説明

望ましくないネムノキ亜科(Mimosoideae)植生を防除する方法

(a)式1の化合物ならびにその塩、エステルおよびチオエステルから選択される1種以上の化合物:
【化1】


(b)
(b1)ホサミンおよびその塩;
(b2)イマザピルおよびその塩;
(b3)メトスルフロン−メチルおよびその塩;ならびに
(b4)トリクロピルならびにそのエステル、チオエステルおよび塩
からなる群から選択される少なくとも1種の追加の除草剤
を含む除草的有効量の混合物を望ましくない植生またはその環境に適用する工程を含む、ネムノキ亜科(Mimosoideae)の望ましくない植生を防除するための方法が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定の除草性混合物を適用することによる、望ましくないネムノキ亜科(Mimosoideae)の植生を防除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネムノキ亜科(Mimosoideae)は、一般に、被子植物マメ科(Fabaceae)(他にマメ科(Leguminosae)とも命名)の主な亜科として識別されており、小さな花弁と数多くの目立つ雄しべを有する花が特徴である。ネムノキ亜科(Mimosoideae)が示す生育形は、高木、潅木および、多くはないが、つる植物を含む。ネムノキ亜科(Mimosoideae)の種は、良好に適応している熱帯、亜熱帯および暖帯地域に見られる。マメ科の構成種と同様に、これらは、一般に、窒素固定バクテリアと共生関係を形成する。ネムノキ亜科(Mimosoideae)の種は、重要な飼料源および燃料源として役立っている。
【0003】
しかしながら、ネムノキ亜科(Mimosoideae)の一定の種は、農学的および牧場の運用に有益な植物種に対して望ましくない競合種である可能性がある。このようなネムノキ亜科(Mimosoideae)種としては、キンゴウカンおよび一定のメスキート種が挙げられる。
【0004】
度々防除が所望されるメスキートの種としては、亜熱帯におけるハニーメスキート(Prosopis glandulosa)およびムジナタケ(P.velutina)、ならびに、乾燥熱帯におけるメスキート(P.juliflora)およびアルガロボ(P.pallida)が挙げられる。これらの種は高木に成長することも可能であるが、ほとんどの場合、潅木サイズである。メスキートは、その長い主根を通して地下水面から水を吸い上げることが可能であるため、半乾燥放牧地および牧草地に良好に適応している。メスキートはまた表面層で利用可能な水も吸い上げることが可能であり、これにより、所望される牧草の水分を奪ってしまう。テキサスの一部におけるメスキートの増殖は地下水レベルの低下の部分的な原因であると考えられているため、地下水面からの水の吸い上げでさえも有害であり得る(非特許文献1)。メスキートは新たに成長すると、ゴムの靴底、および、タイヤでさえも貫通するような丈夫な75mmもの長さになる針の様に鋭い棘を有する(http://en.wikipedia.org/wiki/Mesquite,2008年6月29日)。メスキート種ハニーメスキート(P.glandulosa)は世界中に分布しており、世界で最悪の侵襲性の雑草の一種であるとみなされている(非特許文献2)。
【0005】
この植物の再発芽域が地下15cmにも延びている可能性があるため、機械的なメスキートの根絶は困難である;メスキートはまた、根片からの再生も可能である(2008年6月29日のWikipedia中の記事「Mesquite」、現在の版はhttp://en.wikipedia.org/wiki/Mesquiteから入手可能)。しかも、従来の除草剤によるメスキートの防除には典型的に多量の施用量が必要とされ、その場合においても、この処理は、定着しているメスキートに対して度々効果がないかまたは部分的にしか効果を有さない。摘葉をしてもその後に再成長する場合もある。この植物が完全に死滅したと断定することが可能であるには、典型的には、除草剤処理後、最大で1年の監視が必要とされる。
【0006】
メスキートと同様に、キンゴウカン(Acacia farnesiana)および一定の他のアカシア(Acacia)種は、侵襲性で、棘のある耐干ばつ性の高木および潅木であり、牧草地および放牧地における飼料を制限してしまう。キンゴウカンは、米国のルイジアナ州南西部およびテキサス州南東部に主に存在している。他のアカシア(Acacia)種は、雑草有害生物として世界的に深刻である。アカシアドレパノロビウム(A.drepanolobium)は、アフリカの一部において侵襲性のサバンナ雑草とみなされている。カルーソーン(A.karroo)は、アフリカおよびオーストラリアの一部において問題である。アカシアカテチュ(A.catechu)およびアカシアニロチカ(A.nilotica)は、オーストラリアに侵襲性の脅威をもたらしている。メスキートに関して、定着したアカシア(Acacia)高木および潅木の除草剤を用いた根絶は度々困難であり、多量の施用量を必要としても、頻繁に完全には防除されない。
【0007】
特許文献1には、6−アミノ−5−クロロ−2−シクロプロピル−4−ピリミジンカルボン酸、そのエステル、チオエステルおよび塩を含む除草性ピリミジンの新たなクラスが開示されている。これらの除草剤は、アカシア(Acacia)種およびプロソピス(Prosopis)種などのネムノキ亜科(Mimosoideae)における望ましくない植生に対する除草活性を有することがその後見出されたが、比較的少ない施用量でのその効力は、これらの雑草の充分な防除に対して常に充分ではない。現在では、一定の他の除草剤との混合物が、顕著な効力をもたらすことが発見されており、それ故、これらの雑草を防除するための特に有用な方法がもたらされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2005/063721号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「Mesquite Becoming Thorny Water Issue for All of Texas」,Angelo State UniversityのOffice of Communications and Marketing,San Angelo,Texasによる発行、2001年6月19日発表、2009年6月19日時点で、http://www.angelo.edu/services/communications_marketing/archives/01jun/06−19−01.htmlから入手可能
【非特許文献2】「100 of the World’s Worst Invasive Alien Species」,World Conservation UnionのSpecies Survival CommissionのInvasive Species Specialist Group発行、2004年11月、2009年6月19日時点で、http://www.issg.org/booklet.pdfから入手可能
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(a)式1の化合物ならびにその塩、エステルおよびチオエステルから選択される1種以上の化合物:
【化1】

