説明

有機無機複合粒子

本発明は、60〜12000nmの平均直径を有する有機無機複合粒子であって、粒子Aと粒子Bとの間の共有結合の形成下で、少なくとも1つの官能基Raを有する粒子である粒子Aと、少なくとも1つの官能基Rbを有する粒子である粒子Bとを反応させることによって得られる、有機無機複合粒子を提供する。本発明は、これらの粒子を含む組成物及びこれらの組成物で被覆された基材も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機無機複合粒子、これらの粒子を含む組成物及びこれらの組成物で被覆された基材、並びに該粒子、該組成物及び該被覆された基材の製造方法に関する。
【0002】
長期持続性の性能及び良好な外観は、外装建築用コーティングにとって重要な性能要素である。時とともに、屋外暴露によって、汚れ、空気の汚染物質、塵埃粒子、及び破片がコーティング上に蓄積される。この結果、もはや消費者の期待に応えていない、汚い外観がもたらされる。コーティングの硬度を増大することによって高水準の耐汚れ性が達成できることは当該産業において公知である。コーティングの硬度は、例えば、無機材料粒子の使用によって増大できる。良好な膜弾性及び十分な凝集を確実にするために、低いガラス転移温度(Tg)を有するポリマーである、軟質有機ポリマーがコーティングに必要とされている。軟質有機ポリマーと無機材料粒子との混合は、通常、無機材料粒子の凝集、及びそれによるコーティングでの無機材料粒子の不均一分布をもたらすので、無機材料分子及び軟質有機ポリマーは有機無機複合粒子中で固定され得る。
【0003】
EP1235869号(BASF)は、エチレン性不飽和モノマーの混合物を水性媒体中に分散的に分配させて、少なくとも1種の分散的に分配された微粉砕ナノ無機材料の存在下で、フリーラジカル水性エマルション重合法によって重合させる、追加のポリマー及び微粉砕ナノ無機材料を含む有機無機複合粒子の製造方法を記載している。この製造方法から明らかなのは、ナノ無機材料粒子が、共有結合を介して追加のポリマーに結合される代わりに追加のポリマー中に埋め込まれることである。
【0004】
C. Cannizzoら、Advanced Materials 2005, 17, 第2888〜2892頁は、ナノ無機材料粒子が共有結合を介して有機ポリマーに結合されている、有機無機複合粒子を記載している。これらの有機無機複合粒子は、25nmの平均直径を有する、クロロベンジル−官能化ポリマーナノ粒子、NL−CH−Clと、式[P1761(SiCSH)O]6−の有機修飾ポリオキソメタレート(POM−SH)とを反応させることによって製造される。クロロベンジル官能化ポリマーナノ粒子は、水中油型マイクロエマルション中での、スチレン、ビニルベンジルクロリド及びジビニルベンゼンの共重合によって製造される。有機無機複合粒子は、熱重量分析法(TGA)によって測定される通り、25nmの平均直径及び有機物含有率77.5%(w/w)を有する。C. Cannizzoらによって記載された有機無機複合粒子は、軟質有機ポリマーを含んでおらず、従って建築用コーティングでの使用には適していない。
【0005】
本発明の課題は、好ましくは建築用コーティングに使用され、そのコーティング組成物が改善された耐汚れ性のコーティングをもたらす、コーティング組成物を提供することである。
【0006】
この課題は請求項1に記載の有機無機複合粒子、請求項13に記載の組成物、請求項15に記載の基材、請求項12、14及び16に記載の方法、及び請求項19に記載の粒子Aによって解決される。
【0007】
本発明の有機無機複合粒子は、60〜12000nmの平均直径を有し、これは粒子Aと粒子Bとの間の共有結合の形成下で、少なくとも1つの官能基Raを有する粒子である粒子Aと、少なくとも1つの官能基Rbを有する粒子である粒子Bとを反応させることによって得られる。
【0008】
好ましくは、有機無機複合粒子は60〜1400nm、更に好ましくは100〜700nm、更に一層好ましくは130〜420nm、最も好ましくは160〜280nmの平均直径を有する。
【0009】
粒子Aは50〜10000nmの平均直径を有してよい。好ましくは、粒子Aは50〜1000nm、更に好ましくは80〜500nm、更に一層好ましくは100〜300nm、最も好ましくは120〜200nmの平均直径を有する。
【0010】
粒子Bは5〜1000nmの平均直径を有してよい。好ましくは、粒子Bは5〜200nm、更に好ましくは10〜100nm、更に一層好ましくは15〜60nm、最も好ましくは20〜40nmの平均直径を有する。
【0011】
粒子A/粒子Bの平均直径の比は1.2/1〜50/1であってよい。好ましくは、粒子A/粒子Bの平均直径の比は1.5/1〜50/1、更に好ましくは2/1〜20/1、更に一層好ましくは3/1〜10/1、最も好ましくは4/1〜6/1である。
【0012】
平均直径は、透過型電子顕微鏡法又は走査型電子顕微鏡法(TEM、SEM)、又は動的光散乱法(DLS)によって測定できる。
【0013】
本発明の有機無機複合粒子は、有機無機複合粒子の質量を基準として、10〜90質量%の有機物含有率を有してよい。本発明の有機無機複合粒子の有機物含有率は、有機無機複合粒子の質量を基準として、好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%、最も好ましくは40〜65質量%である。有機物含有率は、熱重量分析(TGA)(30〜800℃、10℃/分)によって測定できる。
【0014】
本発明の有機無機複合粒子は、中性のpHにおいて、+25mVを上回る又は−25mVを下回る、好ましくは+30mVを上回る又は−30mVを下回るゼータ電位を有してよい。ゼータ電位は、動的光散乱法(DLS)に連動したゼータサイザーによって測定できる。
【0015】
好ましくは、本発明の有機無機複合粒子は親水性である。即ち、有機無機複合粒子がコーティング中に導入される際に、このコーティングに対する水の静止接触角度は、本発明の有機無機複合粒子を混合させなかった同じコーティングに対する該角度よりも小さい。
【0016】
好ましくは、本発明の有機無機複合粒子はラズベリー型構造、即ち、粒子Bが単一層において粒子Aの表面を実質的に覆っている構造を有する。本発明の有機無機複合粒子のラズベリー型構造は、透過型電子顕微鏡法及び走査型電子顕微鏡法(TEM、SEM)によって測定できる。
【0017】
官能基Raは好ましくは官能基Rbと相補形である。これは、官能基Raは官能基Rbと反応するが、官能基Ra及び官能基Rbはそれ自体の中では反応しないことを意味する。これにより、粒子Aに結合している粒子A及び粒子Bに結合している粒子Bを用いずに、粒子Bは粒子Aに共有結合を介して結合する。
【0018】
好ましくは、粒子Aと粒子Bとの間の共有結合は、脂肪族求核置換などの置換反応によって、又は炭素−炭素多重結合への付加又は炭素−ヘテロ多重結合への付加などの付加反応によって形成される。
【0019】
共有結合が脂肪族求核置換によって形成される時に、Ra及びRbのうち1つは、i)脱離基(LG)、ii)−C(O)−LGII型のアシル基(式中、LGIIは脱離基である)、又はiii)複素環式3員環であり、それぞれの、相補形Ra、Rbは求核基であってよい。
【0020】
脱離基LG、及びLGIIの例は、−N≡N、−OSO、−OSOOR、−I、−Br、−Cl、−F、−[OH、[ORH]、−[NR、−OC(O)R、−OH、−OR、−SR、−NH、−NHR10及び−NR1112であり、その式中、R〜R12は同じか又は異なってよく且つ非置換又は置換のC1−30−アルキル、C2−30−アルケニル、C2−30−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C6−20−アリール及びヘテロアリールであってよい。
【0021】
脱離基LGは好ましくは−N、−OSO、−OSOOR、−I、−Br、−Cl、−[OH、[ORH]、−[NR及び−OC(O)Rからなる群から選択され、更に好ましくは−OSO、−I、−Br、−Cl、−[NR及び−OC(O)Rからなる群から選択され、更に一層好ましくはトシル、−I、−Br、−Cl及びトリメチルアンモニウムからなる群から選択され、最も好ましくはLGは−Clである。
【0022】
脱離基LGIIは好ましくは−I、−Br、−Cl、−OC(O)R、−OH、−OR、−SR、NH、NHR10及びNR1112からなる群から選択される。
【0023】
複素環式3員環は、以下の式
【化1】

