理中も粒状物質的な挙動を示し、これが処理には適しているのである。具体的には、粒状物質比率が高ければ▲1▼投入有機廃棄物とよく混ざる、▲2▼水分が発生しても比較的粘度が上がらずそぼろ状になるだけであり、水分の蒸散を助け発酵環境の低下も起こしにくい。しかし粉体の比率が増えてくると、有機廃棄物からの水分や発酵に伴い発生する水分により、この粉体が糊のような作用を持つのである。このため、粘度が上昇し団子状になったり、さらには餅状になったりしてしまう。こうなると発生水分の蒸散は阻害され、発酵に必要な空気との接触も断たれ、発酵環境の低下が起こる。
【0011】
現在市販されている発酵方式有機廃棄物処理装置には、非特許文献1に見られるように、「処理室が一杯になったら側面の窓を開きバケツを置き、取出モードに切り替えて排出してください。」あるいは「処理材がべとついてくることがあります。そのようなときは処理材を交換してください。」と言うように、使用者に手動でのメンテナンスを委ねている。このように、処理材の構成比率が変化することへの対応は未だ適切には採られていない。本発明はこの点を第一の課題とした。
【0012】
課題の第二点目は、使用者の多くは未だ微生物を含んだ有機廃棄物処理材を扱うことに抵抗感を持っていることである。上記の対応策でも微生物担持体の追加投入や、これを数回繰り返した後の新規有機廃棄物処理材の投入を使用者に委ね無くてはならない。また第一点目の課題を自動化でクリアしても、最終的には排出された処理材を取り出し処分しなければならない。これらを使用者の抵抗感無しに行うことが大切な課題である。そして上記2点が解決すれば、臭気の課題が残ることは別途解が要るとしても、加熱乾燥方式に対し発酵方式の長所を最大限に引き出すことができるのである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための第1の解決手段は、処理室と処理室に装填された微生物と微生物担持体を含む有機廃棄物処理材を主要構成要素とする有機廃棄物処理装置において、さらに少なくとも、該処理室の内容物(処理材と発酵残渣)の嵩検知手段と、処理室の横面に設けられた内容物オーバーフロー用窓と、オーバーフローによって排出された内容物を一時貯蔵する出し入れ自在のストッカーと、排出された内容物の満杯時期を検知する手段を具備していることと、処理室の内容物の嵩検知手段がオーバーフロー嵩量を検知し処理材オーバーフロー用窓を開き内容物をストッカーに排出する工程と、処理室内容物の処理材比率を所定の範囲に保つために排出終了後補充用処理材を投入することを特徴とする有機廃棄物処理装置である。
【0014】
第2の解決手段は、第1の解決手段において、ストッカーに排出された内容物の満杯時期を検知し使用者にストッカーからの排出内容物の取り出しを促すメッセージを発する手段を具備していることを特徴とする有機廃棄物処理装置である。
【0015】
第3の解決手段は、微生物を含む有機廃棄物処理材を、微生物の至適生育温度域において水分の存在とあいまって該有機廃棄物処理材により容易に分解される材料から成る易分解性包装材で密封梱包し、さらに該密封梱包物を防湿性が高く該有機廃棄物処理材により分解されない材料から成る包装材で2重梱包したことを特徴とする有機廃棄物処理材梱包である。
【0016】
第4の解決手段は、上記解決手段1記載の有機廃棄物処理装置において、処理室内容物の微生物担持体比率を所定の範囲に保つために適宜処理材を投入することが、内容物オーバーフロー処置終了後、前記請求項3記載の易分解性包装材で密封梱包された有機廃棄物処理材を梱包材ごと処理室に投入することである有機廃棄物処理装置である。
【0017】
第5の解決手段は、上記解決手段1記載の有機廃棄物処理装置において、処理室内容物の微生物担持体比率を所定の範囲に保つために、内容物オーバーフロー処置後処理材を格納庫から所定量処理室に自動的に投入する手段を具備していることを特徴とする有機廃棄物処理装置である。
【発明の効果】
【0018】
従来の代表的な発酵式生ゴミ処理機においては、1〜2月間の使用で残渣物が積算して倍増状態になる。そこでオーバーフロー処置を使用者が手動で行い、引き続き使っていく。具体的には、取り出し窓を開ける。窓の下にバケツを置く。取り出しモードボタンを押す。処理材と残渣物の混合物が排出される。排出が終了したら再度使用を始める。これを2〜3回繰り返していくうちに(都合3〜4月)処理材中の水分の蒸散が悪くなりべとついてくる。さらには団子状や餅状になり、発酵は進まなくなる。この状態に気付いた使用者は、仕様書に従い、処理材と積算残渣を取り出し新規な補充用処理材を投入し、使い続けることとなる。気付かなくて使い続けると処理が進まず、メーカーに問い合わせを行い、前記の交換処置を指示される。あるいは負荷が増大し故障することもある。これらのことはほとんどの使用書に注意書きとして掲載されている。他の方法ではひたすら使い続け、2〜3月で一杯になったら処理室を取り出し、中身丸ごと新規な補充用処理材と取り換える。
