説明

条件付物品販売システム

【課題】 条件付販売物品を繰り返し購入する購入者の負担を軽減する。
【解決手段】 条件付販売物品3を所持していない新規購入希望者に対しては、適格判断部7は、個人情報記録カード9から読み出した情報を基に販売条件を満たしているか否かを判断する。満たしている場合、発行処理部8は、条件付販売物品3に一体化されたRFタグ4に適格情報を書き込む。一方、使用済みの条件付販売物品3aを所持している購入希望者に対しては、販売可否判断部10は、条件付販売物品3aに一体化されたRFタグ4aから適格情報を読み出す。誤りのない適格情報が得られた場合、再発行処理部11は、その読み出した適格情報を、新たに販売する条件付販売物品3bに一体化されたRFタグ4bに書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入に際し条件が付されている条件付販売物品を販売する条件付物品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
煙草などの一部の物品は、その使用は勿論のこと購入に際しても年齢制限が設けられている。このような条件付販売物品を成人に対してのみ販売し、未成年者への販売を禁止するための手段が種々提案されている。例えば特許文献1に記載されたカード式自動販売装置は、カードからカード使用者の使用時の年齢を示す年齢データを読み出し、その年齢データと商品の年齢制限データとによりカード使用者が制限年齢未満であるか否かを判定し、制限年齢未満と判定すると販売動作を中止するようになっている。
【0003】
また、特許文献2に記載された自動販売システムは、健康保険証をICカード化したICカード保険証から、生年月日、診療機関による利用者の酒やタバコを含む摂取禁止飲食物情報等を読み出し、読み出した生年月日と現在の年月日とから年齢を算出して20歳未満には販売を行わないようになっている。また、販売する製品が読み出した摂取禁止飲食物に該当する場合にも販売を行わないようになっている。
【特許文献1】特開平3−100792号公報
【特許文献2】特開2003−6720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら特許文献1、2に記載された販売手段は、何れも購入者がカードを携帯し、このカードから年齢を示すデータを読み出す点において共通している。しかしながら、この販売手段では、購入者は、販売店に出向く際に、証明機関が発行する健康保険証などの「成人であることを証明する媒体(公的証明書)」を常に携帯しなければならず、個人情報が書き込まれた重要な公的証明書を紛失する危険が伴う。
【0005】
また、購入者は、条件付販売物品を購入する度に、健康保険証などの提示または販売装置に対する操作が必要となり、購入手続が非常に面倒になる。さらに、健康保険証などの公的証明書を本来の目的外に用いることに対して抵抗感を覚える購入者や、公的証明書を本来の目的外に用いる習慣付けに苦労する購入者も存在する。一方、条件付販売物品の供給者(製造者、販売者)からしても、上記購入者の負担を放置しておくと、購入をしない者が増えて製造量、販売量が減少する虞がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、条件付販売物品を繰り返し購入する購入者の負担を軽減できる条件付物品販売システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した手段によれば、購入希望者に販売するのに所定の条件(例えば購入希望者が成人であること)が必要とされる条件付販売物品に情報保持媒体が一体化されている。条件付販売物品を所持しない購入希望者に条件付販売物品をはじめて販売する場合、その購入希望者が上記販売条件を満たす者であることが確認されると、その販売する条件付販売物品に一体化された情報保持媒体に適格情報が書き込まれる(初期発行)。
【0008】
そして、条件付販売物品を所持している購入希望者に条件付販売物品をリピート販売する場合、その所持している条件付販売物品に一体化された情報保持媒体から上記適格情報が読み出され、誤りのない適格情報が得られた場合に当該購入希望者に対して条件付販売物品の販売が許可される(リピート販売)。
