説明

有機ELディスプレイ及びそれを用いた画像表示装置

【課題】有機ELディスプレイにおいて消費電力または駆動電圧を低減する技術を提供する。
【解決手段】有機ELディスプレイであって、発光層を含む1以上の層から成る有機層と、当該有機層を挟んで互いに対向する第1及び第2の電極と、をそれぞれ有する複数の有機EL素子を備え、予め設定された前記有機EL素子の最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、前記有機EL素子の発光効率が最大となるピークが位置するように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(Electroluminescent)ディスプレイ及びそれを用いた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電界発光を利用した有機EL素子を利用した有機ELディスプレイが知られている。
【0003】
有機EL素子としては、例えば、発光層を含む有機層を挟んで透明電極と金属電極とを対向配置させたものがある。このような構成の有機EL素子では、透明電極と金属電極との間に電圧または電流を印加して発光層に電流を流すと発光層が発光し、この発光層から出射される光が透明電極を透過して外部に放出される。また、一般的な有機EL素子では、発光層に流れる電流が大きくなるほど発光強度が高くなることが知られている。
【0004】
そして、通常の有機ELディスプレイでは、高輝度の発光が要求されるため、有機EL素子に高い電圧を印加して、発光層に流れる電流密度を大きくすることによって高輝度の発光を得ていた。
【0005】
【特許文献1】特開2003−59651号公報
【特許文献2】特開2002−72629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、有機ELディスプレイでは、最大階調で発光する場合に合わせて必要とされる電圧が決定されるため、当該必要とされる電圧を低減するような工夫を施さなければ、消費電力量や昇圧回路等の電源回路のサイズが増大してしまう。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、有機ELディスプレイにおいて必要とされる電圧を低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、有機ELディスプレイであって、発光層を含む1以上の層から成る有機層と、当該有機層を挟んで互いに対向する第1及び第2の電極とをそれぞれ有する複数の有機EL素子を備え、予め設定された前記有機EL素子の最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内において、前記有機EL素子の発光効率が最大となるピークが位置することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の有機ELディスプレイであって、前記複数の有機EL素子が、第1の色の光を発する第1の有機EL素子と、前記第1の色とは異なる第2の色の光を発する第2の有機EL素子と、前記第1及び第2の色とは異なる第3の色の光を発する第3の有機EL素子とを含み、前記第1から第3の有機EL素子のうちの1以上の有機EL素子について、予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内で、有機EL素子の発光効率が最大となるピークが位置することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の有機ELディスプレイであって、前記第1から第3の有機EL素子のうち、予め設定された最大発光輝度で最も高い電圧を要する有機EL素子について、当該予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内で、発光効率が最大となるピークが位置することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の有機ELディスプレイであって、前記第1から第3の有機EL素子すべてについて、予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、発光効率が最大となるピークが位置することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の有機ELディスプレイにおいて、前記第1の色が赤色、前記第2の色が緑色、前記第3の色が青色であり、前記第1乃至第3の色毎に予め定められた前記有機EL素子の最大発光輝度と、前記有機EL素子の発光効率が最大となる発光輝度との差ΔSpkの値は、前記第1及び第2の有機EL素子よりも前記第3の有機EL素子で小さく、かつ前記第2の有機EL素子よりも前記第1の有機EL素子で小さくそれぞれ設定されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、画像表示装置において、請求項2乃至5のいずれかに記載の有機ELディスプレイと、前記第1の有機EL素子に電力を供給する第1の電源回路と、前記第2の有機EL素子に電力を供給する第2の電源回路と、前記第3の有機EL素子に電力を供給する第3の電源回路と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