説明

梱包容器、光プローブの梱包方法、レーザ装置及びチェック方法

【課題】清潔性を確実に確保し、かつ、作業性を損なうことなく、レーザ光の出力強度のチェックを行うこと。
【解決手段】梱包容器本体10は、レーザ光を入光する第1の端部42と入力したレーザ光を出射する第2の端部43とを有する光プローブ40を収容し、収容した光プローブ40の第1の端部42を外部に導出して封止される導出部15と、収容した光プローブ40の第2の端部43から出射されるレーザ光を外部に導出するための窓部18とを有する。透光部材30は、窓部18を塞ぐものであり、レーザ光が透光可能な部材からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光プローブを梱包するための梱包容器及び光プローブの梱包方法並びにこのような梱包容器を用いるレーザ装置及びチェック方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、血管内へ先端に光出射部を有する光プローブを挿入する応用研究が行われ始めている。光プローブは、血管に挿入されるものであるから、従来以上に厳密な清潔性を確保することが要求される。光プローブの光出射部からのレーザ光の出力強度を管理することも重要である。
【0003】
使用に際して、光プローブの光入力部がレーザ装置の光出力口に取り付けられ、光プローブの先端が血管内に挿入される。レーザ装置には、光プローブの光出射部からのレーザ光の出力強度を測定する光パワーメータが設けられている。使用に先立ち、作業者は、光プローブの光出射部を光パワーメータに近接させ、光プローブの光出射部からのレーザ光の出力強度をチェックする。
【0004】
光パワーメータは、滅菌されていないため、光プローブの光出射部を直接光パワーメータに近接又は接触させることはできない。そのため、光プローブの光出射部は、滅菌処理されたアプリケータへ挿入され、アプリケータを介してレーザ装置の光パワーメータに装着される(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】PDレーザ(2008年8月18日改訂)、(http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/730056_21600BZZ00026000_A_01_02.pdf参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光プローブの光出射部は、作業者の誤操作などによってレーザ装置の不潔な領域に接近又は接触する可能性がある。また、アプリケータに対して使用の都度滅菌処理を行わなければならないため、作業性が悪い、という問題もある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、清潔性を確実に確保し、かつ、作業性を損なうことなく、レーザ光の出力強度のチェックを行うことができる梱包容器及び光プローブの梱包方法並びにレーザ装置及びチェック方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る梱包容器は、梱包容器本体と、透光部材とを有する。
【0009】
梱包容器本体は、レーザ光を入光する第1の端部と前記入力したレーザ光を出射する第2の端部とを有する光プローブを収容し、前記収容した光プローブの第1の端部を外部に導出して封止される導出部と、前記収容した光プローブの第2の端部から出射されるレーザ光を外部に導出するための窓部とを有する。梱包容器本体は、滅菌処理された光プローブの清潔性が確保できる程度の密閉性があることが好ましい。
透光部材は、前記窓部を塞ぐものであり、前記レーザ光が透光可能な部材からなる。
【0010】
本発明では、透光部材により塞がれた窓部を介して第2の端部より出射されるレーザ光を外部に導出するようにしているので、レーザ光の測定をするときに、第2の端部が不潔な領域であるレーザ装置などへ接近又は接触することはない。アプリケータなどのインターフェース部材も不要である。よって、清潔性を確実に確保し、かつ、作業性を損なうことなく、レーザ光の出力強度のチェックを行うことができる。
【0011】
本発明の一形態に係る梱包容器は、前記梱包容器本体が、開放面を有し、前記導出部及び前記窓部が設けられた光プローブ収容箱と、前記開放面を塞ぐフィルム部材とを有するものである。
【0012】
本発明では、光プローブを開放面より収容箱に収容し、その開放面をフィルム部材により塞ぐようにできるため、梱包容器への光プローブの収容が簡単にでき、またフィルム部材を破って光プローブを梱包容器から簡単に取り出すことができる。また、収容箱の形態であることから、2次梱包の際に梱包容器を積み重ねて段ボール箱などに収容することができる。
