説明

核医学診断装置

【課題】 被検体のRI分布画像を十分な感度で撮影できるようにする。
【解決手段】この発明の核医学診断装置は、RI分布画像を撮影する前に、アーム部材移動機構7で第1γ線検出器1が取着された第1C字状アーム部材5と第2γ線検出器2が取着された第2C字状アーム部材6を両アーム部材5,6が近づく向きに移動させて第1,第2の両γ線検出器1,2を被検体Mに接近させる。また検出器角度調整機構8で第1,第2の両γ線検出器1,2の傾き角度を変化させてγ線検出姿勢にする。従って、第1,第2の両γ線検出器1,2を予め被検体Mに十分接近させた状態でRI分布画像が撮影される。その結果、RI分布画像の撮影中、第1,第2の両γ線検出器1,2のγ線入射面1A,2Aに入射するγ線の数が増えるので、γ線の検出感度がアップし、被検体のRI分布画像を十分な感度で撮影できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検体に投与された放射性同位元素(RI=ラジオアイソトープ)によって放出されるγ線をγ線検出器によって検出すると共に、γ線検出器から出力されるγ線検出信号をRI分布画像取得用のエミッションデータとして収集する核医学診断装置に係り、特にRI分布画像を十分な感度で撮影するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
有用な核医学診断装置のひとつである従来のPET(ポジトロン・エミッション・トモグラフィ)装置は、図18に示すように、被検体mが載置される天板91と、天板91が被検体mを載置したまま出入りする開口部(トンネル)92Aを中央に有する大型のガントリ92とが配設されている。ガントリ92には、図19に示すリングタイプのγ線検出器93、あるいは、図20に示すフラットタイプのγ線検出器94が配備されている。γ線検出器93,94はシンチレータとフォトマルチプライヤ(光電子増倍管)等で構成される(例えば非特許文献1, 2を参照。)。
【0003】
従来のPET装置によりRI分布画像の撮影が行われる場合、被検体mが天板91に載せられてガントリ92の開口部92Aに進入してきた被検体mに投与されているRIによって生じる511keVのエネルギーのγ線(消滅γ線)がγ線検出器93あるいはγ線検出器94によって検出される。γ線検出器93やγ線検出器94から出力されるγ線検出信号がRI分布画像取得用のエミッションデータとして収集されると共に、収集されたエミッションデータに基づいて再構成処理が行われることにより断層像タイプないし平面像タイプのRI分布画像が取得される。PET装置の場合、被検体mに投与された11CなどのRIのポジトロンの消滅により同時に発生して反対方向へ向かって進む二つの消滅γ線が、γ線検出器93あるいはγ線検出器94で同時に検出された場合(γ線が同時計数された時)にエミッションデータの収集が行なわれる。
【0004】
【非特許文献1】Seminars in Nuclear Medicine,vol.XXXIV,No.2,2004:87-111
【非特許文献2】J Nucl Med 2003;44:756-769
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のPET装置は、被検体mのRI分布画像を十分な感度で撮影することができないという問題がある。
被検体mが進入するガントリ92は開口部92Aの径が大きくて、γ線検出器93あるいはγ線検出器94は、被検体mから相当に離れた位置にあり、γ線検出器93あるいはγ線検出器94に入射するγ線の数が余り多くなくて、γ線の検出感度が不十分となるので、RI分布画像を十分な感度で撮影できないのである。
【0006】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被検体のRI分布画像を十分な感度で撮影することができる核医学診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明に係る核医学診断装置は、(A)被検体に投与された放射性同位元素によって生じるγ線をγ線入射面が被検体を挟んで向き合ったγ線検出姿勢で検出する第1γ線検出器および第2γ線検出器と、(B)第1γ線検出器および第2γ線検出器から出力されるγ線検出信号をRI分布画像取得用のエミッションデータとして収集するエミッションデータ収集手段と、(C)エミッションデータに基づいてRI分布画像を取得するRI分布画像取得手段を備えた核医学診断装置において、(D)第1γ線検出器が先端に取り付けられている第1C字状アーム部材と第2γ線検出器が先端に取り付けられている第2C字状アーム部材とが平行に並んでいると共に第1γ線検出器と第2γ線検出器が被検体を間にして相対する向きで配設されている二重アーム式検出器保持手段と、(E)第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材をアームの曲がりに沿って両方向に移動させるアーム部材移動手段と、(F)第1γ線検出器および第2γ線検出器の傾き角度を変化させて第1γ線検出器および第2γ線検出器のγ線入射面が被検体を挟んで向き合っているγ線検出姿勢にする検出器角度調整手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0008】
