説明

未視聴部分をもとにした情報再生表示装置とその方法

【課題】コンテンツの同時刻におけるコンテンツの再生対象が複数存在する場合の未再生部分の再生方法が提供されていない。
【解決手段】コンテンツまたは当該コンテンツのメタ情報のうち少なくとも一方をコンテンツ取得部が取得し、当該コンテンツを再生部が再生する。コンテンツ範囲取得部はコンテンツの範囲またはオブジェクトの範囲のうち少なくとも一方を取得し、再生履歴作成部はコンテンツまたはオブジェクトの再生履歴のうち少なくとも一方を作成する。未再生部分処理部はコンテンツまたはオブジェクトの未再生部分範囲のうち少なくとも一方を取得し、未再生部分再生処理部はコンテンツの再生表示を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生編集表示システムに係り、映像や音声等のコンテンツデータ(以下コンテンツと略)を送信し、ユーザの端末装置においてコンテンツを受信し、コンテンツの再生及び表示を行うシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンテンツ提供者から提供される映像や音声等のコンテンツがデジタル化され、様々な場面において利用されている。
【0003】
コンテンツの未再生部分の再生に関連する技術としては、特許文献1のように、予め複数に分割されたコンテンツの各部分の再生の有無を記録した再生履歴情報を利用し、コンテンツの未再生部分をユーザに対して提示する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2000−251455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記未再生部分の再生方法の場合、コンテンツの再生履歴は、コンテンツ本体を再生したかどうかを記録する方法であるが、同時刻におけるコンテンツの再生対象が複数存在する場合の未再生部分の再生方法が提供されていないことが問題である。
【0005】
本発明は従来の課題を解決するもので、コンテンツの再生に関して、同時刻におけるコンテンツの再生対象が複数存在する場合の再生状況を再生装置において管理し、ユーザがコンテンツの再生対象における未再生部分をもとにしたコンテンツの再生や表示を可能とする、情報再生表示装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の再生装置は、コンテンツまたは前記コンテンツのメタ情報のうち少なくとも一方を取得するコンテンツ取得部と、前記コンテンツを再生する再生部を有する再生装置であって、前記オブジェクトの視聴有無を判定するオブジェクト判定部と前記オブジェクトの再生履歴を作成するオブジェクト再生履歴作成部と、前記オブジェクトの未再生部分範囲を取得する未再生部分処理部と、前記オブジェクトの再生表示を作成する未再生部分再生処理部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明はまた、コンテンツまたは当該コンテンツのメタ情報のうち少なくとも一方を取得するステップと、前記コンテンツを再生するステップと、前記コンテンツの範囲または前記オブジェクトの範囲のうち少なくとも一方を取得するステップと、前記コンテンツの再生履歴を作成するステップと、前記オブジェクトの視聴有無を判定するステップと、前記オブジェクトの再生履歴を作成するステップと、前記コンテンツまたは前記オブジェクトの未再生部分範囲のうち少なくとも一方を取得するステップと、前記コンテンツまたは前記オブジェクトの再生表示を作成するステップと、を有することを特徴とする再生方法を提供する。
【0008】
本発明の一実施の形態において、前記再生装置は、前記コンテンツの範囲を取得するコンテンツ範囲取得部をさらに有する。
【0009】
本発明の一実施の形態において、前記再生装置は、前記コンテンツの再生履歴を作成する再生履歴作成部を有する。
【0010】
本発明の一実施の形態において、前記未再生部分処理部は、オブジェクトまたはコンテンツのうち少なくとも一方の未再生部分範囲を取得する。
【0011】
本発明の一実施の形態において、前記未再生部分再生処理部は、オブジェクトまたはコンテンツのうち少なくとも一方の未再生表示を作成する。
【0012】
本発明の一実施の形態において、前記コンテンツは3次元空間を含む。
【0013】
本発明の一実施の形態において、前記コンテンツは多画面である。
【0014】
本発明の一実施の形態において、前記オブジェクトの再生履歴は、前記オブジェクトの再生範囲を記録する。
【0015】
本発明の一実施の形態において、前記オブジェクトの視聴有無は、前記オブジェクトの一部を再生部が再生したことを視聴したとみなす。
【0016】
本発明の一実施の形態において、前記オブジェクトの再生表示は、前記オブジェクトの未再生範囲をもとに作成する。
【0017】
本発明の一実施の形態において、前記オブジェクトの再生表示は、コンテンツステータスバーを表示する。
【0018】
本発明の一実施の形態において、前記オブジェクトの再生表示は、チャプター表示する。
【0019】
本発明の一実施の形態において、前記オブジェクトの再生表示は、オブジェクトの再生方法を表示する。
【0020】
本発明の一実施の形態において、前記オブジェクトの再生方法は、オブジェクトの未再生部分をもとに再生する方法である。
【0021】
本発明の一実施の形態において、前記未再生部分をもとに再生する方法は、未再生部分を選択して再生する方法である。
【0022】
本発明はまた、上述のコンテンツ再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、およびこれを記録した記録媒体、およびこれを備えた集積回路もまた包含する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の未視聴部分をもとにした情報再生表示装置とその方法によれば、ユーザが視聴忘れを起こした、視聴を中断した等に起因するコンテンツ内の未視聴部分を効率的に視聴することができる。特に、3次元空間を扱うコンテンツでは、ユーザが見逃したコンテンツの再生対象に対するコンテンツの視聴を促すことができる。
【0024】
また、コンテンツにおける重要部分を設定することによって、コンテンツやコンテンツを構成するオブジェクトの未視聴部分に存在する重要部分を見逃すことを避けることができる。
【0025】
本発明は、以下の実施の形態および添付の図面を用いて説明されるが、これは例示を目的としており、本発明はこれらに限定されることを意図しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
(実施の形態1)
(本明細書で用いる用語の定義)
本明細書中に記述される用語について、以下において定義を行う。但し、各用語は実施の形態の理解を容易にするためにまとめたもので、用語の説明内容に限定されるものではない。
【0028】
「コンテンツ範囲」とは、コンテンツの開始地点とコンテンツの終了地点を意味する。
