説明

架橋性アクリレート接着性ポリマー組成物

酸官能性アクリレート溶質コポリマーと、モノマー溶媒混合物と、ポリアジリジン架橋剤と、を含む、接着剤前駆体シロップコポリマー組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2010年1月20日出願の中国出願第201010004903.9号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、感圧接着剤及びそれから調製されるテープ物品に関する。このテープは接着及び凝集特性の全体的バランスと、高温での優れた耐荷重性と、を示すことを特徴とする。
【背景技術】
【0003】
感圧性テープは、家庭及び職場の実質上至る所に存在する。その最も簡単な構成において、感圧性テープは、接着剤及び裏張りを備え、全体の構造は、使用温度において粘着性があり、固着を形成するための適度な圧力のみで、種々の基材に接着する。この様式において、感圧性テープは、完全で自己完結的な固着システムを構成する。
【0004】
感圧性テープ評議会によると、感圧接着剤(PSA)は、以下、(1)強力かつ恒久的粘着、(2)指圧を超えない圧力での接着、(3)被着体への十分な保持力、及び(4)被着体から手際よく除去するのに十分な粘着力を含む特性を有することで既知である。PSAとして良好に機能することが分かっている材料としては、必須の粘弾性特性を示し、粘着、剥離接着、並びに剪断保持力の所望の調和をもたらすように設計及び処方されたポリマーが挙げられる。PSAは、室温(例えば、20℃)で通常の粘着性を示すことで特徴付けられる。PSAは、べたっとしていること、又は表面に接着することだけから、組成物を抱持するわけではない。
【0005】
これらの必要量は、A.V.Pocius in Adhesion and Adhesives Technology:An Introduction,2nd Ed.,Hanser Gardner Publication(Cincinnati,OH)2002に記載のように、粘着性、接着性(剥離強度)及び凝集性(剪断保持力)を独立して測定するよう設計された試験の方法を用いて一般的に評価される。これらの測定結果は全体として、PSAを特徴付けるためにしばしば使用される特性の調和を構成している。
【0006】
長年にわたる感圧性テープの使用の拡大に伴い、性能要件はより厳しくなっている。例えば、当初は室温で中程度の荷重を支えるための適用を目的としていた剪断保持力は、操作温度及び荷重における数多くの適用に対応するために大幅に増加した。いわゆる高性能感圧性テープは、荷重を高温で10,000分間支持することができるテープである。剪断保持力の増強は、通常PSAを架橋することで達成されるが、その際、高度の粘着と接着を保持し、前述の特性調和を保持するためには相当の注意を払う必要がある。
【0007】
アクリル接着剤について、2つの主要な架橋機構、すなわち、他のモノマーとの多官能性エチレン系不飽和基のフリーラジカル共重合、及びアクリル酸等の官能性モノマーを介する共有結合性又はイオン性架橋が存在する。もう1つの方法は、共重合可能なベンゾフェノンなどの紫外線架橋剤、又は多官能性ベンゾフェノンやトリアジンなどの後添加光架橋剤を使用するものである。これまで、例えば、多官能性アクリレート、アセトフェノン、ベンゾフェノン、及びトリアジンなどのような、様々な異なる材料が架橋剤として使用されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、前述の架橋剤は、次のような欠点を1つ以上持っている:高揮発性、ある特定のポリマー系との不相溶性、腐食性又は毒性副産物の生成、望ましくない色の生成、架橋反応を開始するための個々の光活性化合物の要件、及び酸素に対する高感度。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、酸官能性アクリレート溶質コポリマー、モノマー溶媒混合物、及びポリアジリジン架橋剤を含む接着剤前駆体シロップコポリマー組成物を対象とする。本開示は、a)酸官能性アクリレート溶質コポリマー、モノマー溶媒混合物、及びポリアジリジン架橋剤を含むシロップコポリマー組成物を準備する工程と、b)成分を反応させ、その後、アクリル酸等の更なる酸官能性モノマーを添加する工程と、を含む、接着剤前駆体シロップコポリマー組成物を調製する方法を更に提供する。接着剤前駆体シロップポリマー組成物は、重合及び硬化して感圧接着剤を製造することができる。
【0010】
新規の組成物及び方法の使用は、従来の(メタ)アクリレートシロップポリマー組成物と比較して、いくつかの利点をもたらす。これらの利点には、酸素に対して低下した架橋性組成物の感度、任意の毒性若しくは腐食性副産物の進化回避、又は最終産物の変色、及び硬化後架橋添加剤として使用される能力が含まれるが、それらに限定されない。加えて、硬化した接着剤は、高い剥離強度、高い貼着強度、及び高い耐熱剪断強度を呈する。
【0011】
溶質ポリマー及び溶媒モノマー中の酸官能性モノマーの量、並びにポリアジリジン架橋剤の量を制限することが、作られる「デッドポリマー」の量を最小限に抑えることが見出された。デッドポリマーは、架橋密度を減少させ、乏しい剪断特性(特に高温で)を提供する。
【0012】
本開示の感圧接着剤、すなわち、架橋されたシロップポリマー組成物は、所望の粘着バランス、剥離接着力、及び剪断保持力を提供し、更にDahlquist基準に一致し、すなわち、適用温度、典型的には室温での接着剤係数が、1Hzの周波数で3×10ダイン/cm未満である。
【0013】
「シロップポリマー」は、1つ以上の溶媒モノマー中の溶質ポリマーの溶液を指し、溶液は、22℃で500〜10,000c.Pの粘度を有する。
【0014】
本出願においては、(メタ)アクリルは、メタクリル及びアクリルの両方を包含する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「アルキル」は、直鎖、分枝鎖、及び環状アルキル基を含み、非置換及び置換アルキル基の両方を含む。特に指定しない限り、アルキル基は、典型的には、1〜20個の炭素原子を含有する。本明細書で使用される「アルキル」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、n−オクチル、n−ヘプチル、エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、及びノルボルニル、並びにこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。特に注記しない限り、アルキル基は、一価又は多価であり得る。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロアルキル」は、独立してS、O、及びNから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する直鎖、分枝鎖、及び環状アルキル基を含み、非置換及び置換アルキル基の両方である。特に指定しない限り、ヘテロアルキル基は、典型的には、1〜20個の炭素原子を含有する。「ヘテロアルキル」は、以下に記載の「1つ以上のS、N、O、P、又はSi原子を含有するヒドロカルビル」の部分集合である。本明細書で使用するとき、「ヘテロアルキル」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、3,6−ジオキサへプチル、3−(トリメチルシリル)−プロピル、4−ジメチルアミノブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。特に注記しない限り、ヘテロアルキル基は、一価又は多価であり得る。
【0017】
本明細書で使用するとき、「アリール」は、6〜18個の環原子を含有する芳香族であり、任意の縮合環を含有してもよく、これは、飽和であっても、不飽和であっても、芳香族であってもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナンスリル、及びアントラシルが挙げられる。ヘテロアリールは、窒素、酸素、又は硫黄等の1〜3個のヘテロ原子を含有するアリールであり、縮合環を含有してもよい。ヘテロアリール基のいくつかの例は、ピリジル、フラニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンズチアゾリルである。特に指定しない限り、アリール及びヘテロアリール基は、一価であっても多価であってもよい。
【0018】
本明細書で使用される「(ヘテロ)ヒドロカルビル」は、ヒドロカルビルアルキル及びアリール基、並びにヘテロヒドロカルビルヘテロアルキル及びヘテロアリール基を含み、後者は、エーテル又はアミノ基等の1つ以上のカテナリー酸素ヘテロ原子を含む。ヘテロヒドロカルビルは、場合により、エステル、アミド、尿素、ウレタン、及びカーボネート官能基などの1つ以上のカテナリー(鎖内)官能基を含有してもよい。特に指定しない限り、非ポリマー(ヘテロ)ヒドロカルビル基は、典型的に、1〜60個の炭素原子を含有する。このようなヘテロヒドロカルビルのいくつかの例は、本明細書で使用するとき、上記「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」について記載したものに加えて、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、4−ジフェニルアミノブチル、2−(2’−フェノキシエトキシ)エチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサへキシル−6−フェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用される「デッドポリマー」は、重合された略非反応性ポリマーを指し、すなわち、デッドポリマーは、鎖内に、又は鎖に付着される不飽和基を有しない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