明は、画像表示装置において、請求項2乃至5のいずれかに記載の有機ELディスプレイと、前記有機EL素子に電力を共通に供給する電源回路と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項6に記載の画像表示装置において、前記第1乃至第3の電源回路に共通に接続されるバッテリーを更に備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項7に記載の画像表示装置において、前記電源回路に接続されるバッテリーを更に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、発光効率が最大となるピークが位置することで、有機EL素子において必要とされる電圧を低減することができるため、有機ELディスプレイで必要とされる電圧を低減することができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、3種類の相互に異なる色の光を発する有機EL素子のうちの1以上の有機EL素子について、予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、発光効率が最大となるピークが位置することで、有機ELディスプレイで必要とされる電圧を低下させることができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、3種類の相互に異なる色の光を発する有機EL素子のうち、最大発光輝度において最も高い電圧を要する有機EL素子について、予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、発光効率が最大となるピークが位置することで、有機ELディスプレイで必要とされる電圧を容易に低減することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明によれば、3種類の相互に異なる色の光を発する有機EL素子すべてについて、予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、発光効率が最大となるピークが位置することで、有機ELディスプレイで必要とされる電圧をより効果的に低減することができる。
【0021】
また、請求項5に記載の発明によれば、赤、緑および青色の有機EL素子毎に予め定められた最大発光輝度と、前記有機EL素子の発光効率が最大となる発光輝度との差ΔSpkの値は、前記赤色及び緑色の有機EL素子よりも前記青色の有機EL素子で小さく、かつ前記緑色の有機EL素子よりも前記赤色の有機EL素子で小さくそれぞれ設定されているため、個々の色の特性を考慮して有機EL素子の前記ピークの位置が調整されることとなる。その結果、有機ELディスプレイの生産性を高く維持しつつ、消費電力を小さく抑えることが可能となる。
【0022】
また、請求項6または請求項7に記載の発明によれば、上述の有機ELディスプレイと、前記第1乃至第3の有機EL素子に個別にまたは共通に電力を供給する電源回路を備えていることから、有機ELディスプレイの消費電力低減によって電源回路を小型化することにより、小型の画像表示装置を実現できる。
【0023】
また、請求項8または請求項9に記載の発明によれば、電源回路に接続されるバッテリーを更に備えていることから、有機ELディスプレイの消費電力低減によってバッテリーを小型化することにより、小型の画像表示装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
<用語に関する記載>
本明細書において、「発光効率」とは、有機EL素子に流れる電流密度(例えば、単位:アンペア毎平方メートル[A/m2])と、有機EL素子から発せられる光の輝度(例えば、単位:カンデラ毎平方メートル[cd/m2])とを測定し、輝度を電流密度で除した値で表される。また、適宜、有機EL素子の発光効率の最大値を基準値である1として、発光効率を示している。
【0026】
<有機ELディスプレイの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ21の構成を概略的に示す断面図である。この有機ELディスプレイ21は、トップエミッションタイプであり、図1に示すように、透明基板であるガラス基板(以下「基板」と略称)23と、その基板23上に形成された素子部25と、その素子部25の上に形成された調整層26と、その調整層26の上から素子部25全体を覆うように形成された封止膜27とを備えている。素子部25は、基板23側から順に、第1の電極31、有機層33及び第2の電極35を備えている。そして、第1及び第2の電極31,35は有機層33を挟み込んで相互に対向している。
【0027】
また、有機ELディスプレイ21では、カラー発光を行うため、図2に示すように、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に対応して第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bが複数配設されている。なお、図2では、図示の便宜上、封止膜27が省略されている。第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bの有機層33には、後述のように、赤、緑、青の各波長の光を発光するのに適した材料が用いられている。