【0029】
「視聴」とは、コンテンツを再生することによって、ユーザがコンテンツの情報を見聞きすることを意味する。
【0030】
「視聴履歴対象操作」とは、視聴履歴に記録するコンテンツの視聴形態を意味する。例えば通常再生や巻き戻し、早送り等である。本明細書では特に断りが無い限り通常再生を視聴履歴対象操作として扱うこととする。
【0031】
「視聴履歴」とは、ユーザがコンテンツを視聴した場合に、コンテンツの視聴履歴対象操作の状況を記録した情報を意味する。例えば、コンテンツの視聴を始めた地点やコンテンツの視聴を終了した地点、視聴部分を視聴した時間、または上記の情報から算出できる情報等を記録する。
【0032】
「視聴部分」とは、ユーザが視聴履歴対象操作によって、視聴を行ったコンテンツの区間を意味する。
【0033】
「重複視聴部分」とは、視聴履歴に記述される複数の視聴部分のうち、コンテンツの同じ区間を2回以上視聴したコンテンツの区間を意味する。
【0034】
「未視聴部分」とは、ユーザが視聴履歴対象操作によって、未だ視聴を行っていないコンテンツの区間を意味する。
【0035】
「未視聴部分時間」とは、コンテンツの全ての未視聴部分を視聴するために必要な時間を意味する。
【0036】
「ネットワーク」とは、再生装置と外部の装置の間に有線または無線で構成された情報網を意味する。例えば、インターネットや放送波、携帯やPHSの電波等が含まれる。
【0037】
「記録メディア」とは、情報を読み取るまたは書き込むための記録媒体を意味する。例えばフロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM、SDカード等が含まれる。
【0038】
「通常再生」とは、再生装置がコンテンツの視聴情報を、ユーザの実時間の経過に対応させて視聴部へ送る処理を意味する。例えば、ユーザが再生装置の再生のボタンを押すと、再生装置は通常再生と認識し、実時間で1秒経過すればコンテンツの視聴情報を1秒経過したコンテンツの内容を視聴部に提示することである。
【0039】
「特殊再生」とは、再生装置がコンテンツの視聴情報を、ユーザの実時間の経過に対応させず視聴部へ送る処理を意味する。例えば、実時間の経過と逆の時間の流れでコンテンツを制御することを「巻き戻し」と呼び、実時間の経過より早くコンテンツを制御することを「早送り」という。一例として、巻き戻しは通常再生の4倍の早さであるとすると、ユーザが再生装置の巻き戻しのボタンを押すと、再生装置は巻き戻しと認識し、実時間で1秒経過すればコンテンツの視聴情報を4秒前のコンテンツの内容を視聴部で表示するようにすることである。但し、停止は特殊再生に含まれないものとする。
【0040】
「再生」とは、通常再生と特殊再生によって、コンテンツの視聴の有無を問わずコンテンツを利用することを意味する。
【0041】
「停止」とは、ユーザがコンテンツの通常再生や特殊再生を行わない処理を意味する。例えば、再生装置の主電源が入っていない状態、再生装置の主電源は入っているがストリームプレイヤを全く起動させていない状態や、再生装置の主電源は入っておりストリームプレイヤは起動させているがコンテンツの視聴を行っていない状態等のコンテンツの再生を行っていない状態である。
【0042】
(コンテンツについて)
複数の再生対象を持つコンテンツとして、3次元空間を扱うコンテンツを挙げる。図1に示すコンテンツは、コンテンツの再生対象として人110、犬120、家130を含む3次元空間100を表す。また、前記コンテンツ中に含まれる個々の再生対象をそれぞれ、「オブジェクト」と呼ぶ。例えば、視聴可能なコンテンツの中に、人、家および犬の映像が登場する場合に、それぞれを「オブジェクト」と呼ぶ。
【0043】
そして、コンテンツは視聴可能な空間の設定内において、各オブジェクトの立体的な位置情報を含む。
【0044】
上記コンテンツを視聴する場合、ユーザは、視聴する視点位置や範囲等を設定し視聴を行う。例えば図2(1)の視点から3次元空間200のコンテンツを視聴した場合、犬220が視聴するオブジェクトとなる。同様に、図2(2)の視点から3次元空間200のコンテンツを視聴した場合、人210と家230が視聴するオブジェクトとなる。図2(3)の視点から3次元空間200のコンテンツを視聴した場合、視聴するオブジェクトは存在しない。
【0045】
つまり、同時刻にコンテンツを視聴した場合において、コンテンツを視聴する視点の位置によって、視聴するオブジェクトが変化することを示す。
【0046】
(概略構成について)
3次元空間のコンテンツを扱う為に、図3は本発明の実施の形態における再生装置320の概略構成を示している。
【0047】
コンテンツサーバ300は、コンテンツ301とオブジェクトメタ情報302を含み、ネットワーク310との接続を有する。
【0048】
視聴部380と作業指示部381は、入出力部370との接続を有する。
【0049】
再生装置320は、データ受信部330と蓄積部340と再生部350と未視聴部分処理部360と入出力部370と未視聴部分再生処理部390を持つ。
【0050】
データ受信部330は、ネットワーク310と蓄積部340との接続を有する。
【0051】
蓄積部340は、データ受信部330で取得したコンテンツ301とオブジェクトメタ情報302、視聴履歴作成部352が作成した視聴履歴341とオブジェクト視聴履歴作成部354が作成したオブジェクト視聴履歴342を格納する。
【0052】
再生部350は、コンテンツ範囲取得部351と視聴履歴作成部352とオブジェクト判定部353とオブジェクト視聴履歴作成部354との接続を有し、蓄積部340と未視聴部分処理部360と入出力部370と未視聴部分再生処理部390との接続を有する。
【0053】
作成した視聴履歴341やオブジェクト視聴履歴342を蓄積部340へ格納する指示があった場合は、視聴履歴341やオブジェクト視聴履歴342を蓄積部340へ格納する。未視聴部分処理部360は、蓄積部340と再生部350と未視聴部分再生処理部390との接続を有する。
【0054】
未視聴部分再生処理部390は、再生部350と入出力部370と未視聴部分処理部360との接続を有する。
【0055】
(動作の概要)
上記の構造を持つ再生装置320の動作の概要を、図3を用いて説明する。
【0056】
まず、ユーザは利用したいコンテンツをネットワーク310に接続されている複数のコンテンツサーバから探す。
【0057】
そして、ユーザが利用したいコンテンツを発見した場合、再生装置320内のデータ受信部330を用いて、コンテンツサーバ300より対象のコンテンツ301とオブジェクトメタ情報302を取得する。
【0058】
データ受信部330に取得されたコンテンツ301とオブジェクトメタ情報302は、蓄積部340に格納される。
【0059】
ユーザは、再生装置320内に蓄積されたコンテンツ301を視聴する場合、作業指示部381を利用して、再生装置320に対象コンテンツ301の視聴指示を送る。
【0060】
