説明

核酸増幅方法

【課題】本発明の課題は、環化核酸の作成方法等を提供することにある。
【解決手段】標的核酸をフラグメント化し、次いで、得られる標的核酸フラグメントを、該標的核酸フラグメントの両端に対してそのそれぞれの末端が相補性の一本鎖配列を有する環化アダプター用いて、環化することにより環化核酸を作成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
緒言
本発明は核酸の作製、増幅、検出及び定量に関するものである。特に、本発明は環状核酸の作製、増幅、検出及び定量に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この20年の間に核酸の増幅は遺伝子異常、遺伝子変異の同定または感染性病原体の同定の一般的技術となった。
【0003】
核酸を増幅するための方法は多数存在する。それらは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、及びリガーゼ連鎖反応(LCR)、両者ともに加熱サイクルを必要とする、転写に基づく増幅系(TAS)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、ストランド置換増幅(SDA)、インベーダー検定、ローリングサークル増幅(RCA)、及びハイパー−ブランチドRCA(HRCA)などである。
【0004】
以下の記述において、本発明はローリングサークル増幅法(Lizardi et al.,1998)においてよく使用される参考文献,USP5854033,USP6124120,USP6143495,USP6183960,6210884を引用して記述される。しかし、本発明は他の核酸増幅方法、特に他の環状増幅方法においても同等の有用性を見出しうるので、それに限定することは意図していない。本発明に関係する環状核酸は、環状化プローブ、環状化標的核酸、環状レポーター核酸、プラスミド、あるいは環状標的核酸でありうる。本発明は、例えば遺伝子分類、突然変異探索、配列分析、感染性病原体の同定、分子診断、遺伝子分析及び法医学、に使用することができるが、そのほかにタンパクの検出、タンパク−タンパク相互作用、及び生体分子の相互作用の分析にも使用することができる。
【0005】
本発明は環化核酸を作製する新規方法、及び該環化核酸を増殖し、検出し、または分析することに関係している。分析の目的で環化核酸を作製する方法のいくつかは文献に既知である。南京錠プローブは標的核酸配列の認識の際に環化するオリゴヌクレオチドプローブである(Nilsson et al.,1994)。プロキシミティープローブリゲーションは、(Landegren,PCT WO99/49079)に記述されているように、標的分子認識の結果として環状化プローブを作製する鋳型となりうる。
【0006】
RCAは環化プローブの線状増幅を生じるので、感度が限定されている。典型的にRCAは1時間当たり各環化プローブの約1000コピーを生産する。
【0007】
この核酸増幅過程、特にRCA過程の感度の改善が本発明の目的である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の開示)
発明の説明
例えばRCAプロセスのような増幅プロセスの感度を改善する一つの方法はこのプロセスの間に生じるシグナルを増加させることである。これは初代のRCA産物を鋳型にした続く増幅過程を行うことにより達成することができる。そのような続く増幅過程の一つは、初代のRCA産物をさらに続く増幅過程において増幅されるモノマーの新規作製に回すことによって行われる。したがって、最初の態様において、本発明は以下の段階を含む核酸産物増幅方法に関係している:
− 典型的にRCAにより、初代増幅産物を提供する、この産物は増幅する配列のコンカテマーを含んでいる;
− 増幅産物をモノマー化する;
− このようにして形成したモノマーをさらに増幅して、第二代増幅産物を形成する。
【0009】
続く環の増幅の後にモノマーは結合されて環を形成することが望ましいが、その場合に続く増幅はRCAが理想的である(図1)。増幅される配列はプローブ配列またはプローブ配列の部分でありうるし、あるいはcDNA,ゲノムDNAまたはRNA配列を含むことがありうる。
【0010】
本発明の一態様において、初代増幅産物のモノマー化は制限酵素及び初代増幅産物に相補的なオリゴヌクレオチドを使用して行われ、制限酵素は初代増幅産物/オリゴヌクレオチドのハイブリッドを切断する。
【0011】
その他に、増幅される配列は、初代増幅産物のモノマー化をすることができる触媒活性配列を含むことができる(Daubendiek&Kool,1997)。
【0012】
典型的に、初代増幅産物は初代増幅段階において生産され、その段階はポリメラーゼ酵素を使用するが、その方法はポリメラーゼ酵素の不活化段階を含んでいる。重合は等温条件下で行うことが理想的である。
【0013】
初代増幅産物のモノマー化がオリゴヌクレオチド及び制限酵素を使用して行われる場合には、オリゴヌクレオチドはRCA反応産物中に存在するモノマーの数よりも過剰に添加される。変性(及び酵素不活化)段階の後にモノマーとハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドの大部分は切断されないであろう。したがって、このハイブリッド形成反応の分子内優先性のために二量体あるいは多量体形成よりも環形成が(実用的濃度において)優先するので、非切断オリゴヌクレオチドとのハイブリッド形成及びリガーゼ処理によりモノマーは優先的に環化するであろう。
【0014】
この新規に生じた環は次いで、例えば、リゲーションの鋳型となる同じオリゴヌクレオチドにより開始される後続RCA段階の鋳型となることができる。したがって、線状増幅と異なり、この方法では(X1xX2……xX)倍の増幅を生じるであろう、そしてこの“X”は各RCAにおいて合成されるモノマーの数であり、“n”はRCAの消化及び環化の回数である。この方法は環状核酸の最初の複雑な組み合わせを維持するはずであるから、多数の異なる環状核酸の組み合わせをRCAにより増幅する場合に本方法は特別な価値を有するはずである。これは環化反応の分子内優先性によるものであり、そして同時に増幅される他の分子に妨害されることなく、環化された核酸の増幅の各回は連続しておりそして生産的(一つの環−→環の数千コピーを持つ一つの生成物)である故である。さらに、反応の各回は生成物抑制あるいはプライマー制限を受けることがなく、そして重合反応の間により多くのポリメラーゼを必要とすることもない。したがって、本方法は本質的に異なる増幅環の数には無関係であるはずである。この反応産物は一本鎖であり、これはハイブリッド形成プローブにより容易に検出することができる。RCA反応の直線性は標的分子の定量的測定に確実な定量性を保障するはずである。
【0015】
モノマー化は反応に存在する種々のプローブの各々に存在する共通した配列を使用して行うことができる。第二世代のRCAにおいて、切断/環化オリゴヌクレオチドを過剰に添加してあるためにすべてのモノマーは環化するので、生成物が二本鎖になるリスク(下記参照)は少ない。したがって、第二世代RCAにおいて配列は存在せず、そして第二世代RCA産物で合成を開始することができる。また、この多項増幅方法は完全に環状分子に特化しており、他の増幅方法に見られる偽の増幅生成物のリスクは少ない。
【0016】
分析する遺伝子発現が非常に複雑なパターンを示す場合には、例えば、マイクロアレイを使用してエンドポイント分析を行う必要がある。本発明を使用して、複合した方法において高度な分解能と正確度で遺伝子発現を監視することができる。それぞれ遺伝子産物またはフラグメントに特異的な、いわゆる南京錠プローブのいくつかはcDNAまたはRNAを鋳型としたリゲーションにより環化される。これらの南京錠プローブは、DNAマイクロアレイ上でRCA産物を分析するためにタグ配列をコードすることができる。増幅のその他の方法はPCRを使用するものである。しかし、PCRは、数回のPCRサイクルの後にDNA鎖の再アニーリングのためにそれ以上生成物を生じない定常状態に達する生成物阻害反応である。豊富にある転写物は複合増幅反応が終了する以前に増幅を止め、一方少ない転写物は増幅を続けるので、少ない転写物に対して豊富な転写物の定量性をゆがめるであろう。PCRを使用して定量的エンドポイント測定をする際の問題点はよく知られており、そのためにPCRのリアルタイム分析技術が開発され、少ない数の転写物(〜1−4転写物)を同時に分析することができる(Heid et al.,1996)。
【0017】
本発明を使用して環化した南京錠プローブを増幅することにより、そのようなゆがみは生じない、なぜなら、反応は生成物阻害を受けずにむしろ基質、すなわちデオキシヌクレオチド三燐酸によってのみ制限を受ける。これは一回の反応において非常に多数の転写物の定量を可能にする。
