説明

格子パネルの取付構造

【課題】美観を向上し、かつ、取り付けが容易な格子パネルの取付構造を提供することを目的とする。
【解決手段】建物の天井に、鉛直に配置された格子パネル10、11の上端部を取り付けてなる格子パネル10、11の取付構造において、
前記天井に天井桟2が取付けられ、この天井桟2に前記格子パネル10、11が隙間を隔てて対向して配置され、前記天井桟2に前記格子パネル10、11が連結部材3を介して取り付けられ、この連結部材3は、鉛直板部3aと、この鉛直板部3aの下端に設けられた水平板部3bとを有し、前記天井桟2の側面に前記鉛直板部3aが取り付けられ、前記格子パネル10、11の上端面に前記水平板部3bが取り付けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子パネルの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内の空間を区切る間仕切壁を取り付ける際に、天井に上端固定水平材が野縁の下に天井板を介して取り付けられ、この上端固定水平材に対向して矩形状の枠材が離間して設けられ、この枠材の側面と上端固定水平材とがL字型の取付部材を用いて固定されることが提案されていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−86033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、上端固定水平材と矩形状の枠材とに面材が取付けられることを前提としているため、L字型の取付部材が枠材の側面に取り付けられていても、面材で隠れてしまう。これに対して、建物内の空間を区切る際に格子パネルを用いた場合、格子パネルの側面にL字型の取付部材を取付けると、L字型の取付部材が見えてしまうため、L字型の取付部材を側部毎に覆う必要がある。また、格子パネルが複数の格子パネル部材を有し、前記複数の格子パネル部材が横方向に所定の間隔で配置される場合、この間隔が狭いため、L字型の取付部材を格子パネル部材の側面に取り付けることが困難である。
【0005】
そのため、格子パネルを取付ける場合には、美観を損ねず、かつ、取り付けが容易なことが望まれる。
【0006】
本発明は、美観を向上し、かつ、取り付けが容易な格子パネルの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一つを解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば、図1〜図7に示すように、
建物の天井20に、鉛直に配置された格子パネル10、11の上端部を取り付けてなる格子パネル10、11の取付構造において、
前記天井20に天井桟2が取付けられ、この天井桟2に前記格子パネル10、11が隙間を隔てて対向して配置され、前記天井桟2に前記格子パネル10、11が連結部材3を介して取り付けられ、
この連結部材3は、鉛直板部3aと、この鉛直板部3aの下端に設けられた水平板部3bとを有し、前記天井桟2の側面に前記鉛直板部3aが取り付けられ、前記格子パネル10、11の上端面に前記水平板部3bが取り付けられている
ことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、前記天井桟2に前記格子パネル10、11が隙間を隔てて対向して配置され、前記天井桟2に前記格子パネル10、11が連結部材3を介して取り付けられ、この連結部材3は、鉛直板部3aと、この鉛直板部3aの下端に設けられた水平板部3bとを有するので、前記天井桟2の側面に前記鉛直板部3aを取り付け、前記格子パネル10、11の上端面に前記水平板部3bを取り付けでき、格子パネル10、11を建物の天井20に容易に取りつけることができる。また、前記格子パネル10、11の上端面に前記水平板部3bが取り付けられているので、前記格子パネル10、11と前記水平板部3bとの取り付け部分が下から見えにくくなり、美観を向上することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、例えば、図1〜図7に示すように、
請求項1に記載の格子パネル10、11の取付構造において、
前記天井桟2の両側面のそれぞれに目隠し材4が取付けられ、
