説明

株価チャート提供システム、株価チャート提供方法及び情報記憶媒体

【課題】 株価チャートを用いたテクニカル分析を容易化する。
【解決手段】 株価チャート画像において、買いパターンに合致するロウソク足24,26の表示位置、対象銘柄に関連するニュース記事が存在している日付に対応するロウソク足の表示位置、出来高棒グラフにおける出来高異常の棒の表示位置等、所定条件を満足する株価チャートの注目位置を選出する。そして、売りパターンマーク30やニュースマーク22の付加、出来高異常に対応する棒を他とは異なる色彩で表示する等により、その注目位置を株価チャート画像において区別して表示する。また、その注目位置の関連情報を株価チャートの所定画像領域(ロウソク足パターン解説リンク画像領域28、ニュースリンク画像領域20、出来高異常メッセージリンク画像領域32,34等)に関連付ける。そして、それらの画像領域内の位置がユーザ操作により指示される場合に、該画像領域に関連付けられた関連情報(ロウソク足パターン解説ページ、ニュース記事ページ、出来高異常メッセージページ等)をユーザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は株価チャート提供システム、株価チャート提供方法及び情報記憶媒体に関し、特に株価チャートの注目位置を区別表示するとともに、その注目位置の関連情報を速やかにユーザに提供するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】証券取引所や証券会社等から提供される株価データを利用して、ロウソク足や移動平均線等、ユーザ所望の形式の株価チャートを作成するコンピュータソフトウェアが知られている。かかるコンピュータソフトウェアによれば、投資家たるユーザは所望の株価チャートを作成して、それをテクニカル分析に役立てることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記ソフトウェアは、単にユーザ所望の形式で株価チャートを生成するだけであり、その株価チャートから注目すべきチャート位置(注目位置)を見いだすのは、専らユーザの力量に委ねられる。また、注目位置の関連情報は、別途ユーザが自ら収集しなければならず煩雑である。
【0004】本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、株価チャートの注目位置を区別表示してユーザに知らせるとともに、その注目位置の関連情報を速やかにユーザに提供して、ユーザによるテクニカル分析を容易化することのできる株価チャート提供システム、株価チャート提供方法及び情報記憶媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る株価チャート提供システムは、要求仕様を含む株価チャート要求をユーザから受け付ける株価チャート要求受け付け手段と、株価データに基づいて前記要求仕様に応じた株価チャートを表す株価チャート画像を生成する株価チャート画像生成手段と、生成される前記株価チャート画像をユーザに提供する株価チャート画像提供手段と、を含む株価チャート提供システムにおいて、所定条件を満足する前記株価チャートの注目位置を選出する株価チャート注目位置選出手段と、選出される前記注目位置を前記株価チャート画像において区別して表示する株価チャート注目位置区別表示手段と、選出される前記注目位置の関連情報を前記株価チャート画像における前記注目位置に対応する画像領域に関連付ける画像領域関連付け手段と、前記画像領域内の位置がユーザ操作により指示される場合に、該画像領域に関連付けられた前記関連情報をユーザに提供する関連情報提供手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【0006】また、本発明に係るチャート提供方法は、要求仕様を含むチャート要求をユーザから受け付けるチャート要求受け付けステップと、前記要求仕様に応じたチャートを表すチャート画像を生成するチャート画像生成ステップと、生成される前記チャート画像をユーザに提供するチャート画像提供ステップと、を含むチャート提供方法において、所定条件を満足する前記チャートの注目位置を選出するチャート注目位置選出ステップと、選出される前記注目位置を前記チャート画像において区別して表示するチャート注目位置区別表示ステップと、選出される前記注目位置の関連情報を前記チャート画像における前記注目位置に対応する画像領域に関連付ける画像領域関連付けステップと、前記画像領域内の位置がユーザ操作により指示される場合に、該画像領域に関連付けられた前記関連情報をユーザに提供する情報提供ステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【0007】さらに、本発明に係る情報記憶媒体は、要求仕様を含むチャート要