栽培装置
【課題】藻の繁殖を抑制し、効率よく培養液を殺菌できる栽培装置を提供する。
【解決手段】 植物を水耕栽培するための培地が収容される栽培槽と、植物を水耕栽培するための培養液が収容される遮光タンクと、遮光タンクから栽培槽へ培養液を供給する供給管と、栽培槽から遮光タンクへ培地を流れた培養液を排出する回収管と、遮光タンク内に設けられ、培養液を殺菌する光触媒体と、遮光タンク内に設けられ、培養液を殺菌可能な略400nm以下の波長の光を光触媒対に向けて発光する光源とを備えた栽培装置。
【解決手段】 植物を水耕栽培するための培地が収容される栽培槽と、植物を水耕栽培するための培養液が収容される遮光タンクと、遮光タンクから栽培槽へ培養液を供給する供給管と、栽培槽から遮光タンクへ培地を流れた培養液を排出する回収管と、遮光タンク内に設けられ、培養液を殺菌する光触媒体と、遮光タンク内に設けられ、培養液を殺菌可能な略400nm以下の波長の光を光触媒対に向けて発光する光源とを備えた栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌を用いず、植物の生育に必要な栄養を含んだ培養液によって、植物を栽培する水耕栽培が一般に知られている。水耕栽培では、例えば、培養液が収容される培養液タンクから、植物を植え込むための培地が収容される栽培槽へ、供給管を介して培養液が供給される。そして、培地を流れた培養液が、回収管を介して培養液タンクへ戻される。つまり、培地を流れた培養液を循環させて使用している。これにより、水耕栽培では、栽培槽内の一部の植物が病原菌に感染すると、この病原菌が培養液中に侵入して、栽培槽内の全植物に行き渡る等、病害が蔓延しやすい。
【0003】
そこで、植物の水耕栽培において、培養液を介して病気が伝染することを防ぐために、培養液を殺菌して植物に供給する栽培装置が知られている。この栽培装置は、例えば、前述した供給管及び回収管によって栽培槽と培養液タンクとの間を循環する培養液の循環経路とは別途に、培養液を循環させる殺菌経路を備えている。この殺菌経路の途中には、光触媒を内側面に塗布した殺菌管が設けられ、培養液が培養液タンクからこの殺菌管を通って、また培養液タンクに戻されるように殺菌経路が形成されている。そして、この殺菌管に太陽光等の光を照射することで、光触媒の殺菌作用を得て、殺菌経路を通過する培養液を殺菌する(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−274773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光触媒によって培養液を殺菌する場合、光を照射して活性化させた光触媒に培養液を接触させる必要がある。このため、前述した栽培装置では、光触媒と接触する箇所以外において光が照射された培養液中には、光合成が促進された藻類が増殖してしまう虞がある。培養液中に藻類が増殖すると、植物へ供給するための培養液中の養分が藻類に奪われ、植物の生育が阻害される虞がある。また、増殖した藻類が培養液の循環経路等を詰まらせてしまう虞や、藻類の死がいが悪臭等の原因となる虞がある。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、藻類の繁殖を抑制しつつ、効率よく培養液を殺菌できる栽培装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための発明は、植物を水耕栽培するための培地が収容される栽培槽と、前記植物を水耕栽培するための培養液が収容される遮光タンクと、前記遮光タンクから前記栽培槽へ前記培養液を供給する供給管と、前記栽培槽から前記遮光タンクへ前記培地を流れた培養液を排出する回収管と、前記遮光タンク内に設けられ、前記培養液を殺菌する光触媒体と、前記遮光タンク内に設けられ、前記培養液を殺菌可能な略400nm以下の波長の光を前記光触媒対に向けて発光する光源とを備えた栽培装置である。
【0008】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、藻類の繁殖を抑制しつつ、効率よく培養液を殺菌できる栽培装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1及び第2の実施形態にかかる栽培装置を用いた緑化システムが工場の屋根に設置された場合の外観を示す斜視図である。
【図2】第1及び第2の実施形態にかかる栽培装置の栽培槽を説明するための断面図である。
【図3】第1の実施形態にかかる栽培装置の培養液循環ユニットを説明するための系統図である。
【図4】第2の実施形態にかかる栽培装置の培養液循環ユニットを説明するための系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
<<<第1の実施形態にかかる栽培装置について>>>
===栽培装置の外観構成===
本実施形態にかかる栽培装置は、例えば緑化システムに用いられる。そこで、図1を参照しつつ、緑化システムに用いられた本実施形態にかかる栽培装置1の外観構成について説明する。緑化システムは、例えば、工場等の屋根7の表面をつる性の植物8によって緑化する目的で設置され、栽培装置1と、網材6とを備えている。
【0013】
栽培装置1は、植物8を水耕栽培するために、栽培槽2と、培養液循環ユニット3と、供給管4と、回収管5とを備えている。この栽培装置1では、植物8を植え込むための培地9(図2を用いて後述する)が栽培槽2に収容されている。また、植物8を培養するための養分を含んだ培養液が培養液循環ユニット3の後述する遮光タンク301に収容されている。そして、培養液循環ユニット3の遮光タンク301内の培養液が供給管4を介して栽培槽2内の培地9に供給される。また、植物8に吸収されずに培地9を流れた培養液が回収管5を介して栽培槽2から培養液循環ユニット3の遮光タンク301へ排出される。つまり、栽培装置1では、栽培槽2内の培地9を流れた培養液が回収管5、培養液循環ユニット3、供給管4を介して、再び栽培槽2内の培地9に供給されるように、栽培装置1の内部を循環している。
【0014】
栽培槽2は、例えば屋根7の頂上部に設けられている。尚、栽培槽2の内部に定植される植物8としては、例えば耐寒性及び耐暑性に優れ、つるが垂下するという観点からウコギ科のつる性植物が好適に用いられる。ウコギ科のつる性植物としては、ヘデラ・ヘリックス、ヘデラ・アルジェニシス、ヘデラ・コルシカ、ヘデラ・ハイバニカ等が挙げられる。この植物8のつるは、栽培槽2に設けられた開口22から栽培槽2の外部へ伸びて行き、網材6を介して屋根7を覆うように垂下していく。尚、栽培槽2の詳細については後述する。
【0015】
供給管4は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、培養液循環ユニット3の遮光タンク301から栽培槽2内の培地9へ培養液を導くための管状部材である。回収管5は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、植物8に吸収されずに培地9を流れた培養液を培養液循環ユニット3の遮光タンク301へ導くための管状部材である。
【0016】
培養液循環ユニット3は、例えば地上に設けられ、培養液が収容される遮光タンク301や、供給管4を介して遮光タンク301から栽培槽2まで培養液を汲み上げるための吸水ポンプ307等を備えている。尚、培養液循環ユニット3の詳細については後述する。
【0017】
網材6は、栽培槽2の開口22から伸長する植物8のつるを支持するための部材であり、屋根7の表面に沿って配置されている。これによって、日光の照射によって高温になった屋根7の表面に植物8が直接触れてしまうことを防ぎ、植物8をより確実に生育できる。