シロップポリマー組成物は、
1)100重量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマー単位と
2)0.01〜5重量部未満の酸官能性モノマー単位と、
3)0〜25重量部の第2の非酸官能性極性モノマー単位と、
4)0〜5部のビニルモノマー単位と、を含む、第1の成分溶質コポリマーを含む。
【0021】
(メタ)アクリレートエステルモノマーは、残りのモノマーの量を計算するために、100重量部の量で存在する。酸官能性(メタ)アクリレート接着剤コポリマーの調製に有用な(メタ)アクリレートエステルモノマーは、非三級アルコールの単量体(メタ)アクリルエステルであり、このアルコールは1〜14個の炭素原子、好ましくは平均で4〜12個の炭素原子を含有する。
【0022】
(メタ)アクリレートエステルモノマーとして用いるのに好適なモノマーの例としては、非第三級アルコール、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、イソオクチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−プロピルヘプタノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、シトロネロール、ジヒドロシトロネロールなどと、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれかとのエステルが挙げられる。いくつかの実施形態において、2つ以上の異なる(メタ)アクリレートエステルモノマーの組み合わせが好ましいが、好ましい(メタ)アクリレートエステルモノマーは、ブチルアルコール又はイソオクチルアルコール、又はこれらの組み合わせと(メタ)アクリル酸とのエステルである。いくつかの実施形態では、好ましい(メタ)アクリレートエステルモノマーは、2−オクタノール、シトロネロール、ジヒドロシトロネロールなどの再生可能な資源に由来するアルコールを伴う(メタ)アクリル酸のエステルである。
【0023】
一部の実施形態では、(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、少なくとも25℃、好ましくは50℃のTを有する高Tモノマーを含む。好適な高Tモノマーは、本発明で有用な好適なモノマーの例を含み、例えば、t−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、s−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、3,3,5トリメチルシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、N−オクチルアクリルアミド及びプロピルメタクリレート又は組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
高Tモノマーが含まれるとき、コポリマーは、100重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマー成分の最大30重量部、好ましくは最大20重量部を含み得る。そのような実施形態において、コポリマーの(メタ)アクリレートエステルモノマー成分は、
i.25℃を超えるTを有する、1〜30重量部の(メタ)アクリル酸エステルと、
ii.25℃未満のTを有する、99〜70重量部の(メタ)アクリル酸エステルと、を含み得る。
【0025】
溶質コポリマーは、酸官能性モノマーを更に含み、酸官能性基それ自体が、カルボン酸等の酸であり得るか、又は一部が、アルカリ金属カルボン酸塩等のその塩であり得る。有用な酸官能性モノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸、エチレン性不飽和ホスホン酸、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。このような化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、マレイン酸、オレイン酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸、及びこれらの混合物から選択されたものが挙げられる。
【0026】
それらの入手性により、酸官能性コポリマーの酸官能性モノマーは、一般にエチレン性不飽和カルボン酸、すなわち(メタ)アクリル酸から選択される。更により強い酸を所望する場合、酸性モノマーとしては、エチレン性不飽和スルホン酸及びエチレン性不飽和ホスホン酸が挙げられる。酸官能性モノマーは、概して、100部の(メタ)アクリル酸エステルモノマーに基づいて、0.01〜5重量部未満、好ましくは0.1〜2.5重量部未満、最も好ましくは0.1〜1重量部未満の量で使用される。
【0027】
コポリマーの調製に有用な極性モノマーは、油溶性及び水溶性の両方の特性をある程度有し、エマルション重合中の水相と油相との間に、極性モノマーの分配をもたらす。本明細書で使用するとき、用語「極性モノマー」は、酸官能性モノマーに特有である。
【0028】
好適な極性モノマーの代表的な例として、限定されないが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリルアミド、モノ−又はジ−N−アルキル置換アクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを含む、ポリ(アルコキシアルキル)(メタ)アクリレート、ビニルメチルエーテルを含む、アルキルビニルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい極性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びN−ビニルピロリドンからなる群から選択されるものが挙げられる。極性モノマーは、100重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマーに基づいて、0〜25重量部、好ましくは0.1〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部の量で存在し得る。
【0029】
使用するとき、(メタ)アクリレートポリマーに有用なビニルモノマーとしては、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、スチレン、置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン)、ビニルハロゲン化物、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用するとき、ビニルモノマーは、酸官能性モノマー、アクリレートエステルモノマー、及び極性モノマーに特有である。そのようなビニルモノマーは、概して、100重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマーに基づいて、0〜5重量部、好ましくは1〜5重量部で使用される。
【0030】
コーティングされた接着剤組成物の貼着力を増大させるために、多官能性(メタ)アクリレートが重合性モノマーのブレンドに組み込まれてもよい。多官能性アクリレートは特に、エマルション又はシロップ重合に有用である。有用な多官能性(メタ)アクリレートの例には、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、及びテトラ(メタ)アクリレート、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、及びプロポキシル化グリセリントリ(メタ)アクリレート、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。多官能性(メタ)アクリレートの量及び同一性は、接着剤組成物の用途に応じて調整される。典型的には、多官能性(メタ)アクリレートは、接着剤組成物の総乾燥重量を基準として5部未満の量で存在する。より具体的には、架橋剤は、接着剤組成物の100部の(重合された又は重合されていない)全モノマーに基づいて、0.01〜5部、好ましくは0.05〜1部の量で存在し得る。一部の実施形態では、架橋剤組成物は、多官能性(メタ)アクリレートを全く含有しない。
【0031】
接着剤前駆体組成物は、(メタ)アクリレートコポリマーに加えてポリアジリジン架橋剤を更に含む。このアジリジン架橋剤は、一般にコポリマーの100部に対して、アジリジン架橋剤の重量部で0.005〜5.0部で追加される。本明細書で使用される「ポリアジリジン」又は「多官能性アジリジン」という用語は、少なくとも2つのアジリジン環を有する有機化合物を指す。
【0032】
アジリジン架橋剤は以下の一般構造式を有する:
【化1】