求をユーザから受け付けるチャート要求受け付けステップと、前記要求仕様に応じたチャートを表すチャート画像を生成するチャート画像生成ステップと、生成される前記チャート画像をユーザに提供するチャート画像提供ステップと、所定条件を満足する前記チャートの注目位置を選出するチャート注目位置選出ステップと、選出される前記注目位置をユーザに提供される前記チャート画像において区別して表示するチャート注目位置区別表示ステップと、選出される前記注目位置の関連情報を前記チャート画像における前記注目位置に対応する画像領域に関連付ける画像領域関連付けステップと、前記画像領域内の位置がユーザ操作により指示される場合に、該画像領域に関連付けられた前記関連情報をユーザに提供する情報提供ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したものである。
【0008】本発明によれば、所定条件を満足する株価等チャートの注目位置が選出され、その注目位置が株価等チャート画像において区別表示される。また、株価等チャート画像における注目位置に対応する画像領域に、その注目位置の関連情報が関連付けられる。そして、その画像領域内の位置が、例えばポインティングデバイス等によるユーザ操作によって指示される場合に、該画像領域に関連付けられた関連情報がユーザに提供される。こうすれば、テクニカル分析を容易化できる。
【0009】また、本発明の一態様では、前記株価チャート画像生成手段(ステップ)は、ロウソク足を表す株価チャート画像を生成する手段(ステップ)を含み、前記株価チャート注目位置選出手段(ステップ)は、所定ロウソク足パターンに合致する前記ロウソク足の表示位置を前記注目位置として選出する手段(ステップ)を含み、前記関連情報提供手段(ステップ)は、前記所定ロウソク足パターンに関する情報を前記注目位置の関連情報としてユーザに提供する手段(ステップ)を含む。この態様では、例えば売りパターンや買いパターン等の所定ロウソク足パターンに合致するロウソク足の表示位置が、株価チャートの注目位置として区別表示され、ユーザに知らされる。また、該ロウソク足の表示位置に対応する画像領域がユーザにより指示される場合に、ロウソク足パターンに関する情報がユーザに提供される。
【0010】また、本発明の一態様では、前記株価チャート画像生成手段(ステップ)は、出来高を棒グラフで表す株価チャート画像を生成する手段(ステップ)を含み、前記株価チャート注目位置選出手段(ステップ)は、出来高を表す各棒のうち所定出来高異常条件を満足するものの表示位置を前記注目位置として選出する手段(ステップ)を含み、前記関連情報提供手段(ステップ)は、出来高異常に関する情報を前記注目位置の関連情報としてユーザに提供する手段(ステップ)を含む。この態様では、出来高を表す各棒のうち出来高異常に対応するものの表示位置が注目位置として区別表示され、異常出来高がユーザに知らされる。また、出来高異常の棒に対応する画像領域がユーザにより指示される場合に、出来高異常に関する情報がユーザに提供される。
【0011】さらに、本発明の一態様では、ニュース記事と、該ニュース記事に関連する株式銘柄と、該ニュース記事の日付とを対応付けてなるニュースデータを記憶するニュースデータ記憶手段(ステップ)をさらに含み、前記株価チャート画像生成手段(ステップ)は、前記株価チャート要求により指定される株式銘柄に関する株価チャート画像を生成する手段(ステップ)を含み、前記株価チャート注目位置選出手段(ステップ)は、前記株価チャート要求により指定される株式銘柄に関連するニュース記事の日付を前記ニュースデータから取得する手段(ステップ)と、取得される日付に対応する前記株価チャートの位置を前記注目位置として選出する手段(ステップ)と、を含み、前記関連情報提供手段(ステップ)は、前記注目位置に対応する日付と前記株価チャート要求により指定される株式銘柄とに対応付けられたニュース記事を前記ニュースデータから取得し、それを前記注目位置の関連情報としてユーザに提供する手段(ステップ)を含む。この態様では、ユーザ指定の株式銘柄に関する株価チャート画像が提供されるだけでなく、同株式銘柄についてニュース記事が存在する日付に対応した、株価チャート画像における位置が注目位置として区別表示され、ユーザにニュース記事の存在が知らされる。また、注目位置に対応する画像領域に対し、該注目位置に対応する日付、及び株価チャート要求により指定される株式銘柄に対応付けられたニュース記事が関連付けられる。そして、その画像領域内の位置がユーザ操作により指示される場合に、その関連付けられたニュース記事がユーザに提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の好適な実施の形態に係る株価チャート提供システムの全体構成を示す図である。