説明

木造建物のサイディングプレカット工法及びそれに適したパレット

【課題】 プレカット工法を具体化し、建設現場でのサイディング材の裁断に伴う騒音及び粉塵の問題を解決し、サイディング材の裁断に伴う切り屑をリサイクルし易くする。
【解決手段】 建設現場において木造建物の構造躯体を設計図に従い精度よく施工する第1工程と、構造躯体の設計図に基づき該建物の外壁に張り付けるべきサイディング材の割り付けを行う第2工程と、前記第2工程で作成された割り付けに従い、サイディング材を工場にてプレカットする第3工程と、前記第3工程でプレカットされたサイディング材を張り付け位置に従ってパレットに搭載する第4工程と、プレカット済サイディング材を搭載した前記パレットを建物の建設現場まで運搬する第5工程と、建設現場にて、前記パレットから前記プレカット済サイディング材を張り付け順序に従って取り出して、前記建物の外壁面に張り付ける第6工程と、で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建物のサイディングプレカット工法及びそれに適したパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
木造建物の外壁サイディング工法の現状は、建設現場で実際に寸法採りして1枚づつカットし、張り付けるようにしている。そのため、建設現場でのサイディング材の裁断に伴う騒音及び粉塵の問題があった。この問題は、既存住宅地内に建設現場がある場合は、近隣住民に対する公害ともなりかねないので、近隣に迷惑のからないように十分に対策を講ずる必要があった。また、セメント成分を含有する耐火性のサイディング材の裁断に伴う切り屑は、現場裁断にあっては、リサイクルされることなく、産業廃棄物として廃棄されるのが実情であった。
【0003】
ところで、サイディング材を工場において予め所要の寸法にカットするプレカット工法も研究されているが、実用に耐え得るものはまだ開発されていない。その理由は、建物の設計図に従って外壁に張り付ける全てのサイディング材をプレカットしたとしても、現場で施工された木造建物の施工精度がよほど良くないと、ミリ単位で整合させることはできないからである。すなわち、外壁サイディング材の施工にあたっては遊びが余りなく、施工された木造建物の構造躯体とミリ単位で整合していないと、サイディング材間の隙間や不足が出来てしまい、良好な仕上がりが困難となる。従って、従来の木造建物のサイディングプレカット工法においては、設計図のサイズよりも数センチ程度余裕をもたせてプレカットし、建設現場で実際の構造躯体の施工状況に合わせて採寸し、この実採寸値に従ってプレカットされたサイディング材を再度カットしていた。これでは、二度手間になるため、コスト高を招き、また、建設現場でのサイディング材の裁断に伴う騒音及び粉塵の問題も解決することができなかった。
【0004】
また、従来のプレカット工法においては、窓周りのサイディング材の寸法合わせが極めて困難であった。これは、窓枠の正確な寸法及び取り付け位置が建物の構造躯体設計図の記載外の事項であり、工場段階においては、正確にその取り付け位置及び寸法を確定できなかったことによる。すなわち、従来は、構造躯体設計図の記載外の事項を考慮したプレカット手法が確立されておらず、それがプレカットの精度を上げることができない一因であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、建設現場でのサイディング材の裁断に伴う騒音及び粉塵の問題を解決し、また、サイディング材の裁断に伴う切り屑をリサイクルし易くした木造建物のサイディングプレカット工法を提供しようとするものである。更には、それに適したパレットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る木造建物のサイディングプレカット工法は、建設現場において木造建物の構造躯体を設計図に従い精度よく施工する第1工程と、前記建物の構造躯体の設計図に基づき該建物の外壁に張り付けるべきサイディング材の割り付けを行う第2工程と、前記第2工程で作成された割り付けに従い、サイディング材を工場にてプレカットする第3工程と、前記第3工程でプレカットされたサイディング材を張り付け位置に従ってパレットに搭載する第4工程と、プレカット済サイディング材を搭載した前記パレットを建物の建設現場まで運搬する第5工程と、建設現場にて、前記パレットから前記プレカット済サイディング材を張り付け順序に従って取り出して、前記建物の外壁面に張り付ける第6工程と、で構成されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、木造建物の構造躯体の施工精度を良好にすることで、プレカットされたサイディング材と実寸との誤差が実用上問題ない程度にすることができる。これにより、従来のような余裕をもたせたプレカットが不要となり、現場での採寸と再カットを不要にすることができる。また、工場でのプレカットにより、サイディング材の裁断に伴う切り屑が工場に予め集中することとなり、切り屑の回収手間がかからず、リサイクルし易いものとなる。従って、建設現場でのサイディング材の裁断に伴う騒音及び粉塵の問題を解決することができると共に、サイディング材の裁断に伴う切り屑のリサイクルがし易いものとなり、環境にやさしい建物施工が行えるものとなる。
