説明

案内表示システム

【課題】来訪者が離れた場所からも視認可能な拡大表示モードや詳細情報を提供可能な詳細表示モードを有する案内表示システムを提供する。
【解決手段】ビルの来訪者に対する応対や案内を行う案内表示システムであって、来訪者に配布されID番号情報を送信する送信機を内蔵したID入館証と、ID入館証のID番号情報と来訪者の属性情報とを対応付けて記憶するデータベース部30と、ID入館証の送信機から送信されるID番号情報を読み取るID入館証読み取り部20と、ID入館証の送信機からの電波の強度を検知する電波強度検知部25と、ID入館証を保持するビルの来訪者に対する応対や案内の画面表示を行う表示部40とにより、ID入館証のID番号情報と、電波強度と、該データベース部30における来訪者の属性情報とに応じて表示部40の表示制御を行う主制御部10と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルディングなどの入り口付近に設置されて、ビルディング入館者・来訪者に対する応対や案内などを行う案内表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスやイベント会場などにおいて、来訪者に対し電子掲示板(モニタ)を用いて、行き先や催し物などの案内を行う案内表示システムを導入する事例が増加している。このような案内表示システムとしては、案内表示システム設置会場で開催されるイベントなどに合わせ、固定画面が表示されるものや、来訪者によるタッチパネル操作などによって画面が変化するものなどが挙げられる。これらの案内表示システム例では、来訪者ごとにきめ細かに対応することは不可能なので、案内表示システムの応用例として、ID番号を持たせた入館証を利用してゲストの来訪目的、来訪場所に合わせた個別の案内をするシステムが提案されている。
【0003】
このようなシステムとしては、例えば、特許文献1(特開2005−316945号公報)に、高度なセキュリティを要する施設において、当該施設への来訪者を来訪目的に合わせて許可エリアに案内するとともに、施設の防護エリア内への侵入を的確に排除するためのセキュリティシステムであって、 来訪者に関する来訪者情報を来訪目的および行動予定とともに登録し、これに実際の行動状況を逐次に登録して関連付けていくデータベース手段と、このデータベース手段に来訪者を照会することにより、当該来訪者が本人であることを認証するとともに、来訪者のための管理符号を当該来訪者にマーキングし、かつ、その個人情報などと関連付けて前記データベース手段に提供する来訪者特定手段と、この来訪者特定手段によりマーキングした管理符号を許可エリアおよび防護エリアの各ゲートにおいて検出したときに、当該管理符号を前記データベース手段に照会して来訪者による進入、退出の可否を判定し、その判定結果を個人情報などと関連付けてデータベース手段に提供する行動追跡手段と、前記データベース手段における登録内容および設定内容により、来訪者には、その許可エリアへの案内および防護エリアについての警告を、また、管理者には、来訪者ごとに各エリアの入出履歴および行動監視手段の判定結果を、それぞれ模式的に表示する案内監視手段とを有していることを特徴とするセキュリティシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2005−316945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載のシステムでは、来訪者のデータベース手段における登録内容に基づいて許可エリアへの案内を行うのみの構成であるので、来訪者に対して効率的に情報提供を行うものではない。すなわち、特許文献1に記載のシステムでは、来訪者に対する画面表示、警句表示などを来訪者が視認できるか否かにかかわらず、システム側が一方的に提供するものであるので、来訪者にとってユーザーフレンドリーな構成であるとは言い難い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、ビルディングなどに設置され、当該ビルディングの来訪者に対する応対や案内などを行う案内表示システムにおいて、来訪者に配布され唯一無二のID番号情報を送信する送信機を内蔵したID入館証と、ID入館証のID番号情報と来訪者の属性情報とを対応付けて記憶するデータベース部と、ID入館証の送信機から送信されるID番号情報を読み取るID入館証読み取り部と、ID入館証の送信機からの電波の強度を検知する電波強度検知部と、ID入館証を保持するビルディングの来訪者に対する応対や案内の画面表示を行う表示部と、該ID入館証読み取り部で読み取ったID入館証のID番号情報と、該電波強度検知部で検知される電波強度と、該データベース部における来訪者の属性情報とに応じて該表示部の表示制御を行う主制御部と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の案内表示システムにおいて、該電波強度検知部で検知される電波強度が所定の閾値以上である場合には、該表示部における表示情報量を多くした詳細表示モードによる表示を行い、該電波強度検知部で検知される電波強度が所定の閾値未満である場合には、該表示部における表示情報量を少なくした拡大表示モードによる表示を行うことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の案内表示システムにおいて、該ID入館証読み取り部において読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合には