説明

有機系発泡流動自硬性鋳型造型用の起泡剤

【課題】従来の砂の下がりがなく、所定の強度が得られ、かつ型張りの発生しない自硬性流動鋳型を造型することができ、起泡性と泡安定性を損なうことなく、低温域(例えば0〜5℃)でも有効成分の均一性が損なわれず液状に保たれる起泡剤を提供する。
【解決手段】特定のスルホコハク酸系界面活性剤を起泡剤の有効成分として用いる。この特定のスルホコハク酸系界面活性剤は、アルキル基がオクタデセニル基であるアルキルアミドスルホコハク酸塩、すなわちオクタデセニルアミドスルホコハク酸塩である。この特定のスルホコハク酸系界面活性剤を有効成分として含む起泡剤が上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機系発泡流動自硬性鋳型造型用の新規起泡剤、特にアルキル基がオクタデセニル基であるアルキルアミドスルホコハク酸塩を有効成分として含む起泡剤に関する。
【背景技術】
【0002】
フラン樹脂、フェノール樹脂、フランフェノール樹脂等の有機系発泡流動自硬性鋳型に発泡剤ないし起泡剤として界面活性剤を添加して流動砂を作製し、これを鋳型として用いる流動鋳型造型法が試みられている。有機系発泡流動自硬性鋳型の造型に際して、発泡剤ないし起泡剤として陰イオン系の界面活性剤や、非イオン系の界面活性剤を使うことが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
発泡剤ないし起泡剤として、例えば、ラウリル(ドデシル)ベンゼンスルホン酸ナトリウムを使用する方法が提案されている。
【0004】
また、陽イオン性界面活性剤と両性界面活性剤は、窒素原子を含むため酸性硬化剤をマスキングする作用があり、発泡剤ないし起泡剤として使用できないことが開示されている(特許文献2参照)。
【0005】
界面活性剤として炭素数6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレン脂肪酸エステル、炭素数6〜22のアルキル基を有するグリセリン脂肪酸エステル、炭素数6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤が好ましく、その他陰イオン型界面活性剤も使用できることが記述されている。エステル型界面活性剤としてポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノパルミテート、陰イオン型としてジアルキルスルホコハク酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
界面活性剤と砂下がりの関係について、気温、砂温、AFC粒度指数およびイグロス値を特定した条件で各種の起泡剤を比較して、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムよりも、スルホコハク酸系界面活性剤であるスルホコハク酸アルキルアミドスルホン酸ナトリウムが最も良好であるとの報告がある(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−10944号公報
【特許文献2】特開平2−211929号公報
【特許文献3】特公平7−67597号公報
【特許文献4】特許第4336474号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、界面活性剤はその化学構造を構成するアルキル基の種類だけでなく、わずかな化学的構造の違いによって界面化学的、物理的性質が大きく変化することが知られており、有機系発泡流動自硬性鋳型の造型に使う場合は、起泡性能だけでなく、鋳型の製造工程での取り扱いの難易に関係する物理的性質までを総合的に考慮して性能を評価しなければならない。
【0009】
また、界面活性剤の種類によっては、外気温の変化によって有効成分の均一性が損なわれ、かつ製造現場での取り出し、計量、添加、混合などの工程で支障が生じるため、安定して使うことが難しい。鋳型造型工程を自動化し安定して効率良く製造するためには、単に起泡性能が良いだけではなく、低温域(例えば0〜5℃)でも有効成分の均一性が損なわれず液状を保つことができる起泡剤の開発が求められる。
【0010】
さらに、自硬性流動鋳型造型において使用される起泡剤は、硫酸とp-キシレンスルホン酸からなる強酸型硬化剤と消泡作用のあるフルフリールアルコールとを多量に含む酸硬化型樹脂が共存するという極めて過酷な条件下において起泡し、かつ消泡することなく起泡状態を持続することが要求される。
【0011】
