説明

果物系生地及びそれから作製される加工スナック製品

約3重量%〜約50重量%の乾燥果物材料、及び約20重量%〜約97重量%の米系材料を含有するドライブレンド。前記ドライブレンドに水を添加することにより作製される生地もまた提供される。生地は、シート化し、切断して加工スナック製品を作製するのに特に好適であり、これを次いで調理し果物系チップを作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果物系材料と米系材料とを含む生地に関し、それは食品、特に果物を含有する加工スナック製品に用いられ得る。
【背景技術】
【0002】
デンプン系素材を含む生地から調製される加工スナック製品は、当該技術分野において周知である。これらの生地は、典型的に、脱水ジャガイモフレーク、顆粒、及び/又はフラニュール(flanules)のような脱水ジャガイモ製品を含む。生地は、コムギ、トウモロコシ、米、タピオカ、オオムギ、キャッサバ、オートムギ、サゴ、マーサ、アマランス及びジャガイモのデンプン及び粉のような、多数の他のデンプン系素材を含んでもよい。これらの他のデンプン系材料は、典型的に、脱水ジャガイモ製品よりも少ない量で生地に含まれる。
【0003】
しかしながら、消費者は、上に列挙した典型的なデンプン系素材以外の材料がブレンドされたスナック製品を探し求めている。例えば、消費者は、スナック製品、例えば果物を原料とするスナック中の、より健康的な食品を求めている。しかし、調理された果物系スナック製品は、消費者が許容可能な方式で製造するのは困難であることが示されている。果物及び乾燥果物材料は、典型的に高濃多量の糖及び水分を含有する。果物及び乾燥果物材料から作製されたスナックは、調理の際に焦げ、特に油で揚げる、ベーキング、押出成形、及び熱加工の組み合わせの間、異臭が発生する傾向がある。また、果物材料メーカーは、通常、当初の果物原料を、亜硫酸塩又はアスコルビン酸若しくはクエン酸のような有機酸類のような防腐剤で前処理する。これらの防腐剤は、果物の変色を促進し、調理及び他の加工工程中果物の褐変を増大させる。さらに、天然物及び「防腐剤無添加」であることが要求されるものでは、これらの成分は受け入れられない。
【0004】
材料中の糖含量が多いことによる別の負の効果は、調理後の冷却時の最終製品の質感である。スナックの質感は、ガラス状構造が生じる温度の作用である。このガラス転移温度が高いほど、質感はよりサクサクする。高糖含有生地は、低ガラス転移温度ではベタベタして、もろいため、加工(シート化(sheeting)、切断、及び油で揚げる)が困難である。結局、これらの高糖含有生地が調理される場合、得られるスナックはサクサクせず、急速に堅くなる場合が多い。
【0005】
従来の、乾燥果物片の生地への添加が、焦げた果物片入りで、異臭の発生した製品、即ち、黒く/焦げた小片の入った不味い製品をもたらしてきた。添加時、多量の果物を用いて作製され、多量の糖を含有する生地シートは、果物材料を使わずに調製した生地シートよりも、サクサクし、もろい。これは、果物の生地への添加の結果であり、それは生地のガラス転移温度を低下させる。これは、油揚器から出たスナックがサクサクになるのにより長時間かかることを意味し、スナックは柔らかく、ゴム状でベルトに張り付き、移動させるのが困難になる。これは、シーター(sheeter)、圧延ロール、又はシートの成形に利用される成形設備をさらに冷却することにより克服できる。それはまた、油で揚げること、ベーキング等の後、さらなる冷却を必要とする場合もある。しかしながら、調味料を表面上に固着させるため、及び包装のためには、高温のスナックが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、比較的高濃度の果物及び乾燥果物材料を含みながら、消費者の好む特定の質感的品質を維持した加工スナック製品の作製方式及び方法に対する要求が存在する。また、糖及び水分含量を低減した乾燥果物材料から作製される生地に対する要求が存在する。また、生地シートから製造された、又は押し出され次いで油で揚げられた、部分的に油で揚げられた、次いでベーキングされた、若しくはベーキングされた、果物含有スナック製品に対する要求が存在する。
【0007】
比較的果物量が多く、脂肪含量が少ないが、脂肪が十分なスナックの質感及び味を有するスナックを作製するための処方及び方法に対する要求も存在する。
【0008】
本発明のこの利点及び他の利点は、以下の開示から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、生地の約15重量%〜約40重量%の水、及び生地の約60重量%〜約85重量%の乾燥材料を含む生地組成物を提供する。乾燥材料は、乾燥材料の約3重量%〜約50重量%の乾燥果物材料と、乾燥材料の約20重量%〜約97重量%の米系材料とを含む。好ましくは、乾燥果物材料は、リンゴ系粉、イチゴ系粉、バナナ系粉、洋ナシ系粉、アンズ系粉、クランベリー系粉、糖含量が約80%未満である任意の乾燥果物、及びこれらの混合物から成る群から選択される。米系材料は、米粉、アルファ化デンプン、低粘度デンプン、デキストリン、酸変性デンプン、酸化デンプン、酵素変性デンプン、安定化デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、もち米デンプン、もち米粉、架橋デンプン、アセチル化デンプン、2以上の異なる加工で変性されたデンプン、及びこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは、米デンプン素材は、もち米デンプン、もち米粉、アセチル化米デンプン、架橋米デンプン、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0010】
好ましくは、果物スナックを作製するための材料のドライブレンドは約50重量%未満の糖濃度を有する。
【0011】
好ましくは、乾燥果物材料は、水分含量約15重量%未満に乾燥される。
【0012】
本発明の別の実施形態では、生地組成物は、最終的に果物系チップが得られる、調理された加工スナック製品に作られる。さらに別の実施形態では、加工スナック製品は油で揚げられ、最終的にチップ28gあたり約0g〜約9gの可消化脂肪、より好ましくはチップ28gあたり約7g未満の脂肪を含有する果物系チップが得られる。
【0013】
本発明は、本物の果物風味を放出し、サクサクカリカリとした質感及び消費者にとって魅力的な外観を有する果物系スナックを供給する。さらに、それから製造される生地及び果物系スナックは異臭の発生を制御し、従来の果物を多量に含有する果物スナックのベトベトして/柔らかい質感を除く。
【0014】
さらに、本発明により、ジャガイモ又はトウモロコシ生地シートと同程度の強度の生地シートが得られる。本発明による生地シートはまた、加工及び最終製品の質制御が容易である。
【0015】
本発明の果物スナックは、ポテトチップス及びトルティーヤチップスのような人気のスナックに相当する、所望のサクサクして、消費者の好む質感を供給する。さらに、本発明の果物スナックは、典型的な多量の糖を含有するスナックよりガラス転移温度が高く、それ故、シート化/成形、切断又は油で揚げることに関する問題なく容易に加工される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
A.定義
本明細書で使用する時、「米の破片」は、全米粒の4分の3未満の米粒を指す。
【0017】
本明細書で使用する時、「糊化した」は、完全糊化、部分的糊化、及びアルファ化したデンプンを含む、任意の種類の糊化を含む。糊化した米粉としては、パーボイル、調理、部分的調理、及び押出成形された米粉を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0018】
