説明

有機ELディスプレイ装置の駆動装置

【課題】有機EL素子に流す定電流値を下げることによってディミング表示を行うときに、走査電極を選択する前に信号電極の電位を高く設定したとしても、有機EL素子の発光輝度をより低い輝度にできるようにする。
【解決手段】ディミング表示を行う場合、プリチャージ期間では、その後の選択期間で選択される走査電極の電位を非選択時電位VCHに設定し、各信号電極の電位をVCHよりも高い電位VPREに設定する。続くオフセット期間では、直後の選択期間で選択される走査電極の電位をVMIDに設定し、直後の選択期間で発光させる画素が存在する列の信号電極から有機EL素子に定電流を流す。定電流を流して電位が収束した信号電極の電位をVDIMとし、発光開始電圧をVとしたときに、VDIM−V<VMID≦VDIMが成立するように電位VMIDを定める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(Electroluminescence )ディスプレイ装置の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、陽極と陰極との間に有機薄膜を有する。有機EL素子は、半導体発光ダイオードに似た特性を有している。すなわち、陰極が陽極よりも高電位となるように両電極間に電圧を印加しても、有機薄膜にはほとんど電流が流れず、有機薄膜は発光しない。逆に、陽極が陰極よりも高電位となるように両極間に所定電圧(発光開始電圧)以上の電圧を印加すると、有機薄膜に電流が流れ、有機薄膜は発光する。この発光を利用した有機ELディスプレイ装置が知られている。
【0003】
なお、陰極が陽極よりも高電位となるように両電極間に電圧を印加した場合には、有機薄膜にほとんど電流は流れないが、微小な電流によって、有機EL素子が有する容量が充電される。
【0004】
有機ELディスプレイ装置では、例えば、複数の走査電極と複数の信号電極とが、有機薄膜を挟んで直交するように配置される。このような有機ELディスプレイ装置では、各走査電極と各信号電極との交差部分が画素として発光する。また、画素はマトリクス状に配置されることになる。この場合、線順次駆動によって有機ELディスプレイ装置を駆動する。すなわち、各走査電極を順次選択し、選択行の表示データに応じて信号電極から選択された走査電極に定電流を流す。
【0005】
線順次駆動で有機ELディスプレイ装置を駆動する場合、発光させない画素と同じ列に存在する有機EL素子であって、選択されていない行に存在する有機EL素子には、逆バイアスの電圧が印加され、電荷が蓄積された状態となっている。逆バイアスの電圧印加によって電荷が蓄積されている有機EL素子を発光させるときには、まず、その電荷を放電しなければならず、そのために有機EL素子の発光開始が遅れてしまう。そこで、逆バイアスの電圧印加によって蓄積された電荷を放電させるための駆動方法が提案されている(例えば、特許文献1。)。特許文献1に記載された駆動方法では、有機EL素子に定電流を流す際に、有機EL素子に所定の順バイアスの電圧を直接印加して、順バイアスの電圧印加による有機EL素子への充電を行う。すると、選択されていないときに逆バイアスの電圧印加によって蓄積された電荷の放電が速められ、有機EL素子の発光開始の遅れを防止することができる。
【0006】
なお、逆バイアスとは、信号電極の電位と走査電極の電位との高低関係が、画素を発光させるときとは逆になっていることである。また、順バイアスとは、信号電極の電位が走査電極の電位より高い状態になっていることである。
【0007】
また、車載用ナビゲーションシステムの表示装置等では、周囲が明るいときに高輝度で画像を表示し、周囲が暗いときには低輝度で画像を表示するように切り替える。このような切り替えにおいて、高輝度での表示を通常表示と記すことにする。また、低輝度での表示をディミング表示と記すことにする。
【0008】
ディミング表示に切り替える場合、有機EL素子に流す定電流値を下げればよい。有機EL素子に流す定電流値を低下させることで、有機EL素子の発光輝度が低下してディミング表示が実現される。このようなディミング表示の実現方法は、例えば、特許文献2に記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開平11−45071号公報(段落0021−0023、図1)
【特許文献2】特開2005−181967号公報(段落0010,0021−0130)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
有機EL素子に流す定電流値を下げることによってディミング表示を行うとき、一本の走査電極を選択する前に、その走査電極を非選択時の電位に設定したまま、各信号電極の電位を走査電極より高い電位に設定すると、逆バイアスの電圧印加時に蓄積された電荷の放電が速められる。
