説明

板紙ベースの飲料容器

内部容積を規定する少なくとも1つの壁及び該内部容積への開口を含む容器であって、該壁は内部表面及び外部表面を規定し且つ第1層、板紙を含み該外部表面を規定する第2層並びに該第1層及び該第2層の間に配置される接着層を含む層状構造として形成され、20分間の間、該外部表面の300平方センチメートル当たり該壁上に多くとも0.15グラムの表面凝縮を形成し、該20分間の間は、内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填して始まる一方、充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権]
この出願は、全ての内容がここに参照により組み込まれる2009年5月5日に提出された米国出願番号第61/175569号明細書及び2009年12月18日に提出された米国出願番号第61/287990号明細書により優先権を主張する。
【0002】
この出願は、例えば、飲料カップのような、板紙ベースの飲料容器に関し、並びに、より詳しくは、断熱された板紙ベースの飲料容器に関し、さらにより詳しくは、凝縮物形成を減少させるか又は排除する断熱された板紙ベースの飲料容器に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば飲料カップのような、飲料容器が、例えばソーダ及びアイスティーのような冷たい飲料を含む、及び、例えばコーヒー及びティーのような温かい飲料を含む、様々な飲料を保持するために使用される。冷たい飲料は、典型的には、氷と共に出されるので、周囲空気中の湿度により、飲料容器の外部表面上に液滴の形成(すなわち、凝縮)がなされる。そのような凝縮は、飲料容器をしっかりと掴む使用者の能力を阻害し、特に、自動車を操作している際に飲料が消費されるときに、予想外にこぼすことに繋がるかもしれない。さらに、飲料容器の外部表面上の凝縮の形成は、飲料容器を支持する表面の凝縮の望まない滞留につながるかもしれず、それにより潜在的に表面を損傷する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、当業者は、飲料容器の分野において、革新を継続している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様において、開示された飲料容器は、内部容積及び該内部容積への開口を規定する少なくとも1つの壁を含み、該壁は内部表面及び外部表面を規定し、且つ第1層、板紙を含み該外部表面を規定する第2層、並びに該第1層及び該第2層の間に配置される接着層を含む層状構造として形成され、20分間の間、該外部表面の300平方センチメートル当たり該壁上に多くとも0.15グラムの表面凝縮を形成し、該20分間の間は、内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填して始まる一方、充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒される。
【0006】
別の態様において、開示された飲料容器は、内部容積及び該内部容積への開口を規定する少なくとも1つの壁を含み、該壁は内部表面及び外部表面を規定し、且つ第1層、板紙を含み該外部表面を規定する第2層、並びに該第1層及び該第2層の間に配置される接着層を含む層状構造として形成され、40分間の間、該外部表面の300平方センチメートル当たり該壁上に多くとも0.4グラムの表面凝縮を形成し、該40分間の間は、内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填して始まる一方、充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒される。
【0007】
別の態様において、開示された飲料容器は、内部容積及び該内部容積への開口を規定する少なくとも1つの壁を含み、該壁は内部表面及び外部表面を規定し、且つ第1層、板紙を含み該外側表面を規定する第2層、並びに該第1層及び該第2層の間に配置される接着層を含む層状構造として形成され、20分間の間、該外部表面の300平方センチメートル当たり該壁上に多くとも0.3グラムの表面凝縮を形成し、該20分間の間は、内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填した後20分間が始まる一方、充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒される。
【0008】
別の態様において、開示された飲料容器は、垂直軸、内部容積及び該内部容積への開口を規定する少なくとも1つの壁を含み、該壁は内部表面及び外部表面を規定し、ここで、2時間の間、該外部表面の300平方センチメートル当たり該壁上に多くとも0.5グラムの表面凝縮を形成し、該2時間の間は、内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填して始まる一方、充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒され、並びに、ここで容器は、該2時間の間の後すぐに少なくとも2.5ポンドの圧縮力を有し、該圧縮力は垂直軸に垂直な方向に5%の歪みで計測される。