【0028】
調整層26は、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bの光透過特性を調整するためのものである。封止膜27は、有機層33及び第2の電極35等を封止するためのものであり、有機ELディスプレイ21の素子部25が形成される領域を完全に覆うようにして形成されている。封止膜27は、光透過性を有する絶縁材料、例えばSiNx等により形成される。
【0029】
素子部25の構成について説明する。第1の電極31は、有機層33が発光した光の少なくとも一部を有機層33側に反射するようになっており、例えば、Al等の反射電極(不透明電極)によって構成される。
【0030】
第2の電極35は、光を透過する導電材料によって構成される。なお、第2の電極35は、半透明電極又は透明電極とすることができるが、半透明電極で構成される場合には、可視光を透過させるような光学特性を有している必要があるため、電極の膜厚を薄くすることでそのような光学特性を実現している。ここで、透明電極に好適な材料としては、例えばITOやIZO等がある。また、半透明電極に好適な材料としては、Liなどのアルカリ金属、Mg,Ca,Sr,Baなどのアルカリ土類金属、あるいはAl,Si,Ag等がある。
【0031】
有機層33は、図2に示すように、基板23側から順に、正孔又は電子の注入を行うための電荷注入層41と、正孔又は電子の輸送を行うための電荷輸送層43と、EL発光を行う発光層45と、電子又は正孔の輸送を行うための電荷輸送層47と、電子又は正孔の注入を行うための電荷注入層49とを備えている。なお、本実施形態では、有機層33を5層構造で形成したが、種々の条件に応じて2から4層構造等、種々の層構造が採用される。
【0032】
有機層33の構成及び材料は、例えば、第1及び第2の電極31,35の反射特性(不透明、半透明又は透明)及び極性(いずれを陽極側にするか等)、及び有機層33の発光色の種類(赤色、緑色、青色)等に応じて決定される。具体例としては、例えば、Alq3(アルミキノリール錯体)などの材料は、緑色の発光を行うとともに電子輸送性にも優れているため、緑色の発光を行う素子部25においては発光層と電子輸送層とがAlq3などの単一材料で構成される場合がある。また、透明電極を用いる場合には、金属の電子注入層を用いる場合が多い。
【0033】
<発光輝度と発光効率との関係>
図3は、一般的な有機EL素子の発光輝度と発光効率との関係を例示している。図3では、横軸が発光輝度、縦軸が発光効率を示している。そして、発光効率の最大値、及び使用する発光輝度の最大値(以下「最大発光輝度」と称する)がそれぞれ基準値である1とされ、発光輝度と発光効率との関係を示す曲線Cvが示されている。なお、カラー表示可能な有機EL素子では、最も明るい色である白色を表示する場合に発光輝度が最大発光輝度となるように予め設定されている。
【0034】
図3では、発光輝度が最大発光輝度よりも小さな値Spkのときに、発光効率が最大(ピーク値)となる例が示されている。以下では、発光効率の最大値を「最大発光効率」と称し、最大発光効率が実現される発光輝度を「最大効率輝度」と称する。なお、「発光効率」は、発光輝度を電流密度で除することで求められるため、一定の電流に対して光が放出される効率を示している。
【0035】
図4は、一般的な有機EL素子の回路構成を簡略化して示した模式図である。なお、有機EL素子の詳細な回路構成は、トランジスタ等の各種回路が複数組み合わせられて構成されているのが一般的であるが、図4では、図の複雑化を防ぐために、一般的な有機EL素子の回路構成を簡略化した概要を示している。
【0036】
図4に示すように、電源100によって一定の電源電圧Vを掛けた状態で、TFT回路等によって構成されるトランジスタ200により、有機EL素子に対応する発光ダイオード51に流れる電流密度を調整することができる。
【0037】
ところで、有機EL素子では、最大発光輝度時に最も高い電流密度(以下「最大電流密度」とも称する)を要する。このため、最大電流密度が得られるように、電源電圧Vを掛けておく必要性がある。
【0038】
そこで、本願発明者らは、使用される輝度範囲のうちの最大値(最大発光輝度)において、第1から第3の有機EL素子51r、51g、51bの発光効率を向上させるように調節することにより、有機ELディスプレイ21において必要とされる電圧を低減することを創出した。そして、この必要とされる電圧の低減により、昇圧回路等の電源回路の小型化や消費電力の低減を図ることも創出した。
【0039】
<発光効率の調整>
図5は、本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ21の発光輝度と発光効率との関係、すなわち、最大発光輝度近傍において、第1から第3の有機EL素子51r、51g、51bの発光効率が最大となるように調整した場合における発光輝度と発光効率との関係を例示している。
【0040】
なお、図5では、図3と同様に、横軸が発光輝度、縦軸が発光効率を示しており、最大発光効率及び最大発光輝度がそれぞれ基準値である1とされ、発光輝度と発光効率との関係を示す曲線Cv1が示されている。更に、比較のために、図3で示した曲線Cvが破線で示されている。
【0041】
