説明

有機発光素子

【課題】光効率改善層を含む有機発光素子を提供する。
【解決手段】基板、基板上の第1電極13、第1電極上の有機層15、及び有機層上の第2電極17、を含み、第1電極は、有機層に隣接した第1面と第1面に対向する第2面を有し、第2電極は、有機層に隣接した第1面と第1面に対向する第2面とを有し、第1電極の第2面及び第2電極の第2面のうち、少なくとも一面に光効率改善層18が形成されており、光効率改善層は、インドール系縮合環化合物を含む有機発光素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic lightemitting diode)は、自発光型素子であって、視野角が広く、コントラストに優れ、かつ応答時間が速く、輝度、駆動電圧及び応答速度特性に優れて、多色化が可能であるという長所を有している。
【0003】
一般的な有機発光素子は、基板上にアノードが形成されており、このアノード上に正孔輸送層、発光層、電子輸送層及びカソードが順次に形成されている構造を有することができる。ここで、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層は、有機化合物からなる有機薄膜である。
【0004】
前述したような構造を有する有機発光素子の駆動原理は、次の通りである。
【0005】
前記アノードとカソードとの間に電圧を印加すれば、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経て発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経て発光層に移動する。前記正孔及び電子のようなキャリアは、発光層の領域で再結合してエキシトン(exiton)を生成する。このエキシトンが励起状態から基底状態に変わりつつ、光が生成される。
【0006】
有機発光素子の光効率は、通常、内部発光効率(internal luminescent efficiency)と外部発光効率(external luminescent efficiency)とに分けられる。内部発光効率は、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層のように、第1電極と第2電極との間(すなわち、アノードとカソードとの間)に介在された有機層で、いかほど効率よくエキシトンを生成して光変換がなされるのかに係わる。一方、外部発光効率(以下、“光取出率”(light coupling efficiency)と称する)とは、有機層で生成された光が有機発光素子の外部に取出される効率を示すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2007−0019220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、有機層で高い光変換効率を達成しても(すなわち、内部発光効率が高くても)、外部発光効率が低ければ、有機発光素子の全体的な光効率(発光効率)は低下してしまう。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、従来よりも光効率を向上することが可能な、新規かつ改良された有機発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基板、前記基板上の第1電極、前記第1電極上の有機層、及び前記有機層上の第2電極、を含み、前記第1電極は、前記有機層に隣接した第1面と前記第1面に対向する第2面を有し、前記第2電極は、前記有機層に隣接した第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、前記第1電極の第2面及び前記第2電極の第2面のうち、少なくとも一面に光効率改善層が形成されており、前記光効率改善層は、下記化学式1で表示される縮合環化合物を含む有機発光素子が提供される。
【化1】

…(化学式1)
【0010】
前記化学式1において、環Aは、下記化学式2または化学式3で表示される。
【0011】
【化2】

…(化学式2)
【0012】
【化3】

…(化学式3)
【0013】
前記化学式1〜3のうち、C〜Cは炭素原子であり、R〜R12は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される第1置換基、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar−Ar13]で表示される第2置換基、及び−(Ar−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される第3置換基からなる群から選択され、前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、a、b、c、e及びfは、互いに独立して、0〜10の整数であり、dは、1〜10の整数であり、−(Ar−Ar11で表示される基のうち、a個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar12で表示される基のうち、b個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar13で表示される基のうち、c個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar15で表示される基のうち、e個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar16で表示される基のうち、f個のArは互いに同じか異なりうる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、前記化学式1で表示される縮合環化合物を含む光効率改善層を有する有機発光素子は、従来よりも光効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一具現例に係る有機発光素子の構造を概略的に示す図面である。
【図2】本発明の他の一具現例に係る有機発光素子の構造を概略的に示す図面である。
【図3】本発明のさらに他の一具現例に係る有機発光素子の構造を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明の一具現例に係る有機発光素子10の断面図を概略的に示す図面である。
【0018】
有機発光素子10は、基板11、第1電極13、有機層15、第2電極17及び光効率改善層18を順次に備える。第1電極13は、前記有機層15に隣接した第1面13A及び前記第1面13Aに対向する第2面13Bを有し、第2電極17は、前記有機層15に隣接した第1面17A及び前記第1面17Aに対向する第2面17Bを有する。前記第2電極17は、光透過型電極であって、有機層15で生成された光は第2電極17を過ぎて光効率改善層18を通過して有機発光素子10の外部に取出され、光効率改善層18は、第2電極17の第2面17B上に形成されている。前記第1電極13は、反射型電極でありうる。
【0019】
前記基板11としては、通常の有機発光素子として使われる基板を使用できるが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板を使用しうる。
【0020】
前記第1電極13は、基板上に第1電極用物質を蒸着法またはスパッタリング法などを利用して提供することによって形成しうる。前記第1電極13がアノードである場合、正孔注入を容易にするために、第1電極用物質は高い仕事関数を有する物質から選択されうる。前記第1電極13は、反射型電極または透過型電極でありうる。第1電極用伝導性に優れた酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などを利用しうる。または、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)なども第1電極13用の物質として使用しうる。前記第1電極13は、単層である場合もあり、互いに異なる物質からなる多層構造を有することもできるなど、多様な変形が可能である。例えば、前記第1電極13は、ITO/Ag/ITOのような多層構造を有することができる。
【0021】
前記第1電極13の上部には、有機層15が備わっている。本明細書において、“有機層”とは、第1電極と第2電極との間に介在されたあらゆる層を包括して指すものであって、前記有機層は、金属錯体なども含むものであって、必ずしも有機物からなる層のみを意味するものではない。
【0022】
前記有機層15は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち、1つ以上の層を含みうる。
【0023】
正孔注入層(HIL)は、前記第1電極13上に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して形成しうる。
【0024】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、例えば、蒸着温度約100〜約500℃、真空度約10−8〜約10−3torr、蒸着速度約0.01〜約100Å/secの範囲で選択され、これに限定されるものではない。
【0025】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2000rpm〜約5000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃〜200℃の温度範囲で選択され、これに限定されるものではない。
【0026】
正孔注入層物質としては、公知された正孔注入材料を使用できるが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(N,N’−diphenyl−N,N’−bis−[4−(phenyl−m−tolyl−amino)−phenyl]−biphenyl−4,4’−diamine:DNTPD)、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、m−MTDATA[4,4’,4’’−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine]、NPB(N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(N,N’−di(1−naphthyl)−N,N’−diphenylbenzidine))、TDATA、2T−NATA、Pani/DBSA(Polyaniline/Dodecylbenzenesulfonicacid:ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)、PEDOT/PSS(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene)/Poly(4−styrenesulfonate):ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート))、Pani/CSA(Polyaniline/Camphorsulfonicacid:ポリアニリン/カンファースルホン酸)またはPANI/PSS(Polyaniline)/Poly(4−styrenesulfonate):ポリアニリン)/ポリ(4−スチレンスルホネート))などを使用できるが、これらに限定されない。
【0027】
【化4】



【0028】
前記正孔注入層の厚さは、約100Å〜約10000Å、例えば、約100Å〜約1000Åでありうる。前記正孔注入層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしにも、十分な正孔注入特性が得られる。
【0029】
次いで、前記正孔注入層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して正孔輸送層(HTL)を形成しうる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲から選択されうる。
【0030】
前記正孔輸送層物質としては、公知された正孔輸送材料を利用して形成できるが、例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)などの芳香族縮合環を有するアミン誘導体、TCTA(4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N−carbazolyl)triphenylamine))のようなトリフェニルアミン系物質のような公知された正孔輸送物質を使用しうる。この中、例えば、TCTAの場合、正孔輸送の役割以外にも、発光層からのエキシトンの拡散を防止する役割も行える。
【0031】
【化5】


【0032】
前記正孔輸送層の厚さは、約50Å〜約1000Å、例えば、約100Å〜約800Åでありうる。前記正孔輸送層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしにも、十分な正孔輸送特性が得られる。
【0033】
前記正孔輸送層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して発光層(EML)を形成しうる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲から選択されうる。
【0034】
前記発光層は、公知の発光材料(ホスト及びドープ剤をいずれも含む)を使用しうる。公知のホストの例としては、Alq、CBP(4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル)、PVK(ポリ(n−ビニルカルバゾール))、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、TCTA、TPBI(1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3,5−tris(N−phenylbenzimidazole−2−yl)benzene))、TBADN(3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン)、E3、DSA(ジスチリルアリーレン)などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
【化6】