特許文献4に記載されている自硬性流動鋳型の造型法において、最も良好な起泡剤として使用されるのはスルホコハク酸系界面活性剤であり、より具体的にはスルホコハク酸アルキルアミドスルホン酸ナトリウムが例示されている。しかしながら、特許文献4にはスルホコハク酸アルキルアミドスルホン酸ナトリウムの化学構造を含む全体の化学構造までは開示されていない。特許文献4で使用され、かつ化学構造について開示されていない起泡剤は、より詳しくは、N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸アミド4ナトリウムとN−オクタデシルスルホコハク酸アミド2ナトリウムである。これらの界面活性剤によれば、自硬性流動鋳型の造型の際には、砂下がりがなく、得られる自硬性流動鋳型において所定の強度が得られ、型張りの発生がないため、起泡性能の点では起泡剤としての性能を満たしている。しかしながら、これらの界面活性剤を低温環境下で保管すると、N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸アミド4ナトリウム水溶液の場合、これには製造時の化学反応工程で発生するエチルアルコールが5%程度存在するために成分の一部がゲル状に固形化する現象が発生し、また、N−オクタデシルスルホコハク酸アミド2ナトリウム水溶液の場合には不溶性固形物が析出分離して固形化する。
【0012】
N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸アミド4ナトリウム水溶液を使用する場合は、エチルアルコールを除去すれば低温保管時のゲル状固形物の発生がかなり抑えられるが、エチルアルコールが水と共沸するため水溶液の有効成分量が変化すること、蒸留時の起泡が障害になること、除去費用が別途かかることなどの問題がある。したがって、特許文献4に記載された自硬性流動鋳型造型法について、更なる改良が求められる。
【0013】
アルキルアミンオキシド型界面活性剤及びアルキルベタイン型界面活性剤には、低温域で液状化を保つ効果のあることを見出したが、5℃以下の低温で1カ月以上長期間保管した場合、不溶性固形物が発生する。
【0014】
本発明の課題は、従来の自硬性流動鋳型造型法、特に前記特許文献4の自硬性流動鋳型造型法において使用可能であり、取り扱い性や低温域での均一性において特に優れた自硬性流動鋳型(有機系発泡流動自硬性鋳型)造型用の起泡剤、並びにこれを含む自硬性流動鋳型組成物(有機系発泡流動自硬性鋳型造型用の組成物)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明においては、特定のスルホコハク酸系界面活性剤を起泡剤の有効成分として用いる。この特定のスルホコハク酸系界面活性剤は、アルキル基がオクタデセニル基であるアルキルアミドスルホコハク酸塩、すなわちオクタデセニルアミドスルホコハク酸塩である。この特定のスルホコハク酸系界面活性剤を有効成分として含む起泡剤は、低温域(例えば0〜5℃)で保管された場合でも有効成分の均一性が損なわれず液状に保たれる。特に、特定の構成を有する有機系発泡流動自硬性鋳型造型用の組成物に含有された場合には、その起泡性と泡安定性を損なうことがない。よって、本発明の起泡剤によれば、有機系発泡流動自硬性鋳型を極めて効率良く、かつ安定して造型できる。
【0016】
即ち、本発明は、第一の視点において、
鋳物砂に、酸硬化型樹脂に対して70質量%以下のフルフリールアルコールを含むフラン系、フェノール系酸硬化型樹脂及びこれらを混合した酸硬化型樹脂から選択される少なくとも1種と、硫酸を含む硬化剤とを添加し、起泡剤を流動砂の見かけ密度が1.0〜1.45g/cmとなり十分な流動性を有するよう添加する有機系発泡流動自硬性鋳型の造型に際し用いられ、アルキル基がオクタデセニル基であるアルキルアミドスルホコハク酸塩を有効成分として含むことに特徴を有する有機系発泡流動自硬性鋳型造型用の起泡剤を提供することができる。
【0017】
本発明において、前記鋳物砂を、イグロス値0.5〜6.0質量%の鋳物砂とし、前記酸硬化型樹脂中の有効成分としての樹脂の添加量を、圧縮強度(N/mm)=3.68×有効成分樹脂添加量(質量%)+3.60×流動砂の密度(g/cm)−6.86±1.47の範囲にし、前記硬化剤に対して有効成分硬化剤濃度を、有効成分硬化剤濃度(質量%)=−1.05×気温ないし砂温(℃)+72.25±10の範囲にし、前記硬化剤の添加量を、5%≧硬化剤添加量(質量%)≧0.05×AFS粒度指数−1.5の範囲にし、前記硫酸の添加量を、前記硬化剤に対して1〜40質量%にし、前記起泡剤の添加量を、0.02〜2.0質量%にし、流動砂の可使時間を3〜15分にすることが好ましい。
【0018】
本発明において、前記アルキルアミドスルホコハク酸塩は、N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム又はN−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウムである。
【0019】
