説明

木材用着色クリアコーティング

本発明は:a)未着色クリアコーティング層およびb)少なくとも1つの着色クリアコーティング層を含む木材用着色クリアコーティングに関し、またかかる木材用着色クリアコーティングを得るための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)未着色クリアコーティング層および(b)少なくとも1つの着色クリアコーティング層を含む木材用着色クリアコーティング、ならびにかかる木材用着色クリアコーティングを得るための方法に関する。
【0002】
木材用着色クリアコーティングは、例えばW.Stenzel,Kunstharze Hoechst−Untersuchungen ueber den Einfluss von UV−Licht auf die Bestaenidigkeit von Holzlasuren auf Dispersionsbasis,Kapitel 9,Sonderdruck aus Themenband Umwelteinfuesse auf Oberflaechen,expert Verlag,Ehningen,1989,S.144−157;S.R.Blackburn,BJ.Meldrum,The use of fine particle titanium dioxide for UV protection in wood finishes,Farg Och Lack Scandinavia 9,1991,S.192−196;またはF.Finus,Farbe und Lack(1975),81(7),604−607など、当該技術分野において公知であるが;本発明と対照的に、木材に接着するコーティング層が、着色クリアコーティング層である。
【0003】
例えば、本発明の木材用着色クリアコーティングは、増大した色の輝度を示す。さらに、例えば木材用着色クリアコーティングは、増大した明度を示す。特に、木材用着色クリアコーティングは増大した明度および増大した色の輝度を示す。さらに、例えば木材用着色クリアコーティングは、木目の三次元構造の向上されたアクセント付与を示す。
【0004】
本発明の一実施態様は、木材コーティングが、次の層
(a)少なくとも1つの結合剤を含む木材基材に接着する、少なくとも1つの未着色クリアコーティング層;
(b)未着色クリアコーティング層(a)に接着し、少なくとも1つの結合剤ならびに、染料および顔料ならびにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤を含む、少なくとも1つの着色クリアコーティング層
を含む、木材用着色クリアコーティングである。
【0005】
着色クリアコーティングは、未着色クリアコーティングのように完全に透明かつ無色ではなく、典型的な着色コーティングのように完全に不透明でもないと理解されるべきである。着色クリアコーティングは透明で有色であるか、または半透明で有色である。
【0006】
好ましくは、未着色クリアコーティング層または未着色クリアコーティング組成物は着色剤を実質的に含まず、最も好ましくは着色剤(例えば顔料または染料)を含まない。
【0007】
コーティング層は、フィルム形成層と理解される。例えば、コーティング層は、有機結合剤(例えば修飾された天然物質または合成樹脂)ベースであり、これを、木材基材に適用すると、粘着性で実質的に不透水性(非吸収性)の保護用およびおそらくは装飾用フィルムが得られる。従って、例えば、木材基材に接着する未着色クリアコーティング(a)は、木材表面の木材の細孔中に浸透しない。例えば、コーティング組成物は、コーティング組成物の質量に対して、少なくとも15質量%の結合剤、好ましくは少なくとも16質量%の結合剤、特に少なくとも20質量%の結合剤を含む。例えば、本明細書に記載のコーティング層は、前記量の結合剤を含むコーティング組成物で作られている。
【0008】
好ましくは、木材用着色クリアコーティングは、(a)1または2つの未着色クリアコーティング層および(b)1つの着色クリアコーティング層を含み、さらに好ましくは、木材用着色クリアコーティングは、層(a)および(b)以外の他のコーティング層を含まない。
【0009】
本発明の好適な実施態様は、
(c)着色クリアコーティング層(b)に接着し、少なくとも1つの結合剤を含む、少なくとも1つの未着色クリアコーティング層;
および場合により
(d)未着色クリアコーティング層(c)に接着し、少なくとも1つの結合剤ならびに染料および顔料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの着色剤を含む、少なくとも1つの着色クリアコーティング層をさらに含む木材用着色クリアコーティングである。
【0010】
好ましくは、コーティング層(a)は、木材表面に直接隣接し、コーティング層(b)はコーティング層(a)に直接隣接し、存在する場合、コーティング層(c)はコーティング層(b)に直接隣接し、コーティング層(d)はコーティング層(c)に直接隣接する。
【0011】
例えば、コーティング層(d)はトップコーティング層である。すなわち、コーティング層(d)の上面に別のコーティング層はない。
【0012】
例えば、すべてのコーティング層およびすべてのコーティング組成物は結合剤を含む。
【0013】
結合剤は原則として、業界で慣習的な任意の結合剤であり、例えばUllman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition,Vol.A18,pp.368−426,VCH,Weinheim 1991に記載のものである。一般的に、これは熱可塑性または熱硬化性樹脂、主に熱硬化性樹脂ベースのフィルム形成結合剤である。その例は、アルキド、アクリル、アクリル系アルキド、ポリエステル、フェノール系、メラミン、エポキシおよびポリウレタン樹脂ならびにこれらの混合物である。
【0014】
結合剤は、周囲温度硬化性であるか、または熱硬化性結合剤であり;硬化触媒の添加が有利であり得る。結合剤の硬化を促進する好適な触媒は、例えばUllman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Vol.A18,p.469,VCH Verlagsgesellschaft,Weinheim 1991に記載されている。
【0015】
特定の結合剤を含むコーティング組成物の例は、次のとおりである:
1.常温または架橋性アルキド、アクリレート、ポリエステル、エポキシもしくはメラミン樹脂またはかかる樹脂の混合物ベースの塗料(必要に応じて硬化触媒を添加する);
2.ヒドロキシル含有アクリレート、ポリエステルまたはポリエーテル樹脂および脂肪族または芳香族イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートベースの二成分ポリウレタン塗料;
3.ベーク中に脱ブロック化される、ブロック化イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートベースの一成分ポリウレタン塗料(必要に応じてメラミン樹脂を添加する);
4.トリスアルコキシカルボニルトリアジン架橋剤およびヒドロキシル基含有樹脂、例えばアクリレート、ポリエステルまたはポリエーテル樹脂ベースの一成分ポリウレタン塗料;
5.ウレタン構造内に遊離アミノ基を有する脂肪族または芳香族ウレタンアクリレートまたはポリウレタンアクリレートおよびメラミン樹脂またはポリエーテル樹脂ベースの一成分ポリウレタン塗料(必要に応じて硬化触媒を含む);
6.(ポリ)ケチミンおよび脂肪族もしくは芳香族イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートベースの二成分塗料;
7.(ポリ)ケチミンおよび不飽和アクリレート樹脂またはポリアセトアセテート樹脂またはメタクリルアミドグリコール酸メチルエステルベースの二成分塗料;
8.カルボキシルまたはアミノ含有ポリアクリレートおよびポリエポキシドベースの二成分塗料;
9.無水物基を含有するアクリレート樹脂ベースおよびポリヒドロキシまたはポリアミノ成分ベースの二成分塗料;
10.アクリレート含有無水物およびポリエポキシドベースの二成分塗料;
11.(ポリ)オキサゾリンおよび無水物基を含有するアクリレート樹脂、または不飽和アクリレート樹脂、あるいは脂肪族もしくは芳香族イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートベースの二成分塗料;
12.不飽和ポリアクリレートおよびポリマロネートベースの二成分塗料;
13.エーテル化メラミン樹脂と組み合わせた熱可塑性アクリレート樹脂または外部架橋アクリレート樹脂ベースの熱可塑性ポリアクリレート塗料;
14.シロキサン修飾またはフッ素修飾アクリレート樹脂ベースの塗料系。
【0016】
例えば、結合剤は、表面コーティング用結合剤、特に、トップコーティング用結合剤である。かかる結合剤の例は、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、ブロック化イソシアネート樹脂およびこれらの組み合わせ、特にアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ブロック化イソシアネート樹脂およびこれらの組み合わせ、特にポリウレタン樹脂である。
【0017】
可能性のある乾燥触媒または硬化触媒は、例えば有機金属化合物、アミン、アミノ含有樹脂および/またはホスフィンである。有機金属化合物の例は、金属カルボン酸塩、特に金属Pb、Mn、Co、Zn、ZrもしくはCuのカルボン酸塩、または金属キレート、特に金属Al、TiもしくはZrのキレート、または有機金属化合物、例えば有機スズ化合物である。
【0018】
金属カルボン酸塩の例は、Pb、MnまたはZnのステアリン酸塩、Co、ZnまたはCuのオクタン酸塩、MnおよびCoのナフテン酸塩または対応するリノール酸塩、樹脂酸塩またはタレートである。
【0019】
金属キレートの例は、アセチルアセトン、アセチル酢酸エチル、サリチルアルデヒド、サリチルアルドキシム、o−ヒドロキシアセトフェノンまたはトリフルオロアセチル酢酸エチルのアルミニウム、チタンまたはジルコニウムキレート、およびこれらの金属のアルコキシドである。
【0020】
有機スズ化合物の例は、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレートまたはジブチルスズジオクトエートである。
【0021】
アミンの例は、特に、第3アミン、例えば、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリンまたはジアザビシクロオクタン(トリエチレンジアミン)およびこれらの塩である。さらなる例は、第4アンモニウム塩、例えばトリメチルベンジルアンモニウムクロリドである。
【0022】
アミノ含有樹脂は同時に結合剤であり、硬化触媒である。その例は、アミノ含有アクリレートコポリマーである。
【0023】
使用される硬化触媒は、ホスフィン、例えば、トリフェニルホスフィンであってもよい。
【0024】
コーティング組成物は、放射線硬化性コーティング組成物でもあり得る。この場合、結合剤は、本質的にエチレン性不飽和結合を含むモノマーまたはオリゴマー化合物を含み、適用後、化学線により硬化する。すなわち、架橋した高分子量形態に変換される。系がUV硬化性である場合、これは一般的に光開始剤も含む。対応する系は、前記出版物Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition,Vol.A18,pages 451−453に記載されている。
【0025】
本発明に従ってコーティングすることができる木材は、表面積が広い木材成形体、例えば木製厚板、ベニヤ板およびチップボードであり、これらは化粧張りし、木彫製品、および例えば家具にするために、接着、釘打ちまたはねじ止めされた木製部品であり得る。例えば、木材はベニヤ合板を包含すると理解される。
【0026】
あらゆる一般的な種類の木材、例えば、マツ、トウヒ、モミ、オーク、セイヨウトネリコ、ブナ、カエデ、クルミの木、梨の木、チーク、マホガニー、クリ、カバノキ、カラマツ、ハシバミ、ボダイジュ、ヤナギ、ポプラ、ニレ、スコットランドマツ、スズカケノキ、アオギリまたはアスペンを使用することができる。
【0027】
化粧張りされる木材基材は好適ではなく、特に化粧張りされる木材基材、ベニヤ板またはチップボードはあまり好適ではない。
【0028】
コーティング層を組成物として、慣習的方法により、例えば刷毛塗り、噴霧、注入、浸漬塗りまたは電気泳動法によって木材基材に適用することができる;Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition,Vol.A18,pp.491−500も参照のこと。
【0029】
結合剤系に応じて、コーティングを室温で、または加熱することにより硬化させることができる。コーティングを例えば50〜150℃で硬化させることができ、粉末コーティングの場合は、さらに高い温度で硬化させることができる。
【0030】
コーティング組成物は、結合剤が可溶性である有機溶媒または溶媒混合物を含むことができる。あるいはコーティング組成物は、水溶液または分散液であり得る。ビヒクルは、有機溶媒と水との混合物でもあり得る。コーティング組成物は、ハイソリッド塗料であってもよいし、または無溶媒(例えば粉末コーティング材料)であってもよい。粉末コーティングは、例えば、Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Ed.,A18,pages 438−444に記載のものである。粉末コーティング材料は、粉末−スラリー(粉末の好ましくは水中分散液)の形態を有していてもよい。