PVK



ADN
【0036】
一方、公知された赤色ドープ剤としてPtOEP、Ir(piq)、BtpIr(acac)などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
【化7】

【0038】
また、公知された緑色ドープ剤として、Ir(ppy)(ppy=フェニルピリジン)、Ir(ppy)(acac)、Ir(mpyp)などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
【化8】

【0040】
一方、公知された青色ドープ剤として、FIrpic、(F2ppy)Ir(tmd)、Ir(dfppz)、ter−フルオレン(fluorene)、4,4’−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ビフェニル(DPAVBi)、2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン(TBPe)などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
【化9】

【0042】
【化10】

DPAVBi




TBPe

【0043】
前記発光層がホスト及びドープ剤を含む場合、ドープ剤の含量は、通常、ホスト約100重量部を基準に約0.01〜約15重量部の範囲で選択され、これに限定されるものではない。
【0044】
前記発光層の厚さは、約100Å〜約1000Å、例えば、約100Å〜約600Åでありうる。前記発光層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしにも優秀な発光特性を奏しうる。
【0045】
発光層に、燐光ドープ剤と共に使用する場合には、三重項励起子または正孔の電子輸送層への拡散現象を防止するために、前記電子輸送層と発光層との間に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法などの方法を利用して正孔阻止層(HBL)を形成しうる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により正孔阻止層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲から選択されうる。公知の正孔阻止材料も使用できるが、その例としては、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などを挙げられる。
【0046】
前記正孔阻止層の厚さは、約50Å〜約1000Å、例えば、約100Å〜約300Åでありうる。前記正孔阻止層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしにも、優秀な正孔阻止特性が得られる。
【0047】
次いで、電子輸送層(ETL)を真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法により電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲から選択されうる。前記電子輸送層の材料としては、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定して輸送する機能を行うものであって、公知の電子輸送物質を利用できる。その例としては、キノリン誘導体、特にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)、TAZ、Balq、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オラト)(berylliumbis(benzoquinolin−10−olate:Bebq2)のような公知の材料を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【化11】


TAZ



【0048】
前記電子輸送層の厚さは、約100Å〜約1000Å、例えば、約150Å〜約500Åでありうる。前記電子輸送層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしにも十分な電子輸送特性が得られる。
【0049】
また電子輸送層の上部に負極から電子の注入を容易にする機能を有する物質である電子注入層(EIL)が積層され、これは特に材料を制限しない。
【0050】
前記電子注入層の形成材料としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層の形成材料として公知された任意の物質を利用しうる。前記電子注入層の蒸着条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲から選択されうる。
【0051】
前記電子注入層の厚さは、約1Å〜約100Å、約3Å〜約90Åでありうる。前記電子注入層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに十分な電子注入特性が得られる。
【0052】
このような有機層15の上部には光透過型電極である第2電極17が備わっている。前記第2電極は、電子注入電極であるカソードでありうるが、この際、前記第2電極形成用の物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を使用しうる。前記第2電極用物質としては、例えば、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを利用しうるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
本明細書において、“光透過型電極”とは、可視光線波長帯(例えば、380nm〜780nmの範囲)の光を50%以上、例えば、70%以上、具体的には90%以上透過させる電極を示し、これは当業者に容易に理解されうるものである。
【0054】
前記光透過型電極の第2電極17のうち、有機層15に隣接した第1面17Aに対向する第2面17Bの上部には光効率改善層18が形成されている。
【0055】
前記光効率改善層18は、下記化学式1で表示される縮合環化合物を含む。
【0056】
【化12】

