説明

杭の継手構造

【課題】現場で溶接することなく、しかも継手の組付け状態が維持されやすくする。
【解決手段】上杭1の下端と下杭2の上端とを突き合わせた状態で、上杭1の下端外周部と下杭2の上端外周部とに跨って外嵌自在な中リング10の外周部に、下側ほど小径の外テーパー面9を形成して、周方向に複数に分割して分割中リング10Aを形成し、杭の周方向に沿った溝5とその溝5に係合する係合凸部8とを、上杭1の下端外周部に対して中リング10の内周部、及び、下杭2の上端外周部に対して中リング10の内周部に、夫々振り分けて形成し、中リング10の外テーパー面9に外嵌自在な内テーパー面11を内周部に形成した外リング12を設け、中リング10に対する外リング12の抜け止めを行う抜け止め手段を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
上杭の下端と下杭の上端とを突き合わせた状態で、上杭の下端外周部と下杭の上端外周部とに跨って外嵌自在な中リングを設け、上杭及び下杭に外嵌した中リングの外周部に下側ほど小径の外テーパー面を形成すると共に、周方向に複数に分割して分割中リングを形成し、杭の周方向に沿った溝とその溝に係合する係合凸部とを、上杭の下端外周部に対して中リングの内周部、及び、下杭の上端外周部に対して中リングの内周部に、夫々振り分けて形成し、中リングの外テーパー面に外嵌自在な内テーパー面を内周部に形成した外リングを設け、上杭の下端と下杭の上端とを突き合わせて複数の分割中リングを下端外周部と上端外周部とに亘って係合させた状態で、外リングを中リングに外嵌させることで、上杭と下杭とを連結する杭の継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記杭の継手構造においては、上杭と下杭とに亘って夫々係合させて外嵌させた中リングに、外リングを外嵌することで夫々の嵌合面に形成したテーパー面の作用で締め付けられ、上杭と下杭とが強固に連結するようにしてあった(例えば、文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録 第2502226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の杭の継手構造では、杭の立て込み作業に伴う振動や、外リングの自重で、外リングが脱落して中リングから外れる虞があり、継手組付け現場で、外リングを溶接により固定する必要があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、現場で溶接することなく、しかも継手の組付け状態が維持されやすくするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、上杭の下端と下杭の上端とを突き合わせた状態で、上杭の下端外周部と下杭の上端外周部とに跨って外嵌自在な中リングを設け、上杭及び下杭に外嵌した中リングの外周部に下側ほど小径の外テーパー面を形成すると共に、周方向に複数に分割して分割中リングを形成し、杭の周方向に沿った溝とその溝に係合する係合凸部とを、上杭の下端外周部に対して中リングの内周部、及び、下杭の上端外周部に対して中リングの内周部に、夫々振り分けて形成し、中リングの外テーパー面に外嵌自在な内テーパー面を内周部に形成した外リングを設け、上杭の下端と下杭の上端とを突き合わせて複数の分割中リングを下端外周部と上端外周部とに亘って係合させた状態で、外リングを中リングに外嵌させることで、上杭と下杭とを連結する杭の継手構造であって、中リングに対する外リングの抜け止めを行う抜け止め手段を設けてあるところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、上杭と下杭とを連結させるには、上杭の下端と下杭の上端とを突き合わせて、複数の分割中リングから成る中リングを上杭の下端外周部と下杭の上端外周部とに亘って外嵌させる。その際に、中リングと下端外周部の内の一方に形成した溝に他方に形成した係合凸部を係合させると共に、中リングと上端外周部の内の一方に形成した溝に他方に形成した係合凸部を係合させることで、上杭と下杭とは中リングを介して係合連結する。そして、中リングに外リングを外嵌させることで、中リングの外テーパー面に、外リングの内テーパー面が圧接して、外リングによって中リングが締め付けられて上杭と下杭との連結が確実になる。