本発明において、前記起泡剤には、更に、アルキルアミンオキシド及びアルキルベタインから選ばれる少なくとも1種を混濁抑制剤として含めることができる。
【0020】
本発明の第二の視点において、鋳物砂と、酸硬化型樹脂に対して70質量%以下のフルフリールアルコールを含むフラン系、フェノール系酸硬化型樹脂及びこれらを混合した酸硬化型樹脂から選択される少なくとも1種と、硬化剤と、硫酸と、アルキル基がオクタデセニル基であるアルキルアミドスルホコハク酸塩を有効成分として含む起泡剤とを含み、流動砂の見かけ密度が1.0〜1.45g/cmであることに特徴を有する有機系発泡流動自硬性鋳型用組成物を提供することができる。
【0021】
本発明において、有機系発泡流動自硬性鋳型用組成物については、前記鋳物砂を、イグロス値0.5〜6.0質量%の鋳物砂とし、前記酸硬化型樹脂中の有効成分としての樹脂の含有量を、圧縮強度(N/mm)=3.68×有効成分樹脂含有量(質量%)+3.60×流動砂の密度(g/cm)−6.86±1.47の範囲にし、前記硬化剤に対して有効成分硬化剤濃度を、有効成分硬化剤濃度(質量%)=−1.05×気温ないし砂温(℃)+72.25±10の範囲にし、前記硬化剤の含有量を、5%≧硬化剤含有量(質量%)≧0.05×AFS粒度指数−1.5の範囲にし、前記硫酸の含有量を、前記硬化剤に対して1〜40質量%にし、前記起泡剤の含有量を、0.02〜2.0質量%にし、流動砂の可使時間を、3〜15分にすることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の起泡剤は、低温域(例えば0〜5℃)でも有効成分の均一性が損なわれず液状に保たれるため、有機系発泡流動自硬性鋳型造型用組成物(流動砂)は、その起泡性と泡安定性を損なうことがない。その結果、有機系発泡流動自硬性鋳型を極めて効率良く、かつ安定して造型できる。
【0023】
しかも、本発明の起泡剤を含む有機系発泡流動自硬性鋳型造型用組成物を使用して、砂の下がり、型張りのない、流動鋳型を造型でき、その結果、良好な鋳物を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は、特許第4336474号に記載された自硬性流動鋳型の造型法における造型条件を参考にして容易に実施することができ、この特許文献に記載された内容は、本明細書での引用により、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
【0025】
本発明の起泡剤は、有効成分として、アルキル基がオクタデセニル基であるアルキルアミドスルホコハク酸塩、すなわちオクタデセニルアミドスルホコハク酸塩を含むものである。
【0026】
前記オクタデセニルアミドスルホコハク酸塩として、N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム及びN−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウムが挙げられ、好ましくは、N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム又はN−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウムが選択される。
【0027】
前記オクタデセニルアミドスルホコハク酸塩の添加量(含有量)は、流動砂全量に対して、好ましくは0.02〜2.0質量%程度が選択され、より好ましくは0.25〜2.0質量%程度が選択される。
【0028】
前記オクタデセニルアミドスルホコハク酸塩としては市販されているものを使用することができる。また、前記オクタデセニルアミドスルホコハク酸塩として市販されているものの中には、水溶液の形態にあるものがあり、このようなものも使用することができる。なお、そのような形態にあるものを使用する場合の添加量については、前記同様、流動砂全量に対して、水溶液中の有効成分量で、好ましくは0.02〜2.0質量%程度となるようにすればよい。
【0029】
作用機序について考察してみるならば、本発明の起泡剤に含まれるアルキルアミドスルホコハク酸ナトリウムでは、スルホン酸基と共存するカルボキシル基の数が耐酸性に、アルキル基の炭素数とアミド結合が起泡性に、スルホン酸基とカルボキシル基の配置が泡の安定性に、それぞれ深くかかわっている。また、前記アルキルアミドスルホコハク酸塩型界面活性剤では、アルキルアミンがその全体の立体構造に関係していると考えられ、このアルキルアミンとして不飽和結合を有するオクタデセニルアミンを選択することにより、耐酸性と起泡性と泡安定性において起泡剤としての必要な性能を損なうことなく、これを含む流動砂において低温域、特に5℃以下で長期間、均一な液状を保つことができる。さらに当該界面活性剤の製造にあたって、その製造効率と経済性の点で最も適している。
【0030】