…(化学式1)
【0057】
前記化学式1において、環Aは、下記化学式2または化学式3で表示される。
【0058】
【化13】

…(化学式2)
【0059】
【化14】

…(化学式3)
【0060】
前記化学式1,2及び3のうち、C〜Cは炭素原子であり、R〜R12は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される第1置換基、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar−Ar13]で表示される第2置換基、及び−(Ar−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される第3置換基からなる群から選択される。
【0061】
前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択されうる。例えば、前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C14アリーレン基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリーレン基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
具体的に、前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のペンタレニレン基(pentalenylene)、置換または非置換のインデニレン基(indenylene)、置換または非置換のナフチレン基(naphthylene)、置換または非置換のアズレニレン基(azulenylene)、置換または非置換のヘプタレニレン基(heptalenylene)、置換または非置換のインダセニレン基(indacenylene)、置換または非置換のアセナフタレン基(acenaphthylene)、置換または非置換のフルオレニレン基(fluorenylene)、置換または非置換のフェナレニレン基(phenalenylene)、置換または非置換のフェナントレニレン基(phenanthrenylene)、置換または非置換のアントラセニレン基(anthracenylene)、置換または非置換のフルオランテニレン基(fluoranthenylene)、置換または非置換のトリフェニレニレン基(triphenylenylene)、置換または非置換のピレニレン基(pyrenylene)、置換または非置換のキリセニレン基(chrysenylene)、置換または非置換のナフタセニレン基(naphthacenylene)、置換または非置換のピセニレン基(picenylene)、置換または非置換のペリレニレン基(perylenylene)、置換または非置換のペンタフェニレン基(pentaphenylene)、置換または非置換のヘキサセニレン基(hexacenylene)、置換または非置換のピロリレン基(pyrrolylene)、置換または非置換のピラゾリレン基(pyrazolylene)、置換または非置換のイミダゾリレン基(imidazolylene)、置換または非置換のイミダゾリニレン基(imidazolinylene)、置換または非置換のイミダゾピリジニレン基(imidazopyridinylene)、置換または非置換のイミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、置換または非置換のピリジニレン基(pyridinylene)、置換または非置換のピラジニレン基(pyrazinylene)、置換または非置換のピリミジニレン基(pyrimidinylene)、置換または非置換のインドリレン基(indolylene)、置換または非置換のプリニレン基(purinylene)、置換または非置換のキノリニレン基(quinolinylene)、置換または非置換のフタラジニレン基(phthalazinylene)、置換または非置換のインドリジニレン基(indolizinylene)、置換または非置換のナフチリジニレン基(naphthyridinylene)、置換または非置換のキナゾリニレン基(quinazolinylene)、置換または非置換のシノリニレン基(cinnolinylene)、置換または非置換のインダゾリレン基(indazolylene)、置換または非置換のカルバゾリレン基(carbazolylene)、置換または非置換のフェナジニレン基(phenazinylene)、置換または非置換のフェナントリジニレン基(phenanthridinylene)、置換または非置換のピラニレン基(pyranylene)、置換または非置換のクロメニレン基(chromenylene)、置換または非置換のベンゾフラニレン基(benzofuranylene)、置換または非置換のチオフェニレン基(thiophenylene)、置換または非置換のベンゾチオフェニレン基(benzothiophenylene)、置換または非置換のイソチアゾリレン基(isothiazolylene)、置換または非置換のベンゾイミダゾリレン基(benzoimidazolylene)、及び置換または非置換のイソキサゾリレン基(isoxazolylene)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
例えば、前記Ar〜Arは、互いに独立して、フェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、ジ(C−C10アルキル)フェニレン基、(C−C14アリール)フェニレン基、ジ(C−C14アリール)フェニレン基、カルバゾリレン基(carbazolylene)、C−C10アルキルカルバゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリレン基、C−C14アリールカルバゾリレン基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリレン基、フルオレニレン基(fluorenylene)、C−C10アルキルフルオレニレン基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニレン基、(C−C14アリール)フルオレニレン基、ジ(C−C14アリール)フルオレニレン基、ナフチレン(naphthylene)基、C−C10アルキルナフチレン基、ジ(C−C10アルキル)ナフチレン基、(C−C14アリール)ナフチレン基、ジ(C−C14アリール)ナフチレン基、アントリレン基、C−C10アルキルアントリレン基、ジ(C−C10アルキル)アントリレン基、(C−C14アリール)アントリレン基、ジ(C−C14アリール)アントリレン基、ピリジニレン基(pyridinylene)、C−C10アルキルピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニレン基、(C−C14アリール)ピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)ピリジニレン基、キノリニレン基(quinolinylene)、C−C10アルキルキノリニレン基、ジ(C−C10アルキル)キノリニレン基、(C−C14アリール)キノリニレン基、ジ(C−C14アリール)キノリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、C−C10アルキルベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリレン基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、C−C10アルキルイミダゾピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。前記C−C10アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられ、前記C−C14アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などを挙げられる。
【0064】
前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。例えば、前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C14アリール基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
具体的に、前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、アセチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、置換または非置換のフェニル基、置換または非置換のペンタレニル基(pentalenyl)、置換または非置換のインデニル基(indenyl)、置換または非置換のナフチル基(naphthyl)、置換または非置換のアズレニル基(azulenyl)、置換または非置換のヘプタレニル基(heptalenyl)、置換または非置換のインダセニル基(indacenyl)、置換または非置換のアセナフチル基(acenaphthyl)、置換または非置換のフルオレニル基(fluorenyl)、置換または非置換のフェナレニル基(phenalenyl)、置換または非置換のフェナントレニル基(phenanthrenyl)、置換または非置換のアントラセニル基(anthracenyl)、置換または非置換のフルオランテニル基(fluoranthenyl)、置換または非置換のトリフェニレニル基(triphenylenyl)、置換または非置換のピレニレニル基(pyrenylenyl)、置換または非置換のクリセニル基(chrysenyl)、置換または非置換のナフタセニル基(naphthacenyl)、置換または非置換のピセニル基(picenyl)、置換または非置換のペリレニル基(perylenyl)、置換または非置換のペンタフェニル基(pentaphenyl)、置換または非置換のヘキサセニル基(hexacenyl)、置換または非置換のピロリル基(pyrrolyl)、置換または非置換のピラゾリル基(pyrazolyl)、置換または非置換のイミダゾリル基(imidazolyl)、置換または非置換のイミダゾリニル基(imidazolinyl)、置換または非置換のイミダゾピリジニル基(imidazopyridinyl)、置換または非置換のイミダゾピリミジニル基(imidazopyrimidinyl)、置換または非置換のピリジニル基(pyridinyl)、置換または非置換のピラジニレン基(pyrazinyl)、置換または非置換のピリミジニル基(pyrimidinyl)、置換または非置換のインドリル基(indolyl)、置換または非置換のプリニル基(purinyl)、置換または非置換のキノリニル基(quinolinyl)、置換または非置換のフタラジニル基(phthalazinyl)、置換または非置換のインドリジニル基(indolizinyl)、置換または非置換のナフチリジニル基(naphthyridinyl)、置換または非置換のキナゾリニル基(quinazolinyl)、置換または非置換のシンノリニル基(cinnolinyl)、置換または非置換のインダゾリル基(indazolyl)、置換または非置換のカルバゾリル基(carbazolyl)、置換または非置換のフェナジニル基(phenazinyl)、置換または非置換のフェナントリジニル基(phenanthridinyl)、置換または非置換のピラニル基(pyranyl)、置換または非置換のクロメニル基(chromenyl)、置換または非置換のベンゾフラニル基(benzofuranyl)、置換または非置換のチオフェニル基(thiophenyl)、置換または非置換のベンゾチオフェニル基(benzothiophenyl)、置換または非置換のイソチアゾリル基(isothiazolyl)、置換または非置換のベンゾイミダゾリル基(benzoimidazolyl)、及び置換または非置換のイソキサゾリル基(isoxazolyl)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
具体的に、前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、アセチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基、ジ(C−C10アルキル)フェニル基、(C−C14アリール)フェニル基、ジ(C−C14アリール)フェニル基、カルバゾリル基(carbazolyl)、C−C10アルキルカルバゾリル基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリル基、C−C14アリールカルバゾリル基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリル基、フルオレニル基(fluorenyl)、C−C10アルキルフルオレニル基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニル基、(C−C14アリール)フルオレニル基、ジ(C−C14アリール)フルオレニル基、ナフチル(naphthyl)基、C−C10アルキルナフチル基、ジ(C−C10アルキル)ナフチル基、(C−C14アリール)ナフチル基、ジ(C−C14アリール)ナフチル基、アントリル基、C−C10アルキルアントリル基、ジ(C−C10アルキル)アントリル基、(C−C14アリール)アントリル基、ジ(C−C14アリール)アントリル基、ピリジニル基(pyridinyl)、C−C10アルキルピリジニル基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニル基、(C−C14アリール)ピリジニル基、ジ(C−C14アリール)ピリジニル基、キノリニル基(quinolinyl)、C−C10アルキルキノリニル基、ジ(C−C10アルキル)キノリニル基、(C−C14アリール)キノリニル基、ジ(C−C14アリール)キノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、C−C10アルキルベンゾイミダゾリル基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリル基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリル基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、C−C10アルキルイミダゾピリジニル基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニル基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニル基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基(imidazopyrimidinyl)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニル基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニル基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニル基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニル基からなる群から選択されうる。前記C−C10アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられ、前記C−C14アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などを挙げられる。
【0067】
前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、下記化学式4A〜4G(化4A〜4G)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
【化15】

【0069】
前記化学式4A〜4Gのうち、Z、Z、Z11及びZ12は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基及びC−C14アリール基からなる群から選択され、p及びqは、互いに独立して、1〜8の整数であり、*はAr、Ar、Ar、ArまたはArとの結合サイトである。例えば、前記第1置換基のうち、aは0であり、Ar11が前記化学式4A〜4Gのうち、いずれか1つで表示される場合、前記化学式4A〜4G中、*は化学式1のバックボーンを構成する環原子のうち1つとの結合サイトであって、これは当業者に容易に理解されうるものである。
【0070】
例えば、前記Z、Z、Z11及びZ12は、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうる。
【0071】
具体的に、前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、化学式5A〜5E(化5A〜5E)のうち、いずれか1つで表示されうるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
【化16】

【0073】
前記化学式のうち、*はAr、Ar、Ar、ArまたはArとの結合サイトである。
【0074】
例えば、前記第1置換基のうち、aが0であり、Ar11が前記化学式5A〜5Eのうち、いずれか1つで表示される場合、前記化学式5A〜5E中、*は化学式1のバックボーンを構成する環原子のうち1つとの結合サイトであって、これは当業者に容易に理解されうるものである。
【0075】
前記a、b、c、e及びfは、互いに独立して、0〜10の整数でありうる。例えば、前記a、b、c、e及びfは、互いに独立して、0、1、2、または3であるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
例えば、aが0である場合、前記第1置換基はAr11であって、前記Ar11は化学式1のバックボーンをなす環原子と直接連結されうる。すなわち、aが0である場合、前記第1置換基は置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基であり得る。
【0077】
例えば、bが0である場合、前記第2置換基のうち、Ar12はNと直接連結されうる。c、e及びfが0である場合も、これと同様に理解されうる。
【0078】
前記dは、1〜10の整数でありうる。例えば、前記dは、1,2または3であるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
前記第3置換基の−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]及び前記第2置換基は、互いに独立して、下記化学式6A〜6K(化6A〜6K)のうちいずれか1つで表示されうる。
【0080】
【化17】

