説明

栽培プランター

【課題】天候に左右されず、害虫も防げる野菜や花を栽培できる栽培プランターを提供する。
【解決手段】栽培プランター1の水抜き穴7付き容器2と、それに丁番3で連結する枠体4は合成樹脂素材とするとともに、前記枠体4の内側に設けた突縁9の左右対向側に保持穴10を設け、該保持穴10に、コの字状に曲げ形成して成る二本の支持フレーム11を差し込んでから、該支持フレーム11に、覆い部材となる透明カバーを被せて後に保持枠棒14を前記支持フレーム11の根元まで差し込んで成る栽培プランター1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランターで野菜や花の栽培がし易く、かつ簡易な構造にして温室及び防虫機能を有する栽培プランターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、花や野菜の栽培が好きな人は多く、狭くても自宅の庭を利用したりする人が増え、最近は限られた大きさのプランターを用いて野菜や花など栽培する人が増えて居ることは知られている。
【0003】
また、室内などのように限られた空間で、土や腐葉土を用いて野菜や花、苗などの栽培ができる温室式の技術が提供されている。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献1】実用新案登録第3041687号公報
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のプランター栽培は、一般には長方形状のプラスチック容器に土を入れたプランターをベランダや玄関周りなどに置いて栽培するが、通常その上を覆う部材は使用しないため、強い雨や風など受けると栽培植物によっては傷んだり、虫がついて枯れてしまったり、また種を蒔いて芽が出たばかりのものは、寒い冬場は育ちにくく育てにくいなどの不便や欠点がある。
【0006】
さらに実用新案登録第3041687号公報に開示される技術は、底座に、その上方を覆うことができる透明な固定カバーと可動カバーとで構成し、その可動カバーを開閉自在とすることで水や肥料をやるのが便利であり、空気は流通させるが、水や虫の進入はさせない通気孔がカバー側面に設けたプランターである。
【0007】
しかしこのプランターは、底座面の上部に設けられている固定カバーと可動カバーも透明ではあるがビニールやネット素材のように柔らかで折りたためないので、保管や輸送の場合は場所を取る上、成形により形成する必要があるので製造コストにも高くなる。また持ち運びの取っ手なども無いので、外から室内又は他の場所に移動するにも運びにくい温室式プランターの技術である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記に示すような従来の不便や欠点を解消するために成されたもので、請求項1においては、栽培プランターの水抜き穴付き容器と、それに丁番で連結する枠体は合成樹脂素材とするとともに、前記枠体の内側に設けた突縁の左右対向側に保持穴を設け、該保持穴に、コの字状に曲げ形成して成る二本の支持フレームを差し込んでから、該支持フレームに覆い部材となる透明カバーを被せて後、保持枠棒を前記支持フレームの根元まで差し込んで成る栽培プランターとする。
【0009】
請求項2においては、前記する覆い部材がネットカバーで成る栽培プランターとする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるプランター栽培セットは、広口の容器に開閉自在な枠体を取り付け、その枠体に左右に差し込んだ二組の支持フレームに、保温のための透明カバー又は害虫を防ぐネットカバーを被せることができるので、若芽の頃は寒さを防止できる温室効果を得られ、かつ成長した後は害虫防止ができるネットカバーに取り替えて栽培することができるコンパクトで機能的な栽培プランターを提供する。
【0011】
また開閉する枠体に差し込んだ支持フレームや覆い部材となる透明カバーやネットカバーは取り外しできるので、全部取り外して室内に持ち込んだ場合は、野菜や花を観葉植物やミニ花壇として楽しむこともできるユニークにして、天候や害虫に左右されないプランターである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による栽培プランターの一部を開放した状態の斜視図である。
【図2】本発明による栽培プランターを示す側面図である。
