説明

有機電界発光素子、表示装置および照明装置

【課題】電荷が流れることによる劣化が生じにくいホスト材料を使用することにより、寿命および輝度が向上した有機電界発光素子、ならびにそれを使用した表示装置および照明装置を提供する。
【解決手段】陽極12および陰極17との間に配置され、ホスト材料および発光ドーパントを含む発光層14とを具備する有機電界発光素子において、前記ホスト材料として、下記式(1)で表されるジベンゾチオフェン骨格を繰り返し単位として含むポリマーを使用する


(式中、nは20〜10000の整数である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、有機電界発光素子ならびにそれを使用した表示装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代ディスプレイや照明のための発光技術として有機電界発光素子(以下、有機EL素子とも称する)が注目されている。有機EL素子の研究初期は、有機層の発光機構として主に蛍光が用いられてきた。しかし、近年では、より内部量子効率の高いリン光を用いた有機EL素子に注目が集まっている。
【0003】
近年における発光層の構成の主流は、有機材料からなるホスト材料中に、イリジウムや白金などを中心金属とする発光性金属錯体をドープしたものである。発光層におけるホスト材料は、低分子系と高分子系に大別される。低分子系ホスト材料を含む発光層は、主に低分子系ホスト材料と発光ドーパントを真空共蒸着することによって成膜される。高分子系ホスト材料を含む発光層は、主に高分子系ホスト材料と発光ドーパントを混合した溶液を塗布することによって成膜される。高分子系ホスト材料の代表例としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)が挙げられる。
【0004】
ホスト材料として高分子材料を使用する場合、高分子材料中を電荷が流れると、材料自体が分解や副反応を起こして別の物質になる等、様々なメカニズムで高分子材料自体が劣化するという問題が生じる。特に、ポリビニルカルバゾールは、電荷を流しにくい材料であることが既知であり、電荷を流すためには高電圧を印加する必要がある。そのため、材料に対して必要以上の負荷を与えることになり、材料の劣化が生じやすい。以上のことから、電荷が流れても劣化が生じにくいホスト材料が求められている。また、そのような材料を使用することは、有機EL素子の長寿命化にもつながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−299059号公報
【特許文献2】特開2001−160490号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】M. -J. Yang, T. Tsutsui, Jpn. J. Appl. Phys. 2000, 39, L828.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、電荷が流れることによる劣化が生じにくいホスト材料を使用することにより、寿命および輝度が向上した有機電界発光素子、ならびにそれを使用した表示装置および照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、実施形態によれば、互いに離間して配置された陽極および陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され、ホスト材料および発光ドーパントを含む発光層とを具備する有機電界発光素子が提供される。前記ホスト材料として、下記式(1)で表されるジベンゾチオフェン骨格を繰り返し単位として含むポリマーを含むことを特徴とする:
【化1】

【0009】
(式中、nは20〜10000の整数である)。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施形態に係る有機電界発光素子を示す断面図である。
【図2】図2は、実施形態に係る表示装置を示す回路図である。
【図3】図3は、実施形態に係る照明装置を示す断面図である。
【図4】図4は、実施例および比較例に係る有機電界発光素子のELスペクトルを示す図である。
【図5】図5は、実施例および比較例に係る有機電界発光素子における、電流密度と発光効率の関係を示す図である。
【図6】図6は、実施例および比較例に係る有機電界発光素子の寿命を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、実施形態に係る有機電界発光素子を示す断面図である。
【0013】
有機電界発光素子10は、基板11上に、陽極12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16および陰極17を順次形成した構造を有する。正孔輸送層13、電子輸送層15および電子注入層16は、必要に応じて形成される。
【0014】
以下、実施形態に係る有機電界発光素子の各部材について詳細に説明する。
【0015】
発光層14は、陽極側から正孔を、陰極側から電子をそれぞれ受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。この結合によるエネルギーで、発光層中のホスト材料が励起される。励起状態のホスト材料から発光ドーパントへエネルギーが移動することにより、発光ドーパントが励起状態となり、発光ドーパントが再び基底状態に戻る際に発光する。
【0016】
発光層14は、有機材料からなるホスト材料中に、発光性金属錯体(以下、発光ドーパントと称する)をドープした構成をとる。本実施形態においては、ホスト材料として、以下の式(1)で表されるジベンゾチオフェン骨格を繰り返し単位として含むポリマーを含む材料を使用する。以下、下記式(1)で表されるポリマーを、ポリビニルジベンゾチオフェン(PVDBT)とも称する。
【化2】