【0009】
さらに別の態様において、飲料容器を作るために開示された方法は、(1)板紙の第1層及び板紙の第2層を提供すること、(2)該第1及び第2層の間に、層状構造を形成するために、接着材料を配置することであって、該接着材料は約0.3〜約0.5の範囲の疑似塑性指数を有すること、(3)内部容積及び該内部容積への開口を規定する層状構造を成形することであって、該層状構造が内部表面及び外部表面を有すること、並びに(4)該接着材料を乾燥させることであって、ここで、20分間の間、該外部表面の300平方センチメートル当たり該壁上に多くとも0.15グラムの表面凝縮を形成し、該20分間の間は、内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填して始まる一方、充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒されることを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】開示された板紙ベースの飲料容器の1つの態様の、断面の、正面図である。
【図2】図1の板紙ベースの飲料容器の側壁の一部の断面図である。
【図3】開示の1つの代替的な態様に従った飲料容器の側壁の一部の断面図である。
【図4】開示の1つの態様に従った飲料容器の凝縮形成対時間のグラフを示す図である。
【図5】開示の別の態様に従ったエンボスされた外部表面を有する飲料容器の凝縮形成対時間のグラフを示す図である。
【図6】開示のさらに別の態様に従った木含有外側層を有する飲料容器の凝縮形成対時間のグラフを示す図である。
【図7】図5の飲料容器上の圧縮力対凝縮形成のグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照して、通常10で示される、開示された板紙ベースの飲料容器の1つの態様では、例えば12オンス、16オンス、21オンス又は24オンスの使い捨てテイクアウトカップのような、カップとして形成されることができる。飲料容器10は、上端部14及び下端部16を有する円錐台の側壁12、及び下端部16に接続された底壁18を含むことができ、飲料容器10内の内部容積20を規定する。側壁12の上端部14は、内部容積20への開口22を規定することができる。任意選択的に、側壁12の上端部14は、追加的に、(示されていない)蓋等を飲料容器10に固定するためのリップ23を含むことができる。
【0012】
当業者は、開示された飲料容器10は様々な形状及び寸法で形成されることができ、現開示の範囲を離れることなく、上で議論された側及び底壁12、18よりも少ない壁又は多い壁で形成されることを、理解しうる。
【0013】
図2で示されているように、側壁12は、第1層24、第2層26及び接着層28を有する層状構造として形成されることができる。第1層24は、内側表面30及び外側表面32を含むことができ、ここで第1層24の内側表面30は、飲料容器10の内部表面34を規定(又は近接)することができる。第2層26は、内側表面36及び外側表面38を含むことができ、ここで第2層26の外側層38は、飲料容器10の外部表面40を規定することができる。
【0014】
1つの態様において、接着層28が第1層24の外側表面32と第2層26の内側表面36の両方に接続されるように、接着層28は、第1及び第2層24、26の間に配置されることができる。別の態様において、接着層28が、第2層26の内側表面36及び任意選択追加層の1つの(示されていない)外側表面に接続されることができるように任意選択の(示されていない)追加層が、第1層24と接着層28の間に配置されることができる。
【0015】
図3に示されているように、1つの任意選択的な態様において、第1層24の内側表面は、防湿層42でコートされることができ、それにより、飲料容器10の内部容積20が(示されていない)飲料で満たされたときに、湿気に耐性がある、飲料容器10の側壁12の内部表面34にできる。例えば、防湿層42は、ラミネート、押出コートされるか、又は第1層24の内側表面に(例えば、接着剤を)接続されたポリエチレンの層であることができ(又は含めることができる)。防湿層42において有用な他の防湿材料が、従来技術で知られており、商業的に利用可能である。
【0016】
第1層24は、側壁12に形付けられることができる材料のシートであってよい。第1層24は、厚さTを有することができ、飲料が内部容積20に受容されたときに、飲料容器10を所望の形状に維持するために、飲料容器10に十分な構造的完全性を与える十分な剛性を有することができる。例えば、第1層24は、例えば板紙のような、再利用可能な材料から、又は、例えば、ポリカーボネート又はポリエチレンテレフタレートのような、ポリマー材料から形成されることができ、少なくとも約6ポイント、例えば約8〜約24ポイントの、厚さを有することができる。
【0017】