【図3】本発明による栽培プランターを分解した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明による栽培プランターの覆い部材となる他の実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明による栽培プランターで野菜を栽培した状態を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における栽培プランターを図1に示す一部開放した斜視図と、図2に示す栽培プランターの側面視図、図3に示す覆い部材の分解斜視図と、図4に示す他の覆い部材となるネットカバーを示す斜視図、図5に示す栽培プランターで野菜を栽培する状態を示す参考図で説明する。
【0014】
本発明による栽培プランター1は、栽培に必要な土や腐葉土を入れる容器2と、その容器2の端部に、丁番3で連結して開閉する枠体4を合成樹脂素材で形成するとともに、前記枠体4に着脱できる2種類の覆い部材5が組み合わせられる栽培プランター1とする。
【0015】
以下、その構成を詳細に説明する。まず前記する容器2は、適度な深さで、かつ広口を成す大きさの底面6に4個の水抜き穴7,7を設けるとともに、底面6の下部四隅に低い軸足8,8を設けた容器2を合成樹脂で一体成型して成る矩形状の容器2を形成する。
【0016】
次に、その容器2の一方端部には、前記する容器2の広口と同じ大きさの枠体4を開閉自在に丁番3で取り付けるとともに、その枠体4の内側に突縁9,9を設け、かつ突縁9の短辺側の角部寄りに対向側と向かい合う部位4か所に小さな保持穴10,10を各二つ設け、その保持穴10,10にコの字状に曲げたワイヤー又は合成樹脂素材による支持フレーム11,11を差し込んで成る枠体4と前記容体2を形成する。尚、図3における丁番3の芯棒は図示しているが符号は省略する。
【0017】
さらに、以上のように形成して成る容器2の前部中ほどの縁部と、その対向側の枠体4に、突起と掛け留板による二つで一組とする係止具12,12を取り付けるとともに、前記枠体4の突縁9に設けた左右二つの保持穴10,10に差し込んだ二本の支持フレーム11,11に、ビニール等の透明カバー13を被せて後、細い保持枠棒14を根元まで差しこんで、覆い部材5となる透明カバー14を固定して成るプランター栽培セット1を構成する。
【0018】
以上のような栽培プランター1を形成するが、前記する覆い部材5は温室効果を得る透明カバー13であるが、他の実施例として、図4に示すように細かい網目で成る防虫のためのネットカバー15も採用できるものとする。
【0019】
本発明による栽培プランター1は、浅くて広口の容器2の長辺に丁番3により開閉自在とする覆い部材5の枠体4を取り付けた栽培プランター1であるので、容器2に土や腐葉土を入れて種を蒔いた若芽の時は、図5に示すようにビニール等の透明カバー13をセットすると、風雨を防いで温室生育を高める。また成長して大きくなった時は虫などの害虫を守るためのネットカバー15に取り替えられる。さらに支持フレーム11と覆い部材5は完全に取り外すこともできるので、室内に持ち込んで野菜や花を目でも観て楽しむこともできる。
【0020】
本発明による透明カバー13は透かして見えるが、太陽熱を取り込んでさらに温室効果を得るために黒色カバーでも差し支えない。また防虫ネットの網の目の大きさは問わない。加えて容器2と枠体4に取り付ける係止具は12、突起と掛け留め板の組み合わせであるが、他のいずれの係止具でもよく、いずれも特に限定するものではない。
【符号の説明】
【0021】
1 栽培プランター
2 容器
3 丁番
4 枠体
5 覆い部材
6 底面
7 水抜き穴
8 軸足
9 突縁
10 保持穴
11 支持フレーム
12 係止具
13 透明カバー
14 保持枠棒
15 ネットカバー
A 野菜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天候に左右されず、害虫も防げる野菜や花を栽培できる栽培プランターであって、前記する栽培プランターの水抜き穴付き容器と、それに丁番で連結する枠体は合成樹脂素材とするとともに、前記枠体の内側に設けた突縁の左右対向側に保持穴を設け、該保持穴に、コの字状に曲げ形成して成る二本の支持フレームを差し込んでから、該支持フレームに覆い部材となる透明カバーを被せて後、保持枠棒を前記支持フレームの根元まで差し込んで成る構成を特徴とする栽培プランター。
【請求項2】
前記する覆い部材が、ネットカバーで成る請求項1に記載する栽培プランター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−70720(P2012−70720A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231977(P2010−231977)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(592067926)
【Fターム(参考)】