【0018】
===栽培槽===
栽培装置1に備えられる栽培槽2の構成について、図2を参照しつつ説明する。栽培槽2は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、上面が開放された直方体状の栽培槽本体2Aと、栽培槽本体2Aの上面の開口を上方から覆う槽蓋2Bとから構成されている。
【0019】
栽培槽本体2Aは、供給口20と、排水口21と、開口22(図1を参照)とを有している。直方体状の栽培槽本体2Aを構成する短辺側の側板のうち、一方側の側板(上流側板)に供給口20が形成され、他方側の側板(下流側板)に排水口21が形成されている。また、栽培槽本体2Aを構成する長辺側の両側板に夫々複数の開口22が形成されている。
【0020】
栽培槽本体2Aの内部には、植物8を培養するための培地9が収容されている。培地9には、例えば、圧縮成形したピートモス等の透水性素材からなるポット10で育苗された植物8が、ポット10ごと植え込まれている。これにより、培地9に植物8を定植する際に、植物8の根を傷めてしまうことを防止できる。また、定植した植物8を培地9に徐々に順応させることができる。よって、植物8をより確実に生育することができる。尚、培地9には、例えば、栽培槽本体2Aの長手方向に沿って、略等間隔となるように、複数の植物8が植え込まれている。
【0021】
供給口20は、供給管4の外径と略等しい長さの直径を有する円形状の開口であり、栽培槽本体2Aに収容された培地9の表面よりも上方に配置されている。この供給口20から栽培槽本体2Aの内部に挿通される供給管4によって、培地9に植え込まれた植物8に培養液が供給される。具体的には、供給口20から栽培槽本体2A内に挿通された供給管4は、栽培槽本体2Aの長手方向に沿って延在し、培地9の表面に載置されている。この培地9の表面に載置された供給管4の側面には、培養液を噴射させるため噴射口4Aが長手方向に沿って複数形成されているため、培養液循環ユニット3の遮光タンク301からから供給管4に送られた培養液が、噴射口4Aを介して、培地9の表面に散水される。この散水された培養液が培地9の表面から栽培槽本体2A内の底面に向かって浸透することで、植物8の根に培養液が供給される。
【0022】
排水口21は、回収管5の外径と略等しい長さの直径を有する円形状の開口であり、栽培槽本体2A内の底面側に配置されている。この排水口21には回収管5が挿通されている。この回収管5によって、培地9に供給された培養液のうち、植物8に吸収されずに栽培槽本体2Aの底面近傍まで流下した余剰の培養液が、培養液循環ユニット3の遮光タンク301へ排出される。具体的には、排水口21から栽培槽本体2Aの内部に挿通された回収管5は、栽培槽本体2A内の底面近傍を長手方向に沿って延在している。そして、栽培槽本体2Aの内部において、回収管5は、上流側板側の端部から、排水口21側に向かって、わずかに下り傾斜するように、培地9に埋設されている。また、回収管5の、栽培槽本体2Aの底面側の略半周を除く側面には、複数の穿孔5Aが形成されている。この穿孔5Aから余剰の培養液が回収管5の内部に流入する。穿孔5Aから回収管5の内部に流入した培養液は、前述した回収管5の傾斜によって、排水口21側に向かって流れた後、その自重によって屋根7上の栽培槽2から地上の培養液循環ユニット3まで流れ、培養液タンク301に排出される。
【0023】
開口22は、例えば、培地9に植え込まれた植物8の間隔に合わせて、等間隔毎に設けられており、前述したように植物8のつるを栽培槽本体2Aの外へと導く。
【0024】
槽蓋2Bは、栽培槽本体2Aに着脱可能に取り付けられ、栽培槽2を清掃するとき等に栽培槽本体2Aから取り外される。栽培槽本体2Aに槽蓋2Bを取り付けることで、栽培槽本体2A内の植物8や培地9等を強風や強雨から保護できる。また、栽培槽本体2A内に、藻類の発生原因となる日光や、培養液を希釈する雨水や、雑草の種子及び病原菌等が侵入することを防ぐことができる。更に、培地9に供給された培養液が大気中に蒸発してしまうことを抑制できる。よって、植物8をより確実に生育できる。
【0025】
===培養液循環ユニット===
栽培装置1に備えられる培養液循環ユニット3の構成について、図3を参照しつつ説明する。培養液循環ユニット3は、フィルタ300、308と、遮光タンク301と、光触媒体302と、光源303と、ヒータ304と、サーモコントローラ305と、吸引口306と、給水ポンプ307と、電磁弁309と、タイムスイッチ310と、ボールバルブ311、312、314と、電源313と、培養液生成部30とを有している。
【0026】
フィルタ300は、栽培槽2から回収管5に流入した余剰の培養液中に、例えば培地9の一部等の異物が混入している場合に、培養液中からこの異物を取り除く。フィルタ300としては、いわゆるディスクフィルタが好適に用いられる。ディスクフィルタは、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる円形のディスク形状の中心に円形の開口が形成されたフィルタが複数積み重ねられた中空円筒形状を呈している。このディスク形状のフィルタ夫々の表面には、外周縁から中心の開口側に向かう溝が複数設けられている。これによって、中空円筒形状の周面側からフィルタ300に培養液を通過させることで、重ね合わされたディスク形状のフィルタ同士の間の溝に培養液中の異物が挟まれる。そして、異物が取り除かれた培養液がフィルタ300の中空円筒形状の中空部分から排出される。フィルタ300を通過した培養液は遮光タンク301に排出される。
【0027】
遮光タンク301は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、回収管5からフィルタ300を介して排出された余剰の培養液と、培養液生成部30によって生成された培養液とが収容される。
【0028】
培養液生成部30は、水道水と、植物8を培養するための養分が濃縮された液肥とを混合して培養液を生成する。そして、遮光タンク301に貯留される培養液が所定量よりも減少した場合に、生成した培養液を遮光タンク301へ供給する。この培養液生成部30は、ボールバルブ31と、逆止弁32と、減圧弁33と、液肥混入器34と、液肥タンク35と、浮き玉36とを備えている。
【0029】
ボールバルブ31は、上水道の給水管11から液肥混入器34に水道水を引き込むための流路37を開閉する。つまり、ボールバルブ31によって、液肥混入器34に水道水が供給されることを許可又は禁止することができる。
【0030】
逆止弁32は、ボールバルブ31の下流側において、流路37に流れる水道水の逆流を防止する。減圧弁33は、逆止弁32の下流側において、流路37に流れる水道水の水圧を減圧する。
【0031】
液肥混入器34は、減圧弁33で減圧された水道水と、液肥タンク35に貯留される液肥とを混合して培養液を生成する。この液肥混入器34は、例えば、培養液に対する浮き玉36の浮力を利用して、遮光タンク301内に貯留される培養液の水位が所定の水位となるように、遮光タンク301に培養液を供給する。
【0032】
具体的には、植物8に吸収されること等により培養液が消費され、遮光タンク201内に貯留される培養液の水位が所定の水位よりも低くなると、培養液の表面に浮かぶ浮き玉36の液肥混入器34に対する位置も所定位置より低くなる。これにより、液肥混入器34から遮光タンク301へ培養液が流れ込むようになっている。そして、液肥混入器34から遮光タンク301へ培養液が供給されることで、遮光タンク301内の培養液の水位が上昇し所定の水位に達すると、浮き玉36の液肥混入器34に対する位置も所定位置まで上昇する。これによって、液肥混入器34から遮光タンク301への培養液の供給が停止されるようになっている。