この目隠し材4は前記天井桟2と前記格子パネル10、11間の隙間を隠している
ことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記天井桟2の両側面のそれぞれに目隠し材4が取付けられることにより、この目隠し材4が前記天井桟2と前記格子パネル10、11間の隙間を隠すことができるので、美観を向上することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、例えば、図3〜図7に示すように、
請求項1または2に記載の格子パネル10、11の取付構造において、
前記天井桟2は上部に比べて下部の幅が狭い段を有し、前記下部の側面に前記鉛直板部3aが取り付けられ、前記上部の側面に目隠し材4が取り付けられている
ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前記天井桟2は上部に比べて下部の幅が狭い段を有し、前記下部の側面に前記鉛直板部3aが取り付けられ、前記上部の側面に目隠し材4が取り付けられていることにより、この目隠し材4で前記鉛直板部3aを隠すことができるため、美観を向上することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば、図1に示すように、
請求項3に記載の格子パネル10、11の取付構造において、
前記格子パネル10、11は、複数本の縦材1cと、これらの複数本の縦材1cの上部を繋ぐ繋ぎ部材1a1、1b1、1c1を有し、この繋ぎ部材1a1、1b1、1c1に前記水平板部3bが取り付けられている
ことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記格子パネル10、11は、複数本の縦材1cと、これらの複数本の縦材1cの上部を繋ぐ繋ぎ部材1a1、1b1、1c1を有し、この繋ぎ部材1a1、1b1、1c1に前記水平板部3bが取り付けられていることにより、格子パネル10、11の横方向の任意の場所に前記水平板部3bが取り付けられることが可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば、図1、図2に示すように、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の格子パネル10、11の取付構造において、
前記格子パネル10、11は、複数の格子パネル部材1A、1B、1Cを有し、
前記複数の格子パネル部材1A、1B、1Cは、横方向に所定の間隔で配置されるとともに前記間隔に設けられる継ぎ材5a、5b、5cを介して接合され、この継ぎ材5a、5b、5cは前記格子パネル部材1A、1B、1Cの縦材1c間の間隔と同じ幅である
ことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、前記複数の格子パネル部材1A、1B、1Cは、横方向に所定の間隔で配置されるとともに前記間隔に設けられる継ぎ材5a、5b、5cを介して接合され、この継ぎ材5a、5b、5cは前記格子パネル部材1A、1B、1Cの縦材1c間の間隔と同じ幅であることにより、複数の格子パネル部材1A、1B、1Cの継ぎ部分が分かり難くなるため、複数の格子パネル部材1A、1B、1Cが一体化されている格子パネルを提供できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、美観を向上し、かつ、取り付けが容易な格子パネルの取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る格子パネルの取付構造に係る主要構成部材の一例を示す図であり、(a)は2つの格子パネル部材等の分解斜視図であり、(b)は5つの格子パネル部材等の分解斜視図を示している。
【図2】本発明に係る複数の格子パネルの取付後の一例を示す図であり、(a)は図1(a)に示す2つの格子パネル部材からなる格子パネルの正面図であり、(b)は図1(b)に示す5つの格子パネル部材からなる格子パネルの正面図である。
【図3】本発明に係る格子パネルの取付構造の一例を示す図であり、(a)は大梁部に格子パネル部材の上部が取付けられている状態を示す断面図であり、(b)は床に格子パネル部材の下部が取付けられている状態を示す断面図である。