(b)
(b1)ホサミンおよびその塩;
(b2)イマザピルおよびその塩;
(b3)メトスルフロン−メチルおよびその塩;ならびに
(b4)トリクロピルならびにそのエステル、チオエステルおよび塩
からなる群から選択される少なくとも1種の追加の除草剤
を含む除草的有効量の混合物を望ましくない植生またはその環境に適用する工程を含む、ネムノキ亜科(Mimosoideae)の望ましくない植生を防除するための方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において用いられるところ、「を含む(comprises)」、「を含んでいる(comprising)」、「を含む(includes)」、「を含んでいる(including)」、「を有する(has)」、「を有している(having)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「により特徴付けられる」という用語、または、これらのいずれかの他の変形は、明確に示されている任意の限定を条件として、非排他的な包含を包括することが意図されている。例えば、要素のリストを含む、組成物、混合物、プロセスまたは方法は、これらの構成要素にのみ制限される必要はなく、明示的にリストされていないか、または、このような組成物、混合物、プロセスあるいは方法に固有の他の要素が含まれ得る。
【0012】
「からなる(consisting of)」という移行句は、特定されていない要素、ステップまたは処方成分をすべて除外する。特許請求の範囲内にある場合、このような句は、特許請求の範囲を、通常これに関連する不純物を除き、言及されたもの以外の材料の包含に限定するであろう。「からなる(consists of)」という句が、プリアンブルの直後ではなく特許請求の範囲の本文の一文節中にある場合、これは、その文節中に規定されている要素のみを限定し;他の要素は、特許請求の範囲からは、全体としては除外されない。
【0013】
「から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句は、文字通り開示されているものに追加して、材料、ステップ、機構、成分、または、要素を包含する組成物または方法を定義するために用いられているが、ただし、これらの追加の材料、ステップ、機構、成分、または、要素は、特許請求された発明の基本的、かつ、新規な特徴に著しく影響する。「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、「を含んでいる(comprising)」と、「からなる(consisting of)」との間の中間点を構成する。
【0014】
出願人らが、「を含んでいる(comprising)」などのオープンエンド形式の用語で発明またはその一部分を定義している場合、その記載は(他に明記されていない限りにおいて)、「から本質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」という用語を用いてこのような発明を記載しているとも解釈されるべきであると、直ちに理解されるべきである。
【0015】
本明細書における言及において、単独で、または、「アルコキシアルキル」または「ヒドロキシアルキル」などの複合語で用いられる「アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、または、異なるブチル、ペンチルまたはヘキシル異性体などの直鎖または分岐アルキルを含む。「アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ならびに、異なるブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体を含む。「アルコキシアルキル」は、アルキル上でのアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルキル」の例としては、CHOCH、CHOCHCH、CHCHOCH、CHCHCHCHOCHおよびCHCHOCHCHが挙げられる。「アルコキシアルコキシ」は、アルコキシ上でのアルコキシ置換を示す。「アルキルチオ」は、メチルチオ、エチルチオ、ならびに、異なるプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体などの分岐または直鎖アルキルチオ部分を含む。「アルキルチオール」は、「アルキルチオ」の硫黄原子に結合している1つの水素原子を有する。置換基中の炭素原子は、接頭辞「C〜C」によって示され、ここで、iおよびjは、例えば、1〜14の数字である。例えば、Cアルコキシアルキルは、CHOCH−を示し;Cアルコキシアルキルは、例えば、CHCH(OCH)−、CHOCHCH−またはCHCHOCH−を示し;およびCアルコキシアルキルは、合計で4個の炭素原子を含有するアルコキシ基で置換されたアルキル基の種々の異性体を示し、例としては、CHCHCHOCH−およびCHCHOCHCH−が挙げられる。
【0016】
当該技術分野において一般に理解されているとおり、「油」という用語は、潤滑性であるか、または、粘性である非水和性の液体を指す。本発明の文脈において、「油」という用語は、より具体的には、20℃で液体であると共に、20℃で約2重量%未満程度で水溶性である有機化学化合物または化合物の混合物に関する。油の例としては、鉱油、他の液体石油画分(例えば、ディーゼル燃料油)、植物性油(すなわち、種子および果実から得られる油)、ならびに、メチル化種子油(例えば、メチル化大豆油、メチル化ナタネ油)が挙げられ、これらの混合物が含まれる。
【0017】
本明細書において参照されるところ、「ネムノキ亜科(Mimosoideae)」は植物マメ科の亜科であって、5つの連を含む:アカシア連(アカシア属(Acacia)(分類学上の再分類による新たな属を含む)およびフェイドハービア属(Faidherbia)を含む);ネムノキ連(アバレマ属(Abarema)、ネムノキ属(Albizia)、アカハダノキ属(Archidendron)、アルキデンドロプシス属(Archidendropsis)、バリジア属(Balizia)、ブランケチオデンドロン属(Blanchetiodendron)、カリアンドラ属(Calliandra)、カトルミオン属(Cathormion)、ケドレリンガ属(Cedrelinga)、クロロレウコン属(Chloroleucon)、コヨバ属(Cojoba)、エベノプシス属(Ebenopsis)、エンテロロビウム属(Enterolobium)、ファルカタリア属(Falcataria)、グイネチア属(Guinetia)、ハバルディア属(Havardia)、ヘスペラルビジア属(Hesperalbizia)、ヒドロコレア属(Hydrochorea)、インガ属(Inga)、レベキア属(Lebekia)、レウコクロロン属(Leucochloron)、リシロマ属(Lysiloma)、マクロサマネア属(Macrosamanea)、パインテリア属(Painteria)、パラキデンドロン属(Parachidendron)、パラセリアンテス属(Paraserianthes)、キンキジュ属(Pithecellobium)、プセウドサマネア属(Pseudosamanea)、サマネア属(Samanea)、セリアンテス属(Serianthes)、スフィンガ属(Sphinga)、ワラケオデンドロン属(Wallaceodendron)、ザポテカ属(Zapoteca)およびジギア属(Zygia)を含む);オジギソウ連(Mimoseae)(アデナンテラ属(Adenanthera)、アデノポディア属(Adenopodia)、アラントシロデンドロン属(Alantsilodendron)、アムブリゴノカルプス属(Amblygonocarpus)、アナデンアンテラ属(Anadenanthera)、アウブレウィレア属(Aubrevillea)、カリアンドロプシス属(Calliandropsis)、カルポカリクス属(Calpocalyx)、キリコディスクス属(Cylicodiscus)、デスマンツス属(Desmanthus)、ディクロスタキス属(Dichrostachys)、エレファントルリザ属(Elephantorrhiza)、モダマ属(Entada)、フィエラエオプシス属(Fillaeopsis)、ガグネビナ属(Gagnebina)、インドピプタデニア属(Indopiptadenia)、カナロア属(Kanaloa)、レムロデンドロン属(Lemurodendron)、ギンネム属(Leucaena)、ミクロロビウス属(Microlobius)、オジギソウ属(Mimosa)、ネプチュニア属(Neptunia)、ネウトニア属(Newtonia)、パラピプタデニア属(Parapiptadenia)、ピプタデニア属(Piptadenia)、ピプタデニアストラム属(Piptadeniastrum)、ピプタデニオプシス属(Piptadeniopsis)、プラティメニア属(Plathymenia)、プロソピダストラム属(Prosopidastrum)、プロソピス属(Prosopis)、プセウドピプタデニア属(Pseudopiptadenia)、プセウドプロソピス属(Pseudoprosopis)、スクレイニトジア属(Schleinitzia)、ストリフノデンドロン属(Stryphnodendron)、テトラプレウラ属(Tetrapleura)、クセロクラディア属(Xerocladia)およびクシリア属(Xylia)を含む);ミモジガンツス連(Mimozygantheae)(ミモジガンツス属(Mimozyganthus)を含む);ならびに、パルキア連(Parkieae)(パルキア属(Parkia)およびペンタクレツラ属(Pentaclethra)を含む)。
【0018】
本明細書において参照されるところ、「メスキート」としては、プロソピス属(Prosopis L)の種が挙げられる。防除が度々所望されるメスキートの種としては、P.glandulosa Torr.(ハニーメスキート)、P.juliflora(Sw.)DC.(メスキート)、P.pallida(Humb.&Bonpl.ex Willd.)Kunth(キャベ)およびP.velutina Woot.(ムジナタケ(velvet mesquite))が挙げられる。防除が所望され得るプロソピス種(Prosopis)のさらなる例としては、P.africana(Guill.,Perr.&A.Rich.)Taubert(アフリカメスキート)、P.alba Griseb.(アルガロボブランコ)、プロソピスアルパタコ(P.alpataco Phil.)、プロソピスアルゼンチーナ(P.argentina Burkart)、プロソピスブルカルチー(P.burkartii Munoz)、プロソピスカルデニア(P.caldenia Burkart)、P.calingastana Burkart(クスキ(cusqui))、プロソピスカンペストリス(P.campestris Griseb.)、プロソピスキャッスルラノシ(P.castellanosii Burkart)、P.chilensis(Molina)Stuntz(アルガロボ)、P.cineraria(L.)Druce(ジャンド)、プロソピスデヌダンス(P.denudans Benth.)、プロソピスエレタ(P.elata (Burkart)Burkart)、P.farcta (Banks&Sol.)J.F.Macbr.(シリアンメスキート)、プロソピスフェロックス(P.ferox Griseb.)、プロソピスフィエブリジ(P.fiebrigii Harms)、プロソピスハッスレリ(P.hassleri Harms ex Hassler)、プロソピスフムリス(P.humulis Gillies ex Hook.&Arn.)、プロソピスクンゼイ(P.kuntzei Harms ex Hassler)、P.laevigata(Humb.&Bonpl.ex Willd.)M.C.Johnst.(スムースメスキート)、P.nigra Griseb.ex Hieron.(アルガロボネグロ)、プロソピスパルメリ(P.palmeri S.Watson)、P.pubescens Benth.(スクリュービーンメスキート)、P.reptans Benth.(トルニロ)、プロソピスロヤシアナ(P.rojasiana Burkart)、プロソピスルイズレアリ(P.ruizlealii Burkart)、プロソピスルシフォリア(P.ruscifolia Griseb.)、プロソピスセリカンタ(P.sericantha Gillies ex Hook.&Arn.)、P.strombulifera(Lam.)Benth.(アルゼンチンスクリュービーン)、P.tamarugo F.Philippi(タマルゴ)、および、プロソピストルカータ(P.torquata DC)が挙げられる。
【0019】
通例「スイートアカシア」としても知られている「キンゴウカン」はまた、学名Acacia farnesiana(L.)Willd.を有している。放牧地に有害である侵襲性の雑草と度々みなされるアカシア属(Acacia Mill.)の他の種としては:A.catechu(L.f.)Willd.(ペグノキ)、A.drepanolobium Harms ex Y.Sjoestedt(アカシアドレパノロビウム(whistling thorn))、A.karroo Hayne(スイートソーン(sweet thorn)、カルーソーン(Karroo thorn))、および、A.nilotica(L.)Willd.ex Delile(アラビアゴムツリー、有棘アカシア)が挙げられる。
【0020】
本発明の実施形態としては以下が挙げられる。
実施形態A1.成分(a)(すなわち、式1の化合物ならびにその塩、エステルおよびチオエステルから選択される1種以上の化合物)が、式1の化合物のエステルおよび塩から選択される発明の概要に記載の方法。
【0021】
実施形態A2.成分(a)が、式1の化合物のエステルから選択される発明の概要に記載の方法。
【0022】
実施形態A3.式1の化合物のエステルが、式1の化合物のC〜C14アルキル、C〜C14アルコキシアルキル、C〜C14アルコキシアルコキシアルキル、C〜C14ヒドロキシアルキルおよびベンジルエステルから選択される発明の概要に記載の方法または実施形態A1またはA2。
【0023】
実施形態A4.式1の化合物のエステルが、式1の化合物のC〜Cアルキルエステルから選択される実施形態A3の方法。
【0024】
実施形態A5.式1の化合物のエステルが、式1の化合物のC〜Cアルキルエステルから選択される実施形態A4の方法。
【0025】
実施形態A6.成分(a)が式1の化合物のメチルエステルを含む実施形態A1〜A5のいずれか1つの方法。
【0026】
実施形態A7.成分(a)が式1の化合物のメチルエステルである実施形態A6の方法。
【0027】
実施形態A8.成分(a)が、式1の化合物の塩から選択される実施形態A1の方法。
【0028】
実施形態A9.式1の化合物の塩が、式1の化合物のアンモニア(すなわち、アンモニウム)、アミン(すなわち、炭素ベースの置換基で置換されたアンモニウム)およびアルカリ金属塩から選択される発明の概要に記載の方法または実施形態A1またはA8。
【0029】
実施形態A10.式1の化合物の塩が、式1の化合物のアンモニウム、ジメチルアンモニウムおよびイソプロピルアンモニウム塩から選択される実施形態A9の方法。
【0030】
実施形態A11.式1の化合物の塩が、式1の化合物のリチウム、ナトリウムおよびカリウム塩から選択される実施形態A9の方法。
【0031】
実施形態A12.式1の化合物の塩が、式1の化合物のナトリウムおよびカリウム塩から選択される実施形態A11の方法。
【0032】
実施形態A13.成分(a)が、式1の化合物のカリウム塩を含む実施形態A1、A8、A9、A11およびA12のいずれか1つの方法。
【0033】
実施形態A14.成分(a)が、式1の化合物のカリウム塩である実施形態A13の方法。
【0034】
実施形態B1.成分(b)(すなわち、少なくとも1種の追加の除草剤)が、(b1)ホサミンおよびその塩;(b2)イマザピルおよびその塩;(b3)メトスルフロン−メチルおよびその塩;ならびに、(b4)トリクロピルならびにそのエステル、チオエステルおよび塩からなる群から選択される発明の概要または実施形態A1〜A14のいずれか1つに記載の方法。
【0035】
実施形態B2.成分(b)の少なくとも1種の除草剤が、(b2)、(b3)および(b4)から選択される実施形態B1の方法。
【0036】
実施形態B3.成分(b)の少なくとも1種の除草剤が、(b1)、(b3)および(b4)から選択される実施形態B1の方法。
【0037】
実施形態B4.成分(b)の少なくとも1種の除草剤が、(b1)、(b2)および(b4)から選択される実施形態B1の方法。
【0038】
実施形態B5.成分(b)の少なくとも1種の除草剤が、(b1)、(b2)および(b3)から選択される実施形態B1の方法。
【0039】
実施形態B6.成分(b)の少なくとも1種の除草剤が、(b1)から選択される実施形態B1の方法。
【0040】
実施形態B7.成分(b)の少なくとも1種の除草剤が、(b2)から選択される実施形態B1の方法。
【0041】
実施形態B8.成分(b)の少なくとも1種の除草剤が、(b3)から選択される実施形態B1の方法。
【0042】
実施形態B9.成分(b)の少なくとも1種の除草剤が、(b4)から選択される実施形態B1の方法。
【0043】
実施形態B10.混合物中の唯一の除草有効成分が、成分(a)および(b)から選択される実施形態B1〜B9のいずれか1つの方法。
【0044】
実施形態B11.混合物中の唯一の除草有効成分が、成分(a)および(b1)から選択される実施形態B1、およびB3〜B6のいずれか1つの方法。
【0045】
実施形態B12.混合物中の唯一の除草有効成分が、成分(a)および(b2)から選択される実施形態B1、B2、B4、B5およびB7のいずれか1つの方法。
【0046】
実施形態B13.混合物中の唯一の除草有効成分が、成分(a)および(b3)から選択される実施形態B1〜B3、B5およびB8のいずれか1つの方法。
【0047】
実施形態B14.混合物中の唯一の除草有効成分が、成分(a)および(b4)から選択される実施形態B1〜B4、およびB9のいずれか1つの方法。
