説明

柔軟な液体吸収構造

【課題】非常に薄い、すなわち4mm未満の厚さを備え、非常に高い吸水性の、すなわち5g/gより大きい吸収力を備え、非常に柔軟な、すなわち400mg未満のガーレイ剛性を備えた、水性液体吸収構造を提供する。
【解決手段】薄く柔らかい吸収構造10が、柔らかい基板40、および、柔らかい基板上に配置された水性液体吸収材料20、を具備し、水性液体吸収材料は、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、水性液体吸収ポリマーは、混合物の重量の1%より多い量で混合物中に存在し、水性液体吸収構造は、約5g/gより大きい吸収力、約400mg未満のガーレイ剛性、および、約4mm未満の厚さ30、を有する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、大まかに言って、改善された吸収特性を備えた薄い柔軟な水性液体吸収構造に関し、より詳しく言うと、その吸収構造を含んだ生理用ナプキン(sanitary napkins)、パンティーライナー(pantiliners)、および傷用包帯(wound dressings)などの吸収製品(absorbent articles)に関する。
【0002】
〔背景技術〕
生理用吸収製品には、体液を吸収および捕獲し、体の表面を乾燥した快適な状態に保つための、広範囲なさまざまな用途が見出される。そのような製品には、例えば、傷用カバーでの、および、生理用保護器具での用途が見出される。それらの製品は、一般的に、装着者の体の表面に最も近く配置され、その製品によって吸収された液体の主要な貯蔵部として役に立つ吸収材料からなることもある液体透過層を含んでいる。その製品は、液体透過層、液体透過層の下側の別個の水性液体吸収材料、および、吸収材料内に吸収された液体に対して不浸透で、吸収材料と装着者の衣類との間の保護バリアとして役に立つ液体不透過層を含んだ多層製品であることもある。その製品は、液体を受容し吸収コアへ移送するための比較的大きい空隙体積を備えた比較的連続した構造(relatively open structure)の獲得または移送層をも含んでいることがある。水性液体吸収材料は、典型的には、液体透過層および移送層に比べてより高い液体吸収容量を有し、木材パルプ、クレープセルロース詰め綿(creped cellulose wadding)、吸収発泡体およびスポンジ、高分子繊維、水性液体吸収ポリマー、および、それらの材料の組み合わせ、から作ることができる。
【0003】
従来の生理用吸収製品は、綿、木材パルプ、またはレーヨンなどのセルロース繊維、ポリエチレン/ポリエステル複合繊維などのセルロース繊維および合成繊維の混合物で形成された吸収構造を含んでいる。これらの吸収構造は、必須の吸収力を得るために、一般的にかなりの厚み(5mmより厚い)を有する。そのような製品の厚みは、高い程度の装着意識を引き起こすことがあり、使用者の不快感、および/または、装着者の体の表面と衣類との間の低い適合を結果としてもたらすことも多い。ある程度柔軟で体に適合するが、厚い生理用吸収製品は、使用中に変形しすなわち束になりがちであり、装着者のさらなる不快感、および、吸収力が最も必要とされる箇所で吸収力を喪失する可能性を伴う。この吸収構造を備えた製品が、典型的には使用中に経験される圧縮荷重にさらされた場合、その構造が潰され、その結果、液体が吸収材料から搾り出され、液体が最初に吸収材料へと導かれるときに通過した層を再び濡らすことになる。典型的な移送層および液体透過性の体の表面に向かい合う層は、一般的にほとんど吸収容量を有しない材料から作られているので、吸収構造から排出された液体は、装着者の体の表面に隣接して留まるようになり、その結果、不快感および装着者の衣類を汚す可能性をもたらす。
【0004】
この課題のひとつの解決方法は、高吸水性材料としても知られている水性液体吸収ポリマーを吸収構造内で用いるものである。単位体積当たりの高い水性液体吸収容量を備えた材料が開発されることによって、吸収製品の必要とされる全体の厚みが低減され、装着するのにより目立たない製品が提供された。水性液体吸収ポリマーを繊維状の吸収材料と組み合わせることによって、比較的薄く、すなわち3mm未満で、その製品の装着時に遭遇する圧縮加重にさらされたときに吸収された液体をほぼ保持する吸収製品が開発された。例えば、ブラッドストリートおよびローラー(Bradstreet and Roller)に付与された米国特許第4,217,901号は、約3.0mmから約7.0mmまでの厚みを有し粒状の高吸水性材料を含んでいる高密度吸収層を含む薄い生理用ナプキンを開示している。
【0005】
しかし、水性液体吸収ポリマーが、吸収構造内に良好に繋留されていない粒状の高吸水性材料である場合には、その粒状の高吸水性材料が吸収構造内を移動するまたは製品外へ脱落することがあり得、その結果、吸収容量が失われ、または、吸収製品全体に亘って吸収力が変動する。これは、液体および/または吸収性粒子が装着者の体の表面の近くで残留する可能性、そして、再び、不快さおよび装着者の衣類を汚す可能性を結果としてもたらす。
【0006】
最も効果的であるために、吸収製品は、液体の吸収および保持に最も効果的になるべき吸収製品の領域内に配置された吸収構造を有する必要があり、吸収性コンポーネントは吸収構造内に繋留されている必要がある。
【0007】
典型的には、熱溶融型接着剤が、複数の層を互いに取り付けるために、および、周縁部に沿って液体不透過性の裏面シートを液体透過性の表面シートに粘着によって固定して、フランジシールを形成することによって吸収構造を完全に取り囲むために、吸収製品の組み立てに用いられる。熱溶融型接着剤は、複数のプライ(number of plies)を一体に積層するために、または、高吸水性粒子を吸収構造の繊維性コンポーネントに粘着によって固定するために、吸収構造の組み立てにも用いられる。このようにして組み立てられた吸収製品が直面するいくつかの課題には、製品の剛性すなわち非柔軟性、および、非吸収性熱溶融型接着剤でコーティングされた吸収構造および高吸水性粒子への製品を通る液体の通過を熱溶融型接着剤が阻止すること、などがある。アームド(Ahmed)に付与された米国特許第6,458,877号は、少なくとも一つの熱可塑性コンポーネント、極性機能(polar functionality)を備えた少なくとも一つの希釈剤、および、少なくとも一つの高吸水性ポリマー、を含む構成(composition)を開示している。さらに、ルイッツィー(Luizzi)による欧州特許出願第EP1013291号は、吸収製品の組み立てに有用な液体を吸収できる熱溶融型接着剤を記載し、さらに、水性液体吸収ポリマーを含む熱溶融型接着剤を含有する吸収要素をも記載している。
【0008】
非常に薄い、すなわち4mm未満の厚さ(caliper)を備え、非常に高い吸水性の、すなわち5g/gより大きい吸収力を備え、非常に柔軟な、すなわち400mg未満のガーレイ剛性を備えた、水性液体吸収構造が必要とされている。その結果、吸収製品が生理用ナプキンまたはパンティーライナーである場合には、その吸収製品は使用者の下着および体の両方に自由に適合することができる。吸収製品が傷用カバーである場合には、その吸収製品は、使用者の皮膚に適合することができ、覆われた体の部分の動きを制限しない。出願人は、驚くべきことに、そのような構造を見出し、その構造が以下に記載される。
【0009】
〔発明の開示〕
本発明に基づけば、第1の表面および第2の表面を備えた柔軟な基板と、柔軟な基板の第1の表面の少なくとも一部に配置された水性液体吸収材料と、を具備する薄い柔軟な水性液体吸収構造が提供される。その水性液体吸収材料は、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含んでいる。水性液体吸収ポリマーは、混合物の重量の1%よりも多い量で混合物中に存在し、約5グラム/グラム(g/g)より大きい吸収力を提供し、水性液体吸収構造は、約400mg未満のガーレイ剛性および約4mm未満の厚さを有している。
【0010】
本発明に基づけば、下着のクロッチ(crotch)部分に配置するように適合された女性の衛生用の吸収製品がさらに提供され、その吸収製品は、液体透過性の体に向かい合う層と、液体不透過性の衣類に向かい合う層と、体に向かい合う層および衣類に向かい合う層の間の水性液体吸収材料と、を具備し、この水性液体吸収材料は、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含む。水性液体吸収ポリマーは、混合物の重量の5%よりも多い量で混合物中に存在し、吸収製品(水性液体吸収ポリマー)は、約5g/gより大きい吸収力、約400mg未満のガーレイ剛性、および、約4mm未満の厚さによって特徴付けられる。
【0011】
本発明に基づいて提供される別の実施の形態は、下着のクロッチ部分に配置されるように適合され長手方向の軸を備えた、女性の衛生用の吸収製品である。その吸収製品は、液体透過性の体に向かい合う層と、液体不透過性の衣類に向かい合う層と、体に向かい合う層および衣類に向かい合う層の間に配置された吸収要素と、吸収ゾーンの長手方向エッジの一つに隣接して配置された周縁ゾーンと、を具備している。その吸収要素は、吸収製品の長手方向の軸に沿って配置された長手方向に延在する中央吸収ゾーンと、2つの両側の長手方向エッジおよび2つの両側の横方向エッジと、を有する。その周縁ゾーンは、前記体に向かい合う層と、前記衣類に向かい合う層と、それらの層の間の水性液体吸収材料と、を有している。その水性液体吸収材料は、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、水性液体吸収ポリマーは、混合物の重量の5%より多い量で混合物中に存在し、周縁ゾーンは、約5g/gより大きい吸収力、および、約4mm未満の厚さで特徴付けられる。中央吸収ゾーンおよび周縁ゾーンは、各々のガーレイ剛性を有し、周縁ゾーンのガーレイ剛性は、中央吸収ゾーンのガーレイ剛性よりも小さい。