【0018】
環状配列の第一世代、第二世代そして多分それ以上の世代を複製する方法はプローブ及び標的核酸配列の両者に適用することができる。生成物は配列分析または、例えば以下に記述する方法のいずれかにより分析することができる。ゲノムまたはcDNA配列の増幅のための望ましい方式において、最初に標的DNAを、例えば制限酵素またはFLAPエンドヌクレアーゼを使用してフラグメントとし、次いで両端において増幅する標的DNAの末端と相補的な一本鎖配列からなる環化アダプターを使用して環化する。多数の異なるフラグメントを同一の反応において増幅する場合には、類似のサイズのフラグメントを増幅するのが有利であろう。例えばゲノムDNA検体中の類似サイズの配列をすべて制限フラグメントとして発生させる一つの制限酵素または制限酵素の組み合わせを発見することは不可能であろう。しかし、異なる制限酵素または制限酵素の組み合わせを使用して得られる多分10個の異なる制限消化産物の少なくとも一つの望むサイズの制限フラグメントに全ての配列が表示されることはありそうである。もっとも有利なのは、二本鎖となった標的に相補的でない部分が一本鎖部分の間に存在し、そしてそれが共通の制限オリゴヌクレオチド配列を含んでいる(図2)。共通の制限オリゴヌクレオチド配列を使用することにより、多数の異なる標的DNAフラグメントを異なる環化アダプターを使用して環化することができ、しかも次いで同じ共通制限オリゴヌクレオチド及び酵素を使用して増幅することができる。プローブ環化反応と同様に、この標的環化反応は、分子内環化反応が分子間結合反応に優先するので交差反応による産物を生じそうにない。したがって、PCRのような増幅方法と異なり、複数の異なる標的DNAフラグメントを平行して増幅することができる。多数の異なるフラグメントを同一反応で増幅する場合には、類似サイズのフラグメントを増幅することが有利である。例えばゲノムDNA検体中の類似サイズの配列をすべて制限フラグメントとして発生させる一つの制限酵素または制限酵素の組み合せを発見することは不可能であろう。しかし、異なる制限酵素または制限酵素の組み合わせを使用して得られる多分10個の異なる制限消化産物の少なくとも一つの望むサイズの制限フラグメントに全ての配列が表示されることはありそうである。もし1000種の異なるDNAが増幅されることになったとしたならば、制限酵素の10種の異なる組み合せを使用して消化したDNA検体を使用して多分10回の異なる反応により増幅することができるであろう。適当な制限消化産物及び対応する環化アダプターは利用可能な配列データベースから推定することができる。増幅したDNA配列は、限定はしないが、マイクロアレイハイブリッド形成、ミニ配列分析、または今日では複合的能力に限界があるPCRのためのハイスループットに限定されているマス−スペクトロメトリーを含む適当な方法により分析することができる。
【0019】
モノマー化増幅産物の環化と同じ機構を、プロキシミティー依存核酸相互作用に関係したオリゴヌクレオチドプローブの環状体の発生に使用することができる(Landegren,1995及びLandegren&Fredriksson,2000)。この検定において、標的分子、例えばタンパクへの二つ以上のプローブの結合は、増幅できそして検出できる結合タンパクの指標となる接着DNA鎖を連結反応によって連結することができる。望ましい態様において、過剰の制限オリゴヌクレオチドが、結合するオリゴヌクレオチドプローブの中にある制限酵素が認識する配列を含む二つの同じ配列にハイブリッド形成する。制限消化及び制限酵素の熱不活化の後、切断されたオリゴヌクレオチドは脱離し、優先的分子内ハイブリッド形成反応のために、完全な制限オリゴヌクレオチドがプローブオリゴヌクレオチドの結合及び消化の両端にハイブリッド形成できるようになる。DNAリガーゼの添加に際して、制限オリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチドの環化を誘導する連結鋳型として働く(図3)。生成した環は次いで本発明にしたがって増幅される。プロキシミティー依存核酸連結反応の効果として環状DNAを形成する機構はPCT WO99/49079に記述されているものとは異なる。プロキシミティープローブは添加したオリゴヌクレオチドの環化の鋳型となる、PCT WO99/49079に記述されている方法に対して、本発明においては、プロキシミティープローブの一部が環化する。
【0020】
一つの望ましい方式において、環化増幅産物は、反応に存在する種々の生成物のそれぞれに特異的な、固相支持体に接着した種々のプライマーにハイブリッド形成する。種々のプライマーは可能な限り類似しないように設計されていることが望ましく、すなわち、それらはいわゆる郵便番号配列またはタグ配列を示し、そしてそれらはアレイに整列することができる。このプライマーは局所RCAを開始するために使用される。最初の環状核酸よりも環化増幅産物をハイブリッド形成することにより、ハイブリッド形成速度及び感度は数段階改善される。さらに、もし局所RCAをリアルタイムで監視するならば、経時的シグナル蓄積を非常に広い範囲にわたって検出することができ、特に発現分析に適している。もし検体の複雑さがコピー数及び/または異なる配列の数の差に関して非常に大きいならば、異なるタグ配列との交差ハイブリッド形成を完全に避けることは困難であろう。したがって、オリゴヌクレオチドハイブリッド形成により達成されるよりも、固相支持体に接着したタグ配列プライマーに増幅モノマーの環化の鋳型となるよう要求することにより、郵便番号認識の特異性を増加させることに価値がある。もし異なる標的の数が非常に多いならば、モノマー化操作を多数の異なるタグ配列のそれぞれにおいて特異的切断をすることができるように工夫しなければならない。この目的のために、環化しうる核酸の複雑な混合物中の全ての配列に、独特なタグ配列に隣接してタイプII制限酵素認識配列を取り付けることができる。タグ配列モチーフ内の特異的切断は、全てのRCA産物に共通の配列を有するオリゴヌクレオチド及び/または制限切断のための二本鎖基質を形成する短いランダムオリゴヌクレオチド、例えば、ヘキサマーの集団と認識配列を二本鎖にすることにより行われる(図4)。制限消化の後に、モノマーは次いで半分のタグ末端配列を含む南京錠プローブに変換される。さらに、この方法は近接して結合した結合試薬の対を同定するために結合した検出試薬の対と半分のタグを結合させることができる。連結しうる末端が独特の塩基対の半タグ配列を構成する近接連結プローブを使用することにより可能である。このようにして、平滑−または付着末端連結により端を結合することができる(図3)。
【0021】
反復RCAは既にWO 92/01813及びUS5,714,320に提案されている。しかし、WO 92/01813において、予め作られた環を使用する続くRCA反応のための新規のプライマーを作るためにRCA産物はモノマーに切断されている。US5,714,320においては、単離環状オリゴヌクレオチド鋳型を提供することにより規定した末端を有する選ばれたオリゴヌクレオチドを作るための調製法が記述されている。しかしこの方法は一般的に分析目的または稀な環状DNAの増幅には適していない、何故ならば典型的に0.1μMから1mMの単離環状鋳型を必要とするからである。US5,714,320に記述されている方法において、プライマーは100未満の環状鋳型に対して1モル過剰に供給され、そしてデオキシヌクレオチド三燐酸は107未満の環状鋳型に対して1モル過剰に供給される。分析に適用するには、標的分子の量が少ないので、これらのモル比は効果的な開始及び重合のそれぞれを行うには低すぎる。例えば、ゲノムDNA配列の分析を環化ゲノムDNAまたは環化オリゴヌクレオチドプローブの増幅により行うためには、最初の環化核酸の濃度が低いので、対応するモル比は最初の増幅段階において少なくともそれぞれ100及び107、またはより望ましくはそれぞれ100000以上及び1010、理想的にはそれぞれ約107及び1012である。日本特許出願JP 4−304900は環化プローブの検出のためにRCAを使用することを記述している。この出願には、RCA産物を続くプローブ連結及びRCAの標的として使用する反復RCAが記述されている。これに対して、本発明においては、モノマー化RCA産物は続く連結及びRCAにおいてプローブとして使用される。この方法の利点は既に検討した。
【0022】
本発明のその他の態様において、RCA産物の直線的シグナル発生増幅を加えることによりRCAから得られるシグナルを増加させる方法を発明した。これにより時間の二乗に比例して増加する環化プローブからのシグナルの増幅を生じる。
【0023】
最初の方法は、RCA産物に相補的プローブの選択的、ハイブリッド形成に依存した分解に基づいている。プローブは分解が検出できるように設計されていることが望ましい。
【0024】