【図4】同、(a)は小梁部に格子パネル部材の上部が取付けられている状態を示す断面図であり、(b)は床に格子パネル部材の下部が取付けられている状態を示す断面図である。
【図5】同、(a)は小梁部間の中間部に格子パネル部材の上部が取付けられている状態を示す断面図であり、(b)は床に格子パネル部材の下部が取付けられている状態を示す断面図である。
【図6】同、(a)は吹抜部の大梁部に格子パネル部材の上部が取付けられている状態を示す断面図であり、(b)は吹抜部の床に格子パネル部材の下部が取付けられている状態を示す断面図である。
【図7】同、(a)は吹抜部の小梁部に格子パネル部材の上部が取付けられている状態を示す断面図であり、(b)は床に格子パネル部材の下部が取付けられている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施の形態>
図1〜図7を参照して、建物の天井20に、鉛直に配置された格子パネル10、11の上端部を取り付けてなる格子パネルの取付構造について説明する。
【0020】
格子パネル10は、1つの格子パネル部材1Aと、1つの格子パネル部材1Cとが継ぎ材5a、5b、5cで繋がれ構成されている。また、格子パネル11は、1つの格子パネル部材1Aと、3つの格子パネル1Bと、1つの格子パネル部材1Cとが継ぎ材5a、5b、5cで繋がれ構成されている。格子パネル10、11は、天井に取付けられた天井桟2に連結部材3を介して固定されている。格子パネル部材1Aは格子パネル1B、1Cに比べて縦材1cの数が少なく横幅が狭い。
【0021】
格子パネル部材1Aは、4本の縦材1cと、4本の縦材1cの上端部を繋ぐ繋ぎ材1a1と、隣り合う縦材1c、1cの縦方向略中央部間に挿入された横材1dと、縦材1cの下端部を繋ぐ繋ぎ材1a2とから構成されている。繋ぎ材1a1、1a2は、左右に長尺な部材であり、格子パネル部材1Aの横幅とほぼ等しい長さを有している。
格子パネル部材1Aでは、格子パネル部材1Aの一番左の縦材1cの上端部および下端部は水平断面コ字状に形成され、このコ字状の部分に繋ぎ部材1a1、1a2が挿入されて固定されている。これによって、側部から繋ぎ部材1a1、1a2が見えないため、美観を向上することができる。格子パネル部材1Aでは、他の縦材1cの上端部および下端部に凹部が設けられ、上端部の凹部に繋ぎ部材1a1が挿入されて固定され、下端部の凹部に繋ぎ部材1a2が挿入されて固定されている。そして、繋ぎ部材1a1、1a2の右端部には継ぎ材5a、5cを挿入するための穴がそれぞれ設けられ、この穴に継ぎ材5a、5cの凸部が挿入されて固定されている。また、格子パネル部材1Aの一番右の縦材1cの側部には横材1dと同じ高さに継ぎ材5bが取付けられるように穴が設けられ、この穴に継ぎ材5bの凸部が挿入され、固定されている。
【0022】
格子パネル部材1Bは、6本の縦材1cと、6本の縦材1cの上端部を繋ぐ繋ぎ材1b1と、隣り合う縦材1c、1cの縦方向略中央部間に挿入された横材1dと、縦材1cの下端部を繋ぐ繋ぎ材1b2とから構成されている。繋ぎ材1b1、1b2は、左右に長尺な部材であり、格子パネル部材1Bの横幅と等しい長さを有している。
格子パネル部材1Bでは、縦材1cの上端部および下端部に凹部が設けられ、上端部の凹部に繋ぎ部材1b1が挿入されて固定され、下端部の凹部に繋ぎ部材1b2が挿入されて固定されている。そして、繋ぎ部材1b1、1b2の両端部には継ぎ材5a、5cを挿入するための穴がそれぞれ設けられ、この穴に継ぎ材5a、5cの凸部が挿入されて固定されている。また、格子パネル部材1Bの水平方向両端部に位置する縦材1cの側部には横材1dと同じ高さに継ぎ材5bが取付けられるように穴が設けられ、この穴に継ぎ材5bの凸部が挿入され、固定されている。
【0023】
格子パネル部材1Cは、6本の縦材1cと、6本の縦材1cの上端部を繋ぐ繋ぎ材1c1と、隣り合う縦材1c、1cの縦方向略中央部間に挿入された横材1dと、縦材1cの下端部を繋ぐ繋ぎ材1c2とから構成されている。繋ぎ材1c1、1c2は、左右に長尺な部材であり、格子パネル部材1Cの横幅とほぼ等しい長さを有している。