、全てのID番号情報に対応する情報を該表示部に表示することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の案内表示システムにおいて、該ID入館証読み取り部において読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合には、該電波強度検知部で検知される電波強度が最も強いID入館証のID番号情報に対応する情報を該表示部に表示することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の案内表示システムにおいて、該ID入館証読み取り部において読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合で、ID入館証のID番号情報のうち属性情報として優先表示が記録されているID入館証のID番号情報に対応する情報を該表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の案内表示システムによれば、来訪者が保持するID入館証の送信機からの電波の強度に基づいて、表示部における表示モードを変更するように構成されるので、表示部と来訪者との距離が考慮された効率的な表示を行うことができる。すなわち、本発明の案内表示システムは、来訪者が表示部から離れた場所にいるときには、案内表示システムは拡大表示モードとなり、来訪者が離れた場所からも表示部を視認できるようにし、また、来訪者が表示部の近くにいるときには、案内表示システムは詳細表示モードとなり、来訪者に対して詳細な情報を提供することが可能となる。
【0011】
また、本発明の案内表示システムによれば、読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合には、全てのID番号情報に対応する情報を表示部に表示する「同時表示モード」と、電波強度検知部で検知される電波強度が最も強いID入館証のID番号情報に対応する情報を表示部に表示する「近接優先表示モード」とをとることが可能となり、案内表示システムをきめ細かく設定可能となっている。
【0012】
また、本発明の案内表示システムによれば、読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合には、ID入館証のID番号情報のうち属性情報として優先表示が記録されているID入館証のID番号情報に対応する情報を表示部に表示する「優先表示モード」があるので、例えば障害を有する来訪者などを優先的に案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る案内表示システムのブロック構成の概要を示す図である。案内表示システムは、ビルディングなどの入り口付近に設けられて、ビルディング入館者(来訪者)に対する応対や案内などを行うように構成されるシステムである。図1において、10は主制御部、20はID入館証読み取り部、25は電波強度検知部、30はデータベース部、40は表示部をそれぞれ示している。
【0014】
主制御部10は、CPUなどの中央演算装置やROMなどの書き換え不能な記憶素子、RAMなどの書き換え可能な記憶素子、HDDなどの太容量記憶装置、キーボードやポインティングデバイスなどの入力機器、モニタ、印刷装置などの外部出力機器機、ネットワーク接続機器機などの周辺装置などからなる汎用の情報処理機構であり、例えば一般的なパーソナルコンピュータなどのシステムを用いることができる。主制御部10は、それぞれの構成と協働することによって、本発明における案内表示システムのための処理・制御を行うものである。このような案内表示システムの制御・処理のためのプログラムはROMなどの書き換え不能な記憶素子やHDDなどの太容量記憶装置などに書き込んでおく。主制御部10において、このようなプログラムを実行することにより、本発明の案内表示システムの機能を実現することができる。
【0015】
案内表示システムが設置されるビルディングの入館者や来訪者に対しては、固有の(唯一無二の)IDを有するID入館証が配布される。このID入館証には、固有の(唯一無二の)ID番号が付され、そのID番号を送信可能な送信機が内蔵されている。このようなID入館証に内蔵される送信機としては、アクティブ型、UHF帯パッシブ型のRFIDタグ、無線LAN端末などを利用することができる。ID入館証読み取り部20は、このようなID入館証の送信機から送信されるID番号を読み取るものであり、このID入館証読み取り部20における電波強度検知部25は、ID入館証の送信機からの信号電波の強度を検知する。本発明の案内表示システムでは、この電波強度検知部25によって検知される電波の強度によって、ID入館証を保持する来訪者と案内表示システムとの距離を推定するようになっている。
【0016】
データベース部30は、ID入館証の固有のID番号と、当該ID入館証が配布される来訪者の属性との対応情報からなるデータベースである。図2は、データベース部30が保持するデータ構造例の概略を示す図である。図2に示すように、データベース部30は、ID入館証の固有の「ID番号」と、そのID番号のID入館証を保持する来訪者の「来訪者氏名」、「来訪者所属」、「来訪目的」、「来訪場所」、「来訪予定時刻」、「使用言語」、「優先表示有無」などのデータを有するものである。このデータベース部30のデータ構造における「優先表示有無」は、例えば、ID入館証を保持する来訪者が障害を有するかなどによって決定される事項である。
【0017】