したがって、そのほかの態様において、本発明は増幅の程度を示すプローブを使用する核酸増幅方法を含んでおり、この方法は以下の段階を含んでいる:
− 信号プローブを提供する、そのプローブは増幅産物に相補的な配列を含む;
− 信号プローブを増幅産物と反応させる;
− 初代増幅産物にハイブリッド形成した信号プローブは選択的に分解する、その分解プローブは初代増幅産物から解離し、さらに別の信号プローブが産物とハイブリッド形成できるようになり、プローブのハイブリッド形成及び分解はプローブから発信される検出信号の変化として現れる。
【0025】
望ましくは、プローブはヘアピン−ループプローブ、いわゆる分子ビーコン(Tyagi&Kramer,1996)で構成され、これは検出しうる信号を選択的に発信する検出しうるマーカーリガンドをその中に含んでいる。マーカーは核酸配列の部分とすることができるし、またはヘアピン構造の中に含まれるリガンドとすることができる。望ましくは、リガンドは核酸の切断に際して核酸から放出される。
【0026】
プローブの一部が少なくとも部分的にRNAからなるRCA産物とハイブリッド形成する場合に、ハイブリッド形成の際に酵素RNアーゼHにより分解されるであろう(Duck et al,e.g.USP5011769,USP5660988,USP5403711及びUSP6121001)。
【0027】
同じ効果はRCAに使用するデオキシヌクレオチドの一つ以上をチオリン酸デオキシヌクレオチドに置換することにより得られ、それによりRCA産物をエンドヌクレアーゼ加水分解から保護する。この場合には分子ビーコンは通常のデオキシヌクレオチドから作られるので、二本鎖特異的エンドヌクレアーゼによる分解を受けるであろう。特に、制限酵素認識部位をビーコンのループ配列の中に設計することができる。チオリン酸化鎖にハイブリッド形成したときに、チオリン酸化されていない鎖を特異的に切断する制限酵素がいくつか知られている。RNアーゼH分解プローブに類似して、標的分子が存在するときにのみ切断、したがってプローブからの信号発信を生じるであろう。特異的なエンドヌクレアーゼの代わりに、非特異的二本鎖特異的エンドヌクレアーゼを使用することができ、それによってプローブ中に特異的配列が必要でなくなる。
【0028】
検出可能な切断産物を作る関連方法はRCA産物に相補的なプローブ及びRCA−オリゴヌクレオチド複合体中の配列を認識する制限酵素を添加することである。RCA−オリゴヌクレオチド複合体の切断の後に、切断されたプローブはモノマー化RCA産物から解離するであろう。次いで完全なオリゴヌクレオチドは切り離されたモノマーの一端にハイブリッド形成することができる、その後そのモノマーの他の端は、相互作用の分子内優先性から、同じオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成することになろう。このようにして、制限酵素の新規基質が形成され、そして第二の信号発生切断が生じる。プローブの一端を蛍光分子で標識しそして他端を消去分子で標識することにより、切断及び続く解離の際に信号が発生するであろう。
【0029】
プローブのハイブリッド形成依存分解は二本鎖特異的エキソヌクレアーゼによっても行うことができる((Copley&Boot,1992),USP6121001)。この場合に、RCA産物とハイブリッド形成するプローブはエキソヌクレアーゼの基質となるであろうが、しかしRCA産物は二本鎖末端を持たないために影響を受けない。分解に際して複合体の融解温度は低下するであろうそしてプローブは完全に分解していなくても解離しやすくなる。こうして配列は他のプローブとハイブリッド形成し、そして分解される。
【0030】
信号を増強するこの方法はリボ−またはいわゆるDNA‐ザイム(R/D−ザイム)によっても行うことができる(例えば、(Herschlag&Cech,1990)&(Carmi et al.,1998)。環化核酸の中にR/D−ザイムの相補配列を組み込むことにより、RCA産物は活性R/D−ザイムを含むであろう。次いでこれを反応混合物中に加えられたプローブを切断するために使用することができる。切断に際して切断されたプローブはRCA産物から解離し、そして他の切断されていないプローブにハイブリッド形成し切断される場を提供する。R/D−ザイムはプローブの切断をしなくても、二つのオリゴヌクレオチドを連結する鋳型となりうるし、下記のように信号を発生することができる(Cuenoud&Szostak,1995)。
【0031】
RCA産物とハイブリッド形成したときに構造特異的酵素の基質に類似するようにプローブを設計することもできる。酵素は望ましくは、リゾルバーゼ、組換え酵素またはヌクレアーゼ、例えば、Ruv ABC,ホリディー連結リゾルバーゼ、Flip組換え酵素、FENヌクレアーゼまたはある種のポリメラーゼを含む群から選択される。本発明の一態様では、下流オリゴヌクレオチドが突出した5開始端を持つように縦列にハイブリッド形成する二つのオリゴヌクレオチドを使用する。この構造は数種の異なる酵素、例えば、FENヌクレアーゼ、Taqポリメラーゼ、TthポリメラーゼまたはMjaヌクレアーゼにより切断することができる(Lyamichev et al.,1999)。下流オリゴヌクレオチドは、融解温度が等温RCA反応の温度に近くなるように設計される。
【0032】
したがって、プローブはヘアピンループ構造によって分離された蛍光分子および消去分子を含むことができ、その消去分子は、プローブが結合していないとき及び蛍光分子からの信号を消去分子が消去している完全な立体配座をとっているときには蛍光分子からの信号を消去し、そして結合または分解したプローブは信号を発する(図5)。そのほかには、プローブは信号分子の対を含むことができ、その分子はプローブが完全なときはFRETによる信号を発生するが、プローブが分解したときには信号の発生を抑制する。
【0033】
有利なのは、プローブとハイブリッド形成に依存した検出分子の蓄積の組み合わせにより反応を定温で、しかも低温において行うことができることである。
【0034】
このように温度は60℃未満、そして望ましくは50℃未満でよい。これにより反応を高温に維持する必要性を除去することができるのは有利である。
【0035】
分解するプローブの代わりに、RCA産物の存在を示すプローブを、組み立てることができる。もし二つのオリゴヌクレオチドプローブがRCA産物上に互いに隣接してハイブリッド形成するように構築するならば、その後それらをリガーゼにより連結することができる。もし二つのオリゴヌクレオチドを、連結して標的から解離する際に安定なステム−ループ構造を形成するように設計するならば、5開始位置にあるドナー分子を他のオリゴヌクレオチドの3開始位置にあるアクセプター分子に非常に近接しておくことが可能である。そして信号を蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)に基づいて発生させることができる。連結したプローブが等温で進行するRCA反応の温度に近い融解温度を持つように設計することにより、早い回転が可能になる。連結していないプローブは生成した連結プローブよりも大過剰に存在するであろう、そのために標的RCA産物とハイブリッド形成する速度が増加し、続いて連結、解離などが。こうして反応は等温で行うことが可能である。
【0036】
したがって、そのほかの態様において、増幅の程度を示すプローブを使用する核酸増幅の方法が提供されるが、この方法は一対の信号プローブを使用し、このプローブは増幅産物上の標的配列に互いに隣接してハイブリッド形成するように設計され、ハイブリッド形成したときにプローブは連結して連結産物を形成し、これは標的配列から解離し、標的配列から連結産物の解離により別の一対のプローブの標的配列へのハイブリッド形成が可能となり、そして標的配列から解離する際に連結産物が信号を発する。
【0037】
望ましくは、一対の信号プローブの一つはドナー分子を含み、そして他方はアクセプター分子を含み、そしてプローブは連結産物がヘアピン構造を形成し、その形成の際にドナーとアクセプターの分子間でエネルギー移転ができて信号を発するように設計されている。
【0038】
