説明

梱包用緩衝体及び梱包用緩衝体セット

【課題】被梱包物のサイズや形状の違いに対する汎用性を備えた梱包用緩衝体を提供する。
【解決手段】被梱包物0101の緩衝部材当接部のサイズ又は/及び形状に応じてこれを嵌合して把持するための変形容易な低反発素材からなる第一緩衝部材0103と、前記第一緩衝部材0103を入れ子状に収納するように形成される第二緩衝部材0104とからなる梱包用緩衝体であって、サイズ又は/及び形状の異なる被梱包物に対する汎用性を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器などの物品を梱包するための緩衝体に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン装置などの電気機器を梱包する際、緩衝材として発泡スチロールが広く使用されている。これは、発泡スチロールが耐衝撃性に優れるとともに軽量だからである。ところで、この発泡スチロールを用いる緩衝材は、機器の搬送が済んだ後には廃棄物と化してしまう。資源ごみとして再資源化は可能であるが、そのためのコストも生じてしまう。また、発泡スチロールの緩衝材は、機器の形状に合わせて作製しなければならず、製品化のたびに型から作らなければならない。すなわち、緩衝材としての汎用性が全くなく、そのために機器ごとに作らなければならず、また、他の機器に使いまわすことができないため、搬送後は廃棄物として処分しなければならない。このような状況は、環境保護や資源の有効活用などの気運が高まる現在において改善しなければならない課題であるといえる。
【0003】
そこで、特許文献1には、緩衝材を継ぎ足し可能にして、緩衝材自体のサイズを変更可能にすることにより、被梱包物の大きさに応じて梱包することのできる梱包用緩衝材に関する考案が開示されている。また、特許文献2には、フラットパネルディスプレイを包装するための再利用可能な包装装置に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61−107769号公報
【特許文献2】特開2008−222263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の梱包用緩衝材は、記載されている平板のように形状が同じで大きさだけが異なる被梱包物に対して、梱包用緩衝材の大きさを変えられるものの、準備された追加部材の長さ単位でしか変えることができず、様々なサイズ又は/及び形状の被梱包物に対して柔軟に適合することができないという問題がある。加えて、部品点数が増えてしまうという問題もある。
【0006】
また、特許文献2の包装装置は、ディスプレイの上部及び下部の形状に合わせた緩衝材を、ディスプレイごとに作製しておき、包装されるディスプレイに応じて適合する緩衝材を包装体に付け替えることで複数種のディスプレイを包装可能とするものである。すなわち、再使用可能なのは包装体だけであり、機器ごとに緩衝材を作らなければならないという問題が残る。
【0007】
以上のような問題を鑑みて、本発明は、サイズ又は/及び形状の異なる被梱包物に対する汎用性を備える梱包用緩衝体などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段として、以下の発明などを提供する。すなわち、第一の発明として、被梱包物の緩衝部材当接部のサイズ又は/及び形状に応じてこれを嵌合して把持するための変形容易な低反発素材からなる第一緩衝部材と、前記第一緩衝部材を入れ子状に収納するように形成される第二緩衝部材と、からなる梱包用緩衝体を提供する。
【0009】
第二の発明として、第一の発明に記載の梱包用緩衝体を被梱包物の梱包用にそろえた梱包用緩衝体セットを提供する。
【0010】
第三の発明として、被梱包物を把持する状態にある第一緩衝部材を収納した第二緩衝部材の複数を互いに締結するための結束ベルトをさらに有し、梱包用緩衝体の全部又は一部は、第二緩衝部材に設けられる結束ベルトを挿通し又は固定するためのベルト固定部を有する第二の発明に記載の梱包用緩衝体セットを提供する。
【0011】