【0011】
しかし、その後、選択期間を開始したときに、所望の輝度よりも高い輝度で画素が発光してしまい、ディミング表示時における発光輝度が所望の輝度よりも高くなってしまう。以下、図5を参照して、この理由について説明する。以下の説明において、通常表示時に発光画素に流れる定電流を第1の定電流と記す。また、ディミング表示時において発光画素に流れる定電流を第2の定電流と記す。
【0012】
図5は、一本の走査電極を選択する前に、その走査電極を非選択時の電位に設定したまま、各信号電極の電位を走査電極より高い電位に設定するときにおける各電極の電位変化を示す説明図である。また、図5では、ディミング表示時の場合の電位変化を示している。図5に示す電位VCHは、非選択行の走査電極に設定する電位(以下、非選択時電位と記す。)である。図5に示す電位VSSは、選択行の走査電極に設定する電位(以下、選択時電位と記す。)である。電位VCHは、電位VSSよりも高い。図5に示すVDIMは、画素に第2の定電流を流したときにおける信号電極電位である。なお、本例では、選択行において発光させない画素が存在する列の信号電極の電位は、VSSに設定されるものとする。図5に示すVPREは、各選択期間の開始前に各信号電極に設定される電位であり、非選択時電位VCHよりも高い電位である。電位VDIMは、電位VPREよりも低い。
【0013】
ある走査電極の選択期間の開始前に各信号電極の電位をその走査電極の電位よりも高い電位に設定する期間をプリチャージ期間と記す。プリチャージ期間では、直後の選択期間において選択される走査電極は、非選択時電位VCHに設定され、各信号電極の電位はVPREに設定される。そして、逆バイアスの電圧印加によって蓄積された電荷がプリチャージ期間内で放電される。
【0014】
プリチャージ期間の後、選択期間が開始されると、その選択期間中に発光させるべき画素が存在する列の信号電極から第2の定電流を流す。このとき、信号電極の電位は、図5に破線で示すように、電位VPREから直ちに電位VDIMに変化することが好ましい。しかし、実際には、図5に実線で示すように、信号電極の電位がVPREからVDIMに収束するまでには時間がかかる。
【0015】
所望の低輝度でディミング表示を行う場合、選択期間内における電流の積分値は、「第2の定電流の電流値と選択期間との積」となることが理想である。しかし、信号電極の電位がVPREからVDIMに収束するまでに時間がかかってしまうので、選択期間内における電流の積分値は、理想的な値よりも大きくなってしまう。選択期間内における電流の積分値は、図5に斜線で示す電圧の積分値に対応する電流の積分値分だけ、理想的な値よりも大きくなる。このことは、選択期間開始時に所望の電流よりも多くの電流が有機EL素子に流れてしまうことを意味する。従って、選択期間を開始したときに、所望の輝度よりも高い輝度で画素が発光してしまい、ディミング表示時における発光輝度が所望の輝度よりも高くなる。
【0016】
図6は、有機EL素子を流れる電流と有機EL素子の発光輝度との関係を示す説明図である。図6に示す実線は、信号電極に接続される定電流回路から流す定電流と発光輝度との関係を示している。図6に示す実線のように、定電流回路から流す定電流と発光輝度は、ほぼ比例する。しかし、図5を参照して説明したように、信号電極の電位がVPREからVDIMに収束するまでには時間がかかり、その期間中では、定電流回路から流される定電流の他に、信号電極と走査電極との電位差に起因する電流も発生する。図6に示す破線は、定電流回路から流される定電流以外の電流も加えた電流と輝度との関係を示している。ディミング表示時には電流値の低い第2の定電流を流して輝度を低くするように駆動するが、定電流回路から流される定電流とは別の電流も発生するため、選択期間の開始時では図6に破線で示すように、輝度が下がらない。
【0017】
そこで本発明は、有機EL素子に流す定電流値を下げることによってディミング表示を行うときに、走査電極を選択する前に信号電極の電位を高く設定したとしても、有機EL素子の発光輝度をより低い輝度にすることができる有機ELディスプレイ装置の駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の態様1は、複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動装置であって、走査電極を選択する走査電極ドライバと、信号電極から有機薄膜に定電流を流す信号電極ドライバと、