第2層26は、板紙のシートから形成されることができ、それは、漂白されているか、又は非漂白のものであることができ、3000平方フィート当たり少なくとも約85ポンドの基礎重量で、少なくとも約6ポイントの厚さTであってよい。例えば、第2層26は、例えばライナーボード又は固体漂白サルフェート(SBS)のような、板紙から形成されることができ、3000平方フィート当たり約180〜約270ポンドの範囲の基礎重量で約8〜約36ポイントの範囲の厚さTを有することができる。
【0018】
この点で、当業者は、第2層26を形成するために使用される板紙は、様々な構成要素を含むことができ、セルロース繊維に加えて任意選択的な添加物を含むことができる。例えば、第2層26は、1つ又はそれ以上の以下のもの:結合剤、充填剤、有機顔料、無機顔料、中空プラスチック顔料、膨張可能マイクロスフェア、及び例えば、化学的膨張剤のような、膨張剤、を任意選択的に含むことができる。
【0019】
1つの任意選択的な態様において、第2層26を形成するために使用される板紙は、そこに分散される粉末木材粒子を含むことができる。任意の特定の理論に限定されることなしに、第2層26の粉末木材粒子は、外部表面40上に形成された凝縮の第2層26及び接着層28への吸収を促すと信じられている。
【0020】
別の任意選択的な態様において、第2層26の外側表面38は、テクスチャーをもたせることができ、飲料容器10の外部表面40を握る能力、及び容器10の湿気吸収特性を改善できる。表面38にテクスチャーをもたせるための1つの技術には、外部表面38をエンボスすることが挙げられる。熟練した職人は様々なテクスチャーパターンを思いつくことができ、有用なテクスチャー/エンボスパターンの例として、チェックパターン、連続水平線、連続垂直線、及び飲料容器10の垂直軸に対して非直交角度に配置された連続線が挙げられる。
【0021】
このように、当業者は、容器10の外部表面40は、本願の開示の範囲を離れることなく、様々な特徴、形状、輪郭、構造を有することができることを理解しうる。
【0022】
第2層26は、側壁12の外部表面40上に形成する湿気(すなわち、凝縮)が側壁12の第2層26及び接着層28へ移動することを最大化するように設計されることができる。例えば、第2層26の内側及び外側表面36、38の両方の表面サイジング及び気孔率は、湿気(すなわち、凝縮)吸収を最大化し、凝縮形成の負の効果を最小化するように設計されることができる。
【0023】
1つの特定の態様において、第2層26の内側及び外側表面36、38の表面サイジングは、内側表面36が、外側表面38のハーキュリースサイジングよりも少ないハーキュリースサイジングを有するように制御されることができる。例えば、第2層26の内側及び外側表面36、38の表面サイジングは、外側表面38が約100〜約150ハーキュリース単位の範囲内のサイジングを有する一方、内側表面36が約30〜約80ハーキュリース単位の範囲内のサイジングを有するように、制御されることができる。
【0024】
別の特定の態様において、第2層26の内側及び外側表面36、38の気孔率は、内側表面36が外側表面38のガーレー気孔率よりも少ないガーレー気孔率を有するように制御されることができる(すなわち、内側表面36上及び外側表面38上に大きな気孔容積がある)。例えば、第2層26の内側及び外側表面36、38の気孔率は、外側表面38が約40ガーレー単位(400ccテスト)を有する一方、内側表面36が約20ガーレー単位(400ccテスト)を有するように、制御されることができる。
【0025】
この点で、当業者は、表面サイジングは、例えばアルキルケテン二量体のような、様々なサイジング剤を使用して制御されることができることを理解しうる。さらに、当業者は、湿気吸収に関する他の特性、例えば気孔率は、例えば織物の形成、プレス、及び乾燥の選択を調節するような、板紙製造工程を調節することにより達成されることができることを理解しうる。
【0026】
従って、第2層26の内側及び外側表面36、38の両方の表面サイジング及び気孔率を調節することにより、湿気吸収率が制御されることができる。例えば、外側表面38で0.02〜0.1g/cm/minの湿気吸収率、内側表面36で0.03〜0.2g/cm/minの湿気吸収率が達成されることができる。
【0027】
上で言及したように、第2層26の外側表面38は、エンボスされることができ、それにより、凝縮吸収のための追加的な表面領域を提供することができる。例えば、エンボスされた表面のトポグラフィは、エンボスされた表面に接触する指の領域が、指の下のコンテナー10の全表面の20%になるように構成されることができる。エンボスされた窪みの形状は、エンボスされた構造のピック上の気孔率が、エンボスされた構造の谷の中よりも30%大きいような方法で、設計されることができる。エンボス構造のピーク領域中にデザインされたストレスの集中のため、気孔率の増加を起こすことができる一方、ピックのより大きな曲がりはそのピック領域をより低い気孔率にする。
【0028】
接着層28は、第2層を下層(例えば、第1層24)に結合する熱的に絶縁された材料の層であることができる。接着層26の厚みTは、約0.05ミリメートル〜約5ミリメートルまでの範囲にあることができる。もちろん、当業者は、より大きな絶縁が望ましいとき、より大きな厚みTが使用されてもよいことを理解しうる。