【0012】
本発明に基づくさらに別の実施の形態は、傷用カバーとして用いるように適合された吸収製品であり、その吸収製品は、第1の表面および第2の表面を備えた柔軟な裏材層と、裏材層の第1の表面の少なくとも一部に配置された傷に向かい合う水性液体吸収材料と、を具備する。水性液体吸収材料は、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、水性液体吸収ポリマーは、混合物の重量の1%より多い量で混合物中に存在し、吸収ゾーンは、約5g/gより大きい吸収力、約250mg未満のガーレイ剛性、および、約2mm未満の厚さ、で特徴付けられる。
【0013】
本発明のその他の実施態様および特徴は、添付の図面と共に本発明の具体的な実施の形態の以下の説明を吟味することによって、当業者には明らかになるであろう。
【0014】
本明細書は、本発明を詳しく指し示し明確に主張した特許請求の範囲をもって結ばれているが、本発明は、類似の参照符号が同じ要素を示し、コンポーネントの厚みが図示を容易にするために誇張されている、以下の図面、と共に以下の説明からより良好に理解されるであろうことが確信される。
【0015】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、適用される表面に整合(conform)し、使用時に柔軟性を維持するように設計され、体液を吸収および捕獲するのに有用な、薄く柔軟な水性液体吸収構造を指向している。より詳しく言うと、本発明は、その吸収構造を含み、薄く柔軟で増強されたフィト感(fit)、快適さ(comfort)、および、保持力(containment)を示す、女性の衛生用のまたは傷用カバーのための吸収製品を提供する。
【0016】
本明細書で用いられる場合、用語「生理用ナプキン(sanitary napkin)」は、女性によって外陰部の領域に隣接して装着され、体から放出されるさまざまな滲出物(例えば、血液、月経分泌物、および、尿)を吸収および収容することが意図され、一回使用された後に廃棄されることが意図されている(すなわち、洗濯されたり、他の方法で修復や再利用されたりすることは意図されていない。)、製品を意味する。本明細書で用いられる場合、用語「外陰部の(pudendal)」は、外部から目視できる女性の生殖器を意味し、大陰唇(labia majora)、小陰唇(labia minora)、陰核(clitoris)、および、膣前庭(vestibule)に限定される。装着者の膣前庭内に残留する、または、一部が膣前庭内に残留し別の部分が膣前庭外に残留する、陰唇間器具(interlabial devices)も、本発明の範囲内にある。ひも状の下着(thong underwear)のような特殊下着(specialty undergarments)に合うように設計された生理用ナプキンも本発明の範囲内に含まれる。
【0017】
図1を参照すると、本発明のある実施の形態の、柔軟な水性液体吸収構造10が図示されていて、その柔軟な水性液体吸収構造10は、第1の表面41および反対側の第2の表面42を備えた柔軟な基板40と、両側の表面21,22を備えた水性液体吸収材料20と、を具備し、表面22は柔軟な基板40の表面41に配置されている。図1に示された本発明のこの実施の形態では、水性液体吸収材料20は、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、水性液体吸収ポリマーは、混合物の重量の1%より多い量で混合物中に存在し、構造10内の基板40上に連続的な層として配置されている。水性液体吸収構造10は、約5グラム/グラム(g/g)より大きい吸収力、および、約400mg未満のガーレイ剛性を有している。
【0018】
本明細書で用いられる場合、用語「薄い(thin)」は、吸収構造10の、または、吸収製品内の吸収構造を含む領域の厚さ(caliper)を意味する。厚さは、吸収構造の2つの両側の最も外側の表面21と42の間の距離30として定義され、若しくは、吸収構造を含む製品では、厚さは、その吸収構造を収容する製品の領域内で測定される。例えば、製品のある領域が、カバー、移送層、水性液体吸収材料、および、バリア層を含み、製品のその他の領域が単に、カバー、移送層、吸収要素、および、バリア層だけを含む、ある実施の形態では、厚さは、水性液体吸収材料を収容している領域で測定されるであろう。厚さを測定する手順は、試験方法の段落で記載される。好ましくは、本発明の構造の厚さは、約4mm未満である。より好ましくは、厚さは、約3mm未満であり、さらにより好ましくは、厚さは約2mm未満である。
【0019】
本明細書で用いられる場合、用語「柔軟な(flexible)」は、吸収構造が人体の外形に整合(conform)する能力を意味し、構造のガーレイ剛性として定義される。ガーレイ剛性は、吸収材料の屈曲可能性(bendability)または可撓性(flexibility)を評価する。大まかに言って、ガーレイ剛性の値が低いほど、材料はより柔軟である。ガーレイ剛性を測定する手順は、試験方法の段落で記載される。本発明の構造は、約400mg未満のガーレイ剛性を有し、より好ましくは約250mg未満のガーレイ剛性を有し、さらにより好ましくは約100mg未満のガーレイ剛性を有する。
【0020】
非常に柔軟な構造は、ドレープ性である(drapeable)と呼ばれる。用語「ドレープ性の(drapeable)」および用語「ドレープ性(drapability)」は、交換可能に用いられ、2000年1月4日に出願されたブライズボイスら(Brisebois, et al)による米国特許出願第09/477,244号の実施例の段落に記載されているように変形円形屈曲試験(Modified Circular Bend Test)ASTM4032−82によって試験されるように約35グラム(g)以下の曲げ抵抗(flexural resistance)を有することを意味する。上記の米国特許出願は、参照することによって本明細書に組み込まれる。本発明の水性液体吸収材料を含むドレープ性の製品は、約35g以下の曲げ抵抗を有することも見出されている。
【0021】
本明細書に記載されている全ての範囲は、少なくともそれらの範囲の上限値および下限値の間に含まれる全ての点を明示的に含む。
【0022】
本明細書で用いられる場合、本発明の構造の「吸収力(absorbency)」という用語は、試験方法の段落で詳しく記載されるティーバッグ試験(Tea Bag Test)によって測定されるように、グラム/グラム(g/g)を単位とする自由膨張吸収力(free swell absorbency)を意味する。本発明の構造の吸収力は、約5g/gより大きく、より好ましくは約15g/gより大きく、さらにより好ましくは約35g/gより大きい。
【0023】
今度は図2を参照すると、上面図で示された本発明のさらに別の実施の形態が示されていて、その実施の形態では、柔軟な水性液体吸収構造210が、離散的な要素225の配列として柔軟な基板40の表面41上に配置された水性液体吸収材料20を含んでいる。離散的とは、水性液体吸収材料20の別個の要素225の各々が、柔軟な基板の表面上の他の全ての要素225から分離していることを意味する。図3は、線2−2’に沿った側面図で図2の実施の形態を示している。離散的な要素は、図2および図3では長方形の要素225の千鳥配列(staggered array)として示されているが、当業者には、さまざまな形状およびパターンの配置が可能であることが容易に分かるであろう。
【0024】
今度は図1から図3を参照すると、水性液体吸収材料20は、熱溶融型接着剤を含み、約5重量%よりも多い量の水性液体吸収ポリマーを含んでいる。さらに、水性液体吸収構造10,210の各々は、ティーバッグ試験による測定における約5グラム/グラムより大きい吸収力、および、約400mg未満のガーレイ剛性を有する。構造10,210は、約4mm未満の厚み30を有してもいる。
【0025】
発明者は、体液を成功裡に吸収できると同時に使用中の整合性(conformable)および目立たなさ(unobtrusive)を完全に維持できる水性液体吸収構造は、約5g/gより大きい吸収力、約400mg未満のガーレイ剛性、および、約4mm未満の厚さを有しなければならないことを見出した。好ましくは、構造10,210は、約3mm未満の厚さを有し、さらに好ましくは約2mm未満の厚さを有する。約1mm未満の厚さは、傷用カバーとして用いるように適合された本発明の実施の形態でとりわけ有用であることが見出された。
【0026】
