説明

案内具

【課題】案内具の軽量化を図りつつ案内具の剛性を確保する。
【解決手段】底壁611と、この底壁611から起立して設けた前起立壁612及び後起立壁613と、前記底壁611から突出させてこれら底壁611、前起立壁612、及び起立壁613と一体的に設けたリブ63とを具備し、前記前起立壁612と前記リブ63との結合位置、及び前記後起立壁613と前記リブ63との結合位置においてはリブ63の突出端を前記前起立壁612及び後起立壁613とそれぞれ面一とし、前記リブ63の突出端に物品を案内する案内面6aを形成している案内具たる蓋体6を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を案内する案内具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙等の物品を投入口等の所定の部位に向けて案内する機能、又は排出口等の部位から所定の方向に向けて物品が移動するように案内する機能を有する案内具が種々考えられている。
【0003】
このような案内具の一例として、投入口の下方に設けられる板状の本体と、この板状の本体の左右両端から起立して設けられる側壁とを有するものが考えられている。(例えば、特許文献1を参照。)
なお、前記特許文献1では、案内具は送信用トレー及び受信用トレーとして述べられている。
【特許文献1】特開平5−344259号公報(特に図1、図12を参照。)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかして、このような案内具に物品を仮置きすることは広く行われているが、前記特許文献1記載の構成では、底壁が単なる板状の部材であるので、多量の物品、ないし重量の大きな物品を案内具に仮置きする場合、剛性が問題となることがある。
【0005】
しかして、このような剛性に係る問題を解決すべく、単に底壁の厚さ寸法を増す構成を採用した場合、案内具自体の重量が大きくなり、このような案内具を支持させるべく該案内具と被取付物との間に介在させる支持機構もまた大きな重量に耐えうるものにする必要がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決すべく、案内具の軽量化を図りつつ案内具の剛性を確保できる構成を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る案内具は、底壁と、この底壁から起立して設けた起立壁と、前記底壁から突出させてこれら底壁及び起立壁と一体的に設けたリブとを具備するものであって、前記起立壁と前記リブとの結合位置においてはリブの突出端を前記起立壁と面一としているか又は前記起立壁よりも突出させ、前記リブの突出端に物品を案内する案内面を形成していることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、前記リブを前記底壁から突出させて前記底壁及び前記起立壁と一体的に設けているので、対折り曲げ剛性及び耐ねじり剛性をともに確保できる。その一方で、これら底壁、起立壁、及びリブを薄い板状に形成し、このような案内具の軽量化を図ることができる。そして、前記起立壁と前記リブとの結合位置においてはリブの突出端を前記起立壁と面一としているか又は前記起立壁よりも突出させているので、物品を起立壁に引っかけることなく円滑に案内することができる。
【0009】
前記起立壁として、底壁の前端部から起立する前起立壁と、底壁の後端部から起立する後起立壁とを少なくとも設けているものが挙げられる。
【0010】
前記案内面により物品を確実に案内できるようにするための態様として、同一の厚さ寸法を有するリブを複数具備し、リブ間に所定の間隔を設けてこれらリブを配置しているものであって、前記所定の間隔を、リブの厚さ寸法と略同一か又はそれ以下にしているものが挙げられる。このようなものであれば、リブ間の空間に物品が落ち込む不具合や、物品が紙葉類である場合に紙葉類がリブ間の空間の位置でたるんでしまう不具合が発生しにくいからである。