更に、中リングに対して外リングが抜け止め手段により抜け止めされるので、中リングから外リングが脱落するのを防止できる。
従って、上杭と下杭の連結は、現場での溶接を使わない機械的な連結で可能となるのみならず、その状態を、維持しやすくなった。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記抜け止め手段を構成するに、抜け止め突起とその抜け止め突起が係止する係止部とを、外リングと中リングとの夫々の杭軸心方向の一部に振り分けて設けてあるところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、中リングに外リングを外嵌させる際に、両リングの一方に形成した抜け止め突起を他方に形成した係止部に係止させることで、中リングから外リングが脱落するのを防止できる。
従って、簡単な構造と中リングに外リングを外嵌させるだけの簡単な操作で、杭の連結状態が維持できる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記外リングと前記中リングとを、相互の嵌め込みに伴う上杭と下杭の連結強度が所定値になるような両者の嵌合位置で、前記係止部に前記抜け止め突起が係止するように設定してあるところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、前記外リングと前記中リングとを、相互の嵌め込みに伴う上杭と下杭の連結強度が所定値になるような両者の嵌合位置で、前記係止部に前記抜け止め突起が係止するように設定してあることにより、前記係止部と前記抜け止め突起とを単純に係止しあうように、前記外リングと前記中リングとを嵌合操作するだけで、両リングによる上杭と下杭の連結強度が所定値になることが保証される。
従って、外リングによる中リング締め付け力を安定的に確保しながら、外リングが中リングから外れる虞を防止できる。
【0012】
本発明の第4の特徴構成は、係止部を凹部で形成して、前記外リングと前記中リングの内の一方に設けると共に、前記抜け止め突起を前記外リングと前記中リングの内の他方に設けてあることにある。
【0013】
本発明の第4の特徴構成によれば、中リングに外リングを嵌め込むに伴って、外リングと中リングの内の一方に設けてある抜け止め突起を、他方に設けた凹部に係合させることで、外リングが中リングから外れる虞を防止でき、しかも、簡単な加工で所定の締付け強度の確認ができる。
【0014】
本発明の第5の特徴構成は係止部を、外リング又は中リングの内の一方の嵌合方向の後端面に形成し、抜け止め突起を、外リング又は中リングの内の他方に設けてあることにある。
【0015】
本発明の第5の特徴構成によれば、抜け止め突起が係止する係止部を、凹部で形成しなくても、外リング又は中リングの内の一方の嵌合方向の後端面に形成することによって、加工手間を凹部に比べて少なくできる。
【0016】
本発明の第6の特徴構成は、前記抜け止め手段を構成するに、前記外リングに対して径方向に貫通する嵌入具を設け、前記嵌入具の係止する係止部を前記中リングに設けてあるところにある。
【0017】
本発明の第6の特徴構成によれば、中リングに対し外リングを外嵌する際には、引っ掛かりなくスムーズに嵌合できながら、外リングに貫通するまで嵌入具を嵌入させて中リングの係止部に係止させることで、中リングに対して外リングは確実に外れることなく保持される。
【0018】
本発明の第7の特徴構成は、中リングと外リングとの相互の嵌合に伴う両者間の締め込み過ぎを防止する拘束手段を設けてあることにある。
【0019】
本発明の第7の特徴構成によれば、拘束手段により、中リングに外リングを嵌め込み過ぎに伴って両者間を締め込み過ぎて外リングに過負荷がかかり、外リングが破損する危険性が生じるのを防止できる。
【0020】
本発明の第8の特徴構成は、前記外リングの上端内周部または前記中リングの下端外周部に、前記外リングと前記中リングの相互の嵌合操作を案内する案内ガイド部を形成してあることにある。
【0021】
本発明の第8の特徴構成によれば、案内ガイド部によって、外リングと中リングの嵌合操作がよりスムーズにいく。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態で説明する分解斜視図
【図2】実施形態の要部縦断面図
【図3】別実施形態の要部縦断面図
【図4】別実施形態の要部縦断面図
【図5】別実施形態の要部縦断面図
【図6】別実施形態の要部縦断面図