本発明の実施の形態の柔軟な基板40は、構造10,210の所望の最終用途に応じて、水性液体不透過性または水性液体透過性であってよい。柔軟な水性液体吸収構造が、例えば生理用ナプキンのように、液体を吸収すると共に液体が構造を通過して移動するのを防止するように設計されている場合、液体が通過して移動するのを防止および/または抑制するが必ずしも気体の通過を妨げない水性液体不透過性材料が、柔軟な基板40に用いられてもよい。適切な好ましい材料には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどがある。液体不透過層として用いることができるその他の材料には、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、エチレンビニルアセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、セロハンフィルム、ニトロセルロースフィルム、および、セルロースアセテートフィルムなどがある。上記の材料の同時押し出しされ積層された組み合わせは、フィルムの化学的な特性および物理的な特性によって可能であれば、そのような組み合わせが用いられてもよい。液体不透過性の網状発泡体(reticulated foams)が用いられてもよい。構造10,210を使用者の下着に位置決めするための接着剤コーティングが、液体不透過層としても役立つこともある。
【0027】
液体の浸透を妨害または阻止するが気体の蒸発は許容する液体不透過層、すなわち、「呼吸可能なバリア」が、柔軟な基板40として用いられてもよい。微孔性フィルム、織物、および、それらの組み合わせの一つまたは複数の層は、曲がりくねった通路を提供し、および/または、それらの表面の特性が液体の浸透に対して撥水面を提供するが、それらの層が、そのような呼吸可能なバリアを提供するために用いられてもよい。呼吸可能な液体不透過層として特に有用な不織布ウェブは、スパンボンデッドのポリプロピレンウェブであり、液体の滲み通りに対して阻止効果は提供するが必ずしも完全なバリアではない。
【0028】
柔軟な基板40が、使用時に液体を水性液体吸収材料20へ向けて通過させることができる、体に向かい合う層であることが望ましい場合、水性液体透過材料は基板40として用いられる。この場合、基板40は、好ましくは、使用者の皮膚に対して従順で(compliant)、ソフトな触感で(soft feeling)、そして、刺激を与えない。基板40は、流体の良好な滲み通り、および、低減された再び濡れる傾向を示さなければならず、それによって、体液の分泌物が迅速に基板に浸透して次の下側の水性液体吸収材料20へ向かって流れ、同時に体液の分泌物が液体透過層を通って使用者の皮膚へ向かって逆流するのを防止する。適切な水性液体透過材料は、以下に限定されないが、織布、不織布、有孔の成形高分子フィルム、多孔性発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、熱可塑性スクリム(thermoplastic scrims)などの広範囲の材料から製造される。さらに、液体透過基板は、不織布および有孔の成形高分子フィルムの複合層などの、上記の材料のひとつまたは複数の組み合わせから組み立てられてもよい。とりわけ適切な液体透過材料には、熱接着された多デニール(multidenier:3デニールおよび5デニール)のポリプロピレン不織布ウェブ、および、ポリエチレン製シースおよびポリプロピレン製コアの複合コンポーネント繊維を含む、直通空気接着された(through-air bonded)不織布、などがある。液体透過材料は、構造10,210を直接使用者の皮膚に付着するために、その体に向かい合う表面上で接着剤を用いてもよい。体への付着のために適した接着剤の例には、以下に限定されないが、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン・オイルゲル、ポリエチレングリコール−ポリ−HEMA、およびダウコーニング(Dow Corning)#9600のようなシリコーンなどがある。
【0029】
水性液体吸収材料20は、約1重量%より多い量の水性液体吸収ポリマーを含む熱溶融型接着剤の均質混合物を含んでいる。その液体吸収材料は、水性液体吸収ポリマー内に液体を吸収し捕獲できるが、吸収された液体に溶けない。材料20は、約10%から50%のブロック共重合体、約20%から80%の粘着性付与樹脂、および、約1%より大きい水性液体吸収ポリマーを、溶融混合機(melt mixer)または押出し機(extruder)のような適切な粘着処理装置内で、各々の溶融点より高い温度で均一に混合されるまで混ぜ合わせることによって形成される。水性液体吸収ポリマーの量が、材料の吸収力を決めることになり、より多くの水性液体吸収ポリマーが加えられるほど、吸収力がより大きくなる。
【0030】
本発明で用いるのに適したブロック共重合体には、式(A−B)x の線状(linear)または放射状(radial)共重合体構造があり、ここで、ブロックAはポリビニルアーレンブロックであり、ブロックBはポリ(モノアルケニル)ブロックであり、xは重合体の腕の数を表し、ここで、xは1以上の整数である。適切なブロックAのポリビニルアーレンには、以下に限定されないが、ポリスチレン、ポリアルファメチルスチレン(Polyalphamethylstyrene)、ポリビニルトルエン、および、それらの混合物などがある。適切なブロックBのポリ(モノアルケニル)ブロックには、以下に限定されないが、例えば、ポリブタジエンまたはポリイソプレンのような共役ジエンエラストマー、または、エチレンブチレンまたはエチレンプロピレンまたはポリイソブチレンのような水素化エラストマー、または、それらの組み合わせなどがある。それらのタイプのブロック共重合体の市販されているものの例には、シェル・ケミカル・カンパニー(Shell Chemical Company)からのクラトン(Kraton:商標)エラストマー、デキシコ(Dexco)からのベクター(Vector:商標)エラストマー、エニチェム・エラストマーズ(Enichem Elastomers)からのソルプレン(Solprene:商標)、および、ファイヤーストン・タイヤ・アンド・ラバー・コーポレーション(Firestone Tire & Rubber Co.)からのステレオン(Stereon:商標)などがある。
【0031】
適切な粘着性付与樹脂には、天然樹脂および改質樹脂(modified resin)、天然樹脂および改質樹脂のグリセロールエステルおよびペンタエリトリトールエステル、ポリテルペン樹脂、天然テルペンの二元共重合体または三元共重合体、改質フェノールテルペン樹脂およびその水素化誘導体、脂肪族石油樹脂およびその水素化誘導体、芳香族石油樹脂およびその水素化誘導体、脂肪族または芳香族石油樹脂およびその水素化誘導体、および、それらの組み合わせなどがある。これらの樹脂の市販されているものの例には、ヘルクレス(Hercules)からのフォーラル(Foral:登録商標)水素化ロジンエステル、ステイブライト(Staybelite:登録商標)水素化改質ロジン、ポリペイル(Poly−pale:登録商標)重合ロジン、パーマリン(Permalyn:登録商標)ロジンエステル、ペンタリン(Pentalyn:登録商標)ロジンエステル、アダック(Adtac:登録商標)油変性炭化水素樹脂、ピコペイル(Piccopale:登録商標)芳香族炭化水素、ピッコタック(Piccotac:登録商標)、ヘルコタック(Hercotac:登録商標)芳香族改質脂肪族炭化水素、リガルレッツ(Regalrez:登録商標)脂環式樹脂、または、ピッコライト(Piccolyte:登録商標)、エクソン・ケミカル(Exxon Chemical)からのエセルメンツ(Eselementz:登録商標)脂肪族炭化水素および脂環式樹脂、芳香族改質変種を含むグッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・コーポレーション(Goodyear Tire & Rubber Co.)からのウイングタック(Wingtack:登録商標)合成ポリテルペン樹脂、アラカワ・ケミカルズ(Arakawa Chemicals)からの部分的および十分に水素化された芳香族樹脂であるアルコン(Arkon:登録商標)、アリゾナ・ケミカル(Arizona Chemical)からのゾナタック(Zonatac:登録商標)スチレン化テルペン樹脂、ゾナレツ(Zonarez:登録商標)ロジンエステル、および、ゾネスター(Zonester:登録商標)ロジンエステル、および、ネビル・ケミカル・カンパニー(Neville Chemical Company)からのネブタック(Nevtac:登録商標)芳香族改質脂肪族炭化水素、などがある。
【0032】