【0009】
つまり、本手段によれば、条件付販売物品に一体化された情報保持媒体に適格情報が書き込まれる(発行される)ので、購入希望者は、証明機関が発行する健康保険証などの公的証明書を携帯せずとも、条件付販売物品を所持しているだけで販売条件を満たす者であると確認されて条件付販売物品をリピート購入可能となる。これにより、購入する度に公的証明書を携帯する必要がなくなり、公的証明書の紛失の危険性や公的証明書を本来の目的外に用いることに対する購入希望者の抵抗感など、購入希望者の負担が軽減される。
【0010】
また、リピート販売が行われる場合、読み出された適格情報は、販売する条件付販売物品に一体化された情報保持媒体に再び書き込まれる(再発行)。この再発行を伴う販売のリピートサイクルにより、購入希望者は、条件付販売物品を所持しているだけで新たな条件付販売物品を繰り返し購入することができるので、購入希望者の負担が一層軽減されるとともに条件付販売物品の消費の拡大が期待できる。
【0011】
請求項2に記載した手段によれば、リピート販売をする際に、適格情報が読み出された情報保持媒体から当該適格情報が消去されるので、販売のリピートサイクルにおいて、適格情報が書き込まれた情報保持媒体を有する条件付販売物品が歯止めなく増大することを防ぐことができる。
【0012】
請求項3に記載した手段によれば、リピート販売をする際に、購入希望者が所持している条件付販売物品に一体化された情報保持媒体(単体であっても条件付販売物品と一体化された状態でもよい)を回収するので、適格情報が書き込まれた情報保持媒体の増大を防ぐことができる。
【0013】
請求項4に記載した手段によれば、条件付販売物品を所持しない購入希望者に条件付販売物品をはじめて販売する際、購入希望者が所持している個人情報記録媒体から個人情報が読み出され、その個人情報に基づいて販売条件を満たしているかどうかが判断される。本システムでは、最初の販売時(初期発行時)に個人情報記録媒体の個人情報に基づいて販売条件を満たす者であるかどうかが判断されるので、販売条件の確認が正確になされる。また、個人情報記録媒体は原則的に初期発行時においてのみ用いられるので、上述した購入希望者の負担が増加することを最小限に抑えられる。
【0014】
請求項5に記載した手段によれば、購入希望者に本人確認情報を入力させ、その本人確認情報と個人情報記録媒体から読み出された個人情報とが所定の関係にある場合に個人情報記録媒体の所持者が本人であると判断されるので、他人の個人情報記録媒体の不正使用を未然に防止することができる。
【0015】
請求項6に記載した手段によれば、条件付販売物品に一体化された情報保持媒体は、書き込まれた適格情報を利用できる有効期限を示す情報を有している。リピート販売時において、情報保持媒体から読み出した上記有効期限が過ぎている場合には、読み出された適格情報を、販売する条件付販売物品の情報保持媒体に書き込まない。これにより、落としたり捨てたりした条件付販売物品を拾った者が、不正にリピート購入できる機会を制限できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。
図1(a)は、条件付物品販売システムのうち発行装置に係る構成を示しており、図1(b)は、条件付物品販売システムのうち販売装置に係る構成を示している。これら発行装置1と販売装置2は、条件付販売物品3を販売する店舗(販売店)に設置されている。発行装置1と販売装置2は、一体として構成しても別体として構成してもよいが、ここでは後述するRFタグリーダライタを共用するために一体に構成している。
【0017】
条件付物品販売システムで販売される条件付販売物品3とは、煙草、酒、特定の書籍などのように購入希望者に販売するのに所定の条件(例えば成人であること)が必要とされる物品である。条件付販売物品3にはRFタグ4(情報保持媒体に相当)が一体化されている。すなわち、条件付販売物品3に対しRFタグ4が容易に分離できない状態に取り付けられており、あるいは条件付販売物品3とRFタグ4とが一体的に製造されている。RFタグ4は周知の構成を備えており、当該条件付物品販売システムにおいては後述する適格情報等が書き込まれるようになっている。
