説明

栽培システム並びに栽培システムの用土充填容器及び組立式プランター

【課題】素人でも簡単に野菜の自家栽培や草木・草花の栽培を行うことができる栽培システムの提供。
【解決手段】栽培システムは、内部に所定種類の用土Mを充填自在で、かつ、内部に充填した用土Mの余剰水を排水自在な用土充填ネット210と、用土充填ネット210に充填する用土Mの属性を表す管理タグ215とを備え、用土Mを充填した用土充填ネット210に対して管理タグ215を1対1の関係で関連付け、当該用土Mを充填した用土充填ネット210を管理タグ215により管理すると共に、用土Mを用土充填ネット210ごと園芸容器の内部に収容して、用土充填ネット210に充填した用土Mにより植物を栽培する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、園栽培システム並びに栽培システムの用土充填容器及び組立式プランターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、花木等の植物を栽培するために植木鉢及びプランター等の園芸容器が用いられている。また、園芸容器として、搬送及び持ち運びが容易にできる、または、嵩張ること無く収納できる等の利便性から、組立式の園芸容器が提案されている。従来のこの種の園芸容器として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
【特許文献1】特開平7−227147号公報
【0003】
特許文献1には、平板状の底板及び側板と、嵌合溝を有する枠体とからなり、前記枠体の嵌合溝に前記底板及び側板が嵌合されることにより組立てられる園芸容器が開示されている。底板には水抜き孔が形成されている。また、各部材に形成されたネジ孔にタッピングネジを挿通させ、ドライバーを使用することで各部材を強固に固定している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術は、園芸容器を単体で使用するため、園芸容器を組立てた後に、利用者自身が、栽培を希望する植物に適した用土を選択して園芸容器内部に充填し、その後、その用土に対応する花木等の植物を植えるという、通常のプランター等の園芸容器と同様の煩雑でかつ経験を要する作業が当然に必要となる。即ち、使用者は、市販の花木・草木・草花等の植物やその種苗等を購入し、その植物を当該園芸容器内の用土に植えるための各種一連の作業が必要となる。また、使用者は、植物の成長に伴い、園芸容器をより大きなもの等へ変更する必要が生じた場合、その変更作業(鉢換え作業)に相当な手間を要する。更に、特許文献1の園芸容器は、多数の部材により組立てられているため、その組立作業が煩雑となる。加えて、特許文献1の園芸容器は、固定手段としてネジを使用するため、ドライバー等の工具がなければ組み立てることが不可能である。更に、特許文献1の園芸容器は、用土の流出を防止すると共に、用土内の余剰水の排出を行うために、前記底壁の水抜き孔の上にネット状の園芸用底敷を載置したり、底壁上に鉢底石を敷き詰めたりしており、園芸容器内部に外気が供給されることはほとんどない。
【0005】
そこで、本発明は、野菜、草花、草木等の植物の栽培のために当該植物に適した用土の選択や当該用土に対応する花木等の植物を選択する従来の煩雑な作業を不要とし、素人でも簡単に野菜の自家栽培や草木・草花の栽培を行うことができると共に、園芸容器の変更作業(鉢換え作業)も非常に簡単に行うことができ、更に、用土の休耕や再利用等の管理を簡単に実行することができ、加えて、用土への外気供給効率や用土の余剰水の排水効率を大幅に高めて植物の育成を飛躍的に向上することができる栽培システム並びに栽培システムの用土充填容器及び組立式プランターの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る栽培システムは、内部に所定種類の用土を充填自在で、かつ、内部に充填した用土の余剰水を排水自在な用土充填容器と、前記用土充填容器に充填する用土の属性を表す管理タグとを備え、用土を充填した前記用土充填容器に対して前記管理タグを1対1の関係で関連付け、当該用土を充填した用土充填容器を前記管理タグにより管理すると共に、前記用土を前記用土充填容器ごと園芸容器の内部に収容して、前記用土充填容器に充填した用土により植物を栽培するようにしている。
【0007】
また、本発明に係る栽培システムの用土充填容器は、内部に所定種類の用土を充填自在で、かつ、内部に充填した用土の余剰水を排水自在な容器状に形成され、前記用土を充填した状態で園芸容器の内部に収容自在とされる。
【0008】
更に、本発明に係る栽培システムの組立式プランターは、左右側縁で互いに連結及び分離自在とされた3枚以上の平板状の側壁と、前記3枚以上の側壁を連結して筒状体としたときに当該筒状体の底部に載置される底壁と、連結した側壁間の連結を維持する連結棒とを備え、各側壁の左端及び右端に、それぞれ、複数の連結片をその高さ寸法と同一の配置間隔で互い違いとなるよう交互に一体形成して、隣接する側壁の連結片を互いに噛合させて連結するようにし、更に、前記連結片の軸方向に挿着孔を貫通形成し、隣接する側壁の連結片を互いに噛合させて連結したときに互いに噛合した連結片の挿着孔が非円形の同一断面形状で直線状に連通するようにし、前記連結棒を前記挿着孔の断面形状と同一の非円形の断面形状として、前記連結棒を前記互いに噛合した連結片の挿着孔に装着することにより、前記連結棒により前記連結した側壁間の相対移動及び相対回動を阻止するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記のように構成したため、野菜、草花、草木等の植物の栽培のために当該植物に適した用土の選択や当該用土に対応する花木等の植物を選択する従来の煩雑な作業を不要とし、素人でも簡単に野菜の自家栽培や草木・草花の栽培を行うことができると共に、園芸容器の変更作業(鉢換え作業)も非常に簡単に行うことができ、更に、用土の休耕や再利用等の管理を簡単に実行することができ、加えて、用土への外気供給効率や用土の余剰水の排水効率を大幅に高めて植物の育成を飛躍的に向上することができる。特に、用土充填容器に充填する用土の属性を表す管理タグを、用土を充填した前記用土充填容器に対して1対1の関係で関連付け、当該用土を充填した用土充填容器を前記管理タグにより管理するため、育成予定の植物に適した用土の選択を生産者側で行い、当該選択した用土を用土充填容器に充填した状態で利用者(ユーザー)に提供すると共に、当該用土の属性(製品番号、生産者、用土種類、用土名称、化学組成、育成可能植物、施肥方法等)を管理タグに表すことで、利用者が、入手した用土充填容器内の用土で栽培できる(栽培が好適な)植物等を簡単に選択することができる。或いは、用土への種蒔や育苗までを生産者が行い、その状態で利用者(ユーザー)に提供すると共に、当該用土及び植物の属性(製品番号、生産者、植物種類、植物名称、育成方法、開花時期、施肥方法等)を管理タグに表すことで、利用者が、入手した用土充填容器内の用土及び植物(種苗)により、きわめて簡単に植物の栽培を行うことができる。これにより、家庭菜園やベランダガーデニング等を素人の利用者が簡単に行える、一つのパッケージ商品としてのトータル栽培システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0011】
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する園芸容器としての組立式プランターについて説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する園芸容器としての組立式プランターの組立状態を示す斜視図である。図2は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの構成部材を分解して示す図であり、(a)は左から順に連結棒の正面図、側壁の正面図(外側面図)、同側壁の背面図(内側面図)をそれぞれ示し、(b)は左から順に側壁の上面図(上端側から見た図)及び側壁の下面図(下端側から見た図)をそれぞれ示す。
【0012】
図1に示すように、実施の形態1の栽培システムの組立式プランターは、前後一対(2枚)の同一構成の側壁10、左右一対(2枚)の同一構成の側壁10A、4本の同一構成の連結棒31及び1枚の底壁40より構成される。前後一対の側壁10は、同一構成(同一形状、同一寸法)であり、左右一対の側壁10Aは同一構成(同一形状、同一寸法)である。図2に示すように、側壁10は、略縦長長方形状の略薄板状をなす平板部11を有している。平板部11は、略横長長方形の平板状をなす薄肉部12を上下に複数(6個)並設している。また、平板部11の薄肉部12の外周縁には、直線状のリブ13が突出して一体形成されている。詳細には、リブ13は、平板部11の上側縁及び左右両側縁の全長に連続して形成されると共に、左右両側縁のリブ13間には、前記上側縁のリブ13と平行に延びるよう、複数のリブ13が形成されている。そして、平板部11のリブ13により囲まれる横長長方形の部分が前記薄肉部12となっている。更に、平板部11の上部、具体的には、上から2番目の薄肉部12には取手部14が設けられている。取手部14は、平板部11の薄肉部12の外表面から内方へと凹設された中空の横長略長方形箱状をなし、外側面側を開口14aとし、使用者が取手部14の開口14aから内部に手指を挿入して取手部14を掛止保持できるようになっている。なお、取手部14は、平板部11に一体形成してもよいし、平板部11と別体に形成しておき、平板部11の薄肉部12の対応位置に当該取手部14の外周面を密接状態で嵌着自在な嵌合孔を形成し、同嵌合孔に取手部14を嵌着・接着・溶着等して固定することもできる。また、平板部11の下側縁の両端には一対の脚部15が一体形成され、両脚部15間は凹状部16となっている。
【0013】