ユーザから送られた対象コンテンツ301の視聴指示は、再生装置320内の入出力部370において中継され、再生部350に送られる。
【0061】
ユーザからの視聴指示を受けた再生部350は、蓄積部340から対象コンテンツ301と対象オブジェクトメタ情報302を取り出し視聴情報を入出力部370に送る。前記処理に併せて、視聴履歴作成部352は、コンテンツの再生履歴情報である視聴履歴を、オブジェクト視聴履歴作成部354は、前記視聴情報を基にオブジェクト判定部353で判断した対象オブジェクトの情報を取得し、オブジェクトの再生履歴情報であるオブジェクト視聴履歴を作成する。
【0062】
再生部350から視聴情報を受けた入出力部370は、再生部350から受け取った視聴情報を視聴部380に送る。
【0063】
入出力部370から視聴情報を受け取った視聴部380は、ユーザに対して視聴情報を提示することにより、ユーザはコンテンツ301の視聴を行うことができる。
【0064】
また、再生装置320内に蓄積されたコンテンツ301の未視聴の部分を判定する場合、ユーザは作業指示部381を用いて再生装置320に指示を送る。
【0065】
上記の判定の指示を受けた入出力部370は、未視聴部分処理部360に指示を送る。
【0066】
入出力部370から指示を受けた未視聴部分処理部360は、再生部350と蓄積部340に対して未視聴部分処理部360に情報を送る様に指示を送る。
【0067】
未視聴部分処理部360に送られる情報は、再生部350のコンテンツ範囲取得部351から対象コンテンツ301のコンテンツ範囲と、再生部350の視聴履歴作成部352から蓄積部340に格納する前の視聴履歴と、再生部350のオブジェクト視聴履歴作成部354から蓄積部340に格納する前のオブジェクト視聴履歴、蓄積部340に格納されている現在までの視聴履歴341とオブジェクト視聴履歴342とオブジェクトメタ情報302である。
【0068】
上記の全ての情報を受け取った未視聴部分処理部360は、コンテンツ301の未視聴部分とコンテンツ301内の各オブジェクトの未視聴部分を求める処理を行う。
【0069】
コンテンツ301内の未視聴部分とコンテンツ301内の各オブジェクトの未視聴部分を求めた後、未視聴部分処理部360は未視聴部分再生処理部390に処理結果を送る。
【0070】
未視聴部分処理部360から処理結果を受けた未視聴部分再生処理部390は、未視聴部分処理部360からの処理結果を元に入出力部を通して視聴部380に処理結果の表示を行う。
【0071】
ユーザは、視聴部380に表示された内容を確認し、作業指示部381を用いて表示結果に対する指示を入力し、入出力部370を通して、指示内容を未視聴部分再生処理部390に伝える。
【0072】
ユーザからの指示内容を受けた未視聴部分再生処理部390は、指示内容を処理し、再生部350に再生指示を送る。
【0073】
再生指示を受けた再生部350は、入出力部370を通して視聴部380に対して、コンテンツ301の視聴表示を行う。
【0074】
(オブジェクトメタ情報について)
オブジェクトメタ情報とは、コンテンツに含まれているオブジェクトに関する情報を記述したファイルを意味する。特に本実施の形態において、オブジェクトメタ情報は、コンテンツに存在する各オブジェクトにおいて、各オブジェクトが視聴可能なコンテンツの範囲が記述される。
【0075】
前記オブジェクトメタ情報は、コンテンツID、オブジェクト名、オブジェクト開始ポイント、オブジェクト終了ポイントを含む。以降、コンテンツID、オブジェクト名、オブジェクト開始ポイント、オブジェクト終了ポイントの組をオブジェクトセット情報とする。
【0076】
前記オブジェクトメタ情報のコンテンツIDは、オブジェクトが含まれる上記コンテンツに割り当てられる固有の値とする。
【0077】
前記オブジェクトメタ情報のオブジェクト名は、上記コンテンツのオブジェクトに固有の名称とする。
【0078】
前記オブジェクトメタ情報のオブジェクト開始ポイントは、上記コンテンツのオブジェクトがコンテンツ内での存在を開始したコンテンツの位置を表す値とする。
【0079】
前記オブジェクトメタ情報のオブジェクト終了ポイントは、上記コンテンツのオブジェクトがコンテンツ内での存在を終了したコンテンツの位置を表す値とする。
【0080】
具体的なオブジェクトメタ情報の記述方法を、図4を用いて説明する。
【0081】
まず、コンテンツ400は、コンテンツIDがContID002であり、コンテンツ範囲は、コンテンツの先頭箇所のPTSの値がa、コンテンツの末尾箇所のPTSの値がgである。以降、本明細書中において、コンテンツの先頭箇所をコンテンツ開始ポイント、コンテンツの末尾箇所をコンテンツ終了ポイントとする。また、本明細書中において、コンテンツの位置を表す値として、MPEG2のPTSの値を用いる。
【0082】
また、コンテンツ400におけるオブジェクトは、犬と人と家がある。前記各オブジェクトがコンテンツ内に存在する範囲は、まず犬に関してはPTSの値がaからb、eからg、次に人に関してはPTSの値がbからc、dからe、fからg、最後に家に関してはPTSの値がcからgである。
【0083】
よって、図4におけるオブジェクトメタ情報410内の記述は、コンテンツIDはContID002、オブジェクト名は犬、人、家、オブジェクト開始ポイント及びオブジェクト終了ポイントは上記個々のオブジェクトに対応するPTSの値とする。
【0084】
(視聴履歴とオブジェクト視聴履歴について)
コンテンツの通常再生が行われた際に、視聴履歴作成部は視聴履歴を、オブジェクト視聴履歴作成部はオブジェクト視聴履歴を作成する。
【0085】
視聴履歴は、視聴したコンテンツの履歴情報を持つ。
【0086】
前記視聴履歴は、どの対象コンテンツをどれだけ視聴したかを示す情報であり、例えば、コンテンツIDと視聴履歴情報で構成され、視聴履歴情報は、対象コンテンツをどこからどこまで視聴したかを示す情報であり、例えば、視聴開始ポイントと視聴時間で構成される。
【0087】
前記視聴履歴のコンテンツIDは、視聴したコンテンツに割り当てられる固有の値とする。
【0088】
前記視聴履歴の視聴開始ポイントは、コンテンツの再生を開始したコンテンツの位置を表す値とする。
【0089】
前記視聴履歴の視聴時間は、視聴開始ポイントから再生が終了するまでの間の値とする。
【0090】
また、前記オブジェクト視聴履歴は、オブジェクトメタ情報に記述される各オブジェクトに対して、視聴したオブジェクトの履歴情報を持つ。
【0091】
前記オブジェクト視聴履歴は、コンテンツID、オブジェクト名、視聴開始ポイント、視聴時間で構成する。
【0092】
前記オブジェクト視聴履歴のコンテンツIDは、オブジェクトが含まれる上記コンテンツに割り当てられる固有の値とする。
【0093】
前記オブジェクト視聴履歴のオブジェクト名は、上記コンテンツのオブジェクトに固有の名称とする。
【0094】
前記オブジェクト視聴履歴の視聴開始ポイントは、上記コンテンツのオブジェクトの再生を開始したコンテンツの位置を表す値とする。
【0095】