本明細書で使用する時、「米」は、白米、玄米、黒米、及び野生米を含む任意の品種又は種類の米を含む。また「米」は、任意の天然又は強化された栄養含有量を有する任意の米をも含む。
【0019】
本明細書で使用する時、「押出成形米」は、押出成形機を通過した米を指す。
【0020】
本明細書で使用する時、「調理米」は、粉に粉砕される前又は粉砕された後に、パーボイルド又は別の方法で調理された若しくは部分的に調理された米を指す。
【0021】
本明細書で使用する時、「パーボイルド米」は、もみ殻を除去する前に調理工程を経た米を指す。
【0022】
本明細書で使用する時、「未調理米」は、いかなる方法でも調理されていない米を指す。
【0023】
本明細書で使用する時、「短粒米」は、長さが幅の約1〜約2倍の範囲であり、総アミロース含有量が約0%〜約13%の範囲である、短く、丸々とした、円様の粒を有する米を指す。
【0024】
本明細書で使用する時、「中粒米」は、長さが幅の約2〜約3倍の範囲であり、アミロース含有量が約14%〜約19%の範囲である米を指す。
【0025】
本明細書で使用する時、「長粒米」は、長さが幅の約3.5〜約5倍の範囲であり、総アミロース含有量が約20%〜約25%の範囲である、長く、細い粒を有する米を指す。
【0026】
本明細書で使用する時、「乾燥果物材料」とは、水分含量が15%未満の未加工素材又は果物の任意の中間原料(intermedium source)を指す。例としては、果物系粉、果物系ペレット、押出成形された果物製品、乾燥果物片、真空で油揚げされたされた果物片、空気圧分離された(air puffed)果物含有片及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0027】
本明細書で使用する時、「加工された」という用語は、塊茎、穀粒、豆果、穀物又はこれらの混合物由来のもののような、粉、ミール及び/又はデンプンを含む生地から作製される食品を指す。
【0028】
本明細書で使用する時、「天然デンプン」とは、いかなる方法でも前処理又は調理されていないデンプンを指し、ハイブリッドデンプンが挙げられるが、これに限定されない。
【0029】
本明細書で使用する時、「脱水ジャガイモ製品」としては、ジャガイモフレーク、ジャガイモフラニュール、ジャガイモ顆粒、ジャガイモ粒塊、任意の他の脱水ジャガイモ素材及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で使用する時、「シート性生地」とは、平滑面上に定置され、破れたり穴ができたりすることなく所望の最終厚に圧延することが可能な粘着性生地である。またシート状にできる生地は、押出加工を通してシート状に成形できる生地も含んでよい。
【0031】
本明細書で使用する時、「デンプン」とは、コムギ、トウモロコシ、タピオカ、サゴ、米、ジャガイモ、オートムギ、オオムギ、及びアマランスのような、しかしこれらに限定されない素材由来の、繰り返し無水グルコース単位を有する天然又は未変性の炭水化物ポリマーを指し、またマルトデキストリン類のような加水分解デンプン、高アミローストウモロコシ、高アミロペクチントウモロコシ、純アミロース、化学的に置換されたデンプン類、架橋デンプン類、及び化学的、物理的、熱的又は酵素的変性が挙げられるが、これらに限定されない他の変性、並びにこれらの混合が挙げられるが、これらに限定されない加工デンプンを指す。
【0032】
「米デンプン素材」として以下に記載される素材は、本明細書において定義される「デンプン」の定義の範囲内に入らないことを理解されたい。本明細書で使用する時、「デンプン系粉」は、天然、脱水(例えば、フレーク、顆粒、ミール)又は粉の形態の、グルコピラノース単位から構成される高重合炭化水素を指す。デンプン系粉としては、ジャガイモ粉、ジャガイモ顆粒、ジャガイモフラニュール、ジャガイモフレーク、トウモロコシ粉、マーサコーン粉、ひき割りトウモロコシ、コーンミール、米粉、ソバ粉、オートムギ粉、豆粉、オオムギ粉、タピオカ、及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、デンプン系粉は、塊茎、豆果、穀粒、又はこれらの混合物由来であってよい。
【0033】
本明細書で使用する時、「添加水」という用語は、乾燥生地材料に添加された水を指す。粉及びデンプンの供給源の場合のような、乾燥生地材料中に本来存在する水は、「添加水」に含まれない。
【0034】
本明細書で使用する時、「乳化剤」という用語は、生地材料に添加された乳化剤を指す。ジャガイモフレーク(製造中に乳化剤が加工助剤として使用される)の場合のような、生地材料に本来存在する乳化剤は、用語「乳化剤」に含まれない。
【0035】
本明細書で使用する時、「高速粘度単位(rapid viscosity unit)」(RVU)は、本明細書のRVA分析法を用いて測定した場合、センチポアズにおおよそ対応する粘度測定の任意単位である。(12RVUは、およそ0.001Pa.s(1センチポアズ)に等しい。)
【0036】
「脂肪」及び「油脂」という用語は、特に指定のない限り、本明細書では互換的に使用される。「脂肪」又は「油脂」という用語は、実質的にトリグリセリドから成る天然又は合成脂肪及び油、例えば、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、ヒマワリ油、パーム油、ココヤシ油、キャノーラ油、魚油、ラード及びタローのような、一般的な意味での、食用脂肪質物質を指し、これは部分的に又は完全に水素添加又は他の方法で修飾されていてよく、並びにトリグリセリドに類似した特性を有する無害脂肪質物質を、本明細書では非消化性脂肪と呼び、この物質は部分的に又は完全に消化されない場合がある。カロリーの低下した脂肪、及び食用非消化性脂肪、油脂、又は人工脂肪もまた、この用語に含まれる。
【0037】
「非消化性脂肪」という用語は、部分的に又は完全に消化できない食用脂肪物質、例えば、オレアン(OLEAN)(商標)のようなポリオール脂肪酸ポリエステルを指す。好ましい非消化性脂肪は、スクロースポリエステルのような、トリグリセリドに類似した特性を有する脂肪質である。これらの好ましい非消化性脂肪は、米国特許第5,085,884号(1992年2月4日出願、ヤング(Young)ら)及び同第5,422,131号(1995年6月6日、エルセン(Elsen)ら)に記載されている。特に好ましい非消化性脂肪の銘柄は、商品名オレアン(OLEAN)(商標)で市販されている。
【0038】
「ドライブレンド」という用語は、本明細書において、混合されるような材料の加工前に混合された乾燥未加工材料を意味する。
【0039】
特に指定がない限り、百分率は全て重量に基づく。
【0040】
本明細書で引用される全ての文献は、その関連部分において参考として組み込まれ、あらゆる文献の引用は、それが本発明に対する従来技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0041】
B.乾燥果物材料
消費者が好む、本発明の果物系スナックを製造するために、乾燥果物材料は、約80重量%未満、好ましくは約15重量%〜約70重量%の糖濃度を有するべきである。さらに、乾燥果物材料は、乾燥材料の少なくとも約20重量%の、以下に定義する米系材料と混合すべきである。乾燥果物材料を、水分含量約15重量%以下まで乾燥させることもまた好ましい。また、果物を特定の粒径分布(粉から粒塊、片、押出品、及び共押出品まで)に粉砕してよい。処方中の乾燥果物材料の量は、材料の糖含量に応じて、乾燥材料の約3重量%〜約50重量%、好ましくは約8重量%〜約40重量%、より好ましくは約10重量%〜約35重量%で変動する。