図2に示すように、平板部11の左端及び右端には、それぞれ、複数の連結片17,18が、その高さ寸法と同一の配置間隔で互い違いとなるよう交互に一体形成され、隣接する側壁10,10Aの連結片17,18を互いに噛合させて連結するようにしている。具体的には、平板部11の(外側面側から見て)右側縁には、上端から下端にかけて一定間隔で、4個の連結片17が一体形成されている。連結片17間の間隔は、連結片17の高さ(長さ)と同一に設定されている。即ち、4個の連結片17は、その高さと同一の間隔で上下方向に並設配置されている。各連結片17は、正面視で縦長長方形状をなし、平面視で図2(b)に示すような変形四角形状をなす略直方体ブロック状に形成されている。また、連結片17の外側面及び内側面は、互いに平行で、かつ、平板部11とも平行な面となっている。更に、連結片17の右側面及び左側面は、互いに平行で、かつ、平板部11と直交する面となっている。なお、連結片17の外側面と右側面との間のコーナー部及び内側面と左側面との間のコーナー部は、それぞれ、所定局率半径(アール)の湾曲状の面となっている。また、各連結片17には、軸心に沿って直線状に延びるよう、断面略四分円弧状の挿着孔17aが貫通形成されている。よって、4個の連結片17の挿着孔17aは、同一軸心に沿って同心状となるよう上下方向に連通している。更に、連結片17の挿着孔17aのうち、2つの直線状部分(四分円弧の半径部分)の一方は、平板部11と平行(連結片17の内側面と平行)に延び、他方は、平板部11と直交する方向(連結片17の左側面または右側面と平行)に延びている。そして、連結片17の挿着孔17aのうち、曲線部分(四分円弧の円周部分)は、連結片17の外側の湾曲コーナー面に対応して延びている。ここで、最下部の連結片17の下端面には、前記挿着孔17aを包囲する円形の嵌合孔17bが形成されている。連結片17の嵌合孔17bの内底面は平坦面となっている。
【0014】
一方、平板部11の(外側面側から見て)左側縁には、上端から下端にかけて一定間隔で、3個の連結片18が一体形成されている。連結片18は前記連結片17と左右線対称形状をなす略直方体ブロック状をなす。即ち、連結片18は、左右対称形状である点を除き、連結片17と同一構成となっている。そして、3個の連結片18は、前記4個の連結片17間の隙間部分に完全に対応する位置(整合する位置)に配置されている。よって、平板部11の左側縁においては、最上部及び最下部の連結片17に対応する位置、並びに、中央部の2個の連結片17に対応する位置には連結片18はなく、それぞれ隙間部分とされる一方、平板部11の右側縁においては、連結片18に対応する位置には連結片17はなく、それぞれ隙間部分とされている。即ち、連結片18間の間隔は、連結片18の高さ(長さ)と同一に設定され、3個の連結片18は、その高さと同一の間隔で上下方向に並設配置されている。なお、連結片18の外側面及び内側面は、互いに平行で、かつ、平板部11とも平行な面となっている。更に、連結片18の左側面及び右側面は、互いに平行で、かつ、平板部11と直交する面となっている。なお、連結片18の外側面と左側面との間のコーナー部及び内側面と右側面との間のコーナー部は、それぞれ、所定局率半径(アール)の湾曲状の面となっている。また、各連結片18には、軸心に沿って直線状に延びるよう、断面略四分円弧状の挿着孔18aが貫通形成されている。よって、3個の連結片18の挿着孔18aは、同一軸心に沿って同心状となるよう上下方向に連通している。更に、連結片18の挿着孔18aのうち、2つの直線状部分(四分円弧の半径部分)の一方は、平板部11と平行(連結片18の内側面と平行)に延び、他方は、平板部11と直交する方向(連結片18の右側面または左側面と平行)に延びている。そして、連結片18の挿着孔18aのうち、曲線部分(四分円弧の円周部分)は、連結片18の外側の湾曲コーナー面に対応して延びている。
【0015】
なお、前記平板部11の最上部の薄肉部12の右端に対応して、最上部の連結片17が配置され、当該連結片17の上下両端に対応して、最上部及び上から2つ目の(左右方向に延びる)リブ13が存在する。また、平板部11の上から2つ目の薄肉部12の左端に対応して、最上部の連結片18が配置され、当該連結片18の上下両端に対応して、上から2つ目及び3つ目の(左右方向に延びる)リブ13が存在する。また、平板部11の上から3つ目の薄肉部12の上半部の右端に対応して、上から2つ目の連結片17が配置され、当該連結片17の上端に対応して、上から3つ目の(左右方向に延びる)リブ13が存在する。また、平板部11の上から3つ目の薄肉部12の下半部の左端に対応して、上から2つ目の連結片18が配置され、当該連結片18の下端に対応して、上から4つ目の(左右方向に延びる)リブ13が存在する。また、平板部11の上から4つ目の薄肉部12の右端に対応して、上から3つ目の連結片17が配置され、当該連結片17の上下両端に対応して、上から4つ目及び5つ目の(左右方向に延びる)リブ13が存在する。また、平板部11の上から5つ目の薄肉部12の左端に対応して、上から3つ目の連結片18が配置され、当該連結片18の上下両端に対応して、上から5つ目及び6つ目の(左右方向に延びる)リブ13が存在する。また、平板部11の最下部の薄肉部12の右端に対応して、最下部の連結片17が配置され、当該連結片17の上端に対応して、最下部の(左右方向に延びる)リブ13が存在する。なお、最下部の連結片17の下端は、脚部15の下端と一致しており、脚部15の下端面及び連結片17の下端面が面一の連続する平坦面となって、後述するように組立式プランターを組み立てたときに、協働して組立式プランターの載置面への支持面を構成するようになっている。ここで、平板部11の上から3番目の薄肉部12は、他の薄肉部12の2倍の幅の幅広となるよう設定されているが、これは、当該薄肉部12に商品名等の所定の表示をするためである。よって、当然、平板部11の上から3番目の薄肉部12を上下に2分割して、各分割された部分が他の薄肉部12と同一の幅となるよう、当該3番目の薄肉部12の幅方向(高さ方向)中央に、水平に延びるリブ13を立設してもよい。この場合、最下部の連結片17の下端を除いて、全ての連結片17,18の上下両端に、それぞれ、水平に延びるリブ13が存在することになる。
【0016】
平板部11の内側面には、上下方向に延びる直線状をなす複数の突条19が、一定間隔で互いに平行となるよう、かつ、平板部11と直交して内方に突出するよう一体形成されている。具体的には、突条19は、平板部11の上端縁から下端縁直近まで延びる直線状の突起状またはリブ状をなしている。また、突条19は、平板部11の裏面の幅方向に一定間隔を置いて合計4個一体形成されている。更に、突条19の突出量は、適宜設定することができるが、図示の例では、前記連結辺17,18の平板部11からの突出量の1/2程度の突出量とされている。なお、突条19は、後述する用土充填容器と協働して、本発明の栽培システムにおける空気供給路形成手段を構成する。一方、平板部11の下側縁には、帯板状の支持片20が、平板部11と直交して内方に突出するよう一体形成されている。支持片20は、図2では、前記連結片17,18の平板部11からの突出量より少ない突出量で平板部11から突出している。また、支持片20は、図2では、連結片17,18の平板部11からの突出量の1/2強程度の突出量、即ち、前記突条19の突出量より若干大きい突出量で平板部11から突出している。よって、氏事変20の平板部11の内側面の上端には、前記連結片17に隣接して、蔓支持棒用の挿着片21が一体形成されている。挿着片21は、蔓草を支持するために立設して使用される蔓支持棒の直径に対応する直径の円形孔21aを、その軸心に沿って直線状に延びるよう貫通形成している。
【0017】
なお、組立式プランターの左右一対の側壁10Aは、幅寸法(左右方向寸法)が前記側壁10よりも大きい点、及び、取手部14を設けていない点において、側壁10と異なるが、それ以外の構成は同一である。詳細には、左右一対の側壁10Aは、側壁10の場合と同様、略横長長方形状の略薄板状をなす平板部11Aを有している。平板部11Aは、平板部11の薄肉部12の場合と同様、略横長長方形の平板状をなす薄肉部12Aを上下に複数(6個)並設している。また、平板部11の薄肉部12Aの外周縁には、平板部11のリブ13の場合と同様、直線状のリブ13Aが突出して一体形成されて、平板部11Aのリブ13Aにより囲まれる横長長方形の部分が前記薄肉部12Aとなっている。なお、平板部11Aの薄肉部12Aには取手部14は設けられていない。そして、平板部11Aの(外側面側から見て)右側縁には、平板部11の場合と同様、上端から下端にかけて一定間隔で、4個の連結片17が一体形成され、左側縁には、上端から下端にかけて一定間隔で、3個の連結片18が一体形成されている。一方、平板部11Aの内側面には、平板部11の場合と同様、上下方向に延びる直線状をなす複数の突条19が、一定間隔で互いに平行となるよう、かつ、平板部11Aと直交して内方に突出するよう一体形成されている。具体的には、突条19は、平板部11Aの上端縁から下端縁直近まで延びる直線状の突起状またはリブ状をなしている。また、突条19は、平板部11Aの裏面の幅方向に一定間隔を置いて合計6個一体形成されている。更に、突条19の突出量は、適宜設定することができるが、図示の例では、前記連結辺17,18の平板部11Aからの突出量の1/2程度の突出量とされている。なお、突条19は、後述する用土充填容器と協働して、本発明の栽培システムにおける空気供給路形成手段を構成する。一方、平板部11Aの下側縁には、平板部11の場合と同様、支持片20が一体形成されている。平板部11Aの内側面の上端には、平板部11の挿着片21の場合と同様、連結片17に隣接して、蔓支持棒用の挿着片21が一体形成されている。
【0018】