【0048】
実施形態B15.(b1)が、ホサミンの塩から選択される実施形態B1、B3〜B6、B10およびB11のいずれか1つの方法。
【0049】
実施形態B16.(b1)ホサミンのアンモニウム塩(すなわち、ホサミン−アンモニウム)である実施形態B15の方法。
【0050】
実施形態B17.(b2)が、イマザピルの塩から選択される実施形態B1、B2、B4、B5、B7、B10およびB12のいずれか1つの方法。
【0051】
実施形態B18.(b2)が、イマザピルのイソプロピルアンモニウム塩(すなわち、イマザピル−イソプロピルアンモニウム)である実施形態B17の方法。
【0052】
実施形態B19.(b3)が、メトスルフロン−メチル(すなわち、メトスルフロン−メチルの遊離酸形態)、ならびに、メトスルフロン−メチルのナトリウムおよびカリウム塩から選択される実施形態B1〜B3、B5、B8、B10およびB13のいずれか1つの方法。
【0053】
実施形態B20.(b3)が、メトスルフロン−メチルである実施形態B19の方法。
【0054】
実施形態B21.(b4)が、トリクロピルのエステルおよび塩から選択される実施形態B1〜B4、B9、B10およびB14のいずれか1つの方法。
【0055】
実施形態B22.(b4)が、トリクロピルのC〜C12アルキルエステルおよびC〜C12アルコキシアルキルエステルから選択される実施形態B21の方法。
【0056】
実施形態B23.(b4)が、トリクロピルのC〜Cアルコキシアルキルエステルから選択される実施形態B22の方法。
【0057】
実施形態B24.(b4)が、トリクロピル(すなわち、トリクロピル−ブトチル)2−ブトキシエチルエステルである実施形態B23の方法。
【0058】
実施形態B25.(b4)が、トリクロピルのアンモニア(すなわち、アンモニウム)、アミン(すなわち、炭素ベースの置換基で置換されたアンモニウム)およびアルカリ金属塩から選択される実施形態B21の方法。
【0059】
実施形態B26.(b4)が、トリクロピルのトリエチルアンモニウム塩(すなわち、トリクロピル−トリエチルアンモニウム)である実施形態B25の方法。
【0060】
実施形態C1.ネムノキ亜科(Mimosoideae)の望ましくない植生が、プロソピス属(Prosopis)の少なくとも1つの種を含む発明の概要または実施形態A1〜A14およびB1〜B26のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
実施形態C2.望ましくない植生が、ハニーメスキート(Prosopis glandulosa)、ムジナタケ(P.velutina)、メスキート(P.juliflora)およびアルガロボ(P.pallida)から選択される少なくとも1つの種を含む実施形態C1の方法。
【0062】
実施形態C3.望ましくない植生が、ハニーメスキート(Prosopis glandulosa)およびムジナタケ(P.velutina)から選択される少なくとも1つの種を含む実施形態C2の方法。
【0063】
実施形態C4.望ましくない植生が、ハニーメスキート(P.glandulosa)を含む実施形態C3の方法。
【0064】
実施形態C5.ネムノキ亜科(Mimosoideae)の望ましくない植生が、アカシア属(Acacia)の少なくとも1つの種を含む発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、およびC1〜C4のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
実施形態C6.望ましくない植生が、キンゴウカン(Acacia farnesiana)、アカシアドレパノロビウム(A.drepanolobium)、カルーソーン(A.karroo)、アカシアカテチュ(A.catechu)およびアカシアニロチカ(A.nilotica)から選択される少なくとも1つの種を含む実施形態C5の方法。
【0066】
実施形態C7.望ましくない植生が、キンゴウカン(Acacia farnesiana)を含む実施形態C6の方法。
【0067】
実施形態D1.望ましくない植生が群葉を有する発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、およびC1〜C7のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
実施形態D2.成分(a)および(b)を含む混合物の除草的有効量が、望ましくない植生の群葉に適用される実施形態D1の方法。
【0069】
実施形態D3.成分(a)および(b)を含む混合物が、少なくとも0.1体積パーセントの油をさらに含む噴霧組成物で適用される発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、およびD1〜D2のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
実施形態D4.噴霧組成物が、約5体積パーセント以下の油を含む実施形態D1の方法。
【0071】
実施形態D5.油が、植物性油およびメチル化種子油(その混合物を含む)から選択される少なくとも1種の油を含む実施形態D3またはD4の方法。
【0072】
実施形態D6.油が、メチル化種子油から選択される少なくとも1種の油を含む実施形態D5の方法。
【0073】
実施形態D7.望ましくない植生が、少なくとも樹齢約1年である発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、およびD1〜D6のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
実施形態D8.望ましくない植生が、少なくとも樹齢約5年である実施形態D7の方法。
【0075】
実施形態D9.望ましくない植生が、少なくとも樹齢約10年である実施形態D8の方法。
【0076】
実施形態E1.混合物中の成分(a)が、約600g a.e.(酸当量、すなわち、式1の酸に基づく)/ヘクタール以下の施用量で適用される発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、およびD1〜D9のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
実施形態E2.成分(a)が、約300g a.e./ヘクタール以下の施用量で適用される実施形態E1の方法。
【0078】
実施形態E3.混合物中の成分(a)が、少なくとも約50g a.e./ヘクタールの施用量で適用される発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、D1〜D9およびE1〜E2のいずれか1つに記載の方法。
【0079】
実施形態E4.混合物中の成分(a)が、少なくとも約100g a.e./ヘクタールの施用量で適用される実施形態E3の方法。
【0080】
実施形態F1.ホサミンベースの成分(b1)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約14:1である発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、D1〜D9、およびE1〜E4のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
実施形態F2.ホサミンベースの成分(b1)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約20:1である実施形態F1の方法。
【0082】
実施形態F3.ホサミンベースの成分(b1)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約22:1である実施形態F2の方法。
【0083】
実施形態F4.ホサミンベースの成分(b1)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約45:1以下である発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、D1〜D9、E1〜E4、およびF1〜F3のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
実施形態F5.ホサミンベースの成分(b1)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約36:1以下である実施形態F4の方法。
【0085】
実施形態F6.ホサミンベースの成分(b1)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約32:1以下である実施形態F5の方法。
【0086】
実施形態F7.イマザピルベースの成分(b2)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約0.2:1である発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、D1〜D9、E1〜E4、およびF1〜F6のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
実施形態F8.イマザピルベースの成分(b2)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約0.8:1である実施形態F7の方法。
【0088】
実施形態F9.イマザピルベースの成分(b2)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約1:1である実施形態F8の方法。
【0089】
実施形態F10.イマザピルベースの成分(b2)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約2.4:1以下である発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、D1〜D9、E1〜E4、およびF1〜F9のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
実施形態F11.イマザピルベースの成分(b2)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約1.8:1以下である実施形態F10の方法。
【0091】
実施形態F12.イマザピルベースの成分(b2)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約1.6:1以下である実施形態F11の方法。
【0092】
実施形態F13.メトスルフロン−メチルベースの成分(b3)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約0.03:1である発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、D1〜D9、E1〜E4、およびF1〜F12のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
実施形態F14.メトスルフロン−メチルベースの成分(b3)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約0.1:1である実施形態F13の方法。
【0094】
実施形態F15.メトスルフロン−メチルベースの成分(b3)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約0.15:1である実施形態F14の方法。
【0095】
実施形態F16.メトスルフロン−メチルベースの成分(b3)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約0.4:1以下である発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、D1〜D9、E1〜E4、およびF1〜F15のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
実施形態F17.メトスルフロン−メチルベースの成分(b3)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約0.3:1以下である実施形態F16の方法。
【0097】
実施形態F18.メトスルフロン−メチルベースの成分(b3)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約0.22:1以下である実施形態F17の方法。
【0098】
実施形態F19.トリクロピルベースの成分(b4)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約0.8:1である発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、D1〜D9、E1〜E4、およびF1〜F18のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
実施形態F20.トリクロピルベースの成分(b4)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約1.6:1である実施形態F19の方法。
【0100】
実施形態F21.トリクロピルベースの成分(b4)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、少なくとも約2:1である実施形態F20の方法。
【0101】
実施形態F22.トリクロピルベースの成分(b4)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約4:1以下である発明の概要または実施形態A1〜A14、B1〜B26、C1〜C7、D1〜D9、E1〜E4、およびF1〜F21のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
実施形態F23.トリクロピルベースの成分(b4)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約3.2:1以下である実施形態F22の方法。
【0103】
実施形態F24.トリクロピルベースの成分(b4)対式1の酸ベースの成分(a)の重量比が、約2.8:1以下である実施形態F23の方法。
【0104】
上記の実施形態A1〜F24、ならびに、本明細書に記載のいずれかの他の実施形態を含む本発明の実施形態は、任意の様式で組み合わせることが可能である。
【0105】
ネムノキ亜科(Mimosoideae)の望ましくない植生を防除するための本方法は、(a)式1の化合物(6−アミノ−5−クロロ−2−シクロプロピル−4−ピリミジンカルボン酸)、ならびに、その塩、エステルおよびチオエステルから選択される1種以上の化合物;ならびに、(b)(b1)ホサミンおよびその塩からなる群から選択される少なくとも1種の追加の除草剤;(b2)イマザピルおよびその塩;(b3)メトスルフロン−メチルおよびその塩;ならびに、(b4)トリクロピル、ならびに、その塩、エステルおよびチオエステルを含む除草的有効量の混合物を適用する工程を含む。式1の化合物、ならびに、その塩、エステルおよびチオエステルはネムノキ亜科(Mimosoideae)植生の高度に有効な落葉剤であるが、これらの除草剤が比較的低施用量で用いられる場合、最終的には、定着した植物の再成長が生じる可能性がある。注目すべきことに、ホサミン、イマザピル、メトスルフロン−メチルおよび/またはトリクロピル(これらの塩、エステルおよびチオエステル誘導体を含む)との混合物が、再成長を相乗的に妨げると共にネムノキ亜科(Mimosoideae)植生を永久的に死滅させることが発見されている。従って、本発明の一態様は、相乗的量の、(a)式1の化合物ならびにその塩、エステルおよびチオエステルから選択される1種以上の化合物と;(b)(b1)ホサミンおよびその塩;(b2)イマザピルおよびその塩;(b3)メトスルフロン−メチルおよびその塩;ならびに、(b4)トリクロピルならびにそのエステル、チオエステルおよび塩からなる群から選択される少なくとも1種の追加の除草剤とを含む除草的有効量の混合物を望ましくない植生またはその環境に適用する工程を含む、ネムノキ亜科(Mimosoideae)の望ましくない植生を防除するための方法である。
【0106】
既述のとおり、式1の化合物、ホサミン、イマザピル、メトスルフロン−メチルおよびトリクロピルは、これらの塩として本方法において用いられることが可能である。当業者は、環境において、および、生理的条件下において、これらの化合物の塩はその非塩形態と平衡にあり、従って、塩は、非塩形態の生物学的実用性を共有することを認識する。それ故、式1の化合物、ホサミン、イマザピル、メトスルフロン−メチルおよびトリクロピルの広く多様な塩が、本発明の文脈において、望ましくない植生の防除に有用である(すなわち、農学的に好適である)。
【0107】
当該技術分野において周知であるとおり、酸性官能基(例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホニル尿素)と塩基との接触は、酸性官能基に由来する対応するアニオンおよび塩基に由来する陽性に帯電した対イオンを含む塩を形成する。例えば、塩は、アミン塩基(例えば、ピリジン、アンモニア、トリエチルアミン、イソプロピルアミン)、他の有機塩基(例えば、第4級水酸化アンモニウム)、または、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムのアミド、水和物、水酸化物または炭酸塩)と共に形成される。化合物が塩基性の官能基(例えば、利用可能な電子対を有する窒素原子を含むアミノまたは他の部分)を含む場合、塩はまた、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸などの無機酸または有機酸との酸付加塩を含むことが可能である。
【0108】
式1の化合物(6−アミノ−5−クロロ−2−シクロプロピル−4−ピリミジンカルボン酸)
【化2】

