説明

材料成長のための方法および装置

【課題】 材料成長のための方法および装置を提供する。
【解決手段】 無電解メッキ液に曝されるウエハの表面を選択的に加熱するための方法および装置が提供される。放射エネルギ源による選択的加熱は、ウエハ表面と無電解メッキ液との間の境界において温度上昇を引き起こす。この温度上昇は、ウエハ表面においてメッキ反応を生じさせる。したがって、ウエハ表面には、適切に定められた放射エネルギ源によってウエハ表面の温度を変動させることによって開始され且つ制御される無電解メッキ反応を通じて材料が成長される。また、ウエハ表面に近接する上方の位置に平面部材を配することによって、平面部材とウエハ表面との間に無電解メッキ液を閉じ込めることもできる。メッキ反応を通じて成長される材料は、平面部材の平面性に適合する平坦化層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体製造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路やメモリセル等の半導体デバイスの製造では、半導体ウエハ上に特徴を定めるために、一連の製造工程が実施される。半導体ウエハは、シリコン基板上に定められた多層構造状の集積回路を含む。基板のレベルでは、拡散領域を有するトランジスタ素子が形成される。後続のレベルでは、所望の集積回路デバイスを定めるために、相互接続用の金属配線がパターン形成され、トランジスタ素子に電気的に接続される。また、パターン形成された導電層は、誘電体によって他の導電層から隔離される。
【0003】
半導体ウエハ上に特徴を定めるための一連の製造工程は、とりわけ、各種の材料層を追加する、パターン形成する、エッチングする、除去する、および研磨する等の多くのプロセスを含むことができる。半導体ウエハ上に定められる特徴の複雑性ゆえに、各プロセスは、厳密に実施する必要がある。例えば、ウエハの表面上に材料を成長させる工程は、多くの場合に、ウエハ表面のトポグラフィに材料をむらなく合致させるように実施することを望まれる。
【0004】
図1Aは、従来技術にしたがって、非一様な材料成長後のウエハ表面の断面を示した説明図である。ウエハ表面は、特徴101,102を有するように定められ、これらの特徴101,102は、ウエハ表面の全域にトポグラフィを形成している。トポグラフィは、ウエハにほぼ平行な面およびウエハにほぼ垂直な面によって特徴付けられる。また、なかには、ウエハに平行でも垂直でもない歪曲した特徴も存在しうる(例えば特徴102)。
【0005】
物理蒸着技術を用いた従来の材料成長方法は、材料の成長源である材料源領域111に曝される特徴表面の面積が大きければ大きいほど、より多量の材料を成長させる傾向がある。概して、材料源領域111は、ウエハより上方の領域で表される。したがって、ウエハにほぼ平行な特徴表面は、材料源領域111に曝される面積が大きいので、より多量の材料をその上に蓄積および成長させる傾向がある。例えば、図1Aに示されるように、ウエハにほぼ平行な特徴表面上に成長した材料103の厚さ107は、ウエハにほぼ垂直な特徴表面上に成長した厚さ105を上回る。また、材料成長の非一様性は、成長する材料の断絶を生じるほど深刻な場合もある。例えば、図中、歪曲した特徴102の張り出しの下に、断絶109が示されている。用途次第では、各特徴表面上に、その向きに寄らずに一様な厚さの材料を成長させることを望まれる。また、成長した材料層における断絶の存在は、概して受け入れがたいものである。したがって、材料源領域111に対する表面の曝され具合のばらつきによって生じる非一様な材料成長は、大きな問題となる可能性がある。
【0006】
図1Bの1ないし図1Bの4は、ボイド形成の原因となる従来の材料成長手順を示した説明図である。図1Bの1は、材料103の成長前における特徴101を有するウエハ表面を示している。特徴101は、ウエハ表面のトポグラフィを定めている。これらの特徴は、場合によっては、横寸法に対する縦寸法の比が2:1または3:1を上回る高アスペクト比の特徴を表している。
【0007】
図1Bの2は、隣り合う特徴101間の空間を材料103で満たすことを意図した材料成長プロセスの初期段階を示している。図1Aに関して前述されたように、従来の材料成長方法は、結果として、非一様な厚さを有する材料層を成長させる傾向がある。ウエにほぼ平行な特徴101表面上に成長した厚さ107は、ウエハにほぼ垂直な特徴101表面上に成長した厚さ105を上回る。
【0008】
図1Bの3は、隣り合う特徴101間の空間を材料103で満たすことを意図した材料成長プロセスの後続段階を示している。材料成長の非一様性ゆえに、ウエハにほぼ平行な特徴101表面は、ウエハにほぼ垂直な特徴101表面と比べて、より分厚く材料103を蓄積されている。更に、横方向の成長が続行され、横方向の距離が失われるにつれて、反応物質が下方の領域に到達するのが困難になり、これらの領域における成長速度が更に減速する。
【0009】
図1Bの4は、隣り合う特徴101間の空間を材料103で満たすことを意図した材料成長プロセスの最終結果を示している。材料成長の非一様性ゆえに、ほぼ平行な各特徴101表面上に成長した材料は、最後には、隣り合う特徴間にブリッジを形成する厚さに達する。ブリッジは、隣り合う特徴101間の空間内に、ボイドすなわち栓穴113を形成する。したがって、材料成長の非一様性は、不満足な材料成長結果をもたらす可能性がある。
【0010】
材料を成長させ、ウエハの表面トポグラフィにむらなく合致させるプロセスに加えて、更に、ウエハの表面を厳密に平坦化して、ウエハの表面トポグラフィのばらつきを低減させるプロセスも望まれる。厳密な平坦化なしでは、ウエハの表面トポグラフィのばらつきが増大するので、結果として、追加の金属配線層の製造が更に大幅に困難になる。
【0011】
化学機械平坦化(CMP)プロセスは、ウエハの平坦化を実施するための方法の一つである。概して、CMPプロセスは、制御された圧力のもとで、回転しているウエハを、移動している研磨パッドに対して保持および接触させる工程を伴う。CMPシステムは、一般に、研磨パッドを、回転テーブルまたは直線ベルトの上に構成する。また、ウエハと研磨パッドとの間の境界には、CMPプロセスの促進および強化のためにスラリが配される。
【0012】
CMPプロセスは、ウエハの平坦化を可能にする点で、極めて有能で且つ有用であるが、ウエハの平坦化を実施するための代替技術の探求および開発の継続は、永続的な望みでもある。以上に鑑みると、従来のCMPプロセスに代わるものとして、または従来のCMPプロセスを補うものとして実現可能であるような、ウエハを平坦化する装置および方法が必要とされていることがわかる。
【発明の開示】
【0013】
一実施形態において、ウエハの表面上に材料を成長させるための方法が開示される。方法は、ウエハの表面に無電解メッキ液を付ける工程を備える。無電解メッキ液は、メッキ反応を生じない温度に維持される。方法は、また、メッキ反応を生じる状態までウエハの表面の温度を上昇させることができる放射エネルギをウエハの表面に浴びせる工程を備える。メッキ反応は、ウエハの表面と無電解メッキ液との間の境界で生じる。
【0014】
別の一実施形態において、ウエハの表面上に材料を成長させるための装置が開示される。装置は、囲いとなる側壁と、底面とによって定められたタンクを備える。タンクは、無電解メッキ液を収容するように構成される。また、タンク内には、ウエハサポート構造も設けられる。ウエハサポート構造は、タンクに収容される無電解メッキ液に沈められた位置でウエハをサポートするように構成される。装置は、更に、ウエハサポート構造の上方に設けられた放射エネルギ源を備える。放射エネルギ源は、無電解メッキ液に沈められた位置でサポートされるウエハに放射エネルギを向かわせるように方向付けられる。
【0015】
別の一実施形態において、ウエハの表面上に材料を成長させるための別の装置が開示される。この装置は、囲いとなる側壁と、底面とによって定められたタンクを備える。タンクは、無電解メッキ液を収容するように構成される。装置は、また、タンクに収容される無電解メッキ液にウエハを挿入したり同無電解メッキ液からウエハを出したりするように構成されたウエハホルダも備える。また、タンクに収容される無電解メッキ液の上方には、放射エネルギ源が設けられる。放射エネルギ源は、無電解メッキ液からウエハが出される際に、そのウエハに放射エネルギを向かわせるように方向付けられる。
【0016】
別の一実施形態において、ウエハの表面上に材料を成長させるための別の装置が開示される。この装置は、囲いとなる側壁と、底面とによって定められたタンクを備える。タンクは、無電解メッキ液を収容するように構成される。また、タンク内には、ウエハサポート構造も設けられる。ウエハサポート構造は、タンクに収容される無電解メッキ液に沈められた位置でウエハをサポートするように構成される。装置は、更に、ウエハサポート構造内に設けられた放射エネルギ源を備える。放射エネルギ源は、無電解メッキ液に沈められた位置でサポートされるウエハの底面に放射エネルギを向かわせるように方向付けられる。放射エネルギは、ウエハの上面上に存在する材料を加熱するために、ウエハを通り抜けることができる。
【0017】
一実施形態において、ウエハの上に平坦化層を成長させるための装置が開示される。この装置は、底面と、囲いとなる側壁とによって定められたタンクを備える。タンクは、無電解メッキ液を収容するように構成される。装置は、また、タンク内に設けられたウエハサポート構造も備える。ウエハサポート構造は、タンクに収容される無電解メッキ液に沈められた位置でウエハをサポートするように構成される。装置は、更に、ウエハサポート構造の上方に、且つウエハサポート構造にほぼ平行に設けられた平面部材を備える。平面部材は、ウエハサポート構造に近づく方向およびウエハサポート構造から遠ざかる方向の両方向に移動することができる。平面部材は、また、ウエハがウエハサポート構造によってサポートされる際に、そのウエハに近接して配することもできる。また、装置は、平面部材の上方に、且つウエハサポート構造の上方に設けられた放射エネルギ源も備える。放射エネルギ源は、放射エネルギに平面部材を通り抜けさせ、ウエハサポート構造によってサポートされるウエハに向かわせるように方向付けられる。
【0018】
別の一実施形態において、ウエハの表面上に平坦化層を施すための方法が開示される。この方法は、ウエハ表面に無電解メッキ液を付けるための工程を備える。無電解メッキ液は、メッキ反応を容易に生じない温度に維持される。方法は、また、ウエハ表面の上部に近接する上方の位置に平面部材を配する工程も備える。平面部材は、平面部材とウエハ表面との間に介在する無電解メッキ液の一部を追い出す働きをする。方法は、更に、放射エネルギに平面部材を通り抜けさせることによって、ウエハ表面に放射エネルギを浴びせる工程を備える。放射エネルギは、ウエハ表面の温度を、無電解メッキ液とウエハ表面との間の境界でメッキ反応を生じる状態まで上昇させることができる。メッキ反応は、ウエハ表面と平面部材との間に平坦化層を形成する。