【0011】
このような案内具を好適に利用できる態様として、開口を有する被取付物の下縁に枢着するための枢着部をさらに具備し、前記被取付物に枢着した状態で上縁側を外方に回動可能にしているとともに、閉止位置において前記開口を被覆可能な蓋体であるものが挙げられる。
【0012】
特に、前記起立壁として、底壁の前端部から起立する前起立壁と、底壁の後端部から起立する後起立壁とを少なくとも設けているとともに、前記後起立壁の基端寄りに凹部を設け、この凹部に前記枢着部を配しているものであれば、被取付物の開口の内側に枢着部を配し、開成位置においては前記案内面をできるだけ内側まで設定できるようにしつつ、閉止位置において開口を隙間なく底壁により被覆するようにできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る案内具の構造を採用すれば、底壁から突出させたリブを、前記底壁及び前記底壁から起立して設けた起立壁と一体的に設け、対折り曲げ剛性及び耐ねじり剛性をともに確保しつつ、これら底壁、起立壁、及びリブを薄い板状に形成し、このような案内具の軽量化を図ることができる。そして、前記起立壁と前記リブとの結合位置においてはリブの突出端を前記起立壁と面一としているか又は前記起立壁よりも突出させているので、物品を起立壁に引っかけることなく円滑に案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
図1には、主にオフィス等に用いられ、執務を円滑に行えるようにすべく工夫された収納システムSSを形成している。この収納システムSSは、天板D1を有する袖付きの机Dと、前記天板上D1に載置してなるデスクトップ家具Sと、前記天板D1の左下方に配した本実施形態に係る被取付物たるワゴンWをと具備する。具体的には、前記袖付きの机Dは、天板D1と、この天板D1を支持する脚要素たる袖体D2及び脚体D3とを具備し、天板D1の右側の部位の下方に袖体D2を配置しているとともに、天板D1の左側の部位の下方に脚体D3を配置している。前記袖体D2には、前方に開口する開口部を設けていて、抽斗D21を引き出し可能に支持させているとともに、この引き出しD21の鏡部により前記開口部を開閉可能に構成している。一方、前記デスクトップ収納具Sには、使用中の書類DCを内容がわかるように陳列しておくための活用書類陳列領域A1及び書類DCをいつでも取り出せるように収納するための仮収納領域A2を設けている。前記活用書類陳列領域A1は、スタンドSTと、このスタンドSTに書類DCを収納するための空間SP1とからなり、書類DCを使用者の前面に向けて前記空間SP1に陳列するようにしている。前記仮収納領域A2は、書類DCを起立重合状態、具体的にはボックスファイルFに収納した状態で配列しうるシェルフSFと、このシェルフSFに書類DCを収納するための空間SP2とからなり、書類DCを前記空間SP2に一時的に収納するようにしている。そして、この収納システムSSでは、前記仮収納領域A2に収納した書類の内、使用頻度が低くなったものをボックスファイルFごと本収納領域に収納するようにしている。前記本収納領域は、前記ワゴンWの内部、及び机Dの袖体D2の内部である。
【0016】
しかして前記ワゴンWは、図1〜図4に示すように、家具本体たるワゴン本体1と、このワゴン本体1に引き出し可能に支持され内部に収納空間2sを有する抽斗2と、この抽斗2を閉止位置にロックする施錠機構3とを具備する。
【0017】
さらに、このワゴンWは、図5〜図10に示すように、内部に区画収納部4aを有する区画収納ボックス4と、この区画収納部4aをワゴンWの外部に連通する投入口5と、この投入口5を開閉する本実施形態に係る案内具たる蓋体6と、前記施錠機構3の施錠動作を利用して前記蓋体6を閉止位置にロックする連動係止機構7とを具備する。なお、図5は抽斗2の分解斜視図、図6及び図7は抽斗2をワゴン本体1から引き出した状態を示す斜視図、図8及び図9は抽斗2の鏡部2Aの一部を破断して内部を示した正面図、図10は図9におけるA−A断面図である。