その他の態様において、本発明は改良分子ビーコン設計を使用するコンカテマー増幅産物の均一検出を含んでいる。本発明では通常の分子ビーコンは、ビーコン中のDNA残基の少なくとも一部がポリメラーゼの基質として受け入れられない核酸残基によって置換されていない限り、RCA産物が存在せずDNAポリメラーゼが存在するときに信号を発することを発見した、その理由は3’末端(通常は蛍光消去分子を担っている)がポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ(プルーフリーディング)作用により分解されているからである。非特異的信号の発生は、DNA残基の代わりに2’−O−メチル−RNA残基を含む分子ビーコンを使用することにより完全に避けることができる(図6)。さらに発明者らは、RCA産物とハイブリッド形成している通常の分子ビーコンは消去されていることを発見した、何故なら近くに存在するビーコンは容易に相互にステムを形成し(分子間ステム)、消去分子とレポーター蛍光分子を接近させ、ハイブリッド形成していないビーコンの密接(消去)立体配座に極めて類似する(図7)。RCA産物にハイブリッド形成する際に、付近に存在するビーコンとステム様構造を取れないようにステムの一部が産物にハイブリッド形成するように南京錠プローブ配列の中にビーコンのステム配列の一つを含ませることにより、これを避けることができる(図7)。このような改良を行うことによりRCAをリアルタイムに監視することができる(図8)。その他には、この配列がループを作ってしまうのを避けるために分子ビーコンの間にあるRCA産物にハイブリッド形成する第二のプローブを検出反応に加えることができ、これにより分子間のステム形成を抑制する。分子間消去の程度は、図8に使用した2’−O−Me−RNAビーコンの部分的消去に対してDNA分子ビーコン版(図9)の完全消去に示されるように異なる分子ビーコン配列により変動しうる。
【0039】
鎖状化配列にハイブリッド形成し、隣接する分子ビーコンの間に形成する分子間ヘアピン構造は、鎖状化配列の一つのモノマー内にハイブリッド形成する二つの分子ビーコン間のFRETを発生するためにも使用することができる。この二つの分子ビーコンは同じステム配列を備えていなければならないが、蛍光団のドナーとアクセプターの位置は二つの分子ビーコンのうち一つでは切り替えられていなければならない。そのような分子ビーコンは一つ置きにハイブリッド形成するであろう、そして隣接同士で分子間ヘアピン構造を形成するが、一つ置きの一つのビーコンの蛍光団は隣の分子ビーコンの蛍光団に極めて接近した位置にあり、二つの蛍光団の間の効果的なFRETが可能になる。このようにして、接近した分子ビーコンからの背景蛍光を減少させ、検出感度を増加させることができる。
【0040】
さらに他の態様において、本発明は、溶液中に遊離している非結合信号プローブの濃度に比較して、増幅産物にハイブリッド形成した信号プローブの濃度を増加させることによりコンカテマー増幅産物の均一な検出を含んでいる。長いコンカテマー増幅産物は溶液中に遊離するとコイルとなりそしてマイクロメーターサイズの球を形成する。DNAのボールの中に信号プローブが濃縮されるので、産物にハイブリッド形成した信号プローブからの強い信号と結合していないプローブからの比較的拡散した、弱い信号とのコントラストのために、個別の環化プローブからの一つの増幅産物を顕微鏡観察で簡単に検出することができる(図12)。遺伝子発現を分析する検体の場合には、RCA産物のボールの数は直接遺伝子発現に対応する。そのような均一な検出系は、各計数されたRCA産物は検出された一つの転写分子に対応するので、非常に簡便でありまた正確である。
【0041】
多項均一分析は一般的に分光学的に分解できる蛍光団の数により制限される。例えばPCR反応に数種の蛍光標識プローブを添加した場合に、反応中の異なる蛍光団の合計が分析されるので、重複スペクトルが大きな問題となる。しかし、本発明においては、個々のRCA産物ボールが分析され、スペクトル干渉がないので、非常に類似したスペクトルを持つ蛍光団も分別することができるために、蛍光標識プローブによる個別のRCA産物の分析は高度な多項性をもって行うことができる。
【0042】
遺伝子発現分析または多項的遺伝子分類のために、種々の増幅プローブ中に種々の郵便番号を含めることにより、種々の増幅産物に比標識郵便番号オリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させることによる増幅産物の同定を可能にするので、均一検出を多項的にすることができる。比標識は既知技術であり、そして限られた数の原色から多数の混合色を創り出すのに使用されてきた(Dauwerse et al.,1992,及びNederlof et al.,1992)。例えば、二つの原色色素A及びBを次のように混合する場合には:0% A及び100% B、20% A及び80% B,40% A及び60%,60% A及び40% B,80% A及び20% B,そして100% A及び0% B。6種類の混合色が創り出される。もし3原色の色素が同様な比率段階で混合されると、36種の混合色を区別することができる。郵便番号オリゴヌクレオチドは異なる比率の蛍光色素の混合のいずれかにより容易に標識され、そして種々の郵便番号オリゴヌクレオチドとそれらの混合を結合するか、または異なる色素で標識した郵便番号オリゴヌクレオチドを望む比率で混合する。この標識方法における多項の程度は標識スキームに加える原色の数(n)に依存し、そして標識の精度は比段階数(x)を決定し、これは区別しうる混合色の数x(n-1)を制限する。増幅産物は数千の反復単位で構成されうるので、比標識における精度は極めて高く、そしてわずかな交差ハイブリッド形成郵便番号オリゴヌクレオチドの影響は無視しうるであろう。多数の擬似色を創るために原色の二者択一(オール−オア−ノン)組み合わせを使用するコンビナトリアル標識方法に比較して比標識方法を使用する大きな利点は、色組み合わせに比較して色比を使用することにより多くの混合色を得ることができることである。
【0043】
本発明のある態様において、最初のRCAの以前に線状プローブを除去することは有利であろう、例えば、残留する非環化プローブはRCAにおいて非特異的信号を発生することが認められている。この問題を解決する試みがWO 00/36141に記述されており、その中で酵素またはいわゆる捕捉リガンドが残留する線状核酸プローブを除去するために使用されている。
【0044】
したがって、その他の態様において、本発明は環状プローブを使用する核酸増幅過程の間に(または後に)非環化プローブを除去または不活化する方法に関係している、その中において非環化プローブは連結部分に隔てられた第一及び第二部分を含んでおり、この第一及び第二部分は標的配列上の配列に相補的であり、そしてプローブはプローブの3’末端とプローブの連結部分にある配列との間にヘアピン構造を形成するように設計されており、そして理想的にはこのヘアピン構造のステムは熱安定性を有して、ループと標的配列の間のハイブリッド形成を阻害しないし、RCAによるプローブの複製も阻害しない。
【0045】
このステムは合成を開始するために十分安定であるので、非結合プローブを完全なヘアピンに変換し、RCA産物上における「第二鎖」の合成を開始することができない。
【0046】
さらに、ヘアピン形成プローブは、そのプローブ設計は通常に設計されたプローブよりもさらに特異的である点で有利である。通常のプローブ設計では、診断塩基はDNAリガーゼのミスマッチ識別能力の利点を十分に活かすためにプローブ配列の最後の3’位に位置していなければならない。本発明のヘアピンプローブにおいては、この診断塩基はヘアピン形成配列の一部であろう。この配列を、連結温度においてヘアピンと標的にハイブリッド形成する立体配座の間を行ったり来たりするように設計することができる。マッチした配列のプローブは、ミスマッチの配列のプローブよりも長時間標的ハイブリッド形成立体配座をとるであろう。このためにミスマッチプローブのミス連結よりもマッチしたプローブの連結が有利になるであろう。
【0047】
その他の態様において、本発明は環状プローブを使用する核酸増幅過程の間に(または後に)非環化プローブを除去または不活化する別の方法を提供する、その中において増幅反応の以前にプローブの3’末端に相補的なオリゴヌクレオチドを過剰に加えるが、このオリゴヌクレオチドは望ましくは5’配列延長を含み、それにより非環化プローブの3’末端は増幅過程の産物に対する相補性を失うであろう。
【0048】
プローブの3’末端に相補的なオリゴヌクレオチドの過剰を、他の試薬と同時にまたは反応を開始した直後に加えることもできるが、RCAを開始する以前に系に添加することが望ましい。
【0049】
本発明によれば、非連結プローブの3’末端はRCA産物に対する相補性を失っているであろう、そして第二鎖合成を開始することはできないであろう。このような3’除去化合物はRCAを開始するために使用することができる。
【0050】
その他に、非連結プローブの連結部分が複製される状況を避けるために、3’除去化合物はDNAポリメラーゼの3’エキソヌクレオチド分解活性により取り除くことができず、延長できない3’末端を取り付けることができる。これは特に、南京錠プローブの連結部分に対応するRCA産物を認識するオリゴヌクレオチドによりRCA産物を検出しようとする場合に重要である。この場合に一般的プライマーはRCAを開始するための環化プローブに加えることができるであろう。3’除去化合物の限定された長さのために、プライマーを延長するポリメラーゼにより置換されるであろうから、RCAを阻害しないであろう