【0081】
前記化学式のうち、Z〜Z及び Z11〜Z14は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、C−C10アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)及びC−C14アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基)からなる群から選択され、p、q、r及びsは、互いに独立して、1〜8の整数であり、*はArまたは化学式1のバックボーンをなす環原子との結合サイトである。
前記化学式1において、第1置換基の−(Ar−Ar11で表示される基のうち、a個のArは互いに同じか異なり、第2置換基の−(Ar−Ar12で表示される基のうち、b個のArは互いに同じか異なり、第2置換基の−(Ar−Ar13で表示される基のうち、c個のArは互いに同じか異なり、第3置換基の−(Ar−Ar15で表示される基のうち、e個のArは互いに同じか異なり、第3置換基の−(Ar−Ar16で表示される基のうち、f個のArは互いに同じか異なりうる。
【0082】
前記化学式1において、前記R〜R12は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、第1置換基、第2置換基、及び第3置換基からなる群から選択され、前記第1置換基のうち、aは0であり(すなわち、R〜R12のうち、いずれか1つが前記第1置換基である場合、Ar11が化学式1のバックボーンをなす環原子と直接連結される)、前記第2置換基のうち、b及びcは、0または1であり、前記第3置換基のうち、dは、1または2であり、e及びfは、0または1であり、前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C14アリーレン基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、及び前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C14アリール基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。
【0083】
例えば、前記R〜R12は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、第1置換基、第2置換基、及び第3置換基からなる群から選択され、前記第1置換基のうち、aは、0であり、前記第2置換基のうち、b及びcは、0または1であり、前記第3置換基のうち、dは、1または2であり、e及びfは、0または1であり、前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar〜Arは、互いに独立して、フェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、ジ(C−C10アルキル)フェニレン基、(C−C14アリール)フェニレン基、ジ(C−C14アリール)フェニレン基、カルバゾリレン基(carbazolylene)、C−C10アルキルカルバゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリレン基、C−C14アリールカルバゾリレン基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリレン基、フルオレニレン基(fluorenylene)、C−C10アルキルフルオレニレン基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニレン基、(C−C14アリール)フルオレニレン基、ジ(C−C14アリール)フルオレニレン基、ナフチレン(naphthylene)基、C−C10アルキルナフチレン基、ジ(C−C10アルキル)ナフチレン基、(C−C14アリール)ナフチレン基、ジ(C−C14アリール)ナフチレン基、アントリレン基、C−C10アルキルアントリレン基、ジ(C−C10アルキル)アントリレン基、(C−C14アリール)アントリレン基、ジ(C−C14アリール)アントリレン基、ピリジニレン基(pyridinylene)、C−C10アルキルピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニレン基、(C−C14アリール)ピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)ピリジニレン基、キノリニレン基(quinolinylene)、C−C10アルキルキノリニレン基、ジ(C−C10アルキル)キノリニレン基、(C−C14アリール)キノリニレン基、ジ(C−C14アリール)キノリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、C−C10アルキルベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリレン基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、C−C10アルキルイミダゾピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基からなる群から選択され、前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、アセチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基、ジ(C−C10アルキル)フェニル基、(C−C14アリール)フェニル基、ジ(C−C14アリール)フェニル基、カルバゾリル基(carbazolyl)、C−C10アルキルカルバゾリル基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリル基、C−C14アリールカルバゾリル基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリル基、フルオレニル基(fluorenyl)、C−C10アルキルフルオレニル基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニル基、(C−C14アリール)フルオレニル基、ジ(C−C14アリール)フルオレニル基、ナフチル(naphthyl)基、C−C10アルキルナフチル基、ジ(C−C10アルキル)ナフチル基、(C−C14アリール)ナフチル基、ジ(C−C14アリール)ナフチル基、アントリル基、C−C10アルキルアントリル基、ジ(C−C10アルキル)アントリル基、(C−C14アリール)アントリル基、ジ(C−C14アリール)アントリル基、ピリジニル基(pyridinyl)、C−C10アルキルピリジニル基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニル基、(C−C14アリール)ピリジニル基、ジ(C−C14アリール)ピリジニル基、キノリニル基(quinolinyl)、C−C10アルキルキノリニル基、ジ(C−C10アルキル)キノリニル基、(C−C14アリール)キノリニル基、ジ(C−C14アリール)キノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、C−C10アルキルベンゾイミダゾリル基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリル基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリル基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、C−C10アルキルイミダゾピリジニル基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニル基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニル基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基(imidazopyrimidinyl)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニル基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニル基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニル基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニル基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0084】
前記化学式1で表示される縮合環化合物は、下記化学式2a〜2d(化学式1において、環Aが化学式2である)のうち、いずれか1つで表示されうる:
【0085】
【化18】

…(化学式2a)
【0086】
【化19】

…(化学式2b)
【0087】
【化20】

…(化学式2c)
【0088】
【化21】

…(化学式2d)
【0089】
前記化学式2a〜2dにおいて、R〜R12、Ar〜Ar、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、Ar16、a、b、c、d、及びfについての詳細な説明は前述した内容を参照する。
【0090】
前記化学式2a〜2dにおいて、前記Arは、フェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、ジ(C−C10アルキル)フェニレン基、(C−C14アリール)フェニレン基、ジ(C−C14アリール)フェニレン基、カルバゾリレン基(carbazolylene)、C−C10アルキルカルバゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリレン基、C−C14アリールカルバゾリレン基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリレン基、フルオレニレン基(fluorenylene)、C−C10アルキルフルオレニレン基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニレン基、(C−C14アリール)フルオレニレン基、ジ(C−C14アリール)フルオレニレン基、ナフチレン(naphthylene)基、C−C10アルキルナフチレン基、ジ(C−C10アルキル)ナフチレン基、(C−C14アリール)ナフチレン基、ジ(C−C14アリール)ナフチレン基、アントリレン基、C−C10アルキルアントリレン基、ジ(C−C10アルキル)アントリレン基、(C−C14アリール)アントリレン基、ジ(C−C14アリール)アントリレン基、ピリジニレン基(pyridinylene)、C−C10アルキルピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニレン基、(C−C14アリール)ピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)ピリジニレン基、キノリニレン基(quinolinylene)、C−C10アルキルキノリニレン基、ジ(C−C10アルキル)キノリニレン基、(C−C14アリール)キノリニレン基、ジ(C−C14アリール)キノリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基(pyridinylene)、C−C10アルキルベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリレン基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、C−C10アルキルイミダゾピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基からなる群から選択されうる。前記化学式2a〜2dにおいて、dは、1,2または3でありうる。例えば、前記化学式2a〜2dにおいて、Arは、フェニレン基であり、dは、1または2であるが、これらに限定されるものではない。
【0091】
前記化学式2a〜2dにおいて、−(Ar−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される第3置換基の−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]は、前記化学式6A〜6Kのうちいずれか1つで表示されうる。
【0092】
前記化学式2a〜2cにおいて、R及びRは、第1置換基であるが、第1置換基のうち、aは0でありうる。例えば、前記化学式2a〜2cにおいて、R及びRは、第1置換基であるが、第1置換基のうち、aは0であり、Ar11は置換または非置換のC−C14アリール基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。具体的に、前記化学式2a〜2cにおいて、R及びRはフェニル基であり得る。
【0093】
前記化学式2dにおいて、Rは第1置換基であるが、第1置換基のうち、aは0でありうる。例えば、前記化学式2dにおいて、Rは第1置換基であるが、第1置換基のうち、aは0であり、Ar11は、置換または非置換のC−C14アリール基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。具体的に、前記化学式2dにおいて、R及びRはフェニル基であり得る。
【0094】
または、前記化学式1で表示される縮合環化合物は、下記化学式3a〜3e(化学式1において環Aが化学式3である)において、いずれか1つで表示されうる。
【0095】
【化22】