【0013】
本発明の一形態に係る梱包容器は、前記光プローブ収容箱が、前記窓部及び前記梱包容器が取り付けられるレーザ装置の光パワーメータと前記窓部との位置決めをするための位置決め部が設けられた第1の面を有するものである。
【0014】
本発明では、窓部は、梱包容器が取り付けられるレーザ装置の光パワーメータとの位置決めをするための位置決め部と同じ面に設けられているので、レーザ装置側でも光パワーメータと位置決め部とを同じ面に設けることができる。よって、レーザ光の出力強度のチェックなどを安定した保持状態で行うことができるばかりか、レーザ装置側を簡単な構成とすることができる。
【0015】
本発明の一形態に係る梱包容器は、前記光プローブ収容箱が、前記第1の面と対向し、前記窓部と対応する位置に前記導出部が設けられた第2の面を有するものである。
【0016】
本発明では、窓部と導出部とが対向する面にかつ互いに対応する位置に設けられているので、光プローブを梱包容器の中で丸めて収容したときに、光プローブを折り曲げることなく、かつ、レーザ装置に当該梱包容器が取り付けられたときに、導出部から導出される第1の端部が当該装置に干渉することなく、光プローブを梱包容器に収容することができる。
【0017】
本発明の一形態に係る光プローブの梱包方法は、開放面、導出部及びレーザ光の透光部材により塞がれた窓部を有する収容箱に収容する。その際に、レーザ光を入光する第1の端部及び前記入力したレーザ光を出射する第2の端部を有する光プローブを、前記第1の端部を前記導出部より外部に導出し、かつ、前記第2の端部を前記窓部と所定の間隔をもって対向するように収容する。次に、前記導出部を封止部材により封止し、前記開放面をフィルム部材により塞ぐ。
【0018】
本発明では、透光部材により塞がれた窓部を介して第2の端部より出射されるレーザ光を外部に導出するようにしているので、レーザ光の出力強度のチェックをするときに、第2の端部が不潔な領域であるレーザ装置などへ接近又は接触することはない。よって、アプリケータなどのインターフェース部材も不要である。よって、清潔性を確実に確保し、かつ、作業性を損なうことなく、レーザ光の出力強度のチェックを行うことができる。
本発明の一形態に係るレーザ装置は、筐体と、光パワーメータと、位置決め係合部と、チェック部とを具備する。
光パワーメータは、前記筐体に取り付けられ、梱包容器に収容されたままの光プローブの光出射部からのレーザ光を入光する。
【0019】
位置決め係合部は、前記梱包容器に設けられた容器側係合部と対応する前記筐体の位置に前記容器側係合部と係合するように設けられ、前記光出射部と前記光パワーメータとの位置関係を規定する。
チェック部は、前記光パワーメータより入光した前記レーザ光の出力強度をチェックする。
【0020】
本発明では、梱包容器に設けられた容器側係合部がレーザ装置の位置決め係合部と係合したときに、光出射部はレーザ装置の光パワーメータに対して正しい位置に位置決めされるように構成されているので、作業者の熟練度に左右されず、レーザ装置へ設計どおり固定できる。これにより、作業者の熟練度に左右されず安定したレーザ光の出力強度のチェックが可能になる。
【0021】
本発明の一形態に係るチェック方法は、梱包容器に設けられた容器側係合部をレーザ装置に設けられた位置決め係合部に係合する。次に、前記梱包容器に収容された光プローブの光出射部からのレーザ光を、前記係合により前記光プローブの光出射部との位置関係が規定された前記レーザ装置の光パワーメータにより入光する。そして、前記光パワーメータより入光した前記レーザ光の出力強度をチェックする。
【0022】
これにより、作業者の熟練度に左右されず、レーザ装置へ設計どおり固定でき、作業者の熟練度に左右されず安定したレーザ光の出力強度のチェックが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、透光部材により塞がれた窓部を介して第2の端部より出射されるレーザ光を外部に導出するようにしているので、清潔性を確実に確保し、かつ、作業性を損なうことなく、レーザ光の出力強度のチェックを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一の実施形態に係る光プローブの梱包容器の構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1の組み立て斜視図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2の正面図である。
【図5】図2の背面図である。
【図6】図3の一部拡大平面図である。
【図7】図1〜図6に示した光プローブを梱包する方法を示すフロー図である。