水性液体吸収材料20に含まれるのに適した水性液体吸収ポリマーは、高吸水材料または熱可塑性高分子組成物のような熱可塑性ヒドロゲルを含み、熱可塑性ヒドロゲルは、水溶性の柔らかいセグメントおよびひとつまたは複数の硬いセグメントから形成されている。硬いセグメントは溶融加工できるものでなければならず、すなわち、使用温度では、ポリマー中の硬いセグメントは、その溶融温度よりも低く、加工温度では、硬いセグメントはその溶融温度よりも高く、ホットメルト接着剤の組成のその他の全ての成分の分解温度よりも低い。硬いセグメントは、水に対して実質的に不溶性であり、柔らかいセグメントとは相分離(phase separate)している。適切な硬いセグメントの例には、以下に限定されないが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレア、および、それらの組み合わせなどがある。適切な柔らかいセグメントの例には、以下に限定されないが、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリサッカリド、ポリ無水マレイン酸、ポリエチリンオキシドおよびポリプロピレンオキシドのランダム共重合体、および、それらの組み合わせなどがある。柔らかいセグメントおよび硬いセグメントは、ウレタン、アミド、エステル、または、二次的な尿素結合(secondary urea linkages)、または、それらの組み合わせ、によって互いに共有結合されていてよい。水性液体吸収熱可塑性高分子組成物の市販されているものの例には、ティンデイル・プレインズ−ハンター・リミテッド(Tyndale Plains-Hunter Ltd.)からの親水性ポリウレタン、および、スミトモ・セイカ・ケミカルス・コーポレーション・ミテッド(Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd.)からのアクアコルク(Aquacaulk:登録商標)熱可塑性ポリマーなどがある。適切な高吸水性材料は、今日市販されている通常の高吸水性粒子または高吸水性繊維の何れでもよい。適切な高吸水性材料の例には、スミトモ・セイカ・ケミカルス・コーポレーション・ミテッドのからのアクアキープ(Aquakeep)SA−70およびJ−550Pがある。高吸水性材料は、好ましくは、約150μm未満の平均粒度(average particle size)の高吸水性粒子である。より好ましくは、高吸水性粒子は、約125μm未満の平均粒度を有する。最も好ましくは、高吸水性粒子は、約75μm未満の平均粒度を有する。小さい粒度の水性液体吸収ポリマーは、より多くの吸収ポリマーが水性液体吸収材料の表面で露出されるようにし、均質な混合物を得るためおよび通常の熱溶融型接着剤を塗布する装置で材料を加工するのを容易にするために必要不可欠なものである。
【0033】
本発明で用いるのに適した可塑剤は、大まかに言って、硬度(hardness)および弾性率(modulus)を減らし、粘着度(pressure sensitive tack)を増加し、溶融粘度(melt viscosity)および溶液粘度(solution viscosity)を低減する、任意の通常の可塑剤などである。可塑剤は水溶性(water soluble)または水分散性(water dispersible)であり、または、その代わりに、ポリエチレングリコール、グリセリン、グリセロール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、または、ソルビトールのようなワックスに類似の物質である。好ましい可塑剤の一例は、ユニオン・カーバイド(Union Carbide)からのカーボワックス(Carbowax:登録商標)ポリエチレングリコールである。
【0034】
本発明で用いるのに適した抗酸化剤は、通常の抗酸化剤のいずれかであり、好ましくは、例えば、エチル・コーポレーション(Ethyl Corporation)から市販されているエタノックス(Ethanox)330wである1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンのようなヒンダードフェノール(hindered phenols)である。
【0035】
好ましい実施の形態では、水性液体吸収材料は、(重量で)約10%から50%のブロック共重合体(好ましくは、約10より大きいメルトインデックスを有する。)、約20%から80%の粘着性付与樹脂(好ましくは、約105℃未満の軟化点を有する。)、約1%より多い水性液体吸収ポリマー、約0%から40%の可塑剤(適用温度で1センチポイズから500センチポイズの粘度を有する。)、および、約0%から2.0%の抗酸化剤、を含んでいる。
【0036】
液体吸収材料20は、熱溶融型接着剤スロットコーティングヘッド、熱溶融型接着剤うず巻き噴霧アプリケーター(市販されているものの例は、ノードソン・コントロール・ファイバリゼーション(Nordson Control Fiberization:登録商標)である。)のような適切な通常の接着剤加工装置を用いて、熱溶融型接着剤マイクロファイバーアプリケーター(それらのアプリケーターの市販されているものの例には、ノードソン・コントロール・コート(Nordson Control Coat:登録商標))、アイ・ティー・ダブリュー・ダイナファイバー(ITW Dynafiber:登録商標)、ジェイ・アンド・エム・メルトブローン(J&M Meltblown)、および、メイ・コーティング(May Coating)のアキューファイバー(Accufiber:登録商標)などがある。)を用いて、または、パターンコーティングを生み出すために熱溶融型接着剤ロータリースクリーンアプリケーター(この装置の例には、ノードソン(Nordson)およびクレーマー(Kraemer)のロータリースクリーンテクノロジーがある。)を用いて、基板40に適用されて、構造10,210が形成される。
【0037】
図4を参照すると、本発明のある実施の形態の、体液を吸収するための柔軟な水性液体吸収製品410が示されていて、その製品410は、第1の表面431および反対側の第2の表面432を備えた柔軟な基板430、および、両側の表面221,222を備え、表面222が柔軟な基板430の表面431上に配置されている、水性液体吸収材料220、を具備している。製品410は、長さ426および幅427、を有している。図4に示された本発明の実施の形態では、水性液体吸収材料220は、吸収材料の熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、その水性液体吸収ポリマーは、約150μm未満の平均粒度を有する粒子状の高吸水性材料である。水性液体吸収材料220は、少なくとも一つの離散的な要素225として、製品410の柔軟な基板430上に配置されていて、離散的な要素225は、長さ226および幅227の長方形であり、長さ226は幅227よりも長く、離散的な要素225の長さ226は、製品410の長手方向エッジ411,412の一方と平行に配置されている。本発明の別の実施の形態では、長さ426は幅427の3倍よりも長い。
【0038】
図5および図6には、本発明のさらに別の実施の形態である、下着のクロッチ部分に配置されるように適合された女性の衛生用の吸収製品510が示されていて、その吸収製品510は、体に向かい合う表面561を備えた液体透過性の体に向かい合う層560、衣類に向かい合う表面542を備えた液体不透過性の衣類に向かい合う層540、および、体に向かい合う層560および衣類に向かい合う層540の間の水性液体吸収材料520、を具備している。水性液体吸収材料520は、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含んでいる。吸収製品は、400mg未満のガーレイ剛性、および、4mm未満の厚さ530、を有している。図6に示されているように、水性液体吸収材料520は、必要に応じて設けられる移送層570と接触しかつ移送層570によって部分的に覆われている。移送層570は、好ましくは、液体透過性の体に向かい合う層540から液体を迅速に獲得し、より緩やかな吸収を行う水性液体吸収材料520が液体を吸収するまで、獲得した液体を保持できる、繊維性の不織布である。そのような吸収製品の例として、陰唇間パッドを含むパンティーライナーまたは生理用ナプキン、特別なタイプの下着すなわちひも状の下着用に設計された生理用ナプキン、などがある。本発明に基づくパンティーライナーおよび生理用ナプキンは、使用中に目立ちすぎずそして快適であり、使用者の下着および解剖学的構造の両方に整合する。本発明の吸収製品では、水性液体吸収材料520中の水性液体吸収ポリマーの量および吸収製品中の水性液体吸収材料の量は、パンティーライナーによって吸収されるように比較的少量の液体を収容する吸収製品から、夜用として用いられる生理用ナプキンのようにより多量の液体に対して必要とされる高い吸収力を備えた製品までを提供するように、変更されてよい。
【0039】
図5および図6に示された生理用ナプキンでは、付着手段(図示されていない。)が、液体不透過層540の、衣類に向かい合う表面542の一部、および/または、液体透過層560の、体に向かい合う層561の一部、を占めていてよい。接着剤(図示されていない。)が、液体透過層を使用者の体に直接付着するために、表面561に塗布されていてもよい。適切な体への付着手段は既に記載されている。
【0040】
代わりに、位置決め用の接着剤、機械的な締結具、または、高い摩擦係数の材料が、図5および図6の生理用ナプキンを使用者の衣類に取り外し可能に接着するために、表面542に取り付けられてもよい。または、バリア層自体が、天然ゴムまたは合成ゴムなどの高い摩擦係数の材料で構成されていて、それによって下着への付着のための追加の材料の必要をなくしていてもよい。好ましくは、位置決め用の接着剤が、生理用ナプキン510を使用者の下着のクロッチ部分に接着するのに用いられる。本発明の生理用ナプキンに適した位置決め用接着剤は、当業者にはよく知られていて、ひとつの知られたクラスは、スチレンブロック共重合体である。接着剤を生理用ナプキンに塗付するために用いられる方法は、以下に限定されないが、スロットコーティング(slot coating)、溶射(spraying)、ナイフ塗布(knife coating)、押し出しコーティング(extrusion coating)、および、トランスファー塗布(transfer coating)などがある。接着剤は、ノードソン・コーポレーション(Nordson Corporation)から市販されている器具を用いるなどによって、塗付される前に発泡されてもよい。接着剤は、エマルジョンまたは溶液から、連続的なまたは離散的なパターンで、製品の表面に直接コーティングされるか、または、剥離基板にコーティングされてから剥離基板と共に製品の表面に移されてもよい。