…(化学式3a)
【0096】
【化23】

…(化学式3b)
【0097】
【化24】

…(化学式3c)
【0098】
【化25】

…(化学式3d)
【0099】
【化26】

…(化学式3e)
【0100】
前記化学式3a〜3eにおいて、R〜R12、Ar〜Ar、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、Ar16、a、b、c、d、及びfについての詳細な説明は前述した内容を参照する。
【0101】
前記化学式3a〜3eにおいて、前記Arは、フェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、ジ(C−C10アルキル)フェニレン基、(C−C14アリール)フェニレン基、ジ(C−C14アリール)フェニレン基、カルバゾリレン基(carbazolylene)、C−C10アルキルカルバゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリレン基、C−C14アリールカルバゾリレン基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリレン基、フルオレニレン基(fluorenylene)、C−C10アルキルフルオレニレン基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニレン基、(C−C14アリール)フルオレニレン基、ジ(C−C14アリール)フルオレニレン基、ナフチレン(naphthylene)基、C−C10アルキルナフチレン基、ジ(C−C10アルキル)ナフチレン基、(C−C14アリール)ナフチレン基、ジ(C−C14アリール)ナフチレン基、アントリレン基、C−C10アルキルアントリレン基、ジ(C−C10アルキル)アントリレン基、(C−C14アリール)アントリレン基、ジ(C−C14アリール)アントリレン基、ピリジニレン基(pyridinylene)、C−C10アルキルピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニレン基、(C−C14アリール)ピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)ピリジニレン基、キノリニレン基(quinolinylene)、C−C10アルキルキノリニレン基、ジ(C−C10アルキル)キノリニレン基、(C−C14アリール)キノリニレン基、ジ(C−C14アリール)キノリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基(pyridinylene)、C−C10アルキルベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリレン基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、C−C10アルキルイミダゾピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基からなる群から選択されうる。
【0102】
前記化学式3a〜3eにおいて、dは1,2または3でありうる。例えば、前記化学式3a〜3eにおいて、Arはフェニレン基であり、dは1または2であるが、これらに限定されるものではない。
【0103】
前記化学式3a〜3eにおいて、−(Ar−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される第3置換基の−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]は、前記化学式6A〜6Kのうちいずれか1つで表示されうる。
前記化学式3a〜3dにおいて、R及びRは第1置換基であるが、第1置換基のうち、aは0でありうる。例えば、前記化学式3a〜3dにおいて、R及びRは第1置換基であるが、第1置換基のうち、aは0であり、Ar11は置換または非置換のC−C14アリール基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。具体的に、前記化学式3a〜3dのうち、R及びRはフェニル基であり得る。
【0104】
前記化学式3eにおいて、Rは第1置換基であるが、第1置換基のうち、aは0でありうる。例えば、前記化学式3eにおいて、Rは第1置換基であるが、第1置換基のうち、aは0であり、Ar11は置換または非置換のC−C14アリール基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。具体的に、前記化学式3eにおいて、R及びRはフェニル基であり得る。
【0105】
前記化学式1で表示される縮合環化合物は、下記化学式1−1〜1−25で表される化合物であるが、これらに限定されるものではない。
【0106】
【化27】


…(化学式1−1)




…(化学式1−2)
【0107】
【化28】


…(化学式1−3)




…(化学式1−4)
【0108】
【化29】


…(化学式1−5)



…(化学式1−6)
【0109】
【化30】


…(化学式1−7)


…(化学式1−8)
【0110】
【化31】


…(化学式1−9)


…(化学式1−10)
【0111】
【化32】


…(化学式1−11)



…(化学式1−12)
【0112】
【化33】


…(化学式1−13)


…(化学式1−14)
【0113】
【化34】


…(化学式1−15)


…(化学式1−16)
【0114】
【化35】


…(化学式1−17)


…(化学式1−18)
【0115】
【化36】


…(化学式1−19)


…(化学式1−20)
【0116】
【化37】


…(化学式1−21)


…(化学式1−22)
【0117】
【化38】


…(化学式1−23)


…(化学式1−24)
【0118】
【化39】

…(化学式1−25)
【0119】
本明細書において、非置換のC−C30アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどが挙げられ、置換されたC−C30アルキル基は前記非置換のC−C30アルキル基のうち、1つ以上の水素原子がハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、燐酸やその塩、またはC−C30アルキル基、C−C30アルケニル基、C−C30アルキニル基、C−C30アリール基、C−C20ヘテロアリール基、−N(Q)(Q)、及び−Si(Q)(Q)(Q)(ここで、Q〜Qは、互いに独立して、水素、C−C30アルキル基、C−C30アルケニル基、C−C30アルキニル基、C−C30アリール基、及びC−C20ヘテロアリール基からなる群から選択される)で置換されたものである。一方、置換または非置換のC−C30アルキレン基は、前述したような置換または非置換のC−C30アルキル基と同じ構造を有するが、2価連結基という点のみが異なる基である。
【0120】
本明細書において、非置換のC−C30アルコキシ基(またはC−C30アルコキシ基)は−OA(但し、Aは前述したような非置換のC−C30アルキル基である)の化学式を有し、その具体例として、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシなどがあり、これらアルコキシ基のうち、少なくとも1つ以上の水素原子は、前記置換されたC−C30アルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。
【0121】
本明細書において非置換のC−C30アルケニル基は、前記非置換のC−C30アルキル基の中間や最終端に1つ以上の炭素二重結合を含有していることを意味する。例えば、エテニル、プロペニル、ブテニルなどがある。これら非置換のC−C30アルケニル基のうち、少なくとも1つ以上の水素原子は、前記置換されたC−C30アルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。一方、置換または非置換のC−C30アルケニレン基は、前述したような置換または非置換のC−C30アルケニル基と同じ構造を有するが、2価連結基という点のみが異なる基である。
【0122】
本明細書において、非置換のC−C30アルキニル基は、前記定義されたようなC−C30アルキル基の中間や最終端に1つ以上の炭素三重結合を含有していることを意味する。例えば、エチニル(ethynyl)、プロピニル(propynyl)などがある。これらアルキニル基のうち、少なくとも1つ以上の水素原子は、前記置換されたC−C30アルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。
【0123】
本明細書において非置換のC−C30アリール基は、1つ以上の芳香族環を含む炭素原子数5〜30のカルボ環芳香族システムを有する1価(monovalent)基を意味し、非置換のC−C30アリーレン基は、1つ以上の芳香族環を含む炭素原子数5〜30のカルボ環芳香族システムを有する2価(divalent)基を意味する。前記アリール基及びアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに融合されうる。前記アリール基及びアリーレン基のうち、1つ以上の水素原子は、前記置換されたC−C30アルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。
【0124】
前記非置換のC−C30アリール基の例としては、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、アントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネリル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基などが挙げられ、置換されたC−C30アリール基の例は、前述したような非置換のC−C30アリール基の例と前記置換されたC−C30アルキル基の置換基とを参照して容易に認識しうる。前記置換または非置換のC−C30アリーレン基の例は、前記置換または非置換のC−C30アリール基の例を参照して容易に認識されうる。
【0125】
本明細書において非置換のC−C30ヘテロアリール基は、N、O、PまたはSのうち、選択された1つ以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCの1つ以上の芳香族環からなるシステムを有する1価基を意味し、非置換のC−C30ヘテロアリーレン基は、N、O、PまたはSのうち、選択された1つ以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである1つ以上の芳香族環からなるシステムを有する2価基を意味する。ここで、前記ヘテロアリール基及びヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合されうる。前記ヘテロアリール基及びヘテロアリーレン基のうち、1つ以上の水素原子は前述のC−C30アルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。
【0126】
前記非置換のC−C30ヘテロアリール基の例としては、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基などを挙げられる。前記非置換のC−C30ヘテロアリーレン基の例は、前記置換または非置換のC−C30アリーレン基の例を参照して容易に認識されうる。
【0127】
前記化学式1を有する縮合環化合物は、公知の有機合成方法を利用して合成しうる。前記縮合環化合物の合成方法は、後述する実施例を参照して当業者に容易に認識されうる。
前述したような化学式1で表示される縮合した化合物を含む光効率改善層18は高い屈折率を有するところ、有機発光素子の光効率、特に外部発光効率向上に寄与しうる。例えば、前記光効率改善層18は、可視光線波長帯(例えば、約380nm〜約780nmの範囲)の光、例えば、約630nmの波長の光に対して1.7以上、例えば、1.7〜2.5の屈折率、具体的には1.8〜2.5の屈折率を有することができる。例えば、前記化合物1及び3は、約630nmの波長の光に対して各々、約1.975の屈折率及び約2.301の屈折率を有することができる。
【0128】
有機発光素子は、通常、多様な材料からなる多数の層が積層された構造を有するために、有機層で生成された光の一部以上は素子内の複数の層を通過しつつ、全反射によって、有機発光素子の外部の空気中に取出されず、素子内で消滅されうる。このように有機発光素子の外部への取出効率である外部発光効率が低い場合、有機層内での光変換効率が高くても、有機発光素子の全体光効率は低下しうる。しかし、前記光効率改善層18は、有機層15で生成された光が第2電極17を過ぎて空気中に進行する時、補強干渉の原理によって有機発光素子の外部への取出効率を増加させうるので、有機発光素子の光効率の改善に大きく寄与しうる。
【0129】
図1において、光効率改善層18は、第2電極17の第2面17Bに接触して形成されたものと図示されているが、光効率改善層18と第2電極17との間には必要によって多様な層がさらに備えられうる。一方、図1には、図示していないが、光効率改善層18の上部には、有機発光素子10の密封のための公知された構造の密封層がさらに備えられうるなど、多様な変形例が可能である。
【0130】
図2は、本発明の他の一具現例に係る有機発光素子20を簡略に図示したものである。有機発光素子20は、基板21、光効率改善層28、第1電極23、有機層25及び第2電極27が順次に積層された構造を有する。第1電極23は、前記有機層25に隣接した第1面23A及び前記第1面23Aに対向する第2面23Bを有し、第2電極27は、前記有機層25に隣接した第1面27A及び前記第1面27Aに対向する第2面27Bを有し、光効率改善層28は、前記第1電極23の第2面23Bの下部に形成されている。前記第1電極23は、光透過型電極であり、前記第2電極27は、反射型電極でありうる。有機層25で生成された光は、第1電極23を過ぎて光効率改善層28を通過して外部に取り出されうる。有機発光素子20をなす各層についての詳細な説明は、前述した内容を参照すれば良い。前述したような化学式1で表示される縮合環化合物を含む光効率改善層28は高い屈折率を有するところ、有機層25で生成された光は、補強干渉の原理によって効果的に空気中に取り出されうるので、改善された光効率特性を有することができる。
図3は、本発明のさらに他の一具現例に係る有機発光素子30を簡略に図示したものである。有機発光素子30は、基板31、第1光効率改善層38、第1電極33、有機層35、第2電極37及び第2光効率改善層39を順次に備える。第1電極33は、前記有機層35に隣接した第1面33A及び前記第1面33Aに対向する第2面33Bを有し、第2電極37は、前記有機層35に隣接した第1面37A及び前記第1面37Aに対向する第2面37Bを有し、第1光効率改善層38は、第1電極33の第2面33Bの下部に形成されており、第2光効率改善層39は、第2電極37の第2面37Bの上部に形成されている。有機発光素子30のうち、第1電極31及び第2電極37は、光透過型電極であって、有機層35で生成された光は第1電極31及び第2電極37を過ぎて各々第1光効率改善層38及び第2光効率改善層39を通じて空気中に取出されうる。有機発光素子30をなす各層についての詳細な説明は、前述した内容を参照すれば良い。前述したような化学式1で表示される縮合環化合物を含む第1光効率改善層38及び第2光効率改善層39は、高い屈折率を有するところ、有機層35で生成された光は、補強干渉の原理によって効果的に空気中に取出されうるので、改善された光効率特性を有することができる。
【0131】
一方、本発明の一具現例に係る有機発光素子の有機層は、R、G及びB画素別にパターニングされうる。したがって、前記有機層は、赤色発光有機層、緑色発光有機層及び青色発光有機層からなりうる。
【0132】
この際、前述したような化学式1で表示される縮合環化合物を含む光効率改善層は、R、G及びB画素に対して共通層として形成されうる。前記光効率改善層がR、G及びB画素に対して共通層として形成される場合、その厚さは500Å〜800Å、例えば、600Å〜700Åでありうる。前記範囲を満たす場合、優秀な光効率改善効果が得られる。
または、前記光効率改善層は、光効率改善層−R、光効率改善層−G及び光効率改善層−Bのうち、1つ以上からなりうる。すなわち、前記光効率改善層は、R、G及びB別にパターニングされうる。
【0133】
本明細書において、“光効率改善層−R”という用語は、R画素に対応する領域に形成されている光効率改善層を示す。
【0134】
本明細書において、“光効率改善層−G”という用語は、G画素に対応する領域に形成されている光効率改善層を示す。
【0135】
本明細書において、“光効率改善層−B”という用語は、B画素に対応する領域に形成されている光効率改善層を示す。
【0136】
前記光効率改善層−R、光効率改善層−G及び光効率改善層−Bの厚さは互いに同一であるか、異なりうる。
【0137】
以下では、合成例及び実施例を挙げて、本発明の一具現例に係る有機発光素子についてさらに具体的に説明するが、本発明が下記の合成例及び実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0138】
[合成例1:化合物1の合成]
下記反応式1aによって化合物Fを合成した。
【0139】
【化40】