同図に示すように、この株価チャート提供システム10は、チャートサーバ12とデータベース14とを含んで構成されており、インターネット16を介してユーザ端末18に株価チャート画像を提供するようになっている。チャートサーバ12はWWWサーバとして機能する公知のサーバコンピュータであり、ユーザ端末18はWWWブラウザを実行してWWWクライアントとして機能する公知のパーソナルコンピュータである。また、データベース14は株価データ及びニュースデータを記憶する、例えばハードディスク記憶装置等の公知の記憶手段である。チャートサーバ12には、証券会社或いは証券取引所に設置されたサーバコンピュータから、例えば専用通信回線を介し、ほぼリアルタイムの株価データ(4本値データ)が供給されている。チャートサーバ12は、受信した株価データをデータベース14に格納する。その他、CD−ROMやDVD−ROM等の情報記憶媒体を介し、株価等の4本値データをデータベース14に格納し、このデータを用いてチャート作成するようにしてもよい。さらに、データベース14には、図示しないキーボード等の文字入力手段から入力され、或いはインターネット16等のネットワークを介して取得される、株関連のニュースデータが記憶されるようになっている。
【0014】図2は、本実施の形態に係る株価チャート提供システムにおいてユーザ端末18のモニタに表示される株価チャート画面の一例を示している。同図に示す株価チャート画面は、チャートサーバ12から送信されるハイパーテキスト及び株価チャート画像等の画像データに基づき、WWWブラウザが合成するものであり、最上部には株式銘柄検索のためのフォーム及びボタンが配され、その下に株価チャート画像、株価チャートの要求仕様を設定するためのラジオボタン群、及びテクニカル指標が示されている。株式銘柄検索のためのフォームに、上場企業の正式名称、略称又は銘柄コードの全部又は一部を入力して、その横の「Search!」ボタンをマウス等のポインティングデバイスでクリックすると、該当する企業がチャートサーバ12においてリストアップされ、それがユーザ端末18で表示される。この企業リストのうち1つをユーザが指定すると、その企業の株価チャート画像がチャートサーバ12で生成され、それがユーザ端末18で表示されるようになっている。
【0015】同図に示す株価チャート画面の右側には、「銘柄コード」、「単位」、「期間」、「サイズ」、「背景」、「業績推移グラフ」、「指数比較グラフ」、「シグナルお知らせ」、「支持抵抗一覧」、「オートトレンド」、「経過日数計算」、「ろうそく足検索」、「出来高異常検索」、「ニュース検索」、「一目均衡表」、「移動平均線」、「エンベロープ」、「パラボリック」、「ボリンジャー」、「チャネルシステム」、「最小二乗法」、「フィボナッチ」、「価格帯別出来高」、「逆ウォッチ曲線」、「合成」の合計24の仕様項目が列記されており、ユーザが各項目に対する要求仕様をセットして、画面右下に用意された「Search!」ボタンをクリックすると、要求仕様に応じた株価チャート画像を得ることができるようになっている。
【0016】特に、この株価チャート画面では「ロウソク足検索」と「出来高異常検索」と「ニュース検索」を設定できるようになっており、「ロウソク足検索」をオンに設定すると、株価チャート画像においてロウソク足が売りパターンを示すときに、そのロウソク足を囲むよう赤丸の売りマークが付加され、買いパターンを示すときに、そのロウソク足を囲むよう緑色の売りマークが付加される。そして、これら売りマーク又は買いマークの内側をユーザがクリックすると、ロウソク足パターンの解説ページがユーザ端末18のモニタに現れるようになっている。
【0017】また、この株価チャート画面では「合成」の仕様項目において「出来高」をオンにすると出来高グラフが棒グラフ形式で株価チャート画像に含められるようになっており、このとき「出来高異常検索」をオンに設定すると、株価チャート画像において出来高が異常に高いときに、その出来高を表す棒が緑色で表示される。ここでは異常に高い出来高を他と区別して表示するようにしたが、出来高が異常に低いときにも、その出来高を表す棒をさらに別の色で表示するようにしてよい。そして、このシステムでは、出来高異常に対応する棒にリンク画像領域が設定されており、出来高異常に対応する棒をユーザがクリックすると、ユーザ端末18のモニタに出来高異常メッセージを表すページが現れるようになっている。
【0018】さらに、「ニュース検索」をオンに設定すると、株価チャートが対象としている銘柄に関連するニュースがデータベース14から読み出され、株価チャート画像においてそのニュースの日付に対応するロウソク足の上側に「NEWS」の文字が表されるようになっている。すなわち、株価チャートがある銘柄の日足チャートであれば、その銘柄に関連するニュースがある日のロウソク足には、上側に「NEWS」の文字が表される。また、週足又は月足チャートであれば、各週又は月にその銘柄に関連するニュースが出されていれば、そのロウソク足の上側に「NEWS」の文字が表される。そして、この「NEWS」の文字をユーザがクリックすると、ユーザ端末18のモニタにその銘柄に関連する、その日(或いは週又は月)のニュース記事が現れるようになっている。