【0033】
液肥タンク35は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、液肥が収容されている。
【0034】
光触媒体302は、遮光タンク301の培養液が貯留される内側面に設けられ、例えば波長400nm以下の紫外光で活性化する酸化チタンを成分として含んでいる。この光触媒体302は、例えば、いわゆるゾルゲル法等によって、酸化チタンのゾル状溶液を遮光タンク301の内側面に塗布してから乾燥させることで、遮光タンク301の内側面の培養液が接触する部分をコーティングするように薄膜状に設けられている。尚、遮光タンク301の内側面には、光触媒体302を設ける前に、例えば、ゾルゲル法等によって、二酸化ケイ素等の耐食性材料からなる薄膜をコーティングしておいてもよい。これによって、遮光タンク301の内側面が、光触媒体302の光触媒作用によって酸化分解され、損傷してしまうことを防ぐことができる。
【0035】
光源303は、遮光タンク301に貯留される培養液の上部に設けられ、例えば波長400nm以下の紫外光を発光するLED(Light Emitting Diode)である。光源303から光触媒体302へ光を照射することによって、光触媒体302が活性化される。これによって、光触媒体302に接触する培養液中の病原菌等が酸化分解されるため、遮光タンク301内の培養液を殺菌することができる。この際、光源303から培養液に照射される光は、波長400nm以下の紫外光であるため、藻類等の光合成には寄与しない。よって、培養液中に藻類が繁殖することを抑制できる。
【0036】
吸引口306は、遮光タンク301内の底面近傍に配置され、給水ポンプ307が駆動することによって、遮光タンク301から供給管4へ培養液を導くための流路316へ、培養液を取り入れる。尚、遮光タンク301では、貯留された培養液の上部から培養液が供給され、吸引口306によって、底面近傍から培養液が取り出される。これによって、遮光タンク301内に培養液の循環が生じるため、より効率よく培養液を光触媒体302に接触させることができ、より効率よく培養液を殺菌することができる。
【0037】
給水ポンプ307は、吸引口306を介して流路316に遮光タンク301内の培養液を取り入れ、供給管4を介して栽培槽2へ培養液が供給されるように、培養液に圧力を与えて流路316の下流側に送り出す。
【0038】
フィルタ308は、給水ポンプ307から送られた培養液に含まれる異物を培養液中から取り除く。フィルタ308としては、前述したディスクフィルタが好適に用いられる。
【0039】
電磁弁309は、フィルタ308の下流側に設けられ、タイムスイッチ310の制御に応じて流路316を開閉する。これによって、栽培槽2に培養液を供給することを許可又は禁止できる。
【0040】
タイムスイッチ310は、栽培槽2に培養液を間欠的に供給するべく、電磁弁309による流路316の開閉を制御する。タイムスイッチ310による電磁弁309の制御によって、例えば、夏場では、植物8の光合成が盛んに行われる日の出から日没までの間、一時間毎に栽培槽2に培養液を供給するように設定することができる。そして、植物8が光合成を行わない日没後から日の出までの間は、栽培槽2への培養液の供給を停止することができる。一方、冬場では、気温が下がる夜間の時間帯のみ、供給管4や回収管5に培養液を循環させて、培養液が凍結してしまうことを防止することができる。これによって、より確実に植物8を育成することができる。
【0041】
ボールバルブ311は、電磁弁309の下流側に設けられ、流路316を開閉する。つまり、ボールバルブ311によって流路316を閉じることで、電磁弁309の開閉に関わらず栽培槽2に培養液が供給されることを禁止できる。
【0042】
ボールバルブ312は、電磁弁309を通過した培養液を流路316から遮光タンク301に戻すための流路317を開閉する。ボールバルブ311によって流路316を閉じると共に、ボールバルブ312によって流路317を開くことで、電磁弁309を通過した培養液を流路317を介して遮光タンク301に戻すことができる。これによって、栽培槽2へ培養液を供給しない場合であっても、流路316、317を介して培養液循環ユニット3の内部で培養液を循環させることができる。このため、遮光タンク301内に培養液の循環を生じさせることができ、より効率よく光触媒体302に培養液を接触させて、より効率よく培養液を殺菌することができる。
【0043】
ヒータ304は、遮光タンク301の内部に設けられ、サーモコントローラ305の制御に応じて、培養液の温度を上昇させる。サーモコントローラ305は、ヒータ304を制御することで、栽培槽2に供給される培養液が植物8の培養に適した温度となるように、遮光タンク301内の培養液の温度を調整する。
【0044】
電源313は、光源303と、給水ポンプ307と、タイムスイッチ310に電力を供給する。ボールバルブ314は、遮光タンク301の底面近傍に配置され、遮光タンク301内の培養液を排出するための流路318を開閉する。遮光タンク301内の培養液を入れ替える場合等に、ボールバルブ314によって流路318を開くことで、遮光タンク301を傾けることなく、遮光タンク301内の培養液を排出することができる。
【0045】
尚、培養液循環ユニット3では、水道水、液肥、培養液等に太陽光等の光が照射されないように、流路37、316、317、318や、液肥混入器34の外壁等は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料から形成されている。
【0046】
以上より、培養液循環ユニット3では、栽培槽2内の培地9を流れて回収管5に流入した余剰の培養液がフィルタ300を介して遮光タンク301に排出される。遮光タンク301内では、光源303から光が照射されることによって、光触媒体302が活性化されている。このため、遮光タンク301に回収された培養液は、光触媒体302の光触媒作用によって殺菌される。遮光タンク301内で殺菌された培養液は、給水ポンプ307によって、吸引口306から流路316に取り込まれ、圧力をかけられた状態でフィルタ308へ送られる。フィルタ308で異物が取り除かれた培養液は、電磁弁309及びボールバルブ311を介して供給管4へ導かれ、栽培槽2内の培地9に供給される。
【0047】
これによって、植物8の病原菌等が培養液中に侵入していた場合であっても、遮光タンク301の内部において培養液が殺菌されるため、病原菌等を含んだ培養液が栽培装置1の内部を循環することを防止できる。これによって、植物8に病害が蔓延することを抑制できる。
【0048】
また、栽培装置1では、光触媒体302を活性化させるべく、光源303から遮光タンク301内に照射される光は、波長400nm以下の紫外光である。紫外光は藻類の光合成に利用されないため、光触媒体302と接触していない培養液に光源303からの光が照射された場合であっても、培養液中に藻類が繁殖することを抑制できる。これによって、より確実に植物8を育成できる。
【0049】
また、栽培装置1では、植物8への培養液の供給を間欠的に行うこととし、栽培装置1の内部に培養液が循環していない場合であっても、培養液が貯留される遮光タンク301内で培養液を殺菌するため、継続的に培養液を殺菌することができる。これによって、効率よく培養液を殺菌することができる。
【0050】