【0018】
図1(a)に示す発行装置1は、カードリーダ5、RFタグリーダライタ6、適格判断部7および発行処理部8を備えている。カードリーダ5は、免許証、住民基本台帳カード、保険証などの個人情報が記録された個人情報記録カード9(個人情報記録媒体に相当)から、磁気的手段、電磁的手段、光学的手段などにより個人情報(生年月日など)を読み出すものである。RFタグリーダライタ6は、上述した条件付販売物品3に一体化されたRFタグ4との間で、適格情報などの情報の書き込みおよび読み出しを行うようになっている。これらカードリーダ5とRFタグリーダライタ6は、マイクロコンピュータからの指令信号により制御されるようになっており、適格判断部7(適格判断手段に相当)と発行処理部8(初期発行手段に相当)は、上記マイクロコンピュータが制御プログラムに従って実行する処理を機能的に表したものである。
【0019】
図1(b)に示す販売装置2は、上記RFタグリーダライタ6、販売可否判断部10および再発行処理部11を備えている。このうち販売可否判断部10(販売可否判断手段に相当)と再発行処理部11(再発行手段に相当)も、マイクロコンピュータが制御プログラムに従って実行する処理を機能的に表したものである。なお、説明する上で複数の条件付販売物品3を区別して表す必要がある場合には、条件付販売物品3a、3b、…として表し、これとともにRFタグ4a、4b…として表す。
【0020】
次に、本条件付物品販売システムにおける発行装置1と販売装置2の処理内容について図2も参照しながら説明する。
図2(a)は、条件付販売物品3を所持していない購入希望者に条件付販売物品3をはじめて販売する際に、発行装置1が実行する初期発行処理のフローチャートであり、図2(b)は、条件付販売物品3を所持している購入希望者に条件付販売物品3をリピート販売する際に、販売装置2が実行する再発行処理のフローチャートである。
【0021】
条件付販売物品3のリピート販売(リピート購入)の際には、購入希望者は個人情報記録カード9を携帯する必要はなく、それに替えて使用済みの条件付販売物品3aを持って販売店に行けばよい。しかし、条件付販売物品3を購入したことがない者あるいは使用済みの条件付販売物品3aを捨ててしまった者は、条件付販売物品3を所持していないため、このような新規購入希望者については個人情報記録カード9を携帯して販売店に行く必要がある。
【0022】
図2(a)において、発行装置1は、カードリーダ5により、個人情報記録カード9から購入希望者の年齢を判断可能な個人情報例えば生年月日を読み出す(ステップS1)。適格判断部7は、この読み出した生年月日に基づいて販売当日における購入希望者の年齢を算出し、購入希望者が販売条件を満たしているかどうか例えば成人であるかどうかを判断する(ステップS2)。
【0023】
ここで、販売条件を満たしている(YES)と判断すると、発行処理部8は、購入希望者が販売条件を満たす者であることが確認されたことを示す適格情報(例えば6桁の所定の数字列からなるコード)、発行フラグ「1」(0:未発行、1:発行済み)および誤り訂正符号を、RFタグリーダライタ6を介して条件付販売物品3に一体化されたRFタグ4に書き込む(ステップS3)。一方、販売条件を満たしていない(NO)と判断すると、その購入希望者への販売はできないため、上記適格情報等の書き込み処理は行わない。
【0024】
さて、購入希望者が使用済みの条件付販売物品3a(例えば煙草の場合であれば空箱)を持って販売店に行き、新たな条件付販売物品3bを購入する際には、図2(b)に示すように、販売装置2は、RFタグリーダライタ6を介して使用済みの条件付販売物品3aに一体化されたRFタグ4aから適格情報等を読み出す(ステップT1)。
【0025】
販売された条件付販売物品3のRFタグ4には、上述したように適格情報に対応したコード、発行されたか否かを示す発行フラグおよび誤り訂正符号が書き込まれている。販売可否判断部10は、誤りのない適格情報等が得られたか否か、つまり読み出した発行フラグが「1」となっており、読み出した適格情報(コード)が正しいものであり、さらに読み出しエラーがないかどうかを判断する。そして、誤りのない適格情報が得られた場合に、その購入希望者に対して新たな条件付販売物品3bを販売可能と判断する(ステップT2)。