【図8】図1〜図6に示した梱包容器を2次梱包した状態を示す図である。
【図9】図1〜図6に示した梱包容器がレーザ装置に装着された状態を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る光プローブの梱包容器の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る光プローブの梱包容器の構成を示す斜視図である。
【図12】図11の側面図である。
【図13】本発明の変形例を示す一部拡大平面図である。
【図14】本発明の他の変形例を示す一部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(光プローブの梱包容器の構成)
図1〜図5は、本発明の一の実施形態に係る光プローブの梱包容器の構成を示している。
【0026】
これらの図に示す梱包容器1は、梱包容器本体10と、透光部材30とを有する。梱包容器1により収容される光プローブ40は、光ファイバーからなる光プローブ本体41を有する。光プローブ本体41の両端には、それぞれ、レーザ光を入光する光入光部42と、光入光部42により入光したレーザ光を出射する光出射部43とが設けられている。
梱包容器本体10は、光プローブ収容箱11と、フィルム部材12と有する。
光プローブとして、例えば、内視鏡又はカテーテルに挿入された光プローブがある。
【0027】
光プローブ収容箱11は、例えばその材料がCOC(環状オレフィン・コポリマー)、PC(ポリカーボネート)、(HD)PE((高密度)ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)などからなり、例えば矩形でその上方に開放面13を有する。光プローブ収容箱11には、光プローブ40が何周かに丸めて収容される。光プローブ収容箱11の第1の側面14には、収容された光プローブ40の光入光部42が光プローブ本体41の一部と共に、梱包容器1より外側に導出される導出部15が設けられている。導出部15は、例えば第1の側面14の上端より設けたU字状の切り欠きによって構成される。導出部15は、第1の側面14の一端側に偏った位置に設けられている。導出部15の大きさは、例えば光プローブ本体41の径よりも少し大きければよい。導出部15は、光入光部42が梱包容器1より外側に導出された後に、例えば紫外線硬化型の樹脂からなる封止部材16により封止される。この封止は、光プローブ収容箱11にフィルム部材12を張り付ける前でもよく、またその後でもよい。
【0028】
光プローブ収容箱11の第1の側面14と対向する第2の側面17には、窓部18と、位置決め部19とが設けられている。
窓部18は、例えば第2の側面17に設けられた円形の透孔により構成される。窓部18は、第1の側面14に設けられた導出部15の位置と対応する位置(第2の側面17の一端側に偏った位置)に設けられている。窓部18の大きさは、少なくとも梱包容器1により収容された光プローブ40の光出射部43より出射されたレーザ光が窓部18を通過できる程度であればよい。
【0029】
位置決め部19は、梱包容器1が取り付けられるレーザ装置の光パワーメータ(後述する。)との位置決めをするためのものであり、窓部18の両側に設けられた凹部19a、19bにより構成される。つまり、窓部18は、位置決め部19と同じ面に設けられている。凹部19a、19bは、レーザ装置の位置決め用の各凸部(後述する。)と係合する。凹部19a、19bがこれらの各凸部と係合したときに、窓部18はレーザ装置の光パワーメータに対して正しい位置に位置決めされる。
【0030】
フィルム部材12は、開放面13を塞ぐものであり、厚さが薄くほぼ透明の(LD)PE((低密度)ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレートなどからなる。フィルム部材12は、光プローブ収容箱11に対して熱融着や接着剤を使って取り付けられる。フィルム部材12による開放面13の閉塞及び封止部材16による導出部15の封止は、梱包容器1内に収容された光プローブ40の清潔性)(滅菌)が確保される程度の気密性が維持できるものであればよい。
【0031】
透光部材30は、窓部18を塞ぐものであり、レーザ光が透光可能な部材からなる。透光部材30は、例えばCOC(環状オレフィン・コポリマー)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)などからなる平板状の部材であり、光プローブ収容箱11に対して例えば接着剤により接着される。
【0032】