[作用・効果]請求項1の発明の核医学診断装置により被検体のRI分布画像を撮影する場合、第1γ線検出器と第2γ線検出器の間隔が被検体をセットするのに適当な広さでなければ、先ず第1γ線検出器が先端に取り付けられている第1C字状アーム部材と第2γ線検出器が先端に取り付けられている第2C字状アーム部材とをアーム部材移動手段によりアームの曲がりに沿って第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材が離れる向きに移動させることによって第1γ線検出器と第2γ線検出器の間隔を十分に広げてから、第1γ線検出器と第2γ線検出器の間へ撮影対象の被検体をセットする。
【0009】
続いて、第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材をアーム部材移動手段によりアームの曲がりに沿って逆に第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材が近づく向きに移動させることによって第1γ線検出器と第2γ線検出器を被検体に接近させると共に、検出器角度調整手段により第1γ線検出器および第2γ線検出器の傾き角度を変化させて第1γ線検出器および第2γ線検出器のγ線入射面が被検体を挟んで向き合っているγ線検出姿勢にしてから撮影を開始する。
アーム部材移動手段による第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材の移動に伴って第1γ線検出器と第2γ線検出器の傾き角度が変化して第1γ線検出器および第2γ線検出器のγ線入射面が被検体を挟んで向き合っているγ線検出姿勢が崩れるので、検出器角度調整手段で第1γ線検出器と第2γ線検出器の傾き角度を変化させることによりγ線検出姿勢に戻すのである。
【0010】
また、第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材をアーム部材移動手段によりアームの曲がりに沿って同じ方向に移動させると共に、検出器角度調整手段により第1γ線検出器および第2γ線検出器の傾き角度を変化させて第1γ線検出器および第2γ線検出器のγ線入射面が被検体を挟んで向き合っているγ線検出姿勢にすると、第1γ線検出器と第2γ線検出器が被検体の周りを回って撮影方向を変化させられる。
【0011】
RI分布画像の撮影が始まると、γ線入射面が被検体を挟んで対向しているγ線検出姿勢にある第1γ線検出器と第2γ線検出器が被検体に投与された放射性同位元素によって生じるγ線を検出する。
一方、エミッションデータ収集手段は第1γ線検出器および第2γ線検出器から出力されるγ線検出信号をRI分布画像取得用のエミッションデータとして収集すると共に、RI分布画像取得手段はエミッションデータ収集手段で収集されたエミッションデータに基づいてRI分布画像を取得する。
【0012】
すなわち、請求項1の発明の核医学診断装置の場合、RI分布画像を撮影する前に、第1γ線検出器が先端に取り付けられている第1C字状アーム部材と第2γ線検出器が先端に取り付けられている第2C字状アーム部材とをアーム部材移動手段によりアームの曲がりに沿って第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材が近づく向きに移動させることによって第1γ線検出器と第2γ線検出器を被検体に接近させられる。また検出器角度調整手段により第1γ線検出器および第2γ線検出器の傾き角度を変化させて第1γ線検出器および第2γ線検出器のγ線入射面が被検体を挟んで向き合っているγ線検出姿勢にできる。したがって、第1γ線検出器と第2γ線検出器を予め被検体に十分接近させた状態でRI分布画像を撮影できる。
【0013】
このように、第1γ線検出器と第2γ線検出器を予め被検体に十分接近させた状態であれば、RI分布画像の撮影中、第1γ線検出器と第2γ線検出器のγ線入射面に入射するγ線の数が増えるので、γ線の検出感度があがる。
よって、請求項1の発明の核医学診断装置によれば、被検体のRI分布画像を十分な感度で撮影することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、第1γ線検出器と第2γ線検出器および二重アーム式検出器保持手段に加えて、アーム部材移動手段と検出器角度調整手段とが、(G)床を無軌道で走行する無軌道走行型台車に搭載されているものである。
【0015】
[作用・効果]請求項2の発明の装置においては、無軌道走行型台車の走行により第1γ線検出器と第2γ線検出器および二重アーム式検出器保持手段に加えて、アーム部材移動手段と検出器角度調整手段とを撮影場所へ移して、被検体のRI分布画像を撮影できる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、(H)被検体を装置の上下方向に相対的に移動させる上下移動手段を備えているものである。