連結棒31は、円盤状の頭部31aと、頭部の下面から下方に延びる直線棒状の軸部31bとを一体形成してなる。連結棒31の頭部31aは、前記連結片17の下端の円形の嵌合孔17bと同一の円形の円盤状をなし、連結片17の嵌合孔17b内に略密嵌状態で挿着できるようになっている。また、連結棒31の軸部31bは、連結片17,18の挿着孔17a,18aと同一断面形状の棒状、即ち、断面四分円弧状の直線棒状をなす。更に、連結棒31の軸部31bは、最上部の連結片17の上端面から最下部の連結片17の下端面までの長さと同一の長さを有している。また、底壁40は、前記前後一対の側壁10及び左右一対の側壁10Aを、図4〜図8に示すようにして、隣接する連結片17,18を互いに噛合させて長方形筒状に組立て、4本の連結棒31により互いに連結したときに、それら4枚の側壁10,10aの内側面の下端により形成される長方形に対応する略長方形平板状をなしている。また、底壁40の四隅のコーナー部には、それぞれ、前記連結片17(特に最下部の連結片17)の内側の湾曲面(湾曲コーナー面)に対応する湾曲形状の切欠部41が形成されている。更に、底壁40の四辺(前後側縁及び左右側縁)には、それぞれ、前記突条19の断面形状に対応する短溝状をなし、突条19を収容自在な収容溝42が形成されている。即ち、底壁40の前後側縁には、それぞれ、側壁10の突条19と同一間隔で4個の収容溝42が形成され、底壁40の左右側縁には、それぞれ、側壁10Aの突条19と同一間隔で6個の収容溝42が形成されている。ここで、底壁40の幅及び長さ(左右方向寸法及び前後方向寸法)は、後述するように、図6に示す組立状態の4枚の側壁10,10Aの内側面の突条19の先端位置により決定される長方形と同程度の寸法または若干大きい寸法に設定される。即ち、底壁40の幅(左右方向寸法)は、互いに対向する左右の側壁10Aの突条19の先端間の寸法(左右空間寸法)と同程度の寸法または若干大きい寸法に設定される。また、底壁40の長さ(前後方向寸法)は、互いに対向する前後の側壁10の突条19の先端間の寸法(前後空間寸法)と同程度の寸法または若干大きい寸法に設定される。
【0019】
次に、本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する園芸容器としての組立式プランターの組立方法について説明する。図3は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立時において側壁間の連結過程を説明するための正面図である。図4は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立時において側壁間の連結過程を説明するための(図3に対応する)斜視図である。図5は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立時において4枚の側壁を連結した後の連結棒の挿着過程を説明するための斜視図である。図6は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立時において、図5で4枚の側壁を連結棒により連結固定した後に底壁を内部に収容して載置する過程を示す斜視図である。
【0020】
実施の形態1の組立式プランターを組み立てるには、まず、2枚の同一構成の側壁10と、2枚の同一構成の側壁10Aと、4本の同一構成の連結棒31と、1枚の底壁40とを用意する。次に、図3及び図4に示すように、前後一対の側壁10の連結片17,18と左右一対の側壁10Aとを、それぞれ、同一高さ位置で直交状態に配置し、それらの連結片17,18を、それぞれ、隣接する一方が他方の隙間部分に対向するよう配置して、隣接する連結片17及び連結片18を互いに噛合させて連結し、4枚の側壁10,10Aを図5に示す連結状態(長方形筒状)とする。例えば、前側の側壁10の右端の連結片17と右側の側壁10Aの左端の連結片18とを互いに位置対応させた後、接近して噛合させる。次に、同右側の側壁10Aの右端の連結片17と後側の側壁10の左端の連結片18とを互いに位置対応させた後、接近して噛合させる。次に、同後側の側壁10の右端の連結片17と左側の側壁10Aの左端の連結片18とを互いに位置対応させた後、接近して噛合させる。次に、同左側の側壁10Aの右端の連結片17と前側の側壁10の左端の連結片18とを互いに位置対応させた後、接近して噛合させる。すると、図5に示すように、前後一対の側壁10と左右一対の側壁10Aとが、隣接する連結片17及び連結片18間の噛合連結により、互いに直交して長方形筒状となるよう組立てられる。
【0021】
ここで、この時点では、側壁10及び側壁10Aは、互いに自由に回動でき、位置ずれ及び離脱もできるため、図5に示すように、連結棒31により前後一対の側壁10と左右一対の側壁10Aとを互いに回動不能及び離脱不能となるよう連結する。具体的には、図5の状態では、側壁10及び側壁10A間の互いに噛合する連結片17及び連結片18は、その断面形状(四分円弧状)を整合させた1本の直線棒状となり、連結片17の挿着孔17a及び連結片18の挿着孔18aが、その断面形状(四分円弧状)を整合させた1本の(同心状の)直線貫通孔状に配置されている。よって、連結片17,18の当該挿着孔17a,18a(直線貫通孔)と同一断面形状(四分円弧状)の連結棒31の軸部31bを、上下に同一断面で連通する連結片17,18の当該挿着孔17a,18aに上方から挿入する。具体的には、各連結棒31を、隣接する側壁10,10Aにおいて互いに噛合する7個の連結片17,18に対し、最上部の連結片17から、順次下側の連結片18,17,18,17,18,17へと向かってそれらの挿着孔17a,18a,17a,18a,17a,18a,17aに上方から挿入する。そして、連結棒31の軸部31b上端の頭部31aが、最上部の連結片17の上端面に当接したときに、軸部31bが連結片17,18の挿着孔17a,18a内に完全に挿着される。同様にして、全ての(4箇所の)互いに噛合する連結片17,18の組(直線棒状の合計7個の連結片17,18の組)の挿着孔17a,18aに連結棒31の軸部31bを挿入して、合計4箇所の連結片17,18の組に連結棒31を挿着する。これにより、互いに噛合する連結片17,18の挿着孔17a,18aに挿着した断面四分円弧状の連結棒31の軸部31bによって、連結片隣接する側壁10及び10A間の回動及び移動が完全に規制されて阻止され、4枚の側壁10,10Aが図5の長方形筒状の形状(最終組立状態の形状)を維持する。
【0022】
次に、図6に示すように、底壁40を上方から側壁10,10A間の内部空間に落とし込んで、支持片20上に載置支持する。即ち、四角筒状をなす4枚の側壁10,10Aの上端に形成される長方形の開口から、その内部に底壁40を傾斜させた状態で挿入し、まず、底壁40の長さ方向一端(例えば前端)を対応する側壁10,10Aの支持片20上に載置する。このとき、底壁40の当該一端の両端の切欠部41が、対応する側壁10,10Aの両端の最下部の連結片17の内面の湾曲コーナー面を収容すると共に、底壁40の収容溝42が、対応する側壁10,10Aの内面の突条19を収容するため、底壁40が連結片17や突条19と干渉することはない。その後、底壁40の長さ方向他端(後端)を反対側の側壁10,10Aの支持片20上に載置する。このとき、底壁40の当該他端の両端の切欠部41が、対応する側壁10,10Aの両端の最下部の連結片17の内面の湾曲コーナー面を収容すると共に、底壁40の収容溝42が、対応する側壁10,10Aの内面の突条19を収容するため、底壁40が連結片17や突条19と干渉することはない。これと同時に、底壁40の残りの2辺(幅方向両端)が、側壁10,10Aの対応する位置の支持片20上に載置される。このとき、底壁40の当該2辺の収容溝42が、対応する側壁10,10Aの内面の突条19を収容するため、底壁40が突条19と干渉することはない。このようにして四角筒状をなす4枚の側壁10,10Aの内部に底壁40を完全に収容し、側壁10,10Aの内側面下端からない方に突出する4つの支持片20上に底壁40を載置して支持することができる。このとき、底壁40の幅及び長さは、左右の側壁10Aの突条19の先端間の寸法(左右間隔)及び前後の側壁10の突条19の先端間の寸法(前後間隔)と同程度の寸法または若干大きい寸法に設定されると共に、底壁40に形成した切欠部41及び収容溝42を介して、突条19から内方に更に突出する支持片20上に底壁40の四辺の縁部を円滑に載置できる。なお、上記のように、底壁40を傾斜して側壁10,10A内に挿入すると、側壁10,10Aから内部に(支持片20より大きい突出量で)突出する取手部14の干渉を防止することができる。
【0023】
ここで、取手部14の突出量を支持片20の突出量より小さくした場合、底壁40を傾斜させることなく、略水平状態で側壁10,10Aの内部に一度に落とし込み、支持片20上に一度に載置することも可能である。或いは、底壁40は、図7及び図8に示すように、その四辺(前後左右の端縁)に収容溝42を形成することなく、四辺を直線状に形成し、側壁10,10A内の支持片20上に載置する構成とすることも可能である。図7は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立状態を示す平面図(上面側から見た図)である。図8は図7のA−A線断面図である。この場合、底壁40の幅または長さの一方を、側壁10,10A内部の突条19の先端間の間隔(左右間隔及び前後間隔)より若干大きくしても、突条19の下端と支持片20との間に底壁40の厚み以上の間隔を設けることにより、底壁40の端縁部(前後端縁部または左右端縁部)を、当該突条19の下端と支持片20との間の間隔に挿入して、底壁40を支持片20上に載置することができる。或いは、図8の例の場合、上記のように、底壁40の四辺に収容溝42を形成すれば、底壁40の幅及び長さの両方を、側壁10,10A内部の突条19の先端間の間隔(左右間隔及び前後間隔)より若干大きくしても、突条19の下端と支持片20との間に底壁40の厚み以上の間隔を設けなくても、底壁40の端縁部(前後端縁部及び左右端縁部)を支持片20上に載置することができる。或いは、支持片20の一つ(例えば、前後の側壁10の支持片20のいずれか)の突出量を、上記の例より相当程度大きくして、側壁10,10A間の下端開口より内方に相当程度突出するようにする一方、底壁40の対応する辺(前端部または後端部)を当該支持片20の突出量に対応して上記の例の場合より大きく切除する。例えば、底壁40の切欠部41の半分程度の寸法または切欠部41全体の寸法だけ底壁40の端部を切除し、前後の側壁10の支持片20の先端間の間隔が、かかる底壁40の長さ(前後方向寸法)より大きい寸法となるよう、一方の支持片20(底壁40の切除端部に対応する支持片20)を他方の支持片20より大きい突出量で突出させる。こうすると、底壁40の寸法を上記の例の場合より小さくして、より円滑に側壁10,10A内に挿入し、かつ、取手部14との干渉を防止することができると共に、支持片20によって確実に載置支持することができる。