前記オブジェクト視聴履歴の視聴時間は、上記視聴開始ポイントから再生が終了するまでの間の時間の値とする。
【0096】
ところで、コンテンツを視聴している際に、視聴部に表示されるオブジェクトは、オブジェクト判定部353で判定を行う。
【0097】
具体的には、上記コンテンツの説明時において既に図2を用いて説明済みである部分がオブジェクト判定部353の処理にあたる。本実施の形態において、オブジェクト判定部353におけるコンテンツ内のオブジェクトを視聴しているかどうかの判定は、視聴部にオブジェクトの一部が表示されれば視聴したと判断する。
【0098】
上記の視聴履歴とオブジェクト視聴履歴の具体的な記述方法として、図5を用いて、図4に記載のオブジェクトメタ情報410を基にしたコンテンツ400の視聴履歴とオブジェクト視聴履歴の記述方法を示す。
【0099】
ユーザは、コンテンツ400の視聴を行い、再生部は視聴部分500にあたるPTSの値がaからbc、cdからgの範囲を再生する。
【0100】
上記再生時において、コンテンツ400が再生されていることより、視聴履歴作成部352は視聴履歴を作成する。
【0101】
図5における視聴履歴は、まずPTSの値がaからbcの範囲を再生した区間に関して、コンテンツIDがContID002、視聴開始ポイントがaとなる。
【0102】
そして、図5における視聴履歴における視聴時間は、PTSの値をもとにした視聴の場合、下記算出方法により求めることができる。
【0103】
(視聴時間)=((再生終了時のPTSの値)−(再生開始時のPTSの値))/D
よって、図5における視聴履歴の視聴時間は、(bc−a)/Dとなる。
【0104】
ここで、以下、本明細書中と図面において、定数Dを90000とする。例えば、MPEG2における映像や音声等の出力は、9万分の1秒毎に行われる。そこで出力する映像や音声等のタイムスタンプであるPTSを利用すると、PTSの大きい値から小さい値の差分を取り9万分の1した値、または2つのPTSの差分の絶対値を9万分の1した値は、2点間の実時間の差にあたる。定数Dは、D=90000に限定されるものではなく、データ出力のタイミングに基づき、設定される。
【0105】
同様にPTSの値がcdからgの範囲の再生を行うと、図6に示す視聴履歴600となる。
【0106】
上記コンテンツの視聴部分の範囲中には、ユーザが視点を操作することで視聴したオブジェクト510の範囲も含まれる。
【0107】
しかし、オブジェクトメタ情報に記述されるオブジェクトが視聴部分において必ず視聴されるとは限らない。
【0108】
図5に関して、コンテンツ400のPTS(Presentation Time Stamp)の値がaからbの範囲において、オブジェクトメタ情報には犬が記述されている。しかし、図5(1)に示すPTSの値がaからabのコンテンツの範囲では、オブジェクト判定部によってオブジェクトの犬が視聴されていることが判断されるが、図5(2)に示すPTSの値がabからbのコンテンツの範囲では、オブジェクトの犬は視聴されていない。
【0109】
上記の場合、再生部のオブジェクト視聴履歴作成部は、PTSの値がaからabのコンテンツの範囲を、オブジェクトの犬に関するオブジェクト視聴履歴に記述する。
【0110】
オブジェクト視聴履歴は、コンテンツID、オブジェクト名、視聴開始ポイントと視聴時間で構成され、オブジェクト毎に作成する。
【0111】
図5の視聴したオブジェクト510より、オブジェクトの犬に関するオブジェクト視聴履歴610は、PTSの値がaからabの範囲に関して、コンテンツIDがContID002、オブジェクト名が犬、視聴開始ポイントのPTSの値がa、視聴時間が(ab−a)/Dとなる。そして、PTSの値がfからgの範囲に関して、コンテンツIDがContID002、オブジェクト名が犬、視聴開始ポイントのPTSの値がf、視聴時間が(g−f)/Dとなる。
【0112】
また、オブジェクトの人に関するオブジェクト視聴履歴620は、PTSの値がbからbcの範囲に関して、コンテンツIDがContID002、オブジェクト名が人、視聴開始ポイントのPTSの値がb、視聴時間が(bc−b)/Dとなる。そして、PTSの値がdからeの範囲に関して、コンテンツIDがContID002、オブジェクト名が人、視聴開始ポイントのPTSの値がd、視聴時間が(e−d)/Dとなる。同様に、PTSの値がfからgの範囲に関して、コンテンツIDがContID002、オブジェクト名が人、視聴開始ポイントのPTSの値がf、視聴時間が(g−f)/Dとなる。
【0113】
さらに、オブジェクトの家に関するオブジェクト視聴履歴630は、PTSの値がcdからefの範囲に関して、コンテンツIDがContID002、オブジェクト名が家、視聴開始ポイントのPTSの値がcd、視聴時間が(cd−ef)/Dとなる。そしてPTSの値がfgからgの範囲に関して、コンテンツIDがContID002、オブジェクト名が家、視聴開始ポイントのPTSの値がfg、視聴時間が(g−fg)/Dとなる。
【0114】
上記の視聴履歴と、犬と人と家のオブジェクト視聴履歴をまとめた図が、図6となる。
【0115】
視聴履歴作成部から蓄積部へ視聴履歴を、オブジェクト視聴履歴作成部から蓄積部へオブジェクト視聴履歴を移動するタイミングは、対象とするコンテンツの視聴が終了した場合であっても良いし、前記視聴履歴や前記オブジェクト視聴履歴を作成した後であっても良い。
【0116】
(未視聴部分処理部について)
未視聴部分処理部は、視聴履歴作成部または蓄積部より得られる視聴履歴とコンテンツ範囲取得部より得られるコンテンツ範囲を用いて、コンテンツにおける未視聴部分を算出する処理を行う。
【0117】
コンテンツの未視聴部分の算出方法の概要は、コンテンツ範囲によって得られるコンテンツの範囲中から、視聴履歴によって得られる視聴部分を除いたコンテンツ部分を求める。前記コンテンツ部分がコンテンツの未視聴部分となる。
【0118】
具体的なコンテンツの未視聴部分の算出方法について、図7を用いて説明する。
【0119】
まず、未視聴部分処理部は、コンテンツの再生履歴情報を取得する。
【0120】
コンテンツ700の再生履歴情報710は、コンテンツ範囲720と視聴履歴730で構成される。
【0121】
コンテンツ範囲720は、コンテンツ開始ポイントのPTSの値がα、コンテンツ開始ポイントのPTSの値がιと記述される。
【0122】
視聴履歴730は、コンテンツIDが全ての視聴部分に共通でContID001、視聴開始ポイントがαで視聴時間が(β−α)/D、視聴開始ポイントがγで視聴時間が(δ−γ)/D、視聴開始ポイントがδで視聴時間が(з−δ)/D、視聴開始ポイントがεで視聴時間が(ι−ε)/D、視聴開始ポイントがзで視聴時間が(ι−ε)/Dの5つの視聴部分が記述される。
【0123】
上記のコンテンツ範囲と視聴履歴730を比較し、コンテンツ範囲に含まれる部分だが視聴部分でない部分を算出する。
【0124】
図7の場合、コンテンツのβからγの部分が未視聴部分となる。
【0125】
前記未視聴部分は、未視聴部分算出結果740となる。
【0126】