【0019】
本発明においてはオーバーフロー処置が自動的に行われ、その都度紙パック入り補充用処理材を投入しさえすれば良いのである。これを数回行ったところで排出内容物のストッカー満杯の知らせが現れ、対処すればよいのである。効果を列挙すると、
1.使用者が頻繁に手動でオーバーフロー処置を行う必要が無い。紙パック入り補充用処理材を投入しさえすれば良い。
2.使用者が処理材と積算残渣物で一杯になったら処理室を取り出し、中身丸ごと新規な補充用処理材と取り換える必要が無い。ストッカーを引き出し、中の袋毎取り出すだけである。
3.しかもそれははるかに低い頻度である。
4.常時適正発酵環境が維持され、使いこみによる発酵不良や、その対処としての手動による補充用処理材の総入れ替えを行う必要がない。
5.常時適正発酵環境が維持され、無理な運転状態は起こらず、故障が発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】1:有機廃棄物処理装置 2:蓋 3:処理室 4:加熱装置 5:撹拌装置 6:処理材 7:オーバーフロー窓 8:出し入れ自在のストッカー
【図2】オーバーフロー開始時期状態 6’:内容物のオーバーフロー開始嵩位置
【図3】オーバーフロー処置状況 7’:開いたオーバーフロー窓 11:排出されている内容物 12:ストッカーに溜まりつつある排出内容物
【図4】オーバーフロー処置終了状態
【図5】処理材梱包 15:分解されない梱包材 16:易分解性梱包材 17:補充用処理材
【図6】易分解性梱包材16に入った補充用処理材17の投入
【図7】易分解性梱包材16が破砕される状況
【図8】オーバーフロー処置後の次の使用開始状態
【図9】ストッカー8満杯直前のオーバーフロー処置進行中
【図10】ストッカー8満杯状態
【図11】処理材格納庫からの補充用処理材17の自動投入の状況
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
本発明の典型的な実施例を図1に示す。説明の分かり易さのため量関係に例示的に数字を用いるが、これらは一例に過ぎないものである。ここに示すのは処理材6を1,000g用い、投入有機廃棄物の最大許容処理量を同量の1,000gであるとする家庭用生ゴミ処理機1である。処理室3の容積を処理材の3倍量に構成する。すなわち1,000gの処理材に1,000gの積算残渣発物が加わって都合2,000gになってもなお1,000gの有機廃棄物を投入できる構成である。蓋2に加熱装置4が装着されている。本実施例ではマイクロ波加熱装置を用いている。5は撹拌装置、7はオーバーフロー窓である。処理材と発酵残渣から成る処理室の内容物は、この窓から出し入れ自在のストッカー8に排出される。ストッカー8には例えばビニール袋などを内設し易くしておき(図示されていない)、満杯時のストッカーからの取り出しを容易にすることができる。
【0022】
図2は、発酵残渣が積算し処理材と同量の1,000g相当の嵩6’になったところを検知し(検知手段は図示されていない)、オーバーフロー処置開始時期となったところを示している。処理材と発酵残渣から成る処理室の内容物の嵩検知手段は多くの分野で使われている検知手段から選ぶことができる。たとえば複写機のトナー量検知手段等が援用できる。ここで仮に有機廃棄物を毎回最大許容処理量の1,000gを投入し続け、1回の処理での残渣が平均的な値約3%、すなわち30gとすると、30回でオーバーフロー処置レベルに達することになる。
【0023】
図3にオーバーフロー処置状況を示す。開いたオーバーフロー窓7’から11で示すように処理室の内容物が排出され、ストッカー8に溜まる。図4はオーバーフロー処置終了状態である。窓7が閉じられる。
【0024】