【0024】
上記のように、連結棒31により連結した4枚の側壁10,10A内に底壁40を載置支持することで、実施の形態1の組立式プランターの組立てが完了する。かかる組立状態では、複数の組立式プランターを上下に積み重ねて保管等することができる。このとき、下側の組立式プランターの上端(最上部の連結片17の上端)から突出する連結棒31の頭部31aが、上側の組立式プランターの下端において最下部の連結片17の下面の嵌合孔17b内に密嵌状態で収容され、装着される。これにより、複数の組立式プランターを、左右に相互に位置ずれすることなく整然と上下に積み重ねて保管等することができる。また、前記最下部の連結片17の嵌合孔17bは、連結棒31の頭部31aを収容するのみならず、転動用のキャスターを装着自在な構成としてもよい。こうすると、組立式プランターの下端の四隅のコーナー部の連結辺17の嵌合孔17bに、それぞれ、キャスターを装着し、キャスターを介して組立式プランターを転動して容易に移動自在となる。なお、実施の形態1の組立式プランターは、このままで、その内部に用土(園芸用の土)を充填して使用することも可能であるが、後述するように、用土充填容器と組み合わせて使用することが好ましい。
【0025】
図9は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する第1の別例の組立式プランターを(連結棒及びコーナーカバーを取り外して)示す斜視図である。図9に示すように、実施の形態1に係る栽培システムで使用する第1の別例の組立式プランターは、図1〜図8の例の組立式プランターと基本的に同様の構成を備えるが、その四隅のコーナー部に漏水防止カバーとしてのコーナーカバー51を装着する点等において相違する。詳細には、第1の別例の組立式プランターは、同一構成の前後一対の側壁10、同一構成の左右一対の側壁10A、同一構成の4本の連結棒31及び1枚の底壁40に加え、同一構成の4本のコーナーカバー51を備えている。また、図1〜図8の例では、側壁10,10Aの連結片17,18の外面は平板部11,11Aのリブ13,13Aと面一であり、連結片17,18と平板部11,11Aと間には段差がないが、図9の例では、側壁10,10Aの連結片17,18の外面と平板部11,11Aのリブ13,13Aと間には段差が形成されている。即ち、図9の例では、側壁10,10Aの連結片17,18が図1〜図8の例の連結片17,18より大型化されている。そして、組立状態の側壁10,10Aのコーナー部には、上記のように、合計7個の連結片17,18により直線棒状体LBが形成されるため、棒状体LBの段差部乃至段差面にコーナーカバー51の幅方向両端を弾性的に掛止して、かかる棒状体LBの外側を完全に被覆できるようになっている。これにより、噛合関係にある連結片17及び連結片18の間の噛合面から、組立式プランターの内部の用土から染み出した水が漏出した場合でも、コーナーカバー51によりかかる漏水を防止して、コーナーカバー51の内面に沿って漏水を組立式プランターの下方に排出できるようになっている。なお、棒状体LBの軸心に沿って形成される貫通孔THには、上記のように、棒状体31が挿着される。
【0026】
図10は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの底壁の第1の例を示す底面図(組立式プランターを下面側から見た図)である。図11は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの底壁の第2の例を示す底面図(組立式プランターを下面側から見た図)である。実施の形態1の組立式プランターの底壁40は、説明の便宜上、図6〜8では排水孔を図示しない構成としたが、実際は、例えば、図10または図11に示すように、排水孔40a,40bを穿設する。即ち、図10の例では、底壁40の中央部の前後に2個の大径の円形の排水孔40aが穿設されている。また、図11の例では、底壁40の全体に合計12個の小径の円形の排水孔40bがマトリックス状に穿設されている。これ以外にも、任意の態様で底壁40に排水孔を形成することができる。また、実施の形態1では、底壁40の排水孔40a,40bは、例えば、図22に示す園芸容器用底敷(底敷ネット)やその他の底敷ネット或いは鉢底石により覆い、組立式プランター内部に充填した用土が底壁40の排水孔40a,40bから落下しないようにする。
【0027】
図12は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する第2の別例の組立式プランターを示す斜視図である。図13は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する第2の別例の組立式プランターを積み重ねた状態を示す断面図である。図1〜図11に示す組立式プランターは、組立後の全体形状が上端を開口する直方体箱状となるが、図12に示すように、実施の形態1に係る栽培システムで使用する第2の別例の組立式プランターは、組立て後の全体形状が、下端を狭くした逆四角錐台状で、かつ、上端を開口する中空四角箱状をなす。よって、第2の別例の組立式プランターは、かかる外観形状を得るため、各部在(要素)の基本構成を若干変更している。詳細には、第2の別例の組立式プランターは、図1〜図8の組立式プランターと同様、同一構成の前後一対の側壁110、同一構成の左右一対の側壁110A、同一構成の4本の連結棒131及び1枚の底壁40を備えている。側壁110は、逆台形板状をなしている。また、側壁110は、前記側壁10の場合と同様、薄肉部112及びリブ113により平板部111を一体形成しているが、薄肉部112及びリブ113は、側壁110の逆台形状に対応する形状(下側ほど幅狭となる形状)となっている。また、側壁110の内面には、側壁10の突条19と同様の突条119が(4本)一体形成されている。なお、側壁110の左右両端には、上記側壁10の場合と同様、連結片17,18が一体形成されている。一方、側壁110Aは、逆台形板状をなしている。また、側壁110Aは、前記側壁10Aの場合と同様、薄肉部112A及びリブ113Aにより平板部111Aを一体形成しているが、薄肉部112A及びリブ113Aは、側壁110Aの逆台形状に対応する形状(下側ほど幅狭となる形状)となっている。また、側壁110Aの内面には、側壁10Aの突条19と同様の突条119が(6本)一体形成されている。なお、側壁110Aの左右両端には、上記側壁10Aの場合と同様、連結片17,18が一体形成されている。更に、側壁110,110Aの内側面上端には前記挿着片21が一体形成されると共に、内側面下端には脚部15及び支持片20が一体形成されている。
【0028】
ここで、側壁110A及び側壁110Aがそれぞれ逆台形状をなし、それら側壁110,110Aが、左右端縁の傾斜角度に合致した傾斜角度で互いに連結されるため、側壁110両端の連結片17,18及び側壁110A両端の連結片17,18も、かかる傾斜角度に対応して傾斜するよう一体形成されている。そして、隣接する側壁110,110Aの連結片17,18を互いに噛合したときに形成される棒状体LBが、側壁110の左右側縁の傾斜角度に対応して傾斜し、棒状体LBの軸心に沿って形成される挿着孔17a,18aからなる貫通孔THも、側壁110の左右側縁の傾斜角度に対応して傾斜するようになっている。また、連結片17,18の上端面は、連結片17,18の軸心に対して傾斜し、側壁110及び側壁110Aを互いに連結して組立てたときに、連結片17,18の上端面が水平面となるようになっている。よって、連結棒131は、軸部を棒状体LHの貫通孔THに上記傾斜角度で傾斜して装着されるため、棒状体131の頭部に対して軸部がかかる傾斜角度で傾斜するように棒状体131の頭部及び軸部が一体形成されている。これにより、隣接する側壁110,110Aの連結片17,18を互いに噛合して形成される棒状体LBの貫通孔THに棒状体131の軸部を装着すると、その頭部の下面が最上部の連結片17の上端面に円滑に密接する。
【0029】
第2の別例に係る組立式プランターは、図13に示すように、上下に積み重ねて保管等するときに、上側の組立式プランターを下側の組立式プランターの内部に相当程度収容して積み重ねることができる。即ち、側壁110,110Aの左右側縁の傾斜角度に応じて、上側の組立式プランターの側壁110,110Aの外側面のリブ113,113Aの先端が、下側の組立式プランターの側壁110,110Aの内側面の突条119の先端に当接して下方への移動不能となるため、上側の組立式プランターを下側の組立式プランターの内部に収容して積み重ねることができる。或いは、側壁110,110Aの傾斜角度をより大きくしたり、突条119を側壁110,110A内面の下半部のみに設けて上半部から省略したりすることにより、組立式プランターの内部の上部空間の寸法を広げ、上側の組立式プランターが下側の組立式プランター内に、上端の一部(例えば、一般的なプランター等に見られる掛止部分となる段差部より上側の部分)を残して完全に収容するようにすることもできる。即ち、この場合、積み重ね時に、下側の組立式プランターの側壁110,110A内面の下半部の突条119の先端と、上側の組立式プランターの側壁110,110Aのリブ113,113Aの先端との間に若干の空間が形成されるよう、各部在の寸法等を設定すればよい。