【0008】
好ましい実施例において、前記構造躯体の設計図には表れない箇所についてのサイディング材の張り付け位置を標準化した位置に定め、前記第2工程では、前記構造躯体の設計図のみならず、該標準化した取り付け位置に対応するように前記サイディング材の割り付けを行うことを特徴とする。これにより、構造躯体の設計図には表れない箇所が恣意的に施工されて、サイディング材の割り付けが妥当性に欠けてしまうことを防止することができる。
【0009】
例えば、壁面に設けられる開口部に対する窓枠の取り付け位置を標準化した位置に定め、前記第2工程では、前記開口部の箇所では該標準化した取り付け位置に対応するように前記サイディング材の割り付けを行うことを特徴とする。これによれば、建物設計図の記載外の事項である窓枠の取り付け位置を標準化した位置に定めるようにしたため、窓周りのサイディング材の寸法合わせを、現場採寸することなく、プレカットで行うことができるものとなり、従来困難であった、窓周りのサイディングプレカットを実用ならしめることができる。
【0010】
好ましい実施例において、前記開口部における建物の柱部とそこに取り付けるべき前記窓枠との間に充填されるべき充填部材を、所定寸法で標準化して作成する工程を更に具備し、作成された充填部材を建設現場まで運搬し、建設現場におい該充填部材を使用して前記開口部に対して前記窓枠を標準化した位置に取り付けるようにし、これにより、プレカット済サイディング材を開口部の周囲に張り付けたときの張り付け誤差を減少させるようにしたことを特徴とする。これによれば、現場での窓枠の取り付け作業において、所定寸法の充填部材を強制的に使用させることで、窓枠の取り付け位置が標準化した位置になるように強制的に施工させることができ、プレカットしたサイディング材と実寸との誤差を最小限にすることができる。
【0011】
好ましい実施例において、前記第4工程では、プレカット済サイディング材を搭載するための複数段の棚からなる多段パレットを使用し、所定範囲の壁面を1単位として、該多段パレットの各段を該1単位のプレカット済サイディング材の張り付け位置に対応付け、プレカット済サイディング材をその張り付け位置に対応付けられた前記多段パレットの段に搭載するようにしたことを特徴とする。これによれば、そのような多段パレットを使用することにより、プレカット済サイディング材をその所定の張り付け順序に従って張り付けることが、極めて容易に行えるようになり、工数の削減と施工コストの削減を図ることができる。
【0012】
好ましい実施例において、前記第1工程では、工場で製造された所定寸法の壁パネルを柱の間に建て込むことで柱の垂直精度を該壁パネルの垂直精度に整合させるようにしたパネル工法により建物の躯体を施工することを特徴とする。そのようなパネル工法によれば、所定寸法の壁パネルを工場で正確に製造することができるので、建物躯体の垂直精度を高精度に施工することができ、本発明の実施に際して好適である。
【0013】
本発明に係るパレットは、建物の壁面に張り付けるべくプレカットされた複数のプレカット済サイディング材を搭載するための複数段の棚からなるパレットであって、所定範囲の壁面を1単位として、該パレットの各段を該1単位のプレカット済サイディング材の張り付け位置に対応付け、前記複数のプレカット済サイディング材をその張り付け順序位置に対応付けられた該パレットの段にそれぞれ搭載するようにしたことを特徴とする。これによれば、このような多段パレットをサイディングプレカット工法に使用することにより、プレカット済サイディング材をその所定の張り付け順序に従って張り付けることが、極めて容易に行えるようになり、工数の削減と施工コストの削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づき詳細に説明しよう。
図1は、本発明の一実施例に係るサイディングプレカット工法のおおまかな手順を示す流れ図である。第1工程S1では、建設現場において木造建物の構造躯体を設計図に従い精度よく施工する。この第1工程S1と後述する第2工程S2乃至第5工程S5は、同時並行的に進行してよい。この第1工程S1は、主に熟練作業者(大工)によって行われる。