【0019】
本発明を例示している添付の図面と併せて行われる以下の詳細な説明から、本発明のその他の態様および利点がよりいっそう明らかになる。
【0020】
本発明は、その更なる利点とともに、添付の図面と併せて行われる以下の説明を参照することによって最も良く理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施形態は、概して、半導体ウエハ(「ウエハ」)の上に材料を成長させるための方法および装置を提供する。より具体的に言うと、本発明は、無電解メッキ液に曝されているウエハ表面上に存在する材料を選択的に加熱するための方法および装置を提供する。選択的加熱は、ウエハ表面に放射エネルギを照射することによって実現される。放射エネルギは、ウエハ表面上に存在する材料を、その周囲の他の材料に優先して加熱する波長領域を有するように定められる。材料成長プロセス中、放射エネルギは、ウエハ表面上に存在する材料の状態変化に最適に従うように調整可能である。ウエハ表面の選択的加熱は、ウエハ表面と無電解メッキ液との間の境界において温度上昇を引き起こす。境界における温度上昇は、ひいては、ウエハ表面においてメッキ反応を生じさせる。したがって、ウエハ表面上には、適切に定められた放射エネルギ源によってウエハ表面の温度を変動させることによって開始され且つ制御される無電解メッキ反応を通じて材料が成長される。
【0022】
また、本発明の実施形態は、ウエハを平坦化するための方法および装置を提供する。より具体的に言うと、本発明は、ウエハの表面上に存在する陥凹部を満たす働きをする平坦化層をウエハの上に成長させるための方法および装置を提供する。本発明にしたがって、ウエハの上面に近接する上方の位置に平面部材が配される。平面部材の配置は、ウエハ表面上に存在する陥凹部が無電解メッキ液で満たされるように、平面部材とウエハ表面との間に無電解メッキ液を閉じ込める働きをする。次いで、ウエハ表面上に存在する材料を選択的に加熱するために、ウエハ表面に放射エネルギが照射される。ウエハ表面の選択的加熱は、ウエハ表面と無電解メッキ液との間の境界において温度上昇を引き起こす。そして、温度上昇は、ウエハ表面においてメッキ反応を生じさせる。平面部材とウエハ表面との間に存在する無電解メッキ液中に含まれる反応物質は、放射エネルギの継続的照射を通じて消費される。次いで、平面部材は、平面部材とウエハとの間に未使用の無電解メッキ液を散らばらせるために、ウエハから遠ざけられる。次いで、平面部材は元の位置に戻され、放射エネルギが再び照射される。最終的には、メッキ反応を通じて成長した材料によって、平面部材の平面性に合致した平坦化層が形成される。
【0023】
以下の説明では、本発明の完全な理解を得られるように、多くの詳細が特定されている。しかしながら、当業者ならば明らかなように、本発明は、これらの一部または全部の詳細を特定せずとも実施可能である。また、本発明が不必要に不明瞭になるのを避けるため、周知のプロセス工程の詳細な説明は省略されている。
【0024】
図2Aは、本発明の一実施形態にしたがって、ウエハの表面上に材料を成長させるための装置を示した説明図である。この装置は、囲いとなる側壁と、底面とによって定められたタンク201を備える。タンク201は、無電解メッキ液203を収容するように構成される。本発明は、例えばシプレイ社によるCuposit250などの市販の適切な無電解メッキ液を使用して実現することができる。あるいは、本発明は、専用の無電解メッキ液を新しく開発することもできる。しかしながら、無電解メッキ液203は、中温またはそれを上回る高温で反応を生じるように定められていることが好ましい。例えば、一実施形態において、無電解メッキ液203は、約40度未満の温度では反応を生じない。
【0025】
一実施形態において、タンク201に無電解メッキ液203を供給するための供給口213と、タンク201から無電解メッキ液203を除去するための排出口215とが設けられる。したがって、供給口213および排出口215は、タンク201を通る無電解メッキ液203の流れを制御するために使用することができる。一実施形態において、無電解メッキ液203は、定期的に補充することができる。別の一実施形態では、タンク201内に、無電解メッキ液203を連続的に流すことができる。なお、タンク201内を通る無電解メッキ液203の流れに所望の指向性および一様性を持たせるために、タンク201内に、バッフルおよびその他の分流機構を設けることも可能である。更に、一実施形態では、タンク201の中の無電解メッキ液203の温度を維持するために、タンク201の中に熱交換器221を設けることが可能である。別の一実施形態では、タンク201に入る無電解メッキ液203の温度を維持するために、タンク201の外側に熱交換器221を設けることも可能である。一実施形態において、熱交換器221は、無電解メッキ液203を流れさせるコイルの形で表される。しかしながら、本発明では、無電解メッキ液203の温度に作用を及ぼすのに適した他の任意の熱交換器221を使用することが可能である。無電解メッキ液203は、充分に低い温度に維持されることが好ましい。例えば、一実施形態において、無電解メッキ液203は、約15℃未満の温度に維持される。このとき、無電解メッキ液203の温度の下限は、可溶性による制約を受ける。
【0026】
図2Aの装置は、また、無電解メッキ液203に沈められた位置でウエハ207をサポートするためにタンク201内に設けられたウエハサポート構造205を備える。一実施形態において、ウエハサポート構造205は、ウエハ207の底面にほぼ完全に接触するように定められる。しかしながら、他の実施形態において、ウエハサポート構造205は、ウエハ207の底面に部分的に接触するように定めることも可能である。例えば、一実施形態において、ウエハサポート構造205は、ウエハ207の底部に接触するように構成された複数の隆起部を含むことができる。複数の隆起部は、ウエハ207の底部とウエハサポート構造205の上部との間をウエハ移送手段が行き来可能であるように、ウエハサポート構造205上に分散して設けることが可能である。別の代表的な一実施形態において、ウエハサポート構造205は、ウエハ207の底部に接触するように構成された複数の持ち上げピンを含むことができる。複数の持ち上げピンは、ウエハサポート構造205に対してウエハ207を上げ下げするように作動可能であり、それによって、ウエハサポート構造205にウエハ207を近づけたりウエハサポート構造205からウエハ207を遠ざけたりするウエハ207の搬送を促進することができる。他の実施形態において、ウエハサポート構造205は、ローラまたは指状構造を含むことができる。ウエハサポート構造205は、その具体的な実施形態に寄らず、材料成長プロセス中にウエハ207をしっかり保持するように構成される。一実施形態において、ウエハサポート構造205は、無電解メッキ液203に対するウエハ207上面の曝され具合を高めるために、材料成長プロセス中に往復動するように構成される。この実施形態において、ウエハサポート構造205は、水平方向219、垂直方向217、回転方向、またはこれらを任意の組み合わせた方向に往復動するように構成することができる。ウエハサポート構造205は、無電解メッキ反応によって発生する気泡が閉じ込められる可能性を最小限に抑えられる向きに、ウエハ207をサポートするように構成されることが好ましい。
【0027】
図2Aの装置は、更に、ウエハサポート構造205の上方に設けられた放射エネルギ源209を備える。放射エネルギ源209は、無電解メッキ液203の中に沈められた位置でウエハサポート構造205によってサポートされるウエハ207に放射エネルギ211を向かわせるように方向付けられる。放射エネルギ源209は、ウエハ207の表面上に存在する材料(すなわち放射エネルギ211の入射先の材料)を選択的に加熱可能である波長領域を有する放射エネルギ211を生成するように構成される。議論のため、放射エネルギ211は、波長を基準にして特徴付けられるものとする。しかしながら、放射エネルギ211は、周波数を基準にして特徴付けることも等しく可能である。例えば、ウエハ207の表面が材料「X」によって定められると仮定すると、放射エネルギ211は、材料「X」の原子/分子の励起を増進させられるように、材料「X」の原子/分子によって吸収される波長領域を有するように定められる。材料「X」の原子/分子の励起の増進は、結果として、材料「X」の加熱および温度上昇を引き起こす。材料「X」の原子/分子を励起させるために必要とされる波長領域を有する放射エネルギ211は、周囲の材料の原子/分子を全く、またはあまり励起させないことが好ましい。すぐ周囲にある材料は、一部には、材料「X」の下に横たわる、または材料「X」に隣接する異なるウエハ207材料、および大量の無電解メッキ液203を含む。したがって、放射エネルギ源209によって生成される放射エネルギ211は、ウエハ207の表面上に存在する特定の材料を、その材料の向きに寄らずに選択的に加熱するように構成される。例えば、ウエハ207の表面上に存在するCuを選択的に加熱するために、放射エネルギは、約250ナノメートルの波長を有するように定められる。
【0028】
一実施形態において、無電解メッキ液203は、無電解メッキ反応を生じないように、充分に低い温度に維持される。したがって、無電解メッキ液203へのウエハ207の浸漬は、無電解メッキ反応を通じてウエハ207上に材料成長を生じさせるのには不十分である。しかしながら、放射エネルギ211の照射によって、ウエハ207表面上に存在する特定の材料を選択的に加熱すると、その特定の材料の温度は、無電解メッキ反応を生じる温度まで上昇する。特定の材料は、放射エネルギ211によって選択的に加熱されるので、その特定の材料と無電解メッキ液203との間の境界で、無電解メッキ反応が生じる。一実施形態において、放射エネルギ源209は、放射エネルギ211をパルス方式で生成することができる。ウエハ207表面上の特定の材料にパルス方式で放射エネルギ211を照射すれば、その特定の材料を周期的に加熱したり冷却したりすることができる。こうすれば、放射エネルギ211のパルス照射を通じて、特定の材料と無電解メッキ液203との間の境界で生じる無電解メッキ反応を、材料成長のより優れた制御を可能にする周期方式(すなわちパルス方式)で制御することができる。一実施形態において、各放射エネルギパルスの持続時間は、約1ミリ秒〜約500ミリ秒の範囲内である。なお、放射エネルギ強度の増大は、結果として、放射エネルギによって励起される特定の材料の温度を上昇させ、それに応じて無電解メッキ反応速度を増大させる。したがって、図2Aの装置では、適切に定められ且つ制御される放射エネルギ211を使用してウエハ207表面上の特定の材料の温度を変動させることによって開始され且つ制御される無電解メッキ反応を通じて、ウエハ207表面上に材料を成長させることができる。
【0029】