また、栽培装置1の光源303は、波長400nm以下の紫外光を発光するLEDである。LEDは、発光スペクトルの幅が狭いため、藻類が光合成を行うために必要な可視光が培養液に照射されることをより確実に防止でき、培養液中に藻類が発生することをより確実に抑制できる。また、LEDは、UVランプに比べて長寿命であり、エネルギーと光の変換効率が高いため、作動電圧が小さく、発熱量が少ない。これによって、培養液をより効率よく殺菌することができる。さらに、光源303の発熱によって、遮光タンク301内の培養液の温度が植物8の培養に適さない温度まで上昇してしまうことを抑制できる。よって、より確実に植物8を生育することができる
<<<第2の実施形態にかかる栽培装置について>>>
本実施形態にかかる栽培装置1Aについて、図4を参照しつつ説明する。尚、図4において、図3に示す構成と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。栽培装置1Aは、前述した栽培装置1の培養液循環ユニット3にかえて、培養液循環ユニット3Aを備えている。培養液循環ユニット3Aは、前述した培養液循環ユニット3の遮光タンク301にかえて、遮光タンク301Aを備えている。遮光タンク301Aは、前述した遮光タンク301に更に収容器315を備えている。
【0051】
収容器315は、例えば石英ガラス等の、紫外光を透過させる材料から形成され、一端のみが開口した中空の円筒形状を呈している。また、収容器315は、遮光タンク301Aに貯留される培養液の上限の水位より高い位置に一端側の開口が配置され、他端側が遮光タンク301Aの底面に向かって延在している。この収容器315の他端には、例えば固定脚315Aが取り付けられている。固定脚315Aは、棒状の部材であり、一端が収容器315の他端に取り付けられ、他端が遮光タンク301A内の底面の略中央に取り付けられている。固定脚315Aによって、収容器315は、遮光タンク301Aと一体となるように固定されている。また、収容器315には、開口から内部に光源303が挿入されている。
【0052】
つまり、収容器315は、他端側が遮光タンク301A内の底面付近に配置され、一端側の開口を介して内部に培養液が入り込まない程度の位置まで、他端側から培養液中に挿入されている。このため、収容器315の内部に設けられる光源303を培養液に浸水させることなく、遮光タンク301の底面近傍の内側面に設けられた光触媒体302にも、光源303の発光を効率よく照射できる。これによって、遮光タンク301A内の光触媒体302を略均等に活性化させることができ、より効率よく培養液を殺菌することができる。
【0053】
<<<その他の実施形態について>>>
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0054】
例えば、前述した栽培装置1Aでは、遮光タンク301Aの内側面に光触媒体302が設けられることとした。しかし、特にこれに限定されるものではなく、例えば、収容器315の培養液に浸設される外側面に光触媒体302が設けられてもよい。尚、収容器315の外側面に対しても、遮光タンク301Aの内側面と同様に、ゾルゲル法等によって、収容器315の外側面をコーティングするように薄膜状に光触媒体302が設けられる。これによって、収容器315の内部に設けられた光源303の発光を、光触媒体302に効率よく照射することができ、光触媒体302を効率よく活性化させることができる。
【0055】
また、前述した栽培装置1、1Aでは、光源303としてLEDを用いることとした。しかし、特にこれに限定されるものではなく、水銀ランプ等のUVランプを光源303として用いてもよい。また、白熱電球において、フィラメントを封入するガラス球(バルブ)を、可視光を遮断すると共に紫外光を透過させるフィルタに変更したものを光源303として用いてもよい。
【0056】
また、前述した栽培装置1Aの収容器315内には、季節や外気温等に応じて異なる光源303を設けてもよい。例えば、外気温が高くなる夏場では、他の光源に比べて発熱量の少ないLEDを光源303として収容器315内に設ける。これによって、遮光タンク301内の培養液の温度が植物8を培養するのに適さない温度まで上昇してしまうことを抑制できる。一方、外気温が低くなる冬場では、前述したようにバルブを変更した白熱電球等、発熱量の大きいものを光源303として収容器315内に設ける。この光源303の発熱によって、遮光タンク301内の培養液の温度が低下することを抑制でき、ヒータ304の負荷を低減すること、又はヒータ304を不要とすることができる。
【0057】
また、栽培装置1、1Aは、緑化システムに限らず、植物を水耕栽培する必要があるものに好適に用いられる。
【0058】
また、前述した栽培装置1、1Aでは、ウコギ科のつる性植物8を栽培槽2内の培地9に植え込むこととした。しかし、特にこれに限定されるものではない。例えば、ミツバ、レタス、イチゴ等の食用植物や、シクラメン、ラン等の観賞用植物等、水耕栽培が可能な植物を培地9に植え込むことができる。
【符号の説明】
【0059】
1、1A…栽培装置,2…栽培槽,2A…栽培槽本体,2B…槽蓋,3、3A…培養液循環ユニット,4…供給管,4A…噴射口,5…回収管,5A…穿孔,6…網材,7…屋根,8…植物,9…培地,10…ポット,11、37、316、317、318…流路,20…供給口,21…排水口,22…開口,30…培養液生成部,31、311、312、314…ボールバルブ,32…逆止弁,33…減圧弁,34…液肥混入器,35…液肥タンク,36…浮き玉,300、308…フィルタ,301、301A…遮光タンク,302…光触媒体,303…光源,304…ヒータ,305…サーモコントローラ,306…吸引口,307…給水ポンプ,309…電磁弁,310…タイムスイッチ,313…電源,315…収容器,315A…固定脚
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌を用いず、植物の生育に必要な栄養を含んだ培養液によって、植物を栽培する水耕栽培が一般に知られている。水耕栽培では、例えば、培養液が収容される培養液タンクから、植物を植え込むための培地が収容される栽培槽へ、供給管を介して培養液が供給される。そして、培地を流れた培養液が、回収管を介して培養液タンクへ戻される。つまり、培地を流れた培養液を循環させて使用している。これにより、水耕栽培では、栽培槽内の一部の植物が病原菌に感染すると、この病原菌が培養液中に侵入して、栽培槽内の全植物に行き渡る等、病害が蔓延しやすい。
【0003】
そこで、植物の水耕栽培において、培養液を介して病気が伝染することを防ぐために、培養液を殺菌して植物に供給する栽培装置が知られている。この栽培装置は、例えば、前述した供給管及び回収管によって栽培槽と培養液タンクとの間を循環する培養液の循環経路とは別途に、培養液を循環させる殺菌経路を備えている。この殺菌経路の途中には、光触媒を内側面に塗布した殺菌管が設けられ、培養液が培養液タンクからこの殺菌管を通って、また培養液タンクに戻されるように殺菌経路が形成されている。そして、この殺菌管に太陽光等の光を照射することで、光触媒の殺菌作用を得て、殺菌経路を通過する培養液を殺菌する(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−274773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光触媒によって培養液を殺菌する場合、光を照射して活性化させた光触媒に培養液を接触させる必要がある。このため、前述した栽培装置では、光触媒と接触する箇所以外において光が照射された培養液中には、光合成が促進された藻類が増殖してしまう虞がある。培養液中に藻類が増殖すると、植物へ供給するための培養液中の養分が藻類に奪われ、植物の生育が阻害される虞がある。また、増殖した藻類が培養液の循環経路等を詰まらせてしまう虞や、藻類の死がいが悪臭等の原因となる虞がある。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、藻類の繁殖を抑制しつつ、効率よく培養液を殺菌できる栽培装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための発明は、植物を水耕栽培するための培地が収容される栽培槽と、前記植物を水耕栽培するための培養液が収容される遮光タンクと、前記遮光タンクから前記栽培槽へ前記培養液を供給する供給管と、前記栽培槽から前記遮光タンクへ前記培地を流れた培養液を排出する回収管と、前記遮光タンク内に設けられ、前記培養液を殺菌する光触媒体と、前記遮光タンク内に設けられ、前記培養液を殺菌可能な略400nm以下の波長の光を前記光触媒対に向けて発光する光源とを備えた栽培装置である。
