説明

栽培容器

【課題】
長期間外出中でも自動的に給肥・給水ができる栽培容器を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明が上記課題を解決するために提供する栽培容器は、容器1と、同容器1の中に挿入し、その底部上に立ち上げた筒2と、同筒2の中に挿入し、前記容器1の底部の上に開口部において立ち上げたボトル3とより構成することを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の栽培容器は給肥や給水を継続して行わなければならず、人手の掛かる作業を必要とした。長期の外出中に栽培容器の中の植物が枯れてしまう危険があった。栽培容器の中の栽培用土が少量なので保水能力が低く、給水の多くは流出する。その際、栽培用土の中の肥料も水と一緒に流出し、肥料が不足してしまう問題もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
長期間外出しても自動的に給肥・給水ができる栽培容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が上記課題を解決するために提供する栽培容器は、次の(1)、(2)及び(3)に記載のものである。
(1)容器と、この容器の中に挿入し、その底部上に立ち上げた筒と、この筒の中に挿入し、前記容器の底部の上に開口部において立ち上げたボトルとより構成し、前記容器の底部上面とボトルの開口部との面接触部が水の流路となっていることを特徴とする栽培容器(以下、第1の栽培容器という)。
(2)前記面接触部に、更に水の流路を形成したことを特徴とする前記(1)記載の栽培容器(以下、第2の栽培容器という)。
(3)前記水の流路は、その大きさを調整する調整手段を備えていることを特徴とする前記(1)記載の栽培容器又は前記(2)記載の栽培容器(以下、第3の栽培容器という)。
前記容器の底部に溝を設けてもよい。
前記容器の底部に凸部又は凹部を設けてもよい。
前記ボトルの開口部の端面に凸部又は凹部を設けてもよい。
前記ボトルの開口部の側壁に水の通る切欠き部を設けてもよい。また、その切欠き部にはその大きさを調整する機構を設けてもよい。
前記ボトルの開口部の側壁に水の通る穴を設けてもよい。また、その穴にはその大きさを調整する弁を設けてもよい。
【発明の効果】
【0005】
花や野菜の栽培に必要な水や液肥を満たしたボトルを栽培容器の筒に差し込むだけで、長期間外出しても自動的に給肥・給水ができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施例1の平面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図2の要部拡大図
【図4】本発明の実施例2の要部断面拡大図
【図5】本発明の実施例3の要部断面拡大図
【図6】本発明の実施例4の要部断面拡大図
【図7】本発明の実施例5の要部断面拡大図
【図8】本発明の実施例6の要部断面拡大図
【図9】本発明の実施例7の平面図
【図10】図9のB−B断面図
【図11】図10の要部拡大図
【図12】本発明の実施例8の要部断面拡大図
【図13】本発明の実施例9の要部断面拡大図
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を実施するための最良の形態を実施例によって説明する。
図1から図3は、第1の栽培容器の実施例1を示す。
図4から図11は、第2の栽培容器の実施例2から実施例7を示す。
図12と図13は、第3の栽培容器の実施例8と実施例9を示す。
[第1の栽培容器の実施例]
【0008】
図1から図3は第1の栽培容器の実施例1を示す。
【実施例1】
【0009】
本発明の実施例1を図1、図2、及び図3により説明する。図1は全体構成図であり、図2はその断面図であり、図3は図2の要部断面拡大図である。
【0010】
[実施例1の構成について説明する]
【0011】