式中、
は、(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、
は、H又はC〜Cアルキル基であり、
xは、0、1又は2であり、
yは、2〜4である。
【0033】
有用なポリアジリジン架橋剤は、米国特許第5,401,505号(Duellら)に開示され、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、式IのR基は、以下から選択され得、
【化2】

式中、
は、「y」の原子価を有するヒドロカルビル基、好ましくはアルキル基若しくはアリール基又はこれらの組み合わせであり、
yは、少なくとも2、好ましくは2〜4であり、
xは、0、1又は2であり、並びに
a及びbのそれぞれは独立して、0、1又は2である。
【0034】
他の有用な三官能性アジリジンの例として、トリメチロールプロパントリス−(2−メチル−1−アジリジンプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス−(アジリジニルプロピオネート)、テトラメチロールメタントリス(アジリジニルプロピオネート)、及びペンタエリトリトールトリス−3−(1−アジリジニル)プロピオネート)が挙げられる。
【0035】
他の多官能性アジリジンには、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−1,6−ビス−(2−メチル−1−アジリジンカルボキサミド)、1,6−ヘキサンジオールビス−(アジリジニルプロピオネート)、及び1,6−ヘキサンジオールビス−(2−メチルアジリジニルプロピオネート)等の二官能性アジリジンが含まれる。
【0036】
有用かつ市販されているポリアジリジンの例として、CX−100(商標)(Zeneca Resins)、及びXAMA−7(商標)(EIT,Inc.)が挙げられる。
【0037】
いくつかの実施形態において、ポリアジリジン架橋剤は、以下の一般式のビスアミド架橋剤であり、
【化3】