【0017】
上記式(1)において、nは20〜10000の整数である。nが20未満である場合、一般的には高分子とは定義しにくく、それをホスト材料として使用した場合の塗布製膜性も良くない。一方、nが10000より大きくなると、溶媒に溶けにくくなり、ホスト材料としての適性を欠くことになる。上記式(1)で表されるポリマーとして、特に、数平均分子量が400〜200万のものを使用することが好ましい。
【0018】
上記式(1)で表されるポリマーは、電荷が流れることによる劣化が生じにくい。従って、ホスト材料として上記式(1)で表される化合物を使用することにより、従来よりも寿命の長い有機EL素子を得ることができる。
【0019】
また、ホスト材料として上記式(1)で表されるポリマーを使用して作製した有機EL素子は、同じ量の電流を流した場合に、従来の素子よりも高い発光効率および輝度を得ることができる。
【0020】
上記一般式(1)で表されるポリマーは、既知の化合物である(例えば、J. Polym. Sci. part A: Polym Chem. 35, 2813 (1997)を参照されたい)。しかしながら、これを有機EL素子のホスト材料として使用した例はない。
【0021】
発光ドーパントとしては、燐光発光ドーパントおよび蛍光発光ドーパントのいずれも使用することができ、当該分野で既知の種々の発光ドーパントの中から選択することができる。例えば、以下のような材料を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【化3−1】