第1の表示態様または第1の表示態様よりも低い輝度で画像を表示する第2の表示態様を信号電極ドライバに指示する制御部とを備え、制御部が、第2の表示態様を指示しているときに、走査電極ドライバに対して、第1期間の開始、第1期間に続く第2期間の開始、および第2期間に続く期間であって走査電極を選択する期間である選択期間の開始をそれぞれ指示し、信号電極ドライバに対して、第1期間の開始および第2期間の開始をそれぞれ指示し、走査電極ドライバが、第1期間の開始が指示されたときに、第1期間の後の選択期間に選択する走査電極の電位を非選択時電位に設定し、第2期間の開始が指示されたときに、第2期間の後の選択期間に選択する走査電極の電位を非選択時電位から低下させ、選択期間の開始が指示されたときに、選択する走査電極の電位を選択時電位に設定し、信号電極ドライバが、第1の表示態様が指示されたときに第1の定電流を流し、第2の表示態様が指示されたときに第1の定電流よりも電流値が低い第2の定電流を流し、第1期間の開始が指示されたときに、各信号電極の電位を非選択時電位よりも高い所定電位に設定し、第2期間の開始が指示されたときに、第2期間の後の選択期間で発光させる画素が存在する信号電極に第2の定電流を流すことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動装置を提供する。
【0019】
本発明の態様2は、態様1において、走査電極ドライバが、第2期間の開始が指示されたときに、第2期間の後の選択期間に選択する走査電極の電位が、第2の定電流が流されている信号電極の電位以下であり、走査電極の電位と信号電極の電位との差が有機薄膜の発光開始電圧未満となるように、走査電極の電位を低下させる有機ELディスプレイ装置の駆動装置を提供する。
【0020】
本発明の態様3は、態様1または態様2において、走査電極ドライバが、第2期間の開始が指示されたときに、第2期間の後の選択期間に選択する走査電極の電位を、非選択時電位から段階的に低下させる有機ELディスプレイ装置の駆動装置を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第2の表示態様で表示を行うとき(ディミング表示を行うとき)、走査電極を選択する前に信号電極の電位を高く設定しても、有機EL素子の発光輝度を低くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の一形態を示すブロック図である。有機ELディスプレイ装置(以下、表示パネル)10は、複数の走査電極(図示略。)と複数の信号電極(図示略。)とを備える。各走査電極と各信号電極とは、有機薄膜を挟んで直交するように配置される。各走査電極と各信号電極との交差部分がそれぞれ画素となる。各画素において、信号電極側から走査電極側に電流が流れることにより、その画素の有機薄膜が発光する。本実施の形態において、信号電極は陽極であり、走査電極は陰極である。表示パネル10は、本発明の駆動装置に従って通常表示(第1の表示態様)とディミング表示(第2の表示態様)の双方を行う。
【0023】
表示パネル10を駆動する駆動装置は、コントローラ(制御部)1と、ディスプレイRAM5と、デコーダ6と、走査電極ドライバ2と、信号電極ドライバ4と、電源回路8とを備える。また、走査電極ドライバ2は、スキャン制御回路3を備える。
【0024】
ディスプレイRAM5は、表示パネル10に表示させる画像の画像データを記憶する記憶装置である。デコーダ6は、ディスプレイRAM5が記憶している画像データをデコードし、デコード後の画像データを信号電極ドライバ4に出力する。
【0025】
コントローラ1は、走査電極ドライバ2と信号電極ドライバ4とを制御することにより、表示パネル10に画像を表示させる。また、コントローラ1は、ディスプレイRAM5に画像データをデコーダ6に対して出力させる。あるいは、コントローラ1は、ディスプレイRAM5に記憶された画像データをデコーダ6に読み込ませてもよい。
【0026】
コントローラ1は、スキャン制御回路3に対して、最初の行からの走査開始を指示する制御信号(FLM:ファーストラインマーカ)、プリチャージ期間(第1期間)の開始を指示する制御信号、オフセット期間(第2期間)の開始を指示する制御信号、選択期間の開始を指示する制御信号を出力する。ただし、コントローラ1は、ディミング表示時のみ、オフセット期間の開始を指示する制御信号を出力し、通常表示時では、オフセット期間の開始を指示する制御信号を出力しない。すなわち、コントローラ1は、通常表示時(通常表示を行うことを信号電極ドライバ4に指示しているとき)、スキャン制御回路3に対して、FLMの他に、プリチャージ期間の開始を指示する制御信号、選択期間の開始を指示する制御信号を出力する。また、コントローラ1は、ディミング表示時(ディミング表示を行うことを信号電極ドライバ4に指示しているとき)、スキャン制御回路3に対して、FLMの他に、プリチャージ期間の開始を指示する制御信号、オフセット期間の開始を指示する制御信号、選択期間の開始を指示する制御信号を出力する。なお、後述するように、信号電極ドライバ4は、通常表示が指示されているかディミング表示が指示されているかによって、出力する定電流値を変化させる。
【0027】