なお、透光部材30の外側表面にETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)などの保護フィルムを存在させることにより、後述する2次梱包材との摩擦による透光部材30へのキズの発生を防止することができる。2次梱包材を開封した際に、窓材に貼り付けたETFEフィルムを剥がして使用する。ETFEフィルムの剥がし忘れを防止するために、透光部材30へ貼り付けたETFEフィルムの一部が2次梱包材と結合していると良い。この場合、2次梱包から開封したと同時に、ETFEフィルムも透光部材30から剥離される。
【0033】
図6は透光部材30とその周囲を拡大した平面図である。
梱包容器1内に収容された光プローブ40の光出射部43は、透光部材30(窓部18)に対して距離及び角度(光出射部43と透光部材30との平行度)を正確に保つ必要がある。このため、例えば光プローブ収容箱11の床面20には、位置決め用の溝21及び光プローブ本体41の光出射部43に近いところを固定する固定部22が設けられている。固定部22は、例えば床面20から突出した1対の突起部22a、22bとを有する。突起部22a、22bの間隔は、光プローブ本体41を挟持できる程度されている。
【0034】
この梱包容器1の梱包を行う作業者は、位置決め用の溝21を頼りに光出射部43を位置させ、光プローブ本体41を固定部22に固定し、更に光プローブ本体41の光出射部43に近いところをテープ23により光プローブ収容箱11の床面20に固定する。
【0035】
ここで、一例を示すと、光出射部43の径Rは100〜800μm、窓部18の径Rは10〜20mm、透光部材30の厚さtは1〜5mm、光出射部43と透光部材30との距離Lは1〜5mmとしている。
【0036】
(光プローブを梱包する方法)
次に、このように構成された梱包容器1に光プローブ40を梱包する方法を図7に従って説明する。
まず、作業者は、光プローブ40に対して所定の滅菌処理を施す(ステップ71)。
次に、作業者は、既に透光部材30が取り付けられている光プローブ収容箱11に光プローブ40を収容する(ステップ72)。その際に、作業者は、光入光部42を導出部15より外部に導出する。また、作業者は、既に説明したとおり、位置決め用の溝21を頼りに光出射部43を位置させ、光プローブ本体41を固定部22に固定し、更に光プローブ本体41の光出射部43に近いところをテープ23により光プローブ収容箱11の床面20に固定する(ステップ73)。
【0037】
次に、作業者は、導出部15を紫外線硬化型の樹脂からなる封止部材16で塗布して塞ぎ、紫外線を照射して封止部材16を硬化させ、導出部15を封止する(ステップ74)。
【0038】
次に、作業者は、開放面13をフィルム部材12により覆い、フィルム部材12をプローブ収容箱11に対して熱融着によって取り付ける。これにより、開放面13はフィルム部材12により塞がれる(ステップ75)。
以上で、光プローブ40は、梱包容器1に収容され、梱包される。
【0039】
次に、作業者は、この梱包容器1を2次梱包する(ステップ76)。これは、図8に示すように、薄いフィルム状のシートからなる袋51の中に梱包容器1を入れ、開封部分の熱圧着などにより密閉することで、2次梱包が行われる。薄いフィルム状のシートからなる袋51としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)を基材とした多層構造フィルムを用いることができる。なお、出荷用滅菌方法として、放射線滅菌が主として用いられるため、1・2次梱包材共に耐放射線性が高いことが望ましい。その点で、PP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)の使用は、ガス発生(塩素)という観点からあまり望ましくない。
このように2次梱包された梱包容器1は、例えば段ボール箱の中に重ねて多数収容される(ステップ77)。段ボール箱へ多数収容された梱包容器1に対して放射線滅菌や電子線滅菌処理を施すことにより,梱包容器1の内外部,及び,2次梱包(袋51)内部の滅菌を確保することができる(ステップ78)。
【0040】
(レーザ光の出力強度のチェック)
図9は、図1〜図6に示した梱包容器がレーザ装置に装着された状態を示す図である。
図9に示すように、このレーザ装置60は、筐体61を備え、筐体61には、光出力口62と、光パワーメータ63と、位置決め部64と、チェック部65が設けられている。
【0041】
光出力口62は、レーザ光を出力する。光出力口62には、梱包容器1から導出されたレーザ光を入光する光入光部42が接続される。光出力口62から出力されたレーザ光は、光入光部42に入光し、光プローブ本体41を介して光出射部43より出射される。
【0042】
光パワーメータ63には、梱包容器1に収容された光プローブ40の光出射部43より出射され窓部18を通過したレーザ光が入光する。光パワーメータ63は、入光したレーザ光の出力強度を測定する。