【0026】
販売可能(YES)と判断すると、再発行処理部11は、読み出した適格情報(コード)、発行フラグ「1」および誤り訂正符号を、新たに販売する条件付販売物品3bに一体化されたRFタグ4bにRFタグリーダライタ6を用いて書き込む(ステップT3)。一方、適格情報を読み出した結果に誤りがある場合には、販売できない(NO)と判断する。この場合には、新たな条件付販売物品3bの販売は行われず、上記適格情報等の書き込み処理も行わない。
【0027】
以上説明したように、本実施形態によれば、条件付販売物品3に一体化されたRFタグ4に、購入希望者が販売条件を満たす者であることが確認されたことを示す適格情報が書き込まれるので、購入希望者は、証明機関が発行する個人情報記録カード9を携帯せずとも、条件付販売物品3を所持しているだけで販売条件を満たす者であると確認されて条件付販売物品3をリピート購入可能となる。その結果、購入希望者は、購入する度に個人情報記録カード9を携帯する必要がなくなり、個人情報記録カード9の紛失の危険性や個人情報記録カード9を本来の目的外に用いることに対する購入希望者の抵抗感などを軽減できる。
【0028】
リピート販売の際、使用済みの条件付販売物品3aのRFタグ4aから適格情報等が誤りなく読み出されると、販売装置2は、新たに販売する条件付販売物品3bのRFタグ4bにその適格情報等を再び書き込む(再発行する)。この再発行を伴う販売のリピートサイクルにより、購入希望者は、条件付販売物品3aを所持しているだけで新たな条件付販売物品3bを何度でも繰り返し購入することができる。従って、購入希望者の負担が軽減され、条件付販売物品3の消費の拡大が期待できる。
【0029】
条件付販売物品3を所持しない購入希望者に条件付販売物品3をはじめて販売する際に、発行装置1は、購入希望者が所持している個人情報記録カード9から個人情報を読み出し、その個人情報に基づいて販売条件を満たしているかどうかを判断する。そして、販売条件を満たしている場合には、条件付販売物品3に一体化されたRFタグ4に適格情報等を書き込む(初期発行する)。これにより、最初の販売時における販売条件の確認が正確になされる。また、個人情報記録カード9を用いるのは初期発行時のみであるので、個人情報記録カード9の紛失の危険性は最小限に抑えられる。
【0030】
なお、個人情報記録カード9による確認をせずとも購入希望者が販売条件を満たす者であることが確認可能である場合には、たとえ初期発行時であっても個人情報記録カード9から個人情報を読み出す必要はない。例えば、販売店への入店に際し別の方法により購入可能者であることが確認されているような場合には、個人情報記録カード9を用いることなく、購入を希望する条件付販売物品3に対し直ちに初期発行処理を行ってもよい。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図3および図4を参照しながら説明する。
図3は、条件付物品販売システムのうち販売装置に係る構成を示しており、図1(b)と同一構成部分には同一符号を付している。この販売装置12は、図1(b)に示す販売装置2に対し、さらに消去処理部13を付加した構成となっている。この消去処理部13(消去手段に相当)も、マイクロコンピュータが実行する処理を機能的に表したものである。
【0032】
図4は、条件付販売物品3を所持している購入希望者に条件付販売物品3をリピート販売する際に、販売装置2が実行する再発行処理のフローチャートである。図2(b)と同一処理部分には同一のステップ番号を付している。販売可否判断部10がステップT2において販売可能(YES)と判断すると、消去処理部13は、使用済みの条件付販売物品3aに一体化されたRFタグ4aに書き込まれた適格情報を消去し、そのRFタグ4aに発行フラグ「0」(未発行)を書き込む(ステップT11)。その後、ステップT3に移行して再発行処理部11による再発行処理を実行する。このステップT11とT3の処理順序は逆であってもよい。
【0033】
本実施形態によれば、リピート販売をする際に、適格情報を読み出したRFタグ4aから当該適格情報を消去するので、販売のリピートサイクルにおいて、適格情報が書き込まれたRFタグ4を有する条件付販売物品3が歯止めなく増大して拡散することを抑制することができる。その他、第1の実施形態と同様の作用、効果が得られる。