【0031】
本明細書に記載されるコーティング組成物を、例えば物理的乾燥(例えば室温もしくは最高100℃までの高温で)によるか、または化学的硬化により硬化させる。化学的硬化の例は、酸化的架橋(例えばアルキドまたはウレタンアルキド樹脂を使用)、(例えばアミド、アミノまたはフェノール樹脂の硬化の)酸触媒による硬化、(例えば、光開始剤により開始されるか(例えばUVもしくは電子線硬化)または例えば有機過酸化物により触媒される脂肪族二重結合含有オリゴマーまたはモノマーの)ラジカル硬化、あるいは(例えば一成分もしくは二成分ポリウレタンまたは二成分エポキシド樹脂の)重付加である。
【0032】
例えば、コーティング層(a)はカチオン性UV硬化コーティング層でない。
【0033】
粉末コーティング層である着色クリアコーティング層(b)は好適ではない。例えば、着色クリアコーティング層(b)は、水性または溶媒性コーティング層である。例えば、すべてのコーティング層は水性または溶媒性コーティング層である。例えば、本明細書に記載の水性または溶媒性コーティング層は、コーティング組成物の質量に対して最高85質量%までの溶媒または水を含むコーティング組成物からなる。溶媒性コーティング組成物に適した溶媒は、エステル(例えばブチルアセテート、ブチルグリコールアセテートまたはメトキシプロピルアセテート)、グリコールエーテル、ケトン、脂環式または芳香族炭化水素である。
【0034】
例えば、コーティング層(b)およびコーティング層(d)(存在する場合)は、染料を含む。
【0035】
例えば、コーティング層(b)およびコーティング層(d)(存在する場合)は、顔料を含む。
【0036】
好ましくは、コーティング層、特に着色クリアコーティング層は、20〜80μm、さらに好ましくは20〜70μm、最も好ましくは20〜60μm(乾燥フィルム厚)である。
【0037】
好適なのは、木材が未処理であるか、または木材表面の木材の細孔中に浸透する染色剤もしくは含浸剤で処理されている木材用着色クリアコーティングである。
【0038】
染色剤または含浸剤とは、木材の表面の木材の細孔中に浸透し、木材表面上に膜を形成しない、木材表面の木材処理剤または着色剤と理解されるべきである。
【0039】
好適なのは、結合剤を含まないか、または少量の結合剤、すなわち組成物の質量に対して0〜15質量%、特に0〜14質量%の結合剤を含む染色剤または含浸剤組成物である。
【0040】
染色は、漂白をはじめとする顔料または染料での木材表面の着色であるので、例えば染色剤は、本明細書において概要を記載する顔料または染料を含む。
【0041】
好ましくは、染色剤組成物の顔料濃度は、溶媒の0.002〜20質量%、さらに好ましくは0.02〜10質量%、最も好ましくは0.1〜5質量%である。
【0042】
好ましくは、染色剤組成物の染料濃度は、溶媒の0.02〜10質量%、さらに好ましくは0.05〜5質量%、最も好ましくは0.1〜3質量%である。
【0043】
含浸は、木材の安定剤での処理であるので、例えば含浸剤は、安定剤(例えば立体障害アミン、UV吸収剤)を含む。
【0044】
好適なのは、染色剤または含浸剤が立体障害アミン、UV吸収剤またはこれらの組み合わせを含み、好ましくは、染色剤または含浸剤が立体障害アミンを含む木材用着色クリアコーティングである。例えば、立体障害アミンは、N−オキシルまたはN−ヒドロキシル立体障害アミンである。
【0045】
好適なN−オキシルおよびN−ヒドロキシル立体障害アミンは、WO−A−01/17738の2頁、第4段落から26頁、第2段落に記載されるような立体障害アミン、特に、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2−6−6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジニウムシトレート、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウムシトレート、ビス(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウム)シトレートまたはトリス(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウム)シトレートである。
【0046】
これらの染色剤および含浸剤において、N−オキシルまたはN−ヒドロキシル立体障害アミンを、溶媒の質量に対して0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜2質量%、最も好ましくは0.5〜1.5質量%の量で使用できる。
【0047】
これらの染色剤および含浸剤において、UV吸収剤を、溶媒の質量に対して、0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜2質量%、最も好ましくは0.5〜1.5質量%の量で使用することができる。UV吸収剤は後述のとおりである。
【0048】
染色剤および含浸剤を、通常、液体組成物として木材表面に適用する。この染色剤または含浸剤組成物は、好ましくは、有機溶媒を含まない水、水を含まない有機溶媒および水と有機溶媒との混合物からなる群から選択される溶媒を含んでもよい。好適な有機溶媒は、脂肪族、芳香族もしくは脂環式炭化水素、アルコール、エステル、ケトンまたは塩素化炭化水素である。水が溶媒として好適である。
【0049】
木材用染色剤または含浸剤を、慣習的方法を用いて、例えば木材を木材用染色剤または含浸剤の浴中に浸漬することによるか、または塗料刷毛塗り、噴霧もしくはナイフコーティングにより、木材に適用することができる。ここでの暴露時間は、最高数時間までであり、木材用染色剤または含浸剤浴の温度は、一般的に20℃〜約110℃の間であり得る。
処理の完了後、木製物体を一般的に、空気中、室温で乾燥させる。しかし、処理された木材を最高100℃までの高温で、例えば対流式乾燥キャビネット中で乾燥させることもできる。
【0050】
好適なのは、着色クリアコーティング層(b)または最外層コーティング層(すなわち、トップコーティング層)であるコーティング層または両コーティング層がUV吸収剤を含む木材用着色クリアコーティングである。
【0051】
前段落は、着色クリアコーティング層(b)が最外コーティング層、すなわち、トップコーティング層であり、これは従ってUV吸収剤を含む唯一のコーティング層であり得ると理解される。
【0052】
好ましくは、コーティング層のUV吸収剤濃度は、固体結合剤の0.2〜10%、さらに好ましくは0.2〜5%、さらにより好ましくは0.3〜2%、最も好ましくは0.5〜1.5質量%である。
【0053】
例えば、木材用着色クリアコーティング中、トップコーティング層は、立体障害アミンおよびUV吸収剤、特に立体障害アミンを含む。好適な立体障害アミンは、N−H、N−アルキル、N−アシル、N−アルコキシ立体障害アミン(N−アルコキシのアルコキシは、非置換、または少なくとも1つのヒドロキシ基により置換されている)である。
【0054】
好ましくは、コーティング層の立体障害アミンの濃度は、固体結合剤の質量の0.2〜10質量%、さらに好ましくは0.2〜5質量%、さらにより好ましくは0.3〜2質量%、最も好ましくは0.5〜1.5質量%である。
【0055】
好適な立体障害アミンは、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート,ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート,ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖または環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖または環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS Reg.No.[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびにN,N−ジブチルアミンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS Reg.No.[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デカンおよびエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸の1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーの2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(Clariant;CAS Reg.No.106917−31−1]、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス−[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−ブチルアミノ)−6−クロロ−s−トリアジンのN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)−アミノ)−s−トリアジンである。
【0056】
例えば、木材用着色クリアコーティングは、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、オキサミド、アクリレート、置換および非置換の安息香酸のエステル、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、透明金属酸化物およびこれらの組み合わせ、好ましくは2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されるUV吸収剤、最も好ましくは2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを含む。
【0057】
好ましくは、コーティング層は、2つのUV吸収剤、例えば2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンまたは2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールと別のUV吸収剤とを、特に、4:1から1:4の質量比で含む。
【0058】
好ましくは、透明金属酸化物は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムまたは酸化鉄である。主な粒子サイズは、1〜100nm、好ましくは5〜50nm、最も好ましくは5〜30nmで変化し得る。
【0059】
2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールは、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシル−オキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシ−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;[R−CH2CH2−COO−CH2CH22−(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾ−ル−2−イルフェニル)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]−ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾールである。
2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールは、GB−A−2319035の2頁、最後から2番目の段落から17頁、最終段落までに記載のようなものであってもよい。
【0060】
2−ヒドロキシベンゾフェノンは、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシおよび2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体である。
【0061】
置換および非置換の安息香酸のエステルは、例えば、4−tert−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートである。
【0062】
アクリレートは、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジ−フェニルアクリレートである。
【0063】
オキサミドは、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリドおよびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物ならびにo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物である。
【0064】
例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(Vl)、好ましくは式(I)、(II)または(III)
【化1】