図5に示すように、図3で示された発光輝度と発光効率との関係(曲線Cv)と比較して、本実施形態に係る第1から第3の有機EL素子51r、51g、51bでは、最大効率輝度Spkが高輝度側へシフトしている。そして、最大発光輝度(発光輝度=1)において発光効率がピーク値(最大発光効率)を示している。つまり、最大発光輝度において、第1から第3の有機EL素子51r、51g、51bの発光効率が最大となるように設定されている。
【0042】
このように、最大発光輝度における発光効率を向上させることで、有機ELディスプレイ21において必要とされる電圧を低減することができる。
【0043】
なお、ここでは、図5に示すように、最大発光輝度(発光輝度=1)において発光効率が最大となるように設定した例を示したが、これに限られない。例えば、最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内において、発光効率が最大となるピークが位置するように調整すれば、最大発光輝度における発光効率を向上させることができ、ひいては、有機ELディスプレイ21において必要とされる電圧を低減することができる。但し、有機ELディスプレイ21において必要とされる電圧を極力低減するといった観点から言えば、最大発光輝度において第1から第3の有機EL素子51r、51g、51bの発光効率が最大となるように設定した方が好ましく、最大発光輝度と最大効率輝度Spkとが完全に一致することが最も好ましい。ただし、このような調整は非常に煩雑であることから、各色の最大効率輝度Spkと最大発光輝度との差ΔSpkの値は、B<R<Gの関係が成立するようにすることが好ましい。青色の有機EL素子51bは、RGBの中で短波長であり、発光効率が悪い上に、視感度も低く、最大発光輝度と最大効率輝度Spkとを最も近づけた方が好ましいからである。一方、緑色の有機EL素子51gは、発光効率も良く、視感度も良いため、RGBの中では最大発光輝度と最大効率輝度Spkとを近づける要請が最も低い。したがって、最大効率輝度Spkと最大発光輝度との差ΔSpkの値について、B<R<Gの関係が成立するようにすれば、有機ELディスプレイの生産性低下を良好に防止しつつ、消費電力を小さく抑えることが可能となる。
【0044】
ところで、各有機EL素子51r、51g、51bの最大効率輝度をシフトさせる因子、すなわち発光輝度と発光効率との関係を示す曲線のピーク形状を調整する因子としては、有機層33を構成する各層の膜厚、キャリアの移動度、及び不純物の濃度などが挙げられる。
【0045】
ここで、各有機EL素子51r、51g、51bについての最大効率輝度(すなわち発光輝度と発光効率との関係を示す曲線のピーク形状)の調整に関する因子ついて簡単に説明する。
【0046】
図6は、第1から第3の有機EL素子51r、51g、51bについてのポテンシャルダイヤグラムを例示する図である。ここでは、一例として、第1の電極31としてAlが使用され、第2の電極35としてCaが使用され、電荷注入層41が正孔注入層、電荷輸送層43が正孔輸送層、電荷輸送層47が電子輸送層、電荷注入層49が電子注入層として構成されているものについて示している。
【0047】
このような有機EL素子51r、51g、51bを発光させる場合、図6中の矢印で示すように、正孔が、第1の電極31側から正孔注入層41、正孔輸送層43、発光層45の順に進む一方、電子が、第2の電極35側から電子注入層49、電子輸送層47、発光層45の順に進む。そして、発光層45の発光面EMにおいて正孔と電子とが結合することで、光が発生する。
【0048】
ところで、有機EL素子の発光効率を示す代表的ものとして外部量子効率ηφがある。この外部量子効率ηφは、注入電子数に対して、有機EL素子外部に放射される光子数を割合で示したもので、外部量子効率ηφが高いほど、光子数は多くなる。そして、外部量子効率ηφは、下式(1)によって示される。
【0049】
【数1】

【0050】
式(1)では、γはキャリアバランス因子(電荷バランス)、ηrが励起子生成効率、ηfが励起子からの発光量子効率、ηextが外部取出し効率(光取出し効率)を示している。つまり、外部量子効率ηφは、キャリアバランス因子γ、励起子生成効率ηr、発光量子効率ηf、及び外部取出し効率ηextの4つの積からなる。そして、この4つの値のうち、励起子生成効率ηr、発光量子効率ηf、及び外部取出し効率ηextの3つの値は有機EL素子に流れる電流値の変化があっても基本的に値は変化しない。その一方で、キャリアバランス因子γの値は、有機EL素子に流れる電流値の変化に伴って変化する。よって、図3及び図5で示したように、このキャリアバランス因子γの変化が、発光輝度の変化に対して発光効率のピークを生じさせる。
【0051】
そこで、キャリアバランス因子γを適宜調整することで、発光輝度に対する発光効率を所望のものとすることができると考えられる。
【0052】
ここで、キャリアバランス因子γを変動させる因子として、1)第1及び第2の電極31,35から有機層33への電荷の注入障壁の高さ、2)有機層33におけるキャリアの移動度、3)ドーピングによる有機層33におけるキャリア密度、4)空間電荷制限電流(SCLC)等が挙げられる。
【0053】
1)電荷の注入障壁の高さについては、障壁の高さによって電荷(正孔又は電子)が発光面EMに到達する容易さが左右される。一般に、有機EL素子で使用される有機層では、正孔の方が注入され易いため、例えば、電子注入層49を構成する材料を適宜変更することで電荷の注入障壁の高さを調整し、電子を注入し難くすれば、最大効率輝度を高輝度側にシフトさせることができる。