【0029】
もし、それが第2層26の厚みの単位あたりの絶縁R−値よりも大きな厚みの単位あたりの絶縁R−値を有しているなら、接着層28は、熱的に絶縁であるとみなされることができる。例えば、接着層28の厚みの単位あたりの絶縁R−値と第2層26の厚みの単位あたりの絶縁R−値との比は少なくとも約1.25:1、例えば、2:1又は3:1にすらなることができる。
【0030】
接着層28は、第2層26の内側表面の全て、又は一部のみを覆うことができる。一例として、接着層28は、第2層26の内側表面36の表面領域の約20%から約100%を覆うことができる。別の例として、接着層28は、第2層26の内側表面36の表面領域の約20%から約80%を覆うことができる。さらに別の例として、接着層28は、第2層26の内側表面36の表面領域の約40%から約60%を覆うことができる。さらに別の例として、接着層28は、第2層26の内側表面36の表面領域の約50%を覆うことができる。
【0031】
接着層28が、第2層26の内側表面36の全てよりも少なく覆う場合には、接着層28は、内側表面36にランダムに又は様々なパターンのいずれかで貼り付けられることができる。当業者は、例えば垂直なストリップ(真っ直ぐ又は波状のいずれか)のような、あるパターンは、飲料容器10の全構造完全性を増大させることを理解しうる。
【0032】
1つの態様において、接着層28は、有機結合剤及び充填剤を含む複合材料として形成されることができる。有機結合剤は、接着層28の15〜70重量%を構成することができ、充填剤は、接着層28の2〜70重量%を構成することができる。
【0033】
複合接着層28の有機結合剤は、第2層26を下層(例えば第1層24)に結合する能力のある任意の材料、混合物又は分散系であることができる。有機結合剤は絶縁特性を有することもできる。適した有機結合剤の例には、例えばスチレン−ブタジエンラテックス及びアクリックラテックスのようなラテックス類、非ゼラチン化スターチのようなスターチ、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、及び混合物及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
複合接着層28の充填剤は、有機充填剤、無機充填剤、又は有機及び無機充填剤の組み合わせであることができる。有機充填剤には、ハード(hard)有機充填剤及びソフト(soft)有機充填剤が挙げられる。適したハード有機充填剤の例には、セルロースパルプ、パールスターチ、合成繊維(例えば、レイヨン繊維)、グルテン飼料、コーンシードスキン、及びケナフコア(植物材料)が挙げられる。適した無機充填剤には、カルシウムカーボネイト、クレイ、パーライト、セラミック粒子、ジプサム及びプラスターが挙げられる。例えば、有機充填剤は、複合接着層28の2〜70重量%を構成し、無機充填材料は、複合接着層28の0〜30重量%を構成することができる。
【0035】
充填剤の全て又は一部は、相対的に高い粒子サイズ(例えば500ミクロン又はそれ以上)を有することができる。高い粒子サイズの充填剤材料の使用は、接着層28の厚みTを増大させることができ、それにより、接着層28の絶縁特性を改善するスペーサーとして作用する。例えば、接着層28は、有機結合剤、及び少なくとも500ミクロン、例えば約1000〜約2000ミクロンの平均粒子サイズを有する、例えばおがくずのような、ハード有機充填剤を含む複合材料として形成されることができる。
【0036】
1つの特定の態様において、接着層28はフォームであることができる。フォームは、貼り付ける前に接着層28の構成要素を機械的に泡立たせることにより形成されることができる。任意選択的に、フォーム形成剤は、フォーム形成を促進する接着層製剤に含まれることができる。1つの例として、接着層28のフォームの10〜60%は、開放ボイドであることができ、それにより飲料容器10の外部表面40からの湿気の吸収を容易にすることができる。別の例として、接着層28の10〜30%は、開放ボイドであることができる。
【0037】
別の特定の態様において、接着層28は、ここに記載されているような、結合剤−充填剤製剤から形成されることができ、ここで、製剤は、0.3〜0.5の範囲の疑似塑性指数を有することができる。そのような範囲は、少ない粘性で剤形を適用するための能力を維持しながら、十分に小さな厚みTを備えた接着層28を提供する。例えば、製剤は、2000〜50000センチポイズの範囲の低いせん断粘性を有することができ、100〜5000センチポイズの範囲の高いせん断粘性を有することができる。
【0038】
一つの任意選択肢として、接着層28は、追加的に、可塑剤を含むことができる。可塑剤は、接着層28の0.5〜10重量%を構成することができる。適した可塑剤の例としては、ソルビトール、エムタール(Emtal)乳化脂肪酸及びグリセリンが挙げられる。
【0039】