【0015】
この第1工程S1では、工場で製造された所定寸法の壁パネル10を柱11の間に建て込むことで柱の垂直精度を該壁パネルの垂直精度に整合させるようにした、パネル工法により建物の躯体を施工するとよい。図2は、そのようなパネル工法に従う壁パネル取付け図を示す。そのようなパネル工法によれば、所定寸法の壁パネルを工場で正確に製造することができるので、建物躯体の垂直精度を高精度に施工することができ、本発明の実施に際して好適である。すなわち、壁パネル10は、工場にて、CADシステムを駆使して高精度の寸法で製造されるものであり、柱11の間に壁パネル10を釘止めすることで、柱の垂直性を壁パネル10の精度に整合させることができる。これにより、木造建物の構造躯体を設計図通りに精度よく施工することができる。しかし、このようなパネル工法に限らず、その他の木造建築工法、例えば軸組工法においても本発明を適用することができる。
【0016】
第2工程S2では、建物の構造躯体の設計図に基づき該建物の外壁に張り付けるべきサイディング材の割り付けを、コンピュータを用いたCAD処理によって行う。図3は、CAD処理によって作成された1つの外壁面の割り付け図を示す。例えば、裁断前のサイディング材の規格寸法が、横3030mm、縦455mmであるとすると、この規格寸法のサイディング材を効率的に使用し得るように、割り付けがCAD処理で決定される。割り付け図においては、全てのサイディング材割り付け位置に個別の識別番号が付されている。
【0017】
なお、建物の構造躯体の設計図には表れない、壁面における様々な箇所でのサイディング材の張り付け位置を予め標準化(規格化)して定めておくものとする。標準化(規格化)した位置を基準にしてサイディング材を張り付け施工するものとして、この第2工程S2におけるCAD割り付けを行い、かつ、後段のカット済サイディング材の張り付け施工に際して、標準化(規格化)した位置を基準にしてサイディング材の張り付けるように現場の施工者(大工)に周知徹底させる。これによって、設計図面に表れない部分が、現場の施工者(大工)の恣意的施工のために、サイディング材の張り付け位置誤差が生じることを防ぐ。
【0018】
標準化(規格化)すべき張り付け位置としては、壁面に対するサイディング材の張り付け開始位置がある。例えば、土台の上面等を基準にして何ミリ下(例えば8mm下)から張り付けを開始する、というように標準化した張り付け開始位置を定める。
【0019】
標準化(規格化)すべき張り付け位置の別の例は、壁面に設けられる開口部に対する窓枠の取り付け位置を標準化した位置に定めることである。一般に窓枠の取り付け位置は、中心位置を基準とする手法と、左側を基準とする手法と、右を基準とする手法、の三通りがあり、そのいずれを採用して窓枠を取り付けるかは、現場の施工者(大工)の裁量に任されていた。しかし、そのような裁量の余地があることが、従来のプレカット工法の誤差を招いており、また、現場採寸の必要性がなくならない理由の一つであった。そこで、本発明では、各窓枠の箇所毎に、当該窓枠の取り付け位置を所定の標準化した位置に定めるようにしている。例えば、或る箇所の窓枠は、左側を基準として、柱から何センチの位置に取り付ける、というようにそれぞれ標準化する。そして、そのような標準化に従って、割り付け図が作成されるようにする。
【0020】
なお、これに関連して、開口部における建物の柱部とそこに取り付けるべき窓枠との間に充填されるべき充填部材(パッキン)を、所定寸法で標準化して作成する工程を更に具備するとよい。この場合、各窓枠に対応付けてそれぞれ作成された充填部材(パッキン)を建設現場まで運搬し、建設現場におい該充填部材(パッキン)を使用して該当する開口部に対して該当する窓枠を標準化した位置に取り付けるようにする。これによれば、現場での窓枠の取り付け作業において、所定寸法の充填部材を強制的に使用させることで、窓枠の取り付け位置が標準化した位置になるように強制的に施工させることができる。従って、前記標準化した位置に対応する割り付け図に従って後述するようにプレカットしたサイディング材と実寸との誤差を最小限にすることができる。
【0021】