(式中、XはO又はNHであってよく、且つR13、R14及びR15は同じか又は異なってよく且つ水素、非置換又は置換のC1−30−アルキル、C2−30−アルケニル、C2−30−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C6−20−アリール及びヘテロアリールであってよい)
のものである。
【0024】
求核基の例は、−OH、−NH、−NH−、−NHR10、−NR1112、−SH、−C(O)O、−OSO、−SO、−C≡C及び−CHであり、その際、R10〜R12は同じか又は異なってよく且つ非置換又は置換のC1−30−アルキル、C2−30−アルケニル、C2−30−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C6−20−アリール及びヘテロアリールであってよい。好ましくは、求核基は、−OH、−NH、−NH−、−NHR10、−NR1112、−SH及び−C(O)Oからなる群から選択され、更に好ましくは−OH、−NH、−NH−、−NHR10、−NR1112及び−SHからなる群から選択され、更に一層好ましくは−NH、−NH−、−NHR10、−NR1112からなる群から選択され、最も好ましくは、求核基は−NH−である。
【0025】
共有結合が、炭素−炭素多重結合への付加によって形成される際に、Ra及びRbのうち1つは、例えば、−CR16=CR1718又は−C≡CR19であってよく、それぞれの、相補形Ra、Rbは、例えば、−CR20=CR21−CR22=CR2324、−CR25=CR26−CR27=CR28−又は−Nであってよく、その際、R16〜R28は同じか又は異なってよく且つ水素、又は非置換又は置換のC1−30−アルキル、C2−30−アルケニル、C2−30−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C6−20−アリール及びヘテロアリールであってよい。
【0026】
共有結合が、炭素−ヘテロ多重結合への付加によって形成される際に、Ra及びRbのうち1つは、−N=C=O、−N=C=N−、−C(O)R29又は−C(O)Hであってよく、それぞれの、相補形Ra、Rbは、例えば、求核基、例えば、−OH、−NH、−NHR30、−NR3132、−SH、−C(O)O、−OSO、−SOであってよく、その際、R29〜R32は同じか又は異なってよく且つ非置換又は置換のC1−30−アルキル、C2−30−アルケニル、C2−30−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C6−20−アリール及びヘテロアリールであってよい。
【0027】
1−30−アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル及びドデシルである。C2−30−アルケニルの例はビニル及びアリルである。C3−8−シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルである。C6−20−アリールの例はフェニルである。ヘテロアリールの例はピリジルである。C1−30−アルキル、C2−30−アルケニル、C2−30−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C6−20−アリール及びヘテロアリールは、任意の可能な置換基によって置換されてよく、例えば、C1−30−アルキルはC3−8−シクロアルキル、C6−20−アリール及びヘテロアリールによって置換されてよく、且つC6−20−アリールはC1−30−アルキル及びC3−8−シクロアルキルによって置換されてよい。
【0028】
好ましくは、共有結合は、脂肪族求核置換によって又は炭素−炭素多重結合への付加によって形成される。更に好ましくは、共有結合は、脂肪族求核置換によって形成される。更に好ましくは、共有結合は、脂肪族求核置換によって形成され、その際、Ra及びRbのうち1つは脱離基(LG)であり、相補形Ra、Rbはそれぞれ求核基である。更に一層好ましくは、共有結合は、脂肪族求核置換によって形成され、その際、Raは脱離基(LG)であり、且つRbは求核基である。
【0029】
好ましくは、粒子Aは有機ポリマーPaを含む。
【0030】
有機ポリマーPaは、好ましくは、50℃を下回る、例えば、−50〜50℃の範囲、好ましくは30℃を下回る、例えば、−20〜30℃の範囲、更に好ましくは−10〜25℃の範囲、最も好ましくは0〜20℃の範囲のガラス転移温度を有する。ガラス転移温度は、10℃/分での示差走査熱分析(DSC)によって測定できる。
【0031】
有機ポリマーPaは有機ポリマーPa1であってよく、これは少なくとも1つの官能基Raを有する有機ポリマーである。
【0032】
有機ポリマーPa1の例は、少なくとも1つの官能基Raを有するポリマーの上にグラフトすることによって化学的に変性された、ブタジエンベースのポリマーである。
【0033】
少なくとも1つの官能基Raを有するポリマーの上にグラフトすることによって化学的に変性された、ブタジエンベースのポリマーは、少なくとも1つの官能基Raを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーを、ブタジエンベースのポリマー及び開始剤の存在下で重合させることによって製造することができる。
【0034】
ブタジエンベースのポリマーの例は、ポリブタジエン及びブタジエンベースのコポリマーである。
【0035】
ブタジエンベースのコポリマーの例は、スチレン/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)コポリマー及びオレフィン/ブタジエンコポリマー、例えば、エチレン/ブタジエンコポリマー及びプロピレン/ブタジエンコポリマーである。
【0036】
好ましくは、ブタジエンベースのポリマーはブタジエンベースのコポリマーであり、更に好ましくは、これは例えば、Ciba(登録商標)Latexia(登録商標)302の商品名で市販されている、スチレン/ブタジエンコポリマーである。
【0037】
ブタジエンベースのポリマーは、例えば、商品名Ciba(登録商標)Latexia(登録商標)302で市販されているスチレン/ブタジエンコポリマーとして商業的に入手可能であるか、又は標準的な重合法、例えば、K. Matyjaszewski, T. P. Davis "Handbook of Radical Polymerisation", John Wiley and Sons, Hoboken, USA, 2002に記載されているフリーラジカル重合によって製造できる。
【0038】
少なくとも1つの官能基Raを有するエチレン性不飽和モノマーの例は、4−ビニルベンジルクロリド、クロロメチルアクリラート、2−クロロエチルメタクリラート、2−クロロエチルアクリラート、ビニルクロロアセタート、2−クロロエチルビニルエーテル、ビニルクロロアセタート、(4−ビニルベンジル)−トリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチルアクリラート、ジメチルアミノエチルメタクリラート、アリルアミン及びマレイン酸無水物である。好ましい少なくとも1つの官能基Raを有するエチレン性不飽和モノマーは、4−ビニルベンジルクロリド及び2−クロロエチルアクリレートである。
【0039】
少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマーの例は、ジビニルベンゼン、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリラート、ポリエチレングリコールジメタクリラート、1,4−ブタンジオールジアクリラート、アリルアクリラート及びアリルメタクリラートである。少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する好ましいエチレン性不飽和モノマーはジビニルベンゼンである。
【0040】
更なるエチレン性不飽和モノマーの例は、スチレン、C1−30−アルキルアクリレート、例えば、メチルアクリレート及びブチルアクリレート、C1−30−アルキルメタクリレート、例えば、ブチルメタクリレート、オレフィン、例えば、エチレン及びプロピレン、及びアクリロニトリルである。好ましい更なるエチレン性不飽和モノマーはスチレン及びC1−30−アルキルアクリレート、例えば、ブチルアクリレートである。
【0041】
ブタジエンベースポリマー/(少なくとも1つの官能基Raを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーの合計)の質量比は、0.5/1〜50/1であってよい。好ましくは該比は1/1〜20/1、更に好ましくは該比は1.5/1〜10/1、最も好ましくは該比は2/1〜5/1である。
【0042】
少なくとも1つの官能基Raを有するエチレン性不飽和モノマーの量は、少なくとも1つの官能基Raを有するエチレン性不飽和モノマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーの合計の質量を基準として、1〜90質量%、好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは20〜60質量%、最も好ましくは25〜50質量%であってよい。
【0043】
少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマーの量は、少なくとも1つの官能基Raを有するエチレン性不飽和モノマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーの合計の質量を基準として、0.1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは2〜20質量%、最も好ましくは5〜15質量%であってよい。
【0044】
更なるエチレン性不飽和モノマーの量は、存在する場合、少なくとも1つの官能基Raを有するエチレン性不飽和モノマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーの合計の質量を基準として、1〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%、最も好ましくは40〜65質量%であってよい。
【0045】
開始剤の例は、過酸化物、過硫酸塩、アゾ化合物又はレドックス対などのフリーラジカル開始剤である。
【0046】
過酸化物の例は、過酸化水素、アンモニウム、過酸化ナトリウム又は過酸化カリウム、tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド及びベンゾイルペルオキシドである。過硫酸塩の例は、アンモニウム、過硫酸ナトリウム又は過硫酸カリウムである。アゾ化合物の例は、2,2−アゾビスイソブチロニトリル及び4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)である。レドックス対は酸化剤及び還元剤からなる。酸化剤は、上記で挙げられた過酸化物、過硫酸塩又はアゾ化合物、又はナトリウム又はカリウム塩素酸塩又は臭素酸塩の内の1つであってよい。還元剤の例は、アスコルビン酸、グルコース又はアンモニウム、重亜硫酸ナトリウム又はカリウム、亜硫酸塩、チオ硫酸又は硫化物、又は硫酸第1鉄アンモニウムである。
【0047】
過硫酸カリウム/亜硫酸水素ナトリウムなどのレドックス対は好ましい開始剤である。
【0048】
重合は、好ましくは少なくとも1つの官能基Raを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーからなるモノマー混合物をゆっくりとブタジエンベースのポリマーに添加することによって行われる。
【0049】
重合は好ましくは、水性媒体、更に好ましくは水において行われる。
【0050】
重合は好ましくは20〜100℃の範囲、更に好ましくは40〜80℃の範囲の温度で行われる。
【0051】
有機ポリマーPa1の更なる例は、少なくとも1つの官能基Raを有するブタジエンベースのポリマー、少なくとも1つの官能基Raを有するC1−30−アルキルアクリレートポリマー、例えば、少なくとも1つの官能基Raを有するメチルアクリレートベースのポリマー又は少なくとも1つの官能基Raを有するブチルアクリレートベースのポリマー、及び少なくとも1つの官能基Raを有するC1−30−アルキルメタクリレートベースのポリマー、例えば、少なくとも1つの官能基Raを有するブチルメタクリレートベースのポリマーである。
【0052】
ブタジエンベースのポリマー、C1−30−アルキルアクリレートベースのポリマー、少なくとも1つの官能基Raを有するC1−30−アルキルメタクリレートベースのポリマーは、それぞれ、開始剤の存在下で、ブタジエン、C1−30−アルキルアクリレート、それぞれの、C1−30−アルキルメタクリレート及び少なくとも1つの基Raを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、及び任意に少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーから形成されたポリマーであってよい。
【0053】
少なくとも1つの基Raを有するエチレン性不飽和モノマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー、更なるエチレン性不飽和モノマー及び開始剤の定義は上記に示されている。
【0054】
ブタジエンベースの、C1−30−アルキルアクリレートベースのポリマー、少なくとも1つの官能基Raを有するC1−30−アルキルメタクリレートベースのポリマーは、それぞれ、標準的な重合手順、例えば、K. Matyjaszewski, T. P. Davis "Handbook of Radical Polymerisation", John Wiley and Sons, Hoboken, USA, 2002に記載されたフリーラジカル重合によって製造できる。
【0055】
有機ポリマーPaが有機ポリマーPa1である場合、粒子Aは、粒子Aの質量を基準として少なくとも55質量%の有機ポリマーPa1を含んでよい。好ましくは、粒子Aは、粒子Aの質量を基準として、少なくとも70質量%、更に好ましくは少なくとも90質量%の有機ポリマーPa1を含み、最も好ましくは粒子Aは有機ポリマーPa1からなる。
【0056】
有機ポリマーPaは、少なくとも1つの官能基Raを有するポリマーである、シェルポリマーSaによって囲まれた(又はカプセル化された)、有機ポリマーPa2であってもよい。
【0057】
有機ポリマーPa2の例は、ブタジエンベースのポリマー、C1−30−アルキルアクリレートベースのポリマー、例えば、メチルアクリレートベースのポリマー又はブチルアクリレートベースのポリマー、及びC1−30−アルキルメタクリレートベースのポリマー、例えば、ブチルメタクリレートベースのポリマーである。
【0058】
ブタジエンベースのポリマー、C1−30−アルキルアクリレートベースのポリマー、C1−30−アルキルメタクリレートベースのポリマーは、それぞれ、開始剤の存在下で、ブタジエン、C1−30−アルキルアクリレート、C1−30−アルキルメタクリレート、それぞれ、任意に少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーから形成されたポリマーであってよい。
【0059】
少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー、更なるエチレン性不飽和モノマー及び開始剤の定義は上記に示されている。
【0060】
ブタジエンベースの、C1−30−アルキルアクリレートベースのポリマー、C1−30−アルキルメタクリレートベースのポリマーは、それぞれ、標準的な重合手順によって、例えば、K. Matyjaszewski, T. P. Davis "Handbook of Radical Polymerisation", John Wiley and Sons, Hoboken, USA, 2002に記載された、フリーラジカル重合によって製造できる。
【0061】
シェルポリマーSaは無機又は有機であってよい。
【0062】
シェルポリマーSaが有機である場合、これは、例えば、開始剤の存在下で、少なくとも1つの官能基Raを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、任意に少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーから形成されたポリマーであってよい。少なくとも1つの官能基Raを有するエチレン性不飽和モノマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー、更なるエチレン性不飽和モノマー及び開始剤の例は上記に示されている。これらのポリマーは、標準的な重合手順によって、例えば、K. Matyjaszewski, T. P. Davis "Handbook of Radical Polymerisation", John Wiley and Sons, Hoboken, USA, 2002に記載されたフリーラジカル重合によって製造できる。
【0063】
シェルポリマーSaが有機である場合、これは例えば、ポリアルキレンイミン、例えば、ポリエチレンイミン又はポリプロピレンイミン、又は化学的に変性されたポリアルキレンイミン、又はポリエーテルアミン(例えば、Jeffamine(登録商標)の商品名で販売されている)であってよい。
【0064】
ポリアルキレンイミンは、好適な触媒の存在下で、例えば、プロトン酸の存在下で、アルキレンイミンを重合させることによって製造できる。
【0065】
化学的に変性されたポリアルキレンイミンは、ポリアルキレンイミンを、少なくともi)1つの脱離基(LG)、ii)1つの−C(O)−LGII型のアシル基(式中、LGIIは脱離基である)、iii)1つの複素環式3員環、例えば、以下の式
【化2】