【0051】
発明の詳細な説明
本発明の態様をこれから付属した図を参照して、例示に過ぎないが、詳細に記述する:
【0052】
図1は、本発明による数世代のローリングサークル複製(RCA)の一般的方法を示したものである、1)南京錠プローブは特異的標的核酸鎖とハイブリッド形成する、2)南京錠プローブはDNAリガーゼを使用して環化する、3)環化プローブはRCAにおいて複製される、4)RCA産物のモノマーごとに一度存在する制限酵素認識配列に過剰のオリゴヌクレオチドがハイブリッド形成する、5)オリゴヌクレオチド/産物二本鎖を消化する制限酵素を使用してRCA産物をモノマー化する、6)制限酵素の不活化及びオリゴヌクレオチドフラグメントの変性を生じる加熱段階の後、大部分のモノマーはその両端で完全なオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する、7)このモノマーはDNAリガーゼを使用して環化し、そして次いで生成した環は次のサイクルの3−7段階にしたがって処理される;
【0053】
図2は、本発明にしたがって配列を環化しそして増幅するための環化アダプターを使用するゲノム−またはcDNAの増幅を示したものである、1)制限酵素を使用してDNA検体をフラグメントにする、2)フラグメント化したDNAを変性する、3)環化アダプターが特異的標的フラグメントとハイブリッド形成する、4)DNAリガーゼを使用して標的フラグメントを環化する、5)環化した標的フラグメントをRCAで複製する、6)RCA産物のモノマーごとに一回アダプター配列中に存在する制限酵素認識配列に過剰の一般的アダプターオリゴヌクレオチドがハイブリッド形成する、7)オリゴヌクレオチド/産物二本鎖を消化する制限酵素を使用してRCA産物をモノマー化する、8)制限酵素の不活化及びオリゴヌクレオチドフラグメントの変性を生じる加熱段階の後、大部分のモノマーはその両端で完全なオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する、9)そのモノマーはDNAリガーゼを使用して環化し、そして次いで生成した環は次のサイクルの5−9段階にしたがって処理される;
【0054】
図3はプロキシミティー依存連結による本発明にしたがって増幅可能な環化DNAへの変換を示したものである、1)一対のプロキシミティープローブ、例えば、オリゴヌクレオチドを付けた抗体が標的タンパクと結合する、2)二つのオリゴヌクレオチドがプロキミティー依存連結反応により結合する、例えば、近接して結合した一対の結合試薬を同定するための半タグ連結を可能にする平滑末端連結により、3)制限酵素認識配列を含みそして連結したオリゴヌクレオチド配列の両方に存在する同じ配列に過剰のオリゴヌクレオチドがハイブリッド形成する、5)オリゴヌクレオチド/産物二本鎖を消化する制限酵素を使用して連結産物を切断する、6)制限酵素の不活化及びオリゴヌクレオチドフラグメントの変性を生じる加熱段階の後、大部分のモノマーはその両端で完全なオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する、7)そのモノマーはDNAリガーゼを使用して環化し、そして次いで生成した環は図1の3−7段階にしたがって処理される;
【0055】
図4は、RCA産物の複雑な集合がII型制限酵素を使用して郵便番号モチーフの中でモノマー化しうるのか、またモノマー化したRCA産物が特異性とダイナミックレンジを増加させるための郵便番号オリゴヌクレオチドマイクロアレイ上でハイブリッド形成しそして環化するのかを示したものである、1)郵便番号オリゴヌクレオチドを同定する配列を含むRCA産物の集合が、例えば、多項南京錠プローブ遺伝子分類または発現分析実験から、または多項プロキミティー依存連結反応から発生した、2)II型制限酵素をランダムヘキサマー及びII型制限酵素認識配列を含む一般的オリゴヌクレオチドとともに加え、3)ヘキサマー及び制限オリゴヌクレオチドを任意に除去し、次いでモノマーは半郵便番号末端配列を持つ南京錠プローブに変換する、4)モノマーを郵便番号オリゴヌクレオチドマイクロアレイにハイブリッド形成する、5)DNAリガーゼを使用して郵便番号オリゴヌクレオチド上でモノマーを環化する、6)郵便番号オリゴヌクレオチドをブライマーとしてRCAにおいてモノマーを増幅する、そして重合は増加するダイナミックレンジ用の均一方式で任意に監視する;
【0056】
図5は、分子ビーコンが分解される本発明の増幅方法の図解である。
【0057】
図6は、分子ビーコンの全てのDNA残基を2’O−Me−RNA残基で置換することによる、DNAポリメラーゼの存在による非特異的蛍光の蓄積の除去を示すグラフであり、一つのDNA分子ビーコンはFAM蛍光(上段)で標識し、そして一つの2’O−Me−RNA分子ビーコンはHEX蛍光(下段)で標識されており、それらをΦ29DNAポリメラーゼの存在下(四角)または非存在下(丸)に同じ試験管に加えた;
【0058】
図7は、従来の分子ビーコン設計を使用した場合のRCA産物にハイブリッド形成した分子ビーコンの分子間消去を図解したものである;
【0059】
図8は、RCA産物の制限切断により分子間ビーコン消去が示され、そして分子ビーコンの改良設計によりRCAのリアルタイムの監視が可能になることを示すグラフである;
【0060】
図9は、図8と同様に行われたRCA反応の温度による影響を示すグラフである。RCA及びポリメラーゼの熱不活化の後に蛍光はDNA分子ビーコンから得られる;
【0061】
図10は、例1に記載の第3世代RCAのリアルタイムモニタリングを示す;
【0062】
図11は、例2に従って得られる第2世代RCA産物に相補的なオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイの地区において記録された蛍光を示す;
【0063】
図12は、蛍光標識オリゴヌクレオチドの均一ハイブリッド形成により溶液中に検出された個別のRCA産物を示し、産物とハイブリッド形成した蛍光標識オリゴヌクレオチドからの強い信号と非結合オリゴヌクレオチドからの比較的拡散した、弱い信号とのコントラストを示している。
【0064】