ここで装置は処理材の投入メッセージを発する。その手段は省略してある。処理材は図5のように、先ず易分解性梱包材16で密封梱包されている。日常みられるティーバッグや出汁パックのような様態であり、そのまま投入するものである。(図6)ただし両者のように使用後取り出す必要は無い。ここで好ましい梱包材料は紙が代表的な材料であるが、ティーバッグとは異なり内容物からエッセンスを抽出するようなものではないので、もっと丈夫な例えばコーヒーの濾紙のようなものが望ましい。十分に丈夫であり、それでいて処理室に投入されれば撹拌棒により破られ得るものである。(図7)そして処理材中の微生物の至適生育温度域において水分の存在とあいまって容易に分解される材料である。易分解性梱包材16で梱包された補充用処理材17はさらに、取扱での防護のために処理材で分解されない材料15で梱包されている。機械的破壊に強く防湿性があることが望ましい。図8はオーバーフロー処置後の次の使用開始状態であり、紙などの易分解性梱包材16は破砕されて処理材6の中に混入している。
【0025】
ストッカー8が満杯直前のオーバーフロー処置進行中の様子を図9に示す。図示していない検知手段によって、ストッカー8の満杯状態を検知し、使用者にストッカーからの排出内容物の取り出しを促すメッセージを発する。図10に示す。ストッカーの中にはあらかじめ紙袋かビニール袋を装着しておき、排出内容物はこの袋の中に溜まっている。これを封じて取り出せばよいのである。ストッカーに再度袋を装着し装置内にセットする。
【実施例2】
【0026】
実施例1は家庭用の生ゴミ処理機であったが、業務用の有機廃棄物処理装置においては、人手はかけたくない反面コスト的な対応は合理的な範囲内なら採りやすい。業務用の有機廃棄物処理装置を図11にて、家庭用の生ゴミ処理機を変形して模式図的に示す。処理室の内容物(処理材と発酵残渣)の処理材比率を所定の範囲に保つために、格納庫20に格納されている補充用処理材17を、内容物オーバーフロー処置後処理室に自動的に補充する方式である。補充用処理材の定量補給やタイミングの取り方に関する制御は広く使われている一般的な機材から選べばよく、特段のものではないので省略してある。
【実施例3】
【0027】
補充用処理材17の投入量についての考え方は次のようなものである。先に使った実施例1のケースの数字に準拠して説明する。1,000gの処理材には平均的には800gの微生物担持体が含まれているとする。残りの200gは培養補助材で粉体である。この微生物担持体の有する粒状性を保ちたいのである。残渣が積算していき2,000gになったときXgにまでオーバーフローさせ、ここに微生物担持体リッチの補充用処理材をYg補充し元の1,000gにするとする。すなわちX+Y=1,000。また、これで微生物担持体量が800*X/2,000g+Y=800に戻る。この方程式を解くと、X=333g、Y=667gとなる。すなわち2,000gになったとき333gにまでオーバーフローさせ、ここに微生物担持体リッチの補充用処理材を667g補充し元の1,000gにし、同時に微生物担持体量も800gに復帰するのである。ストッカーの容量を10Kgとすると、10/1.667=6、すなわち6回のオーバーフロー処置でストッカーは満杯になる。以上まとめると、30〜40回の処理でオーバーフロー処置を行い、その都度667gの紙パック入り補充用処理材を投入し、これを6回繰り返してストッカーを取り出し、内容物の廃棄処分を行う、ということになる。毎日1Kgの生ゴミを出す家庭であれば、大略1月に1回紙パックを投入し半年に1回ストッカーの内容物廃棄処分をおこなう、ということである。これは1月1回の廃棄処分を行う加熱乾燥方式に比べ数分の一の頻度であり、従来の発酵方式に比べると、性能は安定し時に起こる面倒な処理材の総入れ替えなどは起こらない、というメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上主に家庭用生ゴミ処理機を用いて説明をした。しかも分かりやすくするために具体的な数字を適宜使ってきた。しかしこれらの数字は典型的な事例であり、当然これに限定されるものではない。またこれらの数字には通常起こるは振れ幅を省略している。数値そのものは厳密なものでなくとも、本発明の趣旨は十分に発揮される。そしてここで説明した装置構成は、小型の業務用生ゴミ処理機には即適用できるし、大型の業務用有機廃棄物処理機にも十分援用できるものである。ポイントは発酵式有機廃棄物処理において、処理材中の微生物担持体比率を維持するために、オーバーフローと補充を適切に行う機構を有する有機廃棄物処理装置である、という点にある。
【技術分野】
【0001】