(式中、XはO又はNHであってよい)、又は
少なくともiv)1つの−N=C=O、−N=C=N−、−C(O)R又は−C(O)Hを有する分子と反応させることによって製造できる。
【0066】
LG及びLGII並びにR13、R14及びR15の例は上記に示されている。
【0067】
有機ポリマーPa2は、それぞれ、囲まれており、例えば、シェルポリマーSaを有機ポリマーPa2の存在下で製造することによって、又は有機ポリマーPaをシェルポリマーSaと混合することによって、シェルポリマーSaによってカプセル化されている。
【0068】
例えば、有機ポリマーPa2は、それぞれ、囲まれてよく、有機ポリマーPa2の存在下で及び開始剤の存在下で、少なくとも1つの官能基Raを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、任意に少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーを重合させることによって、少なくとも1つの官能基Raを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、任意に少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーから形成されるポリマーによって、カプセル化されてよい。
【0069】
例えば、有機ポリマーPa2は、それぞれ囲まれてよく、有機ポリマーPa2とポリアルキレンイミン又は化学的に変性されたポリアルキレンイミンとを混合することによって、ポリアルキレンイミン又は化学的に変性されたポリアルキレンイミンによってカプセル化されてよい。
【0070】
有機ポリマーPa1が、シェルポリマーSaによって囲まれた(又はカプセル化された)、有機ポリマーPa2である場合、粒子Aは粒子Aの質量を基準として、少なくとも55質量%、少なくとも65質量%、少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%の有機ポリマーPa2を含んでよい。
【0071】
有機ポリマーPa2/シェルポリマーSaの質量比は、55/45〜99/1、65/35〜95/5、70/30〜95/1又は80/20〜95/5であってよい。
【0072】
有機ポリマーPaは好ましくは有機ポリマーPa1であり、これは少なくとも1つの官能基R1を有する有機ポリマーである。好ましい有機ポリマーPa1は、少なくとも1つの官能基Raを有するポリマーの上にグラフトすることによって化学的に変性されたブタジエンベースのポリマーである。
【0073】
好ましくは、粒子Bは無機材料Ibを含む。
【0074】
無機材料Ibは無機材料Ib1であってよく、これは少なくとも1つの官能基Rbを有する無機材料である。
【0075】
少なくとも1つの官能基Rbを有する無機材料の例は、NH基を有する化学的に変性された二酸化ケイ素であり、これは最初にテトラエトキシシランとアンモニア水とをエタノール中で反応させ、その後、EP1726609A1号(第6頁、第4段落)に記載された、3−アミノプロピルトリエトキシシランを添加することによって製造できる。
【0076】
少なくとも1つの官能基Rbを有する無機材料の更なる例は、式[P1761(SiCSH)O]6−の有機的に変性されたポリオキソメタレート(POM−SH)であり、これはC. Cannizzoら、Advanced Materials 2005, 17, 第2888頁〜2892頁に記載される通り、HSCSi(OCHとK10[P1761]との反応によって製造できる。
【0077】
無機材料Ibが無機材料Ib1である場合、粒子Bは粒子Bの質量を基準として少なくとも70質量%の無機材料Ib1を含んでよい。好ましくは、粒子Bは、粒子Bの質量を基準として、少なくとも80質量%、更に好ましくは少なくとも90質量%の無機材料Ib1を含み、最も好ましくは粒子Bは無機材料Ib1からなる。
【0078】
無機材料Ibは、少なくとも1つの官能基Rbを有するポリマーである、シェルポリマーSbによって囲まれた(又はカプセル化された)、無機材料Ib2であってもよい。
【0079】
無機材料Ib2の例は、金属酸化物、金属塩、金属、アルカリ又はアルカリ土類金属酸化物、アルカリ又はアルカリ土類金属塩及びポリオキソメタレート、及びそれらの混合物である。
【0080】
金属酸化物の例は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化セリウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム及び酸化ニオブ、及びそれらの混合物である。
【0081】
金属塩の例は亜硫酸鉛である。金属の例は銀である。アルカリ土類金属塩の例は硫酸バリウムである。ポリオキソメタレートの例はK10[P1761]である。
【0082】
好ましくは、無機材料Ib2は金属酸化物、更に好ましくは、これは二酸化ケイ素である。
【0083】
無機材料Ib2は商業的に入手可能であり、例えば、30nmの平均直径を有する二酸化ケイ素の水性分散液は、Aldrich社により商品名Ludox(登録商標)TMAコロイド状シリカの下で販売されている。あるいは無機材料Ib2は、当該技術分野で公知の方法によって製造でき、例えば、二酸化ケイ素はStoeberら、J. Colloid Interface Sci. 1968, 26, 第62〜第69頁に記載される通りに製造できる。
【0084】
シェルポリマーSbは有機又は無機であってよい。好ましくは、シェルポリマーSbは有機である。
【0085】
シェルポリマーSbが有機である場合、これは、例えば、開始剤の存在下で、少なくとも1つの官能基Rbを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、任意に少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーから形成されたポリマーであってよい。
【0086】
少なくとも1つの官能基Rbを有するエチレン性不飽和モノマーの例は、4−ビニルベンジルクロリド、クロロメチルアクリラート、2−クロロエチルメタクリラート、2−クロロエチルアクリラート、ビニルクロロアセタート、2−クロロエチルビニルエーテル、ビニルクロロアセタート、(4−ビニルベンジル)−トリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチルアクリラート、ジメチルアミノエチルメタクリラート、アリルアミン及びマレイン酸無水物である。好ましい少なくとも1つの官能基Rbを有するエチレン性不飽和モノマーは、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート及びアリルアミンである。
【0087】
少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー、更なるエチレン性不飽和モノマー及び開始剤の例は上記に示されている。これらのポリマーは、標準的な重合手順によって、例えば、K. Matyjaszewski, T. P. Davis "Handbook of Radical Polymerisation", John Wiley and Sons, Hoboken, USA, 2002に記載されたフリーラジカル重合によって製造できる。
【0088】
シェルポリマーSbが有機である場合、これはポリアルキレンイミン、例えば、ポリエチレンイミン又はポリプロピレンイミン、又は化学的に変性されたポリアルキレンイミン、又はポリエーテルアミン(例えば、Jeffamine(登録商標)の商品名で販売されている)であってもよい。
【0089】
シェルポリマーSbは好ましくは、ポリアルキレンイミン又は化学的に変性されたポリアルキレンイミンである。好ましいポリアルキレンイミンはポリエチレンイミンである。好ましい化学的に変性されたポリアルキレンイミンは、化学的に変性されたポリエチレンイミンである。
【0090】
ポリアルキレンイミン及び化学的に変性されたポリアルキレンイミンの製造方法は上記に示されている。
【0091】
好ましくは、化学的に変性されたポリアルキレンイミンは、ポリアルキレンイミンと、以下の式
【化3】