【0042】
乾燥果物材料は、好ましくは、リンゴ系粉、イチゴ系粉、バナナ系粉、洋ナシ系粉、アンズ系粉、クランベリー系粉、糖含量が約80%未満である任意の乾燥果物(例えば、リンゴ、洋ナシ、バナナ、アンズ、クランベリー、イチゴ等)、及びこれらの混合物から成る群から選択される。乾燥果物材料は、栄養補助食品であってよく、又は天然若しくは合成香料、ジュース、ピューレ等で風味付けしてもよい。他の乾燥果物材料は、上記のように本明細書での使用に適切である。好適な果物系粉の例、それらの供給元及び代表的な特性を、以下の表B1及びB2に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

* 供給元により提供された情報
【0045】
乾燥果物材料の糖含量並びに糖分子量分布の型は、上記表B2に示したように、その供給元に基づいて変動する。表B2に例示されたリンゴ粉は、本発明の組成物中にこの粉を単独で用いることを困難にする糖を70%含有する。表B2のリンゴ粉のような、糖含量が多い果物系粉を用いる場合、糖濃度の低い果物系粉とともにブレンドすることが好ましい。例えば、表B2のイチゴ粉は、約40重量%の糖しか含有しておらず、それをリンゴ粉と組み合わせて、糖を約50重量%未満を含有するブレンドを製造することができる。様々な糖濃度を有する種々の粉及び他の乾燥果物材料をブレンドすることにより、当業者は約50重量%未満、好ましくは約15重量%〜約40重量%の糖濃度を容易に得ることができる。
【0046】
いかなる一理論に束縛されるものではないが、特定の乾燥果物材料に含有される糖含量が多いと、処方されたスナック製品のガラス転移温度(Tg)が低下すると考えられており、これは、前記製品が冷却されるまで硬い質感を生じないことを意味する。さらに、高糖含量乾燥果物材料で製造された生地シートは、ベタベタして、もろい。上記のような異なる粉のブレンドは、乾燥果物材料中の天然の糖濃度を操作する方法の1つである。乾燥果物材料は、多くの利点をもたらし、ビタミン、カルシウム、酸化防止剤、繊維等のような添加された栄養素を含有してよい。
【0047】
これらの栄養補助剤は、加工前に果物原料を前処理することにより添加してよく、又は調味料を介して最終製品に添加してもよい。さらに、果物原料は、果物に注入された又は果物と混合された、添加された香料を含有してよい。製造するために、果物原料の組成物中に用いられる乾燥果物材料を押し出し、中間水分含量の押出品を成形してよい。上記のように、どのように果物系粉が形成されるかにかかわらず、水分含量約15重量%未満、好ましくは約12重量%未満、より好ましくは約10重量%未満に乾燥させるべきである。
【0048】
乾燥果物材料の本発明の加工スナックへの添加の効果を最大限にするために、直下に定義するように、生地に米系材料が含まれることが好ましい。米系材料は、任意のデンプンとともに押出成形される又は予め調理されることが好ましく、これは最終スナックチップの膨張に役立つ。
【0049】
C.米系材料
上記のように、乾燥果物材料の効果を最大限にするために、本発明の生地は、乾燥材料の約20重量%〜約95重量%、好ましくは約30重量%〜約85重量%、より好ましくは約35重量%〜約80重量%の米系材料を含むべきである。米系材料は、本発明の果物スナックの本物の果物風味の発生に役立つ。さらに、米粉は処方中の糖の量を希釈し、果物風味がより容易に伝わるような当たり障りがなく、且つ混じりけがない風味をもたらす。米は、トウモロコシ又はジャガイモ粉のように果物風味を覆い隠さない、天然に淡白な(bland)風味を有する。
【0050】
米粉を予め調理した米系材料から、果物と競合する風味を有しない白色基材を得ることが好ましい。この素材は、よく調理して、素材のままの風味、過膨張な質感を避け、及び果物系材料との混合時の調理時間を最小限に抑えるべきである。
【0051】
米系材料は、好ましくは、米粉、米デンプン、部分的又は完全にアルファ化された米粉又は米デンプン、もち米デンプン又はもち米粉、アセチル化米デンプン、架橋米デンプン、及びこれらの混合物から成る群から選択される。米粉は、好ましくは、中粒米粉、長粒米粉及びこれらの混合物から成る群から選択される。米系材料はまた、米と穀粒(例えば、トウモロコシ、コムギ、オオムギ等)、果物、及び野菜(例えば、ニンジン、トマト、ピーマン等)との共押出品から成ってもよい。
【0052】
米系材料はまた、加工スナック片を作製することができる優れたシート状製品が得られる、より良い生地を提供する加工及び処方添加剤としても機能する。また、重要なことには、加工スナック片を油で揚げることにより作製されるチップ製品は、優れた特質を有する。
【0053】
米系材料としては、従来の米粉、アルファ化デンプン、低粘度デンプン(例えば、デキストリン、酸変性デンプン、酸化デンプン、酵素変性デンプン)、安定化デンプン(例えば、デンプンエステル、デンプンエーテル)、もち米デンプン又はもち米粉、架橋デンプン、アセチル化デンプン、デンプン糖(例えば、ブドウ糖果糖液糖、ブドウ糖、イソグルコース)、及び処理の組み合わせ(例えば、架橋及び糊化)がなされたデンプン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書に記載された米デンプン素材が、例えば、レミー工業(Remy Industries)N.V.(ベルギー、ルーヴェン・ウィジマール(Leuven-Wijgmaal)、レミーラーン(Remylaan)4、B−3018)から市販されていることを認識するであろう。従来の米粉としては、全てから米粉を作製することができる、長粒米、中粒米、短粒米及びもち米又は粒米(grain rice)が挙げられる。さらに、米粉は、米の破片又は全粒から作ることができる。これらの様々な種類の米から作製された米粉は、吸水率指数、ピーク粘度、最終粘度、及び総アミロース含量の点で異なる。さらに、米が、米粉への加工前、又は加工後に任意の他の方法で、部分的に又は完全に予調理、パーボイル、又は予糊化される場合、米粉特性は、さらに改変される場合がある。
【0054】
好ましい実施形態では、組成物は長粒米粉、中粒米粉、又はこれらの混合物を含む。さらに、組成物は、部分的に又は完全に糊化した米粉を含んでよい。例えば、米粉は、米粉内での所望のデンプン分解を達成するために、糊化、部分的糊化、部分的予調理、予調理、パーボイルド、押出成形、又はこれらの組み合わせがなされてよい。
【0055】
所望の量の種々の米粉をともに混合して、所望の米系材料を作製してよい。これは、これらに限定されないが、製粉前に米粒を混合すること、又は製粉後に粉をともに混合することのような、任意の好適な手段によっても達成できる。
【0056】
好ましい実施形態では、糊化した米粉が使用される。この実施形態では、組成物は、様々な程度に糊化された1以上の米粉のブレンドを含んでよい。例えば、糊化米粉は、完全調理米、部分的調理米、パーボイルド米、押出成形米、又はこれらの混合物を含んでよい。完全調理糊化米粉は、約75%〜約100%が糊化し、部分的調理米粉及び押出成形米粉は、約25%〜約100%が糊化し、並びにパーボイルド米は約75%〜約100%が糊化している。
【0057】
押出成形は、本発明の糊化した米粉の好ましい加工方法である。押出成形は、米粉のデンプンを完全に調理するのに必要な調理条件を提供し、デンプンの完全な糊化及び高水準のデキストリン化、すなわち、デンプン分解をもたらす。本発明の米粉を調製するための押出成形を使用することにより、素材のままのデンプン味又は粉状デンプンの後味、及び最終製品の無制御且つ過剰な膨張のないことが保証される。
【0058】