【0041】
図7および図8は、本発明のさらに別の実施の形態である、傷用カバーとして用いるように適合された吸収製品710を示していて、その吸収製品710は、第1の表面741および第2の表面742を備えた柔軟な裏材層740、および、第1の表面721および第2の表面722を備え、第2の表面722が裏材層740の第1の表面741の少なくとも一部に配置された、傷に向かい合う水性液体吸収材料720、を具備している。水性液体吸収材料720は、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、水性液体吸収ポリマーは、混合物の重量の1%より多い量で混合物中に存在している。製品710は、5g/gより大きい吸収力、250mg未満のガーレイ剛性、および、2mm未満の厚さ730、によって特徴付けられる。柔軟な裏材層740に適した材料は、以下に限定されないが、織物または編物、不織布ウェブ、呼吸可能な高分子フィルム、および、有孔フィルムなどである。とりわけ適切な材料は、アメリカ合衆国インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデーガー・インコーポレーテッド(Tredegar, Inc.)によって製造された高分子フィルムX6723である。
【0042】
柔軟な裏材ウェブ740の第1の表面741の水性液体吸収材料720に隣接した領域は、その包帯(傷用カバー)を皮膚に固定するのに適した接着剤でコーティングされていてよい。適切な接着剤には、以下に限定されないが、熱溶融型接着剤、アクリル接着剤、および、ゴム系接着剤などがある。とりわけ適した材料は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ワワトサ(Wawatosa)のボスィッチ−フィンドレイ・インコーポレーテッド(Bostich-Findley Inc.)によって製造された熱溶融型接着剤HM3210である。
【0043】
本発明の、水性液体吸収材料を備えた傷用カバーとして用いられるように適合された吸収製品は、薄く非常に柔軟で、使用者の体に十分に整合するので、その製品が使用中に快適であると同時に、とりわけ、手、肘、または、膝のような広範囲にわたる可動域が望ましい体の領域の運動の自由を可能にしている。
【0044】
ある別の実施の形態(図示されていない。)では、水性液体吸収材料は、裏材層の第1の表面に接触した接着層上に配置されている。図示されていないが、傷用カバーとして用いるように適合された製品には、露出された接着剤を覆いかつ吸収ゾーンの上に横たわる通常の接着剤剥離テープまたはタブが設けられていてよい。さらに、通常の傷用剥離カバー(図示されていない)も、傷および吸収ゾーンの間の別個の傷用剥離層を提供するために、吸収ゾーン725の第1の表面721上に配置されていてよい。
【0045】
図9および図10を参照すると、本発明の別の実施の形態である、下着のクロッチ部分に配置されるように適合され、長手方向の軸980を備えた、女性の衛生用の吸収製品910が示されている。その吸収製品910は、液体透過性の体に向かい合う層960、液体不透過性の衣類に向かい合う層940、体に向かい合う層に隣接して配置される必要に応じて設けられる移送層970、移送層および衣類に向かい合う層の間に配置された吸収要素950、および、図10に示された少なくとも一つの周縁ゾーン990、を具備している。吸収要素950は、吸収製品910の長手方向の軸980に沿って整合した長手方向に延在する中央吸収ゾーン955、長手方向の軸と平行に長手方向の軸から離れて配置された2つの両側の長手方向エッジ951,952、および、2つの横方向エッジ953,954、を有する。周縁ゾーン990は、吸収要素950の長手方向エッジ951,952の一つの付近で整合して配置されていて、吸収物品910の側面エッジ911,912から離れて側面エッジ911,912から内側に配置されている。周縁ゾーン990は、体に向かい合う層960、必要に応じて設けられる移送層970、衣類に向かい合う層940、および、水性液体吸収材料920、を含んでいる。水性液体吸収材料920は、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、水性液体吸収ポリマーは、混合物の重量の5%より多い量で混合物中に存在し、周縁ゾーン990は、約5g/gより大きい吸収力、400mg未満のガーレイ剛性、および、約4mm未満の厚さ930、によって特徴付けられる。中央吸収ゾーン955は、周縁ゾーン990のガーレイ剛性よりも大きいガーレイ剛性を有する。この実施の形態に基づけば、中央吸収ゾーンは、300mg未満のガーレイ剛性を有し、好ましくは200mg未満のガーレイ剛性を有し、最も好ましくは100mg未満のガーレイ剛性を有し、一方、周縁ゾーンは、200mg未満のガーレイ剛性を有し、好ましくは100mg未満のガーレイ剛性を有し、最も好ましくは50mg未満のガーレイ剛性を有し、以上は、周縁ゾーンのガーレイ剛性が中央吸収ゾーンのガーレイ剛性より小さいという条件付である。中央吸収ゾーンおよび周縁吸収ゾーンのガーレイ剛性が異なることによって、柔軟で、下着のクロッチ部分に容易に整合すると同時に束になるおよびよじれることを阻止する吸収製品がもたらされる。したがって、本発明のこの実施の形態に基づく吸収製品は、異なるガーレイ剛性を有し同じ若しくは異なる吸収力を有する少なくとも2つのゾーンを提供する。この構成によって、消費者の最大の保護および快適さを得るための吸収製品の設計が融通自在にされる。本発明の吸収製品では、周縁ゾーン990は、好ましくは、200mg未満のガーレイ剛性を有し、より好ましくは100mg未満のガーレイ剛性を有し、最も好ましくは50mg未満のガーレイ剛性を有する。好ましくは、中央吸収ゾーンと周縁ゾーンとのガーレイ剛性の差は、500mg未満であり、より好ましくは200mg未満であり、最も好ましくは、中央吸収ゾーンと周縁ゾーンのガーレイ剛性の差は、50mg未満である。ある最も好ましい実施の形態では、水性液体吸収材料920は、図10に示されているように、吸収要素950と平行に整合しかつ吸収要素950に隣接して配置さていて、吸収要素950によって部分的に覆われている。この実施の形態は、非常に柔軟で、吸収製品の側面に沿って毛管作用で運ばれる液体を吸収するための高い吸収力の周縁ゾーンを提供し、このような構成によって吸収製品での横漏れ事故(side leakage incidents)を減らすと同時に使用中の非常に高い整合可能性(conformable)および快適さ(comfortable)を維持している。この実施の形態に基づけば、吸収要素は、生理用ナプキンの吸収コアを形成するために通常用いられている材料から形成されてよい。付着手段(図示されていない。)は図5および図6の記述において上述されている。
【0046】
吸収要素で用いられる吸収材料の代表的な非限定的な一覧には、次のような繊維性材料、例えば、天然セルロース原料すなわち綿および木材パルプ、再生セルロース誘導体すなわちレーヨンおよび酢酸セルロース、泥炭コケ(peat moss)、高吸水材料と広く呼ばれている、繊維または粒子の形態のヒドロゲル形成ポリマー(hydrogel-forming polymers)、およびそれらの類似物などが含まれる。発泡体のような別の吸収材料が用いられてもよい。適切な発泡体吸収材料の非限定的な例は、セルロース発泡体またはポリエーテル発泡体のような連続気泡発泡体(open celled foams)である。2つ以上のタイプの吸収材料が、さまざまな異なる条件の下でも用いることができる液体管理製品の性能を最適にするために用いられてもよい。例えば、吸収要素は、形成された構造に構造上の完全性を提供するために、または、液体不透過層にヒートシール適性(heat sealability)を提供するために、吸収材料および熱可塑性繊維の混合物を含んでいてもよい。有用な熱可塑性繊維は、ポリプロピレン繊維およびポリエチレン繊維のようなポリオレフィンである。熱可塑性繊維は、第1の溶融温度を有する第1のコンポーネント、および、第1の溶融温度とは異なる溶融温度を有する2つ以上の別のコンポーネント、を含む、複合繊維(bi-component fiber)すなわち多成分繊維(multi-component fiber)であってよい。複合繊維は、典型的には、シース・コア(sheath-core)またはサイド・バイ・サイド(side-by-side)に構成されている。適切な複合繊維には、ポリエステル/ポリエチレン、および、ポリプロピレン/ポリエチレン、などがある。
【0047】
ある好ましい例では、吸収要素は、セルロース繊維および高吸水粉末を含む材料である。その材料は、好ましくは、約40重量%から約95重量%までのセルロース繊維を含有し、より好ましくは、約60重量%から約80重量%までのセルロース繊維を含有する。その材料は、約5重量%から約60重量%までの高吸水粉末(superabsorbent powder:SAP)を含み、好ましくは、約20重量%から約55重量%までのSAPを含み、さらに好ましくは、約30重量%から約45重量%までのSAPを含み、最も好ましくは、約40重量%のSAPを含む。
【0048】
[試験方法]
厚さ.