(式中、XはOである)
の少なくとも1つの複素環式3員環を有する分子とを反応させることによって製造できる。好ましくは、R13、R14及びR15は、水素である。
【0092】
好ましくは、アルキレンイミン単位(例えば、ポリアルキレンイミン)/式(I)の少なくとも1つの複素環式3員環を有する分子のモル比は1.1/1〜10/1であり、更に好ましくは、該比は1.5/1〜6/1であり、最も好ましくは、該比は1.8/1〜3/1である。
【0093】
化学的に変性されたポリアルキレンイミンは、変性されていないポリアルキレンイミンよりも親水性であるか又は疎水性であってよい。好ましくは、化学的に変性されたポリアルキレンイミンは、変性されていないポリアルキレンイミンよりも疎水性である。
【0094】
例えば、化学的に変性されたポリアルキレンイミンは、変性されていないポリアルキレンイミンよりも疎水性であり、これはポリアルキレンイミンと1,2−ドデセン酸化物とを反応させることによって製造できる。アルキレンイミン単位(例えば、ポリアルキレンイミン)/1,2−ドデセン−酸化物のモル比は、1/1〜5/1であってよく、好ましくは、該比は1.5/1〜2.5/1であり、最も好ましくは、該比は2/1である。この反応は、好ましくは有機溶媒中で、更に好ましくは、極性の非プロトン性有機溶媒、例えば、ジオキサン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド及びスルホラン中で、最も好ましくはジオキサン中で行われる。好ましくは、この反応は、10〜180℃の温度で、更に好ましくは30〜150℃の温度で、最も好ましくは40〜110℃の温度で行われる。
【0095】
無機材料Ib2は、それぞれ、囲まれてよく、例えば、シェルポリマーSbを無機材料Ib2の存在下で製造することによって、又は無機材料Ib2とシェルポリマーSbとを混合することによって、シェルポリマーSbによってカプセル化されてよい。
【0096】
例えば、無機材料Ib2は、それぞれ、囲まれてよく、無機材料Ib2の存在下で及び開始剤の存在下で、少なくとも1つの官能基Rbを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、任意に少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーを重合させることによって、少なくとも1つの官能基Rbを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、任意に少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーから形成されるポリマーによって、カプセル化されてよい。
【0097】
例えば、無機材料Ib2は、それぞれ囲まれてよく、無機材料Ib2とポリアルキレンイミン又は化学的に変性されたポリアルキレンイミンとを混合することによって、ポリアルキレンイミン又は化学的に変性されたポリアルキレンイミンによってカプセル化されてよい。この反応は好ましくは、水性媒体、更に好ましくは水において行われる。この反応は、好ましくは5〜60℃の温度で、更に好ましくは10〜40℃の温度で、最も好ましくは20〜30℃の温度でも行われる。好ましくは、この反応は、超音波で処理しながら行われる。
【0098】
無機材料IbがシェルポリマーSbによって囲まれた(又はカプセル化された)無機材料Ib2である場合、粒子Bは、粒子Bの質量を基準として、少なくとも55質量%、少なくとも70質量%、少なくとも80質量%、又は少なくとも85質量%の無機材料Ib2を含んでよい。
【0099】
無機材料Ib2/シェルポリマーSbの質量比は、55/45〜99/1、70/30〜99/1、80/20〜98/2又は85/15〜97/3であってよい。
【0100】
本発明の有機無機複合粒子の製造方法においてi)粒子Aと粒子Bとを反応させて有機無機複合粒子を形成する工程を含む、製造方法も本発明の一部である。
【0101】
好ましくは、この反応は粒子Aを粒子Bに添加することによって行われる。
【0102】
好ましくは、粒子A/粒子Bの質量比は、10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20、更に一層好ましくは30/70〜70/30、最も好ましくは40/60〜60/40である。
【0103】
好ましくは、この反応は水性媒体、更に好ましくは水において行われる。
【0104】
この反応は5〜100℃の温度で行ってよい。好ましくは、これは10〜90℃の温度で、更に好ましくは30〜80℃の温度で、最も好ましくは40〜70℃の温度で行われる。
【0105】
反応は、超音波浴において行ってよい。
【0106】
有機無機複合粒子は、次いで、好適な方法、例えば、凍結乾燥を用いて単離してよい。
【0107】
本発明の有機無機複合粒子、溶媒及びバインダーを含む組成物も本発明の一部である。
【0108】
溶媒は好ましくは、水と少なくとも1つの水混和性又は水溶性有機溶媒との混合物、又は水などの水性媒体である。
【0109】
水混和性又は水溶性有機溶媒の例は、C1−6−アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール及び2−メトキシプロパノール、モノ−及びポリアルキレン−グリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、モノ−及びポリアルキレングリコールエーテル、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びN−メチルピロリドンである。
【0110】
水混和性又は水溶性有機溶媒は、通常、融合助剤として機能する。
【0111】
好ましくは、水混和性又は水溶性有機溶媒は、モノ−又はポリアルキレン−グリコールエーテルであり、更に好ましくは、これはジプロピレングリコールメチルエーテルである。
【0112】
好ましくは、この溶媒は、水と少なくとも1つの水混和性又は水溶性有機溶媒との混合物である。
【0113】
好ましくは、水/(全ての水混和性又は水溶性有機溶媒の合計)の質量比は0.1/1〜50/1の範囲、更に好ましくは1/1〜30/1の範囲、最も好ましくは5/1〜25/1の範囲である。
【0114】
バインダーは、当該技術分野で公知の任意のバインダー、例えば、ウルマン工業化学事典、第五版、Vol.A18,第368−426頁,VCH,Weinheim 1991に記載されているものであってよい。
【0115】
バインダーは好ましくは有機ポリマーバインダーであり且つアクリルポリマー、スチレンポリマー、スチレンポリマーの水素化物、ビニルポリマー、ビニルポリマー誘導体、ポリオレフィン、水素化ポリオレフィン、エポキシ化ポリオレフィン、アルデヒドポリマー、アルデヒドポリマー誘導体、ケトンポリマー、エポキシドポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイソシアネート、スルホンベースのポリマー、ケイ素ベースのポリマー、天然ポリマー及び天然ポリマー誘導体からなる群から選択してよい。
【0116】
アクリルポリマーは、少なくとも1つのアクリルモノマー、及び任意に他のエチレン性不飽和モノマー、例えば、スチレンモノマー、ビニルモノマー、オレフィンモノマー又はα,β−不飽和カルボン酸モノマーを含むモノマー混合物から、それぞれのモノマーの重合によって形成されるポリマーであってよい。
【0117】
アクリルモノマーの例は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート及びジエチルアミノエチルアクリレートである。スチレンモノマーの例は、スチレン、4−メチルスチレン、及び4−ビニルビフェニルである。ビニルモノマーの例は、ビニルアルコール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルイソブチルエーテル及び酢酸ビニルである。オレフィンモノマーの例は、エチレン、プロピレン、ブタジエン、及びイソプレン、及びそれらの塩素化又はフッ素化誘導体、例えばテトラフルオロエチレンである。α,β−不飽和カルボン酸モノマーの例は、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸無水物、及びマレイミドである。
【0118】
アクリルポリマーの例は、ポリ(メチルメタクリレート)、及びポリ(ブチルメタクリレート)、ポリアクリル酸、スチレン/アクリル酸エステルコポリマー、スチレン/2−エチルヘキシルアクリレートコポリマー、スチレン/アクリル酸コポリマーである。
【0119】
スチレンポリマーは、少なくとも1つのスチレンモノマー、及び任意に少なくとも1つのビニルモノマー、オレフィンモノマー及び/又はα,β−不飽和カルボン酸モノマーを含むモノマー混合物から、それぞれのモノマーの重合によって形成されるポリマーであってよい。スチレンポリマーの例は、ポリスチレン(PS)、スチレンブタジエンスチレンブロックポリマー、スチレンエチレンブタジエンブロックポリマー、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロックポリマー及びスチレン−マレイン酸無水物コポリマーである。いわゆる、"炭化水素樹脂"は通常、スチレンポリマーでもある。
【0120】
ビニルポリマーは、少なくとも1つのビニルモノマー、及び任意に少なくとも1つのオレフィンモノマー及び/又はα,β−不飽和カルボン酸モノマーを含むモノマー混合物から、それぞれのモノマーの重合によって形成されるポリマーであってよい。ビニルポリマーの例は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、及びメチルビニルエーテル−マレイン酸無水物コポリマーである。ビニルポリマー誘導体の例は、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、及びケイ素変性ポリビニルアルコールである。
【0121】
ポリオレフィンは、少なくとも1つのオレフィンモノマー、及び任意に少なくとも1つのα,β−不飽和カルボン酸モノマーを含むモノマー混合物から、それぞれのモノマーの重合によって形成されるポリマーであってよい。ポリオレフィンの例は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、二軸配向ポリプロピレン(BOPP)、ポリブタジエン、ペルフルオロエチレン(Teflon)及びイソプロピレン−マレイン酸無水物コポリマーである。
【0122】
アルデヒドポリマーは、少なくとも1つのアルデヒドモノマー又はポリマー、及び少なくとも1つのアルコールモノマー又はポリマー、アミンモノマー又はポリマー、及び/又はウレアモノマー又はポリマーから形成されるポリマーであってよい。アルデヒドモノマーの例は、ホルムアルデヒド、フルフラル及びブチラールである。アルコールモノマーの例は、フェノール、クレゾール、レソルシノール、及びキシレノールである。ポリアルコールの例は、ポリビニルアルコールである。アミンモノマーの例は、アニリン及びメラミンである。ウレアモノマーの例は、ウレア、チオウレア、及びジシアンジアミドである。アルデヒドポリマーの例は、ブチラールとポリビニルアルコールとから形成されるポリビニルブチラール、メラミンホルムアルデヒドポリマー、及びウレアホルムアルデヒドポリマーである。フェノール及びアルデヒドから形成されるアルデヒドポリマーは、"フェノール樹脂"と呼ばれる。アルデヒドポリマー誘導体の例は、アルキル化アルデヒドポリマーである。
【0123】
ケトンポリマーの例は、ケトン樹脂、メチルシクロヘキサノン及び/又はシクロヘキサノンの縮合生成物である。
【0124】
エポキシドポリマーは、少なくとも1つのエポキシドモノマー及び少なくとも1つのアルコールモノマー及び/又はアミンモノマーから形成されるポリマーであってよい。エポキシドモノマーの例は、エピクロロヒドリン及びグリシドールである。アルコールモノマーの例は、フェノール、クレゾール、レソルシノール、キシレノール、ビスフェノールA及びグリコールである。エポキシドポリマーの例は、エピクロロヒドリン及びビスフェノールAから形成されるフェノキシ樹脂である。
【0125】
ポリアミドは、アミド基又はアミノ、並びにカルボキシ基を有する少なくとも1つのモノマーから、あるいは2つのアミノ基を有する少なくとも1つのモノマー及び2つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのモノマーから形成されるポリマーであってよい。アミド基を有するモノマーの例はカプロラクタムである。ジアミンの例は、1,6−ジアミノヘキサンである。ジカルボン酸の例は、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸及び1,4−ナフタレンジカルボン酸である。ポリアミドの例は、ポリヘキサメチレンアジパミド及びポリカプロラクタムである。
【0126】
ポリエステルは、ヒドロキシ基並びにカルボキシ基、無水物基又はラクトン基を有する少なくとも1つのモノマーから、あるいは2つのヒドロキシ基を有する少なくとも1つのモノマー、及び2つのカルボキシ基、無水物基又はラクトン基を有する少なくとも1つのモノマーから形成できる。ヒドロキシ基並びにカルボキシ基を有するモノマーの例は、アジピン酸である。ジオールの例はエチレングリコールである。ラクトン基を有するモノマーの例はカプロラクトンである。ジカルボン酸の例は、テレフタル酸、イソフタル酸及び1,4−ナフタレンジカルボン酸である。ポリエステルの例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。アルコール及び酸又は酸無水物から形成されるポリエステルは、"アルキド樹脂"と呼ばれる。
【0127】
ポリウレタンは、少なくとも1つのジイソシアネートモノマー及び少なくとも1つのポリオールモノマー及び/又はポリアミンモノマーから形成されるポリマーであってよい。ジイソシアネートモノマーの例は、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0128】
スルホンベースのポリマーの例は、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン及びポリスルホンである。ポリスルホンの例は、4,4−ジクロロジフェニルスルホンとビスフェノールAとから形成されるポリマーである。
【0129】
ケイ素ベースのポリマーの例は、ポリシリケート、シリコーン樹脂及びポリシロキサンである。
【0130】
天然ポリマーの例は、デンプン、セルロース、ゼラチン、カゼイン、ロジン、テルペン樹脂、シェラック、マニラコーパル、アスファルト、アラビアゴム、及び天然ゴムである。天然ポリマー誘導体の例は、デキストリン、酸化デンプン、デンプン−酢酸ビニルグラフトコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、アセチルブチリルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース及び塩化ゴムである。
【0131】
好ましくは、バインダーは、アクリルポリマー、例えば、少なくとも1つのアクリルモノマー及び少なくとも1つのスチレンモノマー、例えば、スチレン/アクリル酸エステルを含むモノマー混合物から形成されるアクリルポリマーであり、例えば、Alberdingk(登録商標)AS 6002の商品名で水性分散液として販売されている。
【0132】
本発明の組成物は好ましくは顔料を含む。顔料の例は、無機顔料、例えば、二酸化チタン、及び有機顔料、例えば、フタロシアニン型顔料又はジケトピロロピロール型顔料である。ジケトピロロピロール型顔料は、Ciba(登録商標)Irgazin(登録商標)DPPの商品名で販売されており、例えば、3,6−ジ(4−クロロフェニル)−1,4−ジケトピロロ[3,4−c]−ピロールはCiba(登録商標)Irgazin(登録商標)DPP Red BOの商品名で販売されている。好ましくは、顔料は無機であり、更に好ましくは、該顔料は二酸化チタンである。
【0133】
本発明の組成物は好ましくは充填剤を含む。充填剤は炭酸カルシウムであってよい。充填剤の更なる例は、硫酸バリウム、二酸化ケイ素、カオリン、焼成カオリン、マイカ、アルミニウム酸化物、アルミニウム水酸化物、アルミニウムシリケート、タルク、アモルファスシリカ、及びコロイド状二酸化ケイ素である。
【0134】
該組成物は、追加成分、例えば、分散剤、消泡剤、殺生剤、殺真菌剤、除藻剤、殺虫剤、レオロジー添加剤、例えば、増粘剤又はチキソトロープ剤、中和剤、促進剤、均染剤及び湿潤剤、ワックス及び疎水化剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤を含んでよい。
【0135】
分散剤の例は、アンモニウムアクリレートコポリマー(アンモニウムアクリレートコポリマーの水性分散液は商品名Ciba(登録商標)Dispex(登録商標)GA40の下で販売されている)である。
【0136】
消泡剤の例は、ポリエーテルシロキサンコポリマー(例えば、商品名Tego(登録商標)foamex 1488の下で販売されている)及びポリエーテルシロキサンコポリマー(例えば、商品名Ciba(登録商標)EFKA(登録商標)2550の下で販売されている)である。
【0137】
殺生剤の例はオクチルイソチアゾリノンである。殺真菌剤の例は、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーボネート(例えば、商品名Preventol(登録商標)MP 100の下で販売)及びメチル−N−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)カルバメート(商品名Preventol(登録商標)BCMの下で販売)である。除藻剤の例は、N’−イソブチル−N−シクロプロピル−6−(メチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン(商品名Ciba(登録商標)Irgaguard(登録商標)D1071の下で販売)である。
【0138】