【図7】別実施形態の要部縦断面図
【図8】別実施形態の要部縦断面図
【図9】別実施形態の要部縦断面図
【図10】別実施形態の要部縦断面図
【図11】別実施形態の要部縦断面図
【図12】別実施形態の要部縦断面図
【図13】別実施形態の要部縦断面図
【図14】別実施形態の要部縦断面図
【図15】別実施形態の要部縦断面図
【図16】別実施形態の要部縦断面図
【図17】別実施形態の要部縦断面図
【図18】別実施形態の分解斜視図
【図19】別実施形態の要部縦断面図
【図20】別実施形態の要部縦断面図
【図21】別実施形態の要部縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1、図2に示すように、鋼管から成る上杭1と下杭2とを連結するに当たり、上杭1の下端外周部に周方向に沿った第1溝3を設けると共に、下杭2の上端外周部に周方向に沿った第2溝4を設け、第1溝3に係合する第1係合凸部6と第2溝4に係合する第2係合凸部7とを内周部に形成し、且つ、第2係合凸部7側ほど小径の外テーパー面9を外周部に形成した鋼製の中リング10を、周方向に複数に分割して分割中リング10Aを形成し、中リング10の外テーパー面9に外嵌自在な内テーパー面11を内周部に形成した一連の外リング12を鋼製で設け、上杭1の下端と下杭2の上端とを突き合わせて複数の分割中リング10Aを下端外周部と上端外周部とに亘って係合させた状態で、外リング12を中リング10に外嵌させることで、上杭1と下杭2とを連結する杭の継手構造を構成してある。
【0025】
前記上杭1は、鋼製の杭本体部13と、その杭本体部13の下端部に溶接により予め一体化してある鋼製の第1内リング部14とから構成し、その第1内リング部14に第1溝3が2本全周に形成してある。
前記下杭2は、前記上杭1と同様に、鋼製の杭本体部13と、その杭本体部13の上端部に溶接により予め一体化してある鋼製の第2内リング部15とから構成し、その第2内リング部15に第2溝4が2本全周に形成してある。
【0026】
前記第1内リング部14及び第2内リング部15には、図1及び図2に示すように、夫々一端面部に杭本体部13と溶接するための開先を設け、夫々の他端面部には、周方向に一定間隔置きに回り止めピン20を嵌入させるための同径(13φ)の回り止め用穴21を形成し、回り止めピン20は、長手方向の一方側を回り止め用穴21と同径(13φ)の大径部20Aに形成すると共に、他方側を1mm小さい径(12mm)の小径部20Bに形成してある。
そして、上杭1と下杭2を突き合わせる際には、一方の他端面部の回り止め用穴21に、予め回り止めピン20の大径部20Aを嵌入させて抜けにくくしておいて、他方の他端面部の回り止め用穴21に、回り止めピン20の小径部20Bを嵌合させることにより、上杭1と下杭2とを位置合わせするようにしてある。
これにより、上杭1と下杭2とは、相対的に軸心周りに回ることはなくなり、上杭1と下杭2とを軸心周りに一体的に駆動回転させながら立て込み作業をする時に有効になる。
【0027】
尚、前記第1溝3と第2溝4とを中リング10の内周部に形成すると共に、前記第1係合凸部6と第2係合凸部7とを第1内リング部14と第2内リング部15に振り分けて設けてあっても良く、第1溝3と第2溝4とを、溝5と総称し、第1係合凸部6と第2係合凸部7とを、係合凸部8と総称する。
また、溝5と係合凸部8とを中リング10に並べて設けると共に、それに対応する係合凸部8と溝5とを、第1内リング部14と第2内リング部15とに振り分けて設けてあっても良い。
【0028】
以下、中リング10の嵌め込み方向の後端とは上端、先端とは下端のことをいい、外リング12の嵌め込み方向の後端とは下端、先端とは上端のことをいう。
【0029】
前記中リング10に対する外リング12の抜け止めを行うために、縦断面台形の抜け止め突起16を、中リング10の外周部で外リング12に対する嵌め込み方向の後端側に、全周に亘って連続して設け、その抜け止め突起16が係止する係止部17を、凹部で形成して外リング12の内周部で中リング10に対する嵌めこみ方向の先端側に、全周に亘って設けてある。
【0030】
抜け止め突起16と係止部17とが係止することで、上杭と下杭の連結強度が設定値になる。ここで、連結強度とは、連結した上下杭に引張り、曲げ荷重が負荷された時に持ちこたえる杭の継手強度である。
【0031】