格子パネル部材1Cでは、格子パネル部材1Cの一番右の縦材1cの上端部および下端部は水平断面コ字状に形成され、このコ字状の部分に繋ぎ部材1c1、1c2が挿入されて固定されている。これによって、側部から繋ぎ部材1c1、1c2が見えないため、美観を向上することができる。格子パネル部材1Cでは、他の縦材1cの上端部および下端部に凹部が設けられ、上端部の凹部に繋ぎ部材1c1が挿入されて固定され、下端部の凹部に繋ぎ部材1c2が挿入されて固定されている。そして、繋ぎ部材1c1、1c2の左端部には継ぎ材5a、5cを挿入するための穴がそれぞれ設けられ、この穴に継ぎ材5a、5cの凸部が挿入されて固定されている。また、格子パネル部材1Cの一番左の縦材1cの側部には横材1dと同じ高さに継ぎ材5bが取付けられるように穴が設けられ、この穴に継ぎ材5bの凸部が挿入され、固定されている。
【0024】
図1に示す分解斜視図は、建物の天井20および床30に取り付けられる格子パネル部材1A、1B、1C等の主要構成部材を示す。図2は、天井20および床30に、図1に示す主要構成部材が取付けられた後の格子パネル10、11の正面図を示している。
【0025】
ここで、本発明に係る格子パネルの取付構造を備えた建物は、箱状に形成された複数の住宅ユニットを組み合せることで施工されている。住宅ユニットは、4本の柱と、これらの柱の上端間どうしを結合する4本の大梁と、柱の下端間どうしを結合する4本の床梁とを備えている。
4本の大梁は、2本の長辺天井梁および長辺天井梁より短い2本の短辺天井梁によって構成されている。4本の床梁は2本の長辺床梁および長辺床梁より短い2本の短辺床梁によって構成されている。なお、柱は正方形筒状に形成されており、大梁と床梁は、それぞれ断面コ字型に形成されている。
【0026】
図3(a)、図6(a)に示すように、大梁21の下面には野縁21aが固定されている。
2本の長辺天井梁には、図4(a)、図7(a)に示すように、複数の小梁22、24が架設されており、該小梁22、24は長辺大梁の長手方向に所定間隔で設けられている。これら小梁22、24の下面には野縁22a、24aが固定されている。複数の小梁22、24の間の中間部にはバッキング材23aが設けられている。
2本の長辺床梁間には、図4(b)、図7(b)に示すように、複数の根太27が架設されており、該根太27は長辺床梁の長手方向に所定間隔で設けられている。これら根太27の上面には床板が固定されている。
【0027】
図3、図4、図5においては、一般的な部分における格子パネルの取り付け構造を示す。格子パネル部材1A、1B、1Cの上部において、図3(a)、図4(a)、図5(a)に示すように、前記天井20に天井桟2がビス7aで取り付けられている。格子パネル部材1A、1B、1Cの下部において、図3(b)、図4(b)、図5(b)に示すように、前記床30に繋ぎ部材1a2、1b2がスペーサー31を介してビス7aで取り付けられ、その後、繋ぎ部材1a2、1b2、1c2にキャップ材5dが取付けられている。
図3(a)においては、大梁21に野縁21aが取り付けられ、この野縁21aに天井桟2が面材40を介して取付けられている。図4(a)においては、小梁22に野縁21aが取り付けられ、この野縁21aに天井桟2が面材40を介して取付けられている。図5(a)においては、バッキング材23aに天井桟2が面材40を介して取付けられている。
【0028】
図6、図7においては、吹抜け部における格子パネルの取り付け構造を示す。吹抜け部においては、例えば、1階から2階天井までの吹抜け空間があり、2階床の吹抜け空間側に取付ける腰壁の代わりに、格子パネルを取付けることを想定している。図6(a)、図7(a)に示すように、2階の前記天井20に天井桟2がビス7aで取り付けられている。図6(b)、図7(b)においては、2階の前記床30に繋ぎ部材1a2、1b2、1c2がビス7aで取り付けられ、その後、繋ぎ部材1a2、1b2、1c2にキャップ材5dが取付けられている。
これに対して、繋ぎ部材1a1、1b1、1c1にはキャップ材5dが予め取付けられている。
図6(a)においては、大梁21に野縁21aが取り付けられ、この野縁21aに天井桟2が面材40を介して取付けられている。図7(a)においては、小梁24に野縁24aが取り付けられ、この野縁24aに天井桟2が面材40を介して取付けられている。