本発明において、前記起泡剤には、更に、混濁抑制剤としてアルキルアミンオキシド型及びアルキルベタイン型の界面活性剤から選択される界面活性剤を適量含有させることができる。これにより、本発明の起泡剤では、その起泡性と泡安定性を損なうことなく、低温(特に5℃以下で)で長期間にわたる保管の際に発生する成分の不均一化現象が一層効果的に防止されて液状に保たれ、有効成分の均一性が確保され、混濁が抑制されうる。
【0031】
前記アルキルアミンオキシド型の界面活性剤として、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられ、前記アルキルベタイン型の界面活性剤として、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0032】
アルキルアミンオキシド型及びアルキルベタイン型の界面活性剤から選択される界面活性剤の添加については、起泡剤の保管場所や保管時期によって決めることが好ましい。例えば、前記起泡剤を製造してから使用されるまでの期間が、気温の高い時期(例えば4月〜9月)であり、保管場所の温度が高くなると予測される場合には、この界面活性剤を添加する必要は特にないが、使用されるまでの期間が、気温の低い時期(例えば10月〜3月)であり、保管場所の温度が低くなる(例えば、0〜5℃)と予測される場合には、この界面活性剤を添加することが好ましい。
【0033】
前記アルキルアミンオキシド型及びアルキルベタイン型の界面活性剤から選択される界面活性剤の添加量については、起泡性能に影響を与えない範囲であれば特に制限はないが、前記オクタデセニルアミドスルホコハク酸塩に対して、有効成分量で、好ましくは1〜10質量%程度、より好ましくは1.5〜7質量%程度が選択される。
【0034】
本発明の起泡剤は、鋳物砂に、酸硬化型樹脂に対して70質量%以下のフルフリールアルコールを含むフラン系、フェノール系酸硬化型樹脂及びこれらを混合した酸硬化型樹脂から選択される少なくとも1種と、硬化剤と、硫酸とを添加し、起泡剤を流動砂の見かけ密度が1.0〜1.45g/cmとなり十分な流動性を有するよう添加する有機系発泡流動自硬性流動鋳型の造型に際し用いることができる。なお、必要な水準の起泡性能を得て所期の目的をより確実に達成するためには、前記鋳物砂を、イグロス値0.5〜6.0質量%の鋳物砂とし、前記酸硬化型樹脂中の有効成分としての樹脂の添加量を、圧縮強度(N/mm)=3.68×有効成分樹脂添加量(質量%)+3.60×流動砂の密度(g/cm)−6.86±1.47の範囲にし、前記硬化剤に対して有効成分硬化剤濃度を、有効成分硬化剤濃度(質量%)=−1.05×気温ないし砂温(℃)+72.25±10の範囲にし、前記硬化剤の添加量を、5%≧硬化剤添加量(質量%)≧0.05×AFS粒度指数−1.5の範囲にし、前記硫酸の添加量を、前記硬化剤に対して1〜40質量%にし、前記起泡剤の添加量を、0.02〜2.0質量%にし、流動砂の可使時間を3〜15分にすることが好ましい。
【0035】
本発明の起泡剤を使用する方法には特に困難はなく、有機系発泡流動自硬性鋳型用の組成物の製造の際に、本発明の起泡剤を他の成分と共に混練すればよい。
【0036】
前記鋳物砂において、そのイグロス(強熱減量)値については、好ましくは0.5〜6.0質量%程度、より好ましくは2.0〜6.0質量%程度が選択される。鋳物砂のイグロス値が0.5質量%未満の場合には砂が下がる傾向にある。また、鋳物砂のイグロス値が6.0質量%を超えると、燃焼物から発生するガスによりブローホール、ピンホール等の鋳造欠陥が発生することがあるので好ましくない。ここで、イグロスとは、灼熱減量もしくは強熱減量と呼ばれるもので、再生砂を1000℃で1時間加熱したときの減量分(%)を示すものである。
【0037】
前記鋳物砂として、珪砂、クロマイト、ジルコン砂、ムライト砂、アルミナ砂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
前記酸硬化型樹脂として、フラン系、フェノール系酸硬化型樹脂及びこれらを混合した酸硬化型樹脂から選択される少なくとも1種が選択されるが、これにはフルフリールアルコールが含まれる。前記酸硬化型樹脂に対するフルフリールアルコールの含有量については、好ましくは70質量%以下、より好ましくは30〜50質量%程度が選択される。前記酸硬化型樹脂に対するフルフリールアルコールの含有量が70%質量%を超えると砂の下がりが発生する傾向にある。
【0039】
前記酸硬化型樹脂の添加量(含有量)については、好ましくは圧縮強度(N/mm)=3.68×有効成分としての酸硬化型樹脂の添加量(質量%)+3.60×流動砂の密度(g/cm)−6.86±1.47を満たす量が選択される。
【0040】
前記硬化剤として、p−キシレンスルホン酸が挙げられる。
【0041】