【0018】
前記ワゴン本体1は、前記図2〜図4に示すように、主にオフィス等に用いられるこの種のワゴンにおけるものと同様の構成を有する。すなわち、筐体11と、この筐体11を移動可能に支持するキャスタ16とを具備する。前記筐体11は、このワゴン本体1の上面を形成する天板12、このワゴン本体1の左右両側面をそれぞれ形成する左右両側の側板13、13、このワゴン本体1の背面を形成する背板14、及びこのワゴン本体1の底面を形成する底板15を備えている。また、前記筐体11は、天板12、両側板13、13、背板14、及び底板15により区画される内部空間を前方に開放する開口部1aを有する。
【0019】
前記抽斗2は、前記図5〜図10に示すように、抽斗本体21と、この抽斗本体21の前方に設けた鏡部2Aとを具備する。前記抽斗本体21は、この抽斗2の底面を形成する底壁22、前記底壁22の左右両端から起立させて設けた左右両側の側壁23、23、及び前記底壁22の後端から起立させて設けたする背壁24を備えている。一方、前記鏡部2Aは、前記底壁22の前端から起立させて設けた鏡裏板25と、前記鏡裏板25の前方に取り付けてなる鏡板26とを具備する。また、本実施形態では、前記鏡部2Aがこの抽斗2を閉止位置に位置させた際に前記開口部1aを閉止する開閉体として機能するようにしている。さらに、前記鏡部2Aには、この抽斗2に加えられる開閉操作力を受け付ける把手27を設けている。加えて、図示はしないが、ワゴン本体1に設けたラッチ受け(図示略)と係合することによりこの抽斗2を閉止位置に係止可能なラッチ(図示略)を設けているとともに、前記把手27内の把手レバー271と前記ラッチとを連動させるべく、これらの間に連動機構を設けている。この連動機構は、この種の抽斗に用いられる通常のものと同様の構成を有するので、図示は省略する。加えて、前記鏡部2Aには、前記施錠機構3、前記投入口5、及び前記蓋体6を設けていて、前記施錠機構3と前記蓋体6との間に前記連動係止機構7を介在させている。さらに、鏡部2A後方には、区画収納ボックス4を隣接して設けている。これら施錠機構3、区画収納ボックス4、投入口5、蓋体6、及び連動係止機構7の構成は後述する。
【0020】
この抽斗2内部に収納する物品は、前記図6及び図7に示すように、主として正面視略長方形状のボックスファイルFである。このボックスファイルFは、所定規格に基づくサイズ、具体的にはA4サイズの書類を収納可能で、A4サイズの書類の短辺に対応する長さを有する第1の辺、及びA4サイズの書類の長辺に対応する長さを有する第2の辺を有し、正面視上側の一隅部を切り欠いた形状である。また、左右両側の側壁23、23の高さ寸法は、前記ボックスファイルFの側面の大部分を露出可能な寸法にしている。具体的には、前記ボックスファイルFを、前記第1の辺が幅方向、前記第2の辺が高さ方向にそれぞれ延伸する姿勢に配した場合において、前記ボックスファイルFの側面上部5分の3ないし5分の4の領域に形成した該ボックスファイルFに収納した書類の内容を表示する表示部Lの全体を露出可能にしている。
【0021】
また、本実施形態では、前記図5及び図6に示すように、この抽斗2の両側壁23、23のいずれか一方に選択的に係合可能な係合部294を有し高さ寸法h2がこの抽斗2の両側壁23、23の高さ寸法h1よりも大きな高壁部材29を設置可能にしている。
【0022】
この高壁部材29は、本実施形態では上方に開口する箱状の部材であり、抽斗2の側壁23に添設可能な外壁291と、この外壁291に対向して設けられる内壁292と、これら外壁291及び内壁292の下端部同士を接続する底壁293と、前記外壁291の外側に設けられ両側壁23、23のいずれか一方の上端に係合可能な係合部たる係合爪294と、前記外壁291及び内壁292により区画され上方に向けて開口する開口部29aとを有する。さらに、図示はしないが、前記外壁291及び前記内壁292には、前記開口部29a内を前後に区画する仕切り板295の上端部と係合可能な仕切り板受孔を奥行き方向に離間して複数形成している。