【0017】
[作用・効果]請求項3の発明の装置の場合、アーム部材移動手段による第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材の移動などに伴って被検体と装置の間に生じる上下方向の位置ズレを、上下移動手段により被検体を装置の上下方向に相対的に移動させることで解消できる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の核医学診断装置において、被検体に投与される放射性同位元素がポジトロン型の放射性同位元素であって、エミッションデータ収集手段が、反対方向に進む消滅γ線が第1γ線検出器と第2γ線検出器によって同時に検出された時のγ線検出信号だけをエミッションデータとして収集するものである。
【0019】
[作用・効果]請求項4の発明の装置の場合、エミッションデータ収集手段が被検体に投与された放射性同位元素から放出されるポジトロンの消滅に伴って生じて反対方向に進む消滅γ線がγ線検出手段により同時に検出された時のγ線検出信号だけをエミッションデータとして収集するので、被検体に投与されているポジトロン型の放射性同位元素についてのRI分布画像を撮影することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明の核医学診断装置の場合、RI分布画像を撮影する前に、第1γ線検出器が先端に取り付けられている第1C字状アーム部材と第2γ線検出器が先端に取り付けられている第2C字状アーム部材とをアーム部材移動手段によりアームの曲がりに沿って第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材が近づく向きに移動させることによって、第1γ線検出器と第2γ線検出器を被検体に接近させられる。また検出器角度調整手段により第1γ線検出器および第2γ線検出器の傾き角度を変化させて第1γ線検出器および第2γ線検出器のγ線入射面が被検体を挟んで向き合っているγ線検出姿勢にできる。したがって、第1γ線検出器と第2γ線検出器を予め被検体に十分接近させた状態でRI分布画像を撮影できる。
【0021】
このように、第1γ線検出器と第2γ線検出器を予め被検体に十分接近させた状態であれば、RI分布画像の撮影中、第1γ線検出器と第2γ線検出器のγ線入射面に入射するγ線の数が増えるので、γ線の検出感度があがる。
よって、この発明の核医学診断装置によれば、被検体のRI分布画像を十分な感度で撮影することができる。
【実施例】
【0022】
この発明の核医学診断装置の実施例を説明する。図1は実施例に係る移動式のPET(ポジトロン・エミッション・トモグラフィ)装置の全体構成を示すブロック図、図2は実施例の装置を示す正面図、図3は実施例の装置を示す斜視図である。
【0023】
実施例のPET装置は、図1〜図3に示すように、被検体Mに投与された放射性同位元素によって生じるγ線をγ線入射面1A,2Aが被検体Mを挟んで向き合っているγ線検出姿勢で検出する第1γ線検出器1および第2γ線検出器2を備えている。第1γ線検出器1および第2γ線検出器2は、入射γ線を光に変換するシンチレータと、このシンチレータから放出される光を電気に変換して出力する縦横に設置されたフォトマルチプライヤからなる略フラットタイプの2次元検出器である。また第1γ線検出器1と第2γ線検出器2の前側には、図1に示すように、吸収補正用のトランスミッションデータを収集する際に放射線を照射する外部放射線源3も配設されている。
【0024】
また、実施例の装置は、第1γ線検出器1および第2γ線検出器2を保持する二重アーム式検出器保持機構4を備えている。二重アーム式検出器保持機構4の場合、図1ないし図2に示すように、第1γ線検出器1が先端に取り付けられている第1C字状アーム部材5と第2γ線検出器2が先端に取り付けられている第2C字状アーム部材6とが、アームの長手方向に沿って曲がりながら延びるアーム長軸5A,6A同士が隣り合って平行に並んでいると共に第1γ線検出器1と第2γ線検出器2が被検体Mを間にして相対する向きで配設されている。
【0025】
さらに、実施例の装置は、第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6をアームの曲がりに沿って両方向に移動させるアーム部材移動機構7と、第1γ線検出器1および第2γ線検出器2の傾き角度を変化させて第1γ線検出器1および第2γ線検出器2のγ線入射面1A,2Aが被検体Mを挟んで向き合っているγ線検出姿勢にする検出器角度調整機構8を備えている。また、これに加え、実施例の装置の場合、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2、および第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6を備えた二重アーム式検出器保持機構4に加えて、アーム部材移動機構7と検出器角度調整機構8とが、床FLを無軌道で走行する無軌道走行型台車9に搭載されている。
【0026】