【0019】図3は、株価チャート画像の一部を拡大して示す図である。同図に示す株価チャート画像は、「ロウソク足検索」、「出来高異常検索」、及び「ニュース検索」がオンに設定された状態で、ユーザ端末18のモニタに表示されるものである。
【0020】同図において、ロウソク足26は上下共にヒゲのついた陰線であり、ロウソク足24は上下共にヒゲのついた陽線であり、ロウソク足26よりもロウソク足24が上側に配置されている。このロウソク足パターンは買いパターンであり、チャートサーバ12では、株価チャート画像の対象期間内で、このような買いパターン又は売りパターンに対応するロウソク足パターンを検索し、発見した場合にはそのロウソク足を注目位置とし、それを囲むよう買いパターンマーク又は売りパターンマークを画像に書き加える。同図では、ロウソク足24,26を囲むように縦長楕円状の赤色の買いパターンマーク30が付加されている。このときチャートサーバ12では、この買いパターンマーク30の内部にリンク画像領域を設定して、そこに当該ロウソク足パターンの解説のためのハイパーテキストを関連付けるようにしている。同図において、買いパターンマーク30の内側に点線で表された円は、ロウソク足パターン解説リンク画像領域28の外縁を示している。チャートサーバ12では、同株価チャート画像をユーザ端末18で表示するためのハイパーテキストを生成する際、この画像領域にロウソク足24,26のパターンに対する解説ページを関連付けるようにしてクライアントサイドイメージマップを作成し、それをハイパーテキストに含めるようにしている。このため、ロウソク足パターン解説リンク画像領域28内の位置を、ユーザ端末18においてユーザがマウス等でクリックすると、パターン解説ページが表示される。図4には、このロウソク足パターン解説ページの一例が示されている。
【0021】また、同図においてロウソク足の下側に表された棒グラフは出来高を表す棒グラフであり、特に同図に棒グラフが表された期間において、出来高が1、2番目の日はチャートサーバ12により出来高異常として選出されている。こうして出来高異常として選出した出来高については、チャートサーバ12は、その出来高を表す棒の表示位置を注目位置とし、その棒を他の棒と区別して緑色に表示するとともに、その棒の表示画像領域に対し、出来高異常メッセージを表示するためのハイパーテキストを関連付けている。同図では、これら1、2番の出来高に対応する棒に対して、出来高異常メッセージリンク画像領域32,34を設定している。すなわち、同株価チャート画像を表示するためのハイパーテキストを生成する際、この画像領域に出来高異常メッセージページを関連付けるようにしてクライアントサイドイメージマップを作成し、それをハイパーテキストに含めるようにしている。このため、ユーザ端末18において出来高異常メッセージリンク画像領域32,34内の位置をマウス等でクリックすると、出来高異常メッセージページが表示される。図5には、この出来高異常メッセージページの一例が示されている。
【0022】さらに、同図において一番左側に表されたロウソク足に対応する日には、同株価チャートに対応する株式銘柄に関連してニュースが出されており、チャートサーバ12は、そのロウソク足の表示位置を注目位置として選出して、同ロウソク足の上側に、ニュースが存在している旨を表すニュースマーク22を付加している。また、チャートサーバ12はニュースマーク22を取り囲むようニュースリンク画像領域20を設定しており、同株価チャート画像を表示するためのハイパーテキストを生成する際、クライアントサイドイメージマップにおいて、この画像領域にニュース記事を表示するためのページを関連付け、それをハイパーテキストに含めるようにしている。このため、ユーザ端末18においてニュースリンク画像領域20内の位置をマウス等でクリックすると、ニュースページが表示される。図6には、このニュースページの一例が示されている。