増粘剤の例は、グリオキサールで表面処理したヒドロキシエチルセルロース(例えば、商品名Natrosol(登録商標)250HRの下で販売)、及びウレタンベースのポリマー(例えば、商品名Ciba(登録商標)Rheovis(登録商標)PU10の下で販売)である。
【0139】
中和剤の例は2−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール(AMP)である。
【0140】
本発明の組成物は、該組成物の質量を基準として、0.1〜70質量%の本発明の有機無機複合粒子を含んでよい。組成物は、好ましくは、該組成物の質量を基準として、0.2〜40質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%、最も好ましくは1.0〜10質量%の本発明の有機無機複合粒子を含む。
【0141】
本発明の組成物は、該組成物の質量を基準として、10〜99質量%の溶媒を含んでよい。組成物は、好ましくは、該組成物の質量を基準として、20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%、最も好ましくは40〜60質量%の溶媒を含む。
【0142】
本発明の組成物は、該組成物の質量を基準として、1〜80質量%の(乾燥)バインダーを含んでよい。組成物は、好ましくは、該組成物の質量を基準として、1〜50質量%、更に好ましくは5〜30質量%、最も好ましくは10〜20質量%のバインダーを含む。
【0143】
本発明の組成物は、該組成物の質量を基準として、0〜80質量%、1〜60質量%、5〜40質量%又は10〜30質量%の顔料を含んでよい。
【0144】
本発明の組成物は、該組成物の質量を基準として、0〜80質量%、1〜60質量%、1〜40質量%又は1〜20質量%の充填剤を含んでよい。
【0145】
本発明の組成物は、該組成物の質量を基準として、0〜20質量%、0.1〜10質量%又は1〜5質量%の追加成分を含んでよい。
【0146】
本発明の有機無機複合粒子、溶媒及びバインダーを含む組成物の製造方法において、i)溶媒、有機無機複合粒子及びバインダーを混合する工程を含む、前記製造方法も本発明の一部である。
【0147】
顔料、充填剤又は追加成分が存在する場合、これらの成分も工程i)に含まれる。
【0148】
本発明の有機無機複合粒子、溶媒及びバインダーを含む本発明の組成物で被覆された基材も本発明の一部である。
【0149】
基材の例は、紙、ボール紙、木、革、金属、織物、ポリマー、ガラス、セラミックス、石、鉱物及び建築構造物材料、及びそれらの混合物である。
【0150】
金属の例は、鉄、ニッケル、パラジウム白金、銅、銀、金、亜鉛及びアルミニウム及び合金、例えば、鋼、真鍮、ブロンズ及びジュラルミンである。
【0151】
織物は、天然繊維、例えば、動物又は植物由来の繊維、又は合成繊維から製造できる。動物由来の天然繊維の例はウール及び絹である。植物由来の天然繊維の例は、綿、亜麻及びジュートである。合成織物の例は、ポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン及びポリアミド、例えば、ナイロン及びライクラである。
【0152】
ポリマーの例は、アクリルポリマー、スチレンポリマー及びその水素化物、ビニルポリマー及びその誘導体、ポリオレフィン及びその水素化又はエポキシ化物、アルデヒドポリマー、エポキシドポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、スルホンベースのポリマー及び天然ポリマー及びその誘導体である。これらのポリマーの定義は上記に示されている。
【0153】
ガラスの例はソーダ石灰ガラス及びホウケイ酸ガラスである。
【0154】
セラミックスの例は、主に粘土から出来た生成物、例えば、れんが、タイル及びポーセレン、並びに工業用セラミック、例えば、酸化アルミニウム及び二酸化ジルコニウムである。
【0155】
石の例は、石灰石、砂利、花崗岩、片麻岩、大理石、スレート及び砂岩である。
【0156】
鉱物の例は、石膏(水和した硫酸カルシウム)、方解石(炭酸カルシウム)、アラゴナイト(炭酸カルシウム)及び天然の石灰(酸化カルシウム)である。
【0157】
建築構造物材料は、石及び/又は鉱物から作られた材料、及び任意に更なる成分、例えば、砂、粘土及びフライアッシュである。建築構造物材料の例は、セメント、例えば、ポルトランドセメント、生石灰(酸化カルシウム)、消石灰(水酸化カルシウム)、コンクリート、プラスター、モルタル及びケイ灰れんがである。
【0158】
好ましくは、基材は金属、セラミック、石、鉱物又は建築構造物材料、又はそれらの混合物である。更に好ましくは、基材はれんが(主に粘土で作られた)、タイル、石、鉱物又は建築構造物材料である。最も好ましくは、基材はれんが(主に粘土から作られた)、石、石膏、セメント、生石灰(酸化カルシウム)、消石灰(水酸化カルシウム)、コンクリート、プラスター、モルタル又はケイ灰れんがである。
【0159】
被覆された基材の形成方法において、
i)本発明の有機無機複合粒子、溶媒及びバインダーを含む本発明の組成物を基材に適用する工程、及び
ii)コーティング層を形成する工程を含む、前記形成方法も本発明の一部である。
【0160】
本発明の組成物は、標準的な塗布法、例えば、はけ塗り、ロール塗り、スリット塗布、バーコーター塗布、回転塗布、噴霧塗布、カーテン塗布、浸漬塗布、エアー塗布、ナイフ塗布又はブレード塗布を使用して基材に適用できる。好ましい塗布法は、はけ塗り及びロール塗りである。
【0161】
コーティング層の厚さは通常、0.1〜6000μmの範囲で選択されている。好ましくは、これは1〜1000μmの範囲である。更に好ましくは、これは10〜200μmの範囲である。
【0162】
好ましくは、コーティング層は、基材に適用された組成物を乾燥することによって形成される。
【0163】
有機無機複合粒子の建築用コーティング組成物での使用も本発明の一部である。
【0164】
本発明の組成物の建築用コーティング組成物としての使用も本発明の一部である。
【0165】
少なくとも1つの官能基Raを有するポリマーをその上にグラフトすることによって化学的に変性された、ブタジエンベースのポリマーである、有機ポリマーPaを含む粒子Aも本発明の一部である。
【0166】
少なくとも1つの官能基Raを有するポリマーをその上にグラフトすることによって化学的に変性された、ブタジエンベースのポリマーの製造も上記に示されている。
【0167】
本発明の有機無機複合粒子は、該有機無機複合粒子が、コーティング中に適用される時に、そのコーティングに改善された耐汚れ性を付与するという利点を有する。同時に、本発明の有機無機複合粒子は、安価で商業的に入手可能な出発材料から簡便且つ容易な化学作用から製造できる。
【0168】
図1は実施例3の有機無機複合粒子の透過型電子顕微鏡法(TEM)を示す。
【0169】
図2は実施例3の有機無機複合粒子の走査型電子顕微鏡法(SEM)を示す。
【0170】
図3は、水中での異なる濃度における実施例3の有機無機複合粒子のDLS測定(体積分布)を示す。Y軸:カウント体積加重、X軸:サイズ=粒子の直径[nm]。
【0171】
図4は実施例5の有機無機複合粒子の透過型電子顕微鏡法(TEM)を示す。
【0172】
図5は実施例8の有機無機複合粒子の透過型電子顕微鏡法(TEM)を示す。
【0173】
図6は実施例8の有機無機複合粒子の走査型電子顕微鏡法(SEM)を示す。
【0174】
図7は水中の実施例11の有機無機複合粒子の透過型電子顕微鏡法(TEM)を示す。
【0175】
図8はN,N−ジメチルアセトアミド中の実施例11の有機無機複合粒子の透過型電子顕微鏡法(TEM)を示す。
【0176】
図9は水中の実施例13の有機無機複合粒子の透過型電子顕微鏡法(TEM)を示す。
【0177】
実施例
実施例1
少なくとも1つのCl基を有する有機ポリマーからなる粒子Aの製造
160gのCiba(登録商標)Latexia(登録商標)302(50%(w/w)の固体含有率、160nmの平均粒度(d)及び10℃のガラス転移温度(Tg)を有するスチレン/ブタジエンコポリマー粒子の水性分散液)及び水500mlを、機械攪拌器を備えた1Lの丸底フラスコ中に導入する。この水性分散液を1時間窒素でパージし且つ60℃に加熱する。3mlの2.5%(w/w)の過硫酸カリウム水溶液(Fluka microselect)及び2mlの1.25%(w/w)の亜硫酸水素ナトリウム水溶液(Riedel de Haen)からなる開始剤混合物の第1部分を導入する。次に、16.56g(159ミリモル)スチレン(Fluka purum)、3.42g(26.2ミリモル)ジビニルベンゼン(Fluka techn.、アイソマーの混合物)及び14.28g(93.6ミリモル)4−ビニルベンジルクロリド(Fluka techn.)からなるモノマー混合物を、反応混合物の温度を60℃に維持し且つ撹拌速度を300rpmに維持しながら、シリンジを介してゆっくりと5時間隔膜に添加する。モノマー添加の開始2時間後、3mlの2.5%(w/w)の過硫酸カリウム水溶液及び2mlの1.25%(w/w)の亜硫酸水素ナトリウム水溶液からなる開始剤混合物の第2部分を添加する。室温に冷却した後、反応混合液を濾過すると、粒子Aの水性分散液772.6gが得られる。pH1.97及び13.3%(w/w)の固体含有率(55℃での酢酸2mlによるMgSOの10%(w/w)水溶液100mlにおけるこの分散液15gの凝集によって測定)を有する分散液が得られる。固体含有率を基準とすると、粒子Aの収率は90.4%であると測定される。元素分析:計算値%(実測値%):Cl2.91(2.30)。粒子Aは、160〜165nmの平均粒径(d)(透過型電子顕微鏡法(TEM)によって測定)及び11.3℃のガラス転移温度(Tg)(10℃/分で示差走査熱量測定(DSC)によって測定)を有する。
【0178】
実施例2
少なくとも1つの−NH−基を有するポリマーによって囲まれた無機材料Ib2を含む粒子Bの製造
機械攪拌器を備えた2Lの丸底フラスコにおいて、Aldrich社より販売された2.082gのポリエチレンイミン(分枝鎖状の、数平均分子量(M)=10000、多分散性指数(PDI)=2.5)を水150mlに溶解し、Aldrich社より販売された106.56gのLudox(登録商標)TMAコロイド状シリカ(30nmの粒径(d)を有する二酸化ケイ素粒子の34%(w/w)水性分散液)を室温で45分かけて滴加する。混合物を超音波浴で1時間処理すると、粒子Bの14.8%(w/w)水性分散液が得られる。粒子Bは、94.6%(w/w)の二酸化ケイ素及び5.4%(w/w)のポリエチレンイミンからなると計算される。
【0179】
実施例3
実施例1の粒子A及び実施例2の粒子Bからの有機無機複合粒子の製造
実施例1に記載した通りに得られた粒子Aの約13.3%(w/w)水性分散液270.6gを、実施例2に記載した通りに得られた粒子Bのよく撹拌された14.8%(w/w)水性分散液259gに1時間かけて滴加し、その後、反応混合液を55℃に5時間加熱し、室温に冷却し且つ該反応混合液を1時間超音波浴中で処理する。有機無機複合粒子の得られた分散液はpH7.5を有する。次いで分散液を凍結乾燥すると70gの固体粉末が得られる。有機無機複合粒子は、45.1%(w/w)の有機物含有率(熱重量分析(TGA)、30〜800℃、10℃/分によって測定)、54.9%(w/w)の二酸化ケイ素含有率(計算:有機物含有率+二酸化ケイ素含有率=100%によって得られる)、約200nmの平均直径(d)及びラズベリー状構造(透過型電子顕微鏡法及び走査型電子顕微鏡法(TEM、SEM)によって測定、図1及び2を参照)、295nmの平均直径及び+35mVのゼータ電位(動的光散乱法(DLS)に連動したゼータサイザーによって測定、図3を参照)及び6℃のガラス転移温度(Tg)(10℃/分での示差走査熱量測定(DSC)によって測定)を有する。均質な水性分散液は、冷凍乾燥した粉末30gを、0.2gの市販の消泡剤「Tego Foamex 1488」を含有する水120mlに添加し、且つこれを超音波浴で2時間撹拌することによって得られる。0.0018%に希釈されたこの分散液の、それぞれ、0.000018%(w/w)の有機無機複合粒子の、動的光散乱法も、粒子が凝集しないことを示す(図3も参照のこと)。
【0180】
実施例4
少なくとも1つの−NH−基を有するポリマーによって囲まれた無機材料Ib2を含む粒子Bの製造
機械攪拌器を備えた800mlの丸底フラスコにおいて、Aldrich社より販売された0.347gのポリエチレンイミン(分枝鎖状の、数平均分子量(M)=10000、多分散性指数(PDI)=2.5)を水75mlに溶解し、Aldrich社より販売された17.76gのLudox(登録商標)TMAコロイド状シリカ(30nmの粒径(d)を有する二酸化ケイ素粒子の34%(w/w)水性分散液)を室温で30分かけて滴加する。混合物を超音波浴で1時間処理すると、粒子Bの6.9%(w/w)水性分散液が得られる。粒子Bは、94.6%(w/w)の二酸化ケイ素及び5.4%(w/w)のポリエチレンイミンからなると計算される。
【0181】
実施例5
実施例1の粒子A及び実施例4の粒子Bからの有機無機複合粒子の製造
実施例1に記載した通りに得られた粒子Aの約13.3%(w/w)水性分散液84.2gを、実施例4に記載した通りに得られた粒子Bのよく撹拌された6.9%(w/w)水性分散液93gに1時間かけて滴加し、その後、反応混合液を50℃に5時間加熱し、室温に冷却し且つ該反応混合液を1時間超音波浴中で処理する。有機無機複合粒子を含有し且つpH6.3を有する白色分散液223.5gが得られる。次いで10gの分散液を凍結乾燥すると0.712gの固体粉末が得られる。有機無機複合粒子は、60.8%(w/w)の有機物含有率(熱重量分析(TGA)、30〜800℃、10℃/分によって測定)、39.2%(w/w)の二酸化ケイ素物質含有率(計算:有機物含有率+二酸化ケイ素含有率=100%によって得られる)、約200nmの平均直径(d)及びラズベリー状構造(透過型電子顕微鏡法及び走査型電子顕微鏡法(TEM、SEM)によって測定、図4を参照)を有する。遊離二酸化ケイ素粒子はTEMによって検出されなかった。
【0182】
実施例6
少なくとも1つのCl基を有する有機ポリマーからなる粒子Aの製造
160gのCiba(登録商標)Latexia(登録商標)302(50%(w/w)の固体含有率、160nmの平均粒度(d)及び10℃のガラス転移温度(Tg)を有するスチレン/ブタジエンコポリマー粒子の水性分散液)及び水250mlを、機械攪拌器を備えた1Lの丸底フラスコ中に導入する。この水性分散液を窒素で1時間パージし且つ60℃に加熱する。1.5mlの3.0%(w/w)の過硫酸カリウム水溶液(Fluka microselect)及び2.75mlの1.0%(w/w)の亜硫酸水素ナトリウム水溶液(Riedel de Haen)からなる開始剤混合物の第1部分を導入する。次に、9.93g(77.5ミリモル)ブチルアクリレート(Fluka purum)、1.71g(13.1ミリモル)ジビニルベンゼン(Fluka techn.、アイソマーの混合物)及び5.49g(37ミリモル)2−クロロエチルメタクリレート(ABCR)からなるモノマー混合物を、反応温度を65℃に維持し且つ撹拌速度を300rpmに維持しながら、シリンジを介してゆっくりと5時間隔膜に添加する。モノマー添加の開始2時間後に、1.4mlの3.0%(w/w)の過硫酸カリウム水溶液及び2.75mlの1.0%(w/w)の亜硫酸水素ナトリウム水溶液からなる開始剤混合物の第2部分を添加する。室温に冷却した後、反応混合液を濾過すると、粒子Aの水性分散液389.3gが得られる。この分散液は12.75%(w/w)の固体含有率(該分散液20gの凝集によって測定)を有し、該凝集は60℃にて酢酸2mlによりMgSOの10%(w/w)水溶液100mLにおいて得られる。固体含有率を基準とすると、粒子Aの収率は87.0%であると測定される。元素分析:計算値%(実測値%):Cl2.30(2.44)。粒子Aは、162nmの平均粒径(d)(透過型電子顕微鏡法(TEM)によって測定)及び15℃のガラス転移温度(Tg)(10℃/分で示差走査熱量測定(DSC)によって測定)を有する。
【0183】
実施例7
少なくとも1つの−NH−基を有するポリマーによって囲まれた無機材料Ib2を含む粒子Bの製造
機械攪拌器を備えた1Lの丸底フラスコにおいて、Aldrich社より販売された0.45gのポリエチレンイミン(分枝鎖状の、数平均分子量(M)=10000、多分散性指数(PDI)=2.5)を水50mlに溶解し、Aldrich社より販売された25.53gのLudox(登録商標)TMAコロイド状シリカ(30nmの粒径(d)を有する二酸化ケイ素粒子の34%(w/w)水性分散液)を室温で30分かけて室温で滴加する。混合物を超音波浴で1時間処理すると、粒子Bの11.4%(w/w)水性分散液が得られる。粒子Bは、核として働く94.7%(w/w)の二酸化ケイ素、及びシェルとして働く5.3%(w/w)のポリエチレンイミンからなると計算される。
【0184】
実施例8
実施例6の粒子A及び実施例7の粒子Bからの有機無機複合粒子の製造
実施例6に記載した通りに得られた粒子Aの約12.75%(w/w)水性分散液62.74gを、実施例7に記載した通りに得られた粒子Bのよく撹拌された11.4%(w/w)水性分散液74gに1時間かけて滴加し、その後、反応混合液を65℃に5時間加熱し、且つ該反応混合液を超音波浴中でこの温度で6時間撹拌する。室温に冷却した後、有機無機複合粒子を含有し且つpH8.4を有する白色分散液235.8gが得られる。次いで20gの分散液を凍結乾燥すると、水に再分散可能な、1.41gの固体粉末が得られる。有機無機複合粒子は、48.5%(w/w)の有機物含有率(熱重量分析(TGA)、30〜800℃、10℃/分によって測定)、51.5%(w/w)の二酸化ケイ素含有率(計算:有機物含有率+二酸化ケイ素含有率=100%によって得られる)、約200nmの平均直径(d)及びラズベリー状構造(透過型電子顕微鏡法及び走査型電子顕微鏡法(TEM、SEM)によって測定、図5及び6を参照)を有する。遊離二酸化ケイ素粒子はTEMによって検出されなかった。
【0185】
実施例9
疎水性の側鎖を有するポリエチレンイミンの製造
【化4】