前記硬化剤の添加量(含有量)については、好ましくは5%≧硬化剤添加量≧0.05×AFS粒度指数−1.6を満たす量が選択される。なお、硬化剤添加量を少なくし、かつ流動砂の流動を安定させるため、流動砂の製造において、流動の種を作る際には、所定の砂量の半分に所定の硬化剤と起泡剤を添加して混練した後、残りの砂を添加する方法が好ましい。
【0042】
ここで、鋳物砂のAFS粒度指数は、以下の式AFS粒度指数=(10×20メッシュ質量%+20×28メッシュ質量%+30×36メッシュ質量%+40×48メッシュ重量%+50×70メッシュ質量%+70×100メッシュ質量%+100×150メッシュ質量%+140×200メッシュ重量%+200×270メッシュ質量%+300×pan質量%)/100により求められる。
【0043】
前記硬化剤に対する有効成分硬化剤の濃度は、好ましくは有効成分硬化剤濃度(質量%)=−1.05×気温ないし砂温+72.25±10を満たすように選択される。なお、前記硬化剤に対する有効成分としての硬化剤の濃度については、より好ましくは、有効成分硬化剤濃度(質量%)=−1.05×気温ないし砂温+72.25±10を満たし、かつ30質量%以上である量が選択される。
【0044】
前記硬化剤には、硫酸が添加されるが、前記硫酸の添加量については、好ましくは1〜40質量%程度、より好ましくは5〜15質量%程度が選択される。砂の下がりの防止のためには1質量%含有させることが必要である。前記硬化剤中の酸の濃度が40質量%を超えると流動性が低下する傾向にある。
【0045】
硬化反応スピードについては、これは砂温や雰囲気温度と密接に関係するため、これらの温度に応じて硬化反応時間を調整することが望ましい。
【0046】
前記流動砂の見かけ密度については、1.0〜1.45g/cm程度が選択される。流動砂の見かけ密度が1.0g/cm未満になると、溶湯のへッド圧により鋳型が変形する現象が起こる傾向にある。また、流動砂の見かけ密度が1.45g/cmを超えると流動性が悪くなる傾向にある。なお、充填密度の調整は樹脂、硬化剤、界面活性剤等の添加剤の量を変更することで行うことができる。
【0047】
前記流動砂の可使時間については、好ましくは3〜15分程度が選択される。流動砂においては、硬化速度を速めれば速めるほど砂の下がりが少なくなるが、あまり硬化速度が速いと砂表面の乾きが発生し、一層目と二層目の砂が接合しなくなるので、可使時間は少なくとも3分以上必要である。また、可使時間が15分を超える場合には、硬化スタートから硬化がほぼ終了するまでの時間が長くなり砂が下がる傾向にある。
【0048】
本発明において得られる有機系発泡流動自硬性鋳型は、流動砂における砂の下がりが問題となる鋳造法に適用可能であるが、特にフルモールド鋳造法において有効な手段となる。
【0049】
本発明においては、前記起泡剤、具体的にはアルキル基がオクタデセニル基であるアルキルアミドスルホコハク酸塩を有効成分として含む起泡剤と、鋳物砂と、酸硬化型樹脂に対して70質量%以下のフルフリールアルコールを含むフラン系、フェノール系酸硬化型樹脂及びこれらを混合した酸硬化型樹脂から選択される少なくとも1種と、硬化剤と、硫酸とを含み、流動砂の見かけ密度が1.0〜1.45g/cmである有機系発泡流動自硬性鋳型用の組成物を提供することができる。なお、本発明の有機系発泡流動自硬性鋳型用の組成物は、前記の内容を参考にして容易に実施することができる。
【0050】
以下、実施例、比較例及び対照例により本発明を詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例、比較例及び対照例に限定されるものではない。
【実施例】
【0051】
[実施例1〜6、比較例1及び2、並びに対照例1〜33]流動砂の調製
各種流動砂を下記の方法によりそれぞれ製造した。なお、界面活性剤(起泡剤)として下記表1及び2の各実施例、比較例及び対照例の欄に記載されたものを使用した。また、これらの界面活性剤は、実施例2において使用したものを除き、全て市販のものである。
【0052】
(流動砂の調製方法)
(1)気温20℃、砂温20℃の条件において、AFS粒度指数40の再生利用したイグロス値3質量%の鋳物砂1Kgと、フルフリールアルコール40質量%を含むフラン樹脂1.3質量%と、硫酸10質量%を含みp−キシレンスルホン酸を水で希釈した有効成分50質量%濃度の酸硬化剤1.2質量%とを用意した。
(2)攪拌機に鋳物砂50〜100g程度を入れ、これに酸硬化剤1.2質量%と有効成分0.25質量%の界面活性剤とを添加して攪拌を開始した。
(3)攪拌開始から3〜3分30秒の時間内に残りの鋳物砂を徐々に添加した。
(4)鋳物砂の投入後、得られた混合物にフラン樹脂1.3質量%を添加して1分30秒間攪拌を行い、流動砂を得た。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