【0023】図7乃至図9は、チャートサーバ12の処理を説明するフロー図である。同図に示すように、チャートサーバ12はまず、ユーザ端末18から初期画面用のURLを受信して、その応答として初期画面を表すハイパーテキストを送信する(S101)。図10は、このハイパーテキストに基づいてユーザ端末18のモニタで表示される初期画面の一例を示している。その後、チャートサーバ12は、ユーザ端末18からのURLを受信待ちする(S102)。URLを受信すると、それが銘柄検索を要求するものかを判断する(S103)。すなわち、図2や図10に示すようにユーザ端末18からは銘柄検索を要求するURL(引数として検索キーワードを含む)がチャートサーバ12に送信されるようになっており、チャートサーバ12では受信URLに銘柄検索を要求する旨が記されているかを調べる。そして、銘柄検索を要求するものであれば、受信URLに含まれる検索キーワードで銘柄検索を実行する(S104)。具体的には、検索キーワードが数字のみを含む場合には、該数字を銘柄コードに含む銘柄を検索する。また、検索キーワードが数字以外の文字を含む場合には、検索キーワードが会社正式名称又は略式名称に含まれている銘柄を検索する。そして、検索結果をハイパーテキストの形式でユーザ端末18に返信し(S105)、再びユーザ端末18から送信されるURLを受信待ちする(S102)。図11は、このときユーザ端末18のモニタで表示される検索結果一覧表示画面の一例を示す図である。この検索結果において、銘柄コードの欄にはリンクタグが埋め込まれており、ユーザがいずれかの銘柄コードをクリックすれば、その銘柄コードについての株価チャート要求を表すURLがチャートサーバ12に送信される。
【0024】S103において受信URLが銘柄検索を要求するものでないと判断される場合、チャートサーバ12は次に受信URLに銘柄コードが含まれているかを判断する(S106)。そして、銘柄コードが含まれていなければ、再びユーザ端末18に初期画面を表すハイパーテキストを送信する(S101)。一方、銘柄コードが含まれていれば、受信URLに含まれる要求仕様に応じた仮株価チャート画像を生成する(S107)。すなわち、図2又は図10に示される画面において、ユーザが銘柄コードを入力して最下行の「Search!」ボタンをクリックすると、株価チャート要求の旨のURLがチャートサーバ12に送信され、このとき該URLには画面右側に列記された要求仕様項目に関するユーザの設定内容が含められるようになっている。また、図11R>1に示される画面において、ユーザがいずれかの銘柄コードをクリックすると、株価チャート要求の旨のURLがチャートサーバ12に送信され、このとき該URLには要求仕様としてデフォルト設定が含められるようになっている。S107では、受信URLに含まれる銘柄コードの株価チャートを、該URLに含まれる要求仕様にて作成し、それを仮株価チャート画像として一時保存するようにしている。
【0025】次に、チャートサーバ12では受信URLに含まれる要求仕様が「ロウソク足検索」をオンに設定したものであるかを判断する(S108)。そして「ロウソク足検索」をオンに設定したものであれば、買いパターン又は売りパターンに対応したロウソク足パターンを検索する(S109)。このパターン検索は、データベース14に格納されている株価データ(4本値データ)に基づいて行われる。そして、買いパターン又は売りパターンに合致するロウソク足があれば(S110)、そのロウソク足のパターンに応じて売りパターンマーク又は買いパターンマークを仮株価チャート画像に描画(追記)する(S111)。すなわち、ロウソク足が売りパターンに合致する場合、青色且つ楕円形の売りパターンマークを当該ロウソク足を囲むようにして仮株価チャート画像に書き込む。また、ロウソク足が買いパターンに合致する場合、赤色且つ楕円形の買いパターンマークを当該ロウソク足を囲むようにして仮株価チャート画像に書き込む。さらに、チャートサーバ12では、売りパターンマーク又は買いパターンマークの内側にロウソク足パターン解説リンク画像領域を設定するよう、仮株価チャート画像に対してイメージマップを作成する(S112)。このクライアントイメージマップでは、売りパターンマーク又は買いパターンマークの内側の画像領域を特定するための情報と、そのパターンに対する説明(リンクページ)を表示するためのURLと、が対応付けられる。なお、S108でロウソク足検索がオンになっていないと判断される場合、S110で買いパターン又は売りパターンが見つからなかったと判断される場合、いずれもS113に進む。
【0026】次に、チャートサーバ12は受信URLに含まれる要求仕様が「出来高異常検索」をオンに設定したものであるかを判断する(S113)。オンに設定されていれば、チャートサーバ12は所定アルゴリズムにより出来高異常検索を実行する(S114)。この出来高異常検索は、当該銘柄の日毎(週足の場合は週毎、月足の場合は月毎)の出来高が異常に高いか否かを調べるものであり、例えば、過去の出来高の標準偏差を算出しておき、その値に基づいて毎日(週足の場合は毎週、月足の場合は毎月)の出来高の偏差値を算出する。そして、一定以上の偏差値の出来高を出来高異常と判断するようにすればよい。出来高異常検索により出来高異常の日(或いは週又は月)が発見されれば(S115)、仮株価チャート画像に表された出来高棒グラフにおいて、その異常出来高を表す棒を他の棒と異なる色に変更する(S116)。例えば、通常の出来高を表す棒が白色である場合に、異常出来高を表す棒を緑色とする。