別の任意選択肢として、接着層28は、追加的に、ケイ酸ナトリウムを含むことができ、それは充填剤として作用しうるが、乾燥工程中結合剤の粘性を迅速に増加させることにより結合及び硬化を助けると信じられている。ケイ酸ナトリウムは、接着層28の0〜15重量%、例えば、接着層28の約1〜約5重量%を構成することができる。
【0040】
当業者は、初期工程の後、接着層28は、約10〜15重量%の平衡水分を維持してもよいことを理解しうる。
【0041】
この点において、当業者は、接着層を形成する材料が、生分解性になるように製剤されることができることを理解しうる。
【0042】
実施例
実施例1−4
接着層28を形成するために適した4つのサンプル複合接着材料(Nos.1−4)が調製された。製剤は、表1に提供されている。
【表1】

【0043】
製剤番号1−4は、約0.3〜約0.5の範囲の疑似可塑指数を有するフォームを形成するように機械的に泡立てられた。
【0044】
接着層28を形成するための追加の製剤、並びに側壁12を形成するための適した方法は、2009年5月5日に提出された米国出願第61/175569号明細書に開示されており、その全内容がここに参照により組み込まれる。
【0045】
実施例5
21オンス飲料カップが側壁及び底壁を有して作られた。側壁は、3000平方フィート当たり180ポンドの基礎重量及び16ポイントの厚みを有するSBS板紙の第1、内側層と、3000平方フィート当たり150ポンドの基礎重量及び14ポイントの厚みを有するSBS板紙の第2、外側層との間に挟まれた、接着製剤番号1(実施例1、上)を使用して上に記載されたように調製された。接着剤製剤は、第2層の内側表面の約100%を覆って、約0.5ミリメートルの厚さを有する接着層とされた。第1層は、ポリエチレンの1mil層でコートされた内側表面を有していた。カップの外側表面は、300平方センチメートルの表面面積を有していた。
【0046】
カップは、華氏約73°の周囲温度で且つ約50%の相対湿度で維持された制御された空気に配置された。制御された空気中のカップでは、15.75オンスの氷−水混合物が、カップに追加されて、タイマーが起動された。二時間に亘って20分毎に、蓄積された表面凝縮が、新しい吸収布で、カップの外部表面から拭いさられて、布に集められた凝縮の質量が測定された(すなわち、拭った後の布の質量−拭う前の布の質量)。結果が、「実施例5」データポイントとしてプロットされ、ここでは各データポイントは、20分間の間に集められた表面凝縮の量を示している。
【0047】
ここで使用されているように、「表面凝縮」は、容器の外部表面上に形成する凝縮を指しており、それは容器の外部表面から拭い去ることができる。表面凝縮は、通常、容器の外部表面上又は内部に形成され且つその凝縮を拭い去る能力を防ぐか又は阻害する方法で容器により吸収される凝縮を含まない。しかしながら、外部表面から表面凝縮を拭い去る間、内部凝縮のある無視できる量が、例えば、毛細管作用によって、集められてもよいことが理解されるべきである。
【0048】
比較のため、同じ凝縮形成テストが、透明なポリエチレンテレフタレートプラスチックカップ(「クリア」)、両側をポリエチレンでコートされたシングル層板紙カップ(「コントロール」)、ジョージアパシフィックから利用可能なポリマーフォームから作られたパーフェクトタッチブランドのカップ(「パーフェクトタッチ」)、カリフォルニア州、ベラリスのインシュレアから利用可能なインシュレアブランドのカップ(「インシュレア」)、及びスタイロフォームから形成されたカップ(「スタイロフォーム」)上でも実行された。全ての比較カップが、また約300平方センチメートルの外部表面面積を有していた。比較結果がまた図4にプロットされている。
【0049】
実施例6
21オンス飲料カップが作られて、カップの外部表面が市松模様にエンボスされたことを除いて、実施例5の上に記載されたような方法でテストされた。結果は、図5に、「実施例6」データポイントとして、図4に示された同じ比較結果と一緒に、プロットされた。
【0050】
実施例7
21オンス飲料カップが作られて、第2、外側層が約100〜約1000ミクロンの範囲の粒子サイズの粉末木材粒子が含まれて、それにより3000平方フィート当たり約180ポンドの基礎重量を有する板となったことを除いて、実施例5に関して記載されたような方法でテストされた。結果は、図6に、「実施例7」データポイントとして、図4及び5に示された同じ比較結果と一緒に、プロットされた。
【0051】
実施例8
21オンス飲料カップ実施例6は、氷−水混合物の導入前と、氷−水混合物と共に2時間後との両方、圧縮力のためテストされた。圧縮力は、イリノイ州、グレンビューのイリノイツールワークス社から利用可能な、インストロン(INSTRON)ブランドの圧縮テスト機械を使用して、水平構成で(すなわち、カップの垂直軸に垂直に)カップの5%歪みで測定された。結果は、表2に提供され、図7に(「実施例8」データポイント)氷−水混合物と共に2時間後の対全体凝縮形成でプロットされた。
【表2】

【0052】
比較のため、同じ圧縮力テストが、実施例5−7で比較のために使用された、パーフェクトタッチ、インシュレア及びコントロールカップ上で実施され、同様に、イリノイ州、シカゴのソロカップカンパニーによりソロブランド名で売られている大きな2層カップ(「ソロ2層」)上で実施された。比較テストの結果がまた図7で提供されている。