[式中、
XおよびYは、独立して、フェニル、ナフチル、ピレニル、フェナントレニルもしくはフルオランテニル、または1〜6個の炭素原子を有する1〜3個のアルキル、ハロゲン、ヒドロキシもしくは1〜6個の炭素原子を有するアルコキシもしくはこれらの混合物により置換された前記フェニル、前記ナフチル、前記ピレニル、前記フェナントレニルまたは前記フルオランテニルであるか;あるいは独立してZ1またはZ2であり;
X、X’、YおよびY’は同一または異なって、XおよびYについて定義したとおりであり;
1は、水素、1〜24個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、7〜15個の炭素原子を有するフェニルアルキル、ハロゲン、−SR3、−SOR3または−SO23;または1〜3個のハロゲン、−R4、−OR5、−N(R52、−COR5、−COOR5、−OCOR5、−CN、−NO2、−SR5、−SOR5、−SO25もしくは−P(O)(OR52、モルホリニル、ピペリジニル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル、ピペラジニルもしくはN−メチルピペリジニル基またはこれらの組み合わせにより置換された前記アルキル、前記シクロアルキルまたは前記フェニルアルキル;あるいは1〜4個のフェニレン、−O−、−NR5−、−CONR5−、−COO−、−OCO−もしくは−CO基またはこれらの組み合わせにより中断されている前記アルキルもしくは前記シクロアルキル;または前述の基の組み合わせにより置換され、かつ中断されている前記アルキルもしくは前記シクロアルキルであり;
1、R1’およびR1"は同一または異なって、R1について定義したとおりであり;
2は、水素、1〜24個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキルまたは5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル;あるいは1〜4個のハロゲン、エポキシ、グリシジルオキシ、フリルオキシ、−R4、−OR5、−N(R52、−CON(R52、−COR5、−COOR5、−OCOR5、−OCOC(R5)=C(R52、−C(R5)=CCOOR5、−CN、−NCO、または
【化2】

またはそれらの組み合わせにより置換された前記アルキルもしくは前記シクロアルキル;または1〜4個のエポキシ、−O−、−NR5−、−CONR5−、−COO−、−OCO−、−CO−、−C(R5)=C(R5)COO−、−OCOC(R5)=C(R5)−、−C(R5)=C(R5)−、フェニレンもしくはフェニレン−G−フェニレン(ここで、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−もしくは−C(CH32−またはこれらの組み合わせである)により中断されている前記アルキルもしくは前記シクロアルキル、あるいは前述の基の組み合わせにより置換され、かつ中断されている前記アルキルもしくは前記シクロアルキルであるか;あるいはR2は、−SO23または−COR6であり;
2、R2’およびR2"は同一または異なって、R2について定義したとおりであり;
3は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、7〜15個の炭素原子を有するフェニルアルキル、6〜10個の炭素原子を有するアリールまたは1〜4個の炭素原子を有する1もしくは2個のアルキルにより置換された前記アリールであり;
4は、6〜10個の炭素原子を有するアリールまたは1〜3個のハロゲン、1〜8個の炭素原子を有するアルキル、1〜8個の炭素原子を有するアルコキシまたはこれらの組み合わせにより置換されている前記アリール;5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル;7〜15個の炭素原子を有するフェニルアルキルまたはフェニル環上で、1〜3個のハロゲン、1〜8個の炭素原子を有するアルキル、1〜8個の炭素原子を有するアルコキシもしくはこれらの組み合わせにより置換された前記フェニルアルキル;あるいは2〜18個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニルであり;
5は、R4について定義したとおりであるか;またはR5も水素または1〜24個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル、2〜24個の炭素原子を有するアルケニルであるか;またはR5は式
【化3】