式中、
は、(ヘテロ)ヒドロカルビル基、好ましくはアリール基、トリアジン基又はアルキレン基であり、
は、H又はC〜Cアルキル基であり、
xは、0、1又は2である。
【0038】
ビスアミド架橋剤は、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、グルタル酸、アジピン酸、及びオキシジプロピオン酸等の芳香族、脂肪族、及び脂環式二塩基酸を含む二塩基酸(又はエステル等のその官能性等価物)のビスアジリジン誘導体を含む。有用なビスアミド系架橋剤は、米国特許第6,893,718号(Melanconら)に記載される芳香族ビスアミド架橋剤及びそれから調製されるアクリル接着剤を含む。
【0039】
酸官能性(メタ)アクリレート溶質コポリマーを調製する方法は、酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー及び重合されていないモノマーを含むシロップ溶質コポリマーを作るために、モノマーを部分的に重合する工程を含む。シロップコポリマー組成物は、有用なコーティング粘度に重合され、それが基材(テープ裏張り等)上にコーティングされ、更に重合され得る。部分重合は1つ以上の溶媒モノマー内の酸官能性(メタ)アクリレート溶質コポリマーのコーティング可能な溶液を提供する。概して、ポリアジリジン架橋剤は、部分的に重合されたシロップコポリマー組成物に添加され、次に、好適な基材上にコーティングされ、更に重合される。
【0040】
シロップ適用処理について、好ましいモノマー混合物(第2の溶媒モノマー成分)は、100部の全モノマーに基づいて、100部の1つ以上の(メタ)アクリレートエステルモノマー、0.01〜5部未満、好ましくは0.1〜1.5重量部未満の酸官能性モノマー、0〜20pbwの1つ以上の第2の非酸極性モノマー、及び0〜約5pbwの他のビニルモノマーを含む。
【0041】
溶質コポリマーは最初のモノマー混合物から調製され、溶媒モノマーが残りの重合されていないモノマー成分を含むことを理解されたい。しかしながら、溶質コポリマーが酸官能性モノマーに濃縮され、溶媒モノマー成分が酸官能性モノマー中で枯渇するように、酸官能性モノマーが重合において他の成分モノマーよりも高い反応を示すことが考えられる。例えば、最初のモノマー組成物が、アクリル酸等の1重量部の酸官能性モノマーを含む場合、溶質コポリマーは1重量部超を有し、溶媒モノマー成分は1重量部未満を有する。
【0042】
重合は、ポリマーシロップの構成成分の官能基と反応しないエチルアセテート、トルエン及びテトラヒドロフランなどの好適な溶媒の存在下で、又は好ましくは、それらが存在しない状態で行うことができる。
【0043】
重合は、光開始剤等の反応開始剤の存在下で、シロップポリマー組成物をエネルギーに曝露することによって達成され得る。エネルギーによって活性化された光開始剤は、例えば、重合を開始するために電離放射線が使用される場合は、不要である場合がある。これらの光開始剤は、溶媒モノマー100pbwあたり、約0.0001〜約3.0pbw、好ましくは約0.001〜約1.0pbw、及びより好ましくは約0.005〜約0.5pbwの範囲の濃度で採用され得る。
【0044】
シロップポリマーの調製の好ましい方法は、光開始されたフリーラジカル重合である。光重合法の利点は、1)モノマー溶液を加熱する必要がないことと、2)活性光源がオフになると光開始(photoinitiation)が完全に停止することと、である。コーティング可能な粘性を達成するための重合は、モノマーからポリマーへの変換が最大約30%になるように行ってよい。重合は、所望の変換、及び粘性が達成されたときに、光源を除去し、溶液に空気泡(酸素)を送って増殖しているフリーラジカルを抑えることで停止させることができる。溶質ポリマーは、非モノマー溶媒中で好都合に調製され、高変換(重合の程度)に進められ得る。溶媒(モノマー又は非モノマー)を使用する際、溶媒はポリマーシロップの形成前、又は形成後のいずれかで(例えば、真空蒸留で)除去することができる。これは許容できる方法ではあるが、高度に変換された官能性ポリマーが関わるこの手順は、追加的な溶媒除去作業が必要で、別の材料(非モノマー溶剤)が必要とされ、高分子量の、モノマー混合物内の高度に変換された溶質ポリマーの溶解には相当な時間を必要とし得るため、好ましいとは言えない。
【0045】
有用な光開始剤には、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル、Irgacure(商標)651光開始剤(Ciba Specialty Chemicals)又はEsacure(商標)KB−1光開始剤(Sartomer Co.(West Chester,PA))として入手可能な2、2−ジメトキシアセトフェノン等の置換アセトフェノン、及びジメトキシヒドロキシアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン等の置換α−ケトール、2−ナフタレン−スルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド、並びに1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシ−カルボニル)オキシム等の光活性オキシムが含まれる。これらの中で特に好ましいのは、置換アセトフェノンである。
【0046】
好ましい光開始剤は、ノリッシュI開裂を起こして、アクリル二重結合に付加して開始できるフリーラジカルを生成する光能動的な化合物である。光開始剤は、コポリマーが形成された後に、コーティングする混合物に追加することができ、すなわち、光開始剤はポリマーシロップ混合物に追加することができる。このような重合可能な光開始剤は、例えば、米国特許第5,902,836号、及び同第5,506,279号(Babuら)に記載されている。
【0047】
ポリマーシロップ組成物、及び光開始剤は、活性化紫外線で照射して、モノマー構成成分を重合させることができる。紫外線源は、以下の2種類である:1)280〜400ナノメートルの波長範囲にわたって、略10mW/cm以下(例えば、Technology,Inc.(Sterling,VA)によって製造されたUVIMAP(商標)UM 365 L−S放射計を用いて、米国国立標準技術研究所によって許可された手順に従って測定される)を供給するブラックライト等の比較的低い光強度供給源、及び2)略10mW/cm超、好ましくは15〜450mW/cmの強度を供給する中圧水銀ランプ等の比較的高い光強度供給源。ポリマーシロップ組成物を完全に又は部分的に重合させるために化学線を用いる場合、高い強度と短い曝露時間が好ましい。例えば、600mW/cmの強度と約1秒の曝露時間をうまく用いることができる。強度は、約0.1〜約150mW/cm、好ましくは約0.5〜約100mW/cm、及びより好ましくは約0.5〜約50mW/cmの範囲であることができる。これらの光開始剤は、好ましくはポリマーシロップ組成物100pbwあたり0.1〜1.0pbwの量で存在する。
【0048】
したがって、光開始剤の消光係数が低い場合は、比較的厚いコーティング(例えば、少なくとも約25.4マイクロメートル又は1ミル)を達成することができる。
【0049】
変換の程度は、照射中に前述のように重合媒質の屈折率を測定することによって監視することができる。有用なコーティング粘度は、最大30%まで、好ましくは2〜20%、より好ましくは5〜15%、及び最も好ましくは7〜12%の範囲の変換(即ち、入手可能な重合されたモノマーの割合)によって達成される。概して、変換は、粘度の関数として測定され、モノマーは、シロップコポリマーが3000〜5000cPの粘度を有するように変換される。
【0050】
酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーを調製する場合、約70℃(好ましくは50℃以下)の温度で、反応時間は24時間未満、好ましくは12時間未満、より好ましくは6時間未満で、光開始重合反応を実質的に完了させる、すなわち、モノマー構成成分を枯渇させることが得策である。これらの温度幅及び反応速度は、好ましくない、未熟な重合とゲル化を安定化させるためにアクリル系にしばしば追加されるフリーラジカル重合阻害物質の必要性を除去する。更に、阻害物質の添加は、系に残留する外来材料を加えることになり、所望のシロップポリマーの重合や架橋感圧接着剤の形成を阻害する。
【0051】
接着剤前駆体アクリレートコポリマー組成物を調製する方法の第1の実施形態において、シロップコポリマー組成物を、ポリアジリジン架橋剤と合わせて、反応させる。
【0052】
成分が反応した時点で、より高い酸含量を有する接着剤前駆体アクリレートコポリマーを作るために、その後の酸官能性モノマーの追加量が添加され得る。ポリアジリジン架橋剤との反応時に、比較的少量のデッドポリマーがシロップポリマー組成物中に作られる。
【0053】
方法の第2の実施形態において、シロップコポリマーを、ポリアジリジン架橋剤と合わせ、更なる酸官能性モノマーを添加し、反応させる。
【0054】
方法は、シロップコポリマーを提供する工程、及びポリアジリジン架橋剤と更なる酸官能性モノマーとを共に合わせる工程を含む。方法は、シロップコポリマーをポリアジリジン架橋剤と、その後、更なる酸官能性モノマーと合わせる工程を含み得るか、又はシロップコポリマーをポリアジリジン架橋剤と更なる酸官能性モノマーとの混合物と合わせる工程を含み得る。概して、溶質コポリマー、溶媒モノマー及び更なる装填物の量を含む酸官能性モノマーの総量は、100部の(メタ)アクリレートエステルに対して、15重量部以下である。
【0055】
本明細書に記載の方法において、シロップポリマー組成物は、概して、
1)第1の成分溶質コポリマーであって、
i.100重量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマー単位と、
ii.0.01〜10重量部未満の酸官能性モノマー単位と、
iii.0〜10重量部の第2の非酸官能性極性モノマー単位と、
iv.0〜5部のビニルモノマー単位と、を含む、第1の成分溶質コポリマーと、を含む、第1の成分溶質コポリマーと、
2)少なくとも1つのフリーラジカル重合溶媒モノマーを含む、第2の溶媒モノマー成分であって、
v.100重量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、
vi.0.01〜10重量部未満の酸官能性モノマーと、
vii.0〜10重量部の第2の非酸官能性極性モノマーと、
viii.0〜5部のビニルモノマーと、を含む、第2の溶媒モノマー成分と、
3)100部のコポリマーに対して、0.005〜5.0重量部のアジリジン架橋剤と、を含む。
【0056】
成分が反応させられ、それによって、架橋剤は、コポリマーの酸官能性モノマー単位及び溶媒モノマーの酸官能性モノマーとの反応によって枯渇される。次に、接着剤前駆体シロップポリマー組成物を準備するために、更なる酸官能性モノマーが添加され得、その後、感圧接着剤を提供するために架橋され得る。そのような更なる酸官能性溶媒モノマーは、100部の(メタ)アクリル酸エステルに対して、合計が最大15重量部、好ましくは1〜10重量部になるような量で添加され得る。例えば、更なるモノマー混合物が、アクリル酸等の1重量部の酸官能性モノマーを含む場合、最大14重量部の更なる酸官能性モノマーは、シロップコポリマーに添加され得る。シロップコポリマーの形成の1時間以内に更なる酸官能性モノマーを添加することが好ましい。
【0057】
理論によって束縛されることを望まない一方で、以下の反応スキームが方法の実施形態及びその利益を例示することが考えられる。簡潔化のために、溶質コポリマー「co−P」は、酸官能性モノマー単位のみで例示される。第1の工程では、溶質コポリマー「co−P」及び溶媒モノマーを含むシロップコポリマーは、式I(y=2であり、Rは図示されない)に相当するポリアジリジン架橋剤と合わせられる。これは、2つの反応生成物のうちの1つを産出し得る。式IIIの生成物は、ポリアジリジン架橋剤との溶質ポリマーの反応生成物である。式IVの生成物は、ポリアジリジン架橋剤との、アクリル酸(AA)として例示される酸官能性モノマーの反応生成物である。本実施形態において、酸官能性モノマー中で、溶質コポリマーは濃縮され、溶媒モノマーは枯渇される。
【0058】
中間生成物IIIは、生成物Vを形成するために、更なる溶質コポリマー「co−P」と反応し得る。見られ得るように、生成物Vは、更なる重合又は架橋において不飽和基を有しないデッドポリマーである。中間生成物IIIは、更なる重合又は架橋に必要な不飽和を有する式VIの生成物を形成するために、溶媒モノマーアクリル酸(AA)とも反応し得る。
【0059】
式IVの化合物は、必要な不飽和を有する式VIの生成物を作るためにもコポリマー「co−P」と反応し得る。加えて、式IVの化合物は、同様に更なる重合又は架橋に必要な不飽和を有する式VIIの生成物を形成するために、溶媒モノマーアクリル酸(AA)と反応し得る。
【0060】
方法の第2の実施形態において、シロップコポリマーは、ポリアジリジン架橋剤及び更なる酸官能性モノマーの混合物と合わせられる。
【0061】
本発明の方法は、デッドポリマーVの量を最小限に抑える。重合中のポリマーへの組み込みにおいて不飽和基を欠乏するデッドポリマーが、拡散及び/又は吸収プロセスを介して自由に移動することが更に考えられる。デッドポリマーVが高エネルギー面で優先的に吸着し、不完全に架橋された弱境界層を作成し、最終架橋接着剤の低剪断特性につながることが考えられる。
【0062】
【化4】