は、脱プロトン化されて塩基と塩を形成することが可能であるカルボン酸官能基(−COH)を含むと共に、プロトン化されて酸と塩を形成することが可能である遊離電子対を有するアミノ置換基(−NH)およびピリミジン環窒素原子をも含む。本方法については、塩基と共に形成された塩が特に有用である。注目すべきは、対イオンが、アンモニアもしくはアミン(例えば、アンモニウム、ジメチルアンモニウムまたはイソプロピルアンモニウム)から形成されているか、または、アルカリ金属カチオン(例えば、カリウム、ナトリウムあるいはリチウム)であるような塩である。本方法について特に注目すべきは、式1の化合物のナトリウム塩およびカリウム塩である。これらの塩は、水に優れた溶解度を示す。本方法について優れた除草効力をもたらすことに追加して、きわめて水溶性であって、輸送および分取が簡便である高強度の水溶性濃縮配合物の調製を促進させるために、式1の化合物のカリウム塩が好ましい。
【0109】
ホサミン(式2;(アミノカルボニル)亜リン酸エチル)は、脱プロトン化されて塩基と塩を形成することが可能なホスホン酸官能基(−P(O)(OCHCH)OH)の半エステルを含む。塩は、ホサミンの遊離酸形態よりも化学的に安定である。ホサミンの広く多様な塩が本方法において有用であるが、典型的には、KRENITE(登録商標)(DuPont)などの市販の製品で入手可能であるためにアンモニウム塩が用いられる。
【化3】