第四の発明として、第二の発明又は第三の発明に記載の梱包用緩衝体セットで梱包された被梱包物の複数の相互位置決めをするための第一の発明に記載の梱包用緩衝体をさらに有する第二の発明又は第三の発明に記載の梱包用緩衝体セットを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、サイズ又は/及び形状の異なる被梱包物に対する汎用性を備える梱包用緩衝体などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係る梱包用緩衝体の概念図
【図2】実施形態1に係る梱包用緩衝体の概念図
【図3】実施形態1に係る梱包用緩衝体の概念図
【図4】実施形態1に係る梱包用緩衝体の概念図
【図5】実施形態3に係る梱包用緩衝体セットの概念図
【図6】実施形態3に係る梱包用緩衝体のベルト固定部の一例を示す概念図
【図7】実施形態4に係る梱包用緩衝体セットの概念図
【図8】実施形態4に係る相互位置決めのための梱包用緩衝体の概念図
【図9】実施形態4に係る相互位置決めのための梱包用緩衝体の概念図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、これらの実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0015】
実施形態1は、主に請求項1について説明する。実施形態2は、主に請求項2について説明する。実施形態3は主に請求項3について説明する。実施形態4は、主に請求項4について説明する。
<実施形態1>
<実施形態1 概要>
【0016】
本実施形態に係る梱包用緩衝体の概要を、図1を用いて説明する。図1は薄型テレビを梱包する態様を示したものである。梱包用緩衝体(0102)は、テレビ(0101)の四隅に嵌め合わされている。この梱包用緩衝体は入れ子状に形成されており、内側に収められる緩衝部材である第一緩衝部材(0103)と、これを収める外側の緩衝部材である第二緩衝部材(0104)とからなる。第二緩衝部材は、一般的な緩衝材として用いられる発泡スチロールなどの気泡を含む合成樹脂やプラスチック、あるいは段ボール(プラスチック段ボールなどを含む)などの比較的しっかりした材料からなる。第一緩衝部材は、低反発素材からなる。低反発素材は、押圧力に対して緩やかに変形し、変形した形状を維持する性質を有している。梱包物のサイズ又は/及び形状の違いに対して柔軟に変形可能な第一緩衝部材により、汎用性を備える緩衝体を提供することができる。
<実施形態1 構成>
【0017】
図2は、本実施形態に係る梱包用緩衝体の概念図である。「梱包用緩衝体」(0201)は、「第一緩衝部材」(0202)と「第二緩衝部材」(0203)とからなる。ここで、「梱包」とは、物品を搬送や保管などのために荷造りすることをいうものであるが、物品を完全に覆って荷造りする場合だけをいうものではなく、物品の一部のみを覆って荷造りする場合も含めて「梱包」という。図1を例にあげると、テレビの四隅に緩衝体を嵌め合わせることも梱包といえるし、テレビ全体を緩衝体で覆うことも梱包といえる。
【0018】
「被梱包物」とは、梱包される物品をいう。ここで、被梱包物は、特定の一の物品をいう場合と、梱包の対象を一般的に指し示していう場合とがある。すなわち、「×××社の△△△という機種のテレビ」という場合と、一般的な物品としての「薄型テレビ」という場合がある。本実施形態にかかる梱包用緩衝体は、薄型テレビを例に挙げれば、梱包の対象となる一般的な物品としての「薄型テレビ」を梱包の対象とする場合において、機種によって異なる形状に対する汎用性を備えた梱包用緩衝体ということになる。
【0019】
「第一緩衝部材」(0202)は、被梱包物の緩衝部材当設部のサイズ又は/及び形状に応じてこれを嵌合して把持するものであり、変形容易な低反発素材からなる。
【0020】
「緩衝部材当設部」とは、被梱包物を梱包する際に、被梱包物の部分のうち緩衝部材が接して当たる部分をいう。例えば、図1における薄型テレビの四隅が、緩衝部材当設部に該当する。緩衝部材当節部は、被梱包物に応じて適当な部分を定めればよい。また、梱包の仕方、つまり、搬送や保管などの用途に応じて定めればよい。
【0021】