【0030】
図14は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填容器としての用土充填ネットを示す斜視図である。図15は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填して用土充填ネットの上端開口を絞った状態(運搬時の状態)を示す斜視図である。実施の形態1に係る栽培システムでは、上記組立式プランターやその他の通常のプランター等の園芸容器と組み合わせて、図14及び図15に示すような用土充填容器としての用土充填ネット210を使用する。用土充填ネット210は、ネット部211、補強部212、取手部213及び締結紐214を備え、内部に園芸用土を充填自在となっている。詳細には、ネット部211は、上端を開口とした所定メッシュ(網目粗さの単位)の網状をなし、所望形状に柔軟に変形自在であるが、その展開状態では、図14に示すように、上端に略長方形の開口を形成する四角容器状乃至直方体袋状をなす。補強部212は、ネット部211の上端の開口に縫合、接着、溶着等により固着されて上端の開口部分を補強する帯状をなし、ある程度の柔軟性を有する一方で、芯材等の強度を有する素材により形成されている。また、補強部212は、その左右両側部(ネット部211の左右両側部に対応する部分)に、左右一対の取手部213を一体的に固着等して設けている。更に、補強部212は袋状に形成されている。そして、補強部212の所定箇所(例えばネット部211の側面に対応する部分の中央部)に形成した挿入孔から、補強部212の内部に締結紐214を挿入して、締結紐214の両端部を補強部212の挿入孔から外部に取り出している。締結紐214は、通常の紐材により形成され、締結紐214の両端部を引っ張って締結することにより、補強部212の開口及びネット部211の開口を絞った状態に保持するようになっている。そして、実施の形態1の栽培システムでは、図15に示すように、用土充填ネット210の補強部212の上端開口からネット部211内部に所定の種類の用土を充填し、締結紐214を締結して補強部212及びネット部211の開口を絞った状態で、一対の取手部213を介して用土充填容器210を容易に運搬乃至持ち運びできるようにしている。
【0031】
加えて、締結紐214の一端部には管理タグ215が固着されている。管理タグ215には、同管理タグ215が固着された用土充填ネット210に充填された用土の属性・内容や、用土に適した植物の属性・内容等を表す情報が印刷等により表示されている。具体的には、管理タグ215には、用土の種類、内容物、化学組成、適正栽培植物の種類等、使用可能期間、連作可能期間、製品番号等を表す情報を表示したり、用土充填ネット内の用土により栽培する植物(草花、草木、果樹、野菜等)の種類、品種、名称、花色、葉色、製品番号、品種登録番号等を表す情報を表示したりする。更に、管理タグ215には、一次元バーコードを印刷等により表示して管理したり、或いは、バーコードとして情報量の多い二次元バーコードを表示して管理したりすることもできる。特に、管理タグ215にバーコードを印刷等により表示した場合、携帯電話に内蔵したバーコードリーダ等によりそのバーコードを読み取ることにより、詳細情報(用土の属性・内容、植物の属性・内容、植物の外観写真、効能、栽培方法、栽培時期等)を携帯電話の画面に表示したり、或いは、詳細情報を掲示するウエブサイトにアクセスしてその詳細情報を取得したりするように構成することができる。
【0032】
図16は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを保護容器としての保護袋内に収容した状態を示す斜視図である。図16に示すように、前記用土充填ネット210は、対応する袋状をなす保護袋220内に収容される。保護袋220は、用土充填ネット210のネット部211及び補強部212に対応する袋状をなし、ビニール袋等の袋材により構成される。詳細には、保護袋220は、用土充填ネット210の全体を覆うよう上端を開口した四角袋状をなす収容部221と、収容部221の左右両側部の上端に一体成形等して設けた左右一対の取手部223とを有している。保護袋220の取手部223は、用土収容ネット210の取手部213と対応する位置に配置され、収容部221内に用土収容ネット210を収容したときに、保護袋220の取手部223と用土収容ネット210の取手部213とが同一位置に配置され、利用者が取手部213及び取手部223を一括して把持自在となっている。また、このとき、用土充填ネット210の締結紐214の一端部を保護袋220の上端開口から外部に露出して、管理タグ215を外部に露出できるようになっている。
【0033】
実施の形態1の栽培システムでは、各種類の用土を各別の用土充填ネット210に充填した状態で管理し、市場に流通させると共に、利用者の利用に供するようにしている。或いは、実施の形態1の栽培システムでは、図16に示すように、用土充填ネット210の内部に用土Mを所定量充填し、かかる用土充填ネット210を保護袋220内に収容した状態で各種の用土Mを管理し、市場に流通させると共に、利用者の利用に供するようにすることもできる。なお、用土充填ネット210等の用土充填容器を使用した用土管理及び栽培システム、並びに、これに管理タグ215を追加した管理及び栽培システムについては、後に詳述する。
【0034】
図17は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを組立式プランター内に収容した状態を示す斜視図である。実施の形態1の栽培システムでは、図17に示すように、上記組立式プランターの内部に用土を充填した用土充填ネット210を収容配置して、そのままの状態で栽培を行うようになっている。即ち、実施の形態1の栽培システムでは、用土充填ネット210は、組立式プランターの内部空間に対応する形状(略直方体容器状)及び寸法(前後、左右、高さの各寸法)を有している。なお、組立式プランターの内部に用土充填済みの用土充填ネット210を収容したときに、用土充填ネット210の上端部が組立式プランターの上端部から外部に露出するよう、用土充填ネット210の寸法(特に高さ)を設定することが好ましい。こうすると、用土充填ネット210の上端部を組立式プランターの上端から外側面側へと折り曲げて配置し、用土充填ネット210内の用土Mへ植えた植物の管理を容易に行うことができる。勿論、組立式プランターの内部に用土充填済みの用土充填ネット210を収容したときに、用土充填ネット210の上端部が組立式プランターの上端部と同一高さになり、外部に露出しないよう、用土充填ネット210の寸法を設定することもできる。こうすると、用土充填ネット210が外部に露出せず、用土充填ネット210による意匠性への影響を排除することができる。しかし、後述するように、用土充填ネット210自体に意匠性、デザイン性乃至ファッション性を付与し、用土充填ネット210を全体の意匠性向上を図るようにすることもできる。更に、用土充填ネット210の締結紐214の一端部を組立式プランターの上端開口から外部に露出して、管理タグ215を外部に露出できるようになっている。
【0035】
図18は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する保護袋の底面に設けた破断線の一例を示す底面図である。図19は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを組立式プランター内に収容する過程を示し、(a)は当該用土充填ネットを保護袋内に収容した状態で組立式プランター内に収容した状態を正面側から見て示す断面図、(b)は当該保護袋を底面の破断線で破断して組立式プランターから抜き取る状態を正面側から見て示す断面図である。実施の形態1の栽培システムでは、保護袋220の下面にミシン目等からなる破談線222を形成し、破談線222を介して保護袋220の底面を簡単に破談し、保護袋220を用土充填ネット210から簡単に抜き取る(取り外す)ことができるようにしている。具体的には、実施の形態1の栽培システムにより栽培をするには、まず、図19(a)に示すように、用土Mを充填した用土充填ネット210を保護袋220に収容し、それらを一体で組立式プランターの内部に収容する。次に、保護袋220の取手部223を把持し、取手部223を情報へと勢い良く(ある程度の速度で)引っ張る。すると、用土充填ネット210内の用土Mの重量により、用土充填ネット210は用土Mと共に組立式プランター内に収容保持され、保護袋220のみが、下面の破談線222で破断して、図19(b)に示すように、上方に抜き取られる。このようにして、保護袋220のみを組立式プランターから外部に取り外すことができる。
【0036】