…(反応式1a)
【0140】
[化合物Bの合成]
1L丸底フラスコ(round flask)に1,4−シクロヘキサンジオン(1,4−cyclohexanedione)(34.9g、0.31mole)、フェニルヒドラジン・HCl(phenylhydrazin・HCl)(90g、0.62mol)及び酢酸(1mL)を入れてエタノール(600mL)を添加した。これから収得した混合物を50℃で1時間加熱して常温に冷却し、生成された固体をろ過してエタノールで数回洗浄した後、真空乾燥してピンク色の化合物Aを73g(80%収率)収得した。5L丸底フラスコ(round flask)に酢酸(600mL)と硫酸(120mL)を混ぜて発生する熱を氷バス(ice bath)で冷やした。化合物A(217.5g、0.74mole)を添加し、0℃で10分間激しく攪拌した後、氷バス(Ice bath)を除去し、常温でさらに10分間攪拌した。ヒートマントル(Heat ingmantle)を装着して加熱し始めた。45℃付近で反応が開始されれば、加熱を中止して攪拌し続けた。混合物が安定するならば、徐々に常温に冷やして常温で攪拌した。これにより生成された固体をろ過して、酢酸、水、エチルエーテルの順に洗浄した後、真空乾燥して、化合物Bを51g(26.7%収率)収得した。
【0141】
1H NMR(300MHz、DMSO−d6)による測定データは以下のとおりである。δ11.01(2H)、8.19(2H)、8.10(2H)、7.45(2H)、7.36(2H)、7.12(2H)
【0142】
[化合物Cの合成]
1,2−ジクロロベンゼン(1,2−dichlorobenzene)1Lに化合物B(30g、0.117mol)を混合した混合物に、18−クラウン−6(18−crown−6)(6.2g、0.2eq.)、KCO(129.5g、8eq.)、Cu(29.8g、4eq.)及びブロモベンゼン(bromobenzene)(99.4g、3eq.)を添加し、180℃まで加熱した。170〜180℃を保持しつつ、2日間反応させて得た混合物を常温に冷却させ、シリカゲルパッドでろ過しつつ、トルエンで数回洗浄した。これにより収得したろ過液を濃縮してメタノールを添加して固体を析出させた後、析出された固体化合物をろ過した。これをエチルアセテートで洗浄しつつ、ろ過して真空乾燥して化合物Cを14.4g(21.7%)収得した。
【0143】
1H NMR(300MHz、DMSO)による測定データは以下のとおりである。δ8.31(2H)、8.21(2H)、7.90(6H)、7.72(4H)、7.40(4H)、7.24(2H)
【0144】
[化合物Dの合成]
化合物C 4.08g(10mmol)を80%酢酸100mLに入れた後、ヨウ素1.357g(5.35mmol)と過ヨウ素酸(HIO)0.333g(1.46mmol)を固体状態で添加した後、窒素雰囲気で80℃、2時間攪拌した。反応終了後、ジクロロメタン(50mL)で3回抽出した後、収得した有機層をマグネシウムサルフェートで乾燥して溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物Dを6.14g(収率87%)得た。
【0145】
1H NMR(300MHz、DMSO)による測定データは以下のとおりである。δ8.28(1H)、8.25(1H)、8.06(1H)、7.90−7.86(6H)、7.71(4H)、7.38−7.32(4H)、7.21(2H)
【0146】
[化合物Fの合成]
化合物D 5.34g(10mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)([1,1’−Bis(diphenylphosphino)ferrocene]dichloropalladium(II):PdCl(dppf)](0.5mmol)、ビス(ピナコレート)ジボロン(bis(pinacolate)diboron)2.66g(10.5mmol)、酢酸カリウム3.92g(20mmol)をジメチルスルホキシド(DMSO)200mLに添加した後、窒素雰囲気下で90℃及び6時間条件で攪拌した。これより収得した混合物を常温に冷却させて300mL水に混合物を注いで白色沈殿を形成した。前記沈殿物を数回水洗しつつ、ろ過して固体化合物を収得した後、減圧乾燥して化合物Eを4.65g(87%)収得した。前記化合物Eをトルエン150mLに溶かして、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(1−bromo−4−iodobenzene)2.46g(8.7mmol)、テトラキス(トリフェニルホスファン)パラジウム(0)(Tetrakis(triphenylphosphane)palladium(0):Pd(PPh)200mg(2mol%)を添加して、KCO 2.4g(17.4mmol)の水溶液100mLを加えて80℃で6時間反応した。反応終了後、ジクロロメタン(50mL)で3回抽出した後、収得した有機層をマグネシウムサルフェートで乾燥して溶媒を蒸発して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物Fを6.2g(79%)収得した。
【0147】
1H NMR(300MHz、DMSO)による測定データは以下のとおりである。δ8.25(1H)、8.17(1H)、8.10(1H)、7.99(2H)、7.95−7.87(5H)、7.83−7.80(6H)、7.76−7.72(4H)、7.70−7.58(3H)
【0148】
[化合物1の合成]
下記反応式1bによって化合物1(化学式1−1で表される化合物)を合成した。
【0149】
【化41】