【0110】
イマザピル(式3;(±)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−3−ピリジンカルボン酸)は、脱プロトン化されて塩基と塩を形成することが可能なカルボン酸官能基(−COH)を含む。イマザピルはまた、プロトン化されて酸と塩を形成することが可能である遊離電子対を有する窒素原子を含む。塩基と共に形成された塩が本方法について特に有用である。特に注目すべきは、ARSENAL(登録商標)(BASF)などの除草剤製品で市販されているイソプロピルアンモニウム塩(イマザピル−イソプロピルアンモニウムとしても公知である)である。
【化4】

【0111】
メトスルフロン−メチル(式4;メチル2−[[[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−アミノ]−カルボニル]アミノ]スルホニル]安息香酸塩)は、脱プロトン化されて塩基と塩を形成することが可能なスルホニル尿素部分(−S(O)NHC(O)N−)を含む。メトスルフロン−メチルはまた、プロトン化されて酸と塩を形成することが可能である遊離電子対を有する窒素原子を含む。塩基と共に形成された塩が本方法について特に有用である。しかしながら、メトスルフロン−メチルは、度々、ESCORT(登録商標)XP(DuPont)などの除草剤製品で市販されている非塩形態として用いられる。
【化5】

【0112】
トリクロピル(式5;[(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)オキシ]酢酸)は、脱プロトン化されて塩基と塩を形成することが可能なカルボン酸官能基(−COH)を含む。トリクロピルはまた、プロトン化されて酸と塩を形成することが可能である遊離電子対を有する窒素原子を含む。塩基と共に形成された塩が本方法について特に有用である。特に注目すべきは、GARLON(登録商標)3A(Dow AgroSciences)除草剤製品で市販されているトリエチルアンモニウム塩(トリクロピル−トリエチルアンモニウムとしても公知である)である。
【化6】

【0113】
また、式1および式5の対応するカルボン酸(トリクロピル)の誘導体としては、エステルおよびチオエステル誘導体が本方法において特に有用である。カルボン酸形態(すなわち、式1および5)は、除草活性を生じさせる植物酵素または受容体の活性部位に結合している化合物であると考えられている。しかしながら、エステルおよびチオエステル誘導体は、植物中でまたは環境中で親カルボン酸に変換されることが可能であり、従って、これらの誘導体はまた除草実用性をも有する。従って、塩誘導体ならびにエステルおよびチオエステルが本方法について有用である。
【0114】
エステル基(すなわち、COAL)はカルボン酸(COH)のアルコール(すなわち、RALOH)との縮合からもたらされ、式中、RALはアルコールに由来するラジカルである。式C(O)SRALのチオエステル基は、概念的に、カルボン酸官能基のRALSHのチオアルコール(度々、メルカプタンと呼ばれる)との縮合物として見られ得る。カルボン酸からカルボン酸エステルおよびチオエステルを調製するための広く多様な当該技術分野において公知である一般的な方法が存在している。
【0115】
ラジカルRALが2つ以上のOHまたはSH官能基を有している場合、このラジカルは、式1または5の2種以上のカルボン酸と縮合され得る。これらの多エステル化誘導体は親カルボン酸に加水分解されることが可能であるため、これらの誘導体は、本方法について有用なエステル誘導体の範疇である。例示的なチオエステル誘導体は、メタンチオール、エタンチオールまたはプロパンチオールなどのアルキルチオールでチオエステル化された式1または5の化合物を含む。例示的なエステル誘導体は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノールまたはベンジルアルコールなどのアルコールでエステル化されて、それぞれ、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−ブトキシエチルおよびベンジルエステルを形成する式1または5の化合物を含む。
【0116】
式1および5のカルボン酸のエステルおよびチオエステル誘導体のうち、一般に、より簡便に調製され、最も安価であり、および、最も有用であるために、エステル誘導体に特に注目すべきである。従って、本方法における成分(a)が選択される化合物の例示は、式1aの化合物およびその塩である。
【化7】

(式中、
はORまたはSRであり;
は、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルコキシアルキル、C〜C14アルコキシアルコキシアルキル、C〜C14ヒドロキシアルキルまたはベンジルであり;および
は、C〜C14アルキル、C〜C14アルコキシアルキル、C〜C14アルコキシアルコキシアルキル、C〜C14ヒドロキシアルキルまたはベンジルである。)
【0117】
しかも、本方法における成分(b4)が選択される化合物としての例示は、式5aの化合物およびその塩である。
【化8】

(式中、
はORまたはSRであり;
は、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルコキシアルキル、C〜C14アルコキシアルコキシアルキル、C〜C14ヒドロキシアルキルまたはベンジルであり;および
は、C〜C14アルキル、C〜C14アルコキシアルキル、C〜C14アルコキシアルコキシアルキル、C〜C14ヒドロキシアルキルまたはベンジルである。)
【0118】
従って、本方法について注目すべきは、式中RがORである式1aの化合物およびその塩、ならびに、式中RがORである式5aの化合物およびその塩であり、特に注目すべきは、式1aの化合物(式中、RはORであると共にRは、C〜C14アルキル、C〜C14アルコキシアルキル、C〜C14アルコキシアルコキシアルキル、C〜C14ヒドロキシアルキルまたはベンジルである)、ならびに、式5aの化合物(式中、RはORであると共に、Rは、C〜C14アルキル、C〜C14アルコキシアルキル、C〜C14アルコキシアルコキシアルキル、C〜C14ヒドロキシアルキルまたはベンジルである)である。
【0119】
コストおよび除草有効性のために、式1の化合物のエステルとしては、C〜Cアルキルエステルが好ましく、C〜Cアルキル(すなわち、メチルおよびエチル)エステルがより好ましい。メチルエステルは、度々、式1の化合物のカリウム塩よりもかなり少ない施用量で、本方法において同様の効力をもたらす。特に注目すべきは、トリクロピルの2−ブトキシエチルエステル(トリクロピル−ブトチルとして公知であり、GARLON(登録商標)4およびREMEDY(登録商標)(Dow AgroSciences)などの除草剤製品で市販されている)である。
【0120】
式1の化合物ならびにその塩、エステルおよびチオエステル誘導体は、国際公開第2005/063721号パンフレット、国際公開第2006/121648号パンフレットおよび国際公開第2006/124657号パンフレットに記載の方法によって調製されることが可能である。ホサミン−アンモニウムは市販の製品中に簡便に入手されるが、ホサミンのこのおよび他の塩は、米国特許第3,627,507号明細書および同3,846,512号明細書に記載の方法によって調製されることが可能である。イマザピル−イソプロピルアンモニウムは市販の製品中に簡便に入手されるが、イマザピルおよびその塩は、米国特許第4,798,619号明細書に記載の方法によって調製されることが可能である。メトスルフロン−メチルは市販の製品中に簡便に入手されるが、米国特許第4,383,113号明細書に記載の方法によって調製されることが可能である。トリクロピルは市販の製品中に簡便に入手されるが、米国特許第3,862,952号明細書に記載の方法によって調製されることが可能である。
【0121】
表1は、本方法のための成分(a)として有用である特定の化合物を例示している。以下の略語が表1において用いられている:nはノルマルを意味し、tは第3級を意味し、iはイソを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、n−Prはn−プロピルを意味し、i−Prはイソプロピルを意味し、n−Buはブチルを意味し、t−Buはtert−ブチルを意味し、Phはフェニルを意味し、「」は負の形式電荷を意味し、および、「」は正の形式電荷を意味する。
【0122】
【表1】