放射エネルギ源209は、ウエハ207の上面にほぼ一様な量の放射エネルギ211を照射するように構成されることが好ましい。図2Aの実施形態において、放射エネルギ源209は、材料成長プロセスのあいだ、固定位置を維持するように構成される。しかしながら、固定放射エネルギ源209は、ウエハ207の上面の上に放射エネルギ211を一様に放射できるとは限らない。ウエハ207の上面に放射エネルギ211を一様に照射するためには、固定放射エネルギ源209と併せて、放射エネルギ211を種々反射するもの(面)を使用することが可能である。また、代替の一実施形態では、ウエハ207の上面の上に放射エネルギ211を一様に照射するために、配列状に並べられた複数の放射エネルギ源を用いることも可能である。更に、図2Aの装置には、ウエハの表面状態に関連したデータを収集するためにウエハ製造プロセスにおいて好んで使用される各種の監視装置を設けることも可能である。監視装置によって得られたデータは、放射エネルギ源209を制御するためのフィードバックとして使用することができる。
【0030】
図2Bは、本発明の一実施形態にしたがって、図2Aの装置の変形例を示した説明図である。図2Aと同様に、図2Bも、供給口213および排出口215を有するタンク201と、無電解メッキ液203と、熱交換器211とを備える。ただし、図2Bの装置において、放射エネルギ源209は、ウエハ207の底面の下方に設けられている。また、ウエハサポート構造205は、ウエハ207をその外周でサポートするように変更されている。図2Bの実施形態において、放射エネルギ211は、放射エネルギ源209からウエハ207の底部に向かうように方向付けられる。放射エネルギ211は、ウエハ207を通り抜けてウエハ207の上面に達する。なお、ウエハ207の上面は、様々な角度の傾斜によって隔てられた複数の山と谷とを有するトポグラフィとして定めることができる。放射エネルギ211は、ウエハ207を通り抜ける際のウエハ207との相互作用を最小限に抑えられる波長領域を有するように定められる。しかしながら、放射エネルギ211の波長領域は、ウエハ207の上面に達する際は、ウエハ207の上面に存在する材料を選択的に加熱するように定められる。したがって、図2Aと同様に、図2Bは、無電解メッキ反応を通じてウエハ207の表面上に材料を成長させ、無電解メッキ反応は、適切に定められ且つ制御される放射エネルギ211を使用してウエハ207表面の温度を変動させることによって開始され且つ制御される。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態にしたがって、図2Aの装置の変形例を示した説明図である。図3の装置は、図2Aに示されるような固定放射エネルギ源209の代わりに、平行放射エネルギ源301を採用している。平行放射エネルギ源301は、放射エネルギ211を平行化して、有限の立体角内に収めるように構成される。一実施形態において、平行放射エネルギ源301は、放射エネルギ211の有限の立体角をウエハ207の存在する平面にほぼ垂直にするように方向付けられる。平行放射エネルギ源301は、更に、矢印303で示されるようにウエハ207の表面を走査するように構成される。しかしながら、平行放射エネルギ源301は、矢印303で示された方向に走査するとは限らず、ウエハ207の表面を任意の方向に走査するように構成することが可能である。また、平行放射エネルギ源301は、回転点に端を発してウエハ207の存在する平面を垂直に貫く軸を中心に、円錐状に回転するように構成することができる。採用される具体的な走査運動に寄らず、平行放射エネルギ源301は、ウエハ207の上面にほぼ一様な量の放射エネルギ211を照射するように構成される。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態にしたがって、図2Aの装置の別の変形例を示した説明図である。この図に示された装置、即ちウエハ207の表面上に材料を成長させる装置は、図2Aに示されるようなタンク201を用いる代わりに、容器401を用いている。容器は、上部403と、底部と、囲いとなる側壁とによって定められる。タンク201と同様に、容器401もまた、無電解メッキ液203を収容するように構成される。また、容器401は、容器401に無電解メッキ液203を供給するための供給口213と、容器401から無電解メッキ液203を排出するための排出口215とを設けることもできる。図4について、ウエハサポート構造205、熱交換器221、放射エネルギ源209、および放射エネルギ211は、図2Aについて説明されたものと等しい。しかしながら、図4について、放射エネルギ211は、容器401の上部403を通り抜けてウエハ207に達するものとする。相応して、容器401の上部403は、放射エネルギ源209から放出される放射エネルギ211を容器401の内部に伝達可能な材料(「容器上部材料」)で構成される。各種の代表的な実施形態において、容器の上部材料は、とりわけ、石英、ガラス、またはポリマのいずれかであることが可能である。一実施形態において、上部材料は、放射エネルギ211の波長領域および方向を実質的に変更することなく放射エネルギ211を伝達するように構成される。別の一実施形態において、容器上部材料は、放射エネルギ211の方向を変更せずに、放射エネルギ211の波長領域を、ウエハ207の上面に存在する所望の材料を選択的に加熱するのに必要とされる波長領域に変更するように構成される。別の一実施形態において、容器の上部材料は、放射エネルギ211の波長領域を変更せずに、放射エネルギ211の方向を、ウエハ207の上面に一様に分布する方向に変更するように構成される。更に別の一実施形態において、容器の上部材料は、放射エネルギ211の波長領域および方向を、ウエハ207の上面に放射エネルギ211を均一に分布させられる領域および方向に変更するように構成される。
【0033】
議論のため、無電解メッキ反応を生じる(すなわち材料成長を生じる)ウエハ207表面上の部位は、核化部位と称され、ウエハ207表面の単位面積当たりの核化部位の数は、核化密度と称される。材料成長の用途次第では、核化密度の増大が望まれる場合がある。核化密度を増大させる方法の一つは、無電解メッキ液の圧力を高める方法である。容器401は、高圧の、すなわち大気圧を上回る圧力の無電解メッキ液203を収容するように構成することができる。高圧下では、材料成長プロセス中におけるウエハ207表面の核化密度が増大する。また、やはり高圧下では、無電解メッキ反応の結果としてウエハ表面上に生じる気泡の形成が抑制される。一実施形態において、供給口213および排出口215を通る無電解メッキ液203の流れは、絞り制御を通じて、容器401内における無電解メッキ液203の圧力を制御する圧力制御機能を果たすことができる。別の一実施形態では、容器401内の無電解メッキ液203の圧力を制御する無電解メッキ液循環システム内の圧力制御機能として、加圧器を設けることができる。熱交換器221は、図2Aを参照にして上述されたように、容器401内において高圧の無電解メッキ液203の温度を制御するために使用される。なお、無電解メッキ液203は、無電解メッキ液203に求められる化学的要件および容器401に求められる機械的要件に適合する適切な圧力および温度に維持することができる。しかしながら、容器内の大半の無電解メッキ液203の温度は、無電解メッキ反応を生じる温度より低く維持される。したがって、無電解メッキ反応は、選択的に加熱されたウエハ207表面材料と、無電解メッキ液203との間の境界においてのみ発生する。また、より低温の無電解メッキ液203は、パルス方式で放射エネルギ211が照射される際に、選択的に加熱されるウエハ207表面の材料を冷却する働きをする。
【0034】
図5は、本発明の一実施形態にしたがって、図4の装置の変形例を示した説明図である。図5に示された、ウエハ207の表面上に材料を成長させるための装置は、図4と同様に、やはり容器501を用いている。しかしながら、図5に示された放射エネルギ源209は、図4と反対に、容器501内に設けられている。したがって、容器501の上部503は、ウエハ207の上方に、且つ無電解メッキ液203の中に設けられている。したがって、容器501の上部503は、放射エネルギ源209から放出される放射エネルギ211を伝達する必要がない。状況によっては、波長領域および方向を基準に放射エネルギ211を調整する際の補助として、容器の上部材料を使用することが適切でないこともある。また、状況によっては、無電解メッキ液を高圧に維持することが望ましいこともあり、このような高圧は、放射エネルギ211を伝達しうる容器の上部材料にとって耐え難い場合がある。放射エネルギ源209を容器501内に設ければ、無電解メッキ液203の圧力を制御する機能を維持しつつ、容器の上部材料の強度や、容器の上部材料が放射エネルギ211の波長領域および方向にどのように影響を及ぼすか等を考慮する必要を排除することができる。
【0035】
図4および図5の実施形態において、放射エネルギ源209は、材料成長プロセスのあいだ、固定位置を維持するように構成される。しかしながら、固定放射エネルギ源209は、そのままでは、ウエハ207の上面に放射エネルギ211を一様に照射できるとは限らない。ウエハ207の上面に放射エネルギ211を一様に照射するためには、固定放射エネルギ源209と併せて、放射エネルギ211を種々反射する構成を用いることが可能である。図4について、放射エネルギ211を反射するもの(面)は、容器401の内側および外側のいずれか一方または両方に配することができる。図5について、放射エネルギ211を反射するもの(面)は、容器501の内側に配することができる。
【0036】
図6は、図3の平行放射エネルギ源301を図4の容器401と組み合わせて使用しているウエハ207の表面上に材料を成長させるための装置を、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。言い換えると、図6の実施形態は、固定放射エネルギ源209を平行放射エネルギ源301で置き換えた場合の図4の実施形態を表している。図3について上述された平行放射エネルギ源301の特徴は、図6の実施形態で用いられる平行放射エネルギ源301にも等しく当てはまる。
【0037】
図7は、図3の平行放射エネルギ源301を図5の容器501と組み合わせて使用しているウエハ207の表面上に材料を成長させるための装置を、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。言い換えると、図7の実施形態は、固定放射エネルギ源209を平行放射エネルギ源301で置き換えた場合の図5の実施形態を表している。図3について上述された平行放射エネルギ源301の特徴は、図7の実施形態で用いられる平行放射エネルギ源301にも等しく当てはまる。
【0038】