250mlの丸底フラスコにおいて、4.3g(100ミリモルのエチレンイミン単位)のポリエチレンイミン(Aldrich社、分枝鎖状の、数平均分子量(M)=10000、多分散性指数(PDI)=2.5)を、45mlのジオキサン(Riedel de Haen)に溶解し且つ9.21g(50ミリモル)の1,2−ドデセン−オキシド(Aldrich)を添加する。次に、反応混合液を50℃で1時間撹拌し、その後、100℃で3時間撹拌する。ジオキサン及び過剰/未反応の1,2−ドデセン−オキシドを減圧下で蒸発させて、生成物を80℃で真空下で(<0.1ミリバール)乾燥させる。5.9gの黄色がかった油状物が得られる。従って、1.6g(8.7ミリモル)の1,2−ドデセン−オキシドが反応した。元素分析:計算値%(実測値%):C61.67(61.25)、H11.82(11.86)、N24.30(22.29)。
【0186】
実施例10
少なくとも1つの−NH−基を有するポリマーによって囲まれた無機材料Ib2を含む粒子Bの製造
機械攪拌器を備えた500mlの丸底フラスコにおいて、実施例9に記載される通りに得られた疎水性側鎖を有するポリエチレンイミン0.476gを75mlの水に溶解し、Aldrich社より販売された17.76gのLudox(登録商標)TMAコロイド状シリカ(30nmの粒径(d)を有する二酸化ケイ素粒子の34%(w/w)水性分散液)を、追加の25mlの水を用いて室温で30分間滴加する。混合物を超音波浴で1時間処理すると、粒子Bの5.5%(w/w)水性分散液が得られる。粒子Bは、核として働く92.7%(w/w)の二酸化ケイ素、及びシェルとして働く疎水性側鎖を有する7.3%(w/w)のポリエチレンイミンからなると計算される。
【0187】
実施例11
実施例1の粒子A及び実施例10の粒子Bからの有機無機複合粒子の製造
実施例1に記載した通りに得られた粒子Aの約13.3%(w/w)水性分散液45.1gを、実施例10に記載した通りに得られた粒子Bのよく撹拌された5.5%(w/w)水性分散液118gに20分間かけて滴加し、その後、反応混合液を50℃で3時間超音波で処理する。室温に冷却した後、反応混合液を別の容器に移し(水ですすぎ)且つ超音波浴で一晩撹拌する。有機無機複合粒子を含有する白色分散液166.6gが得られる。次いで10gの分散液を凍結乾燥すると0.741gの固体粉末が得られる。有機無機複合粒子は、48.3%(w/w)の有機物含有率(熱重量分析(TGA)、30〜800℃、10℃/分によって測定)、51.7%(w/w)の二酸化ケイ素含有率(計算:有機物含有率+二酸化ケイ素含有率=100%によって得られる)、約180〜240nmの平均直径(d)及びラズベリー状構造(水及びN,N−ジメチルアセトアミド中での透過型電子顕微鏡法(TEM)によって測定、図7及び8を参照)を有する。有機無機複合粒子は、水中よりもN,N−ジメチルアセトアミド中でより凝集する。有機無機複合粒子のN,N−ジメチルアセトアミド分散液は、有機無機複合粒子の水性分散液10gにN,N−ジメチルアセトアミド150mlを添加し、且つ水及び一部のN,N−ジメチルアセトアミドを蒸留によって除去することによって得られる。
【0188】
実施例12
少なくとも1つの−NH−基を有するポリマーによって囲まれた無機材料Ib2を含む粒子Bの製造
機械攪拌器を備えた500mlの丸底フラスコにおいて、実施例9に記載される通りに得られた疎水性側鎖を有するポリエチレンイミン0.952gを75mlの水に溶解し、Aldrich社より販売された17.76gのLudox(登録商標)TMAコロイド状シリカ(30nmの粒径(d)を有する二酸化ケイ素粒子の34%(w/w)水性分散液)を、追加の25mlの水を用いて室温で30分間滴加する。混合物を超音波浴で1時間処理すると、粒子Bの5.9%(w/w)水性分散液が得られる。粒子Bは、核として働く86.4%(w/w)の二酸化ケイ素、及びシェルとして働く13.6%(w/w)の疎水性側鎖を有するポリエチレンイミンからなると計算される。
【0189】
実施例13
実施例1の粒子A及び実施例12の粒子Bからの有機無機複合粒子の製造
実施例1に記載した通りに得られた粒子Aの約13.3%(w/w)水性分散液45.1gを、実施例12に記載した通りに得られた粒子Bのよく撹拌された5.9%(w/w)水性分散液119gに20分間かけて滴加し、その後、反応混合液を50℃で3時間超音波で処理する。室温に冷却した後、反応混合液を別の容器に移し(水ですすぎ)且つ超音波浴で一晩撹拌する。有機無機複合粒子を含有し且つpH8.1を有する白色分散液160.92gが得られる。次いで10gの分散液を凍結乾燥すると0.564gの固体粉末が得られる。有機無機複合粒子は、50.1%(w/w)の有機物含有率(熱重量分析(TGA)、30〜800℃、10℃/分によって測定)、49.9%(w/w)の二酸化ケイ素含有率(計算:有機物含有率+二酸化ケイ素含有率=100%によって得られる)、約200nmの平均直径(d)及びラズベリー状構造(水中での透過型電子顕微鏡法(TEM)によって測定、図9を参照)を有する。
【0190】
実施例14
実施例3の有機無機複合粒子を含むコーティング組成物で被覆された基材の吸塵挙動
全コーティング組成物の質量を基準として、1.9質量%(組成物A)、3.7質量%(組成物B)、質量9.0%(組成物C)の実施例3の有機無機複合粒子をそれぞれ含む、3種のコーティング組成物は、第1表に示された順で第1表に挙げられた成分を混合し、混合物を10分間2000rpmで撹拌し、80gのガラスビーズ(d=4mm)を加えて混合物を均質にし、混合物をScandexミキサー中で冷却しながら1時間分散させ、且つガラスビーズを濾過により除去することによって製造する。
【0191】
実施例3の有機無機複合粒子を含有していない比較のコーティング組成物(comp.組成物1)は同様な方法で製造される。
【表1】