こうして、異常出来高を表す棒を他から区別して表示し、ユーザに知らせることができる。さらに、チャートサーバ12は、当該異常出来高を表す棒の領域にリンク画像領域を設定すべく、クライアントイメージマップを生成する(S117)。このクライアントイメージマップでは、緑色が付された出来高棒グラフの棒を表す画像領域を特定するための情報と、出来高異常の旨を伝えるメッセージ(リンクページ)を表示するためのURLと、が対応付けられる。このメッセージでは、単に出来高異常の旨を伝えるだけでなく、どの程度の異常であるか、ユーザはどのように対処すべきか等の、さらに詳細な情報をユーザに伝えるようにしてもよい。なお、S113で出来高異常検索がオンになっていないと判断される場合、S115で出来高異常が見つからなかったと判断される場合、いずれもS118に進む。
【0027】次に、チャートサーバ12は受信URLに含まれる要求仕様が「ニュース検索」をオンに設定したものであるかを判断する(S118)。オンに設定されていれば、チャートサーバ12はニュース検索を実行する(S119)。このニュース検索は、株価チャート表示期間において当該銘柄に関連するニュースが出されているかを調べるものである。データベース14には、図1212に示すように、ニュース毎に、そのニュースに関連する銘柄コードと、そのニュースの日付(ニュースが発行された日付又はニュース記事の内容たる出来事が起きた日付)と、ニュース記事と、が対応づけられてなるニュースデータが記憶されている。チャートサーバ12では、ユーザが指定した銘柄に関連するニュース記事であって、そのニュース記事の日付が株価チャートの対象期間内であるものを、このニュースデータから探し出すのである。ニュース検索により当該銘柄に関連するニュースが発見されれば(S120)、仮株価チャート画像において、その発見されたニュースの日付に対応するロウソク足の上側に「NEWS」の文字画像を追加し、他のロウソク足と区別して表示する(S121)。さらに、チャートサーバ12は「NEWS」の文字を取り囲む仮株価チャート画像の画像領域にリンク画像領域を設定すべく、クライアントイメージマップを生成する(S122)。このクライアントイメージマップでは、「NEWS」の文字を取り囲む画像領域を特定するための情報と、その日付の当該銘柄のニュース記事(リンクページ)を表示するためのURLと、が対応付けられる。なお、S118でニュース検索がオンになっていないと判断される場合、S120でニュースが見つからなかったと判断される場合、いずれもS123に進む。
【0028】その後、チャートサーバ12では、仮株価チャート画像をユーザ端末18のWWWブラウザで解凍可能な形式で圧縮する(S123)。データベース14でユーザ毎に圧縮形式を登録しておき、その登録された圧縮形式で仮株価チャート画像を圧縮するようにしてもよい。こうすれば、ユーザ端末18において株価チャート画像を利用し易くできる。次に、チャートサーバ12は圧縮済みの株価チャート画像をユーザ端末18で表示するためのハイパーテキストを生成する。このハイパーテキストは図2に示すチャート画面を表示するためのものであり、画面左側に株価チャート画像を埋め込むとともに、その右側には次に表示する株価チャートの要求仕様を指定するためのラジオボタンが並べられるようになっている。さらに、このハイパーテキストにはS112,S117,S122で生成された株価チャート画像に対するクライアントイメージマップが含められる。こうしてS123で生成された株価チャート画像はS124で生成されるハイパーテキストとともにユーザ端末18に送信され(S125)、チャートサーバ12はユーザ端末18からのURL受信を再び待つ(S102)。
【0029】以上説明したように、この株価チャート提供システム10によれば、株価チャート画像において、買いパターン又は売りパターンに対応するロウソク足を取り囲むよう買いパターンマーク30や売りパターンマーク(図示せず)が表されるので、ユーザは容易にテクニカル分析ができるようになる。また、この買いパターンマーク30や売りパターンマークの内部にリンク画像領域が設定され、このリンク画像領域の内部をユーザがクリックすることで、図4に示すようなパターン解説のリンクページが直ちにユーザ端末18に表示されるので、ユーザはさらに容易にテクニカル分析ができるようになる。
【0030】また、この株価チャート提供システム10によれば、出来高棒グラフが表示された株価チャート画像において、異常出来高に対応する棒が他と区別して表示されるので、ユーザは一目で出来高異常を知ることができ、容易にテクニカル分析ができるようになる。また、この異常出来高に対応する棒の表示領域にリンク画像領域が設定され、この画像領域内部をユーザがクリックすることで、図5に示すような出来高異常メッセージページが直ちにユーザ端末18に表示されるので、ユーザはさらに容易にテクニカル分析ができるようになる。