また、未視聴部分処理部は、オブジェクト視聴履歴作成部または蓄積部より得られるオブジェクト視聴履歴と蓄積部より得られるオブジェクトメタ情報を用いて、コンテンツ内の各オブジェクトにおける未視聴部分を算出する処理も行う。
【0127】
コンテンツ内の各オブジェクトに対する未視聴部分を算出する処理方法は、オブジェクトメタ情報に記述される各オブジェクトが存在する範囲において、当該オブジェクトの視聴履歴を用いて当該オブジェクトの未視聴部分を算出する。
【0128】
オブジェクトの未視聴部分の算出方法の概要は、まず、オブジェクト視聴履歴のコンテンツIDを視聴履歴のコンテンツID、オブジェクト視聴履歴の視聴開始ポイントを視聴履歴の視聴開始ポイント、オブジェクト視聴履歴の視聴時間を視聴履歴の視聴時間とみなす。
【0129】
そして、オブジェクトメタ情報のオブジェクト開始ポイントをコンテンツ範囲のコンテンツ開始ポイント、オブジェクトメタ情報のオブジェクト終了ポイントをコンテンツ範囲のコンテンツ終了ポイントとみなす。
【0130】
上記のように未視聴部分処理部において、コンテンツIDとオブジェクト名が一致するオブジェクトメタ情報とオブジェクト視聴履歴を用いて、コンテンツ範囲と視聴履歴から未視聴部分を算出する処理を適用することで、同コンテンツIDの各オブジェクトにおける未視聴部分を算出する。
【0131】
具体的なオブジェクトの未視聴部分の算出方法について、図8を用いて説明する。
【0132】
図8に示すオブジェクトメタ情報800は、図4のオブジェクト名が犬であるオブジェクトメタ情報410のオブジェクトセット情報の一部を示す。また、オブジェクト視聴履歴は、図6のオブジェクト名が犬であるオブジェクト視聴履歴610を示す。
【0133】
まず、各オブジェクトに対して、未視聴部分処理部において、オブジェクトメタ情報に記載されるオブジェクト開始ポイントからオブジェクト終了ポイントの範囲内に、対象とするオブジェクトのオブジェクト視聴履歴に上記範囲に視聴した履歴が存在するかを調べる。
【0134】
図8の場合、オブジェクト名が犬であるオブジェクト開始ポイントのPTSの値であるaから、オブジェクト開始ポイントのPTSの値であるbの範囲内において、オブジェクト名が犬であるオブジェクト視聴履歴は、PTSの値がaからabの範囲にオブジェクトの視聴部分810を持つ。また、オブジェクト視聴履歴は、PTSの値がfからfgの範囲にも視聴部分820を持つが、オブジェクト開始ポイントとオブジェクト終了ポイントの範囲に含まれないことから、オブジェクトの視聴部分と判断しない。
【0135】
よって、PTSの値がabからbの範囲を、オブジェクトが犬であるオブジェクトメタ情報800の未視聴部分とする。
【0136】
上記の処理によって求めたオブジェクトの未視聴部分を、オブジェクト未視聴部分算出結果として記述する。
【0137】
オブジェクト未視聴部分算出結果は、コンテンツID、オブジェクト名、未視聴部分開始ポイント、未視聴部分終了ポイントで構成される。
【0138】
図8のオブジェクト未視聴部分算出結果830は、コンテンツIDがContID002、オブジェクト名が犬、未視聴部分開始ポイントがab、未視聴部分終了ポイントがbとなる。
【0139】
以上は、オブジェクトメタ情報の一部について未視聴部分を算出する方法である。本来、オブジェクトメタ情報は1つ以上のオブジェクトセット情報で構成される。よって、オブジェクトメタ情報に記載される全てのオブジェクトセット情報に対して、未視聴部分処理部において上記の処理を行う。
【0140】
未視聴部分処理部において、図4のオブジェクトメタ情報に記載される全てのオブジェクトセット情報に対して、図6のオブジェクト視聴履歴を利用して未視聴部分を算出したオブジェクト未視聴部分算出結果900を、図9に示す。
【0141】
(未視聴部分結果表示方法・未視聴部分再生指示方法について)
未視聴部分処理部より未視聴部分算出結果が送られた未視聴部分再生処理部390は、入出力部を介して視聴部380へ、未視聴部分の視聴に関する表示を行う。
【0142】
ユーザは、上記の視聴部に表示されたコンテンツの視聴方法やコンテンツ内の未視聴部分の情報を参考にして、作業指示部を用いて未視聴部分再生処理部に対して指示を行う。以下において、再生装置からユーザへの情報表示方法と、ユーザから再生装置への指示方法について説明する。
【0143】
まず、再生装置からユーザへの情報表示方法について、図10に示すように、再生装置1020は、接続ケーブル1010によって視聴部であるスピーカ1002付属のテレビ1000に繋がれ、再生装置からの映像と音声の出力を、ディスプレイ1001とスピーカ1002で再生する。
【0144】
次に、ユーザから再生装置への指示方法について、ユーザは作業指示部であるリモコン1030を用いて、リモコン側のリモコン情報送信部1035から、再生装置側のリモコン情報受信部1040に対して、赤外線によって指示の情報を送る。
【0145】
リモコンを用いて送る指示内容は、コンテンツの通常再生の指示を行う再生ボタン1031、コンテンツの停止を行う停止ボタン1032、ディスプレイのポップアップウインドウ1003に表示される内容を選択するための選択ボタン1033、選択ボタンによって選択する箇所を決定するための決定ボタン1034によって表す。
【0146】
(未視聴部分視聴方法について)
未視聴部分再生処理部において、上記の未視聴部分結果表示方法と未視聴部分再生指示方法を用いることによって、ユーザがコンテンツの未視聴部分をもとにした視聴を行う方法を、図11を用いて以下に説明する。
【0147】
まず、未視聴部分再生処理部は、図10に示したポップアップウインドウ1003内に、コンテンツタイトル欄1120、未視聴部分視聴方法選択欄1130、コンテンツステータスバー欄1100を表示する。
【0148】
コンテンツタイトル欄は、コンテンツに定める名称を表示する。コンテンツのタイトルに関する情報に関して記述や図示は行っていないが、サーバに接続する際にコンテンツIDに対応するコンテンツのタイトル情報を予め取得することとする。
【0149】
未視聴部分視聴方法選択欄は、未視聴部分をもとにした様々な視聴方法を表示する。
【0150】
コンテンツステータスバー欄は、コンテンツやコンテンツに含まれる各オブジェクトの視聴状況を表示し、未視聴部分視聴方法選択欄でフォーカス1150を用いて選択した視聴方法に対応して視聴を行う範囲を示す選択カーソル1110を表示する。
【0151】
コンテンツステータスバー欄は、コンテンツの視聴状況を示すコンテンツステータスバー1140と、オブジェクトの視聴状況を示す複数のオブジェクトシンボルとコンテンツステータスバー1140の組で構成される。
【0152】
コンテンツの視聴状況を示すコンテンツステータスバーは、コンテンツ全体に対する未視聴部分の分布状況の情報を含む。ユーザが未視聴部分視聴方法を選択する際にコンテンツのコンテンツステータスバーを参考にすることによって、ユーザはコンテンツの未視聴部分を視覚的に捉えることができる。
【0153】