プリチャージ期間は、ある走査電極の選択期間の開始前に各信号電極の電位をその走査電極の電位よりも高い電位に設定する期間である。プリチャージ期間内で、逆バイアスの電圧印加によって蓄積された電荷が放電される。
【0028】
オフセット期間は、プリチャージ期間に設定された信号電極の電位を、信号電極から有機薄膜に定電流を流すときの電位に収束させる期間である。オフセット期間は、ディミング表示時のみ設けられ、通常表示時には設けられない。
【0029】
選択期間は、個々の走査電極を選択する期間である。
【0030】
通常表示時では、オフセット期間は設けられず、選択期間の直前にプリチャージ期間が設けられ、プリチャージ期間と選択期間が交互に設けられる。ディミング表示時には、各走査電極の選択期間の開始前にまず、プリチャージ期間が設けられ、続いて、オフセット期間が設けられ、その後、選択期間が開始される。従って、ディミング表示時には、プリチャージ期間、オフセット期間、および選択期間が繰り返し設けられる。
【0031】
非選択時電位(非選択行の走査電極に設定する電位)をVCHと表す。また、選択時電位(選択行の走査電極に設定する電位)をVSSと表す。電位VCHは、電位VSSより高い電位である。また、電位VSSは、例えば、接地電位である。
【0032】
また、プリチャージ期間に各信号電極に設定する電位をVPREと表す。電位VPREは、電位VCHより高い電圧である。ただし、発光開始電圧をVとしたときに、VPRE−VCH<Vという関係が成立するようにVPREは定められる。また、信号電極から発光させる画素に第2の定電流(ディミング表示時において発光させる画素に流す定電流)を流したときの信号電極の電位をVDIMと表す。また、本実施の形態では、選択行において発光させない画素が存在する列の信号電極の電位はVSSに設定されるものとして説明する。
【0033】
オフセット期間中、そのオフセット期間後の選択期間に選択される走査電極は、所定の電位VMIDに設定される。ただし、電位VMIDは、VDIM−V<VMID≦VDIMを満足する電位である。また、VSS<VMIDである。
【0034】
走査電極ドライバ2は、コントローラ1からFLMが入力された場合、最初の行からの走査を開始する。すなわち、最初の走査電極から順次走査電極を選択していく動作を開始する。
【0035】
走査電極ドライバ2は、コントローラ1に従って、個々の走査電極を一本ずつ順次選択して走査電極の走査を行う。そして、走査電極ドライバ2が備えるスキャン制御回路3は、各走査電極の電位を設定する。
【0036】
走査電極ドライバ2は、個々の走査電極に対応するスイッチ(図示略。)を備えている。1つのスイッチは、そのスイッチに対応する走査電極を、電圧VCHの出力端、電圧VMIDの出力端、あるいは電圧VSSの出力端に接続させる。
【0037】
スキャン制御回路3は、プリチャージ期間の開始を指示する制御信号(以下、SPREと記す。)がコントローラ1から入力されると、全ての走査電極の電位を非選択時電位VCHに設定する。すなわち、全ての走査電極が電圧VCHの出力端に接続されるように各スイッチを切り替える。従って、プリチャージ期間中、そのプリチャージ期間後の選択期間で選択される走査電極の電位はVCHとなる。
【0038】
また、スキャン制御回路3は、オフセット期間の開始を指示する制御信号(以下、SOSと記す。)がコントローラ1から入力されると、そのオフセット期間後の選択期間で選択される走査電極の電位をVMIDに設定し、他の走査電極の電位をVCHのまま維持する。すなわち、選択期間で選択される走査電極が電圧VMIDの出力端に接続されるようにその走査電極のスイッチを切り替え、他のスイッチに関しては変更しない。従って、オフセット期間中、そのオフセット期間後の選択期間で選択される走査電極の電位はVMIDとなる。
【0039】
また、スキャン制御回路3は、選択期間の開始を指示する制御信号(以下、LPと記す。)がコントローラから入力されると、その選択期間中に選択する走査電極の電位をVSSに設定し、他の走査電極の電位をVCHのまま維持する。すなわち、その選択期間中に選択する走査電極が電圧VSSの出力端に接続されるようにその走査電極のスイッチを切り替え、他のスイッチに関しては変更しない。従って、選択期間中、選択されている走査電極の電位はVSSとなる。
【0040】
また、コントローラ1は、通常表示時では、信号電極ドライバ4に対して、SPRE(プリチャージ期間の開始を指示する制御信号)、LP(選択期間の開始を指示する信号)を出力し、ディミング表示時では、信号電極ドライバ4に対して、SPRE、およびSOS(オフセット期間の開始を指示する制御信号)を出力する。
【0041】
信号電極ドライバ4は、コントローラ1に従って、信号電極の電位をVPREあるいはVSSに設定したり、または、信号電極から有機薄膜に定電流を流す。
【0042】