本実施例1の栽培容器は図2に示すように容器1と、同容器1の中に挿入し、その底部上に立ち上げた筒2と、同筒2の中に挿入し、前記容器1の底部の上に開口部3aにおいて立ち上げたボトル3とより構成され、さらに栽培用土5を前記筒2の内側を除き、前記容器1の内側に必要量満たしている。
【0012】
[実施例1の機能について説明する]
【0013】
図3により説明する。前記ボトル3の中に水や液肥4を必要量満たした同ボトル3の開口部3aを先頭に、同ボトル3を前記筒2に素早く挿入すると、水や液肥4はボトル3よりこぼれ、水や液肥4の水位は、ボトル3の開口部3aと容器1の底部上面との接触面より上の水位Lとなる。このときボトル3の中の水や液肥4は放出されないで、同ボトル3内にとどまっている。
【0014】
前記筒2の底部に溜った水や液肥4は同筒2底部から外に浸透し、さらに栽培用土5の上部へ浸透していき、前記筒2の中の水位Lが下がる。水位Lが前記容器1の底部まで下がると、同容器1底部の歪みや凸凹、又は前記ボトルが斜めに挿入されることによる前記容器1底部上面とボトル3の開口部3aとの隙間から同ボトルの中の水や液肥4は放出される。放出された水や液肥4は筒2底部から外に浸透していく。ボトル3から放出される水や液肥4の量より、筒2の底部から外に浸透していく水や液肥4のほうが少なければ、水位Lがある程度上がった段階でボトル3からの放出は停止される。
矢符は水の流れ方向を示す。
【0015】
前記ボトル3内の水や液肥4がなくなるまで、上述のように、同ボトル3から同ボトル3内の水や液肥4を容器1の底部とボトル3の開口部3aとの隙間から水や液肥4が放出され、前記筒2底部から前記容器1内の栽培用土5に必要な水や液肥4を供給する。
[第2の栽培容器の実施例]
【0016】
次は第2の栽培容器の実施例について説明する。
第2の栽培容器の実施例は実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6及び実施例7である。
【実施例2】
【0017】
本発明の実施例2を図4により説明する。図4は実施例2の要部断面拡大図である。
[実施例1と異なる点]
【0018】
実施例2に使用している金網6は、ボトル3の開口部3aと容器1の底部上面との間に通気性および通水性のある隙間を設けて、水や液肥4を放出し易くしている。また、筒の中に異物が混入しないように底と側壁のあるフタ7を設けている。
金網6とフタ7を設けていることが、実施例1に比べて異なる点である。
【0019】
[実施例2の構成について説明する]
【0020】
本実施例2の栽培容器は容器1と、同容器1の中に挿入し、その底部上に立ち上げた筒2と、同筒2の中に挿入し、前記容器1の底部の上に設けた金網7と、同金網7の上に開口部3aにおいて立ち上げたボトル3と、同ボトル3と前記筒2の上にかぶせる側壁のあるフタ7とより構成され、さらに栽培用土5を前記筒2の内側を除き、前記容器1の内側に必要量満たしている。
【0021】
[実施例2の機能について説明する]
【0022】
前記ボトル3の中に水や液肥4を必要量満たした同ボトル3の開口部3aを先頭に、同ボトル3を前記筒2に素早く挿入すると、水や液肥4はボトル3よりこぼれ、水や液肥4の水位は、金網6の上の前記ボトル3開口部3aより上の水位Lとなる。このとき同ボトル3の中の水や液肥4は放出されないで、同ボトル3内にとどまっている。
【0023】
前記筒2の底部に溜った水や液肥4は、同筒2底部から外に浸透し、さらに栽培用土5の上部へ浸透していき、前記筒2の底部の水位Lが下がる。同水位Lが金網6の上の前記ボトル3開口部3aより下がると、同ボトル3の中の水や液肥4が流出し、筒2の底部の水位Lが上がる。矢符は水の流れ方向を示す。
【0024】
前記ボトル3内の水や液肥4が放出され、筒2の底部の水位Lが前記ボトル3の開口部3aより上がると、同ボトル3内の水や液肥4の放出は停止される。
【0025】
前記ボトル3内の水や液肥4がなくなるまで、上述のように、同ボトル3から同ボトル3内の水や液肥4の、放出・停止を繰り返し、その間、前記容器1内の栽培用土5に必要な水や液肥4を供給する。
【0026】
本実施例2の特徴は、ボトル3内の水や液肥4の放出を容易にするため、同ボトル3の開口部3aと容器の底面とに金網6を設けたことと、筒2のフタ7を設けたことである。