[評価例1] 各種流動砂の比較評価
上記実施例1〜6、比較例1及び2並びに対照例1〜33で得られた各種流動砂について、下記評価方法により評価した。
【0056】
(評価方法)
各種流動砂について、その調製過程における起泡の状況及びその調製後における流動砂の物性(流動性)を、目視により確認することによって、各種界面活性剤の起泡性能を、下記基準に従い評価した。
【0057】

【0058】
(評価結果)
結果を表3及び4に示す。実施例1〜6において得られた流動砂(本発明の起泡剤を含むもの)において界面活性剤(起泡剤)の起泡性能は何れも実用水準であった。したがって、本発明の起泡剤によれば、その起泡性と泡安定性を損なうことなく、良好な流動砂が得られることは明らかである。なお、比較例1及び2において得られた流動砂における界面活性剤の起泡性能も実用水準であった。しかしながら、対照例1〜33において得られた流動砂における界面活性剤の起泡性能は何れも実用水準に達しなかった。
【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
[評価例2]各種界面活性剤の比較評価
上記実施例1〜6並びに比較例1及び2で使用した各種界面活性剤について、下記評価方法により評価した。
【0062】
(評価方法)
各種界面活性剤の35質量%水溶液を、室温(20〜28℃)又は低温(0〜5℃)で、3ヶ月間静置保管して、その状態を目視により確認した。
【0063】
(評価結果)
結果を表5に示す。実施例1〜6において使用した界面活性剤(本発明の起泡剤)は、何れも室温及び低温下での長期(1ヶ月)保管による経時変化はなく、液体の状態を保っていた。これに対して、比較例1及び2において使用した界面活性剤は、低温下での長期(3ヶ月)保管によって、ゲル又は固体の状態に変化した。したがって、本発明の起泡剤は、低温域(特に0〜5℃)での長期保管によっても有効成分の均一性が損なわれず、液体の状態に保たれることは明らかである。
【0064】
【表5】

【0065】
[実施例7〜9及び対照例34]流動砂の調製
各種流動砂を下記の方法によりそれぞれ製造した。
【0066】
(流動砂の調製方法)
(1)気温20℃、砂温20℃の条件において、AFS粒度指数40の再生利用したイグロス値3質量%の鋳物砂1Kgと、フルフリールアルコール40質量%を含むフラン樹脂1.3質量%と、硫酸10質量%濃度のp−キシレンスルホン酸を水で希釈した50質量%濃度水溶液の酸硬化剤1.2質量%とを用意した。
(2)攪拌機に鋳物砂50〜100g程度を入れ、これに酸硬化剤1.2質量%と、界面活性剤としてN−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム35質量%水溶液(有効濃度0.25質量%)とを添加し、更に混濁抑制剤としてラウリルアミンオキサイド35質量%水溶液を、N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム35質量%水溶液100重量部に対して5、10、20又は30重量部となるように添加して攪拌を開始した。
(3)攪拌開始から3〜3分30秒の時間内に残りの鋳物砂を徐々に添加した。
(4)鋳物砂の投入後、得られた混合物にフラン樹脂1.3質量%を添加して1分30秒間攪拌を行い、流動砂を得た。
【0067】
[実施例10〜12及び対照例35]流動砂の調製
N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム35質量%水溶液に替えて、N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウム35質量%水溶液を使用すること以外は、実施例7〜9及び対照例34と同様の方法で流動砂を製造した。
【0068】
[評価例3] 各種流動砂の比較評価
上記実施例7〜12並びに対照例34及び35で得られた各種流動砂について、下記評価方法により評価した。
【0069】
(評価方法)
各種流動砂について、起泡剤を低温(0〜5℃)で1ヶ月静置保管した後、その起泡の状況を、目視により確認することによって、各種界面活性剤の起泡性能を、下記基準に従い評価した。
【0070】

【0071】
(評価結果)
結果を表6及び7に示す。実施例7〜9及び実施例10〜12において得られた流動砂において界面活性剤(起泡剤)の起泡性能は特に優れ、何れも実用水準であった。したがって、本発明の起泡剤によれば、起泡剤を低温域(特に0〜5℃)で長期間保管した後であっても、その起泡性と泡安定性を損なうことなく、良好な流動砂が得られることは明らかである。なお、ラウリルアミンオキサイド35質量%水溶液の含有量が、N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム35質量%水溶液又はN−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウム35質量%水溶液100重量部に対して、20重量部を超えると起泡性能が低下する傾向にある。したがって、混濁抑制剤については、前記オクタデセニルアミドスルホコハク酸塩に対して有効成分1〜10質量%になるように流動砂に添加することが好ましいことが分かる。