上述したように、柔軟な水性液体吸収構造は、好ましくは、約4mm以下の厚さを有する。生理用ナプキンの厚さを測定するのに必要な装置は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ウォルサム(Waltham)のビー・シー・エイムス・カンパニー(B.C. Ames Company)から入手できるフットダイヤル(厚さ)ゲージ・モデル番号ADP1116であり、この装置は、スタンド付の直径29.6mmのフット、56.7グラムの静荷重を有し、0.0254mmまでの精度を有する。デジタルタイプの装置が好ましい。水性液体吸収構造のサンプルが個別に折りたたまれている、及び/または包装されている場合には、サンプルは測定の前に手作業で開封されて慎重に平らにされる。ゲージのフットが持ち上げられて、サンプルはゲージのフットがサンプルのほぼ中央に(または注目するサンプルの注目する位置に)位置するように、アンビル上に配置される。フットを下げるとき、フットが「落下する」のを防ぐように、または、過度の力が加わらないように、注意が払われる。安定化のための読み取りが約5秒間に亘って行われてもよい。次に、厚さの読み取りが行われる。試験される各サンプルに対して、5回の読み取りが記録され、平均が計算されて、mmを単位とする平均厚みが報告される。
【0049】
ガーレイ剛性.
ガーレイ剛性は、柔らかさ(softness)のさまざまな指標の一つである。ガーレイ剛性は、吸収材料の屈曲可能性または可撓性を測定する。ガーレイ剛性の値が低いほど、材料はより柔軟である。ガーレイ剛性は、アメリカ合衆国ニューヨーク州トロイ(Troy)のガーレイ・プレシジョン・インスツルメンツ(Gurley Precision Instruments)によって製造されたガーレイ剛性テスター(モデル番号4171D)を用いて測定される。その装置は、一端が固定され、もう一端に集中された負荷が加えられた、特定の寸法の試験細片に所定のたわみを引き起こすのに必要な、外部から加えられたモーメントを測定する。試験の結果は、ミリグラムを単位とする「ガーレイ剛性」値として得られる。ガーレイ剛性を測定するための手順は以下の通りである。
【0050】
水性液体吸収材料を含む領域のガーレイ剛性.
1.水性液体吸収材料(ALAM:Aqueous liquid absorbing material)を含む試験される製品のY個の領域を配置し、識別のためにこれらの領域に印をつける(例えば、ゾーン1、ゾーン2、ゾーン3、など)。
2.別個の各領域に対して、25.0ミリメートル(mm)幅×50.0mm長さの長方形のサンプルを打ち抜く(die cut)。
注)ALAM領域の寸法が、25.0mm×50.0mm未満の場合には、変化分12.0mmで長方形の寸法を減らしながら、その次に可能な最大のサンプルサイズで打ち抜く(ガーレイ剛性で許容される最小のサイズは、12mm幅×24mm長さであることに注意すること)。
3.サンプルの表面に存在する全ての剥離紙を除去し、タルカムパウダー(talcum powder)の層を塗付して全てのしわを伸ばすことによって、存在する全ての粘着性を除去する。
4.ガーレイテスターを製造業者の取扱説明書にしたがって較正する。
5.アームをガーレイ装置の上で右側に位置決めする。
6.製造業者の取扱説明書にしたがって、一回に一つのサンプルをクランプ内に挿入して、サンプルのより長いエッジがクランプと平行になるようにサンプルを固定する。
7.振り子(pendulum)が零で静止していることを確かめ、スイッチを左に動かしてサンプル全体が振り子を横切って移動するようにする。
8.振り子を再び零で静止させ、スイッチを右に動かしてサンプル全体が振り子を横切って移動するようにする。
9.デジタル表示の剛性の読み取り値を記録する。
10.ステップ1からステップ9を、識別されたY個の各ゾーンに対してn=5になるまで繰り返す(ゾーン1に対してn=5、ゾーン2に対してn=2,以下同様)。
11.各ゾーンからの読み取り値をゾーンごとに平均して、読み取り値の最も小さい平均値を試験されたサンプルの剛性値として報告する。
【0051】
周縁ゾーンおよび中央吸収ゾーンのガーレイ剛性.
1.周縁ゾーン(PZ:peripheral zone)を含む試験される製品の領域を位置決めし、識別のためにこの領域に印を付ける(例えば、PZ−1)。
2.25.0ミリメートル(mm)幅×50.0mm長さの長方形のPZのサンプルを打ち抜く。
注)PZ領域の寸法が、25.0mm×50.0mmより小さい場合には、変化分12.0mmで長方形の寸法を減らしながらその次に可能な最大のサンプルサイズを打ち抜く(ガーレイ剛性で許容される最小のサイズは12mm幅×24mm長さであることに注意すること)。
3.中央吸収ゾーン(CAZ:central absorbent zone)を含む試験される製品の領域を位置決めし、識別のためにこの領域に印を付ける(例えば、CAZ−1)。
4.25.0ミリメートル(mm)幅×50.0mm長さの長方形のCAZのサンプルを打ち抜く。
注)PZ領域の寸法が、25.0mm×50.0mmより小さい場合には、CAZのサンプルをPZと同じ寸法で打ち抜く。
5.サンプルの表面に存在する全ての剥離紙を除去し、タルカムパウダーの層を塗付して全てのしわを伸ばすことによって、存在する全ての粘着性を除去する。
6.ガーレイテスターを製造業者の取扱説明書にしたがって較正する。
7.アームをガーレイ装置の上で右側に位置決めする。
8.製造業者の取扱説明書にしたがって、一回に一つのサンプルをクランプ内に挿入して、サンプルのより長いエッジがクランプと平行になるようにサンプルを固定する。
9.振り子が零で静止していることを確かめ、スイッチを左に動かしてサンプル全体が振り子を横切って移動するようにする。
10.振り子を再び零で静止させ、スイッチを右に動かしてサンプル全体が振り子を横切って移動するようにする。
11.デジタル表示の剛性の読み取り値を記録する。
12.ステップ1からステップ11を、PZサンプルおよびCAZサンプルの両方に対してn=5になるまで繰り返す。
13.PZサンプルおよびCAZサンプルからの読み取り値を別個に平均して、算出された平均値をCAZサンプルおよびPZサンプルの各々の剛性値として報告する。
【0052】
吸収力.
本発明の柔らかい水性液体吸収構造およびその構造を含む製品の吸収力が、ティーバッグ試験を用いて測定される。ティーバッグ試験は、自由膨張吸収力(free swell absorbency:ティーバッグ容量(Tea Bag Capacity))を測定し、測定結果は、乾燥した試験される水性溶液吸収材料(ALAM)の1グラム当たりの吸収された液体のグラム数(g/g)として表現される。ティーバッグ試験を本発明の構造および製品に適用する手順は以下の通りである。
【0053】
ALAMの乾燥重量の測定.
1.試験される水性液体吸収材料(ALAM)を含む構造または製品からY個の吸収領域を位置決めする。
2.直径60mmの円形のサンプル、または、このサイズのサンプルが打ち抜けない場合には等しい面積(2828mm2 )のサンプルを、ALAMから打ち抜く。
3.ALAMを含む層を乱すことなく、構造または製品から複数の層を物理的に取り除き、サンプルの重さを量る。
4.ALAMが化学的な除去によってさらに分離される場合には、ALAMを分離して、残りの材料の重さを量る。
5.ALAMの乾燥重量が、ステップ4で量られた重さをステップ3で量られた重さから減算することによって、算出される。ステップ4が行えない場合には、ALAMの乾燥重量はステップ3で量られる。
6.Y個の各領域に対して、n=5になるまでステップ1からステップ5を繰り返す。
7.各領域に対してALAMの乾燥重量を5個の測定値の平均値として算出する。
8.最も小さい平均値が、ALAM(E)の乾燥重量として報告される。
【0054】
ALAMを備えた構造または製品によって吸収された液体の測定.