例1(改良分子ビーコンを使用する第3世代RCAのリアルタイムモニタリング)
2nM南京錠プローブ(P−


(P=5’リン酸)を10mM TrisAc(pH7.5),10mM MgAc2,50mM KAc,0.1% BSA,1mM ATP,200mM NaCl,及び20mU/μl T4 DNAリガーゼの中で、0,10,40または160zmolの標的オリゴヌクレオチド


の存在下に環化した。反応を15分間37℃でインキュベートし、次いで5分間65℃でリガーゼを不活化した。第一世代RCAは0.1μg/μl BSA,250μM dNTP,10mM DTT,1 pmolプライマー


、及び1ng/μlφ29 DNAポリメラーゼの中で45分間37℃で行った。重合成分を15μlのφ29 DNAポリメラーゼ緩衝液(10mM Tris−HCl(pH7.5),10mM MgCl2,及び20mM(NH42SO4)中で10μl連結反応に加えた。DNAポリメラーゼを10分間65℃で不活化した。5μl 0.1μg/μl BSA,3pmol RSAI


、及びφ29 DNAポリメラーゼ緩衝液中の10U RsaIを加えて第一世代RCA産物をモノマー化した。反応を60分37℃でインキュベートし、次いで10分間65℃で酵素を不活化した。5μl 0.1μg/μl BSA,1mM ATP,及び1U T4 DNAリガーゼをφ29ポリメラーゼ緩衝液中で加えてモノマー化RCA産物を環化した。15分間37℃でインキュベートして連結を行い、ついで5分間65℃で酵素を不活化した。第二世代RCAは15μl重合試薬を35μlの環化RCA産物に加えて、第一世代RCAと同じ条件を使用して行った。重合反応は45分間37℃で継続した。第二世代のRCA産物の半分に、0.1μg/μl BSAを含むφ29DNAポリメラーゼ緩衝液5μl中で6pmol RSAIcomp


及び10U RsaIを加えてモノマー化した。反応を60分間37℃でインキュベートし、次いで10分間65℃で酵素を不活化した。モノマー化した第二世代のRCA産物の環化は、モノマー化した第一世代のRCA産物の環化と同じ方法を使用して行った。第三世代のRCAは、0.1μM分子ビーコン


の存在下60分間行った以外は第二世代RCAと同様に行った。ABI 7700を使用して反応をリアルタイムに追跡した。
【0065】
例2.(第二世代RCA産物のDNAアレイ上での検出)
2nM南京錠プローブ(WD 1216G)を種々の量の標的オリゴヌクレオチド(T 1216G;0,25,250,または2500zmol)の存在下に上記のように環化した。第一世代RCAは1pmolのプライマーWDP−Fの存在下に上記と同様に100分間37℃で行った。15μlのφ29 DNAポリメラーゼ緩衝液中で10μl連結反応に重合成分を加えた。DNAポリメラーゼを10分間65℃で不活化した。φ29 DNAポリメラーゼ緩衝液中の5μl 0.1μg/μl BSA,3pmol Comp WDP−F,及び5U Fnu4H 1を加えることにより第一世代RCA産物をモノマー化した。反応を60分間37℃でインキュベートし、次いで10分間65℃で酵素を不活化した。5μl 0.1μg/μl BSA,1mM ATP,及び1U T4 DNAリガーゼをφ29DNAポリメラーゼ緩衝液中で加えてモノマー化RCA産物を環化した。15分間37℃でインキュベートして連結を行い、ついで5分間65℃で酵素を不活化した。第二世代RCAは15μl重合試薬を35μlの環化RCA産物に加えて、第一世代RCAと同じ条件を使用して行った。重合反応は100分間37℃で継続した。0.1μg/μl BSAを含むφ29 DNAポリメラーゼ緩衝液5μl中で4.5pmol D−RCRcut及び5U Fnu4HIを加えることにより第二世代のRCA産物の半分をモノマー化した。反応を60分間37℃でインキュベートし、次いで10分間65℃で酵素を不活化した。30μlモノマー化第二世代RCA産物を、4*SSC,0.525μM Comp WD Cy5,10μM EDTA中45℃で2時間DNAマイクロアレイとハイブリッド形成させ、0.1xSSC中45℃で洗い、水ですすぎ、そして最後に乾燥した。Cy5蛍光信号を蛍光レーザースキャナーで記録した。
【0066】
例1及び2に記述されているような数世代RCAの一般的方法の図解は図1に示されている。例1及び2の結果はそれぞれ図10及び11に示されている。最初に環状核酸はRCAにおいて複製される。次いで第一世代RCA産物は、例えば、RCA産物と相補的なオリゴヌクレオチドにより二本鎖となった認識部位で産物を切断する制限酵素を使用することによりモノマー化される。例えば、制限酵素の熱不活化の間にまたはその後に、完全な制限オリゴヌクレオチドは消化されたものを置換するであろう。完全な制限オリゴヌクレオチドがモノマー化RCA産物の一端にハイブリッド形成したときに、二番目のハイブリッド形成反応の分子内優先のために、モノマーの他端は同じ制限オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成するであろう。次いでモノマーは末端を、例えば、DNAリガーゼを使用して連結することにより環化することができる。この方法は同じ手順を1回以上反復することができる。
図10は、例1に記述されている第三世代のRCAのリアルタイムモニタリングを示している。A)発生したときにRCA産物にハイブリッド形成した分子ビーコンから放射されたHEX蛍光のリアルタイムの測定。B)グラフは最初のプローブ環化反応に加えられた標的オリゴヌクレオチドの量との関係を示している、4回繰り返し、そしてこの連結反応の第三世代リアルタイムRCAの最大勾配。エラーバーは標準偏差を示す。
図11は、例2に従って得られた第二世代RCA産物に相補的なオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイ地区で記録された蛍光を示す。
【0067】
例3
オリゴヌクレオチド:使用した南京錠プローブはp90:


及びp93:


(P=5’リン酸)であった。南京錠プローブに対する連結鋳型はt40:


であった。DNA分子ビーコンはFAM−cgcctcAATGCTGCTGCTGTACTACgaggcg−DABCYL(ステム部分は小文字)であり、そして2’O−Me−RNA分子ビーコンはHEX−ccucAAUGCUGCUGCUGUACUACgagg−DABCYLであった。2’O−Me−RNA塩基対の高いハイブリッド安定性の故に2’O−Me−RNA分子ビーコンにおいてステムは2塩基対短い。制限消化に使用したオリゴヌクレオチドは Tsp451:


であった。
【0068】
例4
南京錠プローブの環化:10mM Tris−酢酸 pH7.5,10mM 酢酸Mg,50mM NaCl,1mM ATP,1μg/μl BSA,及び0.2単位/μl T4 DNAリガーゼ(Amersham Pharmacia Biotech)中で600nM 連結鋳型の存在下に200nM南京錠プローブを37℃で30分間連結した。
【0069】
例5
ローリングサークル増幅:重合反応を50mM Tris−HCl(pH7.5),10mM MgCl2,20mM(NH42SO4,10mMジチオトレイトール及び0.2μg/μl BSA,0.25mM dNTP,及び2ng/μl Φ29DNAポリメラーゼ(Dr.M.Salasから供与された)の中において37℃で行った。リアルタイムモニタリングのために、100nM分子ビーコン及び300nM ROX色素の存在下にRCAを行った。蛍光の値は分子ビーコン(FAMまたはHEX)及びROX対照色素から放射される蛍光の比から得た。温度依存性は温度を1℃上昇させ30秒間保った後蛍光を測定して得た。
【0070】
例6
制限消化:20μlの10mM Bis Trisプロパン−HCl(pH7.0),10mM MgCl2,1mMジチオトレイトール,0.1μg/μl BSA,1.5μM Tsp451,及び0.1U/μl Tsp 451(New England Biolabs)を40μl RCA産物に加え、そして65℃で4時間インキュベートした。
【0071】
図に戻って、図6で見ることができるようにDNAポリメラーゼの存在下に生じる蛍光の非特異的蓄積は分子ビーコンのDNA残基を全て2’O−Me−RNA残基で置換することにより除去される。FAM蛍光で標識したDNA分子ビーコン(上段)及びHEX蛍光団で標識した2’O−Me−RNA分子ビーコン(下段)をΦ29 DNAポリメラーゼの存在下(四角)及び非存在下(丸)に同じ試験管に加えた。グラフの左側部分は試験管内のリアルタイムに観察した蛍光を示し、右側の部分は60分後に存在する成分の温度依存性を示す。
【0072】
図7からは、従来の分子ビーコン設計をしようした場合のRCA産物にハイブリッド形成した分子ビーコンの分子間消去を見ることができる(上段)。この構造は改良設計を使用することにより避けることができる(下段)。
【0073】
図8:図7に示された分子間ビーコン消去はRCA産物の制限切断によって示されており、そして分子ビーコンの改良設計によりRCAのリアルタイム監視が可能である。RCAをp90(四角)またはp93(丸)南京錠プローブのいずれかを含み、リガーゼがある場合(黒)またはリガーゼが無い場合(グレイ)の連結反応により行った。グラフの左側部分は異なる反応における2’O−Me−RNA分子ビーコンからの蛍光をリアルタイム測定したものを示す。右側部分は90分RCAの終了時に存在する成分の温度依存性を示す(塗りつぶした記号)。制限消化後の異なる反応成分の温度依存性を重ねてある(中抜き記号)。
【0074】
RCA、そしてポリメラーゼの熱不活化後にDNA分子ビーコンを加えて蛍光を測定した場合の、図8と同様に行ったRCA反応の温度依存性を図9に示す。
【0075】
例7
100ngのPstI切断ゲノムDNAを95℃で12分間変性し、そしてサーマルサイクラー中で12℃に急速に冷却した。予めアニ―ルしたオリゴヌクレオチド


及び“gDNAadapter1°”


を最終濃度2nMになるように変性切断ゲノムDNAに加えた。一つの反応にはリガーゼを加え、もう一つの反応にはリガーゼを加えなかった。連結を1時間室温で、次いで30分間37℃で進行させ、次いで65℃で20分間リガーゼを熱不活化した。連結反応の5μlを50mM Tris−HCl,pH7.5,10mM MgCl2,20mM(NH42SO4,0.2μg/μl BSA,0.25mM dNTP,及び10ng Φ29ポリメラーゼ中37℃で3時間ローリングサークル増幅にかけた。RCA産物の量を定量するために、リアルタイムPCR反応を容量25μl中1xPCR GOLD緩衝液(ABI),1.6mM MgCl2,0.25mM dNTP,200nM


及び200nM


プライマー,0.625U Taq GOLDポリメラーゼ(ABI),300nM ROX色素及び0.15xSYBR Green(Molecular Probes)にRCA反応の2.5μlを加えて行った。プライマーはゲノムフラグメント及びRCA産物の両者をPCR増幅するように設計した。PCRプログラムは95℃で10分間、45サイクルの95℃ 15分間及び60℃ 60秒であった。PCR終了後、PCR増幅単位を解離曲線分析にかけた。Ct値として示された結果はカッコ内の標準偏差とともに表1に見ることができる。増幅単位の融解温度は82.6℃であり、これは増幅単位の推定Tm83℃によく近似した。Φ29 DNAポリメラーゼは一本鎖DNA(変性)に対して強いエキソヌクレアーゼ活性を示す;したがって4倍希釈を考慮した場合に、Φ29 DNAポリメラーゼ処理をしない検体に比較して非連結DNAは4分の1の少ない産物を示す。増幅されるDNAは545ntの長さであり、そして1500nt/minの速さであるから500倍の増幅が予想された。4倍希釈を考慮すると、非増幅検体に比較して120倍の結果になることが予想されるであろう。デルタCt値6.75は110倍の増幅に相当する。
表1

【0076】
例8
環化南京錠プローブp93のRCA産物の2pM及び産物に相補的な標的プローブRC1R(5’−ローダミン−


)の5nMの1xPBS溶液を幅50マイクロメーター及びチャンネル間空間40マイクロメーターの二本の微量流体チャンネルに注入した。南京錠プローブの環化及びRCAは例4及び5に従って行った。RCAを1時間行ったので、RCA産物は環化プローブの平均1500コピーを含む。チャンネル中の結合及び非結合蛍光標識プローブからの蛍光を、40xドライレンズを装着した表在蛍光顕微鏡を使用して画像化した。図12において、チャンネル中に数個の輝くDNAのボール、並びにやや弱く輝く焦点外の物体が非結合プローブの拡散した蛍光の背景上に認められる。
【0077】
本発明は、本発明の精神から離れることなく構造及び細部を変更することが可能であり、ここまでに記述した態様に限定されない。
文献