発酵方式有機廃棄物処理装置では微生物と微生物担持体を主たる構成要素とする有機廃棄物処理材が使われているが、この有機廃棄物処理材の発酵性能は処理装置の機能を左右する最重要な管理項目である。有機廃棄物処理が繰り返し行われるにつれて、次第に処理残渣が積算してきて嵩が増えてくる。これ自体問題であるが、この積算残渣により有機廃棄物処理材の組成比率変化が進行し、発酵性能が低下することも問題である。本発明は、これらの問題に対処するための処理装置および処理方法の工夫と、この工夫に関連して取扱いが必要となる有機廃棄物処理材の取扱上の利便性の高い梱包に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許公開平06−304542
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日立家庭用生ゴミ処理機BGD−V18使用説明書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レストランや給食などの業務では、毎日大量の生ゴミを中心とする有機廃棄物が発生し、処理業者にその都度引き取ってもらっている。家庭においても、生ゴミを分別し数日に一度は集積所に出し、自治体の収集車に回収を委ねている。日本での生ゴミ系有機廃棄物の総排出量は年間2,500万トン、家庭からだけでも年間1,000万トンを超えると言われている。そして回収されたこれらの有機廃棄物は、通常は埋め立て処分されるか焼却される。最近は新規な埋め立て地が激減しており、焼却の比重が高まっている。ここに膨大な回収と焼却のエネルギーが使われ、関連活動を含め大量の二酸化炭素を発生させている。この社会的大問題に対処するために、生ゴミに限らず農業・酪農・製造業における種々の不用有機廃棄物の発生原点において、有機廃棄物量を大幅に減量しようと企図するのが、業務用及び家庭用有機廃棄物処理装置である。
【0006】
一般的な有機廃棄物処理方法は大別すると2種類ある。有機廃棄物を加熱し撹拌し減量する「加熱乾燥方式」と、有機廃棄物に微生物を混ぜ合わせ有機廃棄物を発酵させ分解させて減量する「発酵方式」とである。「加熱乾燥方式」は処理過程での臭気発生が少ないので屋内での使用が可能であるが、「発酵方式」に比べると加熱エネルギーを多く必要とする欠点がある。一方「発酵方式」は「加熱乾燥方式」に比し処理エネルギーが少なく、ほとんど消滅させるほど減量度合いも大であるものの、処理時間が数倍長くかつ処理過程で臭気が発生し、屋内での使用には高能率の脱臭装置が不可欠である。
【0007】
両方式とも処理の進行により処理室内の内容物の嵩は次第に増加してくる。内容物は、加熱乾燥方式では乾燥した有機廃棄物であり、仮に毎回最大許容容量を投入し続けると10〜15回で最大許容容量と同量となる。そこで脱着自在の処理室を取り出して、内容物である乾燥した有機廃棄物を廃棄したりコンポストとして利用したりすることになっている。
【0008】
発酵方式における処理室の内容物は、微生物と微生物担持体を主たる構成要素とする有機廃棄物処理材と、発酵残渣である。この発酵残渣は加熱乾燥方式の乾燥物に比べれば、その量ははるかに少ないがゼロではない。仮に毎回最大許容容量を投入し続けると30〜40回で最大許容容量と同量の増加分となることに多々遭遇する。これまでの市販機で良く見られる対応策は、特許文献1に見られるように処理室の端部から処理物が順次オーバーフローする機構とし、オーバーフローする処理物を回収するストッカーを配設し、所定量回収した後はストッカーを外部に取り出す構成である。
【0009】
発酵方式では上記のように残渣物の発生量が加熱乾燥方式より少なく、処理室が満杯になって何らかのメンテナンスをせねばならなくなる間隔がはるかに長いという長所を有している。加えて本来処理エネルギーが加熱乾燥方式より少ない長所も併せ持っていて、本来ならばこちらのほうが環境保護の観点からは望ましい方式であるが、必ずしも普及しているとは言えない。理由のひとつは、処理装置の蓋を開けた時発酵特有の臭気が強く感じられ、特に室内での使用が嫌われるためである。臭気問題は別途解決するとしても、上記の内容物の嵩増加に伴う特有の問題点も普及を阻む原因の一つである。これは必ずしも適切に対処されてこなかった。
【0010】
発酵方式における残渣物の内容は、卵の殻・骨・甲殻類の殻など由来の無機物と、野菜の筋などに含まれるリグニン等であり、これらが粉末状になって積算されていくのである。ここで肝心の分解微生物の量は、これらの粉末にも付着し増殖と死滅を繰り返すので問題はない。また全体の嵩が増大することにも、公知技術である例えば特許文献1のような手段で対処できる。しかしこの粉末状残渣の増加により、処理材の構成比率が変化するのは問題であり、過去必ずしも適切対処されていないように見える。すなわち、処理材の主たる構成物は微生物と微生物担持体と若干の培養のための有機廃棄物粉体と水分であるが、形状的には粒状の微生物担持体が支配的である。そして処理中も粒状物質的な挙動を示し、これが処理には適しているのである。具体的には、粒状物質比率が高ければ▲1▼投入有機廃棄物とよく混ざる、▲2▼水分が発生しても比較的粘度が上がらずそぼろ状になるだけであり、水分の蒸散を助け発酵環境の低下も起こしにくい。しかし粉体の比率が増えてくると、有機廃棄物からの水分や発酵に伴い発生する水分により、この粉体が糊のような作用を持つのである。このため、粘度が上昇し団子状になったり、さらには餅状になったりしてしまう。こうなると発生水分の蒸散は阻害され、発酵に必要な空気との接触も断たれ、発酵環境の低下が起こる。