図2は、信号電極ドライバ4の構成例を示す説明図である。図2に例示する構成では、信号電極ドライバ4は、信号電極に対応させて、スイッチ21と、定電流回路22と、プリチャージ電圧出力部23と、電圧VSSの出力端24とを備えている。
【0043】
定電流回路22は、定電流を流す。定電流回路22は、信号電極ドライバ4によって、通常表示時には第1の定電流を流し、ディミング表示時には第2の定電流を流すように制御される。第2の定電流の電流値は、第1の定電流の電流値より低い。
【0044】
プリチャージ電圧出力部23は、電源回路8(図1参照。)が信号電極ドライバ4に出力する電圧(VSHとする。)を、電圧VPREに変換して出力する。電圧VSHと電圧VPREとが等電圧であってもよい。
【0045】
電圧VSSの出力端24には、電源回路8(図1参照。)から電圧VSSが供給される。
【0046】
図2では、スイッチ21、定電流回路22、プリチャージ電圧出力部23、および電圧VSSの出力端24を一組示したが、各信号電極毎に、スイッチ21、定電流回路22、プリチャージ電圧出力部23、および電圧VSSの出力端24が設けられる。
【0047】
PREは、通常表示時であっても、ディミング表示時であっても、コントローラ1から信号電極ドライバ4に入力される。信号電極ドライバ4は、コントローラ1からSPREが入力されると、全ての信号電極の電位をVPREに設定する。すなわち、全ての信号電極がプリチャージ電圧出力部23の電圧出力端に接続されるように、各信号電極のスイッチ21を切り替える。従って、プリチャージ期間中、各信号電極の電位はVPREとなる。
【0048】
LPは、通常表示時に、コントローラ1から信号電極ドライバ4に入力される。信号電極ドライバ4は、コントローラ1からLPが入力されると、選択期間中に発光させるべき画素が存在する列の信号電極が定電流回路22の電流出力端に接続され、選択行において発光させない画素が存在する列の信号電極を電圧VSSの出力端24に接続させるように、各信号電極のスイッチ21を切り替える。また、通常表示時、信号電極ドライバ4は、定電流回路22から第1の定電流が流れるように定電流回路22を制御する。従って、選択期間中、発光させるべき画素が存在する列の信号電極から有機EL素子25に第1の定電流が流れ、その有機EL素子25は発光する。また、選択期間中、選択行において発光させない画素が存在する列の信号電極の電位は、VSSに設定され、その信号電極から有機EL素子25には電流が流れない。
【0049】
OSは、ディミング表示時に、コントローラ1から信号電極ドライバ4に入力される。信号電極ドライバ4は、コントローラ1からSOSが入力されると、すぐ後の選択期間中に発光させるべき画素が存在する列の信号電極が定電流回路22の電流出力端に接続され、選択行において発光させない画素が存在する列の信号電極を電圧VSSの出力端24に接続させるように、各信号電極のスイッチ21を切り替える。その後、信号電極ドライバ4は、次にSPREが入力されるまで、各信号電極のスイッチ21の状態をそのまま維持する。また、ディミング表示時、信号電極ドライバ4は、定電流回路22から第2の定電流が流れるように定電流回路22を制御する。
【0050】
プリチャージ電圧出力部23の電圧出力端に接続されていた信号電極が、オフセット期間の開始時に定電流回路22の電流出力端に接続されると、その信号電極の電位はVPREから低下していきVDIMに収束する。オフセット期間は、信号電極の電位はVPREから低下していきVDIMに収束可能な期間として定められる。オフセット期間中に信号電極の電位がVPREからVDIMに収束した後、選択期間に移行する。選択期間中も、その信号電極の電位はVDIMのままとなる。
【0051】
なお、プリチャージ電圧出力部23の電圧出力端に接続されていた信号電極が、オフセット期間の開始時に電圧VSSの出力端24に接続されると、その信号電極の電位はVSSとなる。選択期間に移行した後も、その信号電極の電位はVSSのままとなる。
【0052】
信号電極ドライバ4は、選択期間中に発光させるべき画素が存在する列の信号電極および選択行において発光させない画素が存在する列の信号電極を、デコーダ6が出力する画像データに基づいて判定すればよい。
【0053】
また、コントローラ1は、信号電極ドライバ4に、通常表示を行うのか、ディミング表示を行うのかを指示する制御信号を出力し、信号電極ドライバ4は、通常表示が指示されているならば、第1の定電流が流れるように定電流回路22を制御する。また、ディミング表示が指示されているならば、第1の定電流が流れるように定電流回路22を制御する。
【0054】
なお、コントローラ1は、外部の装置(図示せず。)からの命令に応じて、通常表示を行うのかディミング表示を行うのかを指示すればよい。例えば、駆動装置が車載用ナビゲーションシステムに設けられた表示パネルを駆動する場合、コントローラ1は、車載用ナビゲーションシステムのMPU等からの命令に応じて、通常表示を行うのかディミング表示を行うのかを指示すればよい。