図8は、本発明の一実施形態にしたがって、ウエハ207の表面上に材料を成長させるための装置を示した説明図である。装置は、囲いとなる側壁と、底部とによって定められたタンク801を備える。タンク801は、無電解メッキ液203を収容するように構成される。一実施形態において、タンク801は、無電解メッキ液203の供給および排出をそれぞれ行うための供給口807および排出口809を有するように構成される。したがって、図2Aの供給口213および排出口215と同様に、図8の供給口807および排出口809は、タンク801を通る無電解メッキ液203の流れを制御するために使用される。また、図2Aと同様に、タンク801内の無電解メッキ液203の温度を維持するために、タンク801内に熱交換器221を設けることも可能である。あるいは、タンク801に入る無電解メッキ液203の温度を維持するために、タンク801の外側に熱交換器221を設けることも可能である。
【0039】
図8の装置は、タンク801に収容された無電解メッキ液203にウエハ207を浸すように構成されたウエハホルダ(不図示)も備える。ウエハホルダは、また、無電解メッキ液203からウエハ207を出すようにも構成される。ウエハホルダは、ウエハ207がタンク801の中で無電解メッキ液203に浸されたり無電解メッキ液203から出されたりする際に、ウエハ207に係合してウエハ207をしっかり保持するように適切に構成される。また、ウエハホルダは、ほぼ一定の方位面内において、制御された速度でウエハを移動させることができる。
【0040】
図8の装置は、更に、無電解メッキ液203の上方に設けられた平行放射エネルギ源301を備える。平行放射エネルギ源301は、ウエハ207を無電解メッキ液203から出す際に放射エネルギ211をウエハ207に向かわせるように方向付けられる。放射エネルギ211は、図2Aについて上述されたものと等しい。したがって、放射エネルギ211は、その入射先であるウエハ207の表面に存在する特定の材料を選択的に加熱可能である波長領域を有する。ウエハ207がタンク801の中の無電解メッキ液203から出される際に、ウエハ207の表面には、無電解メッキ液のメニスカス811が付着する。したがって、放射エネルギ211による特定の材料の選択的加熱は、その特定の材料と、無電解メッキ液のメニスカス811との間の境界で無電解メッキ反応を生じさせる。
【0041】
一実施形態において、平行放射エネルギ源301は、放射エネルギ211を平行化して、有限の立体角内に収めるように構成される。一実施形態において、平行放射エネルギ源301は、放射エネルギ211の有限の立体角をウエハ207の移動する方位面にほぼ垂直にするように方向付けられる。平行放射エネルギ源301は、また、ウエハ207の表面を走査するように構成される。なお、この実施形態において、平行放射エネルギ源301は、ウエハ207の表面を任意の方向に走査するように構成することが可能である。また、この実施形態において、平行放射エネルギ源301は、回転点に端を発してウエハ207の移動する方位面を垂直に貫く軸を中心に、円錐状に回転するように構成することができる。しかしながら、採用される具体的な走査運動または回転運動に寄らず、この実施形態の平行放射エネルギ源301は、ウエハ207が無電解メッキ液203から出される際に、ウエハ207の表面にほぼ一様な量の放射エネルギ211を照射するように構成される。別の一実施形態において、平行放射エネルギ源301は、ウエハの直径を弧とする狭い立体角内で放射エネルギを放出するように構成される。この実施形態において、平行放射エネルギ源301は、ウエハ207が無電解メッキ液203から出される際に、ウエハ207の表面にほぼ一様な量の放射エネルギ211を照射しつつ、一方では、タンク801に対して定位置を維持することができる。更に別の一実施形態では、ウエハ207が無電解メッキ液203から出される際に、ウエハ207の表面にほぼ一様に放射エネルギ211を照射するために、配列状に並べられた複数の平行放射エネルギ源301を用いることもできる。
【0042】
図8は、また、装置の一連の動作状態を説明している。状態1において、ウエハ207は、タンク701に収容された無電解メッキ液203の上方に配されている。この状態1にあるとき、平行放射エネルギ源301は不活性である。状態2において、ウエハ207は、矢印803で示されるように、タンク801に収容された無電解メッキ液203に浸される。この状態2にあるとき、平行放射エネルギ源301は不活性である。状態3において、ウエハ207は、タンク801に収容された無電解メッキ液203に完全に沈んだ状態にある。この状態3にあるとき、平行放射エネルギ源301は不活性である。状態4において、平行放射エネルギ源301は活性化され、ウエハ207は、矢印805で示されるように、タンク801に収容された無電解メッキ液203から出される。ウエハ207が無電解メッキ液203から出される際に、ウエハ207の表面には、無電解メッキ液のメニスカス811が付着する。ウエハ207に入射する放射エネルギ211は、ウエハ207上に存在する特定の材料を加熱させる。ウエハ107表面上に存在する特定の材料の加熱は、その特定の材料と、無電解メッキ液のメニスカス811との間の境界で無電解メッキ反応を生じさせる。タンク801に収容された無電解メッキ液203から完全に出されたときに、ウエハ207は、その表面全体に一様に放射エネルギ211を浴びることになる。したがって、ウエハ207の表面には、一様に分布した無電解メッキ反応を通じて一様に材料が成長される。なお、図8の装置の動作中において、タンク801の中の無電解メッキ液203の流れおよび温度は、図2Aについて上述されたように制御することが可能である。
【0043】
図9は、本発明の一実施形態にしたがって、ウエハ207の表面上に材料を成長させるための装置を示している。装置は、囲いとなる側壁と、底部とによって定められたタンク901を備える。タンク901は、無電解メッキ液203を収容するように構成される。一実施形態において、タンク901は、無電解メッキ液203の供給および排出のための供給口911および排出口913を有するように構成される。したがって、図2Aの供給口213および排出口215と同様に、図9の供給口911および排出口913は、タンク901を通る無電解メッキ液203の流れを制御するために使用される。また、図2Aと同様に、タンク901の中の無電解メッキ液203の温度を維持するために、タンク901内に熱交換器221を設けることも可能である。あるいは、タンク901に入る無電解メッキ液203の温度を維持するために、タンク901の外側に熱交換器221を設けることも可能である。
【0044】
図9の装置は、また、ウエハサポート&回転機構907を備える。ウエハサポート&回転機構907は、ウエハ207を、下部を無電解メッキ液203に沈められた位置でサポートするように構成される。一実施形態において、ウエハサポート&回転機構906は、ウエハ207の外周に配された複数のローラを含む。各ローラは、矢印909で示されるように、ほぼ一定の方位面内でウエハをサポートして回転させるように定められる。一実施形態において、ウエハホルダ907は、ウエハ207を無電解メッキ液203のほぼ半ばまで降下させると共に、材料成長プロセスの完了時にはウエハ207を無電解メッキ液203から出させるように構成される。
【0045】
図9の装置は、更に、無電解メッキ液203の上方に設けられた平行放射エネルギ源903を備える。平行放射エネルギ源903は、ウエハ207が回転されて無電解メッキ液203から出される際に、放射エネルギ211をウエハ207に向かわせるように方向付けられる。放射エネルギ211は、図2Aについて上述されたものと等しい。したがって、放射エネルギ211は、その入射先であるウエハ207の表面に存在する特定の材料を選択的に加熱可能である波長領域を有する。ウエハ207が回転されてタンク901の中の無電解メッキ液203から出される際に、ウエハ207の表面には、無電解メッキ液のメニスカス915が付着する。したがって、放射エネルギ211による特定の材料の選択的加熱は、その特定の材料と、無電解メッキ液のメニスカス915との間の境界で無電解メッキ反応を生じさせる。また、平行放射エネルギ源903は、更に、矢印905で示されるように、ウエハ207の表面を走査するように構成される。平行放射エネルギ源903による走査は、ウエハ207が回転されて無電解メッキ液203から出される際に、ほぼ一様な量の放射エネルギ211を確実にウエハ207の表面に照射するように制御される。したがって、無電解メッキ液203から出るための各回転が完了するたびに、ウエハ207は、その表面全体に一様に放射エネルギ211を浴びることになる。したがって、ウエハ207の表面には、一様に分布した無電解メッキ反応を通じて一様に材料が成長される。
【0046】
一実施形態において、平行放射エネルギ源903は、放射エネルギ211を平行化して、有限の立体角内に収めるように構成される。この実施形態において、平行放射エネルギ源903は、放射エネルギ211の有限の立体角をウエハ207の回転する方位面にほぼ垂直にするように方向付けられる。平行放射エネルギ源903は、更に、平行放射エネルギ源903に置かれた基準点に端を発してウエハ207の回転する方位面を垂直に貫く軸を中心に、円錐状に回転するように構成することができる。別の一実施形態では、ウエハ207が回転されて無電解メッキ液203から出される際に、ウエハ207の表面にほぼ一様に放射エネルギ211を照射するために、配列状に並べられた複数の放射エネルギ源を用いることも可能である。
【0047】
図10Aは、本発明の一実施形態にしたがって、ウエハの表面上に材料を成長させるための方法を示したフローチャートである。方法は、ウエハの表面に無電解メッキ液を付ける工程1001を備える。ウエハ表面に付けられる無電解メッキ液の温度は、無電解メッキ反応を生じる温度より低く維持される。一実施形態において、無電解メッキ液の温度は、無電解メッキ反応を生じる温度より大幅に低く維持される。方法は、また、ウエハ表面に放射エネルギを浴びせる工程1003を備える。放射エネルギは、ウエハ表面上に存在する特定の材料を、そのウエハ表面上の特定の材料と無電解メッキ液との間の境界で無電解メッキ反応を生じる状態へと選択的に加熱するために使用される。一実施形態において、ウエハ表面は、その上にほぼ一様な量の無電解メッキ反応を生じさせるために、ほぼ一様に放射エネルギを浴びせられる。ウエハ表面上における無電解メッキ反応の一様性は、結果的に、ウエハ表面上における一様な材料成長に繋がる。方法は、更に、ウエハ表面上に存在する特定の材料の選択的加熱を維持するように放射エネルギを制御する工程1005を備える。一実施形態において、放射エネルギの波長領域は、特定の材料の原子/分子を、その周囲にある異なる材料の原子/分子を励起させることなく優先的に励起させるように制御される。なお、放射エネルギの周波数の制御は、放射エネルギの波長領域の制御に等しい。特定の材料の原子/分子の優先的励起は、その特定の材料の温度を上昇させる。代表的な各実施形態において、特定の材料は、障壁層または種子層のいずれかとして定めることができる。しかしながら、放射エネルギは、原則的にウエハ表面上に存在する任意の材料に対して本発明の方法を適用可能であるように構成することができる。