【0023】
さらに、この高壁部材29を設けた状態でのこの抽斗2の内法幅寸法を、前記ボックスファイルFの第1の辺に略一致させているとともに、この高壁部材29を外した状態でのこの抽斗2の内法幅寸法は、前記ボックスファイルFの第2の辺に略一致させている。一方、前記高壁部材29の奥行き寸法は、前記区画収納ボックス4を抽斗2の鏡部2A後方に隣接して設けた場合の前記区画収納ボックス4の後面から前記抽斗2の背板24までの内法寸法に対応させている。
【0024】
前記施錠機構3は、前記図5、図8、及び図9に示すように、上段の抽斗2の前記鏡部2Aの前記鏡裏板25及び前記鏡板26の間に形成される空間に配されるシリンダ31と、このシリンダ31に接続してなり施錠操作に連動して左右に移動するデッドボルト32と、前記筐体1に設けられ施錠位置にある前記デッドボルト32と係合可能な係合孔(図示略)とを具備する。
【0025】
前記区画収納ボックス4は、前記図10に示すように、また、図11の(a)及び(b)に閉止状態及び開成状態における側面図をそれぞれ示すように、ボックス本体41と、このボックス本体41に枢着部4xを介して枢着したボックス蓋42と、前記ボックス本体41を前記抽斗2の鏡部に取り付けるための取付部43とを具備する。また、前記ボックス本体41と前記ボックス蓋42との間に形成される内部空間を区画収納部4aとしていて、本実施形態ではこの区画収納部4aに不要物品を収納するようにしている。すなわち、この区画収納ボックス4は、本実施形態ではごみ箱としての機能を有する。
【0026】
前記ボックス本体41は、本実施形態では、後壁411と、この後壁411の左右両端からそれぞれ前方に突出して設けた左右両側壁412、412と、前記後壁411及び前記左右両側壁412、412の下端を接続する底壁413と、前記後壁411の上端から前方に突出する頂壁414とを有する。さらに、前記後壁411の上部、すなわち抽斗2の収納空間2sの前端面の上部に、抽斗2に収納するボックスファイルFを、区画収納ボックス4と抽斗2に収納した他のボックスファイルFとの間の空間に案内する案内部たる傾斜壁411aを設けている。この傾斜壁411aは、上方に向かうにつれ前方に位置する形状の傾斜を有する。そして、この傾斜壁411aに沿って前記ボックスファイルFを抽斗2内部に向けて移動させることにより、該ボックスファイルFをこの区画収納ボックス4と抽斗2に収納した他のボックスファイルFとの間の空間へ案内するようにしている。また、前記閉止状態とはボックス蓋42を閉止位置に位置させた状態、及び開成状態とはボックス蓋42を開成位置に位置させた状態である。
【0027】
前記ボックス蓋42は、本実施形態では、前壁421と、この前壁421の左右両端からそれぞれ後方に突出して設けた左右両側壁422、422と、前記前壁421及び前記左右両側壁422、422の下端を接続する底壁423とを有する。閉止位置においては、前記左右両側壁422、422は、前記ボックス本体41の左右両側壁412、412の内側に重合するようにしている。また、前記底壁423は、前記ボックス本体41の底壁413の上方に重合するようにしている。そして、閉止位置において、前記ボックス本体41の後壁411と、このボックス蓋42とにより区画される空間を区画収納部4aとしている。さらに、このボックス蓋42の前壁421の上端縁421aを、前記ボックス本体41の頂壁414よりも下方に位置させ、前記ボックス本体41の頂壁414の前端縁414aとこのボックス蓋42の前壁421の上端縁421aとの間に物品投入空間4tを形成している。そして、不要物品が前記投入口5から前記物品投入空間4tを通過して区画収納部4a内に投入されるようにしている。
【0028】