【0008】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、藻類の繁殖を抑制しつつ、効率よく培養液を殺菌できる栽培装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1及び第2の実施形態にかかる栽培装置を用いた緑化システムが工場の屋根に設置された場合の外観を示す斜視図である。
【図2】第1及び第2の実施形態にかかる栽培装置の栽培槽を説明するための断面図である。
【図3】第1の実施形態にかかる栽培装置の培養液循環ユニットを説明するための系統図である。
【図4】第2の実施形態にかかる栽培装置の培養液循環ユニットを説明するための系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
<<<第1の実施形態にかかる栽培装置について>>>
===栽培装置の外観構成===
本実施形態にかかる栽培装置は、例えば緑化システムに用いられる。そこで、図1を参照しつつ、緑化システムに用いられた本実施形態にかかる栽培装置1の外観構成について説明する。緑化システムは、例えば、工場等の屋根7の表面をつる性の植物8によって緑化する目的で設置され、栽培装置1と、網材6とを備えている。
【0013】
栽培装置1は、植物8を水耕栽培するために、栽培槽2と、培養液循環ユニット3と、供給管4と、回収管5とを備えている。この栽培装置1では、植物8を植え込むための培地9(図2を用いて後述する)が栽培槽2に収容されている。また、植物8を培養するための養分を含んだ培養液が培養液循環ユニット3の後述する遮光タンク301に収容されている。そして、培養液循環ユニット3の遮光タンク301内の培養液が供給管4を介して栽培槽2内の培地9に供給される。また、植物8に吸収されずに培地9を流れた培養液が回収管5を介して栽培槽2から培養液循環ユニット3の遮光タンク301へ排出される。つまり、栽培装置1では、栽培槽2内の培地9を流れた培養液が回収管5、培養液循環ユニット3、供給管4を介して、再び栽培槽2内の培地9に供給されるように、栽培装置1の内部を循環している。
【0014】
栽培槽2は、例えば屋根7の頂上部に設けられている。尚、栽培槽2の内部に定植される植物8としては、例えば耐寒性及び耐暑性に優れ、つるが垂下するという観点からウコギ科のつる性植物が好適に用いられる。ウコギ科のつる性植物としては、ヘデラ・ヘリックス、ヘデラ・アルジェニシス、ヘデラ・コルシカ、ヘデラ・ハイバニカ等が挙げられる。この植物8のつるは、栽培槽2に設けられた開口22から栽培槽2の外部へ伸びて行き、網材6を介して屋根7を覆うように垂下していく。尚、栽培槽2の詳細については後述する。
【0015】
供給管4は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、培養液循環ユニット3の遮光タンク301から栽培槽2内の培地9へ培養液を導くための管状部材である。回収管5は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、植物8に吸収されずに培地9を流れた培養液を培養液循環ユニット3の遮光タンク301へ導くための管状部材である。
【0016】
培養液循環ユニット3は、例えば地上に設けられ、培養液が収容される遮光タンク301や、供給管4を介して遮光タンク301から栽培槽2まで培養液を汲み上げるための吸水ポンプ307等を備えている。尚、培養液循環ユニット3の詳細については後述する。
【0017】
網材6は、栽培槽2の開口22から伸長する植物8のつるを支持するための部材であり、屋根7の表面に沿って配置されている。これによって、日光の照射によって高温になった屋根7の表面に植物8が直接触れてしまうことを防ぎ、植物8をより確実に生育できる。
【0018】
===栽培槽===
栽培装置1に備えられる栽培槽2の構成について、図2を参照しつつ説明する。栽培槽2は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、上面が開放された直方体状の栽培槽本体2Aと、栽培槽本体2Aの上面の開口を上方から覆う槽蓋2Bとから構成されている。
【0019】
栽培槽本体2Aは、供給口20と、排水口21と、開口22(図1を参照)とを有している。直方体状の栽培槽本体2Aを構成する短辺側の側板のうち、一方側の側板(上流側板)に供給口20が形成され、他方側の側板(下流側板)に排水口21が形成されている。また、栽培槽本体2Aを構成する長辺側の両側板に夫々複数の開口22が形成されている。
【0020】
栽培槽本体2Aの内部には、植物8を培養するための培地9が収容されている。培地9には、例えば、圧縮成形したピートモス等の透水性素材からなるポット10で育苗された植物8が、ポット10ごと植え込まれている。これにより、培地9に植物8を定植する際に、植物8の根を傷めてしまうことを防止できる。また、定植した植物8を培地9に徐々に順応させることができる。よって、植物8をより確実に生育することができる。尚、培地9には、例えば、栽培槽本体2Aの長手方向に沿って、略等間隔となるように、複数の植物8が植え込まれている。
【0021】
供給口20は、供給管4の外径と略等しい長さの直径を有する円形状の開口であり、栽培槽本体2Aに収容された培地9の表面よりも上方に配置されている。この供給口20から栽培槽本体2Aの内部に挿通される供給管4によって、培地9に植え込まれた植物8に培養液が供給される。具体的には、供給口20から栽培槽本体2A内に挿通された供給管4は、栽培槽本体2Aの長手方向に沿って延在し、培地9の表面に載置されている。この培地9の表面に載置された供給管4の側面には、培養液を噴射させるため噴射口4Aが長手方向に沿って複数形成されているため、培養液循環ユニット3の遮光タンク301からから供給管4に送られた培養液が、噴射口4Aを介して、培地9の表面に散水される。この散水された培養液が培地9の表面から栽培槽本体2A内の底面に向かって浸透することで、植物8の根に培養液が供給される。
【0022】
排水口21は、回収管5の外径と略等しい長さの直径を有する円形状の開口であり、栽培槽本体2A内の底面側に配置されている。この排水口21には回収管5が挿通されている。この回収管5によって、培地9に供給された培養液のうち、植物8に吸収されずに栽培槽本体2Aの底面近傍まで流下した余剰の培養液が、培養液循環ユニット3の遮光タンク301へ排出される。具体的には、排水口21から栽培槽本体2Aの内部に挿通された回収管5は、栽培槽本体2A内の底面近傍を長手方向に沿って延在している。そして、栽培槽本体2Aの内部において、回収管5は、上流側板側の端部から、排水口21側に向かって、わずかに下り傾斜するように、培地9に埋設されている。また、回収管5の、栽培槽本体2Aの底面側の略半周を除く側面には、複数の穿孔5Aが形成されている。この穿孔5Aから余剰の培養液が回収管5の内部に流入する。穿孔5Aから回収管5の内部に流入した培養液は、前述した回収管5の傾斜によって、排水口21側に向かって流れた後、その自重によって屋根7上の栽培槽2から地上の培養液循環ユニット3まで流れ、培養液タンク301に排出される。