【0048】
図10Bは、本発明の一実施形態にしたがって、図10Aの工程1001を詳細に示した説明図である。一実施形態において、工程1001は、ウエハ表面に無電解メッキ液を付けるための二つの選択肢(「オプション1」および「オプション2」)を有する。オプション1は、ウエハを無電解メッキ液に沈める工程1007を含む。ウエハが無電解メッキ液に沈められると、オプション1は、二つの小選択肢(「オプション1A」および「オプション1B」)に分岐する。オプション1Aは、ウエハを無電解メッキ液に沈められた状態で維持する工程1009を含む。一実施形態において、無電解メッキ液は、沈められた状態にあるウエハの表面を流れる。別の一実施形態において、ウエハは、沈められた状態で往復動される。オプション1Bは、ウエハを無電解メッキ液に沈められた位置から出す工程1011を含む。工程1011において、沈められた位置から出される際に、ウエハの表面には、無電解メッキ液のメニスカスが付着する。したがって、無電解メッキ液は、沈められた位置からウエハを出された場合もウエハ表面上に残留している。一実施形態において、ウエハを無電解メッキ液に沈めたり無電解メッキ液から出したりする手順は、無電解メッキ液から出されるウエハ表面に工程1003にしたがって放射エネルギを浴びせる操作と併せて繰り返される。この実施形態において、ウエハを沈めたり出したりする手順は、無電解メッキ反応を通じてウエハ表面上に所望の量の材料を成長させるまで継続される。一実施形態において、ウエハを無電解メッキ液に沈めたり無電解メッキ液から出したりする手順は、ウエハを無電解メッキ液に浸すことによって実施される。代替の一実施形態において、ウエハを無電解メッキ液に沈めたり無電解メッキ液から出したりする手順は、ウエハの一部を無電解メッキ液の中で回転させることによって実施される。
【0049】
オプション2は、ウエハ表面に無電解メッキ液を付けるための、オプション1に代わる選択肢である。オプション2は、無電解メッキ液を収容している容器の中にウエハを閉じ込める工程1013を含む。一実施形態において、容器は、無電解メッキ液をいっぱいに満たされている。別の一実施形態において、容器は、無電解メッキ液を部分的に満たされ、その中にウエハを沈められている。容器内へのウエハの閉じ込めは、ウエハに付ける無電解メッキ液の圧力を増大させることができる。無電解メッキ液の圧力の増大は、結果として、無電解メッキ反応を生じるウエハ表面上の核化部位の密度を増大させる。また、無電解メッキ液の圧力の増大は、無電解メッキ反応に起因する気泡の形成を抑制するために用いることができる。
【0050】
図10Cは、本発明の一実施形態にしたがって、図10Aの工程1003を詳細に示した説明図である。無電解メッキ反応を開始させるために、放射エネルギを使用してウエハ表面上に存在する特定の材料を選択的に加熱する工程1003は、ウエハ表面に無電解メッキ液を付けるための選択肢(すなわち、オプション1A、オプション1B、およびオプション2)との関連のもとで説明される。オプション1Aにしたがうと、図10Bに関して上述されたように、無電解メッキ液に沈められた位置に維持されている状態のウエハに放射エネルギを浴びせる工程1015が実施される。オプション1Bにしたがうと、図10Bに関して上述されたように、無電解メッキ液に沈められた位置から出される際のウエハに放射エネルギを浴びせる工程1017が実施される。工程1017の一実施形態において、ウエハ表面は、無電解メッキ液から出されるや否や放射エネルギを浴びる。オプション2にしたがうと、図10Bに関して上述されたように、無電解メッキ液を収容している容器の中に閉じ込められている状態のウエハに放射エネルギを浴びせる工程1019が実施される。一実施形態において、容器内には、放射エネルギ源が設けられている。別の一実施形態において、放射エネルギは、容器の壁を通り抜けてウエハ表面に達する。
【0051】
ウエハに無電解メッキ液を付けるおよびウエハに放射エネルギを照射するための選択肢(すなわちオプション1A、オプション1B、およびオプション2)に加えて、放射エネルギをどのようにウエハ表面に照射するかに関する選択肢もある。工程1021において、放射エネルギは、定常方式でウエハ表面に照射される。すなわち、放射エネルギは、材料成長プロセスの継続期間を通して間断なくウエハ表面に照射される。あるいは、工程1023において、放射エネルギは、材料成長プロセス中にパルス方式でウエハ表面に照射される。一実施形態において、放射エネルギのパルスは、約1ミリ秒〜約500ミリ秒の範囲内の継続期間を有するように定められる。また、一実施形態では、放射エネルギのパルス間に、無電解メッキ液によってウエハ表面を冷却することができる充分な時間を取っている。なお、オプション1A、オプション1B、およびオプション2のいずれにおいても、定常方式およびパルス方式の両方式で放射エネルギを照射することが可能である。
【0052】
ウエハ表面に一様に放射エネルギを照射するための選択肢も存在する。工程1025において、放射エネルギは、ウエハ表面全体に同時に照射される。工程1027において、放射エネルギは平行化され、ウエハ表面全体を走査する。なお、工程1025および工程1027のいずれの選択肢も、工程1021の定常方式および工程1023のパルス方式の両方式による放射エネルギの照射に使用することができる。しかしながら、ウエハ表面に放射エネルギを照射する具体的な方法に寄らず、放射エネルギは、ウエハ表面全体に対してほぼ一様な方式で照射される。
【0053】
図10Dは、本発明の一実施形態にしたがって、図10Aの工程1005を詳細に示した説明図である。一実施形態において、ウエハ表面上に存在する特定の材料の選択的加熱を維持するように放射エネルギを制御する工程1005は、ウエハの表面状態を監視するための工程1029を備える。工程1029による監視は、放射エネルギの波長領域を、ウエハの表面上に存在する所望の材料を選択的に加熱する波長領域に確実に設定できるようにするための、フィードバックを提供する。工程1029で監視される表面状態パラメータは、表面材料の種類、表面材料の厚さ、および表面材料の温度を含むことができる。しかしながら、工程1029では、ウエハ製造プロセス中に通常的に監視される任意の他の表面状態パラメータを監視することも可能である。一実施形態において、工程1005は、工程1029で得られた監視済みの表面状態にしたがって放射エネルギを調整する工程1031を含むこともできる。
【0054】
上述されたように、本発明は、無電解メッキ液に曝されているウエハ表面を選択的に加熱するための方法および装置を提供する。選択的加熱は、ウエハ表面に放射エネルギを照射することによって実現される。放射エネルギは、ウエハ表面上に存在する材料を、その周囲の他の材料に優先して加熱する波長領域を有するように定められる。材料成長プロセス中、放射エネルギは、ウエハ表面上に存在する材料の状態変化に最適に従うように調整可能である。ウエハ表面の選択的加熱は、ウエハ表面と無電解メッキ液との間の境界において温度上昇を引き起こす。境界における温度上昇は、ひいては、ウエハ表面においてメッキ反応を生じさせる。したがって、ウエハ表面上には、適切に定められた放射エネルギ源を使用してウエハ表面の温度を変動させることによって開始され且つ制御される無電解メッキ反応を通じて材料が成長される。
【0055】
本発明によって、多くの利点を得られる。例えば、本発明では、ウエハ表面上に材料を成長させ、ウエハ表面のトポグラフィに適合させることができる。また、本発明は、材料成長の高密度化、粒径の微細化、および成長する材料の接着性向上を可能にする。更に、本発明は、より小さい最小形状寸法を有するウエハ表面上における材料の成長を改善することができる。例えば、本発明は、ウエハ表面上における高アスペクト比特徴間の狭い間隙を一様に満たすために使用することができる。
【0056】
図11は、本発明の一実施形態にしたがって、ウエハの上に平坦化層を成長させるための装置を示した説明図である。装置は、囲いとなる側壁と、底面とによって定められたタンク1101を備える。タンク1101は、無電解メッキ液1103を収容するように構成される。本発明は、例えばシプレイ社によるCuposit250などの市販の適切な無電解メッキ液を使用して実現することができる。あるいは、本発明は、専用の無電解メッキ液を新しく開発することもできる。しかしながら、無電解メッキ液1103は、中温またはそれを上回る高温で反応を生じるように定められていることが好ましい。例えば、一実施形態において、無電解メッキ液1103は、約40度未満の温度では反応を生じない。
【0057】
一実施形態において、タンク1101に無電解メッキ液1103を供給するための供給口1113と、タンク1101から無電解メッキ液1103を除去するための排出口1115とが設けられる。したがって、供給口1113および排出口1115は、タンク1101を通る無電解メッキ液1103の流れを制御するために使用することができる。一実施形態において、無電解メッキ液1103は、定期的に補充することができる。別の一実施形態では、タンク1101内に、無電解メッキ液1103を連続的に流すことができる。なお、タンク1101内を通る無電解メッキ液1103の流れに所望の指向性および一様性を持たせるために、タンク1101内に、バッフルおよびその他の分流機構を設けることも可能である。更に、一実施形態では、タンク1101の中の無電解メッキ液1103の温度を維持するために、タンク1101の中に熱交換器1117を設けることが可能である。別の一実施形態では、タンク1101に入る無電解メッキ液1103の温度を維持するために、タンク1101の外側に熱交換器1117を設けることも可能である。一実施形態において、熱交換器1117は、無電解メッキ液1103を流れさせるコイルの形で表される。しかしながら、本発明では、無電解メッキ液1103の温度に作用を及ぼすのに適した他の任意の熱交換器1117を使用することができる。無電解メッキ液1103は、充分に低い温度に維持されることが好ましい。例えば、一実施形態において、無電解メッキ液1103は、約15℃未満の温度に維持される。このとき、無電解メッキ液1103の温度の下限は、可溶性による制約を受ける。
【0058】
図11の装置は、また、無電解メッキ液1103に沈められた位置でウエハ1107をサポートするためにタンク1101内に設けられたウエハサポート構造1105を備える。一実施形態において、ウエハサポート構造1105は、ウエハ1107の底面にほぼ完全に接触するように定められる。しかしながら、他の実施形態において、ウエハサポート構造1105は、ウエハ1107の底面に部分的に接触するように定めることも可能である。一実施形態において、ウエハサポート構造1105は、ウエハ1107の底部に接触するように構成された複数の持ち上げピンを含むことができる。複数の持ち上げピンは、ウエハサポート構造1105に対してウエハ1107を上げ下げするように作動可能であり、それによって、ウエハサポート構造1105にウエハ1107を近づけたりウエハサポート構造1105からウエハ1107を遠ざけたりするウエハ1107の搬送を促進することができる。ウエハサポート構造1105は、その具体的な実施形態に寄らず、ウエハ平坦化プロセス中にウエハ1107をしっかり保持するように構成される。また、ウエハサポート構造1105は、無電解メッキ反応によって発生する気泡が閉じ込められる可能性を最小限に抑えられる向きに、ウエハ207をサポートするように構成されることが好ましい。