の基であり
Tは、水素、オキシル、ヒドロキシル、−OT1、1〜24個の炭素原子を有するアルキル、1〜3個のヒドロキシにより置換された前記アルキル;ベンジルまたは2〜18個の炭素原子を有するアルカノイルであり;
1は、1〜24個の炭素原子を有するアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜24個の炭素原子を有するアルケニル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルケニル、7〜15個の炭素原子を有するフェニルアルキル、7〜12個の炭素原子を有する飽和または不飽和二環式または三環式炭化水素の基または6〜10個の炭素原子を有するアリールまたは1〜4個の炭素原子を有する1〜3個のアルキルにより置換された前記アリールであり;
6は、1〜18個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2〜12個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、フェノキシ、1〜12個の炭素原子を有するアルキルアミノ、6〜12個の炭素原子を有するアリールアミノ、−R7COOHまたは−NH−R8−NCOであり;
7は、2〜14個の炭素原子を有するアルキレンまたはフェニレンであり;
8は、2〜24個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレン、トリレン、ジフェニルメタンまたは基
【化4】

であり;
tは0〜9であり;
Lは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキレン、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキレンまたはシクロヘキシレンもしくはフェニレンにより置換または中断されているアルキレンであるか;あるいはLは、ベンジリデンであるか;あるいはLは、−S−、−S−S−、−S−E−S−、−SO−、−SO2−、−SO−E−SO−、−SO2−E−SO2−、−CH2−NH−E−NH−CH2−または
【化5】

であり;
Eは、2〜12個の炭素原子を有するアルキレン、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキレンまたは5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキレンにより中断されているか、または5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキレンが末端にあるアルキレンであり;
nは、2、3または4であり;
nが2である場合;Qは、2〜16個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキレン;または1〜3個のヒドロキシ基により置換されている前記アルキレン;または1〜3個の−CH=CH−もしくは−O−により中断されている前記アルキレン;または前述の基の組み合わせにより置換され、かつ中断されている前記アルキレンであるか;あるいはQは、 キシリレンまたは基−CONH−R8−NHCO−、−CH2CH(OH)CH2O−R9−OCH2CH(OH)CH2−、−CO−R10−CO−、もしくは−(CH2m−COO−R11−OOC−(CH2m−(式中、mは1〜3である)であるか;またはQは
【化6】

であり;
9は、2〜50個の炭素原子を有するアルキレン;あるいは1〜10個の−O−、フェニレンまたは−フェニレン−G−フェニレン基(式中、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−もしくは−C(CH32−である)により中断された前記アルキレンであり;
10は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、または1〜4個の−O−、−S−もしくは−CH=CH−により中断された前記アルキレンであるか;あるいはR10は、6〜12個の炭素原子を有するアリーレンであり;
11は、2〜20個の炭素原子を有するアルキレンまたは1〜8個の−O−により中断された前記アルキレンであり;nが3である場合、Qは、−[(CH2mCOO]3−R12基(式中、mは1〜3であり、R12は、3〜12個の炭素原子を有するアルカントリイルである)であり;
nが4である場合、Qは、−[(CH2mCOO]4−R13基(式中、mは、1〜3であり、R13は、4〜12個の炭素原子を有するアルカンテトライル)であり;
1は、式
【化7】

の基であり;
2は、式
【化8】

[式中、r1およびr2は、互いに独立して0または1であり;
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22およびR23は、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、シアノ、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ、7〜15個の炭素原子を有するフェニルアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルコキシ、ハロゲン、1〜5個の炭素原子を有するハロアルキル、スルホ、カルボキシ、2〜12個の炭素原子を有するアシルアミノ、2〜12個の炭素原子を有するアシルオキシ、2〜12個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルであるか;あるいはR17およびR18またはR22およびR23は、これらが結合しているフェニル基と一緒になって、1〜3個の−O−または−NR5−により中断された環状基である]の基である]の化合物である。
【0065】
例えば、アルキルまたはアルキレンは、前記アルキルまたは前記アルキレンが1以上の基(例えばフェニレン、−O−、−NR5−、−CONR5−、−COO−、−OCO−、−CO−、エポキシ、−C(R5)=C(R5)COO−、−OCOC(R5)=C(R5)−、−C(R5)=C(R5)−もしくはフェニレン−G−フェニレン基)により中断されている場合、少なくとも2個の炭素原子を含む。
【0066】
化合物において、ある記号(例えばR2’またはR2")が2回以上(例えば2回)あるならば、この記号は異なる基であってもよいし、同じ基であってもよい。
【0067】
この定義において、アルキルという用語は、炭素原子の所定の範囲内で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、2−メチルヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシルまたはドデシルを含む。
【0068】
アルケニルの例は、所定の炭素原子の範囲内で、ビニル、アリル、1−メチルエテニル、ならびにブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニルおよびドデセニルの分岐および非分岐異性体である。アルケニルという用語はまた、共役であっても、非共役であってもよい1以上の二重結合を有する残基を含んでもよく、例えば1個の二重結合を含んでもよい。
【0069】
アルキレンの例は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレンおよびドデシレンの所定の炭素原子の範囲内の分岐および非分岐異性体である。
【0070】
シクロアルキルのいくつかの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチルおよびメチルシクロヘキシルである。
【0071】
シクロアルキレンのいくつかの例は、シクロペンチレン、シクロヘキシレン(例えば1,4−シクロヘキシレン)、メチルシクロペンチレン、ジメチルシクロペンチレンおよびメチルシクロヘキシレンである。
【0072】
シクロアルケニルのいくつかの例は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、メチルシクロペンテニル、ジメチルシクロペンテニルおよびメチルシクロヘキセニルである。シクロアルケニルは、共役であっても、非共役であってもよい1以上の二重結合を含んでもよく、例えば1つの二重結合を含んでもよい。
【0073】
アリールは例えばフェニルである。
【0074】
アリーレンは、例えばフェニレン、特にo−、m−またはp−フェニレンである。
【0075】
フェニレンの例は、o−、m−およびp−フェニレンである。
【0076】
フェニルアルキルは、例えばベンジルまたはα,α−ジメチルベンジルである。
【0077】
アルコキシという用語は、所定の範囲内の炭素原子数で、例えばメトキシおよびエトキシならびにプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシおよびオクチルオキシの分岐および非分岐異性体を含み得る。
【0078】
定義において、アルカノイルという用語は、その所定の炭素原子の範囲内で、例えばエタノイル、プロパノイルならびにブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイルおよびドデカノイルの分岐および非分岐異性体を含み得る。
【0079】
ハロゲンという用語は、塩素、臭素およびヨウ素を含み;例えば、ハロゲンは塩素である。
【0080】
例えば、7〜12個の炭素原子を有する飽和または不飽和二環式または三環式炭化水素の基はデカリンである。
【0081】
好ましくは、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤は、式(I)、(II)または(III)
[式中、
XおよびYは、独立して、フェニル、1〜6個の炭素原子を有する1〜3個のアルキル、ヒドロキシもしくは1〜6個の炭素原子を有するアルコキシまたはこれらの混合物により置換された前記フェニルであるか;あるいは独立してZ1またはZ2であり;
1は水素であり;
1’およびR1"は、R1について定義したとおりであり;
2は、水素、1〜24個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル;または1〜4個の−R4、−OR5、−N(R52、−CON(R52、−COR5、−COOR5、−OCOR5、−OCOC(R5)=C(R52、−C(R5)=CCOOR5、もしくはこれらの組み合わせにより置換された前記アルキル;または1〜4個の−O−、−NR5−、−CONR5−、−COO−、−OCO−、−CO−、−C(R5)=C(R5)COO−、−OCOC(R5)=C(R5)−、−C(R5)=C(R5)−、またはこれらの組み合わせにより中断された前記アルキル、あるいは前述の基の組み合わせにより置換され、かつ中断された前記アルキルであるか;あるいはR2は、−COR6であり;
2、R2’およびR2"は同一または異なって、R2について定義したとおりであり;
4は、2〜18個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニルであり;
5は、R4について定義したとおりであるか;またはR5はまた、水素または1〜24個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2〜24個の炭素原子を有するアルケニルであり;
6は、1〜18個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニル、1〜12個の炭素原子を有するアルキルアミノであり;
1は、式
【化9】