【0192】
第1表.実施例3の粒子の20%(w/w)水性分散液は、ガラスビーズ(d=4mm)の存在下でScandexミキサーを用いて実施例3の有機無機複合粒子を水中で4時間再分散させて、該ガラスビーズを濾過により除去することによって製造される。
【0193】
第2表は、全組成物の質量を基準とする、第1表のコーティング組成物の主要な固体成分の質量による量を示す。
【0194】
比較のために、全ての主な固体成分の合計、即ち、i)実施例3の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS 6002)及びiv)炭酸カルシウムの合計を、19.1g〜21.2gの間に維持する。実施例3の有機無機複合粒子の量の増加は、炭酸カルシウム及びアクリル酸エステル/スチレンコポリマーの量の減少によって補われる。
【表2】

【0195】
第2表.「合計」とは、i)実施例3の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)及びiv)炭酸カルシウムの合計を意味する。
【0196】
本発明の有機無機複合粒子を含む、これらの水ベースの、白色に着色されたアクリル酸エステル/スチレンベースのコーティング組成物は、建築用コーティング組成物としての使用に適している。
【0197】
コーティング組成物を200μmのスリットコーターを用いてコイル被覆されたアルミニウムパネルに塗布し、3日間室温で乾燥させてコーティング層を形成する。乾燥コーティング層は、もっぱら(>95%)コーティング組成物の主要な固体成分、即ち、i)実施例3の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)及びiv)炭酸カルシウムを含む。実施例3の有機無機複合粒子の量(質量)は、コーティング組成物の主要な固体成分の合計の量(質量)(これはコーティング層の質量とほとんど同一である)を基準として、それぞれ3.6%、7.3%、19.5%である。
【0198】
人工的な吸塵試験を、黒色の酸化鉄(33%(w/w)FeOx)及びグラファイト(27%(w/w)グラファイト)のスラリーを用いて行う。スラリーの適用前に、各パネルのカラー測定を行う。吸塵評価のために、スラリーを異なるコーティング試料に塗布し、これを室温で3時間乾燥させる。次にパネルを水道水及びスポンジで洗浄する。乾燥後、より多い又は少ない灰色のコーティング試料のカラー測定を再度行う。カラー測定は、DIN6174に従って、分光光度計及びCGRECソフトウェアを用いてL、a、b、C、h及びDLの計算によって行う。結果を第3表に示す。DL値は算術符号を用いずに示される。
【表3】

【0199】
第3表.「合計」とは、i)実施例3の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)及びiv)炭酸カルシウムの合計を意味する。
【0200】
第3表から分かる通り、実施例3の有機無機複合粒子を含むコーティング層はDL値を低下させ、従って、被覆されたパネルの抗吸塵性(DL値が低いほど、吸塵性が低い)を改善する。この効果は、被覆パネルをFeOxスラリーで処理する時に、特に顕著である。この効果は、コーティング層での実施例3の有機無機複合粒子の濃度を増加させながら、被覆パネルをFeOxスラリーで、グラファイトスラリーで、それぞれ処理する両方の場合において増大する。
【0201】
実施例15
実施例5、8、11、13それぞれの有機無機複合粒子を含むコーティング組成物で被覆された基材の吸塵挙動及び振子硬度
実施例5の5.8%(w/w)(組成物D)、10.8%(w/w)(組成物E)の有機無機複合粒子をそれぞれ含む2種のコーティング組成物は、第4表に示された順で第4表に挙げられた成分を混合し、混合物を10分間2000rpmで撹拌し、80gのガラスビーズ(d=4mm)を加えて混合物を均質にし、混合物をScandexミキサー中で冷却しながら1時間分散させ、且つガラスビーズを濾過により除去することによって製造する。実施例8の4.1%(w/w)(組成物F)、10.1%(w/w)(組成物G)の有機無機複合粒子をそれぞれ含む2種のコーティング組成物、実施例11の4.2%(w/w)(組成物H)、10.2%(w/w)(組成物I)の有機無機複合粒子をそれぞれ含む2種のコーティング組成物、及び実施例13の4.3%(w/w)(組成物J)、10.5%(w/w)(組成物K)の有機無機複合粒子をそれぞれ含む2種のコーティング組成物も同様の手法で製造する(第4表及び5を参照)。
【0202】
本発明の有機無機複合粒子を含有していない比較のコーティング組成物(comp.組成物2、第6表を参照)も同様の手法で製造する。
【0203】
本発明の有機無機複合粒子を含有していないが、BASF社より商品名COL.9(登録商標)で水性分散液として販売されている有機無機複合粒子を含有する2種の更なる比較のコーティング組成物(comp.組成物3及び4、第6表を参照)も同様の手法で製造する。BASF社によるCOL.9(登録商標)は、二酸化ケイ素のナノスケール粒子が導入されるアクリルポリマー粒子の水性分散液である。複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)は、アクリルポリマー粒子と本発明の有機無機複合粒子のような酸化ケイ素ナノ粒子との間に共有結合を有していない。有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)の二酸化ケイ素含有率は40%(w/w)である。
【表4】