無軌道走行型台車9では、台車基体10の上に幅広の円弧形のアーム部材取り付け台11が内面を斜め上方に向けた状態で配備されている。このアーム部材取り付け台11には、図4に示すように、アーム部材受け台11の長手方向に沿って平行に続く2本のアーム係止用内溝12,13が形成されている。また第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6には、図5に示すように、アームの長手方向に沿って続く係止用凸条5a,6aが付設されている。そして、各アーム係止用内溝12,13に係止用凸条5a,6aを嵌入することによって、第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6がアームの長手方向に沿って摺動可能なかたちでアーム部材受け台11に取り付けられている。なおアーム係止用内溝12,13の側面には、滑りローラ12A,13Aが幾つか配置されていて、第1C字状アーム部材5や第2C字状アーム部材6は円滑に摺動する。
【0027】
一方、アーム部材移動機構7は、第1C字状アーム部材5を移動させる第1アーム部材移動機構7Aと、第2C字状アーム部材6を移動させる第2アーム部材移動機構7Bとからなる。
第1アーム部材移動機構7Aは、図4および図5(a)に示すように、C字状アーム部材5の一端側と他端側に両端部が固定されているベルト7a1に加えてアーム部材受け台11の側に設置されたガイド用プーリ7a2,7a3と駆動用プーリ7a4および駆動用プーリ7a4を回転させる電気モータ7a5を有していると共に、ベルト7a1がガイド用プーリ7a2,7a3と駆動用プーリ7a4の間に掛け渡されている。したがって、電気モータ7a5が回るのに伴ってベルト7a1が移送されると同時に、C字状アーム部材5がベルト7a1に引かれて、矢印RAで示すように、アームの曲がりに沿って移動する。C字状アーム部材5の移動方向は、電気モータ7a5の回転方向が変れば逆になる。
【0028】
第2アーム部材移動機構7Bは、図4および図5(b)に示すように、C字状アーム部材6の一端側と他端側に両端部が固定されているベルト7b1に加えてアーム部材受け台11の側に設置されたガイド用プーリ7b2,7b3と駆動用プーリ7b4および駆動用プーリ7b4を回転させる電気モータ7b5を有していると共に、ベルト7b1がガイド用プーリ7b2,7b3と駆動用プーリ7b4の間に掛け渡されている。したがって、電気モータ7b5が回るのに伴ってベルト7b1が移送されると同時に、C字状アーム部材6がベルト7b1に引かれて、矢印RBで示すように、アームの曲がりに沿って移動する。C字状アーム部材6の移動方向は、電気モータ7b5の回転方向が変れば逆になる。
【0029】
他方、検出器角度調整機構8は、第1検出器角度調整機構8Aと第2検出器角度調整機構8Bとからなる。第1検出器角度調整機構8Aおよび第2検出器角度調整機構8Bは、第1γ線検出器1および第2γ線検出器2の各取り付け軸(図示省略)を回す電気モータ(図示省略)を有しており、電気モータが回転するのに伴って、図1の中に矢印ra、rbに示すように、各取り付け軸を支点にして回転して第1γ線検出器1や第2γ線検出器2の傾き角度が変化する。第1γ線検出器1や第2γ線検出器2の回転する向きは、電気モータの回転方向が変れば逆になる。つまり、アーム部材移動機構7による第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6の移動に伴って第1γ線検出器1と第2γ線検出器2の傾き角度が変化して第1γ線検出器1および第2γ線検出器2のγ線入射面1A,2Aが被検体Mを挟んで向き合っているγ線検出姿勢が崩れるので、検出器角度調整機構8で第1γ線検出器1と第2γ線検出器2の傾き角度を変化させることによりγ線検出姿勢に戻すのである。
【0030】
無軌道走行型台車9は、2個の小さな前輪14Aと2個の大きな後輪14Bの計4個の車輪が台車基体10に配備されている四輪車であり、オペレータ(撮影技師)が背面側上部に配備されている把手15を握って押したり引いたりすることで車輪を回して床FLを走行させる手押し移動タイプである。もちろん、無軌道走行型台車9は、手押し移動タイプである必要はなく、電気モータで車輪を回して走行させる電動移動タイプであってもよい。
【0031】
被検体MのRI分布画像を撮影する場合、無軌道走行型台車9を押したり引いたりして床FLの上を走行させて被検体Mの居場所まで移動させる。つまり、実施例の装置の場合、無軌道走行型台車9の走行により第1γ線検出器1と第2γ線検出器2および第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6ごと二重アーム式検出器保持機構4に加えて、アーム部材移動機構7と検出器角度調整機構8とを撮影場所へ移して、被検体MのRI分布画像を撮影することができる。
【0032】