【0059】
図11の装置は、また、ウエハサポート構造1105の上方に、且つウエハサポート構造1105にほぼ平行に設けられた平面部材1119を備える。一実施形態において、平面部材は、垂直面指向のサポート部材1121に固定される。サポート部材1121は、ウエハサポート構造1105にほぼ平行な向きに平面部材1119を維持する。サポート部材1121は、また、矢印1123によって示されるように、ウエハサポート構造1105に近づく方向およびウエハサポート構造から遠ざかる方向に平面部材1119を移動させるためのメカニズムを提供する。説明を容易にするため、本発明では垂直面指向のサポート構造1105が用いられているが、平面部材1119に必要なサポート制御および向き制御を可能にするためには、その他にも、構成および向きの様々なサポート部材を採用することが可能である。例えば、一実施形態では、平面部材1119を、垂直並進デバイスへの連結部を有する水平サポートリングに固定することができる。具体的な実施形態に寄らず、サポート部材1121は、平面部材1119を垂直方向に移動可能であること、および平面部材1119をウエハサポート構造1105にほぼ平行な向きに維持可能であることが望ましい。
【0060】
ウエハ平坦化プロセスの完了前の時点で、平面部材1119に面するウエハ1107表面は、下方表面域によって隔てられた複数の上方表面域によって定められたトポグラフィを有する。議論のため、上方表面域は「ピーク」と称され、下方表面域は「トレンチ」と称されるものとする。平面部材1119の垂直移動は、ウエハサポート構造1105によってサポートされるウエハ1107に近接して平面部材1119を配せるように、精密に制御される。一実施形態において、ウエハ1107に近接して平面部材1119を配することは、ウエハ1107の上面から約0マイクロメートル〜約3マイクロメートルの範囲内の距離に平面部材1119を配することに相当する。このとき、ウエハ1107の上面は、平面部材1119に面するウエハ1107表面上に存在する最も高いピークに対応している。0を上回る値になるのは、厚さのばらつき(うねり、反り、ナノトポグラフィ、膜厚のばらつき、および平坦化の対象となる特徴のトポグラフィ)ゆえである。
【0061】
平坦化プロセスのあいだ、平面部材1119は、ウエハ1107に近接して配される。ウエハ1107に面する平面部材1119表面(「平坦化表面」)は、平坦化プロセス中に達成可能な平面性を定めている。したがって、平坦化表面は、ウエハ1107に適用される所望の平面性を表すように、注意深く構成される。一実施形態において、平面部材1119は、局所的な剛性および広域的な可撓性を可能にする材料で構成される。すなわち、本実施形態の平面部材1119は、広域的に可撓性であると同時に局所的に剛性である。また、本実施形態と併せて、平面部材1119の平坦化表面とは反対の裏面に、裏当て部材をあてがうことも可能である。裏当て部材は、平面部材1119を通じて平坦化表面に非一様な圧力分布を適用することによって、平坦化表面の平面性を制御するように構成される。各種の実施形態において、裏当て部材は、所望の非一様な圧力分布を実現するために、流体で満たされたチャンバ、または変動バネ定数を有する材料分布の形態を取ることも可能である。更に、別の一実施形態において、平坦化表面は、その全域に渡って剛性である。各種の実施形態において、裏当て部材は、石英、サファイア、またはポリマのいずれかで形成される。しかしながら、平面部材1119は、条件に見合った平面性特性および剛性特性を付与する他の各種の材料で形成することも可能である。また、平面部材1119材料は、放射エネルギ源1109から放出される放射エネルギ1111をウエハサポート構造1105に向けて伝達可能であることが望ましい。
【0062】
前述のように、図11の装置は、更に、平面部材1119およびウエハサポート構造1105の両者の上方に設けられた放射エネルギ源1109を備える。放射エネルギ源1109は、放射エネルギ1111に平面部材1119を通り抜けさせ、無電解メッキ液1103に沈められた位置でウエハサポート構造1105によってサポートされるウエハ1107に向かわせるように方向付けられる。放射エネルギ源1109は、平面部材1119に面しているウエハ1107表面上に存在する材料(すなわち放射エネルギ1111の入射先の材料)を選択的に加熱可能である波長領域を有する放射エネルギ1111を生成するように構成される。議論のため、放射エネルギ1111は、波長を基準にして特徴付けられるものとする。しかしながら、放射エネルギ1111は、周波数を基準にして特徴付けることも等しく可能である。例えば、ウエハ1107の表面が材料「X」によって定められると仮定すると、放射エネルギ1111は、材料「X」の原子/分子の励起を増進させられるように、材料「X」の原子/分子によって吸収される波長領域を有するように定められる。材料「X」の原子/分子の励起の増進は、結果として、材料「X」の加熱および温度上昇をもたらす。材料「X」の原子/分子を励起させるために必要とされる波長領域を有する放射エネルギ1111は、周囲の材料の原子/分子を全く、またはあまり励起させないことが好ましい。すぐ周囲にある材料は、一部には、材料「X」の下に横たわる、または材料「X」に隣接する異なるウエハ1107材料、および大量の無電解メッキ液1103を含む。したがって、放射エネルギ源1109によって生成される放射エネルギ1111は、ウエハ1107の表面上に存在する特定の材料を選択的に加熱するように構成される。例えば、ウエハ1107の表面上に存在するCuを選択的に加熱するためには、放射エネルギは、約250ナノメートルの波長を有するように定められる。
【0063】
一実施形態において、無電解メッキ液1103は、無電解メッキ反応を生じないように、充分に低い温度に維持される。したがって、無電解メッキ液1103へのウエハ1107の浸漬は、無電解メッキ反応を通じてウエハ1107上に材料成長を生じさせるのには不十分である。しかしながら、放射エネルギ1111の照射を通じてウエハ1107表面上に存在する特定の材料を選択的に加熱すれば、その特定の材料の温度を、無電解メッキ反応を生じる温度まで上昇させることができる。特定の材料は、放射エネルギ1111によって選択的に加熱されるので、その特定の材料と無電解メッキ液1103との間の境界で、無電解メッキ反応が生じる。平面部材1119をウエハ1107に近接して配したとき、平面部材1119の平坦化表面は、ウエハ1107の無電解メッキ反応を通じて成長する材料の上限として機能する。したがって、ウエハ1107の無電解メッキ反応を通じて成長する材料は、ウエハ1107の上に平坦化層を形成し、その平坦化層の平面性は、平坦化表面の平面性によって決定される。
【0064】
なお、放射エネルギ111強度の増大は、結果として、放射エネルギによって励起される特定の材料の温度上昇を引き起こし、それに対応して無電解メッキ反応速度を増大させる。したがって、図11の装置では、適切に定められ且つ制御される放射エネルギ1111を使用してウエハ1107表面上の特定の材料の温度を変動させることによって開始され且つ制御される無電解メッキ反応を通じて、ウエハ1107の上に平坦化層を成長させることができる。
【0065】
放射エネルギ源1109は、ウエハ1107の表面の上にほぼ一様な量の放射エネルギ1111を照射するように構成されることが好ましい。一実施形態において、放射エネルギ源1109は、平坦化プロセスのあいだ、固定位置を維持するように構成される。しかしながら、固定放射エネルギ源1109は、ウエハ1107の上面に放射エネルギ1111を一様に照射できるとは限らない。ウエハ1107の表面の上に放射エネルギ1111を一様に照射するためには、固定放射エネルギ源1109と併せて、放射エネルギ1111を種々反射するもの(面)を使用することが可能である。また、代替の一実施形態では、ウエハ1107の上面の上に放射エネルギ1111を一様に照射するために、配列状に並べられた複数の放射エネルギ源を用いることも可能である。更に、図11の装置には、ウエハの表面状態に関連したデータを収集するためにウエハ製造プロセスにおいて好んで使用されている各種の監視装置を設けることも可能である。監視装置によって得られたデータは、放射エネルギ源1109を制御するためのフィードバックとして使用することができる。
【0066】
図12A〜図12Iは、ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した一連の説明図である。図12A〜図12Iの各図は、ウエハ1107の一部と、それに対応する平面部材1119の一部とを、平坦化プロセスの各段階について示した断面図である。図12Aに関して、平坦化プロセスは、平面部材1119をウエハ1107から離れた位置に配し、平面部材1119とウエハ1107との間に無電解メッキ液1103を散らばらせることによって開始される。無電解メッキ液1103は、無電解メッキ反応を生じないように、充分に低い温度に維持される。一実施形態では、図11に関して前述されたように、ウエハ1107は、無電解メッキ液1103に沈められた位置でウエハサポート構造によってサポートされている。また、図12Aに示されるように、平坦化プロセスを施される前のウエハ1107は、複数のピーク1203およびトレンチ1205によって定められた表面トポグラフィを有する。
【0067】
図12Bに関して、平面部材1119は、ウエハ1107の上面に近接して配される。このとき、ウエハ1107の上面は、ウエハ1107の表面上に存在する最も高いピークによって定められる。平面部材1119は、また、ウエハを上に配されるウエハサポート構造にほぼ平行になるように方向付けられる。平面部材1119がウエハ1107に近づくにつれて、平面部材1119とウエハ1107との間に介在する無電解メッキ液は駆逐され、ウエハ1107表面のトレンチ内の無電解メッキ液のみを残留させる。また、平面部材1119はウエハ1107の上面に近接しているので、平面部材1119とウエハ1107の上面との間に存在する無電解メッキ液は微量である。一実施形態において、平面部材1119は、ウエハ1107に損傷を及ぼさない範囲で可能な限りウエハ1107の上面の近くに配される。
【0068】