【0063】
調製後、接着剤組成物をただちにコーティングすることが好ましい。シロップ又は溶液のいずれかとしての(コポリマー、モノマー、及び架橋剤系を含有する)接着剤ポリマー組成物は、従来のコーティング技法を使って簡単に、好適な基材にコーティングして、その後、更に重合させ、硬化又は乾燥させて、接着剤コーティングされたシート材料を製造する。可撓性支持体は、テープ支持体、光学フィルム又は任意の他の可撓性材料として従来利用されたあらゆる材料であってもよい。
【0064】
感圧接着剤はまた、1つ以上の従来の添加剤を含有してよい。好ましい添加剤としては、粘着付与剤、可塑剤、染料、酸化防止剤、及びUV安定剤が挙げられる。そのような添加剤は、それらが感圧接着剤の優れた特性に影響を及ぼさない場合に使用され得る。
【0065】
粘着付与剤が使用される場合、総接着剤ポリマーの乾燥重量を基準として約50重量%まで、好ましくは30重量%未満、より好ましくは5重量%未満が好適となる。一部の実施形態では、粘着付与剤を全く使用しなくてもよい。(メタ)アクリレートポリマー分散液と共に使用して好適な粘着付与剤としては、ロジン酸、ロジンエステル、テルペンフェノール樹脂、炭化水素樹脂、及びクマロンインデン樹脂が挙げられる。粘着付与剤の種類及び量は、接触性、固着範囲、固着強度、耐熱性及び固有接着などの特性に影響を及ぼすことができる。
【0066】
接着剤物品は、可撓性裏張り等の好適な支持体上に接着剤又は接着剤前駆体組成物をコーティングすることによって調製され得る。可撓性裏張りに含むことができる材料の例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(アイソタクチックポリプロピレンなど)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(カプロラクタム)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリラクチド、セルロースアセテート、及びエチルセルロースなどのポリオレフィンが挙げられる。本発明において有用な市販の裏張り材料には、クラフト紙(Monadnock Paper,Inc.から入手可能)、セロハン(Flexel Corp.から入手可能)、Tyvek(商標)及びTypar(商標)(DuPont,Inc.から入手可能)等のスパンボンドポリ(エチレン)及びポリ(プロピレン)、並びにTeslin(商標)(PPG Industries,Inc.から入手可能)、及びCellguard(商標)(Hoechst−Celaneseから入手可能)等のポリ(エチレン)及びポリ(プロピレン)から得られる多孔質膜が含まれる。
【0067】
支持体はまた、綿、ナイロン、レーヨン、ガラス、セラミック材料などの合成若しくは天然材料の糸から形成される織布、又は天然繊維、合成繊維若しくはこれらのブレンドのエアレイドウェブなどの不織布などの布地から調製されてもよい。裏張りはまた、金属、金属化ポリマーフィルム、又はセラミックシート材料から形成されてもよく、ラベル、テープ、印、カバー、マーキング印などの、感圧接着剤組成物が利用されていることがかねてから既知であるあらゆる物品の形態を取ってもよい。
【0068】
上記組成物は、特定の基材に適するように調節された従来のコーティング技術を使用して基材にコーティングされる。例えば、これらの組成物は、ローラーコーティング、フローコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング、及びダイコーティングなどの方法によって様々な固体基材に塗布することができる。これらの種々のコーティング法は、組成物を可変の厚さで基材上に定置することを可能にし、それにより組成物をより広い範囲で使用することを可能にする。コーティングの厚さは、前述のように異なっていてよい。
【0069】
シロップポリマーは、その後のコーティングのために任意の望ましい濃度であり得るが、典型的には、モノマー中、2〜20重量%のポリマー固体、好ましくは5〜15重量%であり得る。コーティング組成物を更に希釈、又は部分乾燥することにより、所望の濃度を得ることができる。
【0070】
可撓性の支持体はまた、剥離コーティング基材を含んでもよい。このような基材は、典型的には、接着転写テープが提供される場合に利用される。剥離コーティング基材の例は、当該技術分野において周知であり、例としてはシリコンコーティングクラフト紙などが挙げられる。本発明のテープは、当該技術分野において既知の低接着性裏張り(LAB)も組み込み得る。
【実施例】
【0071】
試験方法:
剥離力試験[ASTM D 3330/D 3330M−04]
Mitsubishi Hostphan(商標)下塗りポリエステルフィルム上にコーティングされた2つの約0.5インチ×少なくとも4インチ(1.3×10cm)小片の接着剤を、2kgのローラをテープ上に転がしてガラスプレートに接着させた。接着剤コーティングフィルム試料の少なくとも約3.5インチ長(8.9cm長)をガラスプレートと接触させ、試料の短い部分(「自由端」)をガラスプレートと接触しないようにした。試料の自由端が引き戻されて、ガラスプレートに接着したサンプル部分とほぼ180度の角度を形成した。試料の自由端は、接着力試験はかりのクランプに貼り付けた。ガラスプレートに試料を接着すると直ぐに剥離接着試験を開始し、すなわち、「ドウェルタイム」はできる限りゼロに近くなるように保持した。テープを剥離するのに必要とされる力を、1分あたり90インチ(228.6cm)のプラテン速度で、0.5インチ(1.27cm)幅あたりのオンス単位で測定した。2つのテープ試料の測定値を平均した。剥離力データはその後、以下の表用にニュートン/デシメートル(N/dm)に正規化した。
【0072】
剪断強度試験[ASTM D−3654/D 3654M 06,PSTC−7]
剪断試験のために、Mitsubishi Hostphan(商標)下塗りポリエステルフィルム上にコーティングされた接着剤の約0.5インチ×少なくとも4インチ(1.3×10cm)小片を、その接着剤でステンレス鋼基材に接着させ、秤量された荷重を取り付けるためのループを形成するために、試料の自由端の数インチ(5〜8cm)がそれ自体に折り重なった状態で、基材に接着された接着剤コーティング試料の約0.5インチ×1.0平方インチ(1.3×2.6平方cm)を残すように切断した。2kgのローラを、接着部分上で転がした。テープ試料を、70℃のオーブン内(70℃の剪断試験のために)又は一定温度及び湿度(CT、25℃、50%の相対湿度)の部屋内に吊るした。500gの荷重を試験用のテープ試料に貼り付けた。それぞれの試料を破壊及び/又は試験が終了するまで吊るした。基材から試料が離れるまでの時間(分)を剪断強度として記録した。接着不具合までの時間、並びに接着不具合の形態が記録された。試料を二重で行い、平均して以下の表になった。
【0073】
【表1】