図20は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを組立式プランター内に収容した状態を正面から見て示す断面図(図17のB−B線断面図)である。図21は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを組立式プランター内に収容した状態を上面側から見て示す断面図(図17のC−C線断面図)であり、その一部を拡大して示す。組立式プランターから上記のようにして保護袋220を抜き取ると、図20及び図21に示すように、組立式プランターの内部の用土充填ネット210の外周面は、側壁10,10Aの突条19の先端に当接し、同突条19により位置規制されて、側壁10,10Aの平板部11,11Aの内側面(リブ13,13A間の薄肉部12,12Aの内面)への当接を阻止される。勿論、用土充填ネット210が柔軟な素材からなるため、用土Mの重量により一部(特に突条19間の間隙に対応する部分)が膨出し、その一部が側壁10,10Aの平板部11,11Aの内側面に当接する可能性もあるが、その割合は小さく、全体として、側壁10,10Aの平板部11,11Aの内側面と用土充填ネット210の外周面との間に十分な容積の内部空間Sが形成される。この内部空間Sは、組立式プランターの上下方向に連通する略長溝状をなし、用土充填ネット210内の用土Mへの空気供給空間(空気供給通路)Sとして機能し、用土Mに植えた植物の根への空気供給を促進し、根の発育促進により、植物自体の発育をも促進する機能を発揮する。更に、内部空間Sは、用土充填ネット210内の用土Mから用土充填ネット210外へと排出される過剰水の排水経路を形成する。よって、上記第1の別例に係る組立式プランターで用いたようなコーナーカバー51を設けなくても、用土充填ネット210内の用土Mから用土充填ネット210外へと排出される過剰水を内部空間Sにより、組立式プランターの内部で下方に案内し、底壁40の排水孔等から外部に排水することができ、連結片17,18の噛合面からの漏水を防止することができる。
【0037】
図22は本発明の実施の形態2に係る栽培システムで使用する園芸容器用底敷を組立式プランターの底壁に排水孔を覆うよう載置し、内部に用土を充填した用土充填ネットを当該組立式プランター内に収容した状態を正面側から見て示す断面図である。図22に示すように、本発明の実施の形態2に係る栽培システムでは、園芸容器用底敷310を組立式プランターの底壁40に排水孔を覆うよう載置している。園芸容器用底敷310としては、例えば、組立式プランターの底壁40に各排水孔を包囲して覆える程度の大きさのもの(例えば中空塩錐形状のネット状をなすもの)や、組立式プランターの底壁40の排水孔(例えば図10に示す2個の排水孔)の全体を包囲して覆えるような大型のものを使用することができる。具体的には、大型の園芸容器用底敷310は、例えば、下端を開口した中空の略三角柱状とし、下端の開口を底壁40の排水孔部分に対向配置して、底壁40に載置することができる。また、大型の園芸容器用底敷310は、かかる立体中空形状に一体形成したものとすることもできるが、平板状に成形したものをかかる立体中空形状に折畳んで組み立てるように構成することもできる。即ち、組立式の場合、園芸容器用底敷310は、組立式プランターの園芸容器の底壁40の排水孔(水抜き孔)を包囲するよう底壁上に配置され、上底より下底を長くした同一形状の等脚台形状をなす一対の台形状平板部が、その上底で互いに折り曲げ自在に一体的に接合されると共に、各台形状平板部に多数の排水孔が貫通形成されている。また、一対の台形状平板部の底の両側の合計2対の対辺において、各側で隣接する2つの対辺のうちの一方の対辺である接合用対辺には、それぞれ、前記台形状平板部の対辺と同一の長さの一対の等辺を有する二等辺三角形状をなす三角形状平板部が、前記一対の等辺のうちの一方の等辺である接合用等辺で折り曲げ自在に一体的に接合されると共に、各三角形状平板部に多数の排水孔が貫通形成されている。更に、前記各三角形状平板部の接合用等辺と相対する等辺である係止用等辺と、当該三角形状平板部の係止用等辺が対向すると共に前記台形状平板部の接合用対辺と隣接する対辺である係止用対辺とに、互いに係止自在な係止部がそれぞれ一体形成されている。そして、前記一対の台形状平板部を互いに接近するよう折り曲げると共に、前記一対の三角状平板部を前記台形状平板部に接近するよう折り曲げ、前記三角状平板部の係止部を前記台形状平板部の対向する係止部に係止することにより、前記台形状平板部及び前記三角状平板部を、両底面を対称に傾斜させて傾斜面とし、かつ、前記一対の台形状平板部の下底及び前記一対の三角形状平板部の底辺間に矩形状の開口を形成する中空略三角柱状に組立自在としている。更にまた、前記組立時の前記開口が、園芸容器の底壁の水抜き孔の外側を完全に包囲するよう、前記台形状平板部平板部及び前記三角形状平板部の寸法を設定している。
【0038】
実施の形態2に係る栽培システムによれば、組立式プランターの突条19により用土充填ネット210の外周面(側面)との間で前記内部空間Sを形成することができることに加え、園芸容器用底敷310によっても、用土充填ネット210の底面(下面)の一部(底壁40の排水孔対応部分)に所定容積の内部空間を形成することができる。したがって、用土充填ネット210の側面からの空気供給に加え、下面からの空気供給により、用土M内の植物の根に積極的に外気を供給し、根及び植物自体の生育を更に促進することができる。ところで、組立式プランターの底壁の排水孔を覆うよう園芸用底敷を配置する以外に見、底壁に園芸用底敷を一体形成し、園芸用底敷の下端の開口を排水孔とすることもできる。
【0039】
ここで、本発明の用土充填容器としては、上記用土充填ネット220以外にも、内部に所定種類の用土を充填自在で、かつ、内部に充填した用土の余剰水を排水自在な限りにおいて、任意のものを使用することができる。例えば、用土充填容器として、ネット上のもの以外にも、用土の流出を阻止する孔径の多数の小孔を有する容器状をなす任意の素材の容器を使用することができる。この場合、例えば、用土充填容器は、用土の流出を阻止する孔径の多数の小孔を穿設した合成樹脂製の容器状とされる。かかる容器としては、柔軟性を有するプラスチックシート製の柔軟容器またはプラスチック製の硬質容器とすることができる。更に、この用土充填容器は、上端部に掛止部を一体形成し、所定の枠体に掛止して吊下保持するよう構成することもできる。この場合、用土充填容器は、例えば、上記組立式プランター等の園芸容器の内部に略全体を収容した状態で、その上端を園芸容器の上端に吊下げて支持自在とされ、園芸容器への吊下支持状態で、園芸容器の内面と前記用土を充填した用土充填容器の外面との間に内部空間を形成して、当該内部空間により用土充填容器内の用土へと外気を供給自在とすると共に、当該内部空間により用土充填容器内の用土の余剰水を園芸容器の外部へと排水自在とする。具体的には、例えば、上端を円形の開口とした円筒状の園芸容器(植木鉢等)の上端に、同様に上端を円形の開口とした(園芸容器より小径の)円筒状の用土充填容器の上端を掛止して、同用土充填容器を園芸容器の内部に収容し、用土を充填した用土充填容器の外面と園芸容器の内面との間に外気導入用及び排水用の内部空間を形成することができる。なお、用土充填容器の上端の掛止は、例えば、上端を円形開口とすると共に下端を閉塞した円筒状をなす用土充填容器の上端部に、円形の硬質リングを装着し、かかる硬質リングを園芸容器の円形の上端面と略同一径として、当該硬質リングを園芸容器の上端面に掛止するようにすることができる。或いは、円形の硬質リングの外形を園芸容器の上端開口の内径と同一とし、硬質リングの外周面を園芸容器の上端開口の内周面に密接状態で密嵌することにより、硬質リングを介して用土充填容器を園芸容器に吊下支持することができる。また、本発明は、用土充填容器の上端を掛止して多数の用土充填容器を吊下支持自在な枠体を備え、前記枠体に多数の用土充填容器を吊下支持すると共に、各用土充填容器に所定の用土を充填して、前記用土充填容器の用土に対応する植物を一括して栽培するようにした大量生産式栽培システム(業者用栽培システム)に具体化することもできる。
【0040】
また、本発明は、用土充填容器の上端側の所定部分を所定デザインの意匠部とし、所定の用土を充填した状態で用土充填容器を園芸容器に収容したときに、意匠部が園芸容器の上端の開口から外部に露出するようにし、当該意匠部に、前記用土に栽培する植物の意匠に対応した意匠を施すようにしてもよい。例えば、植物の花の色や模様、葉の色、季節や時期(春夏秋冬、クリスマス、正月)等に合わせて、意匠部の色、模様、材質等を適宜選択し、意匠部にデザイン性を付加することができる。即ち、用土充填ネット210等の用土充填容器には、デザイン性・ファッション性等の意匠性を持たせることにより、オブジェとしての機能を発揮させることもできる。例えば、組立式プランター等の園芸容器の上端から外部に露出する露出部をあえて設け、その露出部をフリル状、フレアー状等としてデザイン性を付与したり、露出部に所定の配色、模様、質感、材質等を適宜付与することにより、クリスマス等の季節商品としての機能を発揮することもできる。また、上記実施の形態の用土充填ネット210は、柔軟素材であるネット部211により所望の形状に任意に変形できるが、本発明の用土充填容器には、上記のように硬質プラスチック製とする等、ある程度の形状保持性を付与してもよい。いずれの場合も、用土充填容器は、上記組立式プランターの内部に収容して使用すると、突条19との間で内部空間を形成し、かかる内部空間が排水通路や外気導入通路として機能する。更に、本発明は、組立式プランター等の園芸容器内に用土充填ネット210を用土と共に収容した後、保護袋220を取り外す(除去する)ことなく、保護袋220も組立式プランター等の園芸容器内に保持したまま、用土充填ネット210の用土で植物を栽培してもよい。この場合、保護袋220の外周面には多数の小孔を穿設し、内部空間からの空気の流通を確保すると共に、底面にも多数の小孔を形成し、用土からの余剰水の排水を確保する。
【0041】
