説明

木炭パウダー入りオムツ

【課題】 本発明は、オムツを無菌状態で使用できるようにするため、木炭による滅菌・消臭、遠赤外線効果と二酸化チタンによるウイルス(インフルエンザ)を分解する滅菌・消臭効果を合わせることにより、上記した目的の効果の増強(増大)を図り、その結果として感染症を未然に防げるようにしたもので、消臭効果や、滅菌効果に優れる木炭パウダー入りオムツに関する。
【解決手段】 透水性トップシートの裏面側に高分子吸収体を配設し、さらにその裏面側に木炭パウダーを含んだ綿繊維からなる木炭シート素材を配設し、この木炭シート素材の裏面側にバックシートを配設したこと、または透水性トップシートの裏面側に高分子吸収体を配設し、さらにその裏面側に二酸化チタン粉末を含んだバインダー層を介在させて木炭パウダーを含んだ綿繊維からなるシート素材を配設し、このシート素材の裏面側にバックシートを配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭効果、滅菌効果に優れた木炭パウダー入りオムツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高分子吸収体を素材にした各種のオムツが提案されているが、内部に木炭パウダーを入れて消臭効果や、滅菌効果を向上させたオムツの出現が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−137617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたオムツは、表面層と裏面層を多数の繋ぎ糸で連結して立体構造とした保水層を介在させて尿を効率的に吸収、保持できるようにしたものであるが、そのオムツ内には木炭パウダーが混入されていないため、木炭パウダーが有する消臭効果や、滅菌効果が発揮されず、さらには二酸化チタン粉末を含んだバインダー層(いわゆる光触媒)を備えることもなかったので、この点からも滅菌効果が不十分となる問題があった。
【0005】
本発明は、オムツを無菌状態で使用できるようにするため、木炭による滅菌・消臭、遠赤外線効果と二酸化チタンによるウイルス(インフルエンザ)を分解する滅菌・消臭効果を合わせることにより、上記した目的の効果の増強(増大)を図り、その結果として感染症を未然に防げるようにするものである。
本発明は、上記の全ての問題点を解消して、消臭効果や、滅菌効果に優れる木炭パウダー入りオムツを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、透水性トップシートの裏面側に高分子吸収体を配設し、さらにその裏面側に木炭パウダーを含んだ綿繊維からなる木炭シート素材を配設し、この木炭シート素材の裏面側にバックシートを配設したことを特徴とする木炭パウダー入りオムツである。
【0007】
請求項2記載の発明は、透水性トップシートの裏面側に高分子吸収体を配設し、さらにその裏面側に二酸化チタン粉末を含んだバインダー層を介在させて木炭パウダーを含んだ綿繊維からなるシート素材を配設し、このシート素材の裏面側にバックシートを配設したことを特徴とする木炭パウダー入りオムツである。
【0008】
請求項3記載の発明は、オムツがパンツ型であることを特徴とする特許請求の範囲1又は2記載の木炭パウダー入りオムツである。
【発明の効果】
【0009】
以上述べたように、請求項1及び2の木炭パウダー入りオムツによれば、木炭パウダー並びに二酸化チタンによる消臭機能、滅菌機能が発揮され、糞尿に混入して拡散する恐れのあるSARS,鳥インフルエンザ等の病原菌コロナウイルス、その他のウイルス、細菌等の除去、滅菌、その他の有害物質の分解・防御の効果があり、その結果として感染症の発生を未然に防げるという効果がある。
【0010】
また請求項3の木炭パウダー入りオムツによれば、オムツがパンツ型を呈するため、着用者に短時間で簡単に装着させることができ、乳幼児はもちろんのこと、成人に対しても使いやすいものとなる効果が達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下添付図面に基づいて、本発明に係る木炭パウダー入りオムツの実施例を詳説する。
図1は本発明の木炭パウダー入りオムツの正面図、図2は同右側面図、図3は図1におけるA−A線縦断面図、図4は木炭パウダーを含んだ木炭シート素材の展開状態の縦断面図、図5は同木炭シート素材にバインダー層を形成した状態の縦断面図である。
【実施例1】
【0012】
本発明の木炭パウダー入りオムツ1は、図1乃至図3に示されるように、表面側から、透水性トップシート2、高分子吸収体3、木炭シート素材、5バックシートの順で配設されている。
【0013】
透水性トップシートは着用者の肌に直接触れる部分であり、糞尿を透過させて裏面側に配設されている高分子吸収体3に導き、一旦透過させた糞尿の後戻りを防止できる性質の素材で構成されている。従って、その表面は常時サラサラ感を保った状態となっている。
【0014】
着用者の脚部は、オムツ1の脚通し孔7に通され、その付け根はフリルで隙間のない状態で締められることとなる。またゴム紐部9は着用者の胴部を締めるようになっているので、着用時の装着安定性は万全である。