表示部40は、ID入館証を保持するビルディングの来訪者に対して、応対や案内などを行う画面であり、主制御部10によって制御される。主制御部10はID入館証読み取り部20で読み取ったID入館証のID番号と、電波強度検知部25で検知される電波強度と、データベース部30におけるID入館証所持者の属性情報とに応じて、本発明の案内表示システムにおける表示部40の表示制御等を行うものである。
【0018】
次に、電波強度検知部25で検知される電波の強度による表示部40の表示制御例について説明する。図3は本発明の実施の形態に係る案内表示システムの信号電波強度による表示モードの変更を示す図である。本発明の案内表示システムでは、電波強度検知部25で検出されるID入館証の信号電波が、所定閾値So[dB]以上であるか、所定閾値So[dB]未満であるか、によって表示部40における表示モードが変更されること一つの特徴としている。
【0019】
ID入館証の信号電波が、所定閾値So[dB]以上である場合には、当該ID入館証の所持者が案内表示システムの近くにいるものと判定して、案内表示システムは詳細表示モードをとる。この詳細表示モードでは、表示部40の表示文字や表示画像は小さいものに設定され、表示部40の表示情報量を多くする。
【0020】
一方、ID入館証の信号電波が、所定閾値So[dB]未満である場合には、当該ID入館証の所持者が案内表示システムの遠くにいるものと判定して、案内表示システムは拡大表示モードをとる。この拡大表示モードでは、表示部40の表示文字や表示画像は大きいものに設定され、表示部40の表示情報量を少なくする。
【0021】
図4は本発明の実施の形態に係る案内表示システムの表示部における画面表示例を示す図である。図4においては、本発明の実施の形態に係る案内表示システムのID入館証読み取り部20及び表示部40の構成が抜き出して示されている。以後、これと同様の構成の図においては、ID入館証読み取り部20及び表示部40の構成のみを示している。また、図4はID番号A00001(データベース部30の図2のデータ参照)のID入館証所持者が、図4(A)の状態から図4(B)の状態に示すように案内表示システムに近づいてくる事例を示している。
【0022】
図4(A)はID番号A00001のID入館証所持者が、案内表示システムから比較的遠くにあり、電波強度検知部25で検知されるID入館証の信号強度が所定閾値So[dB]未満であり、表示部40における表示が拡大表示モードとなっている状態を示している。
【0023】
また、図4(B)はID番号A00001のID入館証所持者が、案内表示システムの近くにおり、電波強度検知部25で検知されるID入館証の信号強度が所定閾値So[dB]以上であり、表示部40における表示が詳細表示モードとなっている状態を示している。
【0024】
以上のような本発明の案内表示システムによれば、来訪者が保持するID入館証の送信機からの電波の強度に基づいて、表示部40における表示モードを変更するように構成されるので、表示部と来訪者との距離が考慮された効率的な表示を行うことができる。すなわち、本発明の案内表示システムは、来訪者が表示部40から離れた場所にいるときには、案内表示システムは拡大表示モードとなり、来訪者が離れた場所からも表示部40を視認できるようにし、また、来訪者が表示部40の近くにいるときには、案内表示システムは詳細表示モードとなり、来訪者に対して詳細な情報を提供することが可能となる。
【0025】
次に、ID入館証読み取り部20で複数のID入館証が検知される場合の表示部40の表示制御例について説明する。図5は本発明の実施の形態に係る案内表示システムの表示部における画面表示例を示す図である。図5は、ID入館証読み取り部20が電波を検知し得る有効範囲内に、複数のID入館証が存在する場合を説明するものであり、図5(A)及び図5(B)ともに、ID番号A00001(データベース部30の図2のデータ参照)のID入館証所持者と、ID番号A00002(データベース部30の図2のデータ参照)のID入館証所持者がID入館証読み取り部20の電波検知有効範囲内にいる場合を示している。ID番号A00001のID入館証所持者は、ID番号A00002のID入館証所持者よりID入館証読み取り部20から離れた場所にいるものとする。本発明の案内表示システムにおいては、このような場合に、2種類のモードをとることができることも一つの特徴としている。
【0026】
本発明では図5のように、ID番号A00001のID入館証所持者と、ID番号A00002のID入館証所持者とがID入館証読み取り部20の電波検知有効範囲内にいる場合には、案内表示システムにより接近しているID入館証所持者に対する案内を優先するモード(近接優先表示モード)と、電波検知有効範囲内にいる全てのID入館証所持者に対して案内を行うモード(同時表示モード)とを有している。
【0027】
図5(A)は、前者のモードにおける表示部40表示例を示しており、この場合、ID番号A00002のID入館証所持者に対する案内表示が優先される。この図においては、ID番号A00002のID入館証所持者のID入館証からの電波強度が所定閾値So[dB]以上であり、表示部40における表示が詳細表示モードとなっている状態を示している。
【0028】
また、図5(B)は、後者のモードにおける表示部40表示例を示しており、この場合、ID番号A00001のID入館証所持者及びID番号A00002のID入館証所持者の双方に対する案内表示が行われる。この場合、ID入館証からの電波強度の如何に関わらず、双方に対して案内表示を行うように設定される。
【0029】