【0023】
開口22は、例えば、培地9に植え込まれた植物8の間隔に合わせて、等間隔毎に設けられており、前述したように植物8のつるを栽培槽本体2Aの外へと導く。
【0024】
槽蓋2Bは、栽培槽本体2Aに着脱可能に取り付けられ、栽培槽2を清掃するとき等に栽培槽本体2Aから取り外される。栽培槽本体2Aに槽蓋2Bを取り付けることで、栽培槽本体2A内の植物8や培地9等を強風や強雨から保護できる。また、栽培槽本体2A内に、藻類の発生原因となる日光や、培養液を希釈する雨水や、雑草の種子及び病原菌等が侵入することを防ぐことができる。更に、培地9に供給された培養液が大気中に蒸発してしまうことを抑制できる。よって、植物8をより確実に生育できる。
【0025】
===培養液循環ユニット===
栽培装置1に備えられる培養液循環ユニット3の構成について、図3を参照しつつ説明する。培養液循環ユニット3は、フィルタ300、308と、遮光タンク301と、光触媒体302と、光源303と、ヒータ304と、サーモコントローラ305と、吸引口306と、給水ポンプ307と、電磁弁309と、タイムスイッチ310と、ボールバルブ311、312、314と、電源313と、培養液生成部30とを有している。
【0026】
フィルタ300は、栽培槽2から回収管5に流入した余剰の培養液中に、例えば培地9の一部等の異物が混入している場合に、培養液中からこの異物を取り除く。フィルタ300としては、いわゆるディスクフィルタが好適に用いられる。ディスクフィルタは、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる円形のディスク形状の中心に円形の開口が形成されたフィルタが複数積み重ねられた中空円筒形状を呈している。このディスク形状のフィルタ夫々の表面には、外周縁から中心の開口側に向かう溝が複数設けられている。これによって、中空円筒形状の周面側からフィルタ300に培養液を通過させることで、重ね合わされたディスク形状のフィルタ同士の間の溝に培養液中の異物が挟まれる。そして、異物が取り除かれた培養液がフィルタ300の中空円筒形状の中空部分から排出される。フィルタ300を通過した培養液は遮光タンク301に排出される。
【0027】
遮光タンク301は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、回収管5からフィルタ300を介して排出された余剰の培養液と、培養液生成部30によって生成された培養液とが収容される。
【0028】
培養液生成部30は、水道水と、植物8を培養するための養分が濃縮された液肥とを混合して培養液を生成する。そして、遮光タンク301に貯留される培養液が所定量よりも減少した場合に、生成した培養液を遮光タンク301へ供給する。この培養液生成部30は、ボールバルブ31と、逆止弁32と、減圧弁33と、液肥混入器34と、液肥タンク35と、浮き玉36とを備えている。
【0029】
ボールバルブ31は、上水道の給水管11から液肥混入器34に水道水を引き込むための流路37を開閉する。つまり、ボールバルブ31によって、液肥混入器34に水道水が供給されることを許可又は禁止することができる。
【0030】
逆止弁32は、ボールバルブ31の下流側において、流路37に流れる水道水の逆流を防止する。減圧弁33は、逆止弁32の下流側において、流路37に流れる水道水の水圧を減圧する。
【0031】
液肥混入器34は、減圧弁33で減圧された水道水と、液肥タンク35に貯留される液肥とを混合して培養液を生成する。この液肥混入器34は、例えば、培養液に対する浮き玉36の浮力を利用して、遮光タンク301内に貯留される培養液の水位が所定の水位となるように、遮光タンク301に培養液を供給する。
【0032】
具体的には、植物8に吸収されること等により培養液が消費され、遮光タンク201内に貯留される培養液の水位が所定の水位よりも低くなると、培養液の表面に浮かぶ浮き玉36の液肥混入器34に対する位置も所定位置より低くなる。これにより、液肥混入器34から遮光タンク301へ培養液が流れ込むようになっている。そして、液肥混入器34から遮光タンク301へ培養液が供給されることで、遮光タンク301内の培養液の水位が上昇し所定の水位に達すると、浮き玉36の液肥混入器34に対する位置も所定位置まで上昇する。これによって、液肥混入器34から遮光タンク301への培養液の供給が停止されるようになっている。
【0033】
液肥タンク35は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料からなり、液肥が収容されている。
【0034】
光触媒体302は、遮光タンク301の培養液が貯留される内側面に設けられ、例えば波長400nm以下の紫外光で活性化する酸化チタンを成分として含んでいる。この光触媒体302は、例えば、いわゆるゾルゲル法等によって、酸化チタンのゾル状溶液を遮光タンク301の内側面に塗布してから乾燥させることで、遮光タンク301の内側面の培養液が接触する部分をコーティングするように薄膜状に設けられている。尚、遮光タンク301の内側面には、光触媒体302を設ける前に、例えば、ゾルゲル法等によって、二酸化ケイ素等の耐食性材料からなる薄膜をコーティングしておいてもよい。これによって、遮光タンク301の内側面が、光触媒体302の光触媒作用によって酸化分解され、損傷してしまうことを防ぐことができる。
【0035】
光源303は、遮光タンク301に貯留される培養液の上部に設けられ、例えば波長400nm以下の紫外光を発光するLED(Light Emitting Diode)である。光源303から光触媒体302へ光を照射することによって、光触媒体302が活性化される。これによって、光触媒体302に接触する培養液中の病原菌等が酸化分解されるため、遮光タンク301内の培養液を殺菌することができる。この際、光源303から培養液に照射される光は、波長400nm以下の紫外光であるため、藻類等の光合成には寄与しない。よって、培養液中に藻類が繁殖することを抑制できる。
【0036】
吸引口306は、遮光タンク301内の底面近傍に配置され、給水ポンプ307が駆動することによって、遮光タンク301から供給管4へ培養液を導くための流路316へ、培養液を取り入れる。尚、遮光タンク301では、貯留された培養液の上部から培養液が供給され、吸引口306によって、底面近傍から培養液が取り出される。これによって、遮光タンク301内に培養液の循環が生じるため、より効率よく培養液を光触媒体302に接触させることができ、より効率よく培養液を殺菌することができる。
【0037】
給水ポンプ307は、吸引口306を介して流路316に遮光タンク301内の培養液を取り入れ、供給管4を介して栽培槽2へ培養液が供給されるように、培養液に圧力を与えて流路316の下流側に送り出す。
【0038】
フィルタ308は、給水ポンプ307から送られた培養液に含まれる異物を培養液中から取り除く。フィルタ308としては、前述したディスクフィルタが好適に用いられる。
【0039】
電磁弁309は、フィルタ308の下流側に設けられ、タイムスイッチ310の制御に応じて流路316を開閉する。これによって、栽培槽2に培養液を供給することを許可又は禁止できる。