【0054】
2)有機層33におけるキャリアの移動度については、電荷の流れを阻害する不純物を有機層33にドーピングすることで調整することができる。例えば、正孔が移動する経路上の各層(正孔注入層41、及び正孔輸送層43等)にドーピングされる不純物を減少させて、キャリアの移動度を上昇させることで、電子に対して正孔の移動を相対的に促進させ、結果として最大効率輝度を高輝度側にシフトさせることができる。
【0055】
3)ドーピングによる有機層33におけるキャリア密度は、ドーピングによって向上する。例えば、正孔が移動する経路上の各層(正孔注入層41、及び正孔輸送層43等)の移動度を向上させることで、電子に対して相対的に正孔の移動が促進され、結果として最大効率輝度を高輝度側にシフトさせることができる。
【0056】
4)空間電荷制限電流は、有機層(有機半導体)中にトラップが存在しない場合、下式(2)で示される。
【0057】
【数2】

【0058】
式(2)では、μはキャリアの移動度、ε0は真空の誘電率、εは有機薄膜の誘電率、Vは印加電圧、Lは有機層の膜厚を示している。
【0059】
式(2)から明らかなように、電流値Jは、膜厚の3乗に逆比例する。このため、例えば、有機層33の膜厚を一定に保持したまま、有機層33を構成する各層の膜厚を適宜調整することで、電子の流れを阻害する一方、正孔の流れを促進させることができる。その結果、最大効率輝度を高輝度側にシフトさせることができる。
【0060】
なお、有機ELディスプレイにおける電力効率は、外部量子効率ηφに電圧効率を乗じたものであるため、上記の如く外部量子効率ηφを調整することで、電力効率を向上させることができる。電圧効率は、有機EL素子における電圧効率やTFT回路における電圧降下等の要因によって決まる。
【0061】
以上のように、本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ21では、各有機EL素子51r、51g、51bについて、最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内で、有機EL素子の発光効率が最大となるように設定されている。このような構成を採用することで、各有機EL素子51r、51g、51bにおいて必要とされる電圧を低減することができるため、有機ELディスプレイ21で必要とされる電圧を低減することができる。そして、印加する電圧を低減することができれば、消費電力が電圧に電流を乗じたものであることを考慮すると、結果として、有機ELディスプレイ21における消費電力の低減を図ることができる。
【0062】
また、携帯電話に搭載されるディスプレイやパソコンの画面に適用することを考えれば、これらの画面では静止画を表示することが多く、その際には高い階調(高輝度)の使用頻度が高い。このような用途を考えると、上記のように、高輝度における発光効率を高めておくことで、消費電力の低減を図ることができる。
【0063】
また、印加する電圧が低くても良ければ、電圧を供給する回路(電源回路)や電源回路に接続されるバッテリーの小型化も図ることができ、携帯電話等といった小型の機器に有機ELディスプレイを搭載させる際に有効である。
【0064】
また、特に、最大発光輝度において、各有機EL素子51r、51g、51bの発光効率が最大となるように設定すると、各有機EL素子51r、51g、51bにおいて必要とされる電圧をより効果的に低減することができる。すなわち、有機ELディスプレイ21で必要とされる電圧をより効果的に低減することができる。
【0065】
また、有機層33では、最大効率輝度よりも低い発光輝度時において、電子の数よりも正孔の数の方が多い状態(正孔リッチな状態)となる。そして、例えば、正孔に弱い有機層(図6の電子輸送層47及び電子注入層49)は正孔の侵入によって劣化し易いが、発光層45と電子輸送層47との間に正孔の侵攻を防ぐ正孔ブロック層を設けることで、電子輸送層47及び電子注入層49の劣化を防ぐことができる。その一方で、例えば、電子に弱い有機層(図6の正孔輸送層43及び正孔注入層41)は、電子の侵入によって劣化し易いが、電子ブロック層を形成する材料はほとんど存在しない。このため、有機層33全体を見た場合に、正孔の数よりも電子の数の方が多い状態(電子リッチな状態)となると、電子が正孔輸送層43及び正孔注入層41に侵攻するため、有機層33の劣化が進み易い。この点について、本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ21では、図5に示すように発光効率のピークが比較的高輝度側(図5では、最大発光輝度近傍)に設定されているため、有機層33の劣化が抑制される。
【0066】
<変形例>
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0067】