以上のような本発明の案内表示システムによれば、読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合には、全てのID番号情報に対応する情報を表示部40に表示する「同時表示モード」と、電波強度検知部25で検知される電波強度が最も強いID入館証のID番号情報に対応する情報を表示部40に表示する「近接優先表示モード」とをとることが可能となり、案内表示システムをきめ細かく設定可能となっている。
【0030】
次に、ID入館証読み取り部20で複数のID入館証が検知される場合、ID入館証の優先度に応じた表示部40の表示制御例について説明する。本発明の案内表示システムでは、データベース部30の「優先表示有無」において、優先表示有りが記録されているID入館証保持者に対しては、電波検知有効範囲内にその他のID入館証保持者が存在していたとしても、優先表示を行うことも特徴の一つとしている。データベース部30の「優先表示有無」において、優先表示有りとするような対象者としては、VIPや障害を有する者などが考えられる。図6はこのような優先表示モードにおける表示部における画面表示例を示す図である。本発明では図6のように、ID番号A00001のID入館証所持者と、優先表示有りが記録されているID番号A00003のID入館証所持者とがID入館証読み取り部20の電波検知有効範囲内にいる場合には、優先表示有りが記録されているID入館証保持者に対する案内表示を優先するように設定される。
【0031】
以上のような本発明の案内表示システムによれば、読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合には、ID入館証のID番号情報のうち属性情報として優先表示が記録されているID入館証のID番号情報に対応する情報を表示部40に表示する「優先表示モード」があるので、例えば障害を有する来訪者などを優先的に案内することができる。
【0032】
次に、以上のような種々の表示モードを有する案内表示システムにおける表示制御例について説明する。図7は本発明の実施の形態に係る案内表示システムの表示部の表示制御における表示モード判定処理のフローチャートを示す図である。
【0033】
図7のフローチャートにおいて、ステップS100で表示モード判定処理が開始されると、続いてステップS101において、ID入館証読み取り部20が(電波検知)有効範囲内にあるID入館証の検知を行う。次に、ステップS102では、有効範囲内にあるID入館証のID番号情報、を取得し、電波強度検知部25によって取得したID番号情報のID入館証の電波の検知強度を取得する。
【0034】
ステップS103では、ID入館証読み取り部20が取得したID入館証のID番号情報が、有効範囲内に新たに入った新規のIDであるか否かが判定される。
【0035】
ステップS103における判定の結果がYESである場合にはステップS108に進み、ステップS103における判定の結果がNOである場合にはステップS104に進む。
【0036】
主制御部10は(電波検知)有効範囲内に存在するID入館証のID番号情報をリスト化した有効範囲内IDリストを管理しており、ステップS108では、この有効範囲内IDリストに、取得した新規のID番号情報を追加する。
【0037】
ステップS104では、上記の有効範囲内IDリストにこれまでリストアップされていたID番号情報のうち、ID入館証保持者が有効範囲外に移動し、検知不能となったIDがあるか否かを判定する。
【0038】
ステップS104における判定の結果がYESである場合にはステップS109に進み、ステップS104における判定の結果がNOである場合にはステップS105に進む。
【0039】
ステップS109では、有効範囲内IDリストから検知不能となったID番号情報を削除する。
【0040】
ステップS105では、主制御部10は有効範囲内IDリストにリストアップされているID番号情報の数を判定する。
【0041】
ステップS105における判定の結果が「複数」であるときにはステップS110に進み、ステップS105における判定の結果が「単数」であるときにはステップS106に進む。
【0042】
ステップS106では、電波強度検知部25で取得した電波強度が所定の閾値So[dB]以上であるか否かが判定される。ステップS106での判定結果がYESであるときにはステップS107に進み、ステップS106での判定結果がNOであるときにはステップS114に進む。
【0043】
ステップS107では、主制御部10は表示部40における表示を「詳細表示モード」(図4(B)参照)とし、ステップS114では、主制御部10は表示部40における表示を「拡大表示モード」(図4(A)参照)とする。ステップS116で、表示モード判定の処理を終了する。
【0044】
ステップS105で「複数」と判定されたときに進むステップS110では、データベース部30を参照して、有効範囲内IDリストにリストアップされているIDのうち、優先表示有りが記録されているIDが存在するか否かを判定する。
【0045】
ステップS110での判定の結果がYESである場合にはステップS111に進み、ステップS110での判定の結果がNOである場合にはステップS112に進む。
【0046】
ステップS111では、優先表示有りが記録されているIDに対応する表示を表示部40で行わせるように、当該IDを抽出する。そして次に進むステップS106での表示制御の対象は、この抽出されたID番号情報を元に行う。すなわち、この場合、図6に示すように、案内表示システムは、優先表示モードとなる。
【0047】