【0029】
ここで、前記天井桟2は上部に比べて下部の幅が狭い段を有し、前記下部の側面に前記鉛直板部3aが取り付けられ、前記上部の側面に目隠し材4が取り付けられている。前記上部の側面は、目隠し材4を取付けるため、鉛直であることが望ましく、前記下部の側面は、連結部材3の鉛直板部3aを取付けるため、鉛直であることが望ましい。
前記天井桟2に連結部材3を介して格子パネル部材1A、1B、1Cが取付けられた後、前記天井桟2の両側面のそれぞれに目隠し材4が取付けられ、この目隠し材4は前記天井桟2と前記格子パネル10、11間の隙間を隠している。この目隠し部材4としては、フィラー材またはクロス下地材を用いることができる。
更に、複数の縦材1cの上部に設けられた凹部に前記繋ぎ部材1a1、1b1、1c1が複数の縦材1cを繋ぐように挿入されて固定され、この繋ぎ部材1a1、1b1、1c1は下部に比べて上部の幅が狭い段を有している。前記下部の側面は、キャップ材5dで覆うため、鉛直であることが望ましい。
また、天井桟2の上部の幅は、繋ぎ部材1a1、1b1、1c1の下部の幅より狭い。目隠し材4は、天井桟2の上部に鉛直に取付けられた際に、繋ぎ部材1a1、1b1、1c1を覆うキャップ材5dと繋ぎ部材1a1、1b1、1c1の上部の間に挿入され、キャップ材5dの内側側面と接している。このように構成することにより、天井桟2に目隠し材4を、美観を向上して取付けることができる。
【0030】
このように、図3(a)、図4(a)、図5(a)、図6(a)、図7(a)に示すように、前記天井20に天井桟2が取付けられ、この天井桟2に前記格子パネル部材1A、1B、1Cが隙間を隔てて対向して配置され、前記天井桟2に前記格子パネル10、11が連結部材3を介してビス7bで取り付けられている。また、この連結部材3は、鉛直板部3aと、この鉛直板部3aの下端に設けられた水平板部3bとを有し、前記天井桟2の側面に前記鉛直板部3aがビス7bで取り付けられ、前記格子パネル10、11の上端面に前記水平板部3bがビス7bで取り付けられている。前記格子パネル10、11は、複数本の縦材1cと、これらの複数本の縦材1cの上部を繋ぐ繋ぎ部材1a1、1b1、1c1を有し、この繋ぎ部材1a1、1b1、1c1に前記水平板部3bが取り付けられている。
格子パネル10、11を図2に示すような縦格子とすることで、外観がすっきりとし、前記格子パネル10、11で室内空間を区切っても開放的な空間を提供することができる。また、パネル化することにより、工場における取り付け工数および現場での施工工数を低減することができる。
【0031】
また、上記天井桟2に前記格子パネル10、11が隙間を隔てて対向して配置されているので、格子パネル部材1A、1B、1Cを天井と同じ高さで製作する必要がない。よって、格子パネル部材1A、1B、1Cを製作する際に高い精度が要求されないという利点がある。
【0032】
また、天井桟2と前記格子パネル10、11間に隙間があっても、連結部材3を用いることにより、天井桟2と前記格子パネル10、11を連結し、天井20に固定できる。天井20と床30間の距離にばらつきがあっても、天井桟2と格子パネル10、11間に隙間を設けることにより、天井と干渉することなく格子パネル10、11を鉛直に取付けることができる。ここで、連結部材3が、鉛直板部3aの下端に設けられた水平板部3bを有することにより、格子パネル部材1A、1B、1Cの側部ではなく、格子パネル部材1A、1B、1Cの上端面に前記水平板部3bがビス7bで取り付けられることができる。更に、複数本の縦材1cの上部を繋ぐ繋ぎ部材1a1、1b1、1c1が設けられているので、格子パネル10、11の横方向の任意の場所に前記水平板部3bが取り付けられることが可能となる。
【0033】
前記複数の格子パネル部材1A、1B、1Cは、横方向に所定の間隔で配置されるとともに前記間隔に設けられる継ぎ材5a、5b、5cを介して接合され、この継ぎ材5a、5b、5cは前記格子パネル部材1A、1B、1Cの縦材1c間の間隔と同じ幅である。
【0034】
ここで、格子パネル部材1A、1B、1Cの幅を所定の幅で規格化しておくと、壁間の幅に合わせて格子パネル部材1Bの数を増減し、バリエーションを増やすことが可能になる。例えば、狭い壁幅に対しては格子パネル部材1Bを使用しないで、広い壁間の幅に対しては格子パネル部材1Bの数を増やして調整することができる。