一実施形態では、糊化した米粉は、部分的予調理長粒米粉、完全調理長粒米粉、完全調理中粒米粉、パーボイルド米粉、及びこれらの混合物から成る群から選択される。別の実施形態では、糊化した米粉は、糊化した長粒米粒の破片から作製される。
【0059】
所望により、調理及び/又は製粉中に生成する遊離アミロースを複合化するため、米系材料、乳化剤を加工助剤として添加してよい。例えば、モノグリセリドは、(乾燥固形分を基準として)約0.2〜約0.7%、好ましくは約0.3%〜約0.5%の範囲の量を添加してよい。
【0060】
米系材料は、広範な粒径分布に粉砕してもよい。具体的な実施形態では、組成物は、約35%の米系材料がUS#100メッシュ上に残るような粒径分布を有する。別の好ましい実施形態では、米系材料は、約5%〜約30%が60メッシュスクリーン上に残り、約15%〜約50%が100メッシュスクリーン上に残り、約20%〜約60%が200メッシュスクリーン上に残る粒径分布を有する。米系材料の粒径分布は、混合中の適切な水和作用を保証するために重要である。また、粒径分布は、質感に影響を与え、米系材料中の大きな粒子は、溶解の遅延及び歯への詰まり(tooth packing)の一因となる。
【0061】
D.加工スナック製品の調製
米系材料と併用する乾燥果物材料の使用は、主に好ましい加工スナック製品の観点から記載されるが、それは、これらの組成物で形成される生地が任意の好適な食品の製造において用いられ得るということが、当業者に容易に明らかとなるはずである。例えば、生地は、押出品、パン、ソース、クラッカー、油で揚げられたスナック、果物及び野菜スナック、ベーキング又は乾燥スナック、油で揚げられた食品のコーティング、ベビーフード、ドッグフード、ドッグビスケット、及び任意の他の好適な食品のような食品を製造するために用いてよい。好ましい加工スナック製品の製造について、以下で詳述する。
【0062】
1.生地の処方
本発明の好ましい生地は、ドライブレンド及び添加水を含む。生地は、約60%〜約85%のドライブレンド、及び約15%〜約40%の添加水を含むことが好ましい。好ましくは、添加水は、生地の約15重量%〜約35重量%、さらにより好ましくは約15重量%〜約30重量%である。生地は、生地の水分含量を低減するものを含む、任意の成分をさらに含んでよい。例えば、生地の水分含量を低下させるために、1)デキストロース当量値の低いマルトデキストリンのような、生地中の加水分解デンプン、2)キサンテン、ヒドロキシプロピルセルロース及びその組み合わせのような多糖類、並びに3)乳化剤のような材料を生地に添加してよい。
【0063】
a.ドライブレンド
好ましい生地は、約60%〜約85%、好ましくは約65%〜約75%のドライブレンドを含む。ドライブレンドは、約5%〜約30%が60メッシュスクリーン上に残り、約15%〜約50%が100メッシュスクリーン上に残り、約20%〜約60%が200メッシュスクリーン上に残る粒径分布を有することが好ましい。
【0064】
ドライブレンドは、乾燥果物材料及び米系材料を含む。好ましいドライブレンドは、乾燥材料の約3重量%〜約50重量%の乾燥果物材料、及び乾燥材料の約20重量%〜約97重量%の米系材料を含む。他のデンプン素材、例えば、タピオカ、オートムギ、コムギ、ライムギ、オオムギ、トウモロコシ、マーサ、キャッサバ、マーサ以外のトウモロコシ、ピーナッツ、脱水ジャガイモ製品(例えば、脱水ジャガイモフレーク、ジャガイモ顆粒、ジャガイモフラニュール、マッシュポテト素材、及び乾燥ジャガイモ製品)、並びにインゲン、ヒヨコマメのようなマメ科植物(leguminoses)、並びにこれらの組み合わせを添加してよい。これらの他のデンプン素材は、様々な組成、質感、及び風味のスナックを作製するために、ブレンドしてよい。さらに、ドライブレンドの残部は、タンパク質源、繊維、ミネラル、ビタミン、着色剤、香料、果物片、野菜、種子、ハーブ、スパイス、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない1以上の他の成分を含んでよい。これらの他の成分をドライブレンドに添加する前に、コーティングすることが有益である場合がある。
【0065】
b.添加水
本発明の好ましい生地組成物は、約15%〜約40%の添加水、好ましくは約15%〜約35%、より好ましくは約15%〜約30%の添加水を含む。マルトデキストリン又はコーンシロップ固体、ジュース、濃縮物のような任意材料を溶液として添加する場合、溶液中の水は添加水に含まれる。また、添加水の量には、材料を溶解又は分散するために使用される任意の水も含まれる。
【0066】
c.任意材料
あらゆる好適な任意材料を本発明の生地に添加してよい。かかる任意材料としては、ガム及び繊維のような多糖類、乳化剤、並びにこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。任意材料は、生地の約0重量%〜約50重量%、好ましくは、0重量%〜約40重量%の範囲の量で含まれることが好ましい。好適なガムの例は、米国特許第6,558,730号(ギザウ(Gizaw)らに、2003年5月6日発行)に見ることができる。任意材料としては、野菜(例えば、トマト、ニンジン、ピーマン等)及び豆果原料(例えば、インゲンマメ、ヒヨコマメ、グリーンピース等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
加工性に役立つために、所望により生地に添加され得る材料は、1以上の乳化剤である。乳化剤の生地への添加は、生地のべたつきを低減し、シーティングロール、ベルト等に張り付くことを最小限に抑える。乳化剤はまた、最終製品の質感に影響を与え、乳化剤の量が多ければ密度の高い最終製品が得られる。乳化剤は、生地のシート化の前に生地組成物に添加されることが好ましい。乳化剤は、脂肪又はオレアン(Olean)(商標)のようなポリオール脂肪酸ポリエステルに溶解することができる。好適な乳化剤としては、レシチン、モノ及びジグリセリド、ジアセチル酒石酸エステル、並びにプロピレングリコールモノ及びジエステル、並びにポリグリセロールエステルが挙げられる。ヘキサグリセロールのモノエステルようなポリグリセロール乳化剤を使用することができる。特に好ましいモノグリセリドは、ダニスコ(Danisco)(登録商標)(カンザス州ニューセンチュリー(New Century))より商品名ジモダン(Dimodan)として、及びアーチャー・ダニエルズ・ミッドランズ社(Archer Daniels Midlands Company)(イリノイ州ディケーター(Decatur))より商品名DMG70として販売されている。
【0068】
本発明による任意材料の量を算出するとき、乾燥果物材料及び米系材料に内在する可能性のある任意材料の量は含まれない。
【0069】
2.生地の調製
本発明の生地は、シート化できる生地を形成する任意の好適な方法によって調製することができる。典型的には、従来のミキサーを用いて材料をともに完全に混合することにより、ゆるい(loose)乾燥生地を調製する。湿性材料のプレブレンドと乾燥材料のプレブレンドを調製した後、湿性プレブレンドと乾燥プレブレンドとをともに混合して、生地を形成することが好ましい。バッチ操作にはホバート(Hobart)(登録商標)ミキサーが好ましく、連続混合操作にはタービュライザー(Turbulizer)(登録商標)ミキサーが好ましい。或いは、押出成形機を使用して、生地を混合し、シート又は成形片を成形することもできる。
【0070】
a.シート化
いったん調製した後、生地を比較的平らな薄いシートに成形する。デンプン系生地からそのようなシートを成形するのに好適な任意の方法を使用してよい。例えば、シートを2つの逆回転円筒形ローラーの間で伸ばし、均一な比較的薄い生地素材のシートを得ることができる。従来の任意のシート形成装置、製粉装置、及び検量装置を使用してよい。圧延ロールは、好ましくは約5℃〜約45℃に冷却されるべきである。好ましい実施形態では、圧延ロールは、フロントローラーがバックローラーよりも高温である、2つの異なる温度に保持される。生地は、押出成形によってシートに成形してもよい。