【0043】
位置決め部64は、梱包容器1に設けられた位置決め部19と対応する筐体60の位置に、位置決め部19の各凹部19a、19bと係合する凸部64a、64bを有する。各凹部19a、19bと各凸部64a、64bとが係合することで、光プローブ40の光出射部43と光パワーメータ63との位置関係が規定される。すなわち、凹部19a、19bがこれらの各凸部64a、64bと係合したときに、梱包容器1の窓部18がレーザ装置60の光パワーメータ63に対して正しい位置に位置決めされる。
【0044】
チェック部65は、光パワーメータ63より入光したレーザ光の出力強度をチェックする。例えば、チェック部65は、レーザ光の出力強度があらかじめ定められた範囲内にないときには、音や表示などによる報知を行ったり、光出力口62からのレーザ光の出力を停止する。或いは、所定の範囲内にとなるように、光出力口62からのレーザ光の出力を較正するようにしてもよい。
このように構成されたレーザ装置60では、以下のようにしてレーザ光の出力強度がチェックされる。
まず、作業者は、梱包容器1から導出された光入光部42をレーザ装置60の光出力口62に接続する。
【0045】
次に、作業者は、梱包容器1に設けられた各凹部19a、19bをレーザ装置60に設けられた各凸部64a、64bに係合する。これにより、梱包容器1の窓部18がレーザ装置60の光パワーメータ63に対して正しい位置に位置決めされる。
【0046】
次に、光出力口62からレーザ光を出力させると、梱包容器1に収容された光プローブ40の光出射部43からのレーザ光は、レーザ装置60の光パワーメータ63に入光する。
【0047】
そして、光パワーメータ63より入光したレーザ光の出力強度は、チェック部65によりチェックされる。例えば、レーザ光の出力強度があらかじめ定められた範囲内にないときには、レーザ装置60より音や表示などによる報知が行われる。
【0048】
(実施形態の作用と効果)
この実施形態によれば、光プローブ40が梱包容器1に収容されたままの状態で、光出射部43からのレーザ光を梱包容器1の窓部18を介してレーザ装置60の光パワーメータ63に入光できるように構成している。すなわち、梱包容器1に窓部18があるので、光出射部43の滅菌を保ったまま(梱包容器1に保護されたまま)レーザ光の出力強度のチェックを行うことができ、清潔性を確実に確保できる。また、アプリケータなどのインターフェース部材も不要なので、作業性を損なうことなく、レーザ光の出力強度のチェックを行うことができる。また、梱包容器1の中で光出射部43の先端部が保持されているので、輸送中の損傷を防止できる。
【0049】
この実施形態によれば、梱包容器1の凹部19a、19bがレーザ装置60の凸部64a、64bと係合したときに、窓部18はレーザ装置60の光パワーメータ63に対して正しい位置に位置決めされるように構成されているので、作業者の熟練度に左右されず、レーザ装置60へ設計どおり固定できる。つまり、梱包容器1の中で光出射部43の先端部が保持されているので、梱包容器1をレーザ装置60へ上記のごとく固定した場合に梱包容器1を設計どおりの位置へ配置することができ、作業者の熟練度に左右されず安定したレーザ光の出力強度のチェックが可能になる。
【0050】
(他の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る梱包容器の構成を示す斜視図である。
図10に示すように、第2の実施形態に係る梱包容器100は、窓部118が第2の側面117より突出した凸部122の先端表面部に設けられている点が最初の実施形態に係る梱包容器1と構成が異なる。なお、図10において、その他の構成要素には、最初の実施形態に係る構成要素と共通の符号を付している。
【0051】
第2の実施形態に係る梱包容器100では、窓部118を凸部122の先端表面部に設けたことで、レーザ装置の光パワーメータを凹部の底部に設けることができる。これにより、光パワーメータの保護及び窓部と光パワーメータとの間の位置決めをより正確に行うことができる。
【0052】
図11は、第3の実施形態に係る梱包容器の構成を示す斜視図である。図12は、図11の側面図である。
図11及び図12に示すように、第3の実施形態に係る梱包容器200は、窓部218が床面220より外部に突出した凸部222の先端表面部に設けられている点が最初の実施形態に係る梱包容器1と構成が異なる。また、凹部219(219a、219b)を床面220に設けている点も異なる。なお、図11において、その他の構成要素には、最初の実施形態に係る構成要素と共通の符号を付している。
【0053】