そして、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2の間隔が被検体Mをセットするのに適当な広さでなければ、先ず第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6とをアーム部材移動機構7によりアームの曲がりに沿って第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6が離れる向きに移動させることによって、図3に示すように、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2の間隔を十分に広げてから、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2の間へ撮影対象の被検体Mをセットする。
【0033】
なお、実施例の装置の場合、被検体Mを載置している天板16を電動で昇降させる天板昇降機構16Aも配備されているので、被検体Mと実施例の装置の間に上下方向の位置ズレがある時は、適時に天板昇降機構16Aを作動させて天板16を昇降させることにより、被検体Mを装置の上下方向に移動させて位置ズレを解消できる。
【0034】
続いて、第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6をアーム部材移動機構7により、図6および図7に示すように、アームの曲がりに沿って逆に第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6が近づく向きに移動させることによって第1γ線検出器1と第2γ線検出器2を被検体Mに十分接近させると共に、検出器角度調整機構8により第1γ線検出器1および第2γ線検出器2の傾き角度を変化させて第1,第2のγ線検出器1,2のγ線入射面1A,2Aが被検体Mを挟んで向き合っているγ線検出姿勢にして撮影を開始する。図6や図7に示すγ線検出姿勢の場合はRI分布画像を前後方向から撮影することになる。
【0035】
第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6および第1γ線検出器1と第2γ線検出器2の移動位置および傾き角度の調整を行って、図8および図9に示すγ線検出姿勢にすれば、RI分布画像を体側方向から撮影できる。
また、図10および図11に示すように、被検体Mの側の大小に応じて、第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6および第1γ線検出器1と第2γ線検出器2の移動位置と傾き角度の調整を行えば、被検体Mの側の大小に見合ったγ線検出姿勢にすることもできる。
【0036】
それに、第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6をアーム部材移動機構7によりアームの曲がりに沿って同じ方向に移動させると共に、検出器角度調整機構8により第1γ線検出器1および第2γ線検出器2の傾き角度を変化させて第1γ線検出器1および第2γ線検出器2のγ線入射面1A,2Aが被検体Mを挟んで向き合っているγ線検出姿勢にすると、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2が被検体Mの周りを回って撮影方向を変化させられる。
【0037】
なお、アーム部材移動機構7はアーム移動制御部17からオペレータの操作や予め設定されたプログラムに応じた移動制御データを受けながら第1C字状アーム部材5や第2C字状アーム部材6を移動させる。検出器角度調整機構8は検出器角度制御部18からオペレータの操作や予め設定されたプログラムに応じた角度制御データを受けながら第1γ線検出器1や第2γ線検出器2の傾き角度を変化させる。天板昇降機構16Aは天板昇降制御部19からオペレータの操作や予め設定されたプログラムに応じた昇降制御データを受けながら天板16を昇降させる。
【0038】
したがって、実施例の装置の場合、アーム部材移動機構7と検出器角度調整機構8および天板昇降機構16Aはいずれも電動方式であったが、これらは手動方式であってもよい。例えばオペレータが第1C字状アーム部材5や第2C字状アーム部材6を手で引っ張って移動させたり、第1γ線検出器1や第2γ線検出器2を手で掴んで傾き角度を変える構成でもよい。
【0039】
また、実施例の装置は、図1に示すように、第1,第2の両γ線検出器1,2の後段に、エミッションデータ収集部20とトランスミッションデータ収集部21と吸収補正部22とRI分布画像取得部23とが配備されている他、RI分布画像やX線CT画像あるいは装置の操作メニューなどを表示する表示モニタ24や、装置の稼働に必要なデータや指令などを入力する操作部25などが配備されている。
【0040】
エミッションデータ収集部20は、第1,第2の両γ線検出器1,2から出力されるγ線検出信号を、RI分布画像取得用のエミッションデータとして収集する。加えて、エミッションデータ収集部20の場合、被検体Mに投与された放射性同位元素から放出されるポジトロンの消滅に伴って生じて反対方向に進む消滅γ線が第1,第2の両γ線検出器1,2により同時に検出された時のγ線検出信号だけをエミッションデータとして収集する。つまり、反対方向に進む消滅γ線のうちの一方のγ線が第1γ線検出器1で検出されると同時に、他方のγ線が第2γ線検出器2で検出された時のγ線検出信号だけがエミッションデータとして収集される。被検体Mに投与されるポジトロン型のRIとしては、11C,13N,15O,18Fなどが挙げられる。