【0031】さらに、この株価チャート提供システム10によれば、データベース14に図12に示すようなニュースデータが蓄積されており、ユーザが注目している銘柄に関連するニュースであって、株価チャート画像の対象期間内の日付に対応するものについては、そのニュースの日付のロウソク足の上側に表された「NEWS」の文字画像をクリックすることで、ユーザは直ちにそのニュース記事を見ることができるので、さらに容易にテクニカル分析ができるようになる。
【0032】なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0033】例えば、以上の説明ではインターネット16を介してユーザに株価チャートや関連情報を提供するようにしたが、他の通信ネットワークを介して提供するようにしてもよい。
【0034】また、以上の説明ではHTTPにより株価チャートや関連情報をユーザに提供するようにしたが、他のプロトコルにより提供するようにしてもよい。また、本発明は、株価チャートだけでなく、あらゆる市場のあらゆる商品に関するチャート作成に適用することができる。
【0035】また、以上の説明ではチャートサーバ12が回線経由で株価データを取得し、それをデータベース14に格納するようにしたが、CD−ROMやDVD−ROM等の情報記憶媒体により株価データを取得し、それをデータベース14に格納するようにしてもよい。
【0036】また、以上の説明ではユーザ端末18をパーソナルコンピュータとしたが、携帯電話機、PAD、家庭用ゲーム機等、あらゆる情報処理装置をユーザ端末18として利用することが可能である。
【0037】さらに、以上の説明では株価チャート提供システム10をクライアントサーバシステムとして構成したが、ユーザ端末18にチャートサーバ12とデータベース14の機能を設けて、スタンドアロン構成としてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、所定条件を満足する株価チャートの注目位置を選出し、その注目位置を株価チャート画像において区別して表示するとともに、その注目位置の関連情報を株価チャート画像の画像領域に関連付け、その画像領域内の位置がユーザ操作により指示される場合に、該画像領域に関連付けられた情報をユーザに提供するようにしたので、株価チャートだけでなく、該株価チャートの注目位置やそれに関する情報を、速やかにユーザに提供することができ、ユーザによるテクニカル分析を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る株価チャート提供システムの構成を示す図である。
【図2】 株価チャート表示画面の一例を示す図である。
【図3】 株価チャート画像の一部を拡大して示す図である。
【図4】 ロウソク足パターン解説ウィンドウの一例を示す図である。
【図5】 出来高異常メッセージウィンドウの一例を示す図である。
【図6】 ニュースウィンドウの一例を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態に係る株価チャート提供システムの動作を説明するフロー図である。
【図8】 本発明の実施の形態に係る株価チャート提供システムの動作を説明するフロー図である。
【図9】 本発明の実施の形態に係る株価チャート提供システムの動作を説明するフロー図である。
【図10】 本発明の実施の形態に係る株価チャート提供システムにおける初期画面の一例を示す図である。
【図11】 銘柄検索の結果の一例を示す図である。
【図12】 ニュースデータの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 株価チャート提供システム、12 チャートサーバ、14 データベース、16 インターネット、18 ユーザ端末、20 ニュースリンク画像領域、22 ニュースマーク、24,26 ロウソク足、28 ロウソク足パターン解説リンク画像領域、30 買いパターンマーク、32,34 出来高異常メッセージリンク画像領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 要求仕様を含む株価チャート要求をユーザから受け付ける株価チャート要求受け付け手段と、株価データに基づいて前記要求仕様に応じた株価チャートを表す株価チャート画像を生成する株価チャート画像生成手段と、生成される前記株価チャート画像をユーザに提供する株価チャート画像提供手段と、を含む株価チャート提供システムにおいて、所定条件を満足する前記株価チャートの注目位置を選出する株価チャート注目位置選出手段と、選出される前記注目位置を前記株価チャート画像において区別して表示する株価チャート注目位置区別表示手段と、選出される前記注目位置の関連情報を前記株価チャート画像における前記注目位置に対応する画像領域に関連付ける画像領域関連付け手段と、前記画像領域内の位置がユーザ操作により指示される場合に、該画像領域に関連付けられた前記関連情報をユーザに提供する関連情報提供手段と、をさらに含むことを特徴とする株価チャート提供システム。