図12Cにおいて、放射エネルギ1111は、平面部材1119を通ってウエハ1107に伝達される。放射エネルギ1111は、ウエハ1107の表面に存在する材料を選択的に加熱する波長領域を有することによって、その材料の温度を無電解メッキ反応を生じる状態まで上昇させるように定められる。一実施形態において、放射エネルギ1111は、平面部材1119とウエハ1107との間に存在する無電解メッキ液中に含まれる利用可能な反応物質が原則的に全て消費されるまで照射され続ける。一実施形態において、使用可能な反応物質を消費するのに必要とされる時間は、約0.01秒〜約10秒の範囲内である。また、平面部材1119の平坦化表面は、無電解メッキ反応を通じて成長される材料の上限として機能する。
【0069】
図12Dは、平面部材1119とウエハ1107との間に存在する無電解メッキ液中に含まれる利用可能な反応物質を原則的に全て消費する上記の段階に続く、平坦化プロセスの一段階を示している。放射エネルギ1111の照射は、相応して停止される。この段階では、ウエハ1107の上に平坦化層1201が部分的に成長している。しかしながら、無電解メッキ液中に含まれる反応物質の濃度の限界ゆえに、放射エネルギ1111は、一度の照射でウエハ1107を完全に平坦化するには不十分である。
【0070】
図12Eにおいて、平面部材1119は、平面部材1119とウエハ1107との間に未使用の無電解メッキ液1103を散らばらせるために、ウエハ1107から遠ざけられる。続く図12Fは、平坦化プロセスの新たな繰り返しを表している。このとき、平面部材1119は、再びウエハ1107の上面に近接して配される。図12Fの段階にあるとき、ウエハ1107の上面は、放射エネルギ1111の前回の照射中に形成された部分的な平坦化層によって定められる。平面部材1119をウエハ1107から遠ざけ、次いで平面部材1119を再びウエハに近接して配する手順は、リフレッシュと称される。一実施形態において、リフレッシュの手順は、リフレッシュの最中に生じる材料成長の量を最小限に抑えるために、素早く実施される。
【0071】
図12Gにおいて、放射エネルギ1111は、再び平面部材1119を通じてウエハ1107に伝達される。放射エネルギ1111は、ウエハ1107の表面に存在する材料を、無電解メッキ反応を生じる温度まで加熱する。放射エネルギ1111は、平面部材1119とウエハ1107との間に存在する無電解メッキ液中に含まれる利用可能な反応物質を原則的に全て消費できるように照射される。
【0072】
図12Hは、平坦化プロセスの最後の繰り返しの完了を表している。図12Iに示されるように、無電解メッキ反応を通じて成長された材料は、ウエハ1107上に存在するトレンチを満たして、ウエハ1107の上に平坦化材料層を形成した。平面部材1119の平坦化表面は、無電解メッキ反応を通じて成長される材料の上限として機能するので、ウエハの上に成長された平坦化層の平面性は、平坦化表面によって定められる。更に、平坦化表面およびウエハ1107表面が共平面に近づくにつれて、平面部材1119とウエハ1107との間の無電解メッキ液は最少になるので、ウエハ1107上における平坦化層の形成は自己制御式である。
【0073】
図13は、本発明の一実施形態にしたがって、ウエハの表面上に平坦化層を施すための方法を示したフローチャートである。方法は、ウエハ表面に無電解メッキ液を付ける工程1310を備える。無電解メッキ液は、無電解メッキ反応を容易に生じない温度に維持される。一実施形態において、無電解メッキ液は、ウエハを無電解メッキ液に沈めることによってウエハ表面に付けられる。方法は、また、ウエハ表面の上部に近接する上方の位置に平面部材を配する工程1303を備える。一実施形態において、平面部材は、ウエハ表面の上部から約0マイクロメートル〜約3マイクロメートルの範囲内の距離に配される。ウエハ表面に近接する位置への平面部材の配置は、平面部材とウエハ表面との間に介在する無電解メッキ液の一部を追い出す働きをする。また、ウエハ表面に近接する位置への平面部材の配置は、無電解メッキ液の一部をウエハ表面の陥凹部に閉じ込める働きもする。
【0074】
方法は、更に、メッキ反応を生じる状態までウエハ表面の温度を上昇させるために、ウエハ表面に放射エネルギを浴びせる工程1305を備える。ウエハ表面に達するため、放射エネルギは、ウエハ表面に近接する上方の位置に配された平面部材を通り抜ける。無電解メッキ液とウエハ表面との間の境界では、ウエハ表面における温度の上昇ゆえに、メッキ反応が生じる。メッキ反応は、結果として、ウエハ表面と平面部材との間に平坦化層を形成する。一実施形態において、ウエハ表面に対する放射エネルギの照射は、ウエハ表面の近傍にある無電解メッキ液中に含まれる反応物質が消費されるまで続けられる。また、一実施形態において、ウエハ表面は、ほぼ一様に放射エネルギを浴びせられる。更に、放射エネルギの波長領域は、ウエハ表面に存在する特定の材料を選択的に加熱するように制御することができる。ウエハ表面における状態は、放射エネルギの波長領域を、ウエハ表面に存在する特定の材料を選択的に加熱する波長領域に確実に設定できるように、監視することができる。
【0075】
場合によっては、ウエハ表面の近傍にある無電解メッキ液中に含まれる反応物質を全て消費しても、ウエハ表面を完全に平坦化するのに充分でないことがある。このようなとき、工程1301〜1305は、ウエハ表面において所望の平坦化が達成されるまで、繰り返し実施することができる。例えば、一実施形態において、工程1305におけるウエハ表面に対する放射エネルギの照射は、ウエハ表面の近傍にある無電解メッキ液中の反応物質の濃度が特定の低レベルに到達した時点で停止される。次いで、平面部材が、ウエハ表面の上部に近接する位置から取り除かれる。平面部材の除去は、ウエハ表面の上に未使用の無電解メッキ液を流れさす。未使用の無電解メッキ液は、ウエハ表面を冷却すると共にウエハ表面の近傍に存在する反応物質を補充する働きをする。次いで、工程1301〜1305が繰り返される。
【0076】
図14は、ウエハの表面上に平坦化層を施すための別の方法を、本発明の一実施形態にしたがって示したフローチャートである。方法は、ウエハ表面に無電解メッキ液を付ける工程1401を備える。無電解メッキ液は、メッキ反応を容易に生じない温度に維持される。一実施形態において、ウエハ表面に無電解メッキ液を付ける工程は、ウエハを無電解メッキ液に沈めることによって実施される。方法は、また、ウエハ表面の上部に近接する上方の位置に平面部材を移動させる工程1403を備える。平面部材の移動は、平面部材とウエハ表面との間に介在する無電解メッキ液の一部を追い出す働きをする。また、平面部材の移動は、無電解メッキ液の一部をウエハ表面の陥凹部に閉じ込める働きもする。また、平面部材を通じてウエハ表面に放射エネルギを照射するための工程1405も用意される。放射エネルギは、ウエハ表面の温度を、無電解メッキ液とウエハ表面との間の境界でメッキ反応を生じる状態まで上昇させることができる。工程1407において、放射エネルギの波長領域は、ウエハ表面に存在する材料が放射エネルギによって選択的に加熱されるように制御することができる。更に、工程1409では、平面部材とウエハ表面との間に残存する無電解メッキ液中に存在する反応物質が、メッキ反応によって消費される。方法は、また、ウエハ表面に対する放射エネルギの照射を中断させるための工程1411を備える。工程1411に続いて、ウエハ表面の上部から平面部材を遠ざけるための工程1413が実施される。ウエハ表面の上部からの平面部材の遠ざけは、平面部材とウエハ表面との間に未使用の無電解メッキ液を取り込ませる。方法は、更に、ウエハ表面を平面に近づけるように工程1403〜1413を繰り返す工程1415を備える。一実施形態において、未使用の無電解メッキ液中に存在する反応物質の濃度は、ウエハ表面と、ウエハ表面に近接して配された平面部材との間の無電解メッキ液によって占められる体積の減少分を補うために、サイクルごとに増大される。
【0077】
以上では、いくつかの実施形態を取り上げて発明の説明を行っているが、当業者ならば、以上の明細書および添付の図面を検討することによって、各種の置換、追加、変更、および等価の形態を了解することができる。したがって、本発明は、このようなあらゆる代替、追加、変更、および等価の形態を、発明の真の趣旨および範囲に入るものとして含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1A】従来技術にしたがって、非一様な材料成長後のウエハ表面の断面を示した説明図である。
【図1B】ボイド形成に原因となる従来の材料成長手順を示した説明図である。
【図2A】本発明の一実施形態にしたがって、ウエハの表面上に材料を成長させるための装置を示した説明図である。
【図2B】本発明の一実施形態にしたがって、図2Aの装置の変形例を示した説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にしたがって、図2Aの装置の変形例を示した説明図である。
【図4】本発明の一実施形態にしたがって、図2Aの装置の別の変形例を示した説明図である。
【図5】本発明の一実施形態にしたがって、図4の装置の変形例を示した説明図である。
【図6】図3の平行放射エネルギ源を図4の容器と組み合わせて使用しているウエハの表面上に材料を成長させるための装置を、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図7】図3の平行放射エネルギ源を図5の容器と組み合わせて使用しているウエハの表面上に材料を成長させるための装置を、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図8】本発明の一実施形態にしたがって、ウエハの表面上に材料を成長させるための装置を示した説明図である。
【図9】本発明の一実施形態にしたがって、ウエハの表面上に材料を成長させるための装置を示している。
【図10A】本発明の一実施形態にしたがって、ウエハの表面上に材料を成長させるための方法を示したフローチャートである。
【図10B】本発明の一実施形態にしたがって、図10Aの工程1001を詳細に示した説明図である。
【図10C】本発明の一実施形態にしたがって、図10Aの工程1003を詳細に示した説明図である。
【図10D】本発明の一実施形態にしたがって、図10Aの工程1005を詳細に示した説明図である。
【図11】本発明の一実施形態にしたがって、ウエハの上に平坦化層を成長させるための装置を示した説明図である。
【図12A】ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図12B】ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図12C】ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図12D】ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図12E】ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図12F】ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図12G】ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図12H】ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図12I】ウエハの上に平坦化層を成長させることによって実施される平坦化プロセスを、本発明の一実施形態にしたがって示した説明図である。