1.試験される水性液体吸収材料(ALAM)を含む構造または製品からY個の最大吸収領域を位置決めする。
2.直径60mmの円形のサンプル、または、このサイズのサンプルが打ち抜けない場合には等しい面積(2828mm2 )のサンプルを、ALAMから打ち抜く。
3.70mm×140mmの長方形の2つのティーバッグ布地片(ティーバック布地は、アメリカ合衆国コネチカット州ウィンザー・ロックスのアルストロム−デキスター・コーポレーション(Ahlstrom-Dexter Corporation)によって製造されたコード01234T9である。)を打ち抜く。
4.ティーバッグを折り曲げてエッジから約3mmの3辺でヒートシールすることによって、試験される打ち抜かれたサンプルを一方のティーバッグ内に包む。
5.2番目のティーバッグをサンプル無しで同様に折り曲げてヒートシールする。このティーバッグがブランクとして役に立つことになる。
6.2つのティーバッグの重量を記録する。
7.2つの密封されたティーバッグを、30分間に亘って、0.9%の食塩水を収容した容器内に配置する(ティーバッグは食塩水中に沈められなければならない)。
8.30分が経過した後、サンプルのティーバッグおよびブランクのティーバッグを、食塩水から取り出し、クリップを用いて10分間に亘って垂直に吊り下げる(サンプルが必ずティーバッグの布地のみでクリップ留めされるようにする)。
9.10分が経過した後、2つのティーバッグの湿重量が量られ記録される。
10.サンプルのグラム/グラム容量が以下のようにして算出される。
吸収力すなわちティーバッグ容量(g/g)=(A−B−(C−D))/E
ここで、A=サンプルの湿重量(wet weight)
B=ブランクの湿重量
C=ティーバッグに包まれたサンプルの乾燥重量
D=ブランクのティーバッグの乾燥質量
E=ALAMの乾燥重量
11.Y個の各領域に対して、n=5になるまで、ステップ1からステップ10を繰り返す。
12.5個の測定値の平均値として各領域の吸収力を算出する。
13.最大の平均値が、試験されたサンプルのティーバッグ容量すなわち吸収力として報告される。
【0055】
本発明の具体的な実施の形態が例示され説明されたが、当業者には、その他の様々な変形および変更が本発明の真髄および範囲を逸脱せずに行えることが明らかであろう。
【0056】
〔実施の態様〕
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)薄く柔らかい水性液体吸収構造であって、
第1の表面および第2の表面を備えた柔らかい基板と、
前記柔らかい基板の前記第1の表面の少なくとも一部に配置された水性液体吸収材料と、
を具備し、
前記水性液体吸収材料が、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の1%より多い量で、前記混合物中に存在して、5グラム/グラム(g/g)より大きい吸収力を提供し、
前記水性液体吸収構造が、400mgより小さいガーレイ剛性、および、4mm未満の厚さ、を有する、
水性液体吸収構造。
(2)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記柔らかい基板が、液体不透過性である、
水性液体吸収構造。
(3)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記柔らかい基板が、液体透過性である、
水性液体吸収構造。
(4)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の10%より多い量で、前記混合物中に存在している、
水性液体吸収構造。
(5)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の25%より多い量で、前記混合物中に存在している、
水性液体吸収構造。
【0057】
(6)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の50%より多い量で、前記混合物中に存在している、
水性液体吸収構造。
(7)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の50%および85%の間の量で、前記混合物中に存在している、
水性液体吸収構造。
(8)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、3mm未満の厚さを有する、
水性液体吸収構造。
(9)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、2mm未満の厚さを有する、
水性液体吸収構造。
(10)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、1mm未満の厚さを有する、
水性液体吸収構造。
【0058】
(11)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、15g/gより大きい吸収力を有する、
水性液体吸収構造。
(12)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、35g/gより大きい吸収力を有する、
水性液体吸収構造。
(13)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、50g/gより大きい吸収力を有する、
水性液体吸収構造。
(14)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、250mg未満のガーレイ剛性を有する、
水性液体吸収構造。
(15)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、100mg未満のガーレイ剛性を有する、
水性液体吸収構造。
【0059】
(16)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、50mg未満のガーレイ剛性を有する、
水性液体吸収構造。
(17)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、熱可塑性の水性液体吸収ポリマー、高吸水性粒子、高吸水性繊維、および、それらの任意の組み合わせ、のいずれかである、
水性液体吸収構造。
(18)前記実施態様(17)記載の水性液体吸収構造であって、
前記高吸水性粒子が、150μm未満の平均粒度を有する、
水性液体吸収構造。
(19)前記実施態様(17)記載の水性液体吸収構造であって、
前記高吸水性粒子が、125μm未満の平均粒度を有する、
水性液体吸収構造。
(20)前記実施態様(17)記載の水性液体吸収構造であって、
前記高吸水性粒子が、75μm未満の平均粒度を有する、
水性液体吸収構造。
【0060】
(21)前記実施態様(18)記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収材料が、前記柔らかい基板上に複数の離散的な要素として配置されている、
水性液体吸収構造。
(22)前記実施態様(21)記載の水性液体吸収構造であって、
前記離散的な要素が、幅および長さを備えた長方形であり、
前記長さが前記幅よりも大きい、
水性液体吸収構造。
(23)前記実施態様(22)記載の水性液体吸収構造であって、
前記長さが前記幅の3倍よりも大きい、
水性液体吸収構造。
(24)互いの間で製品の幅を画定する2つの長手方向のエッジ、および、互いの間で製品の長さを画定する2つの横方向のエッジ、を備えた、体液を吸収するための柔らかい水性液体吸収製品であって、
前記実施態様(22)記載の水性液体吸収構造を含み、
前記長さが、前記製品の前記長手方向のエッジの一つと平行に配置されている、
水性液体吸収製品。
(25)前記実施態様(1)記載の水性液体吸収構造を含む、体液を吸収するための柔らかい水性液体吸収製品であって、
前記製品が陰唇間器具である、
水性液体吸収製品。
【0061】
(26)下着のクロッチ部分に配置するように適合された女性の衛生用の吸収製品であって、
前記吸収製品が、
液体透過性の体に向かい合う層と、
液体不透過性の衣類に向かい合う層と、
前記体に向かい合う層および前記衣類に向かい合う層の間の水性液体吸収材料と、
を具備し、
前記水性液体吸収材料が、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の5%より多い量で前記混合物中に存在し、
前記吸収製品が、5g/gより大きい吸収力、400mg未満のガーレイ剛性、および、4mm未満の厚さ、で特徴付けられる、
女性の衛生用の吸収製品。
(27)傷用カバーとして用いるように適合された吸収製品であって、
前記吸収製品が、
第1の表面および第2の表面を備えた柔らかい裏材層と、
前記裏材層の前記第1の表面の少なくとも一部に配置された、傷に向かい合う水性液体吸収材料と、
を具備し、
前記水性液体吸収材料が、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の1%より多い量で前記混合物中に存在し、
前記吸収製品が、5g/gより大きい吸収力、250mg未満のガーレイ剛性、および、2mm未満の厚さ、で特徴付けられる、
傷用カバーとして用いるように適合された吸収製品。
(28)下着のクロッチ部分に配置するように適合され、長手方向の軸を備えた、女性の衛生用の吸収製品であって、
前記吸収製品が、
液体透過性の体に向かい合う層と、
液体不透過性の衣類に向かい合う層と、
前記体に向かい合う層および前記衣類に向かい合う層の間に配置された吸収要素であって、前記吸収要素が、前記吸収製品の前記長手方向の軸に沿って整合された長手方向に延在する中央吸収ゾーンを有し、前記中央吸収ゾーンが、2つの両側の長手方向エッジ、および、2つの両側の横方向エッジ、を有する、吸収要素と、
前記吸収ゾーンの前記長手方向エッジの一つに隣接して整合された周縁ゾーンであって、前記周縁ゾーンが、前記体に向かい合う層と、前記衣類に向かい合う層と、前記体に向かい合う層および前記衣類に向かい合う層の間の水性液体吸収材料と、を具備し、前記水性液体吸収材料が、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、前記水性液体吸収ポリマーが前記混合物の重量の5%より多い量で前記混合物中に存在し、前記周縁ゾーンが、5g/gより大きい吸収力、および、3mm未満の厚さ、によって特徴付けられる、周縁ゾーンと、
を具備し、
前記中央吸収ゾーンおよび前記周縁ゾーンが、各々のガーレイ剛性を有し、前記周縁ゾーンのガーレイ剛性が、前記中央吸収ゾーンのガーレイ剛性より小さい、
女性の衛生用の吸収製品。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の柔軟な水性液体吸収構造の斜視図である。
【図2】本発明の柔軟な水性液体吸収構造の別の実施の形態の上面図である。
【図3】図2の線2−2’に沿った図2に示された実施の形態の端面図である。
【図4】本発明の柔軟な水性液体吸収構造の別の実施の形態の斜視図である。
【図5】製品の体に向かい合う層が下側の構造を示すために部分的に除去された、本発明に基づく女性の衛生用の吸収製品の上面図である。
【図6】図5の線5−5’に沿った図5に示された実施の形態の端面図である。