【0071】
本発明の生地は、通常、厚さ約0.038cm(約0.015インチ)〜約0.25cm(約0.10インチ)、好ましくは約0.048cm(約0.019インチ)〜約0.127cm(約0.05インチ)、最も好ましくは約0.051cm(0.02インチ)〜約0.076(0.03インチ)の範囲のシートに成形される。
【0072】
本発明の生地シートは、約80gf(0.78N)〜約400gf(3.92N)、好ましくは約85gf(0.83N)〜約300gf(2.94N)、より好ましくは約95gf(0.93N)〜約150gf(1.47N)のシート強度を有する。さらに、本発明の生地は、非常に薄いシート状にし、乾燥果物材料の含量が多い場合でさえ強い。シート強度は、乾燥果物材料の量が減少するにつれて増大する。米材料は、米の、シート強度を増大させる能力により、乾燥果物材料をスナック処方へ組み込むことを可能にし、本米粉組成物は、生地中の食品片、例えば果物片、野菜片、全粒片、ナッツ片等の優れた担体である。しかしながら、マーサ、オートムギ粉もまた、果物含有スナック用デンプン含有素材として優れた選択肢である。
【0073】
その後、生地シートは、所定の寸法及び形状のスナック片に成形される。スナック片は、任意の好適な打ち抜き又は切断装置を使用して成形することができる。スナック片は、様々な形状へと成形してよい。例えば、スナック片は、楕円形、正方形、円形、蝶ネクタイ形、星形車形、又は風車形であってよい。1996年1月25日に国際特許公開第96/01572号として公開された国際特許出願US95/07610号(ドーズ(Dawes)ら)に記載のように、切片に刻み目をつけて波形チップを作製してよい。
【0074】
b.調理
スナック片を成形した後、これをサクサクするまで調理して加工スナック製品を形成する。スナック片は、例えば消化性脂肪、非消化性脂肪、又はこれらの混合物を含む脂肪組成物中で揚げてよい。最良の結果を得るには、きれいな揚げ油を使用すべきである。油脂の酸化率を低下させるために、油脂の遊離脂肪酸含有量は好ましくは約1%未満、より好ましくは約0.3%未満に維持すべきである。高温押出成形、ベーキング、真空乾燥、マイクロ波加熱、及びこれらの混合のような、生地を調理又は乾燥する任意の他の方法もまた許容可能である。加工スナック製品を調理し、約75gf(0.74N)〜約500gf(4.90N)、好ましくは約180gf(1.77N)〜約280gf(2.75N)、最も好ましくは約200gf(1.96N)〜約300gf(2.94N)のチップ破壊強度を有する果物系チップを形成することが好ましい。また、本発明の加工スナック製品を油で揚げる場合、得られる果物系チップは、約0.6〜1.6g/mL、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.8〜1.0g/mLの密度を有することが好ましい。
【0075】
本発明の果物系スナックの風味及び質感は、それらを、比較的薄く、好ましくは0.46cm〜0.14cm(0.018〜0.055インチ)で、上記のように生地中の水分量が少ないように処方された生地シートから製造した結果である。この少量の水及び処方中の米系材料の存在により、揚げる時間が実質的に低減され、所望の質感を得ることが可能になる。それは、乾燥果物材料は乾燥しており、米は既に調理されており、デンプンは低温で糊化しているため、油で揚げる必要なエネルギーは最小限であり、簡潔化された調理工程中の脂肪吸収が少ない。また、生地製造工程において使用される水の量が少ないため、チップの脂肪含量が典型的な揚げられたスナックより少ないためである。本発明の果物スナックは、10〜29%、好ましくは15〜25%の範囲の総脂肪含量を有する。
【0076】
本発明の一実施形態では、生地は、マイクロ波加熱を使用して乾燥した後、約0.6〜約1.8g/mLの密度にまで油で揚げた、加工スナック製品に作られる。
【0077】
本発明の好ましい実施形態では、揚げ油は約30%未満、好ましくは25%未満、最も好ましくは20%未満の飽和脂肪を有する。この種類の油脂は、最終加工スナック製品が示す風味が増強されるように、最終加工スナック製品の潤滑性を改善する。油脂の融点が低いため、これらの油脂の風味特性もまた、局所的に味付けされた製品の風味特性を向上させる。かかる油脂の例としては、中〜高濃度のオレイン酸を含有するヒマワリ油が挙げられる。
【0078】
本発明の別の実施形態では、スナック片は、非消化性脂肪と消化性脂肪のブレンドで揚げられる。ブレンドは、好ましくは約20%〜約90%の非消化性脂肪と約10%〜約80%の消化性脂肪、より好ましくは約50%〜約90%の非消化性脂肪と約10%〜約50%の消化性脂肪、さらにより好ましくは約70%〜約85%の非消化性脂肪と約15%〜約30%の消化性脂肪とを含む。また、TBHQ、トコフェロール、アスコルビン酸のような酸化防止剤、クエン酸のようなキレート化剤、及びジメチルポリシロキサンのような消泡剤を含む、当該技術分野において既知の他の成分材料を、食用脂肪及び油脂に添加してよい。
【0079】
本発明の別の実施形態では、加工チップ製品は、高オレイン酸ヒマワリ油、トウモロコシ油、米油、中オレイン酸ヒマワリ油、パーム油、及びこれらの混合物のような、飽和脂肪の少ない油で揚げられる。
【0080】
約135℃(275°F)〜約215℃(420°F)、好ましくは約149℃(300°F)〜約210℃(410°F)、より好ましくは約177℃(350°F)〜約204℃(400°F)の温度で、水分が約6%以下、好ましくは約0.5%〜約4%、より好ましくは約1%〜約3%である製品を形成するのに十分な時間、スナック片を揚げることが好ましい。正確な揚げ時間は、揚げる脂肪の温度及び生地の初期水分含量により制御され、これらは当業者が容易に決定することができる。
【0081】
スナック片を、連続揚げ方法を用いて揚げ、揚げる間は拘束しておくことが好ましい。この拘束した揚げ方法及び装置は、米国特許第3,626,466号(リーパ(Liepa)、1971年12月7日発行)に記載されている。成形され拘束されたスナック片は、最終水分含量が約0.5%〜約4%、好ましくは約1%〜約2.5%のサクサクとした状態に揚げられるまで、揚げ媒質を通過させる。
【0082】
連続揚げ又はバッチ揚げのような、非拘束様式によるスナック片の任意の他の揚げ方法もまた許容可能である。例えば、スナック片を移動ベルト又はバスケット上で揚げ油に浸漬してよい。同様に、油で揚げることは、半拘束(semi-constrained)工程で行われる場合もある。例えば、加工スナック片を、揚げる中、2つのベルトの間に保持してよい。
【0083】
揚げた後に、特徴的な風味を有する油脂又は高度不飽和油脂を、加工スナック製品上に噴霧し、混転し、又は他の方法で塗布してよい。トリグリセリド油脂及び非消化性脂肪を、風味を分散させるための担体として使用し、加工スナック製品に局所的に添加することが好ましい。これらとしては、バター風味油脂、天然又は人工風味油脂、ハーブ油脂、及びジャガイモ、ニンニク又はタマネギ風味を加えた油脂が挙げられるが、これらに限定されない。こうすることで、油で揚げる間、風味が褐変反応することなく、様々な風味を導入することができる。この方法を使用して、通常、スナックを油で揚げるのに必要な加熱中、重合又は酸化する油脂を導入することができる。
【0084】