前記外リング12の内周部で凹部よりも嵌め込み方向の先端側には、内テーパー面11よりも傾斜の急な案内ガイド部18を設けて、中リング10に外リング12を嵌合させるに伴って、両リング10,12の互いの嵌合がスムーズにひっかかり無く行えるようにしてあると同時に、特に図2、図3の場合、抜け止め突起16が凹部に係入しやすくなる効果もある。
【0032】
[第2実施形態]
図3に示すように、第1実施形態の構造に加えて、外リング12には、中リング10に対する外リング12の嵌め込み過ぎを阻止する拘束手段としてストッパー部19を、嵌め込み方向の後端部に、内側に向けて突出する状態で設けてある。これにより、外リング12の嵌合が進みすぎて中リング10を締め過ぎて、外リング12に過負荷がかかるのを防止するようにしてある。
【0033】
その上、ストッパー部19に中リング10の下端が当接する時の上杭と下杭の連結強度が、設計値になるようにした場合、ストッパー部19が有る事で、その上杭と下杭の連結強度が設計値通りになった事を確認できる。
【0034】
[第3実施形態]
図4に示すように、係止部17を抜け止め突起16が係合自在な凹部で形成して、中リング10の外周部で外リング12に対する嵌め込み方向の先端側に設けると共に、抜け止め突起16を外リング12の内周部で中リング10に対する嵌め込み方向の後端側に設け、中リング10の外周部で凹部よりも嵌め込み方向の先端側に、外テーパー面9よりも傾斜の急な案内ガイド部18を設け、中リング10に対する外リング12の嵌め込み過ぎを阻止するストッパー部19を、中リング10の嵌め込み方向の後端部に、外径側に突出させて設けてある。
【0035】
その上、ストッパー部19と外リング12の上端が当接する時の上杭と下杭の連結強度が、設計値になるようにした場合、ストッパー部が有る事で、その上杭と下杭の連結強度が設計値通りになった事を確認できる。
【0036】
[第4実施形態]
係止部17を、外リング12又は中リング10の内の一方の嵌合方向の後端面に形成し、抜け止め突起16を、外リング12又は中リング10の内の他方の嵌合方向の先端側に設けてあってもよく、図5に示すように、この場合は、中リング10の上端面を係止部17に形成し、その係止部17に係止する抜け止め突起16を外リング12の上端側に形成し、突起案内ガイドを中リング10の上端側の周部に形成してある。
尚、ストッパー部19は、外リング12の下端部に配置してある。
【0037】
[第5実施形態]
前記中リング10に対する外リング12の抜け止めを行うための抜け止め手段として、前述の抜け止め突起16と係止部17の組み合わせに代えて、図17、図18に示す別実施形態では、外リング12の周部4箇所に貫通するメネジ孔25を設け、そのメネジ孔25に螺着自在なボルト26を設け、ボルト26の係止する係止部を中リング10の上端部に形成してある。
つまり、中リング10に対して外リング12を外嵌する際には、両者間には引っ掛かりなく相互にスムーズに嵌合でき、その嵌合後に、ボルト26をその先端部が外リング12のメネジ孔25を挿通するまで螺合させ、ボルト26の先端部を中リング10の上端部に係止させて、外リング12の確実な抜け止めを果たす。図中の27は、溶接時の裏当てリングである。
尚、ボルト26が係止する中リング10の係止部は、図17に示す中リング10の上端面に限らず、図19に示すように、中リング10の外周部に設けたボルト26の凹入可能な係止凹部28であっても良い。
【0038】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記抜け止め突起16は、全周に亘って設ける以外に、周方向に不連続なイボ状に設けてあっても良い。
〈2〉 前記抜け止め突起16は、縦断面形状が台形以外に、半円形でもよく、図5に示すように、嵌め込み方向の先端側ほど後端側よりも緩傾斜の面にしてあってもよく、この場合、抜け止め突起16を凹部に入れやすく、しかも、はめ込みすぎを防止するストッパー部19としての機能も具備する。
〈3〉 前記杭本体部13は、鋼製に代えて、コンクリート製のものであっても良い。
〈4〉 前記係止部17と抜け止め突起16との係合部は、外リング12と中リング10の杭軸方向の中間位置にあってもよい。
〈5〉 前記係止部17と抜け止め突起16は、図6〜図16に示すように、凹部からなる係止部17と抜け止め突起16との組み合わせの他、嵌合方向の後端面からなる係止部17と抜け止め突起16との組み合わせを、外リング12と中リング10に別々に振り分けて設けてあればよい。