【0055】
本実施の形態において、図1に示す電源回路8は、走査電極ドライバ2に対して電圧VCH、VMID,VSSを出力する。また、電源回路8は、信号電極ドライバ4に電圧VSH,VSSを出力する。電圧VSHは、図2に示す定電流回路22を動作させるための電圧(すなわち、定電流回路22に定電流を出力させるための電圧)である。
【0056】
次に、通常表示時における有機EL素子の発光について説明する。通常表示時には、信号電極ドライバ4は、第1の定電流が流れるように定電流回路22(図2参照。)を制御する。また、通常表示時ではプリチャージ期間と選択期間が交互に設けられる。
【0057】
プリチャージ期間中、スキャン制御回路3は、直後の選択期間に選択される走査電極の電位をVCHに設定し、信号電極ドライバ4は、各信号電極の電位をVPREに設定する。VPRE>VCHであるので、直後の選択期間に選択される行の画素には順バイアスの電圧が印加され、逆バイアスの電圧印加時に蓄積された電荷が放電される。また、VPRE−VCH<Vという関係が成立するようにVPREは定められるので、プリチャージ期間中、各画素が発光することはない。
【0058】
続いて、選択期間になると、スキャン制御回路3は、選択する走査電極の電位をVSSに設定し、他の走査電極の電位をVCHに設定する。また、信号電極ドライバ4は、その選択期間中に発光させるべき画素が存在する信号電極を定電流回路22(図2参照。)に接続させる。すると、その信号電極の電位は、VPREから低下し、信号電極から発光画素に第1の定電流を流したときの電位(Vとする。)に変化する。信号電極から発光画素に第1の定電流を流したときの信号電極の電位Vは、VDIMよりも高い。従って、信号電極の電位が、VPREから低下してVに収束するまでの時間は短く、選択期間内における電流の積分値は、理想的な値(第1の定電流の電流値と選択期間との積)に近い値となる。よって、所望の明るい輝度で画素を発光させることができる。
【0059】
なお、信号電極ドライバ4は、選択行において発光させない画素が存在する列の信号電極の電位をVSSに設定する。その信号電極の電位は選択行走査電極の電位と等電位になるので、その信号電極からは電流が流れず、その列の画素は発光しない。
【0060】
次に、図3を参照して、ディミング表示時における有機EL素子の発光について説明する。既に説明したように、ディミング表示時には、信号電極ドライバ4は、第2の定電流が流れるように定電流回路22(図2参照。)を制御する。ディミング表示時では、プリチャージ期間、オフセット期間、および選択期間が繰り返し設けられる。
【0061】
図3は、ディミング表示時における走査電極および信号電極の電位の変化の例を示す説明図である。プリチャージ期間中、スキャン制御回路3は、そのプリチャージ期間後の選択期間に選択される走査電極の電位をVCHに設定する。また、信号電極ドライバ4は、各信号電極の電位をVPREに設定する。VPRE>VCHであるので、直後の選択期間に選択される行の画素には順バイアスの電圧が印加され、逆バイアスの電圧印加時に蓄積された電荷が放電される。また、VPRE−VCH<Vという関係が成立するようにVPREは定められるので、プリチャージ期間中、各画素が発光することはない。なお、図3では、電位VPREから電位VDIMへの変化をわかりやすく示すため、便宜的に、電位VPREの高さを高く示している。この点は、図4においても同様である。
【0062】
続いて、オフセット期間になると、スキャン制御回路3は、直後の選択期間に選択される走査電極の電位をVMIDに設定し、他の走査電極の電位をVCHのまま維持する。また、信号電極ドライバ4は、直後の選択期間に発光させるべき画素が存在する列の信号電極を定電流回路22(図2参照。)に接続させる。すると、その信号電極の電位は、VPREからVDIMに低下する(図3参照。)。このとき、信号電極の電位と走査電極の電位VMIDとの差が発光開始電圧V以上である場合には、その列の画素は発光するが、信号電極の電位と走査電極の電位VMIDとの差が発光開始電圧V未満になると、発光しなくなる。また、VDIM−V<VMID≦VDIMという関係が成立しているので、オフセット期間中に信号電極の電位がVDIMに収束した後は、選択期間開始まで画素は発光しない。
【0063】
また、信号電極ドライバ4は、直後の選択期間の選択行において発光させない画素が存在する列の信号電極の電位をVSSに設定する。VSS<VMIDであるので、その列の画素は、オフセット期間中に発光しない。
【0064】
続いて、選択期間になると、スキャン制御回路3は、選択する走査電極の電位をVSSに設定し、他の走査電極の電位をVCHに設定する。また、信号電極ドライバ4は、選択期間に移行しても各信号電極のスイッチの切り替えを行わない。その結果、選択期間に発光させるべき画素が存在する列の信号電極から有機EL素子を介して選択行走査電極に第2の定電流が流れ、その有機EL素子(画素)が発光する。また、選択行において発光させない画素が存在する列の信号電極の電位は、選択行走査電極の電位と等電位であるVSSであるので、その画素は発光しない。