の基であり;
2は、式
【化10】

[式中、r1およびr2は、互いに独立して0または1であり;
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22およびR23は、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ、カルボキシ、2〜12個の炭素原子を有するアシルアミノ、2〜12個の炭素原子を有するアシルオキシ、2〜12個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルである]の基である]の化合物である。
【0082】
さらに好ましくは、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤は、式(I)、(II)または(III)、特に式(I)または(III)
[式中、
XおよびYは、独立して、フェニル、または1個の炭素原子を有する1〜2個のアルキル、ヒドロキシもしくは1〜6個の炭素原子を有するアルコキシまたはこれらの混合物により置換された前記フェニルであるか;あるいは独立してZ1またはZ2であり;
1は、水素であり;
1’およびR1"は、R1について定義したとおりであり
2は、水素、1〜15個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル;または1または2個の−R4、−OR5、−COOR5、−OCOR5、−OCOC(R5)=C(R52、−C(R5)=CCOOR5、もしくはこれらの組み合わせにより置換された前記アルキル;または1または2個の−O−、−COO−、−OCO−もしくはこれらの組み合わせにより中断された前記アルキル、あるいは前述の基の組み合わせにより置換され、かつ中断された前記アルキルであるか;あるいはR2は、−COR6であり;
2、R2’およびR2"は同一または異なって、R2について定義したとおりであり;
4は、2〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニルであり;
5は、R4について定義したとおりであるか;またはR5はまた、水素もしくは1〜15個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル、2〜3個の炭素原子を有するアルケニルであり;
6は、1から15個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル、2〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニルであり;
1は、式
【化11】

の基であり、
2は、式
【化12】

[式中、r1およびr2は1であり;
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22およびR23は水素である]の基である]の化合物である。
【0083】
さらにより好ましくは、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤は、式(I)、(II)または(III)、特に式(I)または(III)、特に式(III)
[式中、
XおよびYは、独立して、フェニル、または1個の炭素原子を有する1〜2個のアルキル、ヒドロキシもしくは1〜6個の炭素原子を有するアルコキシもしくはこれらの混合物により置換された前記フェニルであるか;あるいは独立してZ1またはZ2であり;
1、R1’およびR1"は水素であり;
2は、水素、1〜15個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル;または1または2個の−OR5,−COOR5、−OCOR5、−OCOC(R5)=C(R52、もしくはこれらの組み合わせにより置換された前記アルキル;または1個の−O−、−COO−もしく−OCO−により中断された前記アルキル、または前述の基の組み合わせにより置換され、かつ中断された前記アルキルであるか;あるいはR2は−COR6であり;
2、R2’およびR2"は同一または異なって、R2について定義したとおりであり;
5は、水素または1から15個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2〜3個の炭素原子を有するアルケニルであり;
6は、2〜3個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルケニルであり;
1は、式
【化13】

の基であり;
2は、式
【化14】

[式中、
1およびr2は1であり;
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22およびR23は水素である]の基である]の化合物である。
【0084】
例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤(a)は、式(III)
[式中、
1、R1’およびR1"は、水素であり;
2は、水素、1〜15個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル;または1個の−OR5、−COOR5、−OCOR5により置換された前記アルキル、または1個の−O−、−COO−もしくは−OCO−により中断された前記アルキルであり;
2、R2’およびR2"は同一または異なって、R2について定義したとおりであり;
5は、水素または1から15個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル、2〜3個の炭素原子を有するアルケニルであり;そして
6は、2〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニルである]で示されるものである。
【0085】
例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤(a)は、式(III)
[式中、
1、R1’およびR1"は、水素であり;
2は、水素または1個のCOOR5により置換された1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキルであり;
2、R2’およびR2"は同一または異なって、R2について定義したとおりであり;
5は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキルである]で示されるものである。
【0086】
好適な2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤の例は次のとおりである:
【化15】

【0087】
【化16】

【0088】
HPT−8は、1)、2)および3)に定義する置換基を有する化合物の混合物である:
1)G1=G2=CH(CH3)−COO−C817イソミックス、G3=G4=H;
2)G1=G2=G3=CH(CH3)−COO−C817イソミックス、G4=H;
3)G1=G2=G3=G4=CH(CH3)−COO−C817イソミックス;
【化17】