〈6〉 また、ストッパー部19は、図3,4,5,15,16に示すように、外リング12の後端部、中リング10の後端部に設けるものでもよい。
〈7〉 ストッパー部19とテーパー状の案内ガイド部18とは、どちらか一方だけを設けてあってもよく、又は、両方を設けてあっても良い。
〈8〉 前記抜け止め手段として、前記ボルト26に代えて、図20、図21に示すように、外リング12に形成した貫通孔28に貫通させる抜け止めピン29、30を設け、その抜け止めピン29が係止する係止部を中リング10の上端部に形成してあってもよく、図20の抜け止めピン29は、先端部に係止突起31を形成し、その係止突起31が係止する被係止段部32を中リング10に形成し、図21の抜け止めピン30は、先端部にスリット33を形成し、中リング10には、抜け止めピン30の先端部が嵌入可能な凹部34を形成すると共に、抜け止めピン30を凹部34に嵌入させるに伴ってスリット33を開ける突起35を、前記凹部34内に設けて、抜け止めピン30が抜けないように構成してある。そこで、前記ボルト26及び抜け止めピン29,30を嵌入具と総称する。
【0039】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
1 上杭
2 下杭
5 溝
8 係合凸部
9 外テーパー面
10 中リング
10A 分割中リング
11 内テーパー面
12 外リング
16 抜け止め突起
17 係止部
18 案内ガイド部
19 ストッパー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上杭の下端と下杭の上端とを突き合わせた状態で、上杭の下端外周部と下杭の上端外周部とに跨って外嵌自在な中リングを設け、上杭及び下杭に外嵌した前記中リングの外周部に下側ほど小径の外テーパー面を形成すると共に、周方向に複数に分割して分割中リングを形成し、杭の周方向に沿った溝とその溝に係合する係合凸部とを、上杭の下端外周部に対して前記中リングの内周部、及び、下杭の上端外周部に対して前記中リングの内周部に、夫々振り分けて形成し、前記中リングの外テーパー面に外嵌自在な内テーパー面を内周部に形成した外リングを設け、上杭の下端と下杭の上端とを突き合わせて複数の分割中リングを下端外周部と上端外周部とに亘って係合させた状態で、前記外リングを前記中リングに外嵌させることで、上杭と下杭とを連結する杭の継手構造であって、前記中リングに対する前記外リングの抜け止めを行う抜け止め手段を設けてある杭の継手構造。
【請求項2】
前記抜け止め手段を構成するのに、抜け止め突起とその抜け止め突起が係止する係止部とを、前記外リングと前記中リングとの夫々の杭軸心方向の一部に振り分けて設けてある請求項1に記載の杭の継手構造。
【請求項3】
前記外リングと前記中リングとを、相互の嵌め込みに伴う上杭と下杭の連結強度が所定値になるような両者の嵌合位置で、前記係止部に前記抜け止め突起が係止するように設定してある請求項2に記載の杭の継手構造。
【請求項4】
前記係止部を凹部で形成して、前記外リングと前記中リングの内の一方に設けると共に、前記抜け止め突起を前記外リングと前記中リングの内の他方に設けてある請求項3に記載の杭の継手構造。
【請求項5】
前記係止部を、前記外リング又は前記中リングの内の一方の嵌合方向の後端面に形成し、前記抜け止め突起を、前記外リング又は前記中リングの内の他方に設けてある請求項3に記載の杭の継手構造。
【請求項6】
前記抜け止め手段を構成するに、前記外リングに対して径方向に貫通する嵌入具を設け、前記嵌入具の係止する係止部を前記中リングに設けてある請求項1に記載の杭の継手構造。
【請求項7】
前記中リングと前記外リングとの相互の嵌合に伴う両者間の締め込み過ぎを防止する拘束手段を設けてある請求項1〜6のいずれか1項に記載の杭の継手構造。
【請求項8】
前記外リングの上端内周部または前記中リングの下端外周部に、前記外リングと前記中リングの相互の嵌合操作を案内する案内ガイド部を形成してある請求項1〜7のいずれか一項に記載の杭の継手構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−180693(P2010−180693A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286736(P2009−286736)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】