「低反発素材」とは、押圧力に対して緩やかに変形し、変形した形状を維持する性質を有する素材である。例えば、特殊な分子構造に設計され、弾性を抑える一方で粘性を上げた軟質ウレタンフォームなどがある。また、シリコーンスポンジを素材としてもよい。
【0022】
「第二緩衝部材」(0203)は、第一緩衝部材を入れ子状に収納するように形成される。「入れ子」とは、同様の形状で大きさの異なるものを、順次に重ねて組み入れたものをいう。入れ子状に収納することについて、図3を用いて説明する。第一緩衝部材(0301)と第二緩衝部材(0302)とは、いずれも同様の形状となっている。すなわち、断面形状が凹型の溝をL字に屈曲させた形状となっている。そして、第二緩衝部材は、その溝に第一緩衝部材がすっぽりと収まるように形成されている。このように、第一緩衝部材と第二緩衝部材とを入れ子状に形成するのは、梱包用緩衝体の外形を保持し外部からの衝撃等から被梱包物を保護するための第二緩衝部材と、被梱包物の形状に応じて自身を変形させることで梱包用緩衝体の汎用性を得るための第一緩衝部材とを、梱包用緩衝体として一体的に形成するためである。
【0023】
第一緩衝体は、その断面形状を凹型に形成にしている。このような形状を採用することにより、薄型テレビを梱包する際には、そのテレビの外枠の部分を緩衝体の溝にはめ合わせることで、被梱包物の緩衝部材当接部を把持することができ、テレビを安定的に固定して梱包することができる。なお、第一緩衝部材と第二緩衝部材とは、接着させてもよいし、取外し自在としてもよい。取外し自在とする場合には、緩衝部材のいずれかが損傷した場合に、損傷した緩衝部材だけを交換することで足りる。
【0024】
第一緩衝部材および第二緩衝部材の寸法は、対象とする被梱包物の寸法に応じて設計することができる。例えば、薄型テレビであれば、その厚さに応じて設計すればよい。一般的な薄型テレビの厚さがおおむね5cm〜10cm程度であるとする。第一緩衝部材の溝の開口幅を5cmよりも短くするとともに、第二緩衝体の溝の開口幅を10cmよりも長く、例えば、13〜14cm程度にしておけばよい。すなわち、第二緩衝体の溝の開口幅は、対象とする被梱包物において嵌合される緩衝部材当接部の寸法の最大値に応じて設計すればよい。また、第一緩衝部材の溝の開口幅は、緩衝部材当接部の寸法の最小値に応じて設計すればよい。第一緩衝部材は、緩衝部材当接部のサイズ又は/及び形状に応じて変形するとともに弾性により緩衝部材当接部を把持する。
【0025】
このように、梱包用緩衝体は、ある程度被梱包物の寸法を制限するものではあるが、例えば、薄型テレビ用の緩衝体としてみれば、薄型テレビ全般に対する汎用性を備え、緩衝体としての機能を十分に発揮し得る。また、例えば、録画再生装置などもおおむねその寸法が規格化されているので、その一般的な寸法に応じて第一緩衝部材と第二緩衝部材の寸法を定めれば、ほとんどの録画再生装置を梱包することのできる緩衝体をつくることができる。
【0026】
図4に録画再生装置を被梱包物とする場合の、梱包用緩衝体の一例を示す。録画再生装置(0401)を被梱包物とし、録画再生装置の四隅を梱包用緩衝体(0402)で梱包する。梱包用緩衝体は、断面形状が凹型の溝をL字に屈曲させた形状となっている。第二緩衝部材(0404)は、溝の内側に第一緩衝部材(0403)を入れ子状に収納するように形成されている。録画再生装置の四隅は、それぞれ形状が若干異なるものであるが、第一緩衝部材はそれぞれの四隅の形状に応じて変形可能に把持することができる。また、録画再生装置は、製造元や機種が異なっても概ね同じようなサイズを採用しているので、この梱包用緩衝体は、録画再生装置全般に対して汎用性を備えることになる。
【0027】
梱包用緩衝体を用いて梱包を行う場合には、被梱包物を梱包するのに足りる梱包用緩衝体を用意すればよい。例えば、図1に示したように薄型テレビの四隅を梱包用緩衝体で把持すればよい。このように、梱包用緩衝体を複数用いることで、被梱包物ごとに異なる全体的な大きさや緩衝部材当接部の形状に対して汎用性の高い梱包が可能になる。ここで、梱包の便宜のために、梱包用緩衝体で把持された状態の薄型テレビを、さらに、箱などに収めてもよい。
<実施形態1 効果>
【0