【0053】
したがって、本願の開示に従って形成された飲料容器は、スタイロフォームカップと類似して、驚くほど低い表面凝縮形成を示すが、スタイロフォームカップとは違って、生分解性であることができる。さらに、本願の開示に従って形成された飲料容器は、2時間冷たい飲料を保持した後でさえも、顕著に高い圧縮力(例えば、2.5ポンドよりも大きい)を維持する。
【0054】
開示された板紙ベースの飲料容器の様々な態様が示され且つ記載されているが、修正が本明細書を読んだ上で当業者に思い浮かぶことができる。本願は、そのような修正を含み、請求項の範囲によりのみ限定される。
【符号の説明】
【0055】
10 飲料容器
12 側壁
14 上端部
16 下端部
18 底壁
20 内部容積
22 開口
23 リップ
24 第1層
26 第2層
28 接着層
30 第1層の内側表面
32 第1層の外側表面
34 飲料容器の内部表面
36 第2層の内側表面
38 第2層の外側表面
40 飲料容器の外部表面
42 防湿層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器であって、内部容積及び前記内部容積への開口を規定する少なくとも1つの壁を備え、前記壁は内部表面及び外部表面を規定し、且つ第1層、板紙を備え前記外部表面を規定する第2層、並びに前記第1層及び前記第2層の間に配置される接着層を備える層状構造として形成され、
ここで、20分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.15グラムの表面凝縮を形成し、前記20分間の間は、前記内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填して始まる一方、前記充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒されることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記20分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.10グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記20分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.05グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記接着層は、フォームであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記フォームの10〜60%は、開放ボイドから構成されることを特徴とする請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記接着層は、おがくず及び結合剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記おがくずは、少なくとも100ミクロンの平均粒子サイズを有していることを特徴とする請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記おがくずは、少なくとも1000ミクロンの平均粒子サイズを有していることを特徴とする請求項6に記載の容器。
【請求項9】
前記結合剤は、ラテックスを含んでいることを特徴とする請求項6に記載の容器。
【請求項10】
前記結合剤は、スターチを含んでいることを特徴とする請求項6に記載の容器。
【請求項11】
前記接着層は、2〜70重量%の充填剤を含み、8〜70重量%の有機結合剤を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項12】
前記充填剤は、有機充填剤を含むことを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記有機充填剤は、おがくず、粉末木材、セルロースパルプ、パールスターチ、グルテン飼料、コーンシードスキン、ケナフコア及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記有機充填剤は、ハード有機充填剤を含むことを特徴とする請求項12に記載の容器。
【請求項15】
前記接着層は、さらに、1〜15重量%のケイ酸ナトリウムを含むことを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項16】
前記接着層は、さらに、0.5〜10重量%の可塑剤を含むことを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項17】
前記接着層は、10〜15重量%の平衡水分を有することを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項18】
前記接着剤は、0.05〜5ミリメートルの厚さを有していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項19】