【0011】
現在市販されている発酵方式有機廃棄物処理装置には、非特許文献1に見られるように、「処理室が一杯になったら側面の窓を開きバケツを置き、取出モードに切り替えて排出してください。」あるいは「処理材がべとついてくることがあります。そのようなときは処理材を交換してください。」と言うように、使用者に手動でのメンテナンスを委ねている。このように、処理材の構成比率が変化することへの対応は未だ適切には採られていない。本発明はこの点を第一の課題とした。
【0012】
課題の第二点目は、使用者の多くは未だ微生物を含んだ有機廃棄物処理材を扱うことに抵抗感を持っていることである。上記の対応策でも微生物担持体の追加投入や、これを数回繰り返した後の新規有機廃棄物処理材の投入を使用者に委ね無くてはならない。また第一点目の課題を自動化でクリアしても、最終的には排出された処理材を取り出し処分しなければならない。これらを使用者の抵抗感無しに行うことが大切な課題である。そして上記2点が解決すれば、臭気の課題が残ることは別途解が要るとしても、加熱乾燥方式に対し発酵方式の長所を最大限に引き出すことができるのである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための第1の解決手段は、処理室と処理室に装填された微生物と微生物担持体を含む有機廃棄物処理材を主要構成要素とする有機廃棄物処理装置において、さらに少なくとも、該処理室の内容物(処理材と発酵残渣)の嵩検知手段と、処理室の横面に設けられた内容物オーバーフロー用窓と、オーバーフローによって排出された内容物を一時貯蔵する出し入れ自在のストッカーと、排出された内容物の満杯時期を検知する手段を具備していることと、処理室の内容物の嵩検知手段がオーバーフロー嵩量を検知し処理材オーバーフロー用窓を開き内容物をストッカーに排出する工程と、処理室内容物の処理材比率を所定の範囲に保つために排出終了後補充用処理材を投入することを特徴とする有機廃棄物処理装置である。
【0014】
第2の解決手段は、第1の解決手段において、ストッカーに排出された内容物の満杯時期を検知し使用者にストッカーからの排出内容物の取り出しを促すメッセージを発する手段を具備していることを特徴とする有機廃棄物処理装置である。
【0015】
第3の解決手段は、微生物を含む有機廃棄物処理材を、微生物の至適生育温度域において水分の存在とあいまって該有機廃棄物処理材により容易に分解される材料から成る易分解性包装材で密封梱包し、さらに該密封梱包物を防湿性が高く該有機廃棄物処理材により分解されない材料から成る包装材で2重梱包したことを特徴とする有機廃棄物処理材梱包である。
【0016】
第4の解決手段は、上記解決手段1記載の有機廃棄物処理装置において、処理室内容物の微生物担持体比率を所定の範囲に保つために適宜処理材を投入することが、内容物オーバーフロー処置終了後、前記請求項3記載の易分解性包装材で密封梱包された有機廃棄物処理材を梱包材ごと処理室に投入することである有機廃棄物処理装置である。
【0017】
第5の解決手段は、上記解決手段1記載の有機廃棄物処理装置において、処理室内容物の微生物担持体比率を所定の範囲に保つために、内容物オーバーフロー処置後処理材を格納庫から所定量処理室に自動的に投入する手段を具備していることを特徴とする有機廃棄物処理装置である。
【発明の効果】
【0018】
従来の代表的な発酵式生ゴミ処理機においては、1〜2月間の使用で残渣物が積算して倍増状態になる。そこでオーバーフロー処置を使用者が手動で行い、引き続き使っていく。具体的には、取り出し窓を開ける。窓の下にバケツを置く。取り出しモードボタンを押す。処理材と残渣物の混合物が排出される。排出が終了したら再度使用を始める。これを2〜3回繰り返していくうちに(都合3〜4月)処理材中の水分の蒸散が悪くなりべとついてくる。さらには団子状や餅状になり、発酵は進まなくなる。この状態に気付いた使用者は、仕様書に従い、処理材と積算残渣を取り出し新規な補充用処理材を投入し、使い続けることとなる。気付かなくて使い続けると処理が進まず、メーカーに問い合わせを行い、前記の交換処置を指示される。あるいは負荷が増大し故障することもある。これらのことはほとんどの使用書に注意書きとして掲載されている。他の方法ではひたすら使い続け、2〜3月で一杯になったら処理室を取り出し、中身丸ごと新規な補充用処理材と取り換える。