【0041】
トランスミッションデータ収集部21は、第1,第2の両γ線検出器1,2の前方に設置されている外部放射線源3による被検体Mへの放射線の照射に伴って第1,第2の両γ線検出器1,2から出力される放射線検出信号を吸収補正用のトランスミッションデータとして収集する。
吸収補正部22は、エミッションデータ収集部20で収集されたエミッションデータをトランスミッションデータ収集部21で収集されたトランスミッションデータを用いて吸収補正する。
【0042】
RI分布画像取得部23は、吸収補正されたエミッションデータに基づいてRI分布画像を取得する。表示モニタ24はRI分布画像取得部23で取得されたRI分布画像を画面に映し出す。
なお、主制御部26は、コンピュータとその動作プログラムを中心に構成されており、操作部25から入力される指令や撮影の進行状況に応じて、各部に命令やデータを送出して装置を正常に稼働させる役割を果たす。
【0043】
また、実施例の装置は、図12に示すように、X線CT装置27と組み合わせた複合システムとすることもできる。具体的には、天板16を実施例のPET装置とX線CT装置27とで共用し、実施例のPET装置でRI分布画像を撮影したあと、天板16をX線CT装置27のガントリに進入させてRI分布画像を撮影した位置のX線CT画像が撮影できるPET−CTシステムの構成とすることができる。この場合、X線CT画像をエミッションの吸収補正に用いることで、外部放射線源3とトランスミッションデータ収集部21を不要にすることができる。
【0044】
以上に述べたように、実施例の装置の場合、RI分布画像を撮影する前に、第1γ線検出器1が先端に取り付けられている第1C字状アーム部材5と第2γ線検出器2が先端に取り付けられている第2C字状アーム部材6とをアーム部材移動機構7によりアームの曲がりに沿って第1C字状アーム部材5と第2C字状アーム部材6が近づく向きに移動させることによって第1γ線検出器1と第2γ線検出器2を被検体Mに接近させられる。また検出器角度調整機構8により第1γ線検出器1および第2γ線検出器2の傾き角度を変化させて第1γ線検出器1および第2γ線検出器2のγ線入射面1A,2Aが被検体Mを挟んで向き合っているγ線検出姿勢にできる。したがって、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2を予め被検体に十分接近させた状態でRI分布画像を撮影できる。
【0045】
このように、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2を予め被検体Mに十分接近させた状態であれば、RI分布画像の撮影中、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2のγ線入射面1A,2Aに入射するγ線の数が増えるので、γ線の検出感度がアップする。
よって、実施例のPET装置によれば、被検体MのRI分布画像を十分な感度で撮影することができる。
【0046】
実施例の装置において、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2を対向させた状態で被検体の周囲を180度回転させ、被検体周りのエミッションデータを収集することにより、断層像を取得するように構成してもよい。例えば、図13の(a)に示した「連続回転収集」は、消滅γ線の同時検出であるイベントを必要な数だけ集めるために、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2を複数回にわたり往復運動させている。この連続回転収集によると、被検体が途中で動いた場合でも、そこまでのデータを使用して画像化することができる。また、図13の(b)に示した「ステップ収集」によってデータを収集してもよい。「ステップ収集」では、第1γ線検出器1と第2γ線検出器2を一定の角度(例えば、6度)ごとに静止させながらデータを収集する。断層画像の再構成手法は周知であるが、例えば、一定角度ごとのエミッションデータ(投影データ)から断層面のサイノグラムを生成し、それをフィルタ逆投影法あるいは逐次近似法によって画像再構成することができる。
【0047】
実施例の装置において、被検体と第1、第2γ線検出器1、2との距離をできるだけ短くするために、検出器間距離を変えながら被検体の周りを回転させる場合、装置の機械的原点に対する第1、第2γ線検出器1、2の位置と向きが変化しながら撮影が進行することにもなるので、以下に、装置の機械的原点に対する第1、第2γ線検出器1、2の位置と向きが変化する時の再構成アルゴリズムについて説明しておく。
【0048】
第1,第2γ線検出器1,2は、図14および図15に示すように、微小なγ線検出素子a,bの集合体であり、両γ線検出器1,2の間に装置の機械的原点OMを起点とするベクトルVCで規定される中心座標OCを有する画像再構成領域Sが設定される。装置の機械的原点OMから各γ線検出器1,2の中心座標OA,OBに至るベクトルVA,VBは上述の搬送位置データと回転角度データおよび位置変動データとに基づいて求められる。γ線検出器1,2の中心座標WA,WBからγ線検出素子a,bに至るベクトルWA,WBはγ線検出器1,2におけるγ線検出素子a,bのアドレス(座標)に基づいて求められる。