【0040】
タイムスイッチ310は、栽培槽2に培養液を間欠的に供給するべく、電磁弁309による流路316の開閉を制御する。タイムスイッチ310による電磁弁309の制御によって、例えば、夏場では、植物8の光合成が盛んに行われる日の出から日没までの間、一時間毎に栽培槽2に培養液を供給するように設定することができる。そして、植物8が光合成を行わない日没後から日の出までの間は、栽培槽2への培養液の供給を停止することができる。一方、冬場では、気温が下がる夜間の時間帯のみ、供給管4や回収管5に培養液を循環させて、培養液が凍結してしまうことを防止することができる。これによって、より確実に植物8を育成することができる。
【0041】
ボールバルブ311は、電磁弁309の下流側に設けられ、流路316を開閉する。つまり、ボールバルブ311によって流路316を閉じることで、電磁弁309の開閉に関わらず栽培槽2に培養液が供給されることを禁止できる。
【0042】
ボールバルブ312は、電磁弁309を通過した培養液を流路316から遮光タンク301に戻すための流路317を開閉する。ボールバルブ311によって流路316を閉じると共に、ボールバルブ312によって流路317を開くことで、電磁弁309を通過した培養液を流路317を介して遮光タンク301に戻すことができる。これによって、栽培槽2へ培養液を供給しない場合であっても、流路316、317を介して培養液循環ユニット3の内部で培養液を循環させることができる。このため、遮光タンク301内に培養液の循環を生じさせることができ、より効率よく光触媒体302に培養液を接触させて、より効率よく培養液を殺菌することができる。
【0043】
ヒータ304は、遮光タンク301の内部に設けられ、サーモコントローラ305の制御に応じて、培養液の温度を上昇させる。サーモコントローラ305は、ヒータ304を制御することで、栽培槽2に供給される培養液が植物8の培養に適した温度となるように、遮光タンク301内の培養液の温度を調整する。
【0044】
電源313は、光源303と、給水ポンプ307と、タイムスイッチ310に電力を供給する。ボールバルブ314は、遮光タンク301の底面近傍に配置され、遮光タンク301内の培養液を排出するための流路318を開閉する。遮光タンク301内の培養液を入れ替える場合等に、ボールバルブ314によって流路318を開くことで、遮光タンク301を傾けることなく、遮光タンク301内の培養液を排出することができる。
【0045】
尚、培養液循環ユニット3では、水道水、液肥、培養液等に太陽光等の光が照射されないように、流路37、316、317、318や、液肥混入器34の外壁等は、例えばポリ塩化ビニル等の遮光性を有する材料から形成されている。
【0046】
以上より、培養液循環ユニット3では、栽培槽2内の培地9を流れて回収管5に流入した余剰の培養液がフィルタ300を介して遮光タンク301に排出される。遮光タンク301内では、光源303から光が照射されることによって、光触媒体302が活性化されている。このため、遮光タンク301に回収された培養液は、光触媒体302の光触媒作用によって殺菌される。遮光タンク301内で殺菌された培養液は、給水ポンプ307によって、吸引口306から流路316に取り込まれ、圧力をかけられた状態でフィルタ308へ送られる。フィルタ308で異物が取り除かれた培養液は、電磁弁309及びボールバルブ311を介して供給管4へ導かれ、栽培槽2内の培地9に供給される。
【0047】
これによって、植物8の病原菌等が培養液中に侵入していた場合であっても、遮光タンク301の内部において培養液が殺菌されるため、病原菌等を含んだ培養液が栽培装置1の内部を循環することを防止できる。これによって、植物8に病害が蔓延することを抑制できる。
【0048】
また、栽培装置1では、光触媒体302を活性化させるべく、光源303から遮光タンク301内に照射される光は、波長400nm以下の紫外光である。紫外光は藻類の光合成に利用されないため、光触媒体302と接触していない培養液に光源303からの光が照射された場合であっても、培養液中に藻類が繁殖することを抑制できる。これによって、より確実に植物8を育成できる。
【0049】
また、栽培装置1では、植物8への培養液の供給を間欠的に行うこととし、栽培装置1の内部に培養液が循環していない場合であっても、培養液が貯留される遮光タンク301内で培養液を殺菌するため、継続的に培養液を殺菌することができる。これによって、効率よく培養液を殺菌することができる。
【0050】
また、栽培装置1の光源303は、波長400nm以下の紫外光を発光するLEDである。LEDは、発光スペクトルの幅が狭いため、藻類が光合成を行うために必要な可視光が培養液に照射されることをより確実に防止でき、培養液中に藻類が発生することをより確実に抑制できる。また、LEDは、UVランプに比べて長寿命であり、エネルギーと光の変換効率が高いため、作動電圧が小さく、発熱量が少ない。これによって、培養液をより効率よく殺菌することができる。さらに、光源303の発熱によって、遮光タンク301内の培養液の温度が植物8の培養に適さない温度まで上昇してしまうことを抑制できる。よって、より確実に植物8を生育することができる
<<<第2の実施形態にかかる栽培装置について>>>
本実施形態にかかる栽培装置1Aについて、図4を参照しつつ説明する。尚、図4において、図3に示す構成と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。栽培装置1Aは、前述した栽培装置1の培養液循環ユニット3にかえて、培養液循環ユニット3Aを備えている。培養液循環ユニット3Aは、前述した培養液循環ユニット3の遮光タンク301にかえて、遮光タンク301Aを備えている。遮光タンク301Aは、前述した遮光タンク301に更に収容器315を備えている。
【0051】
収容器315は、例えば石英ガラス等の、紫外光を透過させる材料から形成され、一端のみが開口した中空の円筒形状を呈している。また、収容器315は、遮光タンク301Aに貯留される培養液の上限の水位より高い位置に一端側の開口が配置され、他端側が遮光タンク301Aの底面に向かって延在している。この収容器315の他端には、例えば固定脚315Aが取り付けられている。固定脚315Aは、棒状の部材であり、一端が収容器315の他端に取り付けられ、他端が遮光タンク301A内の底面の略中央に取り付けられている。固定脚315Aによって、収容器315は、遮光タンク301Aと一体となるように固定されている。また、収容器315には、開口から内部に光源303が挿入されている。
【0052】
つまり、収容器315は、他端側が遮光タンク301A内の底面付近に配置され、一端側の開口を介して内部に培養液が入り込まない程度の位置まで、他端側から培養液中に挿入されている。このため、収容器315の内部に設けられる光源303を培養液に浸水させることなく、遮光タンク301の底面近傍の内側面に設けられた光触媒体302にも、光源303の発光を効率よく照射できる。これによって、遮光タンク301A内の光触媒体302を略均等に活性化させることができ、より効率よく培養液を殺菌することができる。
【0053】
<<<その他の実施形態について>>>
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0054】