【0123】
配合物/実用性
本方法において、成分(a)(すなわち、式1の化合物ならびにその塩、エステルおよびチオエステルから選択される1種以上の化合物)と、成分(b)(すなわち、(b1)ホサミンおよびその塩;(b2)イマザピルおよびその塩;(b3)メトスルフロン−メチルおよびその塩;ならびに(b4)トリクロピルおよびエステル、チオエステルおよびその塩からなる群から選択される少なくとも1種の追加の除草剤)との混合物は、多様な方法で配合されると共に適用されることが可能である:
(1)成分(a)および成分(b)化合物は、個別に配合されると共に、個別に適用されるか、もしくは、適切な重量比で、例えばタンク混合として同時に適用されることが可能であり;または
(2)成分(a)および成分(b)化合物は、適切な重量比で一緒に配合されることが可能である。
【0124】
配合および適用の他の可能な組み合わせは、成分(a)および一の成分(b)化合物を一緒に配合すると共に、この組成物を他の個別に配合された成分(b)化合物と個別に、または、同時に適用することを含む。当業者は、類推により、配合および適用のさらに可能な組み合わせを認識するであろう。
【0125】
本方法について、成分(a)と成分(b)化合物との混合物は、一般に、組成物中(すなわち、キャリアとして機能する界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分との配合物)の有効成分として用いられることとなる。この配合物または組成物処方成分は、有効成分の物理特性、適用方式、ならびに、土壌タイプ、水分および温度などの環境要因に一致するよう選択される。
【0126】
有用な配合物としては、液体および固体組成物の両方が含まれる。液体組成物としては、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルジョン(マイクロエマルジョンおよび/またはサスポエマルジョンを含む)等が挙げられ、これらは、任意により、ゲルに増粘されることが可能である。一般的なタイプの水性液体組成物は、可溶性濃縮物、懸濁濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、マイクロエマルジョンおよびサスポエマルジョンである。一般的なタイプの非水性液体組成物は、乳化性濃縮物、ミクロ乳化性濃縮物、分散性濃縮物および油分散体である。
【0127】
一般的なタイプの固体組成物は、粉剤、粉末、顆粒、ペレット、プリル、香錠、錠剤、充填フィルム(種子コーティングを含む)等であり、これらは、水−分散性(「水和性」)または水溶性であることが可能である。フィルム形成性溶液または流動性の懸濁液から形成されたフィルムおよびコーティングは、種子処理に特に有用である。有効成分は、(マイクロ)カプセル化されると共に、懸濁液または固体配合物に形成されることが可能であり;あるいは、有効成分の全配合物がカプセル化(または「オーバーコート」)されることが可能である。カプセル化は、有効成分の放出を制御または遅らせることが可能である。乳化性顆粒では、乳化性濃縮配合物および乾燥顆粒配合物の両方の利点が組み合わされている。高強度組成物は、さらなる配合用の中間体として主に用いられる。
【0128】
噴霧可能な配合物は、典型的には、吹付けの前に好適な媒体中に希釈される。このような液体および固体配合物は、通常は水といった噴霧媒体中で容易に希釈されるよう配合される。噴霧体積は、約1リットル〜数千リットル/ヘクタールの範囲であることが可能であるが、より典型的には、約10リットル〜数百リットル/ヘクタールの範囲内である。噴霧可能な配合物は、水と、または、空中もしくは地表適用による葉面処理のために、もしくは、植物の成長倍地への適用のために好適な他の媒体とタンク混合されることが可能である。
【0129】
配合物は、典型的には、合計で100重量パーセントとなる以下の概略的範囲内で有効量の有効成分、希釈剤および界面活性剤を含有するであろう。
【0130】
【表2】

【0131】
固体希釈剤としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトおよびカオリンなどのクレイ、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖質(例えば、ラクトース、スクロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウム、ならびに、硫酸ナトリウムが挙げられる。典型的な固体希釈剤が、Watkinsら,Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,第2版,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。
【0132】
液体希釈剤としては、例えば、水、N,N−ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N−アルキルピロリドン(例えば、N−メチルピロリジノン)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、正パラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、ソルビトール、トリアセチン(グリセロールトリアセテート)、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、イソホロンおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、ヘプチルアセテート、オクチルアセテート、ノニルアセテート、トリデシルアセテートおよびイソボルニルアセテートなどの酢酸塩、アルキル化乳酸塩エステル、二塩基性エステルおよびγ−ブチロラクトンなどの他のエステル、ならびに、直鎖、分岐、飽和または不飽和であることが可能である、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコールおよびベンジルアルコールなどのアルコールが挙げられる。液体希釈剤としてはまた、植物種子および果実油(例えば、オリーヴ油、ヒマシ油、亜麻仁油、ゴマ油、コーン(トウモロコシ)油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ベニバナ油、綿実油、ダイズ油、ナタネ油、ココナツ油およびパーム核油)、動物由来脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)、ならびに、これらの混合物などの飽和および不飽和脂肪酸(典型的にはC〜C22)のグリセロールエステルが挙げられる。液体希釈剤としてはまた、アルキル化脂肪酸(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)が挙げられ、ここで、脂肪酸は、植物および動物源由来のグリセロールエステルの加水分解により入手され得ると共に、蒸留によって精製されることが可能である。特に注目すべきアルキル化脂肪酸液体希釈剤は、メチル化大豆油である。典型的な液体希釈剤が、Marsden,Solvents Guide,第2版,Interscience,New York、1950年に記載されている。
【0133】
成分(a)および(b)の混合物を含む固体および液体組成物は、度々、1種以上の界面活性剤を含む。液体に添加された場合、界面活性剤(「表面活性剤」としても知られている)は、一般に、液体の表面張力を変化(ほとんどの場合低減)させる。界面活性剤分子中の親水性および親油性基の性質に応じて、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤または消泡剤として有用であることが可能である。
【0134】
界面活性剤は、ノニオン性、アニオン性またはカチオン性に区分することが可能である。本組成物に有用なノニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが:天然および合成アルコール(分岐または直鎖であり得る)ベースであると共に、アルコールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物とから調製されるアルコールアルコキシレートなどのアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミドおよびエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化ダイズ、ヒマシ油およびナタネ油などのアルコキシル化トリグリセリド;オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレートおよびドデシルフェノールエトキシレート(フェノールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物とから調製される)などのアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと、末端ブロックがプロピレンオキシドから調製されている逆ブロックポリマーとから調製されるブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪エステルおよび油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物から調製されたものを含む);脂肪酸エステル、グリセロールエステル、ラノリンベースの誘導体、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステルおよびポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどのポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドpeg(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトまたはくし形ポリマーおよび星形ポリマーなどの高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベースの界面活性剤;ならびに、スクロースエステル、アルキルポリグリコシドおよびアルキル多糖類などの糖質−誘導体が挙げられる。
【0135】
有用なアニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが:アルキルアリールスルホン酸およびこれらの塩;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニン、および、リグノスルホネートなどのリグニン誘導体;マレイン酸またはコハク酸またはこれらの無水物;オレフィンスルホン酸塩;アルコールアルコキシレートのリン酸エステル、アルキルフェノールアルコキシレートのリン酸エステルおよびスチリルフェノールエトキシレートのリン酸エステルなどのリン酸エステル;タンパク質ベースの界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテル硫酸塩;油および脂肪酸の硫酸塩およびスルホン酸塩;エトキシル化アルキルフェノールの硫酸塩およびスルホン酸塩;アルコールの硫酸塩;エトキシル化アルコールの硫酸塩;N,N−アルキルタウレートなどのアミンおよびアミドのスルホン酸塩;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、ならびに、ドデシルおよびトリデシルベンゼンのスルホン酸塩;縮合ナフタレンのスルホン酸塩;ナフタレンおよびアルキルナフタレンのスルホン酸塩;精留された石油のスルホン酸塩;スルホスクシンアミド酸;ならびに、ジアルキルスルホコハク酸塩などのスルホコハク酸塩およびそれらの誘導体が挙げられる。
【0136】
有用なカチオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが:アミドおよびエトキシル化アミド;N−アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミンおよびジプロピレンテトラアミン、ならびに、エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミンおよびプロポキシル化アミン(アミンと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物とから調製される)などのアミン;アミン酢酸塩およびジアミン塩などのアミン塩;第4級塩、エトキシル化第4級塩およびジ第4級塩などの第4級アンモニウム塩;ならびに、アルキルジメチルアミンオキシドおよびビス−(2−ヒドロキシエチル)−アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが挙げられる。
【0137】
また、ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物、または、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との混合物が、成分(a)および(b)を含む組成物に有用である。ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤、ならびに、これらの推奨される用法は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.発行のMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions;SiselyおよびWood,Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,(New York,1964年;ならびに、A.S.DavidsonおよびB.Milwidsky,Synthetic Detergents,第7版,John Wiley and Sons,New York,1987年を含む多様な公開されている文献中に開示されている。
【0138】
本方法のための成分(a)および(b)を含む組成物はまた、配合物助剤として当業者に公知である、配合助剤および添加剤(これらのうちのいくつかは、固体希釈剤、液体希釈剤または界面活性剤としても機能するとみなされ得る)を含有し得る。このような配合助剤および添加剤は:pH(緩衝剤)、処理中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、有効成分の沈降(懸濁剤)、粘度(チクソトロープ性増粘剤)、容器内での微生物の増殖(抗菌剤)、生成物の凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散剤)、洗濯堅牢性(塗膜形成剤または展着剤)、蒸発(蒸発遅延剤)、および、他の配合物の属性を制御し得る。塗膜形成剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン−ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが挙げられる。配合助剤および添加剤の例としては、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.発行のMcCutcheon’s第2巻:Functional Materials、annual International and North American editions;および国際公開第03/024222号パンフレットに列挙されているものが挙げられる。
【0139】
成分(a)および成分(b)化合物は、典型的には、有効成分を溶剤中に溶解させることにより、または、液体または乾燥希釈剤中で粉砕することにより、本方法のための組成物に組み込まれる。乳化性濃縮物を含む溶液は、処方成分を単に混合することにより調製されることが可能である。乳化性濃縮物として用いられるよう意図された液体組成物の溶剤が不水和性である場合、典型的には乳化剤が添加されて、水での希釈の際に有効成分含有溶剤が乳化される。2,000μm以下の粒径を有する有効成分スラリーは、媒体ミルを用いて湿式ミルに供して、3μm未満の平均直径を有する粒子を得ることが可能である。水性スラリーは、最終懸濁液濃縮物に形成されることが可能であり(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照されたい)、または、噴霧乾燥によってさらに処理されて水分散性顆粒を形成することが可能である。乾燥配合は、通常は、2〜10μm範囲内の平均粒径をもたらす乾燥ミルプロセスを必要とする。粉剤および粉末は、ブレンドおよび通常は粉砕(ハンマーミルまたは流体エネルギーミルなどによる)により調製されることが可能である。顆粒およびペレットは、顆粒状キャリアへの有効材料の吹付けにより、または、凝塊技術により調製されることが可能である。Browning,「Agglomeration」,Chemical Engineering,1967年12月4日,第147〜48ページ,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,第4版,McGraw−Hill,New York、1963年、第8〜57ページ以下、ならびに、国際公開第91/13546号パンフレットを参照されたい。ペレットは、米国特許第4,172,714号明細書に記載のとおり調製されることが可能である。水−分散性および水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書および独国特許第3,246,493号明細書に教示のとおり調製されることが可能である。錠剤は、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書および米国特許第5,208,030号明細書に教示のとおり調製されることが可能である。フィルムは、2,095,558号明細書および米国特許第3,299,566号明細書に教示されているとおり調製されることが可能である。
【0140】
配合物の技術分野に関するさらなる情報については、Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food−Environment Challenge,T.BrooksおよびT.R.Roberts編,the 9th International Congress on Pesticide Chemistryの予行集,The Royal Society of Chemistry,Cambridge,1999年,第120〜133ページにおけるT.S.Woods,「The Formulator’s Toolbox−Product Forms for Modern Agriculture」を参照されたい。また、米国特許第3,235,361号明細書、第6欄、第16行〜第7欄、第19行および実施例10〜41;米国特許第3,309,192号明細書、第5欄、第43行〜第7欄、第62行および実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138〜140、162〜164、166、167および169〜182;米国特許第2,891,855号明細書、第3欄、第66行〜第5欄、第17行および実施例1〜4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.、New York、1961年、第81〜96ページ;Hanceら,Weed Control Handbook,第8版,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989年;ならびに、Developments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000年を参照されたい。
【0141】
以下の実施例において、すべてのパーセントは重量基準であり、すべての配合物は従来の方法で調製されている。化合物番号は表1中の化合物を指している。さらなる説明がなくとも、上記の記載を用いる当業者は本発明を最大限に利用することが可能であると考えられている。以下の実施例は、従って、単なる例示と解釈されるべきであり、いかようにも本開示を限定するものではない。パーセントは、他に記載のない限り重量基準である。
【実施例】
【0142】
【表3】