本発明の最終製品は、処方に添加された乾燥果物材料のために、独自の自然に甘い風味及び典型的なジャガイモスナックよりサクサクした質感を有する。米粉は、膨張が制御された軽い質感が生じる要因であり、これは、チップ表面に外部の泡が存在せず、小さい内部の泡のみであることを意味する。これらの内部の泡は、ポテトクリスプ(crisps)と比較してチップの密度を減少させる。本発明の最終チップの脂肪含量は、チップの1回の摂取量28グラム当たり約0グラム〜約9グラムの範囲である。好ましくは、チップの脂肪含量は、チップの1回の摂取量28gあたり7g未満である。これは、同様の条件下で加工されるが、典型的に1回の摂取量28gあたり11gである、ジャガイモ粉を含むチップと比較した場合、脂肪含量がおよそ20〜50%低下していることを示す。
【0085】
D.製品特徴及び分析方法
1.チップ密度試験手順
スナックの密度は、スナックの質感及び食感品質に関連する場合がある。製品の密度が低くなると、製品の質感及び食感品質は軽くなる。押出成形スナックのような低密度製品は、溶けが遅い食感品質を有し、多少歯に詰まる場合がある。ジャガイモ及びトルティーヤスナックのような製品は、高密度を有し、特徴のあるカリカリした(crunchy)質感及び溶けが速い食感品質を有する。本発明の果物系製品は、より速く崩壊する(低吸水率指数により示されるように)ジャガイモ及びトルティーヤスナックと類似した密度を有する。本発明の製品は、トルティーヤ又はジャガイモスナックから所望の特質をもたらす独自のサクサク感(crispiness)、及び食感品質、並びに保持されたサクサク感及び独自の甘い風味を有する。本発明の製品はまた、少量の果物で作製された典型的な押出成形スナックと比較して、より滑らかな食感品質を有する。本発明の製品は、0.6〜1.6g/cc、好ましくは0.7〜1.2g/cc、より好ましくは0.8〜1.0で変動する。密度は、以下の方法で測定することができる。
【0086】
密度測定
備品
1.破損していないスナック片を収容するのに十分な大きさの開口部を有するメスシリンダー
2.はかり
3.グリセリン(P&Gケミカルズ(P&G Chemicals)、オハイオ州シンシナティー(Cincinnati))。
【0087】
手順
1.メスシリンダーの風袋を計る。
2.メスシリンダーの最上部の目盛り線までグリセリンを充填する。充填したメスシリンダーには気泡が含まれないようにする。
3.メスシリンダーに充填したグリセリンを計量し、その質量を100分の1g単位で記録する。これが、メスシリンダー内のグリセリンの質量である(=mグリセリン)。
4.メスシリンダーからグリセリンをあけて空にし、空のメスシリンダーを洗浄する。
5.上の工程4で得られる清浄なメスシリンダーの風袋を計る。
6.約20グラムの破損していない試験製品をメスシリンダーに入れる。
7.試験製品を収容するメスシリンダーを計量し、試験製品を収容するメスシリンダーの質量を100分の1グラム単位で記録する。これが、メスシリンダー内の試験製品の質量である(=m試験製品)。
8.試験製品を収容するメスシリンダーに、最上部の目盛り線までグリセリンを充填する。充填したメスシリンダーには気泡が含まれないようにする。
9.上の工程8を実施してから5分以内に、試験製品及びグリセリンを収容するメスシリンダーを計量し、試験製品及びグリセリンを収容するメスシリンダー質量を100分の1グラム単位で記録する。これが、メスシリンダー内の試験製品及びグリセリンの質量である(=m試験製品+グリセリン)。
10.工程9のメスシリンダーを空にし、洗浄する。
11.新しいグリセリン及び試験製品を使用して、上の工程1〜10を更に2回繰り返し、試料毎に合計3つの測定値を得る。
12.試料の3つの測定値を平均して、
・平均m1グリセリン
・平均m試験製品
・平均m試験製品+グリセリン
を得る。
【0088】
計算
ρグリセリン=1.2613g/mL(20℃において)(グリセリンの密度、文献値)
平均V1グリセリン=(平均m1グリセリン)/(ρグリセリン)=シリンダーの体積
平均m2グリセリン=平均m試験製品+グリセリン−平均m試験製品
平均V2グリセリン=(平均m2グリセリン)/(ρグリセリン
平均V試験製品=平均V1グリセリン−平均V2グリセリン
SV試験製品=(平均V試験製品)/(平均m試験製品
ρ試験製品=1/SV試験製品
2.脂肪分析(%)
チップ中の総脂肪割合は、食品業者に既知の標準的な手順により測定でき、好ましくは、総脂肪は、酸加水分解により測定される。特に、酸加水分解により総油脂を測定するための方法は、AOACインターナショナル(International)(2000)第17版、AOACインターナショナル(International)、米国メリーランド州ガイサーズバーグ(Gaithersburg)、公式方法922.06、954.02に見ることができる。
【0089】
3.チップ破壊強度
破壊強度は、チップを破壊するのに必要な力の測定値である。破壊強度は、スナックの強度、及び食感品質に関係する。破壊強度が強いほど、チップはよりカリカリ、サクサクする。本発明のスナックは、高い値の破壊強度を示し、カリカリとしたな質感及びより低い脂肪含量を有する。本発明の製品は、ジャガイモスナック製品よりも高いチップ破壊強度を有する。本発明の果物含有製品は、約75gf(0.74N)〜約500gf(4.90N)、好ましくは約180gf(1.77N)〜約280gf(2.75N)、最も好ましくは約200gf(1.96N)〜約300gf(2.94N)のチップ破壊強度(gf)を有する。
【0090】
破壊強度は、以下の方法で測定することができる。
機器
テクスチャー・テクノロジー(Texture Technologies)(ニューヨーク州スカースデール(Scarsdale))製の、5kgのロードセルを備えたTA−XT2iテクスチャー・アナライザー
【0091】
方法
1.分析前に、毎日プローブ及び抵抗力較正を完了する。
2.電子キャリパーで測定した20.30mmの隙間を有し、曲線側を下方に向けた、調節可能な3点屈曲部(bend)/スナップ(snap)固定具上に、試料を置く。平らな3mmの端部を有するナイフブレードを使用して試料を破壊する(TA−43、テキスチャー・テクノロジーズ(Texture Technologies))。
3.以下の設定を使用する。
a.圧縮状態で力を測定
b.試験前速度:1.5mm/秒
c.試験速度:0.5mm/秒
d.試験後速度:10.0mm/秒
e.距離:5.0mm
f.制動力(Trigger force):5.0g
4.亀裂及び破損がないチップのみを分析する。チップは、分析まで密封容器に保存される。
5.以下のマクロを使用してデータを分析した。
a.グラフ結果消去
b.再描画
c.前方を探索
d.最短時間へ移動
e.正の絶対値(力)へ移動
f.力の値(硬度)の標識、値を記録する
g.距離の値(破砕能)の標識、値を記録する
6.15回の実行した平均を破壊強度として使用する。
【0092】
4.シート強度試験
引張り試験は、生地シートの引張り強度を測定する機械的応力−ひずみ試験である。生地細片を、その端部で試験機械上に取り付ける。生地細片を、生地が破断するまで一定速度で伸長させる。生地が破断するときの力(g)が、生地の引張り強度である。引張り試験の出力を、力/荷重対距離/時間として記録する。シート強度は、次の方法により測定することができる。
【0093】
機器
3.ステーブル・マイクロシステムズ(Stable Micro Systems)製テクスチャー・アナライザーTA−XT2又はTA−XT2i(25kgのロードセル能、テクスチャー・エキスパート・エクシード・ソフトウェア(Texture Expert Exceed Software)及び5kgの較正重量)
【0094】
4.以下の交換部品を有するインストロン・エラストマー・グリップ(Instron Elastomeric Grips)(カタログ番号2713−001):