【図7】本発明に基づく傷用カバーとして用いるように適合された吸収製品の斜視図である。
【図8】図7の線7−7’に沿った図7に示された実施の形態の端面図である。
【図9】製品の体に向かい合う層が下側の構造を示すために部分的に除去された、本発明に基づく女性の衛生用の別の吸収製品の上面図である。
【図10】図9の線9−9’に沿った図9に示された実施の形態の端面図である。
【符号の説明】
【0063】
10 水性液体吸収構造
20 水性液体吸収材料
21,22 表面
30 距離
40 柔軟な基板
41 第1の表面
42 第2の表面
210 水性液体吸収構造
220 水性液体吸収材料
221,222 表面
225 離散的な要素
226 長さ
227 幅
410 柔軟な水性液体吸収製品
411,412 長手方向エッジ
413,414 横方向エッジ
426 長さ
427 幅
430 柔軟な基板
431 第1の表面
432 第2の表面
510 吸収製品
520 水性液体吸収材料
540 衣類に向かい合う層
542 衣類に向かい合う表面
560 体に向かい合う層
561 体に向かい合う表面
570 移送層
710 吸収製品
720 水性液体吸収材料
721 第1の表面
722 第2の表面
725 吸収ゾーン
730 厚さ
740 柔軟な裏材層
741 第1の表面
742 第2の表面
910 吸収製品
911,912 側面エッジ
920 水性液体吸収材料
930 厚さ
940 衣類に向かい合う層
950 吸収要素
951,952 長手方向エッジ
953,954 横方向エッジ
955 中央吸収ゾーン
960 体に向かい合う層
970 移送層
980 長手方向の軸
990 周縁ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄く柔らかい水性液体吸収構造であって、
第1の表面および第2の表面を備えた柔らかい基板と、
前記柔らかい基板の前記第1の表面の少なくとも一部に配置された水性液体吸収材料と、
を具備し、
前記水性液体吸収材料が、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の1%より多い量で、前記混合物中に存在して、5グラム/グラム(g/g)より大きい吸収力を提供し、
前記水性液体吸収構造が、400mgより小さいガーレイ剛性、および、4mm未満の厚さ、を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項2】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記柔らかい基板が、液体不透過性である、
水性液体吸収構造。
【請求項3】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記柔らかい基板が、液体透過性である、
水性液体吸収構造。
【請求項4】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の10%より多い量で、前記混合物中に存在している、
水性液体吸収構造。
【請求項5】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の25%より多い量で、前記混合物中に存在している、
水性液体吸収構造。
【請求項6】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の50%より多い量で、前記混合物中に存在している、
水性液体吸収構造。
【請求項7】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の50%および85%の間の量で、前記混合物中に存在している、
水性液体吸収構造。
【請求項8】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、3mm未満の厚さを有する、
水性液体吸収構造。
【請求項9】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、2mm未満の厚さを有する、
水性液体吸収構造。
【請求項10】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、1mm未満の厚さを有する、
水性液体吸収構造。
【請求項11】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、15g/gより大きい吸収力を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項12】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、35g/gより大きい吸収力を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項13】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、50g/gより大きい吸収力を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項14】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、250mg未満のガーレイ剛性を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項15】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、100mg未満のガーレイ剛性を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項16】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記構造が、50mg未満のガーレイ剛性を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項17】
請求項1記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収ポリマーが、熱可塑性の水性液体吸収ポリマー、高吸水性粒子、高吸水性繊維、および、それらの任意の組み合わせ、のいずれかである、
水性液体吸収構造。
【請求項18】
請求項17記載の水性液体吸収構造であって、
前記高吸水性粒子が、150μm未満の平均粒度を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項19】
請求項17記載の水性液体吸収構造であって、
前記高吸水性粒子が、125μm未満の平均粒度を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項20】
請求項17記載の水性液体吸収構造であって、
前記高吸水性粒子が、75μm未満の平均粒度を有する、
水性液体吸収構造。
【請求項21】
請求項18記載の水性液体吸収構造であって、
前記水性液体吸収材料が、前記柔らかい基板上に複数の離散的な要素として配置されている、
水性液体吸収構造。
【請求項22】
請求項21記載の水性液体吸収構造であって、
前記離散的な要素が、幅および長さを備えた長方形であり、
前記長さが前記幅よりも大きい、
水性液体吸収構造。
【請求項23】
請求項22記載の水性液体吸収構造であって、
前記長さが前記幅の3倍よりも大きい、
水性液体吸収構造。
【請求項24】
互いの間で製品の幅を画定する2つの長手方向のエッジ、および、互いの間で製品の長さを画定する2つの横方向のエッジ、を備えた、体液を吸収するための柔らかい水性液体吸収製品であって、
請求項22記載の水性液体吸収構造を含み、
前記長さが、前記製品の前記長手方向のエッジの一つと平行に配置されている、
水性液体吸収製品。
【請求項25】
請求項1記載の水性液体吸収構造を含む、体液を吸収するための柔らかい水性液体吸収製品であって、
前記製品が陰唇間器具である、
水性液体吸収製品。
【請求項26】
下着のクロッチ部分に配置するように適合された女性の衛生用の吸収製品であって、
前記吸収製品が、
液体透過性の体に向かい合う層と、
液体不透過性の衣類に向かい合う層と、
前記体に向かい合う層および前記衣類に向かい合う層の間の水性液体吸収材料と、
を具備し、
前記水性液体吸収材料が、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の5%より多い量で前記混合物中に存在し、
前記吸収製品が、5g/gより大きい吸収力、400mg未満のガーレイ剛性、および、4mm未満の厚さ、で特徴付けられる、
女性の衛生用の吸収製品。
【請求項27】
傷用カバーとして用いるように適合された吸収製品であって、
前記吸収製品が、
第1の表面および第2の表面を備えた柔らかい裏材層と、
前記裏材層の前記第1の表面の少なくとも一部に配置された、傷に向かい合う水性液体吸収材料と、
を具備し、
前記水性液体吸収材料が、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、
前記水性液体吸収ポリマーが、前記混合物の重量の1%より多い量で前記混合物中に存在し、
前記吸収製品が、5g/gより大きい吸収力、250mg未満のガーレイ剛性、および、2mm未満の厚さ、で特徴付けられる、
傷用カバーとして用いるように適合された吸収製品。
【請求項28】
下着のクロッチ部分に配置するように適合され、長手方向の軸を備えた、女性の衛生用の吸収製品であって、
前記吸収製品が、
液体透過性の体に向かい合う層と、
液体不透過性の衣類に向かい合う層と、
前記体に向かい合う層および前記衣類に向かい合う層の間に配置された吸収要素であって、前記吸収要素が、前記吸収製品の前記長手方向の軸に沿って整合された長手方向に延在する中央吸収ゾーンを有し、前記中央吸収ゾーンが、2つの両側の長手方向エッジ、および、2つの両側の横方向エッジ、を有する、吸収要素と、
前記吸収ゾーンの前記長手方向エッジの一つに隣接して整合された周縁ゾーンであって、前記周縁ゾーンが、前記体に向かい合う層と、前記衣類に向かい合う層と、前記体に向かい合う層および前記衣類に向かい合う層の間の水性液体吸収材料と、を具備し、前記水性液体吸収材料が、熱溶融型接着剤および水性液体吸収ポリマーの均質混合物を含み、前記水性液体吸収ポリマーが前記混合物の重量の5%より多い量で前記混合物中に存在し、前記周縁ゾーンが、5g/gより大きい吸収力、および、3mm未満の厚さ、によって特徴付けられる、周縁ゾーンと、
を具備し、
前記中央吸収ゾーンおよび前記周縁ゾーンが、各々のガーレイ剛性を有し、前記周縁ゾーンのガーレイ剛性が、前記中央吸収ゾーンのガーレイ剛性より小さい、
女性の衛生用の吸収製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−511249(P2007−511249A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533227(P2006−533227)
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/015750
【国際公開番号】WO2004/112849
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】