【0015】
本発明の木炭シート素材4は、一般的に不織布や綿繊維で形成されるが、その木炭シート素材4には木炭パウダーがスプレー方式や浸漬方式にて含浸され、ここで木炭パウダーとしてはヒノキ炭を原料とした場合には、活性酸素などに効果のあるヒノキチオールが大量に含有されているため、効果的な木炭パウダー入りオムツが得られる。
【0016】
木炭シート素材4に含まれる木炭パウダーは、パウダー表面に微小穴が無数に存在し、その微小穴の内壁中には、さらに別の微小穴が多数存在している。このため、これらの全ての微小穴が縦横無尽に繋がっている多孔質の素材となり、木炭パウダーは外気に触れる微小穴の表面積が著しく大きくなる。
このように、木炭パウダーは外気に触れる表面積が飛躍的に大きくなるので、臭気及び湿気を確実に消すと同時に滅菌効果もある。
【0017】
木炭パウダー入りオムツを使用することで、木炭パウダーで臭気を好適に消し、さらに木炭パウダーの機能により糞尿を通じて流入するウイルスを駆除し、細菌等を捕捉して、これらの除去、滅菌に大きく寄与する。
【0018】
ここで具体的数字で説明すると、木炭シート素材4の面積100センチメートル当り、0.1〜20グラム程度の木炭パウダーを混入させることが好ましい。
【実施例2】
【0019】
ついで、図5に示した実施例2について説明すると、実施例1における木炭シート素材4あるいは透水性トップシート2の表裏面の少なくとも一方に、二酸化チタン粉末を含んだバインダー層6(通常は光触媒と称される)をスプレー方式又は浸漬方式にて形成すると、このバインダー層6の機能により消臭、滅菌効果は一層向上する。
すなわち二酸化チタンの光触媒の特徴のひとつは、光による強い酸化力であり、酸素が光触媒によって活性化され、反応性の高い活性酸素となり、この活性酸素の作用により消臭、滅菌効果が確保されることとなる。
【0020】
上記のバインダー層6は、木炭シート素材4の片面はもちろん、両面に形成することも可能であり、さらには透水性トップシート2の片面あるいは両面に形成しても良いことはもちろんである。
【0021】
ここで木炭シート素材4を詳しく説明すると、メイン素材11としては不織布や綿繊維等からなり、このメイン素材11の表面に木炭パウダー12がスプレー方式や浸漬方式にて含浸されるものであり、含浸された木炭パウダー12の一部は当然のことながらメイン素材11中にも入り込む。このようにして木炭シート素材4が形成されるので、オムツ1への形成に際しては安定した形成が可能であり、形成後の消臭、滅菌効果はまったく損なわれることがない。
【0022】
またバックシート5はオムツ1に吸収された糞尿が外部に漏れないようにするためのものであるから、防水性に優れた素材で形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の木炭パウダー入りオムツは、病院、介護施設、保育所さらには一般家庭内においても、利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の木炭パウダー入りオムツの正面図である。
【図2】同右側面図である。
【図3】図1におけるA−A線縦断面図である。
【図4】木炭パウダーを含んだ木炭シート素材の展開状態の縦断面図である。
【図5】同木炭シート素材にバインダー層を形成した状態の縦断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1…木炭パウダー入りオムツ
2…透水性トップシート
3…高分子吸収体
4…木炭シート素材
5…バックシート
6…二酸化チタン粉末を含んだバインダー層
7…脚通し孔
8…フリル
9…ゴム紐部
11…メイン素材
12…木炭パウダー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透水性トップシートの裏面側に高分子吸収体を配設し、さらにその裏面側に木炭パウダーを含んだ綿繊維からなる木炭シート素材を配設し、この木炭シート素材の裏面側にバックシートを配設したことを特徴とする木炭パウダー入りオムツ。
【請求項2】
透水性トップシートの裏面側に高分子吸収体を配設し、さらにその裏面側に二酸化チタン粉末を含んだバインダー層を介在させて木炭パウダーを含んだ綿繊維からなるシート素材を配設し、このシート素材の裏面側にバックシートを配設したことを特徴とする木炭パウダー入りオムツ。
【請求項3】
オムツがパンツ型であることを特徴とする特許請求の範囲1又は2記載の木炭パウダー入りオムツ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−143573(P2007−143573A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337979(P2005−337979)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(502257041)
【出願人】(502257052)
【Fターム(参考)】