…(反応式1b)
【0150】
化合物F 3g(5.32mmol)とジフェニルアミン1.08g(6.38mmol)をトルエンに溶解させて窒素雰囲気下でトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム)(Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium:Pd(dba))97.4mg(0.11mmol)とトリ(t−ブチル)ホスフィン22mg(0.11mmol)を添加した。次いで、NaOtBu 1.62g(15.96mmol)を添加した後、80℃で4時間攪拌した。これより収得した混合物を常温に冷却させてジクロロメタンで3回抽出した後、これより収得した有機層をマグネシウムサルフェートで乾燥して溶媒を除去して得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物1を2.64g(76%)収得した。
【0151】
1H NMR(300MHz、DMSO)による測定データは以下のとおりである。δ8.25(1H)、8.14(2H)、8.06(1H)、7.97(2H)、7.88−7.79(11H)、7.73(2H)、7.58−7.41(6H)、7.37(2H)、7.24(2H)、7.08−6.96(4H)
【0152】
[合成例2:化合物3の合成]
下記反応式2によって化合物3(化学式1−3で表される化合物)を合成した。
【化42】

…(反応式2)
【0153】
化合物F 3g(5.32mmol)と前記アミン化合物2.31g(6.38mmol)をトルエンに添加して窒素雰囲気下でトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0):Pd(dba))97.4mg(0.11mmol)とトリ(t−ブチル)ホスフィン22mg(0.11mmol)を添加した。次いで、NaOtBu1.62g(15.96mmol)を添加した後、80℃で4時間攪拌した。これより収得した混合物を常温に冷やしてジクロロメタンで3回抽出した後、収得された有機層をマグネシウムサルフェートで乾燥して溶媒を除去して収得した残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物3を3.11g(69%)収得した。
【0154】
1H NMR(300MHz、DMSO)による測定データは以下のとおりである。δ8.34(1H)、8.27(1H)、8.09−8.03(4H)、7.98−7.94(3H)、7.90−7.88(3H)、7.82−7.78(14H)、7.73−7.70(5H)、7.58−7.50(2H)、7.23−7.08(6H)、1.78(6H)
【0155】
[実施例1]
ガラス基板上にアノードとしてITO(70Å)/Ag(1000Å)/ITO(70Å)層を各々形成した後、前記アノード上にm−MTDATAを真空蒸着して200Å厚さの正孔注入層を形成した後、前記正孔注入層の上部に前記α−NPDを真空蒸着して10Å厚さの正孔輸送層を形成した。前記正孔輸送層の上部にホストとしてDSA 97重量%、ドープ剤としてTBPeを3重量%使用して150Å厚さの発光層を形成した。前記発光層の上部にAlq3を真空蒸着して200Å厚さの電子輸送層を形成した。前記電子輸送層の上部にLiFを真空蒸着して10Å厚さの電子注入層を形成した後、Mg:Agを真空蒸着して200Å厚さのカソードを形成した。その後、前記カソード上部に前記化合物1を真空蒸着して光効率改善層を形成した。
【0156】
[実施例2]
光効率改善層材料として化合物1の代わりに化合物3を使用したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法で有機発光素子を完成した。
【0157】
[比較例1]
光効率改善層の材料として化合物1の代わりに、Alq3(約630nm波長の光に対して1.685の屈折率を有する)を使用したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法で有機発光素子を完成した。
【0158】
[評価例]
実施例1及び2と比較例1の有機発光素子の発光効率をPR650 Spectroscan Source Measurement Unit.(Photo Research社製)を利用して評価した。その結果は下記表1の通りである。
【0159】
【表1】

【0160】
前記表1から、実施例1及び2の有機発光素子は、比較例1の有機発光素子に比べて外部発光効率が向上したということが確認できる。
【0161】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0162】
10 有機発光素子
11 基板
13 第1電極
15 有機層
17 第2電極
18 光効率改善層
13A 第1電極の第1面
13B 第1電極の第2面
17A 第2電極の第1面
17B 第2電極の第2面



【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上の第1電極と、
前記第1電極上の有機層と、
前記有機層上の第2電極と、を含み、
前記第1電極は、前記有機層に隣接した第1面と前記第1面に対向する第2面を有し、前記第2電極は、前記有機層に隣接した第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、前記第1電極の第2面及び前記第2電極の第2面のうち、少なくとも一面に光効率改善層が形成されており、前記光効率改善層は、下記化学式1で表示される縮合環化合物を含む有機発光素子。
【化1】

…(化学式1)
前記化学式において、環Aは、下記化学式2または化学式3で表示され、
【化2】

…(化学式2)
【化3】

…(化学式3)
前記化学式1〜3のうち、
〜Cは炭素原子であり、
〜R12は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される第1置換基、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar−Ar13]で表示される第2置換基、及び−(Ar−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される第3置換基からなる群から選択され、
前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、
前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、
a、b、c、e及びfは、互いに独立して、0〜10の整数であり、
dは、1〜10の整数であり、
−(Ar−Ar11で表示される基のうち、a個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar12で表示される基のうち、b個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar13で表示される基のうち、c個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar15で表示される基のうち、e個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar16で表示される基のうち、f個のArは互いに同じか異なる。
【請求項2】
前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C14アリーレン基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリーレン基からなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
前記Ar〜Arは、互いに独立して、フェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、ジ(C−C10アルキル)フェニレン基、(C−C14アリール)フェニレン基、ジ(C−C14アリール)フェニレン基、カルバゾリレン基(carbazolylene)、C−C10アルキルカルバゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリレン基、C−C14アリールカルバゾリレン基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリレン基、フルオレニレン基(fluorenylene)、C−C10アルキルフルオレニレン基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニレン基、(C−C14アリール)フルオレニレン基、ジ(C−C14アリール)フルオレニレン基、ナフチレン(naphthylene)基、C−C10アルキルナフチレン基、ジ(C−C10アルキル)ナフチレン基、(C−C14アリール)ナフチレン基、ジ(C−C14アリール)ナフチレン基、アントリレン基、C−C10アルキルアントリレン基、ジ(C−C10アルキル)アントリレン基、(C−C14アリール)アントリレン基、ジ(C−C14アリール)アントリレン基、ピリジニレン基(pyridinylene)、C−C10アルキルピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニレン基、(C−C14アリール)ピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)ピリジニレン基、キノリニレン基(quinolinylene)、C−C10アルキルキノリニレン基、ジ(C−C10アルキル)キノリニレン基、(C−C14アリール)キノリニレン基、ジ(C−C14アリール)キノリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、C−C10アルキルベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリレン基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、C−C10アルキルイミダゾピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基からなる群から選択されたことを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C14アリール基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、アセチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基、ジ(C−C10アルキル)フェニル基、(C−C14アリール)フェニル基、ジ(C−C14アリール)フェニル基、カルバゾリル基(carbazolyl)、C−C10アルキルカルバゾリル基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリル基、C−C14アリールカルバゾリル基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリル基、フルオレニル基(fluorenyl)、C−C10アルキルフルオレニル基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニル基、(C−C14アリール)フルオレニル基、ジ(C−C14アリール)フルオレニル基、ナフチル(naphthyl)基、C−C10アルキルナフチル基、ジ(C−C10アルキル)ナフチル基、(C−C14アリール)ナフチル基、ジ(C−C14アリール)ナフチル基、アントリル基、C−C10アルキルアントリル基、ジ(C−C10アルキル)アントリル基、(C−C14アリール)アントリル基、ジ(C−C14アリール)アントリル基、ピリジニル基(pyridinyl)、C−C10アルキルピリジニル基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニル基、(C−C14アリール)ピリジニル基、ジ(C−C14アリール)ピリジニル基、キノリニル基(quinolinyl)、C−C10アルキルキノリニル基、ジ(C−C10アルキル)キノリニル基、(C−C14アリール)キノリニル基、ジ(C−C14アリール)キノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、C−C10アルキルベンゾイミダゾリル基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリル基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリル基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、C−C10アルキルイミダゾピリジニル基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニル基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニル基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基(imidazopyrimidinyl)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニル基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニル基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニル基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニル基からなる群から選択されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、下記化学式4A〜4Gからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【化4】