前記第2層は、20〜1000ガーレー単位の平均気孔率を有していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項20】
前記第2層は、20〜150ガーレー単位の平均気孔率を有していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項21】
前記第2層は、内側表面と外側表面を含み、前記外側表面は、前記外部表面を規定し、そしてここで、内側表面は、第1ハーキュリースサイジングを有し、前記外側表面は、第2ハーキュリースサイジングを有し、前記第2ハーキュリースサイジングは、前記第1ハーキュリースサイジングよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項22】
第1ハーキュリースサイジングは、約30〜約80ハーキュリース単位の範囲内にあり、そしてここで前記第2ハーキュリースサイジングは、約100〜約150ハーキュリース単位の範囲内にあることを特徴とする請求項21に記載の容器。
【請求項23】
前記接着層は、第1絶縁R−値を有し、そして第2層は、第2絶縁R−値を有し、そしてここで第1R−値は第2R−値よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項24】
前記第2層は、内側表面と外側表面を有し、前記外側表面は前記外部表面を規定し、そしてここで前記接着層は、前記内側表面に接続され且つ前記内側表面の20〜80%を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項25】
前記接着層は、前記内側表面の約50%を覆っていることを特徴とする請求項24に記載の容器。
【請求項26】
前記内側表面は、第1ガーレー気孔率を有し、前記外側表面は、第2ガーレー気孔率を有し、そしてここで前記第2ガーレー気孔率は、前記第1ガーレー気孔率よりも大きいことを特徴とする請求項24に記載の容器。
【請求項27】
前記内側表面は、約20ガーレー単位の気孔率を有し、前記外側表面は、約40ガーレー単位の気孔率を有していることを特徴とする請求項24に記載の容器。
【請求項28】
容器であって、内部容積及び前記内部容積への開口を規定する少なくとも1つの壁を備え、前記壁は内部表面及び外部表面を規定し、且つ第1層、板紙を備え前記外部表面を規定する第2層、並びに前記第1層及び前記第2層の間に配置される接着層を備える層状構造として形成され、
ここで、40分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.4グラムの表面凝縮を形成し、前記40分間の間は、前記内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填して始まる一方、前記充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒されることを特徴とする容器。
【請求項29】
前記40分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.3グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項28に記載の容器。
【請求項30】
前記40分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.2グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項28に記載の容器。
【請求項31】
前記40分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.1グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項28に記載の容器。
【請求項32】
容器であって、内部容積及び前記内部容積への開口を規定する少なくとも1つの壁を備え、前記壁は内部表面及び外部表面を規定し、且つ第1層、板紙を備え前記外部表面を規定する第2層、並びに前記第1層及び前記第2層の間に配置される接着層を備える層状構造として形成され、
ここで、20分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.3グラムの表面凝縮を形成し、前記20分間の間は、前記内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填した後で20分が始まる一方、前記充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒されることを特徴とする容器。
【請求項33】
前記20分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.2グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項32に記載の容器。
【請求項34】