【0034】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図5および図6を参照しながら説明する。
図5は、条件付物品販売システムのうち発行装置に係る構成を示しており、図1(a)と同一構成部分には同一符号を付している。この発行装置14は、図1(a)に示す発行装置に対し、さらに入力装置15と本人確認処理部16を付加した構成となっている。入力装置15(入力手段に相当)は、例えばキー入力装置から構成されており、条件付販売物品3の購入希望者がパスワードを入力するために設けられている。また、本人確認処理部16(本人確認手段に相当)は、マイクロコンピュータが実行する処理を機能的に表している。
【0035】
図6は、条件付販売物品3を所持していない購入希望者に条件付販売物品3をはじめて販売する際に、発行装置14が実行する初期発行処理のフローチャートである。図2(a)と同一処理部分には同一のステップ番号を付している。個人情報記録カード9には、購入希望者の個人情報として生年月日とともにパスワードが記録されている。
【0036】
発行装置14は、ステップS1において個人情報記録カード9から購入希望者の生年月日とパスワードを読み出す。続いて、本人確認処理部16は、購入希望者に入力装置15を用いてパスワード(本人確認情報に相当)を入力させ(ステップS11)、その入力したパスワードと個人情報記録カード9から読み出したパスワードとが一致するか否かを判断する(ステップS12)。ここで、一致する(YES)と判断すると、個人情報記録カード9の所持者が本人であると判断してステップS2の処理に移行する。一方、一致しない(NO)と判断すると、個人情報記録カード9の所持者が本人でないと判断し、その購入希望者への販売を中止し、発行処理部8は適格情報等の書き込み処理を行わない。
【0037】
本実施形態によれば、購入希望者にパスワードを入力させ、その入力したパスワードと個人情報記録カード9から読み出したパスワードとが一致する場合に、個人情報記録カード9の所持者が本人であると判断するので、他人による個人情報記録カード9の不正使用を未然に防止することができる。なお、個人情報記録カード9に記録された個人情報および入力装置15を用いて入力する本人確認情報はパスワードに限られず、例えば指紋であってもよい。
【0038】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について図7および図8を参照しながら説明する。
図7は、条件付物品販売システムのうち販売装置に係る構成を示しており、図1(b)と同一構成部分には同一符号を付している。この販売装置17は、使用済みの条件付販売物品3aを回収する回収ボックス19を備えている。回収ボックス19の上面には、モータ等(図示せず)の駆動力により開閉する蓋19aが設けられており、回収処理部18(回収手段に相当)は、販売可否判断部10による判断結果に応じて蓋19aの開閉を制御するようになっている。
【0039】
図8は、条件付販売物品3を所持している購入希望者に条件付販売物品3をリピート販売する際に、販売装置17が実行する再発行処理のフローチャートである。図2(b)と同一処理部分には同一のステップ番号を付している。回収処理部18は、通常時において上記モータを停止させて蓋19aを閉鎖状態に制御している。販売可否判断部10がステップT2において販売可能(YES)と判断すると、回収処理部18は、上記モータを駆動して蓋19aを開放し、例えば回収ボックス19の上に置かれた使用済みの条件付販売物品3aを回収ボックス19内の回収エリア19bに回収する(ステップT21)。この回収エリア19bには破砕機を設けてもよい。
【0040】
本実施形態によれば、使用済みの条件付販売物品3aを所持する購入希望者に対し新たな条件付販売物品3bを販売する際に、使用済みの条件付販売物品3aを自動的に回収ボックス19に回収するので、購入希望者が使用済みの条件付販売物品3を持ち帰ることがなくなり、条件付販売物品3に一体化されて適格情報が書き込まれたRFタグ4が歯止めなく増大することを防止することができる。