a)内部スプリング(インストロン部品番号66−1−50)を直径0.5842mmのワイヤから作製されたスプリングに交換する。交換用スプリングは、長さ3.81cm、内径0.635cm、係数Kは0.228N/mmでなければならない。前記交換用スプリングは、ジョーンズ・スプリング社(Jones Spring Company)(米国、ケンタッキー州、ワイルダー(Wilder))から入手することができる。
b.)インストロン部品番号T2−322を、図8及び図9に示されるように、変形ローラープレーン(roller plain)に交換する。前記変形ローラープレーンは、該ローラープレーンの外表面上に、長さ4.412cm、幅0.9525cmの平坦側部を有するように機械加工された、インストロン・ストック(Instron Stock)部品番号T2−322である。前記平坦側部を、アームストロング自己接着式テープ#Tap18230で覆い、グリップ(Grip)のクランプ・フレーム・ロウアー(Clamp Frame Lower)(インストロン部品番号A2−1030)の試料側に平行に置く。インストロン弾性グリップは、テクスチャー・アナライザーの上面と底に固定される。
【0095】
試料の調製
1.0.38mm〜2.50mmの範囲の均一な厚さ、及び少なくとも20cmの長さを有する生地シートを収集する。
2.生地シートから試料を切断して、幅2.5cm、長さ15cmの生地細片を形成する。細片の15センチの長さは、その生地の縦方向に対応するべきである。全細片を順次切断する。
3.試料を気密容器内に置くことにより、試料から水分が失われるのを防ぐ。試料が新鮮な間に確実に分析されるように、収集後10分以内に試料を分析しなければならない。
【0096】
テクスチャー・アナライザー設定
試験モード:引張り力の測定
オプション:スタートに戻る
予備試験速度:3.0mm/秒
試験速度:10mm/秒
試験後速度:10mm/秒
距離:45mm
制動型:自動
制動力:5g
単位:グラム
距離:ミリメートル
破断検出:オフ
【0097】
データ分析
試料のシート引張り強度とは、試料が破断する前の最大抵抗力である。生地のシート引張り強度は、5つの試料のシート強度の平均値である。
【0098】
5.加工チップのガラス転移温度の測定
パーキン・エルマー動的機械分析装置(Perkin Elmer Dynamic Mechanical Analyzer)DMA−7eを使用して、ガラス転移温度Tg、Tg1、及びTg2の測定を実施する。5つの試料のTg値の平均は、試験した最終製品それぞれのTg値と考えられる。
【0099】
加工チップガラス転移温度(Tg
完成加工チップ試料の場合、15mm曲げプラットフォーム(パーキン・エルマー(Perkin Elmer)部品番号N539−0197)及び5mmナイフエッジプローブティップ(パーキン・エルマー(Perkin Elmer)部品番号N539−1063)を有する3点曲げ構成を使用する。0.3±0.05のAwを有する試験チップの中央部分を切り取って、長さ16mm〜18mm、幅5mm〜10mmのチップ部分を形成する。次いで、前記チップ部分が試料管の壁面に接触することなく3点曲げ構成の15mm曲げプラットフォームをまたぎ、プローブが初めに前記チップ部分に接触する時に振動しないように、前記チップ部分を3点曲げ構成内に置く。次いで、周波数1Hzで100mNの静的力及び85mNの動的力をチップ部分に適用する。試験温度を5℃/分で0℃から160℃に上昇させる。図1に示すように、貯蔵弾性率(E’)を温度に対してプロットし、プローブ位置を温度に対してプロットする。試験が有効であるためには、プローブ位置対温度のプロットにおいて、初期値を除くプローブ位置の値はいずれも、直前のプローブ位置の値の101%を超えることはできない。また、試験中にプローブが試料を破壊してはならない。
【0100】
測定(Tg)及び試料の試験手順
1.40℃〜60℃の温度範囲に対応する、E’対温度のプロット上の点を通る最適合線を引き、この線をL1とする。
2.ガラス相とゴム状安定状態との間の転移領域に対応する、E’対温度プロット上の点を通る最適合線を引く。この線をL2とする。
3.試験試料の場合、Tgは、L1及びL2の交点に一致する温度であると考えられる。
【0101】
6.水分活性(Aw)
水分活性は、比率Aw=p/poとして定義され、式中、pは、水蒸気の実際の分圧を表し、poは、同一温度における純水の最大可能水蒸気圧(飽和圧)を表す。したがって、Awのレベルは無次元であり、純水は1.0、水分を全く含まない物質は0.0である。食品中の平衡相対湿度%RHと水分活性との間の関係は、Aw×100=%RHになる。
【0102】
器具
ロトロニック・ハイグロマー(Rotronic Hygromer)(登録商標)AwVc、運転温度範囲0℃〜100℃、0%RH〜100%RH。
【0103】
方法
1.試料5gを計量し、プラスチック袋に移す。
2.平たい物体で試料を細かく砕く。
3.試料を小さなプラスチックのロトロニック(Rotronic)皿に置き、次いで皿を測定ステーションの下側半分に置く。
4.試験サイクルを開始し、試験サイクル終了後にAwを読み取る。得られるAwの値をチップのAwの値と見なす。
【0104】
本発明者による加工チップ実施形態のTg(20℃、Aw約0.30で平衡する)を以下により詳細に記載する。
【0105】
本発明者による加工チップの実施形態は、約40℃を超えるTgを有する。本発明者による加工チップの他の実施形態は、約45℃〜約80℃のTgを有する。本発明者による加工チップのさらに他の実施形態は、約50℃〜約80℃のTgを有する。
【0106】
7.吸水指数(WAI)
最終製品
一般に、「吸水指数」及び「WAI」(Water Absorption Index)という用語は、炭水化物を主体とする材料の水分保持能力を指す。(例えば、R.A.アンダーソン(Anderson)ら、「ロール及び押出調理によるコーングリッツのゼラチン化(Gelatinization of Corn Grits By Roll-and Extrusion-Cooking)」、cereal science today第14巻1号4頁、1969年を参照のこと。)
試料のWAIは、次のように決定される:
1.空の遠心管を小数点以下第2位まで計量する。
2.粉砕試料2グラムを管に入れる。
3.温度30℃の水30ミリリットルを管に加える。
4.乾燥試料の塊が残らないように、水と試料を合わせたものを激しく攪拌する。
5.管を温度30℃の水槽に30分間置く。水と試料を合わせたものを、10分、20分、及び30分経過後に激しく攪拌する。
6.水と試料を合わせたものを、米国マサチューセッツ州ニーダムハイツ(Needham Heights)のインターナショナル・イクィップメント社(International equipment Company)から供給されるセントラ(Centra)(登録商標)MP4遠心分離器内で、3,000rpmで15分間遠心分離する。
7.管から水を静かに移し、管にゲルを残す。
8.管及びその内容物を計量する。
9.WAIは、得られたゲルの重量を、乾燥試料の重量で除すことにより算出される。
WAI=([チューブ及びゲルの重量]−[チューブの重量])÷[乾燥試料の重量])
【実施例】
【0107】
E.実施例
本発明の特定の実施形態を以下の非限定例によって説明する。
【0108】
表E1は、調製され、次いで生地に作られるドライブレンドの3つの代表的な組成を示す。生地を、シート化し、加工スナック片に切断し、油で揚げて、本発明による果物系スナックチップが作製される。生地、シート及び得られるスナックチップの特定の特性もまた表E1に示す。
【0109】
(実施例1〜3)
【0110】
【表3】

【0111】