【0072】
【表6】

【0073】
【表7】

【0074】
[評価例4]各種界面活性剤の比較評価
上記実施例7〜12並びに対照例34及び35で使用した各種界面活性剤(N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム35質量%水溶液とラウリルアミンオキサイド35質量%水溶液との混合物ないしN−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウム35質量%水溶液とラウリルアミンオキサイド35質量%水溶液との混合物)について、下記評価方法により評価した。
【0075】
(評価方法)
各種界面活性剤を、低温(5℃)で1ヶ月静置保管した後、その状態を目視により確認した。
【0076】
(評価結果)
結果を表8及び9に示す。実施例7〜12並びに対照例34及び35において使用した界面活性剤(本発明の起泡剤)は、何れも低温下での長期(1ヶ月)保管による経時変化はなく、液体の状態を保っていた。したがって、本発明の起泡剤は、低温域(特に0〜5℃)での長期保管によっても有効成分の均一性が一層損なわれず、液体の状態に保たれることは明らかである。
【0077】
【表8】

【0078】
【表9】

【0079】
[実施例13〜15及び対照例36]流動砂の調製
ラウリルアミンオキサイド35質量%水溶液に替えて、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン38質量%水溶液を使用すること以外は、実施例7〜9及び対照例34と同様の方法で流動砂を製造した。
【0080】
[実施例16〜18及び対照例37]流動砂の調製
N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム35質量%水溶液に替えて、N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウム35質量%水溶液を使用し、更にラウリルアミンオキサイド35質量%水溶液に替えて、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン38質量%水溶液を使用すること以外は、実施例7〜9及び対照例34と同様の方法で流動砂を製造した。
【0081】
[評価例5]
上記実施例13〜18並びに対照例36及び37で得られた各種流動砂について、下記評価方法により評価した。
【0082】
(評価方法)
各種流動砂について、起泡剤を低温(0〜5℃)で1ヶ月静置保管した後、その起泡の状況を、目視により確認することによって、各種界面活性剤の起泡性能を、下記基準に従い評価した。
【0083】

【0084】
(評価結果)
結果を表10及び11に示す。実施例13〜15及び実施例16〜18において得られた流動砂において起泡剤の起泡性能は特に優れ、何れも実用水準であった。したがって、本発明の起泡剤によれば、起泡剤を低温域(特に0〜5℃)で長期間保管した後であっても、その起泡性と泡安定性を損なうことなく、良好な流動砂が得られることは明らかである。なお、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン38質量%水溶液の含有量が、N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム35質量%水溶液又はN−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウム35質量%水溶液100重量部に対して、20重量部を超えると起泡性能が低下する傾向にある。したがって、前記オクタデセニルアミドスルホコハク酸塩に対して有効成分1〜10質量%になるように流動砂に添加することが好ましいことが分かる。
【0085】
【表10】

【0086】
【表11】

【0087】
[評価例6]各種界面活性剤の比較評価
上記実施例13〜18並びに対照例36及び37で使用した各種界面活性剤(N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウム35質量%水溶液と2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン38質量%水溶液との混合物ないしN−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウム35質量%水溶液と2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン38質量%水溶液との混合物)について、下記評価方法により評価した。