第3工程S3では、第2工程S2で作成された割り付けに従い、サイディング材を工場にてプレカットする。この場合、所定規格のサイディング材から割り付けに従う各種寸法のものを、最も効率的な木取りで切り出すことができるように裁断がなされる。そのために、上記第2工程S2では、割り付け図のみならず、1枚の所定規格のサイディング材からどの部分のサイディング材をどのような寸法で切り出すかを示す木取り図がCAD処理にて作成され、この木取り図に従って第3工程S3でのプレカットが行われる。図4は、そのような木取り図の一例を示す。図4では、1枚の所定規格のサイディング材12から、識別番号t05−001と、識別番号t02−001の割り付け位置に対応する2枚のサイディング材を切り出すことを示している。斜線部分は、切り屑である。なお、裁断した各プレカット済サイディング材には、それぞれの割り付け位置を示す固有の識別番号がそれぞれ付される。
【0022】
第4工程S4では、第3工程S3でプレカットされたサイディング材を張り付け位置に従ってパレットに搭載する。この場合、従来公知のパレットは、単なる乗せ台であり、そのような公知のパレットを使用する場合は、サイディング材を張り付け順序に従って上から順に並ぶように搭載する。しかし、第3工程S3での裁断は、各種寸法のものを最も効率的な木取りで切り出すことができるようになされるので、必ずしも張り付け順序に従ってプレカット済サイディング材が切り出されるわけではない。従って、従来公知のパレットを使用した場合は、パレットに対する積み込み(積み替え)作業に、非常に手間取ることになる。
【0023】
そこで、本発明では、図5に示すような新規の多段パレット13を提案する。この多段パレット13は、複数段の棚13a〜13nからなり、横幅は、最大寸法のサイディング材の横寸法(例えば約3m)に対応し、奥行きは、最大寸法のサイディング材のたて寸法(例えば約45.5cm)に対応する。また、棚13a〜13nの段数は、例えば木造3階建て住宅の高さ(約8m)をサイディング材のたて寸法で割った数(例えば18段)に対応する。これによって、所定範囲(例えば横約3m、高さ約8m)の壁面を1単位として、該パレット13の各段の棚13a〜13nを該1単位における複数のプレカット済サイディング材の個々の張り付け位置に対応付けることができ、当該複数のプレカット済サイディング材をその張り付け順序位置に対応付けられた該パレットの段の棚13a〜13nにそれぞれ搭載することができる。第3工程S3での裁断が、各種寸法のものを最も効率的な木取りで切り出すことができるようになされることで、張り付け順序に従ってプレカット済サイディング材が切り出されなかったとしても、その割り付け位置に対応するいずれかの棚13a〜13nにおけばよいため、積み込み(積み替え)作業に手間取ることがない。なお、パレット13の底面には、キャスター14を取り付けるのが好ましい。これによって、運搬及び現場での作業が非常に楽になる。キャスター14に限らず、何らかの走行車輪であればよい。また、その走行車輪が簡易な動力源を有していてもよい。尚、パレット13の各棚13a〜13nには、それぞれの割り付け位置を示す固有の識別番号を付しておき、同じ識別番号が付されたプレカット済サイディング材を、どの棚に搭載すべきかが容易に分かるようにするとよい。
【0024】
第5工程S5では、上記のようにプレカット済サイディング材を搭載したパレット13を建物の建設現場まで運搬する。建物の全ての外壁に必要なだけのプレカット済サイディング材を搭載した複数のパレット13が、トラック等で現場まで運搬される。そして、現場では、各パレット13を、それぞれが割り当てられた所定の壁面場所まで、搬送する。
【0025】
第6工程S6では、建設現場にて、パレット13からプレカット済サイディング材を張り付け順序に従って取り出して、建物の外壁面に張り付ける。建物躯体が精度良く施工され、また、窓枠が所定の標準位置を基準にして取り付けられるようにしているので、プレカット済サイディング材を張り付けたとき、大きな誤差が出ないようにすることができる。
【0026】
以上のように、プレカットされたサイディング材と実寸との誤差が実用上問題ない程度にすることができ、これにより、従来のような余裕をもたせたプレカットが不要となり、現場での採寸と再カットを不要にすることができる。また、工場でのプレカットにより、サイディング材の裁断に伴う切り屑が工場に予め集中することとなり、切り屑の回収手間がかからず、リサイクルさせ易いものとなる。従って、建設現場でのサイディング材の裁断に伴う騒音及び粉塵の問題を解決することができると共に、サイディング材の裁断に伴う切り屑のリサイクルがし易いものとなり、環境にやさしい建物施工が行えるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例に係るサイディングプレカット工法のおおまかな手順を示す流れ図。
【図2】パネル工法に従う壁パネル取付け図の一例を示す。
【図3】CAD処理によって作成された1つの外壁面の割り付け図の一例を示す。
【図4】1枚の所定規格のサイディング材から割り付けに従うサイディング材を切り出すための木取り図の一例を示す。