【0143】
【表4】

【0144】
【表5】

【0145】
【表6】

【0146】
【表7】

【0147】
【表8】

【0148】
テスト結果は、本発明の方法が、低施用量であっても、キンゴウカンなどのアカシア(Acacia)種およびハニーメスキートなどのプロソピス(Prosopis)種を含むネムノキ亜科(Mimosoideae)の望ましくない植生を防除するためにきわめて有効であることを示す。望ましくない植生の防除は、植生を死滅させるかもしくは損傷させること、または、その繁殖を低減させることを含む。本方法の文脈において、防除は、典型的には、処理された植生が完全に死滅して、これを、水、栄養分、太陽光および繁殖空間に関して望ましい植生の競合種として永久的に排除することを含む。成分(a)の化合物と成分(b)の化合物との混合物は、長期の防除のための完全な死滅をもたらす相乗的効果を提供することが発見された。しかも、本方法は、ネムノキ亜科(Mimosoideae)の若年植物のみならず、多年齢の定着した植物であって、従来の除草剤処理または機械的除去によっては防除が困難であり得るものをも死滅させるために有用である。典型的には、本方法は、牧草地および放牧地を含む草地における望ましくないネムノキ亜科(Mimosoideae)植物を選択的に防除する(例えば、死滅させる)ために用いられる。しかしながら、本方法はまた、ネムノキ亜科(Mimosoideae)植物が所望されない他の地域におけるネムノキ亜科(Mimosoideae)植物の防除にも用いられることが可能である。
【0149】
成分(a)および(b)の化合物の混合物は共に発芽前および発芽後除草活性を有するため、植生を死滅させるかもしくは損傷させること、または、その繁殖を低減させることによって望ましくない植生を防除するために、これらの混合物は、界面活性剤、固体希釈剤もしくは液体希釈剤の混合物およびその少なくとも1種を含む、除草的有効量の混合物または組成物を、望ましくない植生の群葉もしくは他の部分に、または、望ましくない植生が繁殖している土壌もしくは水などまたは望ましくない植生の種子あるいは他の栄養繁殖体の周囲の土壌もしくは水などの望ましくない植生の環境に、接触させる工程を含む多様な方法によって有用に適用されることが可能である。成分(a)および成分(b)は、同時にまたは連続して適用されて混合物を形成することが可能である。
【0150】
成分(a)および(b)の混合物はネムノキ亜科(Mimosoideae)植物の周囲の土壌に適用されることが可能であるが、定着したネムノキ亜科(Mimosoideae)植物の根群域は下方に数メートル伸びている可能性があり、周囲の土壌の量および深度の両方が土壌適用の効果を低減させる。従って、典型的には、本方法については、成分(a)および(b)の混合物が望ましくない植生の群葉に適用される。群葉散布は、確実に除草性有効成分を相当の割合で植物に吸収させる。式1の化合物、および、程度の差はあれど、成分(b)の化合物は、植物の他の部分への転流が可能である。
【0151】
葉面散布について、典型的には、散布体積は、比較的少ない滴りまたは流出で、ネムノキ亜科(Mimosoideae)群葉のすべてを所望の有効成分施用量で濡らすために充分であるよう選択される。散布された除草性混合物の最適な吸収のために、ネムノキ亜科(Mimosoideae)植物は、葉を出しているべきであり(すなわち、群葉は枝および茎と共に葉を含む)、および、好ましくは、この植物は活発に成長しているべきである。葉面散布された噴霧混合物の除草効力は、度々、界面活性剤(例えば、湿潤剤)および油(例えば、メチル化種子油、植物性油(すなわち、種子および果実から得られる油)およびディーゼル燃料油(その混合物を含む))などの補助剤の添加により促進される。補助剤として注目すべきは、植物性油、特に、メチル化ナタネ油およびメチル化大豆油(すなわち、大豆メチル)などのメチル化種子油である。特に注目すべきは大豆メチルである。植物性油およびメチル化種子油は、典型的には、約0.1〜約5の量、より典型的には約0.5〜約2、および最も典型的には約1体積パーセントで噴霧混合物に添加される。成分(a)および(b)の混合物は、葉面散布のための広く多様な公知の手法および器具を用いてネムノキ亜科(Mimosoideae)の群葉に散布されることが可能である。これらとしては、油圧式ハンドガンスプレーヤ、ブームスプレーヤ、ならびに、固定翼およびロータ式航空機からの空中散布用散布器が挙げられる。
【0152】
本方法については、成分(a)と成分(b1)(すなわち、ホサミンおよびその塩)との混合物は、典型的には、約1:45〜1:14の範囲、より典型的には約1:36〜1:20の範囲、および最も典型的には約1:32〜1:22の範囲内の成分(a)対成分(b1)の重量比で適用される。成分(a)と成分(b2)(すなわち、)イマザピルおよびその塩;)との混合物は、典型的には、約1:2.4〜1:0.2の範囲、より典型的には約1:1.8〜1:0.8の範囲、および最も典型的には約1:1.6〜1:1の範囲内の重量比で適用される。成分(a)と成分(b3)(すなわち、メトスルフロン−メチルおよびその塩)との混合物は、典型的には、約1:0.4〜1:0.03の範囲、より典型的には約1:0.3〜1:0.1の範囲および最も典型的には約1:0.22〜1:0.15の範囲内の重量比で適用される。成分(a)と成分(b4)(すなわち、トリクロピルならびにそのエステル、チオエステルおよび塩)との混合物は、典型的には、約1:4〜1:0.8の範囲、より典型的には約1:3.2〜1:1.6の範囲、および最も典型的には約1:2.8〜1:2の範囲内の重量比で適用される。上記の比は、式1の化合物、ホサミン、イマザピル、メトスルフロン−メチルおよびトリクロピルの換算重量に基づいている。例えば、成分(a)が式1の化合物のメチルエステルである場合、換算重量は、メチルエステルの重量を式1の化合物の式量で乗じ、次いで、この積をメチルエステルの式量で除することにより算出される。他の実施例と同様に、成分(b1)がホサミン−アンモニウムである場合、換算重量は、ホサミン−アンモニウム(すなわち、ホサミンのアンモニウム塩)の重量をホサミンの式量で乗じ、次いで、この積をアンモニウム塩の式量で除することにより算出される。
【0153】
成分(a)および(b)を含む混合物、ならびに、任意の追加の除草剤の除草的有効量は、多数の要因により決定される。これらの要因としては:選択された配合物、適用方法、存在する植生の量およびタイプ、成長条件等が挙げられる。普通、成分(a)および(b)を含む混合物の除草的有効量は、約50g/ha〜約20kg/haの範囲内の施用量で、本方法に従って適用される。当業者は、望ましくないネムノキ亜科(Mimosoideae)植生の所望のレベルの防除のために必要な除草的有効量を容易に決定することが可能である。
【0154】
当業者はまた、成分が個別では防除をほとんどもたらさない施用量を含む広い範囲の施用量で生じる著しい相乗作用(すなわち、相乗的有効量)をもたらす量を含む、望ましくないネムノキ亜科(Mimosoideae)植生の所望のレベルの除草防除のための成分(a)および(b)の量を容易に判定することが可能である。成分(a)および(b)を含む混合物が本方法に従ってネムノキ亜科(Mimosoideae)の群葉に(すなわち、群葉散布)に用いられた場合、成分(a)(すなわち、式1の化合物ならびにその塩、エステルおよびチオエステル)は、典型的には、約25〜約1200g/haの範囲内、より典型的には約50〜約600g/haの範囲内、および、最も典型的には約100〜約300g/haの範囲内の施用量で適用され、ここで、重量は式1化合物の換算重量として計算される。成分(b1)(すなわち、ホサミンおよびその塩)は、典型的には、約900〜約24000g/haの範囲内、より典型的には約1800〜約12000g/haの範囲内、および、最も典型的には約3600〜約6800g/haの範囲内の施用量で適用され、ここで、重量はホサミンの換算重量として計算される。成分(b2)(すなわち、イマザピルおよびその塩)は、典型的には、約25〜約2000g/haの範囲内、より典型的には約50〜約1000g/haの範囲内、および、最も典型的には約100〜約500g/haの範囲内の施用量で適用され、ここで、重量はイマザピルの換算重量として計算される。成分(b3)(すなわち、メトスルフロン−メチルおよびその塩)は、典型的には、約5〜約350g/haの範囲内、より典型的には約10〜約175g/haの範囲内、および、最も典型的には約20〜約90g/haの範囲内の施用量で適用され、ここで、重量はメトスルフロン−メチルの換算重量として計算される。成分(b4)(すなわち、トリクロピルならびにそのエステル、チオエステルおよび塩)は、典型的には、約50〜約4500g/haの範囲内、より典型的には約100〜約2200g/haの範囲内、および、最も典型的には約200〜約1100g/haの範囲内の施用量で適用され、ここで、重量はトリクロピルの換算重量として計算される。上記施用量における面積(すなわち、ha)は、処理される群葉下の地表の面積を指す。
【0155】
成分(a)および(b)を含む混合物は、典型的には、他の有効成分を含まずに本方法に従って適用されるが、これらはまた、除草剤、薬害軽減剤、殺菌・殺カビ剤、殺虫剤、抗線虫薬、殺菌剤、殺ダニ剤、昆虫脱皮阻害剤および発根促進剤などの成長調整剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激物質、植物栄養分、他の生物学的に有効な化合物または昆虫病原性バクテリア、ウイルスまたは真菌を含む1種以上の他の生物学的に有効な化合物または薬剤と混合されて、さらに広い範囲の農学的保護をもたらす多成分有害生物防除剤を形成することが可能である。成分(a)および(b)と他の除草剤との混合物は、追加の雑草種に対する有効範囲を広げることが可能であり、および、任意の耐性生物型の増殖を抑制することが可能である。それ故、本方法に従って適用されるこれらの混合物はまた、成分(a)および(b)のみならず、少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物または薬剤をも含んでいることが可能である。他の生物学的に有効な化合物または薬剤が、界面活性剤、固体または液体希釈剤の少なくとも1種を含む組成物中に配合されることが可能である。本発明の混合物について、1種以上の他の生物学的に有効な化合物または薬剤は、成分(a)および(b)と一緒に配合されて予混合物を形成することが可能であるか、または、1種以上の他の生物学的に有効な化合物または薬剤は、成分(a)および(b)から個別に配合されることが可能であり、配合物は適用前に一緒に組み合わされるか(例えば、噴霧タンク中で)、または、代わりに、連続的に適用される。
【0156】
以下の除草剤の1種以上と成分(a)および(b)との混合物が、ネムノキ亜科(Mimosoideae)植生のさらに向上した防除をもたらし得る:アセトクロール、アシフルオルフェンおよびそのナトリウム塩、アクロニフェン、アクロレイン(2−プロペナール)、アラクロール、アロキシジム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アシュラム、アトラジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン−エチル、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン−メチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ビフェノックス、ビラナホス、ビスピリバックおよびそのナトリウム塩、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、オクタン酸ブロモキシニル、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン−エチル、カテキン、クロメトキシフェン、クロラムベン、クロルブロムロン、クロルフルレノール−メチル、クロリダゾン、クロリムロン−エチル、クロロトルロン、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルタール−ジメチル、クロルチアミド、シニドン−エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クレホキシジム、クレトジム、クロジナホップ−プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロピラリド−オールアミン、クロランスラム−メチル、CUH−35(2−メトキシエチル2−[[[4−クロロ−2−フルオロ−5−[(1−メチル−2−プロピニル)オキシ]−フェニル](3−フルオロ−ベンゾイル)−アミノ]−カルボニル]−1−シクロヘキセン−1−カルボキシレート)、クミルロン、シアナジン、シクロエート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップ−ブチル、2,4−Dおよびそのブトチル、ブチル、イソオクチルおよびイソプロピルエステルおよびそのジメチルアンモニウム、ジオラミンおよびトロールアミン塩、ダイムロン、ダラポン、ダラポン−ナトリウム、ダゾメット、2,4−DBおよびそのジメチルアンモニウム、カリウムおよびナトリウム塩、デスメディファム、デスメトリン、ジカンバおよびそのジグリコールアンモニウム、ジメチルアンモニウム、カリウムおよびナトリウム塩、ジクロベニル、ジクロルプロップ、ジクロホップ−メチル、ジクロスラム、ジフェンゾコートメチルサルフェート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタトリン、ジメテナミド、ジメテナミド−P、ジメチピン、ジメチルアルシン酸およびそのナトリウム塩、ジニトロアミン、ジノテルブ、ジフェナミド、ダイコートジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメツルフロン−メチル、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシスルフロン、エトベンザニド、フェノキサプロップ−エチル、フェノキサプロップ−P−エチル、フェントラザミド、フェヌロン、フェヌロン−TCA、フラムプロップ−メチル、フラムプロップ−M−イソプロピル、フラムプロップ−M−メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ−ブチル、フルアジホップ−P−ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェンピル、フルフェンピル−エチル、フルメツラム、フルミクロラック−ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルオログリコフェンエチル、フルポキサム、フルピルスルフロン−メチルおよびそのナトリウム塩、フルレノール、フルレノール−ブチル、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルルタモン、フルチアセット−メチル、フォメサフェン、ホラムスルフロン、グルホシネート、グルホシネート−アンモニウム、グリホサートならびにアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、カリウム、ナトリウム(セスキナトリウムを含む)およびトリメシウム(またはスルホサートと命名)などのその塩、ハロスルフロン−メチル、ハロキシホップ−エトチル、ハロキシホップ−メチル、ヘキサジノン、HOK−201(N−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,5−ジヒドロ−N−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル]−4H−1,2,4−トリアゾール−4−カルボキサミド)、イマザメタベンズ−メチル、イマザモックス、イマザピック、イマザキン、イマザキン−アンモニウム、イマゼタピル、イマゼタピル−アンモニウム、イマゾスルフロン、インダノファン、イオドスルフロン−メチル、アイオキシニル、アイオキシニルオクタノエート、アイオキシニル−ナトリウム、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、イソキサクロルトール、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、マレインヒドラジド、MCPAおよびその塩(例えば、MCPA−ジメチルアンモニウム、MCPA−カリウムおよびMCPA−ナトリウム、エステル(例えば、MCPA−2−エチルヘキシル、MCPA−ブトチル)およびチオエステル(例えば、MCPA−チオエチル)、MCPBおよびその塩(例えば、MCPB−ナトリウム)およびエステル(例えば、MCPB−エチル)、メコプロップ、メコプロップ−P、メフェナセット、メフルイジド、メソスルフロン−メチル、メソトリオン、メタム−ナトリウム、メタミホプ、メタミトロン、メタザクロール、メタベンズチアズロン、メチルアルソン酸およびそのカルシウム、モノアンモニウム、一ナトリウムおよび二ナトリウム塩、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロール、S−メトラクロール、メトスラム、メトキシウロン、メトリブジン、モリネート、モノリニュロン、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラム、ネブロン、ニコスルフロン、ノルフラゾン、オルベンカルブ、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメフォン、オキシフルオルフェン、パラコートジクロリド、ペブレート、ペラルゴン酸、ペンディメタリン、ペノキススラム、ペンタノクロル、ペントキサゾン、ペルフルイドン、ペトキサミド、フェンメディファム、ピクロラム、ピクロラム−カリウム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン−メチル、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン−エチル、ピラスルホトール、ピラゾギル、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、ピラゾスルフロン−エチル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック−メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック−ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ−エチル、キザロホップ−P−エチル、キザロホップ−P−テフリル、リムスルフロン、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン−メチル、スルホスルフロン、2,3,6−TBA、TCA、TCA−ナトリウム、テブタム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロール、チアゾピル、チエンカルバゾン、チフェンスルフロン−メチル、チオベンカルブ、チオカルバジル、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリ−アレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン−メチル、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフルラリン、トリフルスルフロン−メチル、トリトスルフロンおよびベルノレート。他の除草剤としてはまた、アルテルナリア・デストルエンス・シモンズ(Alternaria destruens Simmons)、コレトトリカム・グロエオスポリオドズ(Colletotrichum gloeosporiodes)(Penz.)Penz.& Sacc.、ドレシュイエラ・モノセラス(Drechsiera monoceras)(MTB−951)、ミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)(Albertini & Schweinitz)Ditmar:Fries、フィトフトラ・パルミボラ(Phytophthora palmivora)(Butl.)Butl.およびプッシニア・テラスペオス(Puccinia thlaspeos Schub)などの生物除草剤が挙げられる。
【0157】
成分(a)および(b)はまた、アビグリシン、N−(フェニルメチル)−1H−プリン−6−アミン、エポコレオン、ジベレリン酸、ジベレリンAおよびA、ハルピンタンパク質、メピコートクロリド、プロヘキサジオンカルシウム、プロヒドロジャスモン、ニトロフェノレートナトリウムならびにトリネキサパック−メチルなどの植物成長調整剤、ならびに、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)菌株BP01などの植物の成長を変化させる生物との組み合わせでも用いられることが可能である。
【0158】
農学的保護剤(すなわち、除草剤、薬害軽減剤、殺虫剤、殺菌・殺カビ剤、抗線虫薬、殺ダニ剤および生物剤)についての一般的な参照としては、Pesticide Manual,第13版,C.D.S.Tomlin編,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2003年、および、The BioPesticide Manual,第2版,L.G.Copping編,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2001年が挙げられる。
【0159】
これらの種々の追加の混合相手の1種以上が用いられる実施形態については、これらの種々の混合相手(合計で)対成分(a)および(b)の合計での重量比は、典型的には、約1:3000〜約3000:1である。注目すべきは、約1:300〜約300:1(例えば、約1:30〜約30:1の比)の重量比である。当業者は、所望の範囲の生物学的活性のために必要とされる有効成分の生物学的に有効な量を、単純な実験を通じて容易に判定することが可能である。これらを含んでいることで、追加の成分は、成分(a)および(b)の混合物単独によって防除される範囲を超えて、防除される雑草の範囲を拡大し得ることが明らかであろう。
【0160】
一定の事例において、成分(a)および(b)の混合物と、他の生物学的に有効な(特に除草性)化合物または薬剤(すなわち、有効成分)との組み合わせは、雑草に対して相加的効果を超える(すなわち、相乗的)効果、および/または、相乗効果イネ科牧草または他の作物または望ましい植物に対して相加的効果よりも少ない効果(すなわち、毒性緩和)をもたらすことが可能である。有効な有害生物の防除を保証しながら環境に放出される有効成分の量を低減することが常に有利である。より有効な雑草防除をもたらすためにより多くの量の有効成分を使用する能力もまた望ましい。農業経済学的に満足できるレベルの雑草防除をもたらす施用量で雑草への除草性有効成分の相乗作用が生じる場合、このような組み合わせは、飼料または他の作物の生産コストを低減させると共に環境的負荷を低減させるために有利であることが可能である。望ましくないネムノキ亜科(Mimosoideae)植生の近くに繁殖している望ましい植物種に除草性有効成分の毒性緩和が生じる場合、このような組み合わせは、雑草との競合を低減させることにより、望ましい植物種の生産の増加に有利であることが可能である。
【0161】
成分(a)および(b)を唯一の有効成分として含む混合物は、牧草地および放牧地のイネ科牧草にほとんどまたは全く被害を及ぼさない施用量で、特に混合物の適用がネムノキ亜科(Mimosoideae)植生の群葉に向けられる場合、望ましくないネムノキ亜科(Mimosoideae)植生の優れた防除を典型的にもたらすことが発見された。しかしながら、イネ科牧草以外の作物中の望ましくないネムノキ亜科(Mimosoideae)植生の防除などのいくつかの状況においては、成分(a)および(b)だけではなく、除草剤毒性緩和剤をも含む混合物が有利であることが可能である。例えば、成分(a)および(b)を含む混合物はまた、アリドクロル、ベノキサコール、BCS(1−ブロモ−4−[(クロロメチル)スルホニル]ベンゼン)、クロキントセット−メキシル、シオメトリニル、シプロスルホンアミド、ジクロルミド、4−(ジクロロアセチル)−1−オキサ−4−アゾスピロ[4.5]デカン(MON4660)、2−(ジクロロメチル)−2−メチル−1,3−ジオキソラン(MG191)、ジシクロノン、ジエトレート、フェンクロラゾール−エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン−エチル、メフェンピル−ジエチル、メフェネート、メトキシフェノン((4−メトキシ−3−メチルフェニル)(3−メチルフェニル)メタノン)、ナフタル酸無水物(1,8−ナフタル酸無水物)およびオキサベトリニルなどの薬害軽減剤との組み合わせで用いられて、一定の作物への毒性緩和を高めることが可能である。解毒有効量の薬害軽減剤を、成分(a)および(b)の混合物と同時に適用することが可能であり、または、種子処理として適用することが可能である。毒性緩和剤の解毒有効量は、単純な実験を通じて当業者によって容易に判定されることが可能である。
【0162】
注目すべきは、成分(a)および(b)の混合物が、少なくとも1種の他の除草性有効成分をさらに含む本方法である。特に注目すべきは、他の除草性有効成分が成分(a)および(b)の化合物とは異なる作用部位を有するこのような方法である。一定の事例において、同様の防除範囲を有するが異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の除草性有効成分との組み合わせが、耐性管理のために特に有利であろう。
【0163】
以下のテストは、成分(a)および成分(b)を含む混合物のネムノキ亜科(Mimosoideae)雑草種に対する防除効力を実証する。しかしながら、この化合物によって得られる雑草防除はこれらの種に限定されることはない。これらのテストにおいて、化合物1は表1において識別されており、式1の化合物のメチルエステル(すなわち、メチル6−アミノ−5−クロロ−2−シクロプロピル−4−ピリミジンカルボキシレート)としても認識される。
【0164】
本発明の生物学的実施例
テストA
実地研究を実施して、250g/haの化合物1、6.7kg/haのホサミン−アンモニウム(すなわち、ホサミンのアンモニウム塩)、280g/haのイマザピル(イマザピルのイソプロピルアンモニウム塩の形態で提供される)および42g/haのメトスルフロン−メチルの、個別および組み合わせでの、テキサス州南東部における牧場におけるキンゴウカン(Acacia farnesiana)の天然群落の防除に対する効力を評価した。化合物1は、80重量%の化合物1を含有する顆粒状の水和性配合物の形態であった。ホサミン−アンモニウムは、KRENITE(登録商標)Sから提供され、これは、41.5%のホサミン−アンモニウムを含有する水溶性液体配合物である。イマザピルはARSENAL(登録商標)から提供され、これは、28.7%のイマザピル−イソプロピルアンモニウム(22.6%のイマザピルに対する当量、すなわち、イマザピル酸当量)を含有する水溶性液体配合物である。メトスルフロン−メチルはESCORT(登録商標)XPから提供され、これは、60%のメトスルフロン−メチルを含有する顆粒状の水和性配合物である。
【0165】
試験設計は、12.8m×22.9mの大きさの長方形のテストプロットを用いる大ブロック、単一反復実地研究であった。テストプロット中のキンゴウカン木は平均で2.4mの高さであり、およそ樹齢20年と推定された。配合した除草剤は水で希釈すると共に1体積%のメチル化種子油を添加して、約27.4Lの噴霧混合物をもたらした。この処理を、プロットを縦芳香に移動しながら、ゆっくりとした往復運動中に、噴霧混合物を上向きにプロット全体に放出する大体積ハンドガンスプレーヤを用いて、初秋に適用した。これは、プロット中のキンゴウカン木および木々の間の地面の両方をカバーする降雨のような噴霧をもたらした。用いた噴霧混合物の体積(935L/haに相当)は、木々の下への比較的少ない滴りまたは流出でキンゴウカン木の群葉を完全に濡らすのに充分であった。
【0166】
除草剤処理の効果を視覚的に評価した。適用から62日後(DAA)、対照プロットと比した落葉の割合を観察した。次いで、適用から229、543、656および745日後、%防除を、緑色の群葉または再成長を示していない木々の割合に基づいて算出した。結果が表Aに列挙されている。
【0167】
【表9】