【0019】
本発明においてはオーバーフロー処置が自動的に行われ、その都度紙パック入り補充用処理材を投入しさえすれば良いのである。これを数回行ったところで排出内容物のストッカー満杯の知らせが現れ、対処すればよいのである。効果を列挙すると、
1.使用者が頻繁に手動でオーバーフロー処置を行う必要が無い。紙パック入り補充用処理材を投入しさえすれば良い。
2.使用者が処理材と積算残渣物で一杯になったら処理室を取り出し、中身丸ごと新規な補充用処理材と取り換える必要が無い。ストッカーを引き出し、中の袋毎取り出すだけである。
3.しかもそれははるかに低い頻度である。
4.常時適正発酵環境が維持され、使いこみによる発酵不良や、その対処としての手動による補充用処理材の総入れ替えを行う必要がない。
5.常時適正発酵環境が維持され、無理な運転状態は起こらず、故障が発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】1:有機廃棄物処理装置 2:蓋 3:処理室 4:加熱装置 5:撹拌装置 6:処理材 7:オーバーフロー窓 8:出し入れ自在のストッカー
【図2】オーバーフロー開始時期状態 6’:内容物のオーバーフロー開始嵩位置
【図3】オーバーフロー処置状況 7’:開いたオーバーフロー窓 11:排出されている内容物 12:ストッカーに溜まりつつある排出内容物
【図4】オーバーフロー処置終了状態
【図5】処理材梱包 15:分解されない梱包材 16:易分解性梱包材 17:補充用処理材
【図6】易分解性梱包材16に入った補充用処理材17の投入
【図7】易分解性梱包材16が破砕される状況
【図8】オーバーフロー処置後の次の使用開始状態
【図9】ストッカー8満杯直前のオーバーフロー処置進行中
【図10】ストッカー8満杯状態
【図11】処理材格納庫からの補充用処理材17の自動投入の状況
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
本発明の典型的な実施例を図1に示す。説明の分かり易さのため量関係に例示的に数字を用いるが、これらは一例に過ぎないものである。ここに示すのは処理材6を1,000g用い、投入有機廃棄物の最大許容処理量を同量の1,000gであるとする家庭用生ゴミ処理機1である。処理室3の容積を処理材の3倍量に構成する。すなわち1,000gの処理材に1,000gの積算残渣発物が加わって都合2,000gになってもなお1,000gの有機廃棄物を投入できる構成である。蓋2に加熱装置4が装着されている。本実施例ではマイクロ波加熱装置を用いている。5は撹拌装置、7はオーバーフロー窓である。処理材と発酵残渣から成る処理室の内容物は、この窓から出し入れ自在のストッカー8に排出される。ストッカー8には例えばビニール袋などを内設し易くしておき(図示されていない)、満杯時のストッカーからの取り出しを容易にすることができる。
【0022】
図2は、発酵残渣が積算し処理材と同量の1,000g相当の嵩6’になったところを検知し(検知手段は図示されていない)、オーバーフロー処置開始時期となったところを示している。処理材と発酵残渣から成る処理室の内容物の嵩検知手段は多くの分野で使われている検知手段から選ぶことができる。たとえば複写機のトナー量検知手段等が援用できる。ここで仮に有機廃棄物を毎回最大許容処理量の1,000gを投入し続け、1回の処理での残渣が平均的な値約3%、すなわち30gとすると、30回でオーバーフロー処置レベルに達することになる。
【0023】
図3にオーバーフロー処置状況を示す。開いたオーバーフロー窓7’から11で示すように処理室の内容物が排出され、ストッカー8に溜まる。図4はオーバーフロー処置終了状態である。窓7が閉じられる。
【0024】