【表5】

【表6】

【0204】
第7表は、全ての主な固体成分の合計質量を基準とする、第4表、5及び6のコーティング組成物の主な固体成分の質量による量を示す。
【表7】

【0205】
第7表.「合計」とは、i)有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)、それぞれの、本発明の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)及びiv)炭酸カルシウムの合計を意味する。二酸化ケイ素とは、有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)に、本発明の有機無機複合粒子にそれぞれ由来する二酸化ケイ素を意味する。「無機物含有率」とは、i)有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)に、本発明の有機無機複合粒子にそれぞれ由来する二酸化ケイ素、ii)二酸化チタン及びiii)炭酸カルシウムの合計を意味する。
【0206】
比較のために、全ての主な固体成分の合計、即ち、i)有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)、それぞれの、本発明の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)及びiv)炭酸カルシウムの合計を、51.8g〜53.2gの間に維持する。
【0207】
また、比較のために、全ての主な固体成分の無機物含有率、即ち、i)有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)に、本発明の有機無機複合粒子にそれぞれ由来する二酸化ケイ素、ii)二酸化チタン及びiii)炭酸カルシウムの合計を、全ての主な固体成分の合計を基準として64.1〜65.0質量%の間に維持し、これはi)有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)、それぞれの、本発明の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)及びiv)炭酸カルシウムの質量による合計である。本発明の有機無機複合粒子に由来する二酸化ケイ素の量の増加は、炭酸カルシウムの量の減少によって補われるのに対して、二酸化チタンの量は一定に維持される。
【0208】
その結果、全ての主な固体成分の合計の有機物含有率、即ち、i)有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)に、本発明の有機無機複合粒子にそれぞれ由来する有機物及びii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)の合計も一定に維持される(無機物含有率+有機物含有率=100%)。
【0209】
コーティング組成物を200μmのスリットコーターを用いてコイル被覆されたアルミニウムパネルに塗布し、これを3日間室温で乾燥させてコーティング層を形成する。
【0210】
人工的な吸塵試験を、黒色の酸化鉄(33%(w/w)FeOx)及びグラファイト(27%(w/w)グラファイト)のスラリーを用いて行う。スラリーの適用前に、各パネルのカラー測定を行う。吸塵評価のために、スラリーを異なるコーティング試料に塗布し、これを室温で3時間乾燥させる。次にパネルを水道水及びスポンジで洗浄する。乾燥後、より多い又は少ない灰色のコーティング試料のカラー測定を再度行う。カラー測定は、DIN6174に従って、分光光度計及びCGRECソフトウェアを用いてL、a、b、C、h及びDLの計算によって行う。結果を第6表に示す。DL値は算術符号を用いずに示される。
【0211】
振子硬度をDIN EN ISO 1514に従って測定する。
【表8】

【0212】
第8表.「合計」とは、i)有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)、それぞれの、本発明の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)及びiv)炭酸カルシウムの合計を意味する。二酸化ケイ素とは、有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)に、本発明の有機無機複合粒子にそれぞれ由来する二酸化ケイ素を意味する。
【0213】
第8表から分かる通り、本発明の有機無機複合粒子を含むコーティング層はDL値を低下させ、従って、被覆されたパネルの抗吸塵性(DL値が低いほど、吸塵性が低い)を改善する。この効果は、被覆パネルをFeOxスラリーで処理する時に、特に顕著である。この効果は、コーティング層での本発明の有機無機複合粒子の濃度を増加させながら、FeOxスラリー、グラファイトスラリーそれぞれで処理した被覆パネルの両方の場合において増大する。更に、本発明の有機無機複合粒子を含むコーティング層の硬度も改善される。
【0214】
実施例16
実施例3の有機無機複合粒子を含むコーティング組成物で被覆された基材の人工的な及び実際の吸塵挙動
全コーティング組成物(質量)を基準として、5.3質量%の実施例3の有機無機複合粒子を含むコーティング組成物は、第9表に示された順で第9表に挙げられた成分を混合し、混合物を10分間2000rpmで撹拌し、80gのガラスビーズ(d=4mm)を加えて混合物を均質にし、混合物をScandexミキサー中で冷却しながら1時間分散させ、且つガラスビーズを濾過により除去することによって製造する。
【0215】
実施例3の有機無機複合粒子を含有していない比較のコーティング組成物(comp.組成物5、第9表を参照)も同様の手法で製造する。
【0216】
本発明の有機無機複合粒子を含有していないが、BASF社より商品名COL.9(登録商標)で水性分散液として販売されている有機無機複合粒子を含有する1種の更なる比較のコーティング組成物(comp.組成物6、第9表を参照)も同様の手法で製造する。
【表9】

【0217】
第10表は、全ての主な固体成分の合計質量を基準とする、第9表のコーティング組成物の主な固体成分の質量による量を示す。
【表10】

【0218】
第10表.「合計」とは、i)有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)、それぞれの、本発明の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)及びiv)炭酸カルシウムの合計を意味する。
【0219】
人工的な吸塵試験のために、コーティング組成物を200μmのスリットコーターを用いてコイル被覆されたアルミニウムパネルに塗布し、これを3日間室温で乾燥させてコーティング層を形成する。
【0220】
人工的な吸塵試験を、黒色の酸化鉄(33%(w/w)FeOx)及びグラファイト(27%(w/w)グラファイト)のスラリーを用いて行う。スラリーの適用前に、各パネルのカラー測定を行う。吸塵評価のために、スラリーをコーティング試料に塗布し、これを室温で3時間乾燥させる。次にパネルを水道水及びスポンジで洗浄する。乾燥後、より多い又は少ない灰色のコーティング試料のカラー測定を再度行う。カラー測定は、DIN6174に従って、分光光度計及びCGRECソフトウェアを用いてL、a、b、C、h及びDLの計算によって行う。結果を第11表に示す。DL値は算術符号を用いずに示される。
【0221】
実際の吸塵試験のために、コーティング組成物をセメント繊維板の上にローラーで4回塗布し且つ1週間乾燥させる。被覆したセメント繊維板を、上海(中国)の自然環境(例えば、風、雨、塵)に、2008年12月から開始して2009年2月までの3ヶ月曝した。次に、カラー測定を、DIN6174に従って、分光光度計及びCGRECソフトウェアを用いてL、a、b、C、h及びDLの計算によって行う。結果を第11表に示す。DL値は算術符号を用いずに示される。
【表11】

【0222】
第11表.「合計」とは、i)有機無機複合粒子、例えば、COL.9(登録商標)、それぞれの、本発明の有機無機複合粒子、ii)二酸化チタン、iii)アクリル酸エステル/スチレンコポリマー(例えば、Alberdingk(登録商標)AS6002)及びiv)炭酸カルシウムの合計を意味する。
【0223】
第11表から分かる通り、実施例3の有機無機複合粒子を含むコーティング層はDL値を低下させ、従って、被覆したセメント繊維板の抗吸塵性(DL値が低いほど、吸塵性が低い)を改善する。この効果は、被覆したセント繊維板をFeOxスラリーで処理する人工的な吸塵試験において特に顕著であるが、被覆したセント繊維板をグラファイトで処理する人工的な吸塵試験において並びに実際の吸塵試験においても明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
60〜12000nmの平均直径を有する有機無機複合粒子であって、粒子Aと粒子Bとの間の共有結合の形成下で、少なくとも1つの官能基Raを有する粒子である粒子Aと、少なくとも1つの官能基Rbを有する粒子である粒子Bとを反応させることによって得られる、前記有機無機複合粒子。
【請求項2】
粒子Aが50〜10000nmの平均直径を有する、請求項1に記載の有機無機複合粒子。
【請求項3】
粒子Bが5〜1000nmの平均直径を有する、請求項1又は2に記載の有機無機複合粒子。
【請求項4】
粒子A/粒子Bの平均直径比が1.2/1〜50/1である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の有機無機複合粒子。
【請求項5】
有機無機複合粒子が、有機無機複合粒子の質量を基準として、10〜90質量%の有機物含有率を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の有機無機複合粒子。
【請求項6】
粒子Aが有機ポリマーPaを含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の有機無機複合粒子。
【請求項7】
有機ポリマーPaが、少なくとも1つの官能基Raを有する有機ポリマーである、有機ポリマーPa1である、請求項6に記載の有機無機複合粒子。
【請求項8】
少なくとも1つの官能基Raを有する有機ポリマーが、少なくとも1つの官能基Raを有するポリマーの上にグラフトすることによって化学的に変性されたブタジエンベースのポリマーである、請求項7に記載の有機無機複合粒子。
【請求項9】
少なくとも1つの官能基Raを有するポリマーの上にグラフトすることによって化学的に変性された、ブタジエンベースのポリマーが、少なくとも1つの官能基Raを有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、及び任意に更なるエチレン性不飽和モノマーを、ブタジエンベースのポリマー及び開始剤の存在下で重合させることによって製造される、請求項8に記載の有機無機複合粒子。
【請求項10】
粒子Bが無機材料Ibを含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の有機無機複合粒子。
【請求項11】
無機材料Ibが、少なくとも1つの官能基Rbを有するポリマーである、シェルポリマーSbによって囲まれた、無機材料Ib2である、請求項10に記載の有機無機複合粒子。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の有機無機複合粒子の製造方法において、i)粒子Aと粒子Bとの間の共有結合の形成下で粒子Aと粒子Bとを反応させる工程を含む、前記製造方法。
【請求項13】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の有機無機複合粒子、溶媒及びバインダーを含む、組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の組成物の製造方法においてi)溶媒、有機無機複合粒子及びバインダーを混合する工程を含む、前記製造方法。
【請求項15】
請求項13に記載の組成物で被覆された基材。
【請求項16】
請求項15に記載の被覆された基材の形成方法であって、i)請求項13に記載の組成物を基材に適用する工程及びii)コーティング層を形成する工程を含む、前記形成方法。
【請求項17】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の有機無機複合粒子を建築用コーティング組成物に用いる使用。
【請求項18】
請求項13に記載の組成物の建築用コーティング組成物としての使用。
【請求項19】
少なくとも1つの官能基Raを有するポリマーの上にグラフトすることによって化学的に変性された、ブタジエンベースのポリマーである、有機ポリマーPaを含む粒子A。

【公表番号】特表2012−525456(P2012−525456A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507705(P2012−507705)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055524
【国際公開番号】WO2010/125024
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】