【図13】ウエハの表面上に平坦化層を施すための方法を、本発明の一実施形態にしたがってフローチャートである。
【図14】ウエハの表面上に平坦化層を施すための別の方法を、本発明の一実施形態にしたがって示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
101,102…特徴
103…材料
105,107…材料の厚さ
109…材料の断絶
111…材料源領域
113…ボイド
201…タンク
203…無電解メッキ液
205…ウエハサポート構造
207…ウエハ
209…放射エネルギ源
211…放射エネルギ
213…供給口
215…排出口
217…垂直方向
219…水平方向
221…熱交換器
301…放射エネルギ源
303…走査方向
401…容器
403…容器の上部
501…容器
503…容器の上部
801…タンク
803,805…移動方向
807…供給口
809…排出口
811…無電解メッキ液のメニスカス
901…タンク
903…平行放射エネルギ源
905…走査方向
906…ウエハサポート&回転機構
907…ウエハホルダ
909…回転方向
911…供給口
913…排出口
915…無電解メッキ液のメニスカス
1101…タンク
1103…無電解メッキ液
1105…ウエハサポート構造
1107…ウエハ
1109…放射エネルギ源
1111…放射エネルギ
1113…供給口
1115…排出口
1117…熱交換器
1119…平面部材
1121…サポート部材
1123…移動方向
1201…平坦化層
1203…ピーク
1205…トレンチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハの表面上に材料を成長させるための方法であって、
メッキ反応を容易に生じない温度に維持されている無電解メッキ液を、前記ウエハの表面に付ける工程と、
前記ウエハの表面に放射エネルギを浴びせる工程であって、前記放射エネルギは、前記ウエハの表面と前記無電解メッキ液との間の境界でメッキ反応を生じる状態まで、前記ウエハの表面の温度を上昇させる工程と
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の、ウエハの表面上に材料を成長させるための方法であって、更に、
前記ウエハの表面に存在する材料が前記放射エネルギによって選択的に加熱されるように、前記放射エネルギの波長領域を制御する工程を備える方法。
【請求項3】
請求項1に記載の、ウエハの表面上に材料を成長させるための方法であって、更に、
メッキ反応を生じる温度を充分に下回るように、前記無電解メッキ液の温度を制御する工程を備える方法。
【請求項4】
請求項1に記載の、ウエハの表面上に材料を成長させるための方法であって、
前記ウエハの表面に放射エネルギを浴びせる前記工程は、前記放射エネルギをパルス照射することによって実施される方法。
【請求項5】
請求項1に記載の、ウエハの表面上に材料を成長させるための方法であって、
前記ウエハの表面に放射エネルギを浴びせる前記工程は、前記ウエハを通して前記放射エネルギを伝達し、前記ウエハの表面に到達させることを含む、方法。
【請求項6】
ウエハの表面上に材料を成長させるための装置であって、
囲いとなる壁と、底部とによって定められ、無電解メッキ液を収容するように構成されたタンクと、
前記タンク内に設けられ、前記タンクに収容される前記無電解メッキ液に沈められた位置でウエハをサポートするように構成されたウエハサポート構造と、
前記ウエハサポート構造の上方に設けられ、前記無電解メッキ液に沈められた位置でサポートされる前記ウエハに放射エネルギを向かわせるように方向付けられた放射エネルギ源と
を備える装置。
【請求項7】
請求項6に記載の、ウエハの表面上に材料を成長させるための装置であって、
前記放射エネルギ源は、放射エネルギの入射先である前記ウエハの表面に存在する材料を選択的に加熱可能である波長領域を有する放射エネルギを生成するように構成される装置。
【請求項8】
請求項6に記載の、ウエハの表面上に材料を成長させるための装置であって、
前記放射エネルギ源は、前記放射エネルギを平行化するように構成され、更に、前記ウエハの表面を走査するように構成される装置。
【請求項9】
請求項6に記載の、ウエハの表面上に材料を成長させるための装置であって、
前記ウエハサポート構造は、前記ウエハを往復動させるように構成される装置。
【請求項10】
ウエハの表面上に材料を成長させるための装置であって、
囲いとなる壁と、底部とによって定められ、無電解メッキ液を収容するように構成されたタンクと、
前記タンクに収容される前記無電解メッキ液にウエハを挿入するように構成され、更に、前記タンクに収容される前記無電解メッキ液から前記ウエハを出すように構成されたウエハホルダと、
前記タンクに収容される前記無電解メッキ液の上方に設けられ、前記タンクに収容される前記無電解メッキ液から前記ウエハが出される際に前記ウエハに放射エネルギを向かわせるように方向付けられた放射エネルギ源と
を備える装置。
【請求項11】
請求項10に記載の、ウエハの表面上に材料を成長させるための装置であって、
前記放射エネルギ源は、放射エネルギの入射先である前記ウエハの表面に存在する材料を選択的に加熱可能である波長領域を有する放射エネルギを生成するように構成される装置。
【請求項12】
ウエハの表面上に材料を成長させるための装置であって、
囲いとなる壁と、底部とによって定められ、無電解メッキ液を収容するように構成されたタンクと、
前記タンク内に設けられ、前記タンクに収容される前記無電解メッキ液に沈められた位置でウエハをサポートするように構成されたウエハサポート構造と、
前記ウエハサポート構造内に設けられ、前記無電解メッキ液に沈められた位置でサポートされる前記ウエハの底面に放射エネルギを向かわせるように方向付けられた放射エネルギ源であって、前記放射エネルギは、前記ウエハの上面に存在する材料を加熱するために前記ウエハを通り抜けることができる放射エネルギ源と
を備える装置。
【請求項13】
ウエハの上に平坦化層を成長させるための装置であって、
囲いとなる壁と、底部とによって定められ、無電解メッキ液を収容するように構成されたタンクと、
前記タンク内に設けられ、前記タンクに収容される前記無電解メッキ液に沈められた位置でウエハをサポートするように構成されたウエハサポート構造と、
前記ウエハサポート構造の上方に、且つ前記ウエハサポート構造にほぼ平行に設けられ、前記ウエハサポート構造に近づく方向および前記ウエハサポート構造から遠ざかる方向に移動することができ、前記ウエハサポート構造によってサポートされる前記ウエハに近接する位置に配することができる平面部材と、
前記平面部材の上方に、且つ前記ウエハサポート構造の上方に設けられた放射エネルギ源であって、放射エネルギに前記平面部材を通り抜けさせ、前記ウエハサポート構造によってサポートされる前記ウエハに向かわせるように方向付けられた放射エネルギ源と
を備える装置。
【請求項14】
請求項13に記載の、ウエハの上に平坦化層を成長させるための装置であって、
前記放射エネルギ源は、放射エネルギの入射先である前記ウエハの表面に存在する材料を選択的に加熱可能である波長領域を有する放射エネルギを生成するように構成される装置。
【請求項15】
請求項13に記載の、ウエハの上に平坦化層を成長させるための装置であって、
前記平面部材は、前記放射エネルギ源から放出された放射エネルギを前記ウエハサポート構造に向けて伝達可能である材料で構成される装置。
【請求項16】
請求項13に記載の、ウエハの上に平坦化層を成長させるための装置であって、更に、
前記ウエハサポート構造に面さない側である前記平面部材の裏面にあてがわれ、前記平面部材の平面性を制御するように構成された裏当て部材を備える装置。
【請求項17】
ウエハの表面上に平坦化層を施すための方法であって、
メッキ反応を容易に生じない温度に維持されている無電解メッキ液を、前記ウエハの表面に付ける工程と、
前記ウエハ表面の上部に近接する上方の位置に、前記ウエハ表面との間に介在する無電解メッキ液の一部を追い出す働きをする平面部材を配する工程と、
前記ウエハの表面に放射エネルギを浴びせる工程であって、前記放射エネルギは、前記平面部材を通り抜け、前記無電解メッキ液と前記ウエハ表面との間の境界でメッキ反応を生じる状態まで前記ウエハ表面の温度を上昇させることができ、前記メッキ反応は、前記ウエハ表面と前記平面部材との間に平坦化層を形成する工程と
を備える方法。
【請求項18】
請求項17に記載の、ウエハの表面上に平坦化層を施すための方法であって、更に、
前記ウエハの表面に存在する材料が前記放射エネルギによって選択的に加熱されるように、前記放射エネルギの波長領域を制御する工程を備える方法。
【請求項19】
請求項18に記載の、ウエハの表面上に平坦化層を施すための方法であって、更に、
前記放射エネルギの波長領域を、前記ウエハ表面に存在する材料を選択的に加熱する波長領域に確実に設定できるように、前記ウエハ表面の状態を監視する工程を備える方法。
【請求項20】
請求項17に記載の、ウエハの表面上に平坦化層を施すための方法であって、更に、
前記ウエハ表面に放射エネルギを浴びせる前記工程を中断する工程と、
前記ウエハ表面の上部に近接する前記位置から前記平面部材を取り除く工程であって、前記平面部材の該除去は、前記ウエハ表面を冷却すると共に前記ウエハ表面の近傍に存在する反応物質を補充する働きをする未使用の無電解メッキ液を前記ウエハ表面の上に流れさせる工程と、
前記平面部材を前記ウエハ表面の上部に近接する上方の位置に配する前記工程と、前記ウエハ表面に放射エネルギを浴びせる前記工程とを繰り返す工程と
を備える方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図12G】
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【図12H】
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【図12I】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−525594(P2007−525594A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543928(P2006−543928)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/040951
【国際公開番号】WO2005/061760
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】