【0065】
本実施の形態では、選択期間内における電流の積分値は、理想的な値(第2の定電流の電流値と選択期間との積)となる。また、オフセット期間において、信号電極の電位と走査電極の電位VMIDとの差が発光開始電圧V以上であるときには画素は発光するが、信号電極の電位と走査電極の電位VMIDとの差が発光開始電圧V未満になると、発光しなくなる。また、オフセット期間中に信号電極の電位がVDIMに収束した後は、選択期間開始まで画素は発光しない。従って、望ましくない電流の発生を、従来の駆動方法に比べて抑制することができる。その結果、走査電極を選択する前に信号電極の電位をVPREに設定したとしても、ディミング表示時の有機EL素子の発光輝度を従来より低い輝度にして、発光輝度を改善することができる。
【0066】
次に、本発明の実施の形態の変形例について説明する。本変形例においても、有機ELディスプレイ装置の駆動装置の構成は、上述の構成(図1参照。)と同様である。また、通常表示時における駆動装置の動作は、既に説明した通常表示時における動作と同様である。
【0067】
ディミング表示時におけるスキャン制御回路3以外の構成要素の動作は、既に説明したディミング表示時における動作と同様である。
【0068】
ディミング表示時では、走査電極ドライバ2が備えるスキャン制御回路3の動作が、既に説明したディミング表示時におけるスキャン制御回路3の動作と異なる。また、電源回路8は、走査電極ドライバ2に対して電圧VCH、VMID,VSSの他に、他のレベルの電圧も出力する。この電圧をVと記す。電圧Vは、VMID<V<VCHを満足する電圧である。そして、走査電極ドライバ2が備えるスイッチ(個々の走査電極に対応する各スイッチ)は、走査電極を、電圧VCHの出力端、電圧Vの出力端、電圧VMIDの出力端、あるいは電圧VSSの出力端に接続させる。
【0069】
本変形例におけるスキャン制御回路3は、ディミング表示時のプリチャージ期間および選択期間では、既に説明したディミング表示時のプリチャージ期間および選択期間と同様に動作する。ただし、オフセット期間における動作が、既に説明した動作と異なる。スキャン制御回路3は、SOS(オフセット期間の開始を指示する制御信号)がコントローラ1から入力されると、そのオフセット期間後の選択期間で選択される走査電極の電位を、オフセット期間中に段階的にVMIDまで低下させ、他の走査電極の電位をVCHのまま維持する。すなわち、スキャン制御回路3は、選択期間で選択される走査電極が電圧Vの出力端に接続されるようにその走査電極のスイッチを切り替え、その後、さらにその走査電極が電圧VMIDの出力端に接続されるようにその走査電極のスイッチを切り替える。また、スキャン制御回路3は、他の走査電極のスイッチに関しては変更しない。従って、オフセット期間中、そのオフセット期間後の選択期間で選択される走査電極の電位は、VCHからVに低下し、さらにVMIDに低下する。このように本変形例では、オフセット期間中、直後に選択される走査電極の電位をVCHからVMIDまで段階的に低下させる。
【0070】
図4は、本変形例でのディミング表示時における走査電極および信号電極の電位の変化の例を示す説明図である。信号電極ドライバ4の動作は既に説明した動作と同様であるので、信号電極の電位変化は、図3に示す信号電極の電位変化と同様である。また、プリチャージ期間および選択期間におけるスキャン制御回路3の動作は、既に説明した動作と同様であるので、この期間における走査電極の電位は、図3に示す走査電極の電位と同様である。
【0071】
図4に示すように、オフセット期間になると、スキャン制御回路3は、直後の選択期間に選択される走査電極の電位をまずVに設定する。そして、オフセット期間中、さらに、その走査電極の電位をVからVMIDに設定し直す。スキャン制御回路3は、他の走査電極の電位をVCHのまま維持する。また、信号電極ドライバ4は、直後の選択期間に発光させるべき画素が存在する列の信号電極を定電流回路22(図2参照。)に接続させる。すると、その信号電極の電位は、VPREからVDIMに低下する(図4参照。)。
【0072】
このとき、信号電極の電位と直後に選択される走査電極の電位との差が発光開始電圧V以上である場合には、その列の画素は発光するが、信号電極の電位と直後に選択される走査電極の電位との差が発光開始電圧V未満になると、その画素は発光しなくなる。また、VDIM−V<VMID≦VDIMという関係が成立しているので、オフセット期間中に信号電極の電位がVDIMに収束した後は、選択期間開始まで画素は発光しない。
【0073】