【0041】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について図9を参照しながら説明する。
本実施形態のハードウェア構成は図1(b)に示す構成と同様であるが、条件付販売物品3に一体化されたRFタグ4には、上述した適格情報や発行フラグとともに、その適格情報を利用できる有効期限を示す情報が書き込まれるようになっている。
【0042】
図9は、条件付販売物品3を所持している購入希望者に条件付販売物品3をリピート販売する際の再発行処理のフローチャートである。販売装置2(図1(b)参照)は、RFタグリーダライタ6を介して使用済みの条件付販売物品3aに一体化されたRFタグ4aから上記有効期限を示す情報を読み出す(ステップT31)。販売可否判断部10は、この読み出した有効期限と販売日とを比較して有効期限内か否かを判断する(ステップT32)。
【0043】
ここで、有効期限内(YES)と判断すると、上記RFタグ4aからさらに適格情報等を読み出す(ステップT1)。一方、有効期限を超えている(NO)と判断すると、上記RFタグ4aに書き込まれている適格情報は無効であるとして、新たな条件付販売物品3bの販売を行わない。従って、適格情報が、新たな条件付販売物品3bに一体化されたRFタグ4bに書き込まれることはない。本実施形態によれば、落としたり捨てたりした条件付販売物品3を拾った者が、不正にリピート購入できる機会を制限できる。
【0044】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
情報保持媒体はRFタグ4に限られず、情報の書き込みおよび読み出しが可能な媒体であって条件付販売物品3と一体化可能なものであればよい。
各実施形態を組み合わせて条件付物品販売システムを構成してもよい。
【0045】
上記各実施形態では、購入希望者は1つの使用済み条件付販売物品3aを所持して販売店に行き、1つの新しい条件付販売物品3bを購入する場合について説明したが、1つの使用済み条件付販売物品3aを所持して販売店に行き、複数の新しい条件付販売物品3b、…を購入する場合であってもよい。この場合には、販売する新たな条件付販売物品3b、…のうち少なくとも1つの条件付販売物品3bのRFタグ4bに適格情報等の書き込みを行えばよい。また、複数の使用済み条件付販売物品3a、…を所持して販売店に行き、1つまたは複数の新しい条件付販売物品3b、…を購入する場合であってもよい。この場合には、複数の使用済み条件付販売物品3a、…のうち何れかのRFタグ4aから誤りのない適格情報が得られたときに、新しい条件付販売物品3b、…に適格情報等の書き込みを行えばよい。
【0046】
第3の実施形態において、入力装置15から入力された本人確認情報と個人情報記録カード9から読み出された個人情報とが一致する場合のみならず、両者が所定の関係にある場合に、個人情報記録カード9の所持者が本人であると判断してもよい。
第4の実施形態において、RFタグ4aと一体化された使用済みの条件付販売物品3aを回収したが、分離可能であるならば少なくともRFタグ4aを回収すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態の条件付物品販売システムであって、(a)は発行装置に係る構成を示す図、(b)は販売装置に係る構成を示す図
【図2】(a)は条件付販売物品を所持していない購入希望者にはじめて販売する際に発行装置が実行する初期発行処理のフローチャート、(b)は条件付販売物品を所持している購入希望者にリピート販売する際に販売装置が実行する再発行処理のフローチャート
【図3】本発明の第2の実施形態を示す図1(b)相当図
【図4】図2(b)相当図
【図5】本発明の第3の実施形態を示す図1(a)相当図
【図6】図2(a)相当図
【図7】本発明の第4の実施形態を示す図1(b)相当図
【図8】図2(b)相当図
【図9】本発明の第5の実施形態を示す図2(b)相当図
【符号の説明】
【0048】