【0035】
本実施の形態によれば、前記天井桟2に前記格子パネル10、11が隙間を隔てて対向して配置され、前記天井桟2に前記格子パネル10、11が連結部材3を介して取り付けられ、この連結部材3は、鉛直板部3aと、この鉛直板部3aの下端に設けられた水平板部3bとを有するので、前記天井桟2の側面に前記鉛直板部3aを取り付け、前記格子パネル10、11の上端面に前記水平板部3bを取り付けでき、格子パネル10、11を建物の天井20に容易に取りつけることができる。また、前記格子パネル10、11の上端面に前記水平板部3bを取り付けると、前記格子パネル10、11と前記水平板部3bとの取り付け部分が下から見えにくくなるため、美観を向上することができる。
【0036】
また、前記天井桟2の両側面のそれぞれに目隠し材4が取付けられることにより、この目隠し材4が前記天井桟2と前記格子パネル10、11間の隙間を隠すことができるので、美観を向上することができる。
【0037】
また、前記天井桟2は上部に比べて下部の幅が狭い段を有し、前記下部の側面に前記鉛直板部3aが取り付けられ、前記上部の側面に目隠し材4が取り付けられていることにより、この目隠し材4で前記鉛直板部3aを隠すことができるため、美観を向上することができる。
【0038】
また、前記格子パネル10、11は、複数本の縦材1cと、これらの複数本の縦材1cの上部を繋ぐ繋ぎ部材1a1、1b1、1c1を有し、この繋ぎ部材1a1、1b1、1c1に前記水平板部3bが取り付けられていることにより、前記水平板部3bの取り付け場所を外部から隠すことが容易になる。
【0039】
また、前記複数の格子パネル部材1A、1B、1Cは、横方向に所定の間隔で配置されるとともに前記間隔に設けられる継ぎ材5a、5b、5cを介して接合され、この継ぎ材5a、5b、5cは前記格子パネル部材1A、1B、1Cの縦材1c間の間隔と同じ幅であることにより、複数の格子パネル部材1A、1B、1Cの継ぎ部分が分かり難くなるため、複数の格子パネル部材1A、1B、1Cが一体化されている格子パネルを提供できる。
【符号の説明】
【0040】
1A、1B、1C 格子パネル部材
1a1、1b1、1c1 繋ぎ部材
1a2、1b2、1c2 繋ぎ部材
1c 縦材
2 天井桟
3 連結部材
3a 鉛直板部
3b 水平板部
4 目隠し材
5a、5b、5c 継ぎ材
10、11 格子パネル
20 天井
30 床

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の天井に、鉛直に配置された格子パネルの上端部を取り付けてなる格子パネルの取付構造において、
前記天井に天井桟が取付けられ、この天井桟に前記格子パネルが隙間を隔てて対向して配置され、前記天井桟に前記格子パネルが連結部材を介して取り付けられ、
この連結部材は、鉛直板部と、この鉛直板部の下端に設けられた水平板部とを有し、前記天井桟の側面に前記鉛直板部が取り付けられ、前記格子パネルの上端面に前記水平板部が取り付けられている
ことを特徴とする格子パネルの取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の格子パネルの取付構造において、
前記天井桟の両側面のそれぞれに目隠し材が取付けられ、
この目隠し材は前記天井桟と前記格子パネル間の隙間を隠している
ことを特徴とする格子パネルの取付構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の格子パネルの取付構造において、
前記天井桟は上部に比べて下部の幅が狭い段を有し、前記下部の側面に前記鉛直板部が取り付けられ、前記上部の側面に目隠し材が取り付けられている
ことを特徴とする格子パネルの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−92000(P2013−92000A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235543(P2011−235543)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】