【0074】
実施例1〜10.ビスアミドのポットライフへの酸含量の影響
シロップポリマー組成物を、100部のIOA及び表1に示される量のAAを用いた米国再発行特許第24906号(Ulrich)の手順を使用して、IOA及びAAを用いて調製した。
【0075】
ビスアミド/IOA溶液(20重量%)を、100部のIOAに基づいて0.22部のレベルで、これらのシロップに添加した。混合物をローラ上で十分に混合した。これらの混合物の粘度を、Brookfield Engineering粘度計(モデル:LVDVII+、Brookfield Eng.Labs.Inc.(Stoughton,MA 02072))を用いて室温で監視した。スピンドル4を使用し、回転速度は30 RPMであった。
【0076】
結果を表1に要約する。AAが0.08部であり、ビスアミドが0.22部であるときに、アジリジン基の半分のみが反応することが考えられる。AAが0.15部であり、ビスアミドが0.22部であるときに、すべてのアジリジン基及びすべての酸基が反応する。以上のように、シロップ中の酸AA含量は、90部のIOAに基づいて1.66部より低く、0.22部のビスアミドは、144時間を超えるポットライフを有する。
【0077】
【表2】

【0078】
実施例11〜18.AAをシロップに後添加したときのビスアミドのポットライフへの酸含量の影響
以下の実施例において、100部のIOA及び表2に示される量のAAを用いた米国再発行特許第24906号(Ulrich)の手順を使用して、低AA含量シロップポリマーを調製した。これらの溶質ポリマーを追加のAAモノマーと合わせたため、表2に示されるように、全体のAAは、100部のIOAあたり11.1部になる。ビスアミド/IOA溶液(20重量%)を、100部のIOAに基づいて0.22部のレベルで、これらのシロップに添加した。これらの混合物の粘度を、先に説明したように監視した。結果を、表2に要約する。
【0079】
以上のように、シロップ中の最初のAA含量は、(100部のIOAに対して)2.78部よりも低く、ビスアミドは、十分なポットライフを有する。AAが5.56部よりも高いときに、シロップがゲル化する。
【0080】
【表3】

【0081】
実施例C1、19〜20.シロップポリマー中のペンダントC=Cの証明(NMR研究)
シロップの溶液IOA/AA(100/1.1)を、米国再発行特許第24906号(Ulrich)の手順を用いて調製した。シロップを3分量に分けた。第1の分量を対照(C1)として使用した。ビスアミドが、IOAの100部全体に基づいて0.22部になるように、第2の分量にビスアミド/IOA溶液を添加した(実施例19)。第3の分量に、最初に10部のAAモノマー、次に、0.22部のビスアミドを添加した(実施例20)。
【0082】
すべての溶液をローラ上で24時間混合した。これら3つの試料をメタノール中で反応停止させ、コポリマーを沈殿させた。(C1、19、20としてラベル表示された)ポリマー沈殿物を、メタノールで十分に洗浄し、次に、真空下において室温で一晩乾燥させた。これらの3つのコポリマーのH NMRスペクトルは、実施例C1がスキーム1のデッドポリマーVのペンダント不飽和特性をわずかしか有しなかったことを明らかにした。実施例19及び20は、スキーム1のポリマーVIの有意なペンダント不飽和特性を有した。スキーム1の式VIIに相当する任意の化合物が沈殿中に洗い流されることが考えられる。
【0083】
実施例21〜27.シロップポリマー中のペンダントC=Cの証明(ゲル化研究)
以下のシロップを、米国再発行特許第24906号(Ulrich)の手順を用いて、表3に示される種々のAA含量で作製した。全体のAAが(100部のIOAに対して)11.1部になるように、それらのシロップに追加のAAを添加した。次に、ビスアミド(100部のIOAに対して0.22部)を添加した。混合物を、ローラ上で64時間にわたって転がした。それらをメタノール中で反応停止させ、コポリマーを沈殿させた。次にポリマー沈殿物を収集し、真空下において室温で乾燥させ、その後、10重量%のトルエン中に溶解した。
【0084】
次に、IRGACURE 651光開始剤(100部のポリマー固体に対して0.2部)を添加した。溶液を脱気させ、その後、低強度のUVに2分間曝露させた。結果を表3に示す。
【0085】
【表4】

【0086】
以上のように、実施例25、26、27は、これらの条件下でゲル化した。これは、AAが1.67部以上であり、シロップ中の0.22部のビスアミド(100部のIOAに対して)が、AA(全体のAAが11.1部)を後添加するときに、ポリマー中のカルボン酸基のかなりの量がビスアジリジンと反応して、ペンダント不飽和反応性コポリマー(スキームI中のポリマーVI)を形成し得ることを示す。
【0087】
実施例28〜30.高酸ポリマーを有するPSA製剤(混合順序:シロップ+ビスアミド+追加のAAモノマー)
3つのシロップを、米国再発行特許第24906号(Ulrich)の手順を用いて、表4に示されるIOA/AA比で作製した。ビスアミド含量が(100部のIOAに対して)0.22部になるように、これらのシロップにビスアミド/IOA(20重量%)溶液を添加した。混合物をローラ上で24時間混合した。全体のAA量が(100部のIOAに対して)11.1部になるように、追加のAAモノマーをこれらのシロップコポリマーに添加した。混合物を、1時間更に混合し、その後、PET基材(Mitsubishi 3SAB)とシリコーン剥離ライナー(Siliconature)との間に2ミル(0.05mm)の塗り厚でナイフコーティングした。硬化させるために、試料を、400mJ/cmの低強度の紫外線に曝露させた。
【0088】
テープを一定温度の部屋に24時間放置した後に、剪断及び180度剥離を試験した(「CT部屋」25℃、50%の相対湿度)。結果を、表4に要約する。
【0089】
【表5】