【実施例3】
【0027】
本発明の実施例3を図5により説明する。図5は実施例3の要部断面拡大図である。
[実施例1と異なる点]
【0028】
実施例3に使用しているボトル3の開口部3aの側壁3b外径に嵌った開口8aのある巻ブッシュ8は、ボトル3の開口部3aと容器1の底部上面との間に隙間H2を設け、開口8aが水や液肥4の放出口になっている。また、筒の中に異物が混入しないように天板に足のついたフタ9を設けている。
巻ブッシュ8とフタ9を設けていることが、実施例1に比べて異なる点である。
【0029】
[実施例3の構成について説明する]
【0030】
本実施例3の栽培容器は容器1と、同容器1の中に挿入し、その底部上に立ち上げた筒2と、同筒2の中に挿入し、前記容器1の底部の上にボトル3の開口部3aの側壁3b外径に嵌った巻ブッシュ8の端面において立ち上げたボトル3と、同ボトル3と前記筒2の上にかぶせる天板に足の付いたフタ9とより構成され、さらに栽培用土5を前記筒2の内側を除き、前記容器1の内側に必要量満たす。
【0031】
[実施例3の機能について説明する]
【0032】
前記ボトル3の中に水や液肥4を必要量満たした同ボトル3の開口部3aの側壁3b外径に嵌った巻ブッシュ8を先頭に、同ボトル3を前記筒2に素早く挿入すると、水や液肥4はボトル3よりこぼれ、水や液肥4の水位は、ボトル3の開口部3a高さH2より上の水位Lとなる。このときボトル3の中の水や液肥4は放出されないで、同ボトル3内にとどまっている。
【0033】
前記筒2の底部に溜った水や液肥4は筒2底部から外に浸透し、さらに栽培用土5の上部へ浸透していき、前記筒2の底部の水位Lが下がる。水位Lがボトル3開口部3a高さH2より下がると、同ボトル3の中の水や液肥4はボトル3開口部3aより巻きブッシュ8の開口8aを通り、前記筒2の底部に放出され、同筒2の内側の水位Lが上がる。
矢符は水の流れ方向を示す。
【0034】
前記ボトル3内の水や液肥4が放出され、前記筒2の底部の水位Lがボトル3開口部3a高さH2より上がると、同ボトル3内の水や液肥4の放出は停止される。
【0035】
前記ボトル3内の水や液肥4がなくなるまで、上述のように、同ボトル3から同ボトル3内の水や液肥4の、放出・停止を繰り返し、その間、前記容器1内の栽培用土5に必要な水や液肥4を供給する。
【0036】
本実施例3の特徴は、ボトル3内の水や液肥4の放出を容易にするためボトル3の側壁3bに、ボトル開口部と容器1の底部とに隙間H2のできる開口8aのある巻きブッシュ8設けたことと、フタ9を設けたことである。
【実施例4】
【0037】
本発明の実施例4を図6により説明する。図6は実施例4の要部断面拡大図である。
[実施例1と異なる点]
【0038】
実施例4に使用しているボトル3の開口部3aの側壁3bに巻いた巻線10は、ボトル3の開口部3aと容器1の底部上面との間に隙間H3を設けている。また、筒の中に異物が混入しないように折り曲げたフタ11を設けている。
巻線10とフタ11を設けていることが、実施例1に比べて異なる点である。
【0039】
[実施例4の構成について説明する]
【0040】
本実施例4の栽培容器は容器1と、同容器1の中に挿入し、その底部上面に立ち上げた筒2と、同筒2の中に挿入し、前記容器1の底部の上にボトル3の開口部3aの側壁3bに巻いた巻線10の端面において立ち上げたボトル3と、前記巻線10と、前記ボトル3と前記筒2の上の折り曲げたフタ11とより構成され、さらに栽培用土5を前記筒2の内側を除き、前記容器1の内側に必要量満たす。
【0041】
[実施例4の機能について説明する]
【0042】
前記ボトル3の中に水や液肥4を必要量満たした同ボトル3の開口部3aの側壁3bに巻いた巻線10を先頭に、同ボトル3を前記筒2に素早く挿入すると、水や液肥4はボトル3よりこぼれ、水や液肥4の水位は、ボトル3開口部3a高さH3より上の水位Lとなる。このときボトル3の中の水や液肥4は放出されないで、同ボトル3内にとどまっている。
【0043】