例えば、上記実施形態では、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51b全てについて、最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内において、発光効率が最大となるように設定したが、これに限られない。例えば、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bのうちの少なくとも1以上の有機EL素子について、最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内において、発光効率が最大となるように設定しても、有機ELディスプレイで必要とされる電圧を低下させることができる。
【0068】
但し、例えば、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bに対してそれぞれ異なる電源回路を備えるような場合には、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51b全てについて、最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内において、発光効率を最大に設定する方が、有機ELディスプレイ21全体として、必要となる電圧および電力消費量の低減、ならびに電源回路やバッテリーの小型化をさらに効果的に行う上で好ましい。
【0069】
また、例えば、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bのうちの少なくとも1以上の有機EL素子について、発光効率が最大発光輝度において最大となるように設定しても、有機ELディスプレイで必要とされる電圧を更に低下させることができる。
【0070】
但し、例えば、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bに対してそれぞれ異なる電源回路を備えるような場合には、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51b全てについて、発光効率が最大発光輝度において最大となるように設定する方が、有機ELディスプレイ21全体として、必要となる電圧および電力消費量の低減、ならびに電源回路の小型化サイズをより一層効果的に行う上で好ましい。
【0071】
また、携帯電話等の小型の機器に有機ELディスプレイを搭載する際には、電源回路の小型化を図るために、例えば、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bに対して、1つの共通の電源回路を用いる場合がある。そして、各有機EL素子51r,51g,51bでは、有機層33の材料の種類や光の波長のエネルギー等に起因して、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bのうち、例えば、第3の有機EL素子51bにおいて発光に要する電圧が最も高くなる場合がある。
【0072】
このように、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bのうち、第3の有機EL素子51bの発光に要する電圧が最も高くなる場合について説明する。なお、ここでは、有機ELディスプレイ21の最高階調の光(すなわち白色光)の輝度が200cd/m2であるものとする。
【0073】
200cd/m2の白色光を得るためには、1つの画素から出射されるB色光の最高輝度が50cd/m2、1つの画素から出射されるR色光の最高輝度が60cd/m2、1つの画素から出射されるG色光の最高輝度が90cd/m2だけ必要となる。
【0074】
そして、50cd/m2のB色光を得るためには、素子が発光している時間の割合(デューティ)と画素の開口率とを考慮すると、実際に光を発する第3の有機EL素子51bでは1428cd/m2の光を発する必要性がある。つまり、第3の有機EL素子51bの最大発光輝度を約1430cd/m2とする必要性がある。
【0075】
図7に示すように、各画素は発光と非発光とを繰り返す特性を有し、素子が発光している時間の割合がデューティである。図8に示すように1つの画素はRGBの発光領域に3分割されており、更に、各色光をそれぞれ発する部分は更に小さくなっている。そして、1つの画素のうち一色の光を発する部分が占める割合が開口率である。なお、ここで、デューティを約44%、開口率を8(=[1/3]×24)%とすると、第3の有機EL素子51bの最大発光輝度として、1430(≒50×[100/44]×[100/8])cd/m2が算出される。また、同様な計算により、第1の有機EL素子51rの最大発光輝度が1714cd/m2と算出され、第2の有機EL素子51gの最大発光輝度が2570cd/m2と算出される。
【0076】
更に、第3の有機EL素子51bが最大発光輝度(1430cd/m2)で発光する際の電圧効率は約170cd/m2/Vであるため、約8.4Vの駆動電圧が必要となる。また、第1の有機EL素子51rが最大発光輝度(1714cd/m2)で発光する際の電圧効率は約230cd/m2/Vであるため、約7.5Vの駆動電圧が必要となる。更に、第2の有機EL素子51gが最大発光輝度(2570cd/m2)で発光する場合の電圧効率は約395cd/m2/Vであるため、約6.5Vの駆動電圧が必要となる。
【0077】
したがって、このような構成では、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bのうち、第3の有機EL素子51bに対して、最も高い駆動電圧(約8.4V)が必要となる。
【0078】