前記枢着部4xは、前記ボックス蓋42の左右両側壁422、422の前下隅部を、前記ボックス本体41の左右両側壁412、412の前下隅部に枢着し、前記ボックス蓋42の上縁側を前方に回動可能に前記ボックス蓋42を枢着する機能、すなわち前記ボックス蓋42を前記閉止位置と前記開成位置との間で移動可能に支持する機能を備えている。
【0029】
前記取付部43は、本実施形態では前記ボックス本体41の頂壁414の前端縁から垂下させて前記鏡部2Aの上面に設けたボックス取付孔と凹凸係合可能に設けた係止爪を利用して形成している。すなわち、この取付部43を前記ボックス取付孔に係脱させることにより、この区画収納ボックス4を抽斗2に対して着脱可能にしている。
【0030】
前記投入口5は、前記図6、前記図7、前記図10、及び図12〜図14に示すように、このワゴンWの外部と、前記区画収納ボックス4の内部の区画収納部4aとを連通すべく前記鏡部2Aの上部に設けている。また、この投入口5は、前記鏡板26と前記前記鏡裏板25との間に介在させた枠状の蓋体取付部材8を利用して設けている。さらに詳述すると、前記鏡板26の上端近傍に設けた前開口26a、前記鏡裏板25の前記前開口26aに対応する部位に設けた後開口25a、及び前記蓋体取付部材8の開口8aを連通させてこの投入口5を形成している。また、この投入口5の上端縁5aは、前記区画収納ボックス4のボックス本体41の頂壁414よりも下方に位置させているとともに、この投入口5の下端縁5bは、前記区画収納ボックス4のボックス蓋42の前壁421の上端縁よりも上方に位置させ、この投入口5を通過した物品が確実に前記区画収納ボックス4の物品投入空間4tに到達するようにしている。なお、前記図12はこの投入口5近傍を拡大して示した斜視図、前記図13は前記図10におけるこの投入口5近傍を拡大して示した図、前記図14は蓋体6を開成位置に移動させた状態における図13に対応する図である。
【0031】
ここで、前記蓋体取付具8は、図18〜図20に側面図をそれぞれ示すように、左右両端に位置する側枠81、81と、両側枠81、81の上端を接続する上枠82と、両側枠81、81の下端を接続する下枠83と、前記上枠81及び前記下枠82の前記両側枠81、81からそれぞれ所定距離ずつ内方の位置を接続するように左右両側に設けた内枠84、84と、互いに対向する前記側枠81と前記内枠84の後端同士を接続する背板85と、この背板85に設けられ鏡裏板25を貫通させたネジ部材(図示略)と螺着可能なネジ受け部86とを有する。また、前記内枠84には、後述する蓋体6の枢着軸62と係合可能な軸受孔8xを設けている。そして、前記内枠84、84間の部位のうち、少なくとも正面視前記前開口26a及び後開口25aと重合する部分に前記開口8aを設けている。加えて、前記下枠83から起立させて起立壁87を設けている。この起立壁87は、幅方向中央部から前上方に向けて起立する起立部87bと、この起立部87bの突出端から後方に延伸する水平部87aとを具備する。前記水平部87aは、前記開口8aの下縁を形成している。
【0032】
前記蓋体6は、前記投入口5近傍の部位、具体的には前記鏡板26及び前記鏡裏板25にそれぞれ設けた前記開口26a、25aの間に設けられ、この投入口5を開閉する。さらに詳述すると、この蓋体6は、平面図を図15、正面図を図16、図16におけるB−B断面図を図17にそれぞれ示すように、前記開口26aを開放する開成位置及び前記開口26aを被覆して閉止する閉止位置との間で移動可能な板状の蓋体本体61と、前記蓋体本体61の両側端部の下方に設けてなり前記蓋体本体61と前記蓋体取付具8とを接続する枢着軸62と、前記蓋体本体61から突出して設けたリブ63とを具備する。なお、前記図4及び図10では、閉止位置にある蓋体6を実線、開成位置にある蓋体6を想像線によりそれぞれ示している。また、前記図8、図9、及び図13では、蓋体6が開成位置にある状態を示している。さらに、前記図12及び図14では、蓋体6が開成位置にある状態を示している。
【0033】