前記20分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.1グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項32に記載の容器。
【請求項35】
飲料容器を作るための方法であって、
板紙の第1層及び板紙の第2層を提供するステップ、
前記第1及び第2層の間に、層状構造を形成するために、接着材料を配置するステップであって、前記接着材料は約0.3〜約0.5の範囲の疑似塑性指数を有するステップ
内部容積及び前記内部容積への開口を規定するために前記層状構造を成形するステップであって、前記層状構造が内側表面及び外側表面を有するステップ
前記接着材料を乾燥させるステップ
を含み、
ここで、20分間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.15グラムの表面凝縮を形成し、前記20分間の間には、前記内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填し始めて、充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒されることを含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
容器であって、
垂直軸、内部容積、及び前記内部容積への開口を規定する少なくとも1つの壁を備え、前記壁は内部表面及び外部表面を含み、
ここで、2時間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記壁上に多くとも0.5グラムの表面凝縮を形成し、前記2時間の間は、内部容積の75%を華氏約32度の温度で維持された液体で充填して始まる一方、前記充填された容器は華氏約73度の周囲温度及び約50%の相対湿度に晒され、及び、
ここで前記容器は、前記2時間の間の後すぐに少なくとも2.5ポンドの圧縮力を有し、前記圧縮力は前記垂直軸に垂直な方向に5%の歪みで計測されることを特徴とする容器。
【請求項37】
前記壁は、第1層、板紙を備え前記外部表面を規定する第2層、並びに前記第1層及び前記第2層の間に配置される接着層を備える層状構造として形成されることを特徴とする請求項36に記載の容器。
【請求項38】
前記接着層は、有機充填剤及び結合剤を含むことを特徴とする請求項37に記載の容器。
【請求項39】
前記結合剤は、ラテックスを含んでいることを特徴とする請求項38に記載の容器。
【請求項40】
前記有機充填剤は、おがくず、粉末木材、セルロースパルプ、パールスターチ、グルテン飼料、コーンシードスキン、ケナフコア及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項38に記載の容器。
【請求項41】
前記2時間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.4グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項36に記載の容器。
【請求項42】
前記2時間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.3グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項36に記載の容器。
【請求項43】
前記2時間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.2グラムの表面凝縮を形成することを特徴とする請求項36に記載の容器。
【請求項44】
前記2時間の直後、前記圧縮力が少なくとも2.8ポンドであることを特徴とする請求項36に記載の容器。
【請求項45】
前記2時間の直後、前記圧縮力が少なくとも3.0ポンドであることを特徴とする請求項36に記載の容器。
【請求項46】
前記2時間の直後、前記圧縮力が少なくとも3.5ポンドであることを特徴とする請求項36に記載の容器。
【請求項47】
前記2時間の直後、前記圧縮力が少なくとも3.8ポンドであることを特徴とする請求項36に記載の容器。
【請求項48】
前記2時間の間、前記外部表面の300平方センチメートル当たり前記外部表面上に多くとも0.3グラムの表面凝縮を形成し、且つここで前記2時間の直後、前記圧縮力が少なくとも3.0ポンドであることを特徴とする請求項36に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−526026(P2012−526026A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509938(P2012−509938)
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/033658
【国際公開番号】WO2010/129633
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(504376810)ミードウエストベコ・コーポレーション (55)
【Fターム(参考)】