前記コンテンツステータスバー1140の構成を図12に示す。コンテンツステータスバー1140は、コンテンツ範囲表示1200と、未視聴部分表示1210と、視聴部分表示1220で構成される。
【0154】
前記コンテンツステータスバー1140のコンテンツ範囲表示1200は、コンテンツ範囲の情報を用いて、コンテンツステータスバー1140の左端をコンテンツ範囲のコンテンツ開始ポイント、コンテンツステータスバー1140の右端をコンテンツ範囲のコンテンツ終了ポイントとする。
【0155】
オブジェクトシンボルとは、コンテンツ内の各オブジェクトに対応する静止画や動画とする。
【0156】
オブジェクトの視聴状況を示すコンテンツステータスバーは、各オブジェクトがコンテンツ上に存在する範囲において、未視聴部分の分布状況の情報を含む。ユーザが未視聴部分視聴方法を選択する際にオブジェクトのコンテンツステータスバーを参考にすることによって、ユーザはコンテンツ内のオブジェクトの未視聴部分を視覚的に捉えることができる。
【0157】
オブジェクトの視聴状況を示すコンテンツステータスバーは、オブジェクトメタ情報とオブジェクト未視聴部分算出結果をもとに作成する。
【0158】
作成方法は、各オブジェクトに対して、オブジェクトメタ情報を、前記コンテンツステータスバーのコンテンツ範囲と同様に扱い、各オブジェクトの視聴可能な範囲を作成する。つまり、各オブジェクトに対して1以上のコンテンツステータスバーが作成される。そして、各オブジェクトに対して、オブジェクト未視聴部分算出結果に記述される未視聴部分開始ポイントから未視聴部分終了ポイントの範囲を未視聴部分としてコンテンツステータスバー上に作成する。
【0159】
図5のコンテンツとオブジェクトの視聴状況をもとにしたコンテンツステータスバー欄の詳細を図13に示す。
【0160】
まず、コンテンツステータスバー1300は、コンテンツの範囲全てを示す。
【0161】
そして、オブジェクトシンボル1310で表すオブジェクト犬の視聴状況は、コンテンツステータスバー1340と表し、同様にオブジェクトシンボル1320で表すオブジェクト人の視聴状況は、コンテンツステータスバー1350のように表し、オブジェクトシンボル1330で表すオブジェクト家の視聴状況は、コンテンツステータスバー1360のように表す。
【0162】
ユーザは、ポップアップウインドウの情報をもとにして、未視聴部分を視聴する方法を未視聴部分視聴方法選択欄から、視聴対象とするオブジェクトをコンテンツステータスバー欄からフォーカスによって選び、視聴する範囲を選択カーソルによって決定し視聴を行う。
【0163】
図11は、未視聴部分視聴方法として「未視聴部分を選択して視聴」、視聴するオブジェクトは「家」、視聴する範囲として選択カーソル1110で選択されている範囲を視聴することを示す。
【0164】
上記で選択した未視聴部分の視聴方法と、視聴対象とするオブジェクトのユーザに対する視聴情報表示を図14に示す。
【0165】
また、本実施の形態によれば、コンテンツのオブジェクト毎の未視聴部分を確認しながら視聴することが可能となる。
【0166】
前記事項は、コンテンツの未視聴部分における特定の部分を示すことにより、ユーザがコンテンツの未視聴部分を選択することを、図15を用いて説明する。
【0167】
図15は、コンテンツやオブジェクトや視聴状況等を表す情報とは別に、図示していないコンテンツの重要部分1500、重要部分1510の情報を表した図である。
【0168】
コンテンツの重要部分1500は、オブジェクトの人1320を含んでおり、オブジェクトの人1320の視聴部分が重要部分であることを意味している。前記の視聴状況の場合、コンテンツとして重要部分を視聴しており、オブジェクトの人1320の重要部分も視聴していることを意味している。
【0169】
また、コンテンツの重要部分1510は、オブジェクトの犬1310とオブジェクトの家1330を含んでおり、オブジェクトの犬1310の視聴部分が重要部分であることを意味している。前記の視聴状況の場合、コンテンツとして重要部分を視聴しており、オブジェクトの人1320の重要部分は視聴しておらず、オブジェクトの家1330は視聴していることを意味しており、コンテンツの状況としては図16のように示される。
【0170】
図16は、3次元空間1600における図15の視聴状況を表している。
【0171】
ユーザは、オブジェクトの家1610を視聴している。しかし、重要部分と設定されているオブジェクト犬は、視聴されていない。
【0172】
前記の視聴の場合、図16で飛び跳ねているオブジェクトの犬1620を視聴しないままコンテンツの視聴を終了する場合があり、上記方法によってユーザに示すことでコンテンツ内の重要部分とオブジェクトの重要部分を視聴することができる。
【0173】
(その他の実施の形態)
なお、上述した各実施の形態において、ユーザから再生装置への指示方法は、リモコンや、機器表面のボタンや、携帯端末等を操作することであっても良い。
【0174】
なお、上述した各実施の形態において、視聴履歴は通常再生の操作を記述することとしているが、特殊再生や停止の操作も記述しても良い。
【0175】
なお、オブジェクト判定部353オブジェクトを視聴したかどうかの判定は、視聴部におけるオブジェクトの表示度合いによって自由に設定してもよい。
【0176】
なお、コンテンツ内の視聴部分と未視聴部分をチャプターとして扱っても良い。
【0177】
チャプターとは、コンテンツ内の箇所を示すポイントであり、通常コンテンツの任意の箇所から再生する為に使われる。
【0178】
例えば、図17のコンテンツはチャプターが設定されており、図17(c1)、図17(c2)、図17(c3)、図17(c4)、図17(c5)、図17(c6)の6箇所がある。
【0179】
上記コンテンツの視聴部分と未視聴部分は未視聴部分処理部において処理され、視聴部分は図17(1)、図17(3)、図17(5)、未視聴部分は図17(2)、図17(4)、図17(6)を得る。
【0180】
よって、チャプターとして設定する箇所は、視聴部分と視聴開始ポイントと未視聴部分の未視聴開始ポイントとする。
【0181】
つまり、視聴部分である図17(1)のチャプターの箇所は図17(1s)、図17(3)のチャプターの箇所は図17(3s)、図17(5)のチャプターの値は図17(5s)とする。同様に、未視聴部分である図17(2)のチャプターの箇所は図17(2s)、図17(4)のチャプターの箇所は図17(4s)、図17(6)のチャプターの値は図17(6s)とする。
【0182】
上記のように視聴部分と未視聴部分に対してチャプターの設定を行えば、チャプター表示を行うシステムにおいて、視聴部分と未視聴部分をチャプターとして表示できる。
【0183】
また、上記した各実施の形態において、コンテンツバーの表示を、チャプターを用いた表示に変えても良い。
【0184】
チャプターを用いた表示とは、チャプターとして設定された箇所における静止画や動画を表示することを意味する。
【0185】
チャプターを用いた表示を、図18に示す。
【0186】