そして、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bに対して共通の電源回路を用いる場合には、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bのうち、少なくとも最大発光輝度において最も高い電圧を要する第3の有機EL素子51bについて、最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内において、発光効率が最大となるように設定すれば、共通の電源回路の電圧を容易に低減することができる。その結果、共通の電源回路の小型化も図ることができる。この場合、共通の電源回路にバッテリーを接続すれば良い。なお、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bに対して共通の電源回路を用いない場合でも、少なくとも最大発光輝度において最も高い電圧を要する第3の有機EL素子51bについて、最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内において、発光効率が最大となるように設定されれば、必要な電圧および電力消費量の低減、ならびに電源回路のサイズの小型化を図ることができる。この場合、第1の有機EL素子51rに対して用いられる第1の電源回路と、第2の有機EL素子51gに対して用いられる第2の電源回路と、第3の有機EL素子51bに対して用いられる第3の電源回路と、に対して共通に接続されるバッテリーが設けられる態様が考えられる。
【0079】
なお、上記では、第1から第3の有機EL素子51r,51g,51bのうち、第3の有機EL素子51bが最大発光輝度において最も高い電圧を要したが、これに限られず、他の有機EL素子51r,51gが最大発光輝度において最も高い電圧を要する場合もある。このような場合には、他の有機EL素子51r,51gが、まず発光効率のピーク位置の調整対象となる。
【0080】
また、上記実施形態では、RGBの3色を発光することができる有機ELディスプレイ21を挙げて説明したが、これに限られず、例えば、モノクロの有機ELディスプレイ等といった、少なくとも1色以上の光を発することができる有機ELディスプレイに対しても本発明を適用することで、有機ELディスプレイにおいて必要とされる電圧を低減することができる。
【実施例】
【0081】
本実施例では、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極の順に積層した有機EL素子を作製した。各層の構成は下記の通りである。
【0082】
(a) 陽極(第1の電極)
材料:ITO
(b) 正孔注入層
材料:CuPc 膜厚:50Å
(c) 正孔輸送層
材料:α−NPD 膜厚:230Å
(d) 発光層
材料:Alq3(ホスト材料):Rubrene(ドーピング材料)
Alq3:Rubrene=99質量%:1質量%
膜厚:240Å
(e) 電子輸送層
材料:Alq 膜厚:200Å
(f) 電子注入層
材料:LiF 膜厚:5Å
(g) 陰極(第2の電極)
材料:Mg:Ag(Mg−Ag合金)、Mg:Ag=90質量%:10質量%
【0083】
図9は、上記の実施例の構成について、発光時における電流密度と発光輝度とを測定し、発光輝度と発光効率との関係を示した図である。図9では、曲線C1が、実施例の構成に係る結果を示している。
【0084】
また、図9では、比較のために、実施例の構成を基準として、各有機層を構成する材料並びに厚みの比率(すなわち基本素子構造)を保持したまま、有機層の合計膜厚を約1.31倍とした比較例1、有機層の合計膜厚を約1.60倍とした比較例2、及び有機層の合計膜厚を約2.00倍とした比較例3の構成に係る結果を示している。なお、曲線C2が、比較例1の構成に係る結果を示し、曲線C3が、比較例2の構成に係る結果を示し、曲線C4が、比較例3の構成に係る結果を示している。
【0085】
なお、ここでは、1430cd/m2が最大発光輝度として設定されているものとして説明する。
【0086】
図9に示すように、実施例の最大効率輝度(発光効率が最大となるときの発光輝度)は約1430cd/m2であり、最大発光輝度と最大効率輝度とが略一致している。これに対して、比較例1の最大効率輝度は1119cd/m2であり、比較例2の最大効率輝度は886cd/m2であり、比較例3の最大効率輝度は640cd/m2であり、最大効率輝度が最大発光輝度付近にはなく、最大発光輝度における発光効率は若干低いものとなっている。
【0087】
このように、各有機層を構成する材料並びに厚みの比率(すなわち基本素子構造)を保持したまま、有機層の合計膜厚を減少させることで、最大効率輝度を変更して、最大発光輝度と最大効率輝度とを略一致させることができる。
【0088】
図10は、上記の実施例の構成について、効率最大輝度と最大発光輝度時に必要な駆動電圧との関係をプロットした図である。図10では、プロットP1が、実施例の構成に係る結果を示している。また、図10では、比較のために、上記比較例1〜3の構成に係る結果を示している。なお、プロットP2が、比較例1の構成に係る結果を示し、プロットP3が、比較例2の構成に係る結果を示し、プロットP4が、比較例3の構成に係る結果を示している。更に、図10では、実施例と比較例1との間の合計膜厚を有する構成に係る結果も示している。なお、実施例の合計膜厚を1とした場合の比較例1〜3ならびにその他の構成について、膜厚、最大発光輝度時の駆動電圧、及び最大効率輝度の関係を示したテーブルを図11に示している。