【請求項2】 請求項1に記載の株価チャート提供システムにおいて、前記株価チャート画像生成手段は、ロウソク足を表す株価チャート画像を生成する手段を含み、前記株価チャート注目位置選出手段は、所定ロウソク足パターンに合致する前記ロウソク足の表示位置を前記注目位置として選出する手段を含み、前記関連情報提供手段は、前記所定ロウソク足パターンに関する情報を前記注目位置の関連情報としてユーザに提供する手段を含む、ことを特徴とする株価チャート提供システム。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の株価チャート提供システムにおいて、前記株価チャート画像生成手段は、出来高を棒グラフで表す株価チャート画像を生成する手段を含み、前記株価チャート注目位置選出手段は、出来高を表す各棒のうち所定出来高異常条件を満足するものの表示位置を前記注目位置として選出する手段を含み、前記関連情報提供手段は、出来高異常に関する情報を前記注目位置の関連情報としてユーザに提供する手段を含む、ことを特徴とする株価チャート提供システム。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の株価チャート提供システムにおいて、ニュース記事と、該ニュース記事に関連する株式銘柄と、該ニュース記事の日付と、を対応付けてなるニュースデータを記憶するニュースデータ記憶手段をさらに含み、前記株価チャート画像生成手段は、前記株価チャート要求により指定される株式銘柄に関する株価チャート画像を生成する手段を含み、前記株価チャート注目位置選出手段は、前記株価チャート要求により指定される株式銘柄に関連するニュース記事の日付を前記ニュースデータから取得する手段と、取得される日付に対応する前記株価チャートの位置を前記注目位置として選出する手段と、を含み、前記関連情報提供手段は、前記注目位置に対応する日付と前記株価チャート要求により指定される株式銘柄とに対応付けられたニュース記事を前記ニュースデータから取得し、それを前記関連情報としてユーザに提供する手段を含む、ことを特徴とする株価チャート提供システム。
【請求項5】 要求仕様を含むチャート要求をユーザから受け付けるチャート要求受け付けステップと、前記要求仕様に応じたチャートを表すチャート画像を生成するチャート画像生成ステップと、生成される前記チャート画像をユーザに提供するチャート画像提供ステップと、を含むチャート提供方法において、所定条件を満足する前記チャートの注目位置を選出するチャート注目位置選出ステップと、選出される前記注目位置を前記チャート画像において区別して表示するチャート注目位置区別表示ステップと、選出される前記注目位置の関連情報を前記チャート画像における前記注目位置に対応する画像領域に関連付ける画像領域関連付けステップと、前記画像領域内の位置がユーザ操作により指示される場合に、該画像領域に関連付けられた前記関連情報をユーザに提供する情報提供ステップと、をさらに含むことを特徴とするチャート提供方法。
【請求項6】 要求仕様を含むチャート要求をユーザから受け付けるチャート要求受け付けステップと、前記要求仕様に応じたチャートを表すチャート画像を生成するチャート画像生成ステップと、生成される前記チャート画像をユーザに提供するチャート画像提供ステップと、所定条件を満足する前記チャートの注目位置を選出するチャート注目位置選出ステップと、選出される前記注目位置をユーザに提供される前記チャート画像において区別して表示するチャート注目位置区別表示ステップと、選出される前記注目位置の関連情報を前記チャート画像における前記注目位置に対応する画像領域に関連付ける画像領域関連付けステップと、前記画像領域内の位置がユーザ操作により指示される場合に、該画像領域に関連付けられた前記関連情報をユーザに提供する情報提供ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶した情報記憶媒体。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図11】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2002−92329(P2002−92329A)
【公開日】平成14年3月29日(2002.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−274837(P2000−274837)
【出願日】平成12年9月11日(2000.9.11)
【出願人】(500352982)株式会社フィスコ (1)
【Fターム(参考)】