【図5】本発明で提案する多段パレットの一例を示す概略斜視図。
【符号の説明】
【0028】
10 壁パネル
11 柱
12 サイディング材
13 多段パレット
13a〜13n 棚
14 キャスター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設現場において木造建物の構造躯体を設計図に従い精度よく施工する第1工程と、
前記建物の構造躯体の設計図に基づき該建物の外壁に張り付けるべきサイディング材の割り付けを行う第2工程と、
前記第2工程で作成された割り付けに従い、サイディング材を工場にてプレカットする第3工程と、
前記第3工程でプレカットされたサイディング材を張り付け位置に従ってパレットに搭載する第4工程と、
プレカット済サイディング材を搭載した前記パレットを建物の建設現場まで運搬する第5工程と、
建設現場にて、前記パレットから前記プレカット済サイディング材を張り付け順序に従って取り出して、前記建物の外壁面に張り付ける第6工程と、
で構成されることを特徴とする木造建物のサイディングプレカット工法。
【請求項2】
前記構造躯体の設計図には表れない箇所についてのサイディング材の張り付け位置を標準化した位置に定め、前記第2工程では、前記構造躯体の設計図のみならず、該標準化した取り付け位置に対応するように前記サイディング材の割り付けを行うことを特徴とする請求項1に記載のサイディングプレカット工法。
【請求項3】
壁面に設けられる開口部に対する窓枠の取り付け位置を標準化した位置に定め、前記第2工程では、前記開口部の箇所では該標準化した取り付け位置に対応するように前記サイディング材の割り付けを行うことを特徴とする請求項2に記載のサイディングプレカット工法。
【請求項4】
前記開口部における建物の柱部とそこに取り付けるべき前記窓枠との間に充填されるべき充填部材を、所定寸法で標準化して作成する工程を更に具備し、
作成された充填部材を建設現場まで運搬し、建設現場におい該充填部材を使用して前記開口部に対して前記窓枠を標準化した位置に取り付けるようにし、これにより、プレカット済サイディング材を開口部の周囲に張り付けたときの張り付け誤差を減少させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のサイディングプレカット工法。
【請求項5】
壁面に対するサイディング材の張り付け開始位置を標準化した位置に定め、前記第2工程では、該標準化した張り付け開始位置から張り付けが開始されるものとして前記サイディング材の割り付けを行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のサイディングプレカット工法。
【請求項6】
前記第4工程では、プレカット済サイディング材を搭載するための複数段の棚からなる多段パレットを使用し、所定範囲の壁面を1単位として、該多段パレットの各段を該1単位のプレカット済サイディング材の張り付け位置に対応付け、プレカット済サイディング材をその張り付け位置に対応付けられた前記多段パレットの段に搭載するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のサイディングプレカット工法。
【請求項7】
前記多段パレットの底面には、走行車輪が取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載のサイディングプレカット工法。
【請求項8】
前記第1工程では、工場で製造された所定寸法の壁パネルを柱の間に建て込むことで柱の垂直精度を該壁パネルの垂直精度に整合させるようにしたパネル工法により建物の躯体を施工することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のサイディングプレカット工法。
【請求項9】
建物の壁面に張り付けるべくプレカットされた複数のプレカット済サイディング材を搭載するための複数段の棚からなるパレットであって、
所定範囲の壁面を1単位として、該パレットの各段を該1単位のプレカット済サイディング材の張り付け位置に対応付け、前記複数のプレカット済サイディング材をその張り付け順序位置に対応付けられた該パレットの段にそれぞれ搭載するようにしたことを特徴とするパレット。
【請求項10】
前記パレットの底面には、走行車輪が取り付けられていることを特徴とする請求項9に記載のパレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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