例えば、前述した栽培装置1Aでは、遮光タンク301Aの内側面に光触媒体302が設けられることとした。しかし、特にこれに限定されるものではなく、例えば、収容器315の培養液に浸設される外側面に光触媒体302が設けられてもよい。尚、収容器315の外側面に対しても、遮光タンク301Aの内側面と同様に、ゾルゲル法等によって、収容器315の外側面をコーティングするように薄膜状に光触媒体302が設けられる。これによって、収容器315の内部に設けられた光源303の発光を、光触媒体302に効率よく照射することができ、光触媒体302を効率よく活性化させることができる。
【0055】
また、前述した栽培装置1、1Aでは、光源303としてLEDを用いることとした。しかし、特にこれに限定されるものではなく、水銀ランプ等のUVランプを光源303として用いてもよい。また、白熱電球において、フィラメントを封入するガラス球(バルブ)を、可視光を遮断すると共に紫外光を透過させるフィルタに変更したものを光源303として用いてもよい。
【0056】
また、前述した栽培装置1Aの収容器315内には、季節や外気温等に応じて異なる光源303を設けてもよい。例えば、外気温が高くなる夏場では、他の光源に比べて発熱量の少ないLEDを光源303として収容器315内に設ける。これによって、遮光タンク301内の培養液の温度が植物8を培養するのに適さない温度まで上昇してしまうことを抑制できる。一方、外気温が低くなる冬場では、前述したようにバルブを変更した白熱電球等、発熱量の大きいものを光源303として収容器315内に設ける。この光源303の発熱によって、遮光タンク301内の培養液の温度が低下することを抑制でき、ヒータ304の負荷を低減すること、又はヒータ304を不要とすることができる。
【0057】
また、栽培装置1、1Aは、緑化システムに限らず、植物を水耕栽培する必要があるものに好適に用いられる。
【0058】
また、前述した栽培装置1、1Aでは、ウコギ科のつる性植物8を栽培槽2内の培地9に植え込むこととした。しかし、特にこれに限定されるものではない。例えば、ミツバ、レタス、イチゴ等の食用植物や、シクラメン、ラン等の観賞用植物等、水耕栽培が可能な植物を培地9に植え込むことができる。
【符号の説明】
【0059】
1、1A…栽培装置,2…栽培槽,2A…栽培槽本体,2B…槽蓋,3、3A…培養液循環ユニット,4…供給管,4A…噴射口,5…回収管,5A…穿孔,6…網材,7…屋根,8…植物,9…培地,10…ポット,11、37、316、317、318…流路,20…供給口,21…排水口,22…開口,30…培養液生成部,31、311、312、314…ボールバルブ,32…逆止弁,33…減圧弁,34…液肥混入器,35…液肥タンク,36…浮き玉,300、308…フィルタ,301、301A…遮光タンク,302…光触媒体,303…光源,304…ヒータ,305…サーモコントローラ,306…吸引口,307…給水ポンプ,309…電磁弁,310…タイムスイッチ,313…電源,315…収容器,315A…固定脚
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を水耕栽培するための培地が収容される栽培槽と、
前記植物を水耕栽培するための培養液が収容される遮光タンクと、
前記遮光タンクから前記栽培槽へ前記培養液を供給する供給管と、
前記栽培槽から前記遮光タンクへ前記培地を流れた培養液を排出する回収管と、
前記遮光タンク内に設けられ、前記培養液を殺菌する光触媒体と、
前記遮光タンク内に設けられ、前記培養液を殺菌可能な略400nm以下の波長の光を前記光触媒体に向けて発光する光源と、
を備えたことを特徴とする栽培装置。
【請求項2】
前記光触媒体は、前記遮光タンクの前記培養液が貯留される内側面に設けられ、
前記光源は、前記遮光タンクに貯留される前記培養液の上部に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の栽培装置。
【請求項3】
前記遮光タンクは、貯留される前記培養液中に浸設される透過性の収容器を有し、
前記光触媒体は、前記遮光タンクの前記培養液が貯留される内側面に設けられ、
前記光源は、前記収容器内に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の栽培装置。
【請求項4】
前記遮光タンクは、貯留される前記培養液中に浸設される透過性の収容器を有し、
前記光触媒体は、前記収容器の外側面に設けられ、
前記光源は、前記収容器内に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の栽培装置。
【請求項5】
前記光源は、LEDである
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の栽培装置。
【請求項6】
前記光触媒体は、酸化チタンを成分として含み、前記遮光タンクの前記培養液が貯留される内側面に塗布される
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の栽培装置。
【請求項7】
前記光触媒体は、酸化チタンを成分として含み、前記収容器の外側面に塗布される
ことを特徴とする請求項4に記載の栽培装置。
【請求項1】
植物を水耕栽培するための培地が収容される栽培槽と、
前記植物を水耕栽培するための培養液が収容される遮光タンクと、
前記遮光タンクから前記栽培槽へ前記培養液を供給する供給管と、
前記栽培槽から前記遮光タンクへ前記培地を流れた培養液を排出する回収管と、
前記遮光タンク内に設けられ、前記培養液を殺菌する光触媒体と、
前記遮光タンク内に設けられ、前記培養液を殺菌可能な略400nm以下の波長の光を前記光触媒体に向けて発光する光源と、
を備えたことを特徴とする栽培装置。
【請求項2】
前記光触媒体は、前記遮光タンクの前記培養液が貯留される内側面に設けられ、
前記光源は、前記遮光タンクに貯留される前記培養液の上部に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の栽培装置。
【請求項3】
前記遮光タンクは、貯留される前記培養液中に浸設される透過性の収容器を有し、
前記光触媒体は、前記遮光タンクの前記培養液が貯留される内側面に設けられ、
前記光源は、前記収容器内に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の栽培装置。
【請求項4】
前記遮光タンクは、貯留される前記培養液中に浸設される透過性の収容器を有し、
前記光触媒体は、前記収容器の外側面に設けられ、
前記光源は、前記収容器内に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の栽培装置。
【請求項5】
前記光源は、LEDである
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の栽培装置。
【請求項6】
前記光触媒体は、酸化チタンを成分として含み、前記遮光タンクの前記培養液が貯留される内側面に塗布される
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の栽培装置。
【請求項7】
前記光触媒体は、酸化チタンを成分として含み、前記収容器の外側面に塗布される
ことを特徴とする請求項4に記載の栽培装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2011−172539(P2011−172539A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40822(P2010−40822)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
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