さらに詳述すると、前記蓋体本体61は、前記開口26aに対応する形状を有し閉止位置において前記開口26aを被覆可能な底壁611と、この底壁611の前端部から起立する前起立壁612と、前記底壁611の後端部から起立する後起立壁613と、前記底壁611の左右両端から起立する側壁614、614とを少なくとも具備する。また、前記後起立壁613は、前記底壁611の後端部から起立する基端起立部613aと、この基端起立部613aの突出端から前記底壁611と平行に延出させて設けた延出部613bと、この延出部613bの延出端から起立して設けた先端起立部613cと、前記基端起立部613a及び前記延出部613bにより区画される凹部613dとを具備する。
【0034】
前記リブ63は、底壁611から起立させ、前記底壁611、前記前起立壁612、及び前記後起立壁613と一体的に設けている。また、このリブ63と前記前起立壁612との結合位置、及びこのリブ63と前記後起立壁613との結合位置においては、このリブ63の突出端を前記前起立壁612及び前記後起立壁613とそれぞれ面一にしている。さらに本実施形態では、同一の厚さ寸法の前記リブ63を複数設けていて、リブ63間に所定の間隔daを設けてこれらリブ63を配置している。前記所定の間隔daは、図21に示すように、本実施形態では該リブ63の厚さ寸法dbと略同一にしている。そして、これら複数のリブ63の突出端に、物品を前記区画収納部4a内に投入すべく案内する投入案内面6aを形成している。この投入案内面6aは、開成位置においては、投入口5に近づくにつれ下方に位置するよう傾斜させるようにしている。なお、前記図21は、前記図16におけるC−C断面の一部を拡大して示す図である。
【0035】
前記蓋体6の枢着軸62は、前記蓋体本体611の凹部611dに配され、前記蓋体取付具8の軸受孔8xとを凹凸係合することにより蓋体6の一方の縁部、本実施形態では下縁部を投入口5に枢着する枢着部を形成している。この枢着部には、該枢着部を中心に前記蓋体本体61の他方の縁部側、すなわち上縁側を外方に回動可能に蓋体6を枢着する機能を備えている。
【0036】
加えて、前記蓋体6と前記蓋体取付具8との間には、キャッチ機構Cを設けている。このキャッチ機構Cは、前記蓋体6を開成位置から閉止位置に移動させた際にこの蓋体6を閉止位置に係止するとともに、前記蓋体6を閉止位置に係止した状態で前記蓋体6が押圧されると係止状態を解除する周知の機構である。
【0037】
前記連動係止機構7は、前記図5、前記図8、前記図9、前記図10、及び前記図13に示すように、前記蓋体6に係合して該蓋体6を閉止位置にロックするロック位置と該蓋体6の開閉を許容する退避位置との間を移動可能な係止爪72と、前記デッドボルト32の動作を前記係止爪72に伝達する伝達手段73とを具備し、施錠動作を利用して前記係止爪72をロック位置に移動させて前記蓋体6を閉止位置にロックするよう構成している。より具体的には、前記係止爪72は、蓋体取付具8の下枠83を通過する起立部721と、この起立部721の上端から前方に突出させて形成した係合部722とを有する。一方、前記蓋体6の底壁611の下方に、前記係止爪72と係合可能な係止爪受619を設けている。この係止爪受619は、蓋体本体61から垂下して設けた垂下壁619aと、この垂下壁619aの突出端から後方に延伸し係止爪72の係合部722に対向可能な下水平壁619bと、前記垂下壁619aの基端から後方に延伸し係止爪72の係合部722に対向可能な上水平壁619cとを有する。また、前記蓋体取付具8の下枠83からは前記伝達手段73を支持する支持部831を垂下して設けている。この支持部831は、前記蓋体取付具8の下枠83から垂下して設けた垂下壁831aと、この垂下壁831aの下端から前方に突出させて設けた水平部831bと、この水平部831bの前端から起立させて設けた起立部831cとを有し、前記水平部831bにより前記伝達手段73を下方から支持するようにしているとともに、前記垂下壁831aと前記起立部831cとの間に前記伝達手段73を位置させるようにしている。