【0049】
したがって、被検体Mから放出されたγ線が同時計数される現象(以下、適宜「イベント」と略記)が起こった場合、装置の機械的原点OMからγ線を同時検出したγ線検出素子a,bに至るベクトルuA,uBも次の式(1)および式(2)にしたがって求められる。
uA=VA+WA ・・・・(1)
uB=VB+WB ・・・・(2)
【0050】
一方、被検体Mから放出されたγ線が同時計数される現象(イベント)が起こった場合、γ線を検出したγ線検出素子a,bのアドレス対データ、および、γ線を検出したγ線検出素子a,bについてのベクトルuA,uBのアドレス対データがイベント毎にリストモード型データとして収集記憶される。
他方、リストモード型データとして収集記憶されたベクトルuA,uBのアドレス対データから、γ線を同時検出したγ線検出素子a,bを結ぶ直線LOR(Line of Response)がイベント毎に求められる。ポジトロン放出種は直線LORの上に存在する。
【0051】
ベクトルuAはリストモード型データとして保存されたγ線検出機構3としてのγ線検出器1,2の位置および向きの情報と次の式(3)にしたがって求められる。なお、γ線検出器1,2の位置および向きのデータは変化があった時だけタグ情報として保存されるようにしてもよい。
uA=RX ・RY ・RZ ・T・WA ・・・・(3)
但し、以下に示すように、RX ,RY ,RZ は装置の機械的原点OMを原点として互いに直交するX軸,Y軸,Z軸まわりのγ線検出器1,2の回転、TはX軸,Y軸,Z軸の各方向の位置(すなわちVA)である。
また、ベクトルuBもベクトルuAの場合と同様にして求めることができる。
【0052】
【数1】

【0053】
このように、γ線を同時検出したγ線検出素子a,bを結ぶ直線LOR(Line of Response)がイベントごとに求められる場合については、逐次近似型のリストモード再構成アルゴリズムが適用される〔例えばJ Reader et al 1998 Phys.Med Bial.43 835-846 (非特許文献)を参照〕。このリストモード再構成アルゴリズムの画像の更新式は(4)式の通りである。(4)式の更新式が繰り返されることでRI分布画像が求まる。
【0054】
【数2】

【0055】
ここで、fk j はk回目の反復における画素jの画素値、aijは画素jから出たγ線がLORiに検出される確率、Mは測定されたイベントの数、Iは本撮像条件(検出器配置)における全LORの数である。なお、実施例の装置に適用される画像再構成アルゴリズムで用いられる更新式は(4)式に限られるものではない。
【0056】
この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することも可能である。
(1)実施例の装置において、図16や図17に示すように、第1γ線検出器1が二つの検出器ピース1a,1bからなり、第2γ線検出器2が二つの検出器ピース2a,2bからなると共に、各検出器ピース1a,1b,2a,2bがそれぞれ傾き角度を変化させられる構成である他は実質的に実施例と同一の構成である装置を、変形例として挙げられる。変形例の装置の場合、被検体の前後方向と体側方向を一度に撮影できる。
【0057】
被検体Mが大きい場合は、図16に示すように、両検出器ピース1a,1bおよび両検出器ピース2a,2bの間隔が広いめのγ線検出姿勢になり、被検体Mが小さい場合は、図17に示すように、両検出器ピース1a,1bおよび両検出器ピース2a,2bの間隔が狭いめのγ線検出姿勢になる。
【0058】
(2)実施例の装置の場合、被検体Mと装置の間に上下方向の位置ズレがある時は、天板16を昇降させることにより被検体Mの方を上下方向に移動させて位置ズレを解消させる構成であったが、無軌道走行型台車9の台車基体10あるいはアーム部材受け台11が昇降可能となっていて、被検体Mと装置の間に上下方向の位置ズレがある時は、台車基体10あるいはアーム部材受け台11を昇降させることにより装置の方を上下方向に移動させて位置ズレを解消させる構成であってもよい。
【0059】
(3)実施例の装置の場合、アーム部材受け台11が無軌道走行型台車9の台車基体10に配備されていたが、アーム部材受け台11が天井や床に敷設されたレールに沿って走行する基体に配備されている他は実施例と同一の構成である装置が、変形例として挙げられる。
【0060】
(4)実施例の装置は、PET装置であったが、この発明はSPECT装置などの非ポジトロン型の核医学診断装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施例に係る移動式のPET装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例のPET装置を示す正面図である。
【図3】実施例のPET装置を示す斜視図である。