表E2は、調製され、次いで生地に作られたドライブレンドの4つの代表的な組成を示す。生地を、シート化し、加工スナック片に切断し、油で揚げて、本発明による果物系スナックチップが作製される。生地、シート及び得られるスナックチップの特定の特性もまた表E2に示す。
【0112】
(実施例4〜7)
【0113】
【表4】

【0114】
参考文献の引用
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0115】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0116】
本発明の特定の実施形態を説明及び記述してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々なその他の変更及び修正を行えることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0117】
この明細書は、特許請求の範囲から本明細書で詳細に記載された本発明をもって結論とするが、図面を考慮すれば、より良く理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】最終加工チップ試料の加工チップガラス転移温度(Tg)を測定するために用いたグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地の約15重量%〜約40重量%の水、及び生地の約60重量%〜約85重量%の乾燥材料を含む生地組成物であって、前記乾燥材料が、
a) 乾燥材料の約3重量%〜約50重量%の、約15重量%〜約70重量%の糖含量を有する乾燥果物材料と、
b) 乾燥材料の約20重量%〜約97重量%の米系材料とを含む生地組成物。
【請求項2】
前記米系材料が、米粉、アルファ化デンプン、低粘度デンプン、デキストリン、酸変性デンプン、酸化デンプン、酵素変性デンプン、安定化デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、もち米デンプン、もち米粉、架橋デンプン、アセチル化デンプン、2以上の異なる加工により変性されたデンプン、及びこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは、米デンプン素材が、もち米デンプン、もち米粉、アセチル化米デンプン、架橋米デンプン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項3】
前記乾燥果物材料が、リンゴ系粉、イチゴ系粉、バナナ系粉、洋ナシ系粉、アンズ系粉、クランベリー系粉、糖含量が約80%未満の任意の乾燥果物、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項4】
前記米粉が、中粒米粉、長粒米粉、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項2に記載の生地組成物。
【請求項5】
前記乾燥果物材料が約50重量%未満の糖濃度を有する、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項6】
前記乾燥果物材料が、水分含量約15重量%未満に乾燥される、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項7】
調理された加工スナック製品に作られ、最終的に果物系チップが得られる、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項8】
前記水分含量が、生地の約18重量%〜約35重量%、好ましくは約22重量%〜約30重量%である、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項9】
生地の0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約2重量%〜約7重量%、より好ましくは約3重量%〜約5重量%の濃度の乳化剤をさらに含む、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項10】
コムギ、トウモロコシ、米、タピオカ、オオムギ、キャッサバ、オートムギ、サゴ、ジャガイモ、トウモロコシ、オートムギ、オオムギ、マーサ粉、キャッサバ、及びこれらの混合物から成る群から選択される粉をさらに含む、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項11】
0重量%〜約20重量%、好ましくは0重量%〜約10重量%、さらにより好ましくは0重量%〜約7.5重量%のマルトデキストリンをさらに含む、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項12】
油で揚げられた加工スナック製品に作られ、最終的にチップ28gあたり約0g〜約11gの脂肪、より好ましくはチップ28gあたり約5g未満の脂肪を含有する果物系チップが得られる、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項13】
油で揚げられた加工スナック製品に作られ、最終的に約0.4〜1.6g/mL、好ましくは0.7〜1.2g/mL、より好ましくは0.8〜1.0g/mLの密度を有する果物系チップが得られる、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項14】
油で揚げられた加工スナック製品に作られ、最終的に約75gf(0.74N)〜約500gf(4.90N)、好ましくは約95gf(0.93N)〜約400gf(3.92N)、最も好ましくは約120gf(1.18N)〜約200gf(1.96N)の破壊強度を有する果物系チップが得られる、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項15】
約0.2重量%〜約8.0重量%の乳化剤をさらに含む、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項16】
マイクロ波加熱を用いて乾燥され、次いで油で揚げられ、密度が約0.4〜約1.6g/mLである加工スナック製品に作られる、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項17】
調理された加工スナック製品に作られ、約75gf(0.74N)〜約500gf(4.90N)の果物破壊強度を有する果物系チップを形成する、請求項1に記載の生地組成物。
【請求項18】
前記加工スナック製品が、ベーキング、油で揚げること、押出成形、吸引、マイクロ波、及びこれらの混合により調理される、請求項7に記載の果物系チップ。
【請求項19】
約3重量%〜約50重量%の乾燥果物材料と、約20重量%〜約97重量%の米系材料とを含む、ドライブレンド。
【請求項20】
前記米系材料が、少なくとも10%のもち米粉を含み、前記もち米粉が少なくとも30%のα米粉を含有する、請求項1に記載の生地組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2009−528047(P2009−528047A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556905(P2008−556905)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050657
【国際公開番号】WO2007/099506
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】