さらに、前記蓋体取付具8の下枠83には、前記係止爪72を挿通可能でかつ該係止爪の左右方向へのスライドを案内するスリット832を設けている。一方、前記伝達手段73は、略L字状の金属板を利用して形成していて、一端部をピン71を介して前記デッドボルト32に接続しているとともに、他端部には前記係合爪72を一体に設けている。なお、前記伝達手段73は、図8及び図9に示すように、前記蓋体取付具8の支持部831に支持させる部位である水平部と、この部位の一端部から垂下し突出端部を前記ピン71を介して前記デッドボルト32に接続してなる垂下部とを有するが、一端部を施錠機構3のデッドボルト32に接続し、他端部側に前記係合爪72を設けているものであれば、これ以外の形状であってもよい。例えば、施錠機構3を投入口5及び蓋体6の側方に設けた場合、前記垂下部に替え、前記水平部の一端部から起立し突出端部を前記ピン71を介して前記デッドボルト32に接続してなる起立部を設けるようにするとよい。
【0038】
すなわち、このワゴンWを使用しない場合に、抽斗2を閉止位置にロックすべく前記施錠機構3に対して施錠操作を行うと、前記伝達手段73に付勢されて前記係止爪72がロック位置に向けて移動する。すなわち、前記図8に示す状態から前記図9、図10、及び図13に示す状態に移行する。そして、前記デッドボルト32が前記ワゴン本体1に設けられた係合孔に係合する位置まで移動し、前記係合爪72がロック位置に達すると、係止爪72の係合部722が前記係止爪受619の下水平壁619bと上水平壁619cとの間の空間に配される。このとき、蓋体6を押圧して開成位置に移動させようとすると、前記係止爪受619の下水平壁619bが係止爪72の係合部722に当接して蓋体6のこれ以上の回動動作が規制されるようにしている。すなわち、抽斗2が閉止位置にロックされるとともに蓋体6も同時に閉止位置にロックされるようにしている。
【0039】
本実施形態に係る蓋体6の構成によれば、前記リブ63を前記底壁611から突出させて前記底壁611、前記前起立壁612、及び前記後起立壁613と一体的に設けているので、対折り曲げ剛性を十分に確保できる。その一方で、これら底壁611、前起立壁612、後起立壁613、及びリブ63を薄い板状に形成し、このような案内具の軽量化を図ることができる。そして、前記前起立壁612、後起立壁613と前記リブ63との結合位置においてはリブ63の突出端を前記前起立壁612、後起立壁613とそれぞれ面一としているので、物品を前起立壁612、後起立壁613に引っかけることなく円滑に案内することができる。
【0040】
また、前起立壁612及び後起立壁613を設けているので、この蓋体6の耐ねじり剛性を確保することができる。
【0041】
さらに、同一の厚さ寸法を有するリブ63を複数具備し、リブ63間に所定の間隔daを設けてこれらリブ63を配置し、前記所定の間隔daを、リブ63の厚さ寸法dbと略同一にしているので、リブ63間の空間に物品が落ち込む不具合や、物品が紙葉類である場合に紙葉類がリブ63間の空間の位置でたるんでしまう不具合が発生しにくく、前記案内面6aにより物品を確実に案内できる。なお、前記所定の間隔daを、リブ63の厚さ寸法dbより小さくしても、同様の効果が得られる。
【0042】
そして、前記後起立壁613の基端寄りに凹部613dを設け、この凹部613dにこの蓋体6を抽斗2に枢着する枢着部621を配しているので、抽斗2に形成した前記開口部5の内側に枢着部621を配し、開成位置においては前記案内面6aをできるだけ内側まで設定しつつ、閉止位置において開口部5を隙間なく底壁611により被覆することができる。
【0043】
なお、本発明は以上に述べた実施の形態に限られない。
【0044】
例えば、プリンタの用紙の導入口や排出口にこのような案内具を設けてもよい。
【0045】
また、個人宅等の建物の壁体や出入り口の扉に形成した郵便物受けに上述した蓋体と同様の構成を有する蓋体を設けてもよい。
【0046】