前記筒2の底部に溜った水や液肥4は筒2の底部から外に浸透し、さらに栽培用土5の上部へ浸透していき、前記筒2の底部の水位Lが下がる。水位Lがボトル3開口部3a高さH3より下がると、同ボトル3の中の水や液肥4が放出され、筒2の底部の水位Lが上がる。
矢符は水の流れ方向を示す。
【0044】
前記ボトル3内の水や液肥4が放出され、筒2の底部の水位Lがボトル3の開口部3a高さH3より上がると、同ボトル3内の水や液肥4の放出は停止される。
【0045】
前記ボトル3内の水や液肥4がなくなるまで、上述のように、同ボトル3から同ボトル3内の水や液肥4の、放出・停止を繰り返し、その間、前記容器1内の栽培用土5に必要な水や液肥4を供給する。
【0046】
本実施例4の特徴は、ボトル3内の水や液肥4の放出を容易にするためボトル3の開口部3aの側壁3bに、同ボトル開口部3aと容器1の底部とに隙間H3のできる巻線10を設けたことと、フタ11を設けたことである、
【実施例5】
【0047】
本発明の実施例5を図7により説明する。図7は実施例5の要部断面拡大図である。
[実施例1と異なる点]
【0048】
実施例5に使用している容器12は同容器12の底部上面にボトル3の開口部3a開口径より小さな幅と深さH4の溝12aを縦横に設けている。同溝12aを設け、同容器12の底部上面にボトル3の開口部3aにおいて立ち上げた、同ボトル3の開口部3aより水や液肥4が放出されやすいようになっている。
前記容器12の底部上面に溝12aを設けていることが、実施例1に比べ、異なる点である。
【0049】
[実施例5の構成について説明する]
【0050】
本実施例5の栽培容器は容器の底部上面にボトルの開口部開口口径より小さな幅と深さH4の溝12aを持つ容器12と、同容器12の中に挿入し、その底部上面に立ち上げた筒2と、同筒2の中に挿入し、前記容器12の底部の上に開口部において立ち上げたボトル3とより構成され、さらに栽培用土5を前記筒2の内側を除き、前記容器1の内側に必要量満たす。
【0051】
[実施例5の機能について説明する]
【0052】
前記ボトル3の中に水や液肥4を必要量満たした同ボトル3の開口部3aを先頭に、同ボトル3を前記筒2に素早く挿入すると、水や液肥4はボトル3よりこぼれ、水や液肥4の水位は、ボトル3の開口部3aより上の水位Lとなる。このときボトル3の中の水や液肥4は放出されないで、同ボトル3内にとどまっている。
【0053】
前記筒2の底部に溜った水や液肥4は筒2底部から外に浸透し、さらに栽培用土5の上部へ浸透していき、前記筒2の底部の水位Lが下がる。水位Lが前記ボトル3の開口部3aの高さH4より下がると、同ボトル3の中の水や液肥4は放出され、筒2の底部の水位Lが上がる。
矢符は水の流れ方向を示す。
【0054】
前記ボトル3内の水や液肥4が放出され、筒2の底部の水位Lが前記ボトル3の開口部3a高さH4より上がると、同ボトル3内の水や液肥4の放出は止まる。
【0055】
前記ボトル3内の水や液肥4がなくなるまで、上述のように、同ボトル3から同ボトル3内の水や液肥4の、放出・停止を繰り返し、その間、前記容器12内の栽培用土5に必要な水や液肥4を供給する。
【0056】
本実施例5の特徴は、ボトル3内の水や液肥4の放出を容易にするため、容器の底部上面に溝を設けたことである。
【実施例6】
【0057】
本発明の実施例6を図8により説明する。図8は実施例6の要部断面拡大図である。
[実施例1と異なる点]
【0058】
実施例6に使用しているボトル13は、同ボトル13の開口部13aに水や液肥4が放出し易いように切欠き部13cを設けている。
同切欠き部13cを設けていることが実施例1に比べ、異なる点である。
【0059】
[実施例6の構成について説明する]
【0060】
本実施例6の栽培容器は容器1と、同容器1の中に挿入し、その底部上に立ち上げた筒2と、同筒2の中に挿入し、前記容器1の底部の上に切欠き部13cのある開口部13aにおいて立ち上げたボトル13とより構成され、さらに栽培用土5を前記筒2の内側を除き、前記容器1の内側に必要量満たす。
【0061】
[実施例6の機能について説明する]
【0062】