【0089】
【化18】

【0090】
HPT−17 2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
HPT−18 2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
HPT−19 2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
HPT−20 2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
HPT−21 2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
HPT−22 2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
HPT−23 2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、
HPT−24 2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、
HPT−25 2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
HPT−26 2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、
HPT−27 2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、
HPT−28 2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、
HPT−29 2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、
HPT−30 2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0091】
最も好適な2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤は、HPT−1〜HPT−8、特にHPT−8である。
【0092】
2以上の異なる2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤の混合物を使用できる。例えば、2つの異なる2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤の混合物。好適な混合物は、HPT−1およびHPT−2;HPT−2およびHPT−6;HPT−2およびHPT3;HPT−2およびHPT−4;HPT−2およびHPT−5;HPT−1およびHPT−7;HPT−1およびHPT−7;HPT−3およびHPT−7;HPT−4およびHPT−7;HPT−5およびHPT−7;HPT−6およびHPT−7;HPT−1およびHPT−8;HPT−3およびHPT−8;HPT−4およびHPT−8;HPT−5およびHPT−8;HPT−6およびHPT−8である。混合物中の2つの異なる2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤の比は、例えば、4:1〜1:4、好ましくは3:1〜1:3、さらにより好適には2.5:1〜1:2.5(質量に対する)である。
【0093】
有機UV吸収剤(例えば2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、オキサミド、アクリレート、置換および非置換の安息香酸のエステル、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)をそれ自体で用いることができるか、または有機UV吸収剤を含む濃縮水性ポリマー分散液として用いることができる。このような有機UV吸収剤を含む濃縮水性ポリマー分散液は、例えばWO−A−05/023878に記載のものであってよく、WO−A−05/023878に記載のようにして得ることができる。有機UV吸収剤を含むこれらの濃縮水性ポリマー分散液の選好は、生成物自体について本明細書に記載のものと同じであり得る。有機UV吸収剤を含むこのような濃縮水性ポリマー分散液は、水性コーティングに特に適している。
【0094】
前記UV吸収剤は主に市販されている。例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤およびその出発物質を当該技術分野において公知の方法により製造することができる。例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンUV吸収剤を、ハロトリアジンの対応する芳香族化合物およびフェノールへフリーデル・クラフツ付加することにより、EP−A−434608もしくはその最初に言及されている刊行物の1つに記載の方法の1つと同様にして、またはH.BrunettiおよびCE.Luethiによる出版物、HeIv.Chim.Acta 55,1566(1972)に記載の方法の1つと同様にして製造する;米国特許第5726310号、第6057444号、第6225468号、およびEP−A−941989、WO00/29392も参照のこと。この手順に続いて公知の方法に従ったさらなる反応をおこなうことができ;このような反応および方法は、例えばEP−A−434608に記載されている。ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤は、例えばGB−A−975966、EP−A−434608、US−4619956、US−5298067、EP−A−530135、EP−A−520938、EP−A−531258、US−5556973、US−5959008、US−6184375、US−6117997;例えばUS−5998116、US−6255483、US−6060543に記載されている。
【0095】
染色剤、含浸剤、着色クリアコーティング層またはトップコーティング層中のUV吸収剤は、すでに概要を記載したものと同様であり得る。
【0096】
例えば、木材用着色クリアコーティングは、ソルベント染料、分散染料、酸性染料、反応染料、塩基性染料、金属錯体染料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される染料、好ましくはソルベント染料および酸性染料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される染料を含む。組み合わせは、同じかまたは異なる染料の種類、好ましくは同じ染料の種類から選択される少なくとも2つの染料であると理解される。
【0097】
染料は、WO−A−01/85857の33頁、第3段落から51頁、第3段落までに記載のものと同様であってもよい。染料の他の例は、C.I.アシッドイエロー220およびC.I.アシッドブラック52である。
【0098】
好ましくは、着色クリアコーティングの染料濃度は、固体結合剤の0.02〜5%、さらに好ましくは0.1〜1%、最も好ましくは0.2〜0.8質量%である。
【0099】
例えば、顔料は黒および白をはじめとする任意の色のものであってよい。一般的に、顔料は、有機顔料および無機顔料からなる群から選択される顔料または顔料の混合物である。
【0100】
有機顔料は、顔料を使用する業界、例えばコーティング業界で一般的に使用される色:すなわち、黒、青、赤、緑、オレンジおよび黄色を生じさせるものであってよい。
【0101】
有機顔料は、例えば、多環式、アゾ、および金属錯体顔料を含む。さらに詳細には、有機顔料は、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、β−ナフトール、ナフトールAS、レーキアゾ、ベンズイミダゾロン、アゾ縮合、金属錯体アゾ、アゾメチン、イソインドリノン、イソインドリン、金属錯体、例えばフタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、インディゴ、チオインディゴ、アントラキノン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、ピラントロン、アンタントロン、ジオキサジン、トリアリールカルボニウム、キノフタロン、ジケトピロロピロール、ニトロ、キノリン、イソビオラントロン、プテリジンおよび塩基性染料錯体顔料を含む。顔料は、固溶体顔料であってもよい。顔料の混合物も用いることができる。顔料の結晶組み合わせの混合物を用いることができる。好適な顔料は、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、金属錯体、例えばフタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、アントラキノン、インダントロンおよびジケトピロロピロールからなる群から選択される。これらの有機顔料すべてについてのさらなる詳細については、Industrial Organic Pigments,W.Herbst,K.Hunger,2nd edition,VCH Verlagsgesellschaft,Weinheim,1997が参照される。
【0102】
無機顔料としては、とりわけ、酸化チタン顔料、酸化鉄および水酸化鉄顔料、酸化クロム顔料、スピネル型焼結顔料、クロム酸鉛顔料、カーボンブラックおよびプルシアンブルーが挙げられる。
【0103】
フレーク顔料、有機小板および干渉顔料を除く本明細書に記載の顔料は、例えば、5〜2000nm、好ましくは10〜1000nmのサイズである。フレーク顔料、有機小板および干渉顔料は、例えば、5〜150μmの平均粒子サイズおよび0.1〜2μmの厚さを有する。
【0104】
フレーク顔料、特に干渉フレーク顔料、例えば金属フレーク顔料が好適である。
【0105】
特に好適な顔料は、Society of Dyers and ColouristsおよびAmerican Association of Textile Chemists and Colorists編集のカラーインデックス(C.I.)に記載のものである。
【0106】
このような顔料は、主に市販されている。あるいは、このような顔料を当該技術分野において公知の方法に従って製造することができる。
例えば、顔料は、C.I.ピグメントレッド23、101、112、144、146、166、177、179、184、185、202、206、221、254、255、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、37、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60、C.I.ピグメントイエロー13、17、34、42、74、83、93、109、110、128、129、139、184、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントオレンジ48、73、ジケト−ピロロ−ピロール顔料、キナクリドン顔料;ならびにこれらの混合物、結晶組み合わせおよび固溶体、最も好ましくはC.I.ピグメントレッド101、177、179、202、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、37、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60、C.I.ピグメントイエロー42、109、110、129、184、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントオレンジ48、73、ジケト−ピロロ−ピロール顔料、キナクリドン顔料;ならびにこれらの混合物または固溶体、特にC.I.ピグメントレッド101、177、179、202、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、37、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60、C.I.ピグメントイエロー42、109、110、129、184、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントオレンジ48、73またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0107】
これらの顔料の顔料混合物および固溶体は、2以上のジケト−ピロロ−ピロール顔料、2以上のキナクリドン顔料および2以上のキナクリドン/ジケト−ピロロ−ピロール顔料の結晶混合物などの混合物および固溶体を含むと理解されるべきである。
【0108】
他の好適な顔料は、干渉フレーク顔料(例えば、TiO2もしくはFe23などの透明金属酸化物でコーティングされたマイカ)または有機小板(すなわち、小板形態の2,9−ジクロロキナクリドンなどのカラーフロップを有する顔料)である。
【0109】
他の好適な顔料は、干渉顔料、すなわち、金属酸化物でコーティングされた、透明な小板様基材ベースの顔料である。
【0110】
好適な小板形状の基材は透明である。その例は、マイカ(黒雲母、バーミキュライト、絹雲母、白雲母、フロゴパイト、フルオロフロゴパイト、カオリナイトもしくは関連物質)、または合成マイカ、例えば合成フルオロフロゴパイト、塩基性炭酸鉛、フレーク状硫酸バリウム、SiO2、Al23、TiO2、ガラス、ZnO、ZrO2、SnO2およびBiOClフレークである。
【0111】
透明な小板様基材は、好ましくは低い屈折率を有する。
特に好適な基材は、天然、または合成マイカ、SiO2フレーク、Al23フレーク、およびガラスフレークである。
【0112】
好適な干渉顔料は、低屈折率を有する透明な小板様基材のほかに、(a)高い屈折率を有する金属酸化物、または高い屈折率を有する金属酸化物の混合物を含む。
【0113】
高い屈折率を有する好適な金属酸化物の例は、TiO2、ZrO2、Fe23、Fe34、Cr23またはZnOであり、TiO2が特に好適である。
【0114】
表示された順序で、湿式化学法によりコーティングされた、低屈折率を有する小板様金属酸化物ベースの顔料が特に好適である:TiO2、(SnO2)TiO2(基材:低屈折率を有する金属酸化物;層:(SnO2)TiO2、好ましくはルチル修飾において)、Fe23、Fe34、TiFe25、Cr23、ZrO2、Sn(Sb)O2、BiOCl、Al23、Fe23・TiO2(基材:低屈折率を有する金属酸化物;Fe23およびTiO2の混合層)、TiO2/Fe23(基材:低屈折率を有する金属酸化物;第1層:TiO2;第2層:Fe23)、TiO2/ベルリンブルー、TiO2/Cr23、またはTiO2/FeTiO3。一般に、層a)の厚さは、1〜1000nm、好ましくは1〜300nmの範囲である。
【0115】
別の特に好適な実施形態において、干渉顔料は、少なくとも3つの高屈折率層および低屈折率層が交互になった層、例えば、TiO2/SiO2/TiO2、(SnO2)TiO2/SiO2/TiO2、TiO2/SiO2/TiO2/SiO2/TiO2またはTiO2/SiO2/Fe23を含む。好ましくは、層構造は次のとおりである:
(A)屈折率>1.65を有するコーティング、
(B)屈折率≦1.65を有するコーティング、
(C)屈折率>1.65を有するコーティング、および
(D)場合により外側保護層。
【0116】
層(A)の厚さは、10〜550nm、好ましくは15〜400nmであり、特に、20〜350nmである。層(B)の厚さは、10〜1000nm、好ましくは20〜800nmであり、特に、30〜600nmである。層(C)の厚さは、10〜550nm、好ましくは15〜400nmであり、特に、20〜350nmである。
【0117】
層(A)の特に好適な物質は、金属酸化物、または金属酸化物混合物、例えばTiO2、Fe23、TiFe25、Fe34、BiOCl、CoO、Co34、Cr23、VO2、V23、Sn(Sb)O2、SnO2、ZrO2、チタン酸鉄、酸化鉄水和物、亜酸化チタン(2から<4までの酸化状態を有する還元チタン種)、バナジウム酸ビスマス、アルミン酸コバルト、ならびにこれらの化合物の互いとの混合物または他の金属酸化物との混合物または混合相である。
【0118】
層(B)の特に好適な物質は、金属酸化物または対応する水和酸化物、例えばSiO2、MgF2、Al23、AlOOH、B23またはこれらの混合物、好ましくはSiO2である。
【0119】
層(C)の特に好適な物質は、無色または有色金属酸化物、例えばTiO2、Fe23、TiFe25、Fe34、BiOCl、CoO、Co34、Cr23、VO2、V23、Sn(Sb)O2、SnO2、ZrO2、チタン酸鉄、酸化鉄水和物、亜酸化チタン(2から<4までの酸化状態を有する還元チタン種)、バナジウム酸ビスマス、アルミン酸コバルト、ならびにこれらの化合物の互いとの混合物または他の金属酸化物との混合物または混合相である。
【0120】
吸収性物質または非吸収性物質の中間層が、層(A)、(B)、(C)および(D)間に存在し得る。この中間層の厚さは、1〜50nm、好ましくは1から40nmであり、特に、1〜30nmである。このような中間層は、例えば、SnO2から構成され得る。少量のSnO2を添加することにより、ルチル構造を形成させることが可能である(例えば、WO93/08237参照)。
【0121】
この実施形態において、好適な干渉顔料は次の層構造を有する。
【0122】
【表1】