ここで装置は処理材の投入メッセージを発する。その手段は省略してある。処理材は図5のように、先ず易分解性梱包材16で密封梱包されている。日常みられるティーバッグや出汁パックのような様態であり、そのまま投入するものである。(図6)ただし両者のように使用後取り出す必要は無い。ここで好ましい梱包材料は紙が代表的な材料であるが、ティーバッグとは異なり内容物からエッセンスを抽出するようなものではないので、もっと丈夫な例えばコーヒーの濾紙のようなものが望ましい。十分に丈夫であり、それでいて処理室に投入されれば撹拌棒により破られ得るものである。(図7)そして処理材中の微生物の至適生育温度域において水分の存在とあいまって容易に分解される材料である。易分解性梱包材16で梱包された補充用処理材17はさらに、取扱での防護のために処理材で分解されない材料15で梱包されている。機械的破壊に強く防湿性があることが望ましい。図8はオーバーフロー処置後の次の使用開始状態であり、紙などの易分解性梱包材16は破砕されて処理材6の中に混入している。
【0025】
ストッカー8が満杯直前のオーバーフロー処置進行中の様子を図9に示す。図示していない検知手段によって、ストッカー8の満杯状態を検知し、使用者にストッカーからの排出内容物の取り出しを促すメッセージを発する。図10に示す。ストッカーの中にはあらかじめ紙袋かビニール袋を装着しておき、排出内容物はこの袋の中に溜まっている。これを封じて取り出せばよいのである。ストッカーに再度袋を装着し装置内にセットする。
【実施例2】
【0026】
実施例1は家庭用の生ゴミ処理機であったが、業務用の有機廃棄物処理装置においては、人手はかけたくない反面コスト的な対応は合理的な範囲内なら採りやすい。業務用の有機廃棄物処理装置を図11にて、家庭用の生ゴミ処理機を変形して模式図的に示す。処理室の内容物(処理材と発酵残渣)の処理材比率を所定の範囲に保つために、格納庫20に格納されている補充用処理材17を、内容物オーバーフロー処置後処理室に自動的に補充する方式である。補充用処理材の定量補給やタイミングの取り方に関する制御は広く使われている一般的な機材から選べばよく、特段のものではないので省略してある。
【実施例3】
【0027】
補充用処理材17の投入量についての考え方は次のようなものである。先に使った実施例1のケースの数字に準拠して説明する。1,000gの処理材には平均的には800gの微生物担持体が含まれているとする。残りの200gは培養補助材で粉体である。この微生物担持体の有する粒状性を保ちたいのである。残渣が積算していき2,000gになったときXgにまでオーバーフローさせ、ここに微生物担持体リッチの補充用処理材をYg補充し元の1,000gにするとする。すなわちX+Y=1,000。また、これで微生物担持体量が800*X/2,000g+Y=800に戻る。この方程式を解くと、X=333g、Y=667gとなる。すなわち2,000gになったとき333gにまでオーバーフローさせ、ここに微生物担持体リッチの補充用処理材を667g補充し元の1,000gにし、同時に微生物担持体量も800gに復帰するのである。ストッカーの容量を10Kgとすると、10/1.667=6、すなわち6回のオーバーフロー処置でストッカーは満杯になる。以上まとめると、30〜40回の処理でオーバーフロー処置を行い、その都度667gの紙パック入り補充用処理材を投入し、これを6回繰り返してストッカーを取り出し、内容物の廃棄処分を行う、ということになる。毎日1Kgの生ゴミを出す家庭であれば、大略1月に1回紙パックを投入し半年に1回ストッカーの内容物廃棄処分をおこなう、ということである。これは1月1回の廃棄処分を行う加熱乾燥方式に比べ数分の一の頻度であり、従来の発酵方式に比べると、性能は安定し時に起こる面倒な処理材の総入れ替えなどは起こらない、というメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上主に家庭用生ゴミ処理機を用いて説明をした。しかも分かりやすくするために具体的な数字を適宜使ってきた。しかしこれらの数字は典型的な事例であり、当然これに限定されるものではない。またこれらの数字には通常起こるは振れ幅を省略している。数値そのものは厳密なものでなくとも、本発明の趣旨は十分に発揮される。そしてここで説明した装置構成は、小型の業務用生ゴミ処理機には即適用できるし、大型の業務用有機廃棄物処理機にも十分援用できるものである。ポイントは発酵式有機廃棄物処理において、処理材中の微生物担持体比率を維持するために、オーバーフローと補充を適切に行う機構を有する有機廃棄物処理装置である、という点にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室と処理室に装填された微生物と微生物担持体を含む有機廃棄物処理材を主要構成要素とする有機廃棄物処理装置において、さらに少なくとも、該処理室の内容物(有機廃棄物処理材と発酵残渣)の嵩検知手段と、処理室の横面に設けられた内容物オーバーフロー用窓と、オーバーフローによって排出された内容物を一時貯蔵する出し入れ自在のストッカーと、排出された内容物の満杯時期を検知する手段を具備していることと、処理室の内容物の嵩検知手段がオーバーフロー嵩高を検知し内容物オーバーフロー用窓を開き内容物をストッカーに排出する工程と、処理室内容物の有機廃棄物処理材比率を所定の範囲に保つために該排出終了後補充用処理材を投入することを特徴とする有機廃棄物処理装置。