なお、上述した実施の形態において、コンテンツは多画面構成されていても良い。
【0187】
多画面構成とは、コンテンツのある時点において、視聴可能な画面の対象が2つ以上存在することを意味する。
【0188】
つまり、コンテンツが多画面構成の場合、ユーザはコンテンツの再生に合わせ、好みの画面に切り替えながらコンテンツを視聴する形態となる。
【0189】
上記の場合、多画面構成のコンテンツの各画面をオブジェクトとして捉えた場合、上記各実施の形態と同様、画面毎の視聴情報を履歴として記録することによって、コンテンツ内の各画面の未視聴履歴を元にした視聴を行うことができる。
【0190】
図19に示すコンテンツは、多画面で構成されるコンテンツを示す。
【0191】
コンテンツは3画面で構成されており、画面の構成は、コンテンツの特定の区間で設定される。
【0192】
画面A、画面Bはコンテンツ開始ポイント1940からコンテンツ終了ポイント1950までの区間と設定され、画面Cは図19のiから図19のiiの区間と設定される。
【0193】
コンテンツの図19αの地点では、画面Aは画面情報1910で示され、画面Bは画面情報1920で示され、画面Cは画面情報1930で示される。
【0194】
ユーザは、コンテンツの図19αの地点を視聴する際に、コンテンツに構成される画面から選択して視聴を行う。選択する画面は複数でも構わない。
【0195】
そして視聴を行った画面の履歴情報を記録しておき、コンテンツの視聴情報と合わせて処理することによって、コンテンツの視聴と画面の視聴を区別し、未視聴の画面の情報を元に視聴することが可能となる。
【0196】
前記コンテンツを多画面で構成する場合、コンテンツやオブジェクトの重要部分等を定めることによって、未視聴部分中の重要部分等をユーザが把握、視聴することができる。
【0197】
なお、上述した各実施の形態において、コンテンツはファイルの形態で蓄積部に蓄積するが、ストリーミングの形態でコンテンツサーバより取得しても良い。
【0198】
なお、上述した各実施の形態において、コンテンツの取得先はコンテンツサーバに限らず、CDやDVD等の記録メディアに格納されているコンテンツ等を、データ受信部によってコンテンツ等を受け、再生装置に蓄積する形態であっても良い。
【0199】
なお、上記した各実施の形態は、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク等)に格納された上述した処理手順を実行可能な所定のプログラムデータが、CPUによって解釈実行されることで実現される。この場合、プログラムデータは、記録媒体を介して記憶装置内に導入されてもよいし、記録媒体上から直接実行されてもよい。なお、記録媒体は、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクメモリ、CD−ROMやDVD、BD等の光ディスク、メモリカード等の記録媒体をいう。また、記録媒体は、電話回線や搬送路等の通信媒体も含む概念である。
【0200】
なお、上述した各実施の形態において、未視聴部分処理部、未視聴部分再生処理部等の各機能ブロックは典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
【0201】
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0202】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサーで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
【0203】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【0204】
以上、本発明に関して最適な実施の形態について詳細な説明を行ったが、本発明は上記実施の形態に縛られるものではなく、特許請求の範囲内において想定される変更や追加等を行うことが可能であることは容易に想定できる。
【産業上の利用可能性】
【0205】
本発明にかかる再生装置は、コンテンツにおける未視聴部分を算出し、算出された未視聴部分を表示する機能を有し、インターネットを用いたコンテンツ配信サービス用の専用受信機等として有用である。
【0206】
また、上記サービスを携帯電話で行う等の用途にも応用できる。
【0207】
また、個人が撮影した動画を再生、表示するプレイヤ等にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】3次元空間を表すコンテンツの構成図
【図2】3次元空間を表すコンテンツの再生方法の説明図
【図3】3次元空間を表すコンテンツ未視聴部分編集表示システムの構成図
【図4】オブジェクトメタ情報の構成とコンテンツ内のオブジェクトとの対応構成図
【図5】コンテンツの視聴とコンテンツ内のオブジェクトの視聴との違いの説明図
【図6】視聴履歴とオブジェクト視聴履歴の記述方法の説明図
【図7】コンテンツの未視聴部分の算出方法の説明図
【図8】オブジェクト未視聴部分算出結果の算出方法の説明図
【図9】オブジェクト未視聴部分算出結果の説明図
【図10】コンテンツの表示装置と指示装置の説明図
【図11】オブジェクト単位の再生方法の説明図
【図12】コンテンツステータスバーの構成図
【図13】コンテンツステータスバー欄の構成図
【図14】オブジェクト単位における「未視聴部分を選択して視聴」を選んだ場合の再生表示の説明図
【図15】コンテンツとオブジェクトの重要部分を表すコンテンツステータスバー欄の構成図
【図16】重要部分を含む3次元空間のユーザ視聴とオブジェクトの状況を表す構成図
【図17】コンテンツの視聴状況とチャプター指定の構成図
【図18】チャプターの仕組みを利用した未視聴部分の視聴表示方法の説明図
【図19】多画面を表すコンテンツの構成図
【符号の説明】
【0209】
100 3次元空間
110 人
120 犬
130 家
200 3次元空間
210 人
220 犬
230 家
300 コンテンツサーバ
301 コンテンツ
302 オブジェクトメタ情報
310 ネットワーク
320 再生装置
330 データ受信部
340 蓄積部
341 視聴履歴
342 オブジェクト視聴履歴
350 再生部
351 コンテンツ範囲取得部
352 視聴履歴作成部
353 オブジェクト判定部
354 オブジェクト視聴履歴作成部
360 未視聴部分処理部
370 入出力部
380 視聴部
381 作業指示部
390 未視聴部分再生処理部
400 コンテンツ
410 オブジェクトメタ情報
500 視聴部分
510 視聴したオブジェクト
600 視聴履歴
610 オブジェクト視聴履歴
620 オブジェクト視聴履歴
630 オブジェクト視聴履歴
800 オブジェクトメタ情報
810 視聴部分
820 視聴部分
830 オブジェクト未視聴部分算出結果
900 オブジェクト未視聴部分算出結果
1000 テレビ
1100 コンテンツステータスバー欄
1110 選択カーソル
1120 コンテンツタイトル欄