【0090】
結果は、1)AAが(100部のIOAに対して)2.22部よりも低いときに、ビスアミドが、IOA/AAシロップを24時間以内にゲル化しなかったこと、2)AAを含量に後添加して(100部のIOAに対して)11.1部にした後に、剪断性能によって証明されるように、ビスアミドが優れた架橋を提供したこと、3)熱硬化なしにもかかわらず、優れた剪断性能が室温で得られたこと、を立証する。結果は、ビスアミドが室温で急速かつ完全に反応することを示す。
【0091】
実施例31〜33.高酸ポリマーを有するPSA製剤(混合順序:シロップ+追加のAAモノマー+ビスアミド)
3つのシロップを、米国再発行特許第24906号(Ulrich)の手順を用いて、表5に示されるIOA/AA比で調製した。これらのシロップに追加のAAモノマーを添加して、(100部のIOAに対して)全体のAA含量の11.1部にした。混合後、ビスアミド含量が(100部のIOAに対して)0.22部になるように、ビスアミド/IOA(20重量%)溶液を添加した。混合物をローラ上で24時間混合し、その後、PET基材(Mitsubishi 3SAB)の一片とシリコーン剥離ライナー(Siliconature)との間に2ミル(0.05mm)の塗り厚でナイフコーティングした。試料を400mJ/cmの低強度の紫外線に曝露させた。
【0092】
テープをCT部屋に24時間放置した後に、剪断及び180度剥離特性を試験した。結果を、表5に要約する。結果は表4の結果と一致した。
【0093】
【表6】

【0094】
実施例34.粘着付与された低酸含有PSAにおけるビスアミド架橋
シロップ(IOA/IBoA/AA/IRG651:100/23.8/1.25/0.25)を、米国再発行特許第24906号(Ulrich)の手順を用いて調製した。Regalrez(商標)6108粘着付与剤を、100部のIOAに対して30部のレベルでシロップに添加した。粘着付与剤が完全に分解するように、混合物をローラ上で一晩混合した。ビスアミド固体が(100部のIOAに対して)0.25部になるように、粘着付与されたシロップコポリマーにビスアミド/IOA(20重量%)溶液を添加した。
【0095】
1時間混合した後、溶液を、一片のPET基材(Mitsubishi 3SAB)上に2ミル(0.05mm)の塗り厚でコーティングした。試料を、N流下で低強度のUVを用いて硬化させた。CT部屋に24時間放置した後、180度剥離及び剪断を試験した。結果を表6に示す。
【0096】
【表7】

【0097】
実施例35〜37
IOA/AA/IRG651(100/1.6/0.21)のシロップを、米国再発行特許第24906号(Ulrich)の手順を用いて調製した。最終組成物がIOA/AA/IRG651=100/6.95/0.21になるように、AA(5.35部)を後添加して、上述のコポリマーのシロップを作製した。このシロップに、Foral(商標)85及びRegalrez(商標)6108粘着付与剤を表7に示される比率で添加した。全体の粘着付与剤は10.7pphであった。次に、ビスアミドが100部のIOAに対して0.21部になるように、これらの混合物にビスアミド/IOA(20重量%)溶液を添加した。
【0098】
試料をローラミキサー上に3時間載置し、その後、一片のPET(Mitsubishi 3SAB)とシリコーンライナー(Siliconenature)との間に2ミル(0.05mm)の塗り厚でコーティングし、600mJ/cmの低強度のUVに曝露させ、その後、CT部屋に24時間放置した。無色の透明なテープを得た。半インチ(1.3cm)のテープ小片を用いて、剥離をガラス上で試験した。剪断を70℃で試験した。結果を表7に要約する。
【0099】
【表8】

【0100】
実施例38.粘着付与された低酸含有PSAのCX−100架橋
シロップ(IOA/IBoA/AA/IRG651:100/23.8/1.25/0.25)を調製した。Regalrez(商標)6108粘着付与剤を、100部のIOAに対して30部のレベルでシロップに添加した。粘着付与剤が完全に分解するように、混合物をローラ上で一晩混合した。CX−100固体が100部のIOAに対して0.06部になるように、これに、CX−100/IOA(20重量%)溶液を添加した。1時間混合した後、溶液を、一片のPET基材(Mitsubishi 3SAB)上に2ミル(0.05mm)の厚さでコーティングした。それを、N流下で低強度のUVを用いて硬化した。CT部屋に24時間放置した後、180度剥離(PP上で12インチ/分(30.48cm/分))及び70℃での剪断を試験した。結果を表8に示す。以上のように、この低酸の粘着付与された製剤において、優れた架橋を達成した。
【0101】
【表9】

【0102】
実施例39〜43.粘着付与された低酸含有PSAの架橋におけるビスアミド及びHDDAの組み合わせ
シロップ(IOA/AA/IRG651:100/0.97/0.04)を、モノマーを混合し、N流で10分間脱気し、その後、粘度が約7000c.Pに達するまで低強度のUVに曝露させることにより調製した。IOA/AA/IRG651/IBoA/Regalrez 6108の最終組成物が100/0.97/0.30/20.2/28.7になるように、IBoA、追加のIrgacure(商標)651、及びRegalrez(商標)6108粘着付与剤をシロップに添加した。混合物をローラ上で一晩混合した。これに、(100部のIOAに対して)表9に示されるレベルのビスアミド及びHDDAを添加した。1時間混合した後、シロップを、一片のクラフト紙ライナー上に2ミル(0.05mm)の厚さでコーティングした。
【0103】
シロップポリマーを、N流下で低強度のUVを用いて更に硬化させた。CT部屋内に13日放置した後、裏面180度剥離(ステンレス鋼上で12インチ/分(30.48cm/分))及びステンレス鋼上で70℃での剪断(1.0インチ×0.5インチ×500g(2.54cm×1.27cm×500g))を試験した。結果を表9に示す。
【0104】
【表10】