前記ボトル13の中に水や液肥4を必要量満たした同ボトル13の開口部13aを先頭に同ボトル13を前記筒2に素早く挿入すると、水や液肥4はボトル13よりこぼれ、水や液肥4の水位は、ボトル13の切欠き高さH5の切欠き部13cより上の水位Lとなる。このときボトル13の中の水や液肥4は放出されないで、同ボトル13内にとどまっている。
【0063】
前記筒2の底部に溜った水や液肥4は同筒2の底部から外に浸透し、さらに栽培用土5の上部へ浸透していき、前記筒2の底部の水位Lが下がる。水位Lが前記ボトル13の開口部13aの切り欠き部13cの切り欠き高さH5より下がると、同ボトル13の中の水や液肥4が流出し、筒内の水位Lが上がる。
矢符は水の流れ方向を示す。
【0064】
前記ボトル13内の水や液肥4が放出され、筒2の底部の水位Lが前記ボトル13の開口部13aの切欠き部13c高さH5より上がると、同ボトル13内の水や液肥4の放出は停止される。
【0065】
前記ボトル6内の水や液肥4がなくなるまで、上述のように、同ボトル13から同ボトル13内の水や液肥4の、放出・停止を繰り返し、その間、前記容器1内の栽培用土5に必要な水や液肥4を供給する。
【0066】
本実施例13の特徴は、ボトル13内の水や液肥4の放出を容易にするため、ボトル13の開口部13aに切欠き部13cを設けたことである。
【実施例7】
【0067】
本発明の実施例7を図9、図10及び図11により説明する。図9は全体構成図であり、図10はそのB−B断面図であり、図11は図10の要部拡大図である。
[実施例1と異なる点]
【0068】
実施例7の栽培容器に使用する容器14は、下部が皿状に張り出した張り出し部14aを有する。ボトルを挿入する筒15は前記容器14の張り出し部14aの底部上面14bの上に立ち上げる。
前記容器14の下部が一部皿状に張り出し、その底部上面14bに筒15及びボトル13を立ち上げていることが、実施例1に比べ異なる点である。
【0069】
[実施例7の構成について説明する]
【0070】
図10により説明する。本実施例7の栽培容器は、容器の下部を一部皿状に張り出した容器14と、同容器14の張り出し部14aに挿入し、その底部上面14b上に立ち上げた筒15と、同筒15の中に挿入し、前記容器14張り出し部14aの底部上面14bの上に開口部13aにおいて立ち上げた、開口部13aに切欠き部13cのあるボトル13とより構成され、図10に示すように栽培用土5を前記筒2の内側を除き、前記容器14の内側に必要量満たす。また、前記容器14の張り出し部14aの張り出し根元部は開口14cがあり、容器14内の栽培用土5は途切れることなく連続している。
【0071】
[実施例7の機能について説明する]
【0072】
図11により説明する。前記ボトル13の中に水や液肥4を必要量満たした同ボトル13の開口部13aを先頭に、同ボトル13を前記筒15に素早く挿入すると、水や液肥4はボトル13よりこぼれ、水や液肥4の水位は、ボトル13の切欠き部13c切欠き高さH5より上の水位Lとなる。このときボトル13の中の水や液肥4は流れ出ないで同ボトル13内にとどまっている。
【0073】
前記筒15の底部に溜った水や液肥4は筒15の底部から外に浸透し、さらに栽培用土5の上部へ浸透していき、前記筒15の底部の水位Lが下がる。同水位Lが前記ボトル13の開口部13aの切欠き部13c高さH5より下がると、同ボトル13の中の水や液肥4は放出され、筒2の底部の水位Lが上がる。
矢符は水の流れ方向を示す。
【0074】
前記ボトル13内の水や液肥4が放出され、筒2の底部の水位Lが前記ボトル13の開口部13aの切欠き部13c高さH5より上がると、同ボトル13内の水や液肥4の放出は停止される。
【0075】
前記ボトル13内の水や液肥4がなくなるまで、上述のように、同ボトル13から同ボトル13内の水や液肥4の、放出・停止を繰り返し、その間、前記容器14内の栽培用土5に必要な水や液肥4を供給する。
【0076】
本実施例7の特徴は、容器の下部に一部皿状の張り出し部を設けたことと、ボトル13内の水や液肥4の放出を容易にするため、ボトル13の開口部13aに切欠き部13cを設けたことである。
【0077】
[第3の栽培容器の実施例]
【0078】
次に、第3の栽培容器の実施例について説明する。