【0089】
図10に示すように、最高効率輝度を最大発光輝度に近づければ近づける程、最大発光輝度に必要な駆動電圧を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの構成を示す断面図である。
【図3】一般的な有機EL素子の発光輝度と発光効率との関係を例示する図である。
【図4】有機ELディスプレイの回路構成を簡略化して示した模式図である。
【図5】調整後の発光輝度と発光効率との関係を例示する図である。
【図6】有機EL素子のポテンシャルダイヤグラムを示す図である。
【図7】有機EL素子が発光している時間の割合を示す図である。
【図8】画素中を占める発光領域の割合を示す図である。
【図9】実施例及び比較例の発光輝度と発光効率との関係を示す図である。
【図10】実施例及び比較例の最大効率輝度と必要な電圧との関係を示す図である。
【図11】実施例及び比較例についての膜厚、最大発光輝度時の駆動電圧、及び最大効率輝度の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
21 有機ELディスプレイ
23 基板
25 素子部
26 調整層
27 封止膜
31 第1の電極
33 有機層
35 第2の電極
41 正孔注入層(電荷注入層)
43 正孔輸送層(電荷輸送層)
45 発光層
47 電子輸送層(電荷輸送層)
49 電子注入層(電荷注入層)
51 発光ダイオード
51r,51b,51g 有機EL素子
100 電源
Spk 最大効率輝度
V 電源電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ELディスプレイであって、
発光層を含む1以上の層から成る有機層と、当該有機層を挟んで互いに対向する第1及び第2の電極と、をそれぞれ有する複数の有機EL素子を備え、
予め設定された前記有機EL素子の最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、前記有機EL素子の発光効率が最大となるピークが位置することを特徴とする有機ELディスプレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の有機ELディスプレイであって、
前記複数の有機EL素子が、第1の色の光を発する第1の有機EL素子と、前記第1の色とは異なる第2の色の光を発する第2の有機EL素子と、前記第1及び第2の色とは異なる第3の色の光を発する第3の有機EL素子と、を含み、
前記第1から第3の有機EL素子のうちの1以上の有機EL素子について、予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、有機EL素子の発光効率が最大となるピークが位置することを特徴とする有機ELディスプレイ。
【請求項3】
請求項2に記載の有機ELディスプレイであって、
前記第1から第3の有機EL素子のうち、予め設定された最大発光輝度で最も高い電圧を要する有機EL素子について、当該予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、発光効率が最大となるピークが位置することを特徴とする有機ELディスプレイ。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の有機ELディスプレイであって、
前記第1から第3の有機EL素子すべてについて、予め設定された最大発光輝度の90%〜110%の発光輝度の範囲内に、発光効率が最大となるピークが位置することを特徴とする有機ELディスプレイ。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の有機ELディスプレイにおいて、
前記第1の色が赤色、前記第2の色が緑色、前記第3の色が青色であり、
前記第1乃至第3の色毎に予め定められた前記有機EL素子の最大発光輝度と、前記有機EL素子の発光効率が最大となる発光輝度との差ΔSpkの値は、前記第1及び第2の有機EL素子よりも前記第3の有機EL素子で小さく、かつ前記第2の有機EL素子よりも前記第1の有機EL素子で小さくそれぞれ設定されている有機ELディスプレイ。
【請求項6】
画像表示装置において、
請求項2乃至5のいずれかに記載の有機ELディスプレイと、前記第1の有機EL素子に電力を供給する第1の電源回路と、前記第2の有機EL素子に電力を供給する第2の電源回路と、前記第3の有機EL素子に電力を供給する第3の電源回路と、を備えた画像表示装置。
【請求項7】
画像表示装置において、
請求項2乃至5のいずれかに記載の有機ELディスプレイと、前記有機EL素子に電力を共通に供給する電源回路と、を備えた画像表示装置。
【請求項8】
請求項6に記載の画像表示装置において、
前記第1乃至第3の電源回路に共通に接続されるバッテリーを更に備えた画像表示装置。
【請求項9】
請求項7に記載の画像表示装置において、
前記電源回路に接続されるバッテリーを更に備えた画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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