さらに、リブの突出端は、起立壁との結合部位において、該起立壁よりも突出させるようにしてもよい。
【0047】
加えて、このような案内具は必ずしも開口を有する被取付物の下縁に枢着する必要はない。すなわち、被取付物に固定して設けるようにしてもよく、また、被取付物に着脱可能で装着時の姿勢が一定であるようにしてもよい。
【0048】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係るワゴンを含む収納システムを示す斜視図。
【図2】同実施形態に係るワゴンを示す斜視図。
【図3】同実施形態に係るワゴンを示す正面図。
【図4】同実施形態に係るワゴンを示す側面図。
【図5】同実施形態に係るワゴンの抽斗を示す分解斜視図。
【図6】同実施形態に係るワゴンの抽斗を引き出した状態を示す斜視図。
【図7】同実施形態に係るワゴンの抽斗を引き出した状態を示す斜視図。
【図8】同実施形態に係るワゴンの要部を示す正面図。
【図9】同実施形態に係るワゴンの要部を示す正面図。
【図10】図9におけるA−A断面図。
【図11】同実施形態に係るワゴンの区画収納ボックスを示す側面図。
【図12】同実施形態に係るワゴンの投入口近傍を示す斜視図。
【図13】図9におけるワゴンの投入口近傍を拡大して示した図。
【図14】蓋体を開成位置に移動させた際の図13に対応する図。
【図15】同実施形態に係るワゴンの蓋体を示す平面図。
【図16】同実施形態に係るワゴンの蓋体を示す正面図。
【図17】図16におけるB−B断面図。
【図18】同実施形態に係るワゴンの蓋体取付具を示す正面図。
【図19】同実施形態に係るワゴンの蓋体取付具を示す底面図。
【図20】同実施形態に係るワゴンの蓋体取付具を示す側面図。
【図21】図16におけるC−C断面の一部を拡大して示す図。
【符号の説明】
【0050】
6…蓋体(案内具)
611…底壁
612…前起立壁
613…後起立壁
63…リブ
6a…案内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、この底壁から起立して設けた起立壁と、前記底壁から突出させてこれら底壁及び起立壁と一体的に設けたリブとを具備するものであって、前記起立壁と前記リブとの結合位置においてはリブの突出端を前記起立壁と面一としているか又は前記起立壁よりも突出させ、前記リブの突出端に物品を案内する案内面を形成していることを特徴とする案内具。
【請求項2】
前記起立壁として、底壁の前端部から起立する前起立壁と、底壁の後端部から起立する後起立壁とを少なくとも設けていることを特徴とする請求項1又は2記載の案内具。
【請求項3】
同一の厚さ寸法を有するリブを複数具備し、リブ間に所定の間隔を設けてこれらリブを配置しているものであって、前記所定の間隔を、リブの厚さ寸法と略同一か又はそれ以下にしていることを特徴とする請求項1又は2記載の案内具。
【請求項4】
開口を有する被取付物の下縁に枢着するための枢着部をさらに具備し、前記被取付物に枢着した状態で上縁側を外方に回動可能にしているとともに、閉止位置において前記開口を被覆可能な蓋体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の案内具。
【請求項5】
前記起立壁として、底壁の前端部から起立する前起立壁と、底壁の後端部から起立する後起立壁とを少なくとも設けているとともに、前記後起立壁の基端寄りに凹部を設け、この凹部に前記枢着部を配していることを特徴とする請求項4記載の案内具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−62968(P2007−62968A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252897(P2005−252897)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(304046982)コクヨファニチャー株式会社 (112)
【Fターム(参考)】