ステップSS110における判定結果がNOであるときに進むステップS112においては、設定されているモードが「同時表示モード」であるのか、「近接優先表示モード」であるのかを判定する。
【0048】
ステップS112における判定の結果が「同時表示モード」であるときには、ステップS115に進み、ステップS112における判定の結果が「近接優先表示モード」であるときには、ステップS113に進む。
【0049】
ステップS115では、主制御部10は表示部40における表示を「同時表示モード」(図5(B)参照)とする。
【0050】
ステップS113では、最も近接しているID入館証所持者に対する表示を優先するように、電波強度検知部25で検知される最大強度の電波を発しているID入館証のIDを抽出する。そして次に進むステップS106での表示制御の対象は、この抽出されたID番号情報を元に行う。すなわち、この場合、図5(A)に示すように、案内表示システムは、近接優先表示モードとなる。
【0051】
ステップS116では、表示モード判定処理を終了する。
【0052】
なお、以上、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係る案内表示システムのブロック構成の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る案内表示システムのデータベース部が保持するデータ構造例概略を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る案内表示システムの信号電波強度による表示モードの変更を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る案内表示システムの表示部における画面表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る案内表示システムの表示部における画面表示例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る案内表示システムの表示部における画面表示例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る案内表示システムの表示部の表示制御における表示モード判定処理のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0054】
10・・・主制御部、20・・・ID入館証読み取り部、25・・・電波強度検知部、30・・・データベース部、40・・・表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルディングなどに設置され、当該ビルディングの来訪者に対する応対や案内などを行う案内表示システムにおいて、
来訪者に配布され唯一無二のID番号情報を送信する送信機を内蔵したID入館証と、
ID入館証のID番号情報と来訪者の属性情報とを対応付けて記憶するデータベース部と、
ID入館証の送信機から送信されるID番号情報を読み取るID入館証読み取り部と、
ID入館証の送信機からの電波の強度を検知する電波強度検知部と、
ID入館証を保持するビルディングの来訪者に対する応対や案内の画面表示を行う表示部と、
該ID入館証読み取り部で読み取ったID入館証のID番号情報と、該電波強度検知部で検知される電波強度と、該データベース部における来訪者の属性情報とに応じて該表示部の表示制御を行う主制御部と、を有することを特徴とする案内表示システム。
【請求項2】
該電波強度検知部で検知される電波強度が所定の閾値以上である場合には、該表示部における表示情報量を多くした詳細表示モードによる表示を行い、該電波強度検知部で検知される電波強度が所定の閾値未満である場合には、該表示部における表示情報量を少なくした拡大表示モードによる表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の案内表示システム。
【請求項3】
該ID入館証読み取り部において読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合には、全てのID番号情報に対応する情報を該表示部に表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の案内表示システム。
【請求項4】
該ID入館証読み取り部において読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合には、該電波強度検知部で検知される電波強度が最も強いID入館証のID番号情報に対応する情報を該表示部に表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の案内表示システム。
【請求項5】
該ID入館証読み取り部において読み取られるID入館証のID番号情報が複数存在する場合で、ID入館証のID番号情報のうち属性情報として優先表示が記録されているID入館証のID番号情報に対応する情報を該表示部に表示することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の案内表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−282255(P2008−282255A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126853(P2007−126853)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】