前記化学式4A〜4Gのうち、Z、Z、Z11及びZ12は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基及びC−C14アリール基からなる群から選択され、p及びqは、互いに独立して、1〜8の整数であり、*はAr、Ar、Ar、ArまたはArとの結合サイトである。
【請求項7】
前記Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、化学式5A〜5Eのうち、いずれか1つで表示されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【化5】

前記化学式5A〜5Eのうち、*はAr、Ar、Ar、ArまたはArとの結合サイトである。
【請求項8】
a、b、c、e及びfが互いに独立して、0、1,2または3であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項9】
dが1,2または3であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記第3置換基の−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]及び前記第2置換基が互いに独立して、下記化学式6A〜6Kのうちいずれか1つで表示されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【化6】

前記化学式6A〜6Kのうち、Z〜Z及び Z11〜Z14は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基及びC−C14アリール基からなる群から選択され、p、q、r及びsは、互いに独立して、1〜8の整数であり、*はAr4または化学式1のバックボーンをなす環原子との結合サイトである。
【請求項11】
前記R〜R12は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、第1置換基、第2置換基、及び第3置換基からなる群から選択され、前記第1置換基のうち、aは0であり、前記第2置換基のうち、b及びcは0または1であり、前記第3置換基のうち、dは1または2であり、e及びfは0または1であり、前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C14アリーレン基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、及び前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C14アリール基、及び置換または非置換のC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記R〜R12は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、第1置換基、第2置換基、及び第3置換基からなる群から選択され、前記第1置換基のうち、aは0であり、前記第2置換基のうち、b及びcは0または1であり、前記第3置換基のうち、dは1または2であり、e及びfは0または1であり、前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar〜Arは、互いに独立して、フェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、ジ(C−C10アルキル)フェニレン基、(C−C14アリール)フェニレン基、ジ(C−C14アリール)フェニレン基、カルバゾリレン基(carbazolylene)、C−C10アルキルカルバゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリレン基、C−C14アリールカルバゾリレン基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリレン基、フルオレニレン基(fluorenylene)、C−C10アルキルフルオレニレン基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニレン基、(C−C14アリール)フルオレニレン基、ジ(C−C14アリール)フルオレニレン基、ナフチレン(naphthylene)基、C−C10アルキルナフチレン基、ジ(C−C10アルキル)ナフチレン基、(C−C14アリール)ナフチレン基、ジ(C−C14アリール)ナフチレン基、アントリレン基、C−C10アルキルアントリレン基、ジ(C−C10アルキル)アントリレン基、(C−C14アリール)アントリレン基、ジ(C−C14アリール)アントリレン基、ピリジニレン基(pyridinylene)、C−C10アルキルピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニレン基、(C−C14アリール)ピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)ピリジニレン基、キノリニレン基(quinolinylene)、C−C10アルキルキノリニレン基、ジ(C−C10アルキル)キノリニレン基、(C−C14アリール)キノリニレン基、ジ(C−C14アリール)キノリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、C−C10アルキルベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリレン基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、C−C10アルキルイミダゾピリジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニレン基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニレン基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニレン基からなる群から選択され、前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、アセチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基、ジ(C−C10アルキル)フェニル基、(C−C14アリール)フェニル基、ジ(C−C14アリール)フェニル基、カルバゾリル基(carbazolyl)、C−C10アルキルカルバゾリル基、ジ(C−C10アルキル)カルバゾリル基、C−C14アリールカルバゾリル基、ジ(C−C14アリール)カルバゾリル基、フルオレニル基(fluorenyl)、C−C10アルキルフルオレニル基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニル基、(C−C14アリール)フルオレニル基、ジ(C−C14アリール)フルオレニル基、ナフチル(naphthyl)基、C−C10アルキルナフチル基、ジ(C−C10アルキル)ナフチル基、(C−C14アリール)ナフチル基、ジ(C−C14アリール)ナフチル基、アントリル基、C−C10アルキルアントリル基、ジ(C−C10アルキル)アントリル基、(C−C14アリール)アントリル基、ジ(C−C14アリール)アントリル基、ピリジニル基(pyridinyl)、C−C10アルキルピリジニル基、ジ(C−C10アルキル)ピリジニル基、(C−C14アリール)ピリジニル基、ジ(C−C14アリール)ピリジニル基、キノリニル基(quinolinyl)、C−C10アルキルキノリニル基、ジ(C−C10アルキル)キノリニル基、(C−C14アリール)キノリニル基、ジ(C−C14アリール)キノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、C−C10アルキルベンゾイミダゾリル基、ジ(C−C10アルキル)ベンゾイミダゾリル基、(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリル基、ジ(C−C14アリール)ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、C−C10アルキルイミダゾピリジニル基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリジニル基、(C−C14アリール)イミダゾピリジニル基、ジ(C−C14アリール)イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基(imidazopyrimidinyl)、C−C10アルキルイミダゾピリミジニル基、ジ(C−C10アルキル)イミダゾピリミジニル基、(C−C14アリール)イミダゾピリミジニル基、及びジ(C−C14アリール)イミダゾピリミジニル基からなる群から選択されたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項13】
前記縮合環化合物が下記化学式2a〜2dのうち、いずれか1つで表示されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【化7】

…(化学式2a)
【化8】

…(化学式2b)
【化9】

…(化学式2c)
【化10】

…(化学式2d)
前記化学式2a〜2dのうち、
〜R12は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される第1置換基、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar−Ar13]で表示される第2置換基、及び−(Ar−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される第3置換基からなる群から選択され、
前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、
前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、
a、b、c、e及びfは、互いに独立して、0〜10の整数であり、
dは1〜10の整数であり、
−(Ar−Ar11で表示される基のうち、a個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar12で表示される基のうち、b個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar13で表示される基のうち、c個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar15で表示される基のうち、e個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar16で表示される基のうち、f個のAr6は互いに同じか異なる。
【請求項14】
前記縮合環化合物が下記化学式3a〜3eのうちいずれか1つで表示されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【化11】

…(化学式3a)
【化12】

…(化学式3b)
【化13】

…(化学式3c)
【化14】

…(化学式3d)
【化15】

…(化学式3e)
前記化学式3a〜3eのうち、
〜R12は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される第1置換基、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar−Ar13]で表示される第2置換基、及び−(Ar−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される第3置換基からなる群から選択され、
前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、
前記第1置換基〜第3置換基のうち、Ar11、Ar12、Ar13、Ar15、及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、
a、b、c、e及びfは、互いに独立して、0〜10の整数であり、
dは1〜10の整数であり、
−(Ar−Ar11で表示される基のうち、a個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar12で表示される基のうち、b個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar13で表示される基のうち、c個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar15で表示される基のうち、e個のArは互いに同じか異なり、−(Ar−Ar16で表示される基のうち、f個のArは互いに同じか異なる。
【請求項15】
前記第2電極が光透過型電極であり、前記光効率改善層が前記第2電極の第2面の上部に形成されたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記第1電極が光透過型電極であり、前記光効率改善層が前記第1電極の第2面の下部に形成されたことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項17】
前記第1電極及び第2電極が光透過型電極であり、前記光効率改善層が前記第1電極の第2面の下部及び第2電極の第2面の上部に形成されたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項18】
前記有機層がR、G及びB画素別にパターニングされており、前記光効率改善層が前記R、G及びB画素に対して、共通層として形成されたことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記有機層がR、G及びB画素別にパターニングされており、前記光効率改善層が前記R、G及びB画素に対してR画素に対応する領域に形成された光効率改善層−R、前記G画素に対応する領域に形成された光効率改善層−G、及び前記B画素に対応する領域に形成された光効率改善層−Bのうち、1つ以上からなることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の有機発光素子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−216484(P2011−216484A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75116(P2011−75116)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】