【0168】
表Aは、化合物1の250g ai/haの施用量が、キンゴウカンの100%落葉をもたらしたことを示す。229DAAでは91%のキンゴウカン木がいまだ緑色の群葉を失っていたが、543および656DAAでは、観察された防除は約50%に低減しており、そして、745DAAでは33%に低減しており、これは、229DAAで緑色の群葉を失っていたキンゴウカン木の多くは実際には完全に死滅しかけていたかまたは死滅していたわけではなかったことを示す。除草剤の適用から2年以上経った後、すなわち、543、656および745DAAでの評価が、処理によるキンゴウカンの長期の防除を表す。適用された施用量で、ホサミン、イマザピルおよびメトスルフロン−メチルは、化合物1より少ない落葉をもたらし、しかも、キンゴウカンの長期の防除はもたらさなかった。注目すべきことに、しかしながら、化合物1とホサミン、イマザピルまたはメトスルフロン−メチルとの組み合わせは、キンゴウカンのかなり良好な長期の防除を相乗的にもたらした。Colby Equationを用いて予期される反応を算出することが可能であるが、これは、ホサミン、イマザピルおよびメトスルフロン−メチルの%防除は543、656および745DAAですべて0であるためにこの事例においては不必要であり、それ故、混合物の予期される効果は単に化合物1単独での効果である:543DAAで46%、656DAAで55%および745DAAで33%。この混合物によってもたらされるかなり大きい防除は強い相乗効果を示す。
【0169】
テストB
実地研究を実施して、125g/haの化合物1および280g/haのトリクロピル(トリクロピルのブトキシエチルエステルの形態、すなわち、トリクロピル−ブトチル)の、個別および組み合わせでの、テキサス西部における牧場のハニーメスキート(Prosopis glandulosa)の天然群落の防除に対する効力を評価した。化合物1は、80%顆粒状の水和性配合物の形態であった。トリクロピルはGARLON(登録商標)4またはREMEDY(登録商標)から提供され、これは、それぞれ、44.3%または61.6%のトリクロピル−ブトチルを含有する乳化性濃縮物配合物である。
【0170】
試験設計は大ブロック、単一反復テストであった。各テストでは、3m×9mの大きさで、プロット当たり少なくとも10のメスキート植物を含む長方形のテストプロットを用いた。配合した除草剤を水で希釈すると共に、1体積%のメチル化種子油を添加して、サイト1で94L/haおよびサイト2で140L/haの割合に相当する一定体積の噴霧混合物を得た。処理は、全地形車両または小型トラクタによってプロット全体を移動される高架スプレーブームのフラットファンノズルを用いて適用した。高架スプレーブームおよび比較的小さい噴霧体積は、空中散布(例えば、ヘリコプタまたは固定翼航空機)を模していた。
【0171】
各プロットにおいて、10本のメスキート高木を評価のために金属タグで識別した。除草剤処理の効果は、サイト1では適用から12月後およびサイト2では適用から10月後に評価した。視覚的評価を用いて種々の処理の除草効果を評価した。樹冠領域内に群葉が存在している場合、または、新たな成長(すなわち、新芽)が木の根元から現れている場合には、木は生存しているとみなした。防除結果は、各プロットにおける死滅した木の割合として算出し、例えば、6本の死滅した木と4本の生存した木は60%防除割合をもたらす。
【0172】
予期される結果は、Colby Equationを用いて算出した。Colby’s equation(S.R.Colby,「Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations」,Weeds,15(1),20〜22ページ(1967年))は除草性混合物の予期される相乗効果を算出し、2有効成分については以下の形態である。
a+b=P+P−(P/100)
(式中、Pa+bは、個別の成分の付加的な寄与から予測される混合物の効果割合であり、
は、混合物中と同一の使用割合での第1の有効成分の観察された効果割合であり、および
は、混合物中と同一の使用割合での第2の有効成分の観察された効果割合である。)
【0173】
化合物1とトリクロピルとを含む混合物について、予期される除草効果を、Colby Equationにおける観察された除草効果Pを単独でもたらす化合物1および観察された除草効果Pをもたらすトリクロピルに基づいて算出した。
【0174】
観察された結果および予想された結果が表Bに列挙されている。
【0175】
【表10】

【0176】
表Bは、125g/haの化合物1は、ハニーメスキートの部分的(すなわち、60%)な長期の防除のみをもたらしたことを示す。280g/haでのトリクロピルは、ハニーメスキートの長期の防除を、ほとんど(すなわち、サイト2で30%)またはまったく(すなわち、サイト1で0%)もたらさなかった。注目すべきことに、これらの施用量での化合物1のトリクロピルとの組み合わせは、優れた(すなわち、90〜100%)防除をもたらし、これはしかも、相乗効果から予期された60〜72%防除をはるかに超えていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネムノキ亜科(Mimosoideae)の望ましくない植生を防除するための方法であって、
(a)式1
【化1】

の化合物、およびその塩、エステルおよびチオエステルから選択される1種以上の化合物:ならびに
(b)
(b1)ホサミンおよびその塩;
(b2)イマザピルおよびその塩;
(b3)メトスルフロン−メチルおよびその塩;および
(b4)トリクロピル、およびそのエステル、チオエステルおよび塩
からなる群から選択される少なくとも1つの更なる除草剤:
を含む除草的有効量の混合物を上記望ましくない植生またはその環境に施用する工程を含む、上記方法。
【請求項2】
望ましくない植生が、プロソピス属(Prosopis)の少なくとも1つの種を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
望ましくない植生が、アカシア属(Acacia)の少なくとも1つの種を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
混合物が、望ましくない植生の茎葉に散布される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
成分(b)の少なくとも1つの除草剤が、(b1)ホサミンおよびその塩から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
成分(b)の少なくとも1つの除草剤が、(b2)イマザピルおよびその塩から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
成分(b)の少なくとも1つの除草剤が、(b3)メトスルフロン−メチルおよびその塩から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
成分(b)の少なくとも1つの除草剤が、(b4)トリクロピル、およびそのエステル、チオエステルおよび塩から選択される、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2011−530601(P2011−530601A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523035(P2011−523035)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/051928
【国際公開番号】WO2010/019377
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】