【図4】実施例の装置の第1,第2の両C字状アーム部材の取り付け構造を示す水平断面図である。
【図5】実施例の装置のアーム部材移動機構の構成を示す模式図である。
【図6】実施例の装置で被検体を前後方向から撮影する時の状況を示す概略図である。
【図7】実施例の装置で被検体を前後方向から撮影する時の状況を示す斜視図である。
【図8】実施例の装置で被検体を体側方向から撮影する時の状況を示す概略図である。
【図9】実施例の装置で被検体を体側方向から撮影する時の状況を示す斜視図である。
【図10】実施例の装置で大きな被検体を体側方向から撮影する時の状況を示す概略図である。
【図11】実施例の装置で小さな被検体を体側方向から撮影する時の状況を示す概略図である。
【図12】実施例のPET装置とX線CT装置とを組み合わせた複合システムを示す斜視図である。
【図13】実施例の装置で断層像を得る場合のデータ収集法の説明図である。
【図14】実施例の装置における第1,第2の両γ線検出器と画像再構成領域の配置関係を示す模式図である。
【図15】実施例の装置における第1,第2の両γ線検出器および画像再構成領域の座標系を示すグラフである。
【図16】変形例の装置で大きな被検体を撮影する時の状況を示す概略図である。
【図17】変形例の装置で小さな被検体を撮影する時の状況を示す概略図である。
【図18】従来のPET装置を示す正面図である。
【図19】従来のPET装置におけるガントリの一例を示す立面図である。
【図20】従来のPET装置におけるガントリの他の例を示す立面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 … 第1γ線検出器
1A … (第1γ線検出器の)γ線入射面
2 … 第2γ線検出器
2A … (第2γ線検出器の)γ線入射面
4 … 二重アーム式検出器保持機構(二重アーム式検出器保持手段)
5 … 第1C字状アーム部材
5A … (第1C字状アーム部材の)アーム長軸
6 … 第2C字状アーム部材
6A … (第2C字状アーム部材の)アーム長軸
7 … アーム部材移動機構(アーム部材移動手段)
8 … 検出器角度調整機構(検出器角度調整手段)
9 … 無軌道走行型台車
16A … 天板昇降機構(上下移動手段)
20 … エミッションデータ収集部(エミッションデータ収集手段)
23 … RI分布画像取得部(RI分布画像取得手段)
M … 被検体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)被検体に投与された放射性同位元素によって生じるγ線をγ線入射面が被検体を挟んで向き合ったγ線検出姿勢で検出する第1γ線検出器および第2γ線検出器と、(B)第1γ線検出器および第2γ線検出器から出力されるγ線検出信号をRI分布画像取得用のエミッションデータとして収集するエミッションデータ収集手段と、(C)エミッションデータに基づいてRI分布画像を取得するRI分布画像取得手段を備えた核医学診断装置において、(D)第1γ線検出器が先端に取り付けられている第1C字状アーム部材と第2γ線検出器が先端に取り付けられている第2C字状アーム部材とが平行に並んでいると共に第1γ線検出器と第2γ線検出器が被検体を間にして相対する向きで配設されている二重アーム式検出器保持手段と、(E)第1C字状アーム部材と第2C字状アーム部材をアームの曲がりに沿って両方向に移動させるアーム部材移動手段と、(F)第1γ線検出器および第2γ線検出器の傾き角度を変化させて第1γ線検出器および第2γ線検出器のγ線入射面が被検体を挟んで向き合っているγ線検出姿勢にする検出器角度調整手段とを備えていることを特徴とする核医学診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の核医学診断装置において、第1γ線検出器および第2γ線検出器、および二重アーム式検出器保持手段に加えて、アーム部材移動手段と検出器角度調整手段とが、(G)床を無軌道で走行する無軌道走行型台車に搭載されている核医学診断装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の核医学診断装置において、(H)被検体を装置の上下方向に相対的に移動させる上下移動手段を備えている核医学診断装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の核医学診断装置において、被検体に投与される放射性同位元素がポジトロン型の放射性同位元素であって、エミッションデータ収集手段が、反対方向に進む消滅γ線が第1γ線検出器と第2γ線検出器によって同時に検出された時のγ線検出信号だけをエミッションデータとして収集する核医学診断装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−263865(P2007−263865A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91620(P2006−91620)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】