【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による数世代のローリングサークル複製(RCA)の一般的方法を示したものである。
【図2】本発明にしたがって配列を環化しそして増幅するための環化アダプターを使用するゲノム−またはcDNAの増幅を示したものである。
【図3】プロキシミティー依存連結による本発明にしたがって増幅可能な環化DNAへの変換を示したものである。
【図4】RCA産物の複雑な集合がII型制限酵素を使用して郵便番号モチーフの中でモノマー化しうるのか、またモノマー化したRCA産物が特異性とダイナミックレンジを増加させるための郵便番号オリゴヌクレオチドマイクロアレイ上でハイブリッド形成しそして環化するのかを示したものである。
【図5】分子ビーコンが分解される本発明の増幅方法の図解である。
【図6】分子ビーコンの全てのDNA残基を2’O−Me−RNA残基で置換することによる、DNAポリメラーゼの存在による非特異的蛍光の蓄積の除去を示すグラフである。
【図7】従来の分子ビーコン設計を使用した場合のRCA産物にハイブリッド形成した分子ビーコンの分子間消去を図解したものである。
【図8】RCA産物の制限切断により分子間ビーコン消去が示され、そして分子ビーコンの改良設計によりRCAのリアルタイムの監視が可能になることを示すグラフである。
【図9】図8と同様に行われたRCA反応の温度による影響を示すグラフである。RCA及びポリメラーゼの熱不活化の後に蛍光はDNA分子ビーコンから得られる。
【図10A】例1に記載の第3世代RCAのリアルタイムモニタリングを示す。
【図10B】例1に記載の第3世代RCAのリアルタイムモニタリングを示す。
【図11】例2に従って得られる第2世代RCA産物に相補的なオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイの地区において記録された蛍光を示す。
【図12】蛍光標識オリゴヌクレオチドの均一ハイブリッド形成により溶液中に検出された個別のRCA産物を示し、産物とハイブリッド形成した蛍光標識オリゴヌクレオチドからの強い信号と非結合オリゴヌクレオチドからの比較的拡散した、弱い信号とのコントラストを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環化核酸を作成する方法であって、標的核酸をフラグメント化し、次いで、かくして得られる標的核酸フラグメントを、該標的核酸フラグメントの両端に対してそのそれぞれの末端が相補性の一本鎖配列を有する環化アダプター用いて、環化することを含む、上記方法。
【請求項2】
環化アダプターが、一本鎖末端配列の間に、二本鎖非標的相補性セグメントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
環化アダプターが、二本鎖非標的相補性セグメントにおいて制限オリゴヌクレオチド配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
制限オリゴヌクレオチド配列が、一般的制限オリゴヌクレオチド配列である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、環化標的核酸フラグメントを増幅することを含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
更に、異なる環化アダプタターを用いて多くの異なる標的核酸フラグメントを環化し、次いで、標的核酸フラグメントを、同じ一般的制限ヌクレオチドと酵素を用いて、複数の異なる標的核酸フラグメントが平行して増幅されるように、増幅することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
増幅が、ローリングサークル増幅である、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
標的核酸を、一つもしくはそれ以上の制限酵素またはFLAPエンドヌクレアーゼでフラグメント化する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
環化核酸がcDNAまたはゲノムDNAを含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
標的核酸フラグメントを増幅する方法であって、
(i)標的核酸をフラグメント化し、
(ii)かくして得られる標的核酸フラグメントを、該標的核酸フラグメントの両端に対してそのそれぞれの末端が相補性の一本鎖配列を有する環化アダプター用いて、環化し、次いで、
(iii)環化核酸フラグメントを増幅する、
上記方法。
【請求項11】
プロキシミティー依存核酸連結反応に関係して(joined)、結合産物(joined product)を形成するオリゴヌクレオチドプローブから環化核酸分子を作成する方法であって、該結合産物における関係オリゴヌクレオチドプローブの両者に存在する二つの同じ配列に制限オリゴヌクレオチドをハイブリダイズし; 制限オリゴヌクレオチドと結合産物との二重体を消化する制限酵素を用いて、結合産物を開裂し; 次いで、インタクト制限オリゴヌクレオチドを結合産物の両端にハイブリダイズさせて連結テンプレートとして作用するようにして連結することにより開裂した結合産物を環化することを含む、上記方法。
【請求項12】
更に、環化核酸分子を増幅することを含む、請求項11の方法。
【請求項13】
増幅が、ローリングサークル増幅である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
制限オリゴヌクレオチドが、過剰に存在する、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
更に、開裂工程の後に、制限酵素を不活性化し、結合産物を変性させる加熱工程を含む、請求項11から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
プロキシミティー依存核酸連結反応に関係して(joined)、結合産物(joined product)を形成するオリゴヌクレオチドプローブの連結可能な末端が、ユニークなハーフタグ(half-tag)配列を構成する、請求項11から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
プロキシミティー依存核酸連結反応に関係して(joined)、結合産物(joined product)を形成するオリゴヌクレオチドプローブが、平滑末端連結により結合する(joined)、請求項11から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
環化核酸を分析する方法であって、環化核酸を増幅して、分析すべき配列のコンカテメーを含む増幅産物を提供することを含む方法であり、更に、
(i)増幅産物中に含まれるモノマーの数よりも過剰に存在する増幅産物に対して相補性のオリヌクレオチドと制限酵素を用い、制限酵素が増幅産物とオリゴヌクレオチドハイブリッドを開裂して、増幅産物をモノマー化し、
(ii)工程(i)で形成したモノマーを、工程(i)における残りの非開裂オリゴヌクレオチドにハイブリダイして連結することにより、環化し、
(iii)環化モノマーを、ローリングサークル増幅反応により増幅し、
(iv)工程(i)から(iii)を任意に繰り返し、次いで、
(v)増幅産物を検出または分析する、
工程を含む、上記方法。
【請求項19】
工程(iii)のローリングサークル増幅は、工程(ii)のモノマーを環化するのに用いたと同じオリゴヌクレオチドによりプライムされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
分析すべき環化核酸がプローブ配列である、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
分析すべき環化核酸がcDNA,ゲノムDNAまたはRNA配列を含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項22】
分析すべき環化核酸がcDNA,ゲノムDNAまたはRNA配列を使用して環化したものである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
分析すべき環化核酸がプロキシミティー依存核酸相互作用により形成される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項24】
環化核酸は、結合(joined)オリゴヌクレオチドプローブの環状体であり、以下の(i)から(iii):
(i)制限オリゴヌクレオチドが、制限酵素認識配列を含む二つの結合オリゴヌクレオチドのそれぞれにおける二つの同じ配列にハイブリダイズし、制限消化に付され:
(ii)開裂制限オリゴヌクレオチドが分離され、
(iii)インタクト制限オリゴヌクレオチドが、消化された結合オリゴヌクレオチドプローブの両端にハイブリダイズし、両末端の連結の鋳型となり、結合オリゴヌクレオチドプローブを環化する、
により形成される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第一世代増幅産物が、ポリメラーゼ酵素を使用する第一世代増幅段階において生産され、そして続くポリメラーゼ酵素を不活化する工程を含む、請求項18から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
更に、酵素の熱不活性化工程を含む、請求項18から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
モノマーが、固体支持層に接着した、局所ローリングサークル増幅を開始するプライマーにハイブリダイズし、そしてそこで環化する、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
環化増幅産物が、固体支持層に接着した、局所ローリングサークル増幅を開始するプライマーにハイブリダイズする、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
プライマーがジップコードまたはタグ配列である請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
最初の工程として、非環化プローブが除去されるかまたは不活化される、請求項20から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
非環化プローブが、エキソヌクレアーゼを使用して除去される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
非環化プローブに対する適当なリガンドを持つ固体支持層上における捕捉により非環化プローブを除去する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
リガンドが非環化プローブに対する親和性を有する核酸配列である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
非環化プローブが、連結セグメントにより分離された第一セグメントおよび第二セグメントを含み、その第一及び第二セグメントは標的配列上の配列に相補的であり、そしてそのプローブはプローブの3’末端及びプローブの連結部分中の配列の間でヘアピンループを形成し、そのヘアピンループ構造のステムは理想的にはループと標的配列の間のハイブリッド形成を抑制しないしまたローリングサークル増幅によるプローブの複製も抑制しない熱安定性を有している、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
増幅反応の前にプローブの3’末端に相補的なオリゴヌクレオチドの過剰を加え、オリゴヌクレオチドは望ましくは5’配列延長を含み、そのために非環化プローブの3’末端が増幅過程の産物に対する相補性を失う、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
標的核酸をフラグメント化し、次いで、制限オリゴヌクレオチド配列を含む二本鎖非標的セグメントに隣接した一本鎖標的相補性配列を両末端に有する部分的二本鎖核酸を含む環化アダプターを用いて、フラグメントを環化することにより、分析すべき核酸を得る、請求項18から22のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
環化アダプターが、他の核酸に対して特異的な環化アダプターと同じ制限オリゴヌクレオチド配列を含み、複数の異なる標的核酸フラグメントを並行して増幅する、請求項36に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−77735(P2009−77735A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316989(P2008−316989)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【分割の表示】特願2003−517293(P2003−517293)の分割
【原出願日】平成14年7月12日(2002.7.12)
【出願人】(504041697)バイオサイクリカ アクチボラゲット (1)
【出願人】(504041686)ランデグレン ジーン テクノロジー アクチボラゲット (1)
【Fターム(参考)】