また、本発明は、用土充填容器の上端側の所定部分をネット上の被覆部とし、同被覆部が、前記用土を充填した用土充填容器を前記園芸容器に収容したときに前記園芸容器の上端の開口から外部に突出するようにして、同被覆部により前記用土充填容器の用土に植えた植物の露出部分を除いて前記用土の表面を完全に被覆自在とし、一方、前記被覆部の開口内に前記植物の露出部分を配置すると共に、前記被覆部の開口を紐等の締結手段により絞って縮小自在とすることもできる。或いは、用土充填ネット210は、図15に示すように、締結紐214を絞って上端の開口を閉じた状態で、組立式プランター等の園芸容器の内部に収容してもよい。この場合、用土に植えた植物が、用土充填容器の上端開口の狭い開放部分から露出するようにする。こうすると、植物の露出部分(幹や茎等)を除いて、用土表面の大部分をネット部211により被覆することができ、ナメクジ等の害虫が用土の上面から用土内に侵入し、植物の根に被害を及ぼす等の不具合を防止することができる。また、この状態で、用土充填ネット210の(口を絞った)上端開口より外周側に、フレアー状の立設部を固着してもよい。例えば、かかる立設部としては、小さい格子状(細かい網目状)のカラーネット(色付きネット)を使用して意匠性を向上することができる。このように、用土充填ネット210の(口を絞った)上端開口より外周側に立設部を設けることにより、ナメクジ等の害虫の侵入を一層確実に阻止することができる。この場合、用土充填ネット210の(口を絞った)上端開口より内側の用土露出面にのみ忌避剤を配置することで、害虫の忌避を確実に行うことができる。そして、上記いずれの場合も、ネット部211や立設部より内側のネット部を介して、用土への施肥及び水遣りを行うことができる。
【0042】
また、本発明では、管理タグは、前記用土充填容器に充填する用土の属性を表し、用土を充填した用土充填容器に対して1対1の関係で関連付けられ、当該用土を充填した用土充填容器を管理する限りにおいて、任意の態様で実施することができる。例えば、管理タグは、上記実施の形態のように、用土充填ネット210の補強部212から露出する締結紐214に固着する以外にも、補強部212に固着したり、ネット部211に固着したりすることができる。また、管理タグは、用土充填容器自体に固着することなく、用土充填容器に着脱自在な紐体等の接続手段により分離自在に接続したり、用土充填容器から分離した位置、例えば、用土充填容器を収容する園芸容器に分離自在に取付けたりすることができる。しかし、管理タグは、用土充填容器に充填した用土の属性を表すものであるため、用土充填容器自体に固着することが最も好ましいが、少なくとも、用土充填容器と関連付けたいずれかの場所に取付けて、外部から目視確認自在とすることが好ましい。一方、管理タグは、用土充填容器内に充填した用土の属性(用土種類、化学組成、育成可能な植物の種類等)を表示することにより、例えば、本発明の栽培システムを家庭菜園に適用する場合に、素人の利用者が野菜等の連作を簡単に行うことができるようになる。具体的には、例えば、野菜を収穫した後の用土は、続けて野菜の栽培に使用することは困難で、一定期間放置して日光に当てたりして、用土の回復を行う必要がある。よって、一度使用した(野菜を栽培した)後の用土充填容器は、園芸容器から取手部を介して取り出し、屋外等の適当な場所に保管する。そして、別の用土を充填した新たな用土充填容器を園芸容器内に収容し、新たに野菜を栽培する。また、回復した用土は、その用土充填容器を再度園芸容器に収容することで、新たに野菜の栽培に使用することができる。このようにして、用土充填容器を介した用土のローテーションをきわめて簡単に行うことができる。したがって、本発明に係る栽培システムは、用土充填ネット210等の用土充填容器に充填する用土そのものの管理を生産段階から利用者による利用段階まで一貫して連続的に行うことができ、トレーサビリティ等の機能も発揮できると共に、更に、用土充填容器内の用土に対して「〜用の土」、「〜用の土」等の表示を管理タグに付することで、育成すべき植物の種類等の管理を、生産者側で用土を作る段階から、利用者側でプランター等の園芸容器に用土充填容器を収容して栽培に供するまでの一連の過程を管理することができ、植物の栽培をシステム化することができる。即ち、上記のように構成した用土充填ネット210及び保護袋220を使用して栽培を行うには、まず、用土Mを充填し、所望の種苗を育成する。このとき、用土の選定から種苗の選定を予め行い、所定の用土に対応する所定の種苗を植えて育苗等しておくことで、素人であっても、簡単栽培できる。また、野菜の栽培等においては、1期経過後に、用土を休養させ、栄養分を補強等する必要があるが、この場合、ネットごと取り出し、所定場所の一定期間保管した後、回復した用土を再度栽培に利用する。このようにして、用土の再利用を簡単に行うことができる。このとき、家庭の生ごみ等から作った肥料を施したり、市販の肥料を施したりすることで、用土の回復を早期に行うこともできる。いずれにしても、用土を用土充填容器単位で管理するため、それらの作業を素人である利用者でもきわめて簡単に行うことができ、更に、このとき、管理タグにより必要な情報を簡単に入手することができるため、植物の育成を間違いなく行うことができる。なお、管理タグは、ICタグとすることもでき、この場合、より多くの情報をICタグに格納して所定のコンピュータ装置により利用者に表示したり、利用者が意識することなく、自動的にICタグによる各種管理を行うことも可能となる。
【0043】
ところで、用土充填ネット210のネット部211のメッシュ粗さは、内部に充填する用土Mの種類や粒径等に応じて設定され、内部に充填した用土Mが外部に流出乃至漏出しないよう、そのメッシュ粗さを決定する。また、ネット部211の材質は、天然繊維、合成樹脂繊維等を編んでネット状に形成したり、合成樹脂をネット状に直接成形したりすることができ、また、その素材も任意の素材とすることができるが、必要期間(使用予想期間)経過後の廃棄を容易にするため、生分解性樹脂によりネット状に形成することもできる。
【0044】
また、組立式プランターは、4枚の側壁により四角形箱状に形成する以外にも、3枚の側壁により三角形箱状に連結形成したり、5枚以上の側壁により五角形箱状等の多角形箱状に連結形成することができる。或いは、10枚の側壁を星形となるよう連結することもできる。即ち、本発明の組立式プランターは、左右側縁で互いに連結及び分離自在とされた3枚以上の平板状の側壁と、前記3枚以上の側壁を連結して筒状体としたときに当該筒状体の底部に載置される底壁と、連結した側壁間の連結を維持する連結棒とを有し、各側壁の左端及び右端に、それぞれ、複数の連結片をその高さ寸法と同一の配置間隔で互い違いとなるよう交互に一体形成して、隣接する側壁の連結片を互いに噛合させて連結するようにし、更に、前記連結片の軸方向に挿着孔を貫通形成し、隣接する側壁の連結片を互いに噛合させて連結したときに互いに噛合した連結片の挿着孔が非円形の同一断面形状で直線状に連通するようにし、前記連結棒を前記挿着孔の断面形状と同一の非円形の断面形状として、前記連結棒を前記互いに噛合した連結片の挿着孔に装着することにより、前記連結棒により前記連結した側壁間の相対移動及び相対回動を阻止するようにする限りにおいて、任意の構成とすることができる。また、上記側壁、連結棒及び底壁は、それぞれ、射出整形等の樹脂成形技術により容易かつ安価に製造することができるが、樹脂以外の材料を使用して製造することもできる。また、支持片21は、図2では、前記連結片17,18の平板部11からの突出量より少ない突出量で平板部11から突出しているが、4枚の側壁10,10Aの組立時に、隣接する支持片21が互いに干渉しないようにする限りにおいて、全ての、或いは、少なくとも一部の支持片21が、連結片17,18の平板部11からの突出量と同程度の突出量、または、より多い突出量で平板部11から突出するようにしてもよい。なお、前後一対の側壁10と左右一対の側壁の長さを違えることなく、同一としてもよい。例えば、4枚の同一構成の側壁10を使用して組立式プランターを構成することもできる。この場合、組立式プランターの外観形状は平面正方形状となる。また、側壁10,10Aの薄肉部12,12Aは、平坦面とする以外にも所定曲率(アール)の凹面状とする等、任意のデザイン性を付与することが好ましい。また、突条19は、側壁10,10Aの全長にわたって設けることなく、一部にのみ設けてもよく、この場合も上記と同様の内部空間を形成し、所期の機能を発揮する。また、突条19は、上下方向に伸びる以外にも、側壁10,10Aの斜め方向に延びるよう形成してもよく、湾曲状としたり、屈曲状、ぎざぎざ状等の異形状としたりしてもよい。更に、本発明では、用土充填容器に充填する用土は、できるだけ軽重量となるよう、用土の選定を行うことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する園芸容器としての組立式プランターの組立状態を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの構成部材を分解して示す図であり、(a)は左から順に連結棒の正面図、側壁の正面図(外側面図)、同側壁の背面図(内側面図)をそれぞれ示し、(b)は左から順に側壁の上面図(上端側から見た図)及び側壁の下面図(下端側から見た図)をそれぞれ示す。
【図3】図3は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立時において側壁間の連結過程を説明するための正面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立時において側壁間の連結過程を説明するための(図3に対応する)斜視図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立時において4枚の側壁を連結した後の連結棒の挿着過程を説明するための斜視図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立時において、図5で4枚の側壁を連結棒により連結固定した後に底壁を内部に収容して載置する過程を示す斜視図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの組立状態を示す平面図(上面側から見た図)である。
【図8】図8は図7のA−A線断面図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する第1の別例の組立式プランターを(連結棒及びコーナーカバーを取り外して)示す斜視図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの底壁の第1の例を示す底面図(組立式プランターを下面側から見た図)である。