【0123】
表中、SUBは、低屈折率を有する透明な小板様基材、例えば天然、または合成マイカ、SiO2フレーク、Al23フレーク、およびガラスフレークである。
【0124】
耐候性および光安定性を向上させるために、干渉顔料に、利用分野に応じて、表面処理(保護層)を施すことができる。有用な表面処理は、例えば、DE−A−2215191、DE−A−3151354、DE−A−3235017、DE−A−3334598、DE−A−4030727、EP−A−649886、WO97/29059、WO99/57204、およびUS−A−5,759,255に記載されている。前記表面処理は、顔料の取り扱い、特に様々な適用媒体中への組み入れを促進することもできる。
【0125】
他の好適な顔料は、小板様有機顔料、例えばキナクリドン、フタロシアニン、フルオロルビン、レッドペリレンまたはジケトピロロピロールである。PCT/EP2007/061657が参照され、この特許においては、カラーフロップを示す小板形態の2,9−ジクロロキナクリドンが記載されている。
【0126】
好ましくは、着色クリアコーティングの顔料濃度は、固体結合剤の0.002〜10%、さらに好ましくは0.02〜5%、さらにより好ましくは0.1〜3%、最も好ましくは0.1〜2.5質量%である。
【0127】
コーティング層、特に着色クリアコーティング層またはトップコーティング層はさらなる添加剤を含むことができ、この添加剤は、フェノール系およびアミン系酸化防止剤、ホスファイト、ホスホナイト、ベンゾフラノン、金属ステアリン酸塩、金属酸化物、有機リン化合物、ヒドロキシルアミン、難燃剤およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0128】
このようなさらなる添加剤は、例えば次のものである。
【0129】
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジ−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチル−フェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖において直線状であるか、または分岐しているノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデク−1’−イル)フェノールおよびこれらの混合物。
【0130】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチル−チオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0131】
1.3.ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−フェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0132】
1.4.トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE)。
【0133】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィド。
【0134】
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1、1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタ−ジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0135】
1.7.O−、N−およびS−ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0136】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えばジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0137】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0138】
1.10.トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0139】
1.11.ベンジルホスホネート、例えばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0140】
1.12.アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0141】
1.13.β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロール−プロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0142】
1.14.β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ピロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとのエステル。
【0143】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0144】
1.16.3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0145】
1.17.β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]ピロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL−1、Uniroyalにより供給)。
【0146】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0147】
1.19.アミン系酸化防止剤、例えばN,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチル−アミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノ−メチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラ−メチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニル−アミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシル−ジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン。
【0148】
2.ニッケル化合物、例えば2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えばn−ブチルアミン、トリエタノールアミンもしくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンなどのリガンドを追加するか、または追加しない1:1もしくは1:2錯体、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル塩、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチルまたはエチルエステルのニッケル塩、ケトオキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトオキシムのニッケル錯体、リガンドを追加するか、または追加しない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0149】
3.金属不活性化剤、例えばN,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルジアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0150】
4.ホスファイトおよびホスホナイト、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2"−ニトリロ−[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0151】
次のホスファイトが特に好適である。
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(lrgafos(登録商標)168、Ciba Specialty Chemicals Inc.)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【化19】

【0152】
5.ヒドロキシルアミン、例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N、N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N、N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水和獣脂アミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0153】
6.ニトロン、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタ−デシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水和獣脂アミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシル−アミンから誘導されるニトロン。
【0154】
7.チオ相乗剤、例えばジラウリルチオジプロピオネート、ジミストリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートまたはジステアリルジスルフィド。
【0155】
8.過酸化物スカベンジャー、例えばβ−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチルもしくはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾ−ルまたは2−メルカプト−ベンズイミダゾ−ルの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0156】
9.ポリアミド安定剤、例えばヨウ化物および/またはリン化合物と組み合わせた銅塩および二価マンガンの塩。
【0157】
10.塩基性補助安定剤、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、シアヌル酸トリアリル、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウムおよびパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモンまたはピロカテコール酸亜鉛。
【0158】
11.成核剤、例えば滑石などの無機物質、二酸化チタンまたは酸化マグネシウムなどの金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩または硫酸塩;有機化合物、例えばモノ−またはポリカルボン酸およびそれらの塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム;ポリマー化合物、例えばイオン性コポリマー(イオノマー)。特に好適であるのは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチル−ジベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0159】
12.充填剤および補強剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉および他の天然物の粉または繊維、合成繊維。
【0160】
13.他の添加剤、例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤および発泡剤。
【0161】
14.ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えばU.S.4,325,863;U.S.4,338,244;U.S.5,175,312;U.S.5,216,052;U.S.5,252,643;DE−A−4316611;DE−A−4316622;DE−A−4316876;EP−A−0589839、EP−A−0591102;EP−A−1291384に開示されているもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシ−エトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジ−メチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチル−ベンゾフラン−2−オン。
【0162】
さらなる添加剤を、通常、固体結合剤の0.1〜5質量%の濃度で使用する。
【0163】
典型的には、添加剤(例えば顔料、染料、2−ヒドロキシフェニルトリアジン、立体障害アミン安定剤、さらなる添加剤)を結合剤および溶媒の分散液中に分散させ、次いでコーティング組成物に添加するか、または添加剤をコーティング組成物中に直接分散させる。
【0164】
本発明はまた、
(e)少なくとも1つの結合剤を含む少なくとも1つの未着色クリアコーティング組成物を木材基材に適用し;
(f)少なくとも1つの結合剤ならびに染料および顔料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの着色剤を含む少なくとも1つの着色クリアコーティング組成物を、未着色クリアコーティング層(e)に適用し;
場合により
(g)少なくとも1つの結合剤を含む少なくとも1つの未着色クリアコーティング組成物を着色クリアコーティング層(f)に適用し;
そして場合により
(h)少なくとも1つの結合剤ならびに染料および顔料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの着色剤を含む少なくとも1つの着色クリアコーティング組成物を未着色クリアコーティング層(g)に適用することを含む、木材用着色クリアコーティングの製造方法に関する。
【0165】
(e)についての選好は、コーティング層(a)について前述のとおりである。(f)についての選好は、コーティング層(b)について前述のとおりである。(g)についての選好は、コーティング層(c)について前述のとおりである。(h)についての選好は、コーティング層(d)について前述のとおりである。
【0166】
この方法において、木材表面は未処理であってもよいし、前述の染色剤または含浸剤で処理することもできる。
【0167】
この方法の選好は、木材用着色クリアコーティングについて前述のとおりである。
【0168】
すべての%は特記載しない限り質量%である。すべての比は特記しない限り質量比である。
【0169】
【化20】

【0170】
適用例
使用した促進耐光性試験DIN/ISO/EN11341(CAM0)
この耐光法を、着色された建築用、工業用および他の屋内用塗料を試験するために使用する。
【0171】
試験DIN/ISO/EN 11341/C(CAM 0)の条件:
機械の種類:
Atlas Weather−Ometer Ci−65 A(2段ラック)
光源:
6.5kWの水冷式キセノンバーナー
フィルターの組み合わせ:
外側フィルター"Sodalime"(窓ガラス)
内側フィルターBoro S
手順:C
サイクル条件:
永久光
0.35 W/m2@340nm:照射照度制御
50(±2)℃:黒色パネル温度
50(±5)%:相対湿度
【0172】
木材パネル製造:
すべてのコーティング層を、刷毛塗りまたは噴射の適用のいずれかにより適用する。少なくとも2つのコーティング層が必要である。さらに平滑な表面については、3つの層を適用できる。含浸剤または染色剤をさらに木材表面に直接適用できる。
【0173】
コーティング組成物
【表2】