1130 未視聴部分視聴方法選択欄
1140 コンテンツステータスバー
1150 フォーカス
1200 コンテンツ範囲表示
1210 未視聴部分表示
1220 視聴部分表示
1300 コンテンツステータスバー
1310 オブジェクトシンボル
1320 オブジェクトシンボル
1330 オブジェクトシンボル
1340 コンテンツステータスバー
1350 コンテンツステータスバー
1360 コンテンツステータスバー
1500 重要部分
1510 重要部分
1600 3次元空間
1610 家
1620 犬
1900 多画面
1910 画面情報
1920 画面情報
1930 画面情報
1940 コンテンツ開始ポイント
1950 コンテンツ終了ポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツまたは前記コンテンツのメタ情報のうち少なくとも一方を取得するコンテンツ取得部と、
前記コンテンツを再生する再生部を有する再生装置であって、
前記オブジェクトの視聴有無を判定するオブジェクト判定部と
前記オブジェクトの再生履歴を作成するオブジェクト再生履歴作成部と、
前記オブジェクトの未再生部分範囲を取得する未再生部分処理部と、
前記オブジェクトの再生表示を作成する未再生部分再生処理部と、
を有することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記再生装置は、前記コンテンツの範囲を取得するコンテンツ範囲取得部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記再生装置は、前記コンテンツの再生履歴を作成する再生履歴作成部を有することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
前記未再生部分処理部は、オブジェクトまたはコンテンツのうち少なくとも一方の未再生部分範囲を取得することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項5】
前記未再生部分再生処理部は、オブジェクトまたはコンテンツのうち少なくとも一方の未再生表示を作成することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項6】
前記コンテンツは3次元空間を含むことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項7】
前記コンテンツは多画面であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項8】
前記オブジェクトの再生履歴は、前記オブジェクトの再生範囲を記録することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項9】
前記オブジェクトの視聴有無は、前記オブジェクトの一部を再生部が再生したことを視聴したとみなすことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項10】
前記オブジェクトの再生表示は、前記オブジェクトの未再生範囲をもとに作成することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項11】
前記オブジェクトの再生表示は、コンテンツステータスバーを表示することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項12】
前記オブジェクトの再生表示は、チャプター表示することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項13】
前記オブジェクトの再生表示は、オブジェクトの再生方法を表示することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項14】
前記オブジェクトの再生方法は、オブジェクトの未再生部分をもとに再生する方法であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項15】
前記未再生部分をもとに再生する方法は、未再生部分を選択して再生する方法であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項16】
コンテンツまたは前記コンテンツのメタ情報のうち少なくとも一方を取得するステップと、
前記コンテンツを再生するステップと、
前記コンテンツの範囲または前記オブジェクトの範囲のうち少なくとも一方を取得するステップと、
前記コンテンツの再生履歴を作成するステップと、
前記オブジェクトの視聴有無を判定するステップと、
前記オブジェクトの再生履歴を作成するステップと、
前記コンテンツまたは前記オブジェクトの未再生部分範囲のうち少なくとも一方を取得するステップと、
前記コンテンツまたは前記オブジェクトの再生表示を作成するステップと、
を有することを特徴とする再生方法。
【請求項17】
コンテンツまたは前記コンテンツのメタ情報のうち少なくとも一方を取得するステップと、
前記コンテンツを再生するステップと、
前記コンテンツの範囲または前記オブジェクトの範囲のうち少なくとも一方を取得するステップと、
前記コンテンツの再生履歴を作成するステップと、
前記オブジェクトの視聴有無を判定するステップと、
前記オブジェクトの再生履歴を作成するステップと、
前記コンテンツまたは前記オブジェクトの未再生部分範囲のうち少なくとも一方を取得するステップと、
前記コンテンツまたは前記オブジェクトの再生表示を作成するステップと、
を有することを特徴とするコンテンツ再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のプログラムを記録した記録媒体。
【請求項19】
コンテンツを再生する再生装置の集積回路であって、
前記集積回路は、
コンテンツまたは前記コンテンツのメタ情報のうち少なくとも一方を取得するコンテンツ取得手段と前記コンテンツを再生する再生手段を備え、
前記集積回路は、
前記コンテンツの範囲または前記コンテンツのオブジェクトの範囲のうち少なくとも一方を取得するコンテンツ範囲取得手段と、
前記コンテンツの再生履歴を作成する再生履歴作成手段と、
前記オブジェクトの再生履歴を作成するオブジェクト再生履歴作成手段と、
前記コンテンツまたはオブジェクトの未再生部分範囲のうち少なくとも一方を取得する未再生部分処理手段と、
前記コンテンツまたは前記オブジェクトの再生表示を作成する未再生部分再生処理手段と、
を有することを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−164415(P2006−164415A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355129(P2004−355129)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】