【0022】
【化3−2】

【0023】
【化3−3】

【0024】
【化3−4】

【0025】
【化3−5】

【0026】
発光層内の正孔と電子とのキャリアバランスをとり、発光効率を向上させるために、発光層中にさらに電子輸送性材料または正孔輸送性材料を含有させてもよい。
【0027】
発光層14の成膜方法は、薄膜を形成できる方法であれば特に限定されないが、例えばスピンコート法を使用することが可能である。発光ドーパントおよびホスト材料を含む溶液を所望の膜厚に塗布した後、ホットプレート等で加熱乾燥する。塗布する溶液は、予めフィルターでろ過したものを使用してもよい。
【0028】
発光層14の厚さは、10〜100nmであることが好ましい。発光層14におけるホスト材料と発光ドーパントの割合は、本発明の効果を損なわない限り任意である。
【0029】
基板11は、他の部材を支持するためのものである。この基板11は、熱や有機溶剤によって変質しないものが好ましい。基板11の材料としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス等の無機材料、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等のプラスチック、高分子フィルム、およびステンレス鋼(SUS)、シリコン等の金属基板が挙げられる。発光を取り出すため、ガラス、合成樹脂等からなる透明な基板を用いることが好ましい。基板11の形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、用途、目的等に応じて適宜選択することができる。基板11の厚さは、その他の部材を支持するために十分な強度があれば、特に限定されない。
【0030】
陽極12は、基板11の上に積層される。陽極12は、正孔輸送層13または発光層14に正孔を注入する。陽極12の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。通常は、透明または半透明の導電性を有する材料を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で成膜する。例えば、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等を陽極12として使用することができる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、インジウム亜鉛酸化物等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅等が用いられる。特に、ITOからなる透明電極であることが好ましい。また、電極材料として、有機系の導電性ポリマーであるポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等を用いてもよい。陽極12の膜厚は、ITOの場合、30〜300nmであることが好ましい。30nmより薄くすると、導電性が低下して抵抗が高くなり、発光効率低下の原因となる。300nmよりも厚くすると、ITOに可撓性がなくなり、応力が作用するとひび割れが生じる。陽極12は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料からなる層を積層したものであってもよい。
【0031】
正孔輸送層13は、陽極12と発光層14との間に任意に配置される。正孔輸送層13は、陽極12から正孔を受け取り、発光層側へ輸送する機能を有する層である。正孔輸送層13の材料としては、例えば、導電性インクであるポリ(エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレン・スルホン酸)[以下、PEDOT:PSSと記す]のようなポリチオフェン系ポリマーを使用することができるが、これに限定されない。本実施形態においてホスト材料として使用するPVDBTを、正孔輸送層の材料として使用することもできる。正孔輸送層13の成膜方法は、薄膜を形成できる方法であれば特に限定されないが、例えばスピンコート法を使用することが可能である。正孔輸送層13の溶液を所望の膜厚に塗布した後、ホットプレート等で加熱乾燥する。塗布する溶液は、予めフィルターでろ過したものを使用してもよい。
【0032】
電子輸送層15は、任意に、発光層14の上に積層される。電子輸送層13は、電子注入層16から電子を受け取り、発光層14へ輸送する機能を有する層である。電子輸送層15の材料としては、例えば、トリス[3−(3−ピリジル)−メシチル]ボラン[以下、3TPYMBと記す]、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)、バソフェナントロリン(BPhen)等を使用することができるが、これらに限定されない。本実施形態においてホスト材料として使用するPVDBTを、電子輸送層の材料として使用することもできる。電子輸送層15の成膜方法は、正孔輸送層13と同様である。
【0033】
電子注入層16は、任意に、電子輸送層15の上に積層される。電子注入層16は、陰極17から電子を受け取り、電子輸送層15または発光層14へ注入する機能を有する層である。電子注入層16の材料としては、例えば、CsF、LiF等を使用することができるが、これらに限定されない。電子注入層16の成膜方法は、正孔輸送層13と同様である。
【0034】
陰極17は、発光層14(または電子輸送層15もしくは電子注入層16)の上に積層される。陰極17は、発光層14(または電子輸送層15もしくは電子注入層16)に電子を注入する。通常、透明または半透明の導電性を有する材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で成膜する。電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、金属薄膜等が挙げられる。陽極12を仕事関数の高い材料を用いて形成した場合、陰極17には仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。仕事関数の低い材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。具体的には、Li、In、Al、Ca、Mg、Li、Na、K、Yb、Cs等を挙げることができる。
【0035】
陰極17は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料で構成される層を積層したものであってもよい。また、2種以上の金属の合金を使用してもよい。合金の例としては、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
【0036】
陰極17の膜厚は、10〜150nmであることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、抵抗が大きくなりすぎる。膜厚が厚い場合には、陰極17の成膜に長時間を要し、隣接する層にダメージを与えて性能が劣化する。
【0037】
以上、基板の上に陽極を積層し、基板と反対側に陰極を配置した構成の有機電界発光素子について説明したが、陰極側に基板を配置してもよい。
【0038】
図2は、本発明の実施態様に係る表示装置を示す回路図である。