第3の実施形態に係る梱包容器200では、床面220より外部に突出した凸部222の先端表面部に設けたことで、第2の実施形態に係る梱包容器よりも投影面積を実質的に小さくすることができる。
【0054】
なお、本発明は、上記の実施形態には限定されない。
例えば、図13に示すように、透光部材330として、外部に出力されるレーザ光を平行光とする凸レンズを用いてもよい。このような凸レンズを用いることで、光パワーメータ側の例えば光ディテクタの受光面の面積を小さくすることができる。また、窓部と光パワーメータとの間の位置ずれの許容範囲をより広くとることができる。
【0055】
また、図14に示すように、光プローブ40の光出射部43の端面と窓部18(透光部材30)との間の領域を他の領域と仕切る壁401を設け、この壁401により仕切られた領域に例えば生理食塩水402を充填するようにしてもよい。このように、光プローブ40の光出射部43の端面と窓部18(透光部材30)との間に生理食塩水402を介在させることで、光プローブ40の光出射部43の端面及び透光部材30を冷却することができる。これにより、光プローブ40の光出射部43の端面及び透光部材30でのレーザ光の損失をより小さくすることが可能となる。
さらに、本発明はその技術思想の範囲内で様々に変形して実施が可能であり、その範囲も本発明の技術的範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0056】
1 梱包容器
10 梱包容器本体
11 光プローブ収容箱
12 フィルム部材
13 開放面
15 導出部
16 封止部材
18 窓部
19 位置決め部
30 透光部材
40 光プローブ
42 光入光部
43 光出射部
60 レーザ装置
61 筐体
62 光出力口
63 光パワーメータ
64 位置決め部
65 チェック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を入光する第1の端部及び前記入力したレーザ光を出射する第2の端部を有する光プローブを収容し、前記収容した光プローブの第1の端部を外部に導出して封止される導出部と、前記収容した光プローブの第2の端部から出射されるレーザ光を外部に導出するための窓部とを有する梱包容器本体と、
前記窓部を塞ぎ、前記レーザ光が透光可能な透光部材と
を具備する梱包容器。
【請求項2】
請求項1に記載の梱包容器であって、
前記梱包容器本体は、開放面を有し、前記導出部及び前記窓部が設けられた光プローブ収容箱と、前記開放面を塞ぐフィルム部材とを有する
梱包容器。
【請求項3】
請求項2に記載の梱包容器であって、
前記光プローブ収容箱は、前記窓部及び前記梱包容器が取り付けられるレーザ装置のレーザ光入力部と前記窓部との位置決めをするための位置決め部が設けられた第1の面を有する
梱包容器。
【請求項4】
請求項3に記載の梱包容器であって、
前記光プローブ収容箱は、前記第1の面と対向し、前記窓部と対応する位置に前記導出部が設けられた第2の面を有する
梱包容器。
【請求項5】
開放面、導出部及びレーザ光の透光部材により塞がれた窓部を有する収容箱に、レーザ光を入光する第1の端部及び前記入光したレーザ光を出射する第2の端部を有する光プローブを、前記第1の端部を前記導出部より外部に導出し、かつ、前記第2の端部を前記窓部と所定の間隔をもって対向するように、収容し、
前記導出部を封止部材により封止し、
前記開放面をフィルム部材により塞ぐ
光プローブの梱包方法。
【請求項6】
筐体と、
前記筐体に取り付けられ、梱包容器に収容されたままの光プローブの光出射部からのレーザ光を入光する光パワーメータと、
前記梱包容器に設けられた容器側係合部と対応する前記筐体の位置に前記容器側係合部と係合するように設けられ、前記光出射部と前記光パワーメータとの位置関係を規定する位置決め係合部と、
前記光パワーメータより入光した前記レーザ光の出力強度をチェックするチェック部と
を具備するレーザ装置。
【請求項7】
梱包容器に設けられた容器側係合部をレーザ装置に設けられた位置決め係合部に係合し、
前記梱包容器に収容された光プローブの光出射部からのレーザ光を、前記係合により前記光プローブの光出射部との位置関係が規定された前記レーザ装置の光パワーメータにより入光し、
前記光パワーメータより入光した前記レーザ光の出力強度をチェックする
チェック方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−101809(P2012−101809A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250153(P2010−250153)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】