【図11】図11は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する組立式プランターの底壁の第2の例を示す底面図(組立式プランターを下面側から見た図)である。
【図12】図12は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する第2の別例の組立式プランターを示す斜視図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する第2の別例の組立式プランターを積み重ねた状態を示す断面図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填容器としての用土充填ネットを示す斜視図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填して用土充填ネットの上端開口を絞った状態(運搬時の状態)を示す斜視図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを保護容器としての保護袋内に収容した状態を示す斜視図である。
【図17】図17は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを組立式プランター内に収容した状態を示す斜視図である。
【図18】図18は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する保護袋の底面に設けた破断線の一例を示す底面図である。
【図19】図19は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを組立式プランター内に収容する過程を示し、(a)は当該用土充填ネットを保護袋内に収容した状態で組立式プランター内に収容した状態を正面側から見て示す断面図、(b)は当該保護袋を底面の破断線で破断して組立式プランターから抜き取る状態を正面側から見て示す断面図である。
【図20】図20は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを組立式プランター内に収容した状態を正面から見て示す断面図(図17のB−B線断面図)である。
【図21】図21は本発明の実施の形態1に係る栽培システムで使用する用土充填ネットの内部に用土を充填し、同用土充填ネットを組立式プランター内に収容した状態を上面側から見て示す断面図(図17のC−C線断面図)であり、その一部を拡大して示す。
【図22】図22は本発明の実施の形態2に係る栽培システムで使用する園芸容器用底敷を組立式プランタの底壁に排水孔を覆うよう載置し、内部に用土を充填した用土充填ネットを当該組立式プランター内に収容した状態を正面側から見て示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10,10A:側壁、17,18:連結片、19:突条、31:連結棒
110,110A:連結片、119:突条、131:連結棒
210:用土充填ネット(用土充填容器)、211:ネット部、212:補強部
214:締結紐(締結手段)、215:管理タグ、M:用土、S:内部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に所定種類の用土を充填自在で、かつ、内部に充填した用土の余剰水を排水自在な用土充填容器と、前記用土充填容器に充填する用土の属性を表す管理タグとを備え、用土を充填した前記用土充填容器に対して前記管理タグを1対1の関係で関連付け、当該用土を充填した用土充填容器を前記管理タグにより管理すると共に、前記用土を前記用土充填容器ごと園芸容器の内部に収容して、前記用土充填容器に充填した用土により植物を栽培するようにしたことを特徴とする栽培システム。
【請求項2】
更に、前記用土を充填した前記用土充填容器を収容する園芸容器は、内面に突条を有し、前記用土を充填した前記用土充填容器を前記園芸容器に収容したときに、前記突条により前記園芸容器の内面と前記用土を充填した前記用土充填容器の外面との間に内部空間を形成して、前記内部空間により前記用土充填容器内の用土へと外気を供給自在とすると共に、前記内部空間により前記用土充填容器内の用土の余剰水を前記園芸容器の外部へと排水自在としたことを特徴とする請求項1記載の栽培システム。
【請求項3】
前記管理タグを前記用土充填容器に固着したことを特徴とする請求項1記載の栽培システム。
【請求項4】
前記用土充填容器は、前記用土の流出を阻止する孔径の多数の小孔を有する容器状をなすことを特徴とする請求項1記載の栽培システム。
【請求項5】
前記用土充填容器は、前記用土の流出を阻止するメッシュ粗さのネット部と、前記ネット部の上端開口部分を補強する補強部と、前記ネット部の上端開口を締結自在な締結手段とを有する用土充填ネットからなることを特徴とする請求項4記載の栽培システム。
【請求項6】
前記用土充填容器は、前記用土の流出を阻止する孔径の多数の小孔を穿設した合成樹脂製の容器状をなすことを特徴とする請求項4記載の栽培システム。
【請求項7】
前記園芸容器は、左右側縁で互いに連結及び分離自在とされた3枚以上の平板状の側壁と、前記3枚以上の側壁を連結して筒状体としたときに当該筒状体の底部に載置される底壁と、連結した側壁間の連結を維持する連結棒とを有する組立式プランターであり、前記組立式プランターは、各側壁の左端及び右端に、それぞれ、複数の連結片をその高さ寸法と同一の配置間隔で互い違いとなるよう交互に一体形成して、隣接する側壁の連結片を互いに噛合させて連結するようにし、更に、前記連結片の軸方向に挿着孔を貫通形成し、隣接する側壁の連結片を互いに噛合させて連結したときに互いに噛合した連結片の挿着孔が非円形の同一断面形状で直線状に連通するようにし、前記連結棒を前記挿着孔の断面形状と同一の非円形の断面形状として、前記連結棒を前記互いに噛合した連結片の挿着孔に装着することにより、前記連結棒により前記連結した側壁間の相対移動及び相対回動を阻止するようにしたことを特徴とする請求項2記載の栽培システム。
【請求項8】
前記園芸容器としての組立式プランターは、前記側壁として同一構成の4枚の側壁を有し、隣接する前記側壁の連結片を互いに噛合させることにより4枚の側壁を互いに連結して四角箱状に組立自在とされ、前記各側壁の内側面に前記突条を上下方向に延びるよう一体形成したことを特徴とする請求項7記載の栽培システム。
【請求項9】
前記用土充填容器は、前記園芸容器の内部に略全体を収容した状態で、その上端を前記園芸容器の上端に吊下げて支持自在とされ、前記園芸容器への吊下支持状態で、前記園芸容器の内面と前記用土を充填した前記用土充填容器の外面との間に内部空間を形成して、前記内部空間により前記用土充填容器内の用土へと外気を供給自在とすると共に、前記内部空間により前記用土充填容器内の用土の余剰水を前記園芸容器の外部へと排水自在としたことを特徴とする請求項1記載の栽培システム。
【請求項10】
前記用土充填容器の上端側の所定部分を、前記用土を充填した用土充填容器を前記園芸容器に収容したときに前記園芸容器の上端の開口から外部に露出する意匠部とし、前記意匠部には、前記用土に栽培する植物の意匠に対応した意匠を施したことを特徴とする請求項1記載の栽培システム。
【請求項11】
前記用土充填容器の上端側の所定部分を、前記用土を充填した用土充填容器を前記園芸容器に収容したときに前記園芸容器の上端の開口から外部に突出して、前記用土充填容器の用土に植えた植物の露出部分を除いて前記用土の表面を完全に被覆自在なネット状の被覆部とし、前記被覆部の開口内に前記植物の露出部分を配置すると共に、前記被覆部の開口を締結手段により絞って縮小自在としたことを特徴とする請求項1記載の栽培システム。
【請求項12】
内部に所定種類の用土を充填自在で、かつ、内部に充填した用土の余剰水を排水自在な容器状に形成され、前記用土を充填した状態で園芸容器の内部に収容自在とされることを特徴とする栽培システムの用土充填容器。
【請求項13】
請求項12記載の用土充填容器の上端を掛止して多数の用土充填容器を吊下支持自在な枠体を備え、前記枠体に多数の用土充填容器を吊下支持すると共に、各用土充填容器に所定の用土を充填して、前記用土充填容器の用土に対応する植物を一括して栽培するようにした栽培システム。
【請求項14】
左右側縁で互いに連結及び分離自在とされた3枚以上の平板状の側壁と、前記3枚以上の側壁を連結して筒状体としたときに当該筒状体の底部に載置される底壁と、連結した側壁間の連結を維持する連結棒とを備え、
各側壁の左端及び右端に、それぞれ、複数の連結片をその高さ寸法と同一の配置間隔で互い違いとなるよう交互に一体形成して、隣接する側壁の連結片を互いに噛合させて連結するようにし、更に、前記連結片の軸方向に挿着孔を貫通形成し、隣接する側壁の連結片を互いに噛合させて連結したときに互いに噛合した連結片の挿着孔が非円形の同一断面形状で直線状に連通するようにし、前記連結棒を前記挿着孔の断面形状と同一の非円形の断面形状として、前記連結棒を前記互いに噛合した連結片の挿着孔に装着することにより、前記連結棒により前記連結した側壁間の相対移動及び相対回動を阻止するようにしたことを特徴とする栽培システムの組立式プランター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−215405(P2007−215405A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35878(P2006−35878)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(598009500)
【Fターム(参考)】