本変形例は、オフセット期間の開始時に、直後に選択される走査電極は、VMID<V<VCHを満足する電位Vに設定され、その後VMIDに設定される。従って、オフセット期間の開始後、まだVPREからあまり低下していない信号電極の電位と走査電極の電位Vとの差が発光開始電圧V未満であるような期間が生じ、その間、画素は発光しない。従って、図3に示す場合よりも、オフセット期間において画素が発光する期間が短くなる。よって、望ましくない画素の発光を、上述の実施の形態の場合よりもさらに抑制することができる。また、選択期間内における電流の積分値が理想的な値(第2の定電流の電流値と選択期間との積)となる点については、上述の実施の形態と同様である。従って、本変形例では、ディミング表示時の有機EL素子の発光輝度をさらに低くして、発光輝度を改善することができる。
【0074】
また、本変形例では、オフセット期間における走査電極の電位をV,VMIDと変化させたが、オフセット期間における走査電極の電位変化の段階数をさらに多くしてもよい。さらに、他の変形例として、オフセット期間における走査電極の電位を直線的に低下させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、有機ELディスプレイ装置の駆動に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の一形態を示すブロック図。
【図2】信号電極ドライバの構成例を示す説明図。
【図3】ディミング表示時における走査電極および信号電極の電位の変化の例を示す説明図。
【図4】ディミング表示時における走査電極および信号電極の電位の変化の例を示す説明図。
【図5】一本の走査電極を選択する前に、その走査電極を非選択時の電位に設定したまま、各信号電極の電位を走査電極より高い電位に設定するときにおける各電極の電位変化を示す説明図。
【図6】有機EL素子を流れる電流と有機EL素子の発光輝度との関係を示す説明図。
【符号の説明】
【0077】
1 コントローラ
2 走査電極ドライバ
3 スキャン制御回路
4 信号電極ドライバ
5 ディスプレイRAM
6 デコーダ
10 有機ELディスプレイ装置(表示パネル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動装置であって、
走査電極を選択する走査電極ドライバと、
信号電極から有機薄膜に定電流を流す信号電極ドライバと、
第1の表示態様または第1の表示態様よりも低い輝度で画像を表示する第2の表示態様を信号電極ドライバに指示する制御部とを備え、
制御部は、第2の表示態様を指示しているときに、走査電極ドライバに対して、第1期間の開始、前記第1期間に続く第2期間の開始、および前記第2期間に続く期間であって走査電極を選択する期間である選択期間の開始をそれぞれ指示し、信号電極ドライバに対して、前記第1期間の開始および前記第2期間の開始をそれぞれ指示し、
走査電極ドライバは、
第1期間の開始が指示されたときに、当該第1期間の後の選択期間に選択する走査電極の電位を非選択時電位に設定し、
第2期間の開始が指示されたときに、当該第2期間の後の選択期間に選択する走査電極の電位を非選択時電位から低下させ、
選択期間の開始が指示されたときに、選択する走査電極の電位を選択時電位に設定し、
信号電極ドライバは、
第1の表示態様が指示されたときに第1の定電流を流し、第2の表示態様が指示されたときに第1の定電流よりも電流値が低い第2の定電流を流し、
第1期間の開始が指示されたときに、各信号電極の電位を前記非選択時電位よりも高い所定電位に設定し、
第2期間の開始が指示されたときに、当該第2期間の後の選択期間で発光させる画素が存在する信号電極に第2の定電流を流す
ことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動装置。
【請求項2】
走査電極ドライバは、第2期間の開始が指示されたときに、当該第2期間の後の選択期間に選択する走査電極の電位が、第2の定電流が流されている信号電極の電位以下であり、当該走査電極の電位と前記信号電極の電位との差が有機薄膜の発光開始電圧未満となるように、前記走査電極の電位を低下させる
請求項1に記載の有機ELディスプレイ装置の駆動装置。
【請求項3】
走査電極ドライバは、第2期間の開始が指示されたときに、当該第2期間の後の選択期間に選択する走査電極の電位を、非選択時電位から段階的に低下させる
請求項1または請求項2に記載の有機ELディスプレイ装置の駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−232902(P2007−232902A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52585(P2006−52585)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】