【0088】
(評価方法)
各種界面活性剤を、低温(5℃)で1ヶ月静置保管した後、その状態を目視により確認した。
【0089】
(評価結果)
結果を表12及び13に示す。実施例13〜18並びに対照例36及び37において使用した界面活性剤(本発明の起泡剤)は、何れも低温下での長期(1ヶ月)保管による経時変化はなく、液体の状態を保っていた。したがって、本発明の起泡剤は、低温域(例えば0〜5℃)での長期保管によっても有効成分の均一性が一層損なわれず、液体の状態に保たれることは明らかである。
【0090】
【表12】

【0091】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳物砂に、酸硬化型樹脂に対して70質量%以下のフルフリールアルコールを含むフラン系、フェノール系酸硬化型樹脂及びこれらを混合した酸硬化型樹脂から選択される少なくとも1種と、硫酸を含む硬化剤とを添加し、起泡剤を流動砂の見かけ密度が1.0〜1.45g/cmとなり十分な流動性を有するよう添加する有機系発泡流動自硬性鋳型の造型に際し用いられ、アルキル基がオクタデセニル基であるアルキルアミドスルホコハク酸塩を有効成分として含むことを特徴とする有機系発泡流動自硬性鋳型造型用の起泡剤。
【請求項2】
前記鋳物砂が、イグロス値0.5〜6.0質量%の鋳物砂であり、前記酸硬化型樹脂中の有効成分としての樹脂の添加量が、圧縮強度(N/mm)=3.68×有効成分樹脂添加量(質量%)+3.60×流動砂の密度(g/cm)−6.86±1.47の範囲にあり、前記硬化剤に対して有効成分硬化剤濃度が有効成分硬化剤濃度(質量%)=−1.05×気温ないし砂温(℃)+72.25±10の範囲にあり、前記硬化剤の添加量が、5%≧硬化剤添加量(質量%)≧0.05×AFS粒度指数−1.5の範囲にあり、前記硫酸の添加量が、前記硬化剤に対して1〜40質量%であり、前記起泡剤の添加量が、0.02〜2.0質量%であり、流動砂の可使時間が3〜15分である請求項1に記載の起泡剤。
【請求項3】
アルキルアミドスルホコハク酸塩が、N−(1,2ジカルボキシエチル)−N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド4ナトリウムである請求項1又は2に記載の起泡剤。
【請求項4】
アルキルアミドスルホコハク酸塩が、N−オクタデセニルスルホコハク酸アミド2ナトリウムである請求項1又は2に記載の起泡剤。
【請求項5】
更に、アルキルアミンオキシド及びアルキルベタインから選ばれる少なくとも1種を混濁抑制剤として含む請求項1〜4の何れか一項に記載の起泡剤。
【請求項6】
前記硬化剤において、有効成分硬化剤濃度が有効成分硬化剤濃度(質量%)=−1.05×気温ないし砂温(℃)+72.25±10の範囲にあり、かつ30質量%以上である請求項1〜5の何れか一項に記載の起泡剤。
【請求項7】
鋳物砂と、酸硬化型樹脂に対して70質量%以下のフルフリールアルコールを含むフラン系、フェノール系酸硬化型樹脂及びこれらを混合した酸硬化型樹脂から選択される少なくとも1種と、硬化剤と、硫酸と、アルキル基がオクタデセニル基であるアルキルアミドスルホコハク酸塩を有効成分として含む起泡剤とを含み、流動砂の見かけ密度が1.0〜1.45g/cmであることを特徴とする有機系発泡流動自硬性鋳型用組成物。
【請求項8】
前記鋳物砂が、イグロス値0.5〜6.0質量%の鋳物砂であり、前記酸硬化型樹脂中の有効成分としての樹脂の含有量が、圧縮強度(N/mm)=3.68×有効成分樹脂含有量(質量%)+3.60×流動砂の密度(g/cm)−6.86±1.47の範囲にあり、前記硬化剤に対して有効成分硬化剤濃度が有効成分硬化剤濃度(質量%)=−1.05×気温ないし砂温(℃)+72.25±10の範囲にあり、前記硬化剤の含有量が、5%≧硬化剤含有量(質量%)≧0.05×AFS粒度指数−1.5の範囲にあり、前記硫酸の含有量が、前記硬化剤に対して1〜40質量%であり、前記起泡剤の含有量が、0.02〜2.0質量%であり、流動砂の可使時間が3〜15分である請求項7に記載の有機系発泡流動自硬性鋳型用組成物。

【公開番号】特開2012−170996(P2012−170996A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37377(P2011−37377)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000155366)株式会社木村鋳造所 (23)
【出願人】(000165000)群栄化学工業株式会社 (108)
【出願人】(592246381)株式会社ミズホケミカル (7)
【Fターム(参考)】