第3の栽培容器の実施例は実施例8及び実施例9である。
【実施例8】
【0079】
本発明の実施例8を図12により説明する。図12は実施例8の要部断面拡大図である。
[実施例1と異なる点]
【0080】
実施例8に使用しているボトル13の開口部13aには切り欠き部13cがある。開口部13aの側壁13b外径に嵌っている、巻ブッシュ16は、同巻ブッシュ16の先端を斜めに切り落とした斜面16aの位置をボトル13の開口部13aの切欠き部13cとの相対位置をずらすことにより、水や液肥4の放出口となっている切り欠き部13cの切欠き部高さH5を放出口高さH6に変え、放出量を調整することができる。
水や液肥4の放出量を調整できる巻ブッシュ13を設けていることが、実施例1に比べて異なる点である。
【0081】
[実施例8の構成について説明する]
【0082】
本実施例8の栽培容器は容器1と、同容器1の中に挿入し、その底部上面に立ち上げた筒2と、同筒2の中に挿入し、前記容器1の底部の上に開口部おいて立ち上げたボトル13と、ボトル13の開口部13aの側壁13b外径に嵌り、開口部13a側の先端を斜めに切り落とされた巻ブッシュ16とより構成され、さらに栽培用土5を前記筒2の内側を除き、前記容器1の内側に必要量満たす。
【0083】
[実施例8の機能について説明する]
【0084】
前記ボトル13の中に水や液肥4を必要量満たした同ボトル13の開口部13aを先頭に、同ボトル13を前記筒2に素早く挿入すると、水や液肥4はボトル13よりこぼれ、水や液肥4の水位は、前記筒2の底部の水や液肥の水位は放出口高さH6より上の水位Lとなる。このときボトル13の中の水や液肥4は流れ出ないで同ボトル13内にとどまっている。
【0085】
前記筒2の底部に溜った水や液肥4は筒2底部から外に浸透し、さらに栽培用土5の上部へ浸透していき、前記筒2の底部の水位Lが下がる。水位Lが放出口高さH6より下がると、同ボトル13の中の水や液肥4は放出され、筒2の底部の水位Lが上がる。
矢符は水の流れ方向を示す。
【0086】
前記ボトル13内の水や液肥4が放出され、筒2の底部の水位Lが放出口高さH5より上がると、同ボトル13内の水や液肥4の放出は停止される。
【0087】
前記ボトル13内の水や液肥4がなくなるまで、上述のように、同ボトル13から同ボトル13内の水や液肥4の、放出・停止を繰り返し、その間、前記容器1内の栽培用土5に必要な水や液肥4を供給する。
【0088】
本実施例8の特徴は、ボトル13内の水や液肥4の放出量を調節できる巻ブッシュ16を設けていることである。
【実施例9】
【0089】
本発明の実施例9を図13により説明する。図13は実施例9の要部断面拡大図である。
[実施例1と異なる点]
【0090】
実施例9に使用しているボトル17の開口部17aの側壁17bには弁取付けブロック17cが取付けられている。同弁取付けブロック17cには弁18が取付けられている。同弁18の先にはボトルの水や液の放出穴17dが開けられおり、弁18の先端部の進入程度により、ボトル17の水や液肥4の放出量が調整できる。前記弁18のネジ部にはロックナット19が取付けられ、調整した放出量を固定できる。
実施例9は、水や液肥の放出量を調整できる弁18を設けていることが、実施例1に比べて異なる点である。
【0091】
[実施例9の構成について説明する]
【0092】
本実施例9の栽培容器は容器1と、同容器1の中に挿入し、その底部上面に立ち上げた筒2と、同筒2の中に挿入し、前記容器1の底部の上にボトル開口部おいて立ち上げ、同ボトルの開口部17a側壁17bに取付けた弁取付けブロック17cを取付けたボトル14と、同弁取付けブロック17cに取付けられた絞り弁18と、同絞り弁18の調整位置を固定するロックナット19とより構成され、さらに栽培用土5を前記筒2の内側を除き、前記容器1の内側に必要量満たす。
前記絞り弁18の先端鋭角部の先には、水や液肥4の放出穴17dが開口部側壁に開いている。水や液肥4は放出穴17dと絞り弁の先端鋭角部との隙間を通り、弁取付けブロック17cの下側の放出口17eを通り、筒2の底部に放出される。