図面中、3は条件付販売物品、4はRFタグ(情報保持媒体)、7は適格判断部(適格判断手段)、8は発行処理部(初期発行手段)、9は個人情報記録カード(個人情報記録媒体)、10は販売可否判断部(販売可否判断手段)、11は再発行処理部(再発行手段)、13は消去処理部(消去手段)、15は入力装置15(入力手段)、16は本人確認処理部(本人確認手段)、18は回収処理部(回収手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入希望者が販売条件を満たしていることを示す適格情報の書き込みおよび読み出しが可能な情報保持媒体が一体化してなる条件付販売物品と、
前記条件付販売物品を所持しない購入希望者に前記条件付販売物品をはじめて販売する際に、その購入希望者が販売条件を満たす者であることが確認されたことを示す適格情報を、前記条件付販売物品に一体化された前記情報保持媒体に書き込む初期発行手段と、
前記条件付販売物品を所持している購入希望者に前記条件付販売物品をリピート販売する際に、前記購入希望者が所持している前記条件付販売物品に一体化された前記情報保持媒体から前記適格情報を読み出し、誤りのない適格情報が得られた場合にリピート販売可と判断する販売可否判断手段と、
この販売可否判断手段がリピート販売可と判断したときに、読み出された前記適格情報を、販売される前記条件付販売物品に一体化された前記情報保持媒体に書き込む再発行手段とを備えて構成されたことを特徴とする条件付物品販売システム。
【請求項2】
前記リピート販売において、前記販売可否判断手段がリピート販売可と判断したときに、前記適格情報が読み出された前記情報保持媒体に対して前記適格情報を消去する処理を実行する消去手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の条件付物品販売システム。
【請求項3】
前記リピート販売において、前記販売可否判断手段がリピート販売可と判断したときに、前記購入希望者が所持している前記条件付販売物品に一体化された前記情報保持媒体を回収する回収手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の条件付物品販売システム。
【請求項4】
購入希望者が所持し、当該購入希望者が販売条件を満たしているかどうかを判断することのできる個人情報が記録された個人情報記録媒体と、
この個人情報記録媒体に記録された個人情報を読み出し、販売条件を満たしているかどうかを判断する適格判断手段とを備え、
前記初期発行手段は、前記適格判断手段が販売条件を満たしていると判断した場合に、前記適格情報を、前記条件付販売物品に一体化された前記情報保持媒体に書き込むことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の条件付物品販売システム。
【請求項5】
前記適格判断手段は、
前記個人情報記録媒体から読み出した個人情報のうち、当該購入希望者が知っている少なくとも1つの情報を本人確認情報として入力させる入力手段と、
この入力手段から入力された前記本人確認情報と前記個人情報記録媒体から読み出された個人情報とが所定の関係にある場合に前記個人情報記録媒体の所持者が本人であると判断する本人確認手段とを備え、
前記初期発行手段は、前記適格判断手段が販売条件を満たしていると判断し、さらに前記本人確認手段が前記個人情報記録媒体の所持者が本人であると判断した場合に、前記適格情報を、前記条件付販売物品に一体化された前記情報保持媒体に書き込むことを特徴とする請求項4記載の条件付物品販売システム。
【請求項6】
前記条件付販売物品に一体化された前記情報保持媒体は、書き込まれた前記適格情報を利用できる有効期限を示す情報を有しており、
前記再発行手段は、前記条件付販売物品に一体化された前記情報保持媒体から前記有効期限を読み出し、リピート販売時においてその読み出した有効期限を過ぎている場合には、前記販売可否判断手段により読み出された前記適格情報を、販売される前記条件付販売物品に一体化された前記情報保持媒体に書き込まないことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の条件付物品販売システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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