【請求項2】
請求項1においてさらに、ストッカーに排出された内容物の満杯時期を検知し、使用者にストッカーからの該排出内容物の取り出しを促すメッセージを発する手段を具備していることを特徴とする有機廃棄物処理装置。
【請求項3】
補充用処理材を、微生物の至適生育温度域において水分の存在とあいまって該有機廃棄物処理材により容易に分解される材料から成る易分解性包装材で密封梱包し、さらに該密封梱包物を防湿性が高く該有機廃棄物処理材により分解されない材料から成る包装材で2重梱包したことを特徴とする有機廃棄物処理材梱包。
【請求項4】
請求項1および2記載の有機廃棄物処理装置において、処理室内容物の微生物担持体比率を所定の範囲に保つために適宜補充用処理材を投入することが、内容物オーバーフロー処置終了後、前記請求項3記載の易分解性包装材で密封梱包された有機廃棄物処理材を梱包材ごと処理室に投入することである有機廃棄物処理装置。
【請求項5】
請求項1および2記載の有機廃棄物処理装置において、処理室内容物の微生物担持体比率を所定の範囲に保つために、内容物オーバーフロー処置後補充用処理材を格納庫から所定量処理室に自動的に投入する手段を具備していることを特徴とする有機廃棄物処理装置。
【請求項1】
処理室と処理室に装填された微生物と微生物担持体を含む有機廃棄物処理材を主要構成要素とする有機廃棄物処理装置において、さらに少なくとも、該処理室の内容物(有機廃棄物処理材と発酵残渣)の嵩検知手段と、処理室の横面に設けられた内容物オーバーフロー用窓と、オーバーフローによって排出された内容物を一時貯蔵する出し入れ自在のストッカーと、排出された内容物の満杯時期を検知する手段を具備していることと、処理室の内容物の嵩検知手段がオーバーフロー嵩高を検知し内容物オーバーフロー用窓を開き内容物をストッカーに排出する工程と、処理室内容物の有機廃棄物処理材比率を所定の範囲に保つために該排出終了後補充用処理材を投入することを特徴とする有機廃棄物処理装置。
【請求項2】
請求項1においてさらに、ストッカーに排出された内容物の満杯時期を検知し、使用者にストッカーからの該排出内容物の取り出しを促すメッセージを発する手段を具備していることを特徴とする有機廃棄物処理装置。
【請求項3】
補充用処理材を、微生物の至適生育温度域において水分の存在とあいまって該有機廃棄物処理材により容易に分解される材料から成る易分解性包装材で密封梱包し、さらに該密封梱包物を防湿性が高く該有機廃棄物処理材により分解されない材料から成る包装材で2重梱包したことを特徴とする有機廃棄物処理材梱包。
【請求項4】
請求項1および2記載の有機廃棄物処理装置において、処理室内容物の微生物担持体比率を所定の範囲に保つために適宜補充用処理材を投入することが、内容物オーバーフロー処置終了後、前記請求項3記載の易分解性包装材で密封梱包された有機廃棄物処理材を梱包材ごと処理室に投入することである有機廃棄物処理装置。
【請求項5】
請求項1および2記載の有機廃棄物処理装置において、処理室内容物の微生物担持体比率を所定の範囲に保つために、内容物オーバーフロー処置後補充用処理材を格納庫から所定量処理室に自動的に投入する手段を具備していることを特徴とする有機廃棄物処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−260038(P2010−260038A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129615(P2009−129615)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(507254676)コスタトレーディング株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(507254676)コスタトレーディング株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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