第1表:2K PUクリアコーティング配合物のポリオール成分(質量%)
【0174】
【表3】

第2表:2K PUクリアコーティング配合物のイソシアネート成分(質量%)
【0175】
原材料:
1)アクリル系ポリオール樹脂(固体樹脂に対して約4.5%ヒドロキシル含量);製造元:Solutia(旧Vianova Resins);溶媒:ソルベントナフサ:キシレン:n−酢酸ブチル=1:2:1
2)レベリング剤;製造元:Ciba;溶媒中50〜53%;溶媒:イソブタノール
3)湿潤剤;製造元:Ciba;溶媒中50〜53%;溶媒:メトキシプロパノール
4)触媒;製造元:AirProducts;溶媒:ジプロピレングリコール
5)脂肪族イソシアネート;製造元:Bayer AG;溶媒:n−ブチルアセテート:ソルベントナフサ=1:1
【0176】
ポリオールおよびイソシアネート成分を2/1の質量比で混合する。固形分は50質量%である。
【0177】
顔料組成物
着色クリアコーティングの顔料製造物を、粉砕装置を用いて製造して、最適分散顔料を得る:
【表4】

第3表:顔料製造物
【0178】
色測定結果を用いてパネルを評価する(Minolta CM3600d分光光度計、(反射鏡を含む)、CGRECソフトウェアを用いてパラメータ計算(DIN6174に準拠))。
【0179】
実施例1
着色クリアコーティング配合物(本発明)を木材パネル上の透明コーティング配合物の1層上に適用し、空気中で30分間、そしてストーブ中80℃で、30分間乾燥させる。比較のために、未着色クリアコーティング配合物の1層を木材パネル上の着色クリアコーティング配合物の1層上に適用し、空気中で30分間、そしてストーブ中80℃で30分間乾燥させる。顔料濃度は混合配合物の固形分に対して0.4質量%である。
【0180】
【表5】

比較
第4表:カバノキ木材上の着色および未着色クリアコーティングの彩度
【0181】
着色クリアコーティングパネル(本発明)は、未着色クリアコーティングパネル(比較例)と比較して、著しく増加した彩度および木目の三次元構造の向上されたアクセント付与を示す。
【0182】
実施例2
UV吸収剤をさらに使用する以外は実施例1においてと同様にして、顔料製造物P−1(混合された配合物の固形分に対して0.4質量%の顔料)を用いて着色クリアコーティングパネルを製造する。未着色クリアコーティングを、着色クリアコーティングを適用する前のモミ木材上の2層において適用した。1回のセットアップで、木材を立体障害アミンHALS−1(水中1質量%)で含浸させる。
【0183】
【表6】

第5表:着色クリアコーティングの彩度および耐光性の比較
【0184】
彩度が増加した着色クリアコーティング木材パネル(本発明)を安定化させて、耐光性を最適化、すなわち色ずれを少なくすることができる。
【0185】
実施例3
着色クリアコーティング配合物(本発明)を、セイヨウトネリコ木材上のクリアコーティング配合物の2層上に適用し、一晩空気中で、そしてストーブ中40℃で、30分間乾燥させる。比較のために、未着色クリアコーティング配合物の2層を、セイヨウトネリコ木材上の着色クリアコーティング配合物の1層上に適用し、一晩空気中で、そしてストーブ中40℃で、30分間乾燥させる。着色するために、染料−1を使用し、染料濃度は、混合配合物の固形分に対して0.4質量%である。
【0186】
【表7】

比較
第6表:セイヨウトネリコ木材上の着色および未着色クリアコーティングの彩度および明度
【0187】
着色クリアコーティングパネル(本発明)は、未着色クリアコーティングパネル(比較例)と比較して、著しく増加した彩度、増加した明度および木目の向上した三次元構造のアクセント付与を示す。
【0188】
実施例4
着色クリアコーティング配合物(本発明)をセイヨウトネリコのクリアコーティング配合物の2層上に適用し、一晩空気中で、そしてストーブ中40℃で、30分間乾燥させる。比較のために、2層の未着色クリアコーティング配合物をカバノキ木材上の着色クリアコーティング配合物の1層上に適用し、一晩空気中で、そしてストーブ中40℃で、30分間乾燥させる。着色のために、真珠箔顔料ブロンズ(酸化鉄でコーティングされたマイカ型)を使用し、顔料濃度は、混合配合物の固形分に対して2.0質量%である。
【0189】
【表8】

比較
第7表:カバノキ木材上の着色および未着色クリアコーティングの彩度および明度
【0190】
着色クリアコーティングパネル(本発明)は、未着色クリアコーティングパネル(比較例)と比較して、著しく増加した彩度、増加した明度および木目の向上した三次元構造のアクセント付与を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材用着色クリアコーティングであって、該木材コーティングが、次の層:
(a)少なくとも1つの結合剤を含む木材基材に接着する少なくとも1つの未着色クリアコーティング層;
(b)未着色クリアコーティング層(a)に接着し、少なくとも1つの結合剤ならびに染料および顔料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの着色剤を含む少なくとも1つの着色クリアコーティング層
を含む、木材用着色クリアコーティング。
【請求項2】
(a)が1または2の未着色クリアコーティング層であり、(b)が1つの着色クリアコーティング層である、請求項1に記載の木材用着色クリアコーティング。
【請求項3】
(c)着色クリアコーティング層(b)に接着し、少なくとも1つの結合剤を含む少なくとも1つの未着色クリアコーティング層;
および場合により
(d)未着色クリアコーティング層(c)に接着し、少なくとも1つの結合剤ならびに染料および顔料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの着色剤を含む少なくとも1つの着色クリアコーティング層
をさらに含む、請求項1または2に記載の木材用着色クリアコーティング。
【請求項4】
木材が未処理であるか、または木材表面の木材細孔中に浸透する染色剤もしくは含浸剤で処理されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の木材用着色クリアコーティング。
【請求項5】
染色剤または含浸剤が、立体障害アミン、UV吸収剤またはこれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の木材用着色クリアコーティング。
【請求項6】
着色クリアコーティング層(b)もしくは最外コーティング層であるコーティング層または両コーティング層がUV吸収剤を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の木材用着色クリアコーティング。
【請求項7】
UV吸収剤が、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、オキサミド、アクリレート、置換および非置換の安息香酸のエステル、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、透明金属酸化物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の木材用着色クリアコーティング。
【請求項8】
染料が、ソルベント染料、分散染料、酸性染料、反応染料、塩基性染料、金属錯体染料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の木材用着色クリアコーティング。
【請求項9】
顔料が、C.I.ピグメントレッド23、101、112、144、146、166、177、179、184、185、202、206、221、254、255、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、37、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60、C.I.ピグメントイエロー13、17、34、42、74、83、93、109、110、128、129、139、184、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントオレンジ48、73、ジケト−ピロロ−ピロール顔料、キナクリドン顔料、干渉顔料;ならびにこれらの混合物、結晶組み合わせまたは固溶体である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の木材用着色クリアコーティング。
【請求項10】
木材用着色クリアコーティングを製造するための方法であって、
(e)少なくとも1つの結合剤を含む少なくとも1つの未着色クリアコーティング組成物を木材基材に適用し;
(f)少なくとも1つの結合剤ならびに染料および顔料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの着色剤を含む少なくとも1つの着色クリアコーティング組成物を未着色クリアコーティング層(e)に適用し;
場合により
(g)少なくとも1つの結合剤を含む少なくとも1つの未着色クリアコーティング組成物を着色クリアコーティング層(f)に適用し;
そして場合により
(h)少なくとも1つの結合剤ならびに染料および顔料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの着色剤を含む少なくとも1つの着色クリアコーティング組成物を未着色クリアコーティング層(g)に適用することを含む方法。

【公表番号】特表2010−524674(P2010−524674A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504623(P2010−504623)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054572
【国際公開番号】WO2008/132048
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】