図2に示す表示装置20は、横方向の制御線(CL)と縦方向の信号線(DL)がマトリックス状に配置された回路の中に、それぞれ画素21を配置した構成をとる。画素21には、発光素子25および発光素子25に接続された薄膜トランジスタ(TFT)26が含まれる。TFT26の一方の端子は制御線に接続され、他方の端子は信号線に接続される。信号線は、信号線駆動回路22に接続されている。また、制御線は、制御線駆動回路23に接続されている。信号線駆動回路22および制御線駆動回路23は、コントローラ24により制御される。
【0039】
図3は、本発明の実施態様に係る照明装置を示す断面図である。
照明装置100は、ガラス基板101上に、陽極107、有機EL層106、および陰極105を順次積層した構成をとる。封止ガラス102は、陰極105を覆うように配置され、UV接着剤104を用いて固定される。封止ガラス102の陰極105側の面には、乾燥剤103が設置される。
【実施例】
【0040】
<実施例>
発光層におけるホスト材料としてPVDBTを使用して、有機EL素子を作製した。この素子の層構成は、以下の通りである。
【0041】
ITO 100nm/PEDOT:PSS 50nm/PVDBT:FIrpic 70nm/3TPYMB 10nm/CsF 0.5nm/Al 150nm。
【0042】
陽極は、厚さ100nmのITO(インジウムスズ酸化物)からなる透明電極とした。
【0043】
正孔輸送層の材料には、導電性インクであるポリ(エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレン・スルホン酸)[以下、PEDOT:PSSと称する]の水溶液を用いた。PEDOT:PSSの水溶液をスピンコートによって塗布し、加熱して乾燥させることにより正孔輸送層を50nmの厚さに形成した。
【0044】
発光層の材料には、発光ドーパントとして、ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)イリジウム(III)(以下、FIrpicと称する)を用い、ホスト材料としてポリビニルジベンゾチオフェン(数平均分子量50000、分子量分布3.2)を用いた。重量比で、PVDBT:FIrpic=95:5となるよう秤量し、これらをクロロベンゼンに溶解した溶液をスピンコートによって塗布し、加熱して乾燥させることにより発光層を70nmの厚さに形成した。
【0045】
電子輸送層は、トリス[3−(3−ピリジル)−メシチル]ボラン[3TPYMB]を真空蒸着することにより10nmの厚さに形成した。電子注入層は厚さ0.5nmのCsFで形成し、陰極は厚さ150nmのAlで形成した。
【0046】
<比較例>
比較のために、ホスト材料としてPVKを用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。ここでは、PVKとして、商品名Poly(9−vinylcarbazole)(アルドリッチ社製、カタログ番号368350、分子量分布(重合度)2、数平均分子量25000〜50000)を使用した。
【0047】
<試験例1:ELスペクトル測定>
実施例および比較例に係る有機EL素子について、電圧印加時のエレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルを測定した。測定は、浜松フォトニクス製高感度マルチチャンネル分光器C10027−01を用いて行った。その結果を図4に示す。実施例と比較例のスペクトルは完全に重なっており、いずれの有機EL素子も発光ドーパントが発光していることが確認できた。この結果から、実施例において使用したPVDBTは、有機EL素子のホスト材料として有用であることが分かった。
【0048】
<試験例2:発光特性の比較>
実施例および比較例に係る有機EL素子について、電流密度と発光効率の関係を調べた。発光効率は、輝度測定と電流および電圧の測定を同時に行うことによって求めた。輝度は、浜松フォトニクス社製視感度フィルタ付きSiフォトダイオードS7610を用いて測定した。また、電流および電圧の測定は、HEWLETT PACKARD社製半導体パラメータアナライザ4156bを用いて行った。その結果を図5に示す。
【0049】
図5から、同じ電流密度で比較した場合に、実施例の方が比較例よりも高い発光効率が得られることが分かる。同じ電流密度で比較した場合の発光効率が高いということは、同じ電流密度で比較した場合の輝度も高いことを意味する。
【0050】
<試験例3:素子寿命の比較>
実施例および比較例に係る有機EL素子について、素子寿命を比較した。素子寿命は、輝度を経時的に測定することにより評価した。輝度は、浜松フォトニクス社製視感度フィルタ付きSiフォトダイオードS7610を用いて測定した。
【0051】
その結果を図6に示す。縦軸の規格化輝度とは、時間0における輝度を1として、その後の各時間における輝度を時間0の輝度に対する比で表したものである。すなわち、規格化輝度=各時間における実測の輝度/時間0における輝度という式で表すことができる。図6から、実施例の有機EL素子の寿命は、比較例の有機EL素子の約2.8倍であったことが分かる。この結果から、PVDBTは電荷が流れることによる劣化が生じにくく、これを有機EL素子のホスト材料として使用することにより、長寿命の素子が得られると言える。
【0052】
上記実施形態または実施例によれば、電荷が流れることによる劣化が生じにくいホスト材料を使用することにより、寿命および輝度が向上した有機電界発光素子、ならびにそれを使用した表示装置および照明装置を提供することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
10…有機電界発光素子、11…基板、12…陽極、13…正孔輸送層、14…発光層、15…電子輸送層、16…電子注入層、17…陰極、20…表示装置、21…画素、22…信号線駆動回路、23…制御線駆動回路、24…コントローラ、25…発光素子、26…TFT、100…照明装置、101…ガラス基板、102…封止ガラス、103…乾燥剤、104…UV接着剤、105…陰極、106…有機EL層、107…陽極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間して配置された陽極および陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に配置され、ホスト材料および発光ドーパントを含む発光層と
を具備する有機電界発光素子であって、
前記ホスト材料として、下記式(1)で表されるジベンゾチオフェン骨格を繰り返し単位として含むポリマーを含むことを特徴とする有機電界発光素子:
【化1】

(式中、nは20〜10000の整数である)。
【請求項2】
前記式(1)で表されるポリマーは、数平均分子量が400〜200万であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
前記発光ドーパントは、燐光発光を示す材料であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
前記燐光発光は青色であることを特徴とする、請求項3に記載の有機電界発光素子。
【請求項5】
請求項1に記載の有機電界発光素子を具備することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の有機電界発光素子を具備することを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−190843(P2012−190843A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50622(P2011−50622)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】