空気取り入れの穴を開口部側壁17bに開けてもよい。
【0093】
[実施例9の機能について説明する]
【0094】
前記ボトル17の中に水や液肥4を必要量満たした同ボトル17の開口部17aを先頭に、同ボトル17を前記筒2に素早く挿入すると、水や液肥4はボトル17よりこぼれ、水や液肥4の水位は、ボトル17開口部側壁部17bの放出穴17d高さH7より上の水位Lとなる。このときボトル17の中の水や液肥4は流れ出ないで同ボトル17内にとどまっている。
【0095】
前記筒2の底部に溜った水や液肥4は筒2底部から外に浸透し、さらに栽培用土5の上部へ浸透していき、前記筒2の中の水位Lが下がる。水位Lがボトル17開口部側壁部17bの放出穴17d高さH7より下がると、同ボトル17の中の水や液肥4は放出穴17dと絞り弁の先端鋭角部との隙間を通り、弁取付けブロック17cの下側の放出口17eを通り、筒2の底部に放出され、筒2底部の水位Lが上がる。
矢符は水の流れ方向を示す。
絞り弁の先端鋭角部の先と放出穴の隙間の程度により、水や液肥4の放出量を調整することができる。
水や液肥4の放出に対応する、空気流入用の穴を開口部側壁に開けてもよい。
【0096】
前記ボトル17内の水や液肥4が放出され、筒内の水位Lが前記ボトル17開口部側壁部17bの放出穴17d高さH7より上がると、同ボトル17内の水や液肥4の放出は停止される。
【0097】
前記ボトル17内の水や液肥4がなくなるまで、上述のように、同ボトル17から同ボトル17内の水や液肥4の、放出・停止を繰り返し、その間、前記容器1内の栽培用土5に必要な水や液肥4を供給する。
【0098】
本実施例9の特徴は、ボトル17内の水や液肥4の放出量を調節できる絞り弁18を設けていることである。
【符号の説明】
【0099】
1 容器
2 筒
3 ボトル
3a 開口部
3b 開口部側壁
3c 開口部切欠き
4 水や液肥
5 栽培用土
6 金網
7 フタ
8 巻ブッシュ
8a 巻ブッシュ開口
9 フタ
10 巻線
11 フタ
12 容器
12a 容器底部の溝
13 ボトル
13a 開口部
13b 開口部側壁
13c 開口部切欠き
14 容器
14a 容器下部の張り出し部
14b 容器下部の張り出し部の底部
14c 容器下部の開口部
15 筒
16 斜めカットのある巻ブッシュ
16a 巻ブッシュの斜面部
17 ボトル
17a 開口部
17b 開口部側壁
17c 弁取付けブロック
17d 放出穴
17e 弁取付けブロック放出口
18 絞り弁
19 ロックナット
H1 金網を挟んだボトル開口部と容器底部との隙間
H2 巻ブッシュに持ち上げられたボトル開口部と容器底部との隙間
H3 巻線に持ち上げられたボトル開口部と容器底部との隙間
H4 容器の溝深さ
H5 ボトル開口部の切欠き高さ
H6 巻ブッシュの斜面部により調節された放出部高さ
H7 ボトル開口部側壁の放出穴高さ
L 水位
← 水の流れ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、この容器の中に挿入し、その底部上に立ち上げた筒と、この筒の中に挿入し、前記容器の底部の上に開口部において立ち上げたボトルとより構成し、前記容器の底部上面とボトルの開口部との面接触部が水の流路となっていることを特徴とする栽培容器。
【請求項2】
前記面接触部に、更に水の流路を形成したことを特徴とする請求項1記載の栽培容器。
【請求項3】
前記水の流路は、開口部の側壁に設け、その大きさを調整する調整手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2の栽培容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−147433(P2011−147433A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41769(P2010−41769)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(309040505)有限会社 エフ・アイエンジニアリング (12)
【Fターム(参考)】