【0105】
実施例44〜47.粘着付与された低酸含有PSAの架橋におけるCX−100及びHDDAの組み合わせ
100/0.97/0.30/20.2/28.7のシロップ混合物IOA/AA/IRG651/IBoA/Regalrezを、実施例43に従って調製した。これに、(100部のIOAに対して)表10に示されるレベルのCX−100及びHDDAを添加した。1時間混合した後、溶液を、一片のクラフト紙ライナー上に2ミル(0.05mm)の厚さでコーティングした。それを、N流下で低強度のUVを用いて硬化した。CT部屋内に1日(1one day)放置した後、180度剥離(ステンレス鋼上で12インチ/分(30.48cm/分))及びステンレス鋼上で70℃での剪断(1.0インチ×0.5インチ×500g(2.54cm×1.27cm×500g))を試験した。結果を表10に示す。
【0106】
【表11】

【0107】
実験39〜47に示すように、HDDAと合わせたときに、ビスアミド又はCX−100の量は、良好な剪断性能を維持しながら、大幅に減少し得る。ビスアミド又はCX−100等のより少ない量のポリアジリジン架橋剤を使用することによって、早期ゲル化の危険性が減少し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)
1)100重量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマー単位と、
2)0.01〜1重量部未満の酸官能性モノマー単位と、
3)0〜25重量部の第2の非酸官能性極性モノマー単位と、
4)0〜5部のビニルモノマー単位と、を含む、第1の成分溶質コポリマーと、
b)少なくとも1つのフリーラジカル重合溶媒モノマーを含む第2の構成成分と、
c)多官能性アジリジン架橋剤と、を含む、シロップポリマー組成物。
【請求項2】
前記溶媒モノマー成分が、
1)100重量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、
2)0.01〜1重量部未満の酸官能性モノマーと、
3)0〜25重量部の第2の非酸官能性極性モノマーと、
4)0〜5部のビニルモノマーと、を含む、請求項1に記載のシロップポリマー組成物。
【請求項3】
100部の前記溶質コポリマーに対して、0.005〜5.0重量部のポリアジリジン架橋剤を含む、請求項1に記載のシロップポリマー組成物。
【請求項4】
5pbw未満のデッドポリマーを有する、前記シロップポリマー組成物。
【請求項5】
前記多官能性アジリジン架橋剤のアジリジン基のモル当量と、前記溶質ポリマーのカルボン酸基のモル当量数との比率が、約1:5〜1:50である、請求項1に記載のシロップポリマー組成物。
【請求項6】
前記多官能性アジリジン架橋剤が、ビスアミド架橋剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリアジリジン架橋剤が、以下の式のものであり、
【化1】

式中、
が、(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、
が、H又はC〜Cアルキル基であり、
xが、0、1又は2であり、
yが、2〜4である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ビスアミド架橋剤が、以下の一般式のものであり、
【化2】

式中、
が、(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、
が、H又はC〜Cアルキル基であり、
xが、0、1又は2である、請求項4に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリアジリジン架橋剤が、以下の式のものであり、
【化3】

式中、
が、yの原子価を有するヒドロカルビル基であり、
が、H又はC〜Cアルキル基であり、
yが、少なくとも2であり、
xが、0、1又は2である、請求項7に記載のシロップポリマー組成物。
【請求項10】
前記ポリアジリジン架橋剤が、以下の式のものであり、
【化4】

式中、
が、yの原子価を有するヒドロカルビル基であり、
が、H又はC〜Cアルキル基であり、
yが、少なくとも2であり、
xが、0、1又は2であり、
a及びbのそれぞれが独立して、0、1又は2である、請求項7に記載のシロップポリマー組成物。
【請求項11】
前記溶質コポリマーが、100部の(メタ)アクリル酸エステルに基づいて、0.1〜1重量部未満の酸官能性モノマー単位を含む、請求項1に記載のシロップポリマー組成物。
【請求項12】
100部の全モノマーに基づいて、0.01〜5部の多官能性(メタ)アクリレート架橋剤を更に含む、請求項1に記載のシロップポリマー組成物。
【請求項13】
a)
1)第1の成分溶質酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーと、
2)酸官能性モノマーを含む少なくとも1つのフリーラジカル重合溶媒モノマーを含む、第2の成分と、
3)多官能性アジリジン架橋剤と、を含む、シロップポリマー組成物を準備する工程であって、
b)前記シロップポリマー組成物の前記成分が、反応するのに十分な時間及び温度で合わせられる工程と、
c)更なる酸官能性モノマーを、合計最大15部に添加する工程と、を含む、接着剤前駆体コポリマー組成物を調製するためのプロセス。
【請求項14】
前記第1の成分溶質酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーが、
a)100重量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマー単位と、
b)0.01〜10重量部未満の酸官能性モノマー単位と、
c)0〜10重量部の第2の非酸官能性極性モノマー単位と、
d)0〜5部のビニルモノマー単位と、を含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記第1の成分溶質酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーが、0.01〜5重量部未満の酸官能性モノマー単位を含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第1の成分溶質酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーが、0.1〜1重量部未満の酸官能性モノマー単位を含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項17】
前記溶媒モノマー成分が、0.01〜15重量部未満の酸官能性モノマーを含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項18】
100部の前記溶質コポリマーに対して、0.005〜5.0重量部のポリアジリジン架橋剤を含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項19】
工程b)の後に、5pbw未満のデッドポリマーを有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項20】
前記多官能性アジリジン架橋剤のアジリジン基のモル当量と、前記溶質ポリマーのカルボン酸基のモル当量数との比率が、約1:5〜1:50である、請求項13に記載のプロセス。
【請求項21】
前記溶媒モノマー成分が、
a)100重量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、
b)0.01〜5重量部未満の酸官能性モノマーと、
c)0〜25重量部の第2の非酸官能性極性モノマーと、
d)0〜5部のビニルモノマーと、を含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項22】
前記ポリアジリジン架橋剤が、以下の式のものであり、
【化5】

式中、
が、(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、
が、H又はC〜Cアルキル基であり、
xが、0、1又は2であり、
yが、2〜4である、請求項13に記載のプロセス。
【請求項23】
前記ビスアミド架橋剤が、以下の一般式のものであり、
【化6】

式中、
が、(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、
が、H又はC〜Cアルキル基であり、
xが、0、1又は2である、請求項13に記載のプロセス。
【請求項24】
前記ポリアジリジン架橋剤が、以下の式のものであり、
【化7】

式中、
が、yの原子価を有するヒドロカルビル基であり、
が、H又はC〜Cアルキル基であり、
yが、少なくとも2であり、
xが、0、1又は2である、請求項13に記載のプロセス。
【請求項25】
前記ポリアジリジン架橋剤が、以下の式のものであり、
【化8】

式中、
が、yの原子価を有するヒドロカルビル基であり、
が、H又はC〜Cアルキル基であり、
yが、少なくとも2であり、
xが、0、1又は2であり、
a及びbのそれぞれが独立して、0、1又は2である、請求項13に記載のプロセス。

【公表番号】特表2013−517373(P2013−517373A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550072(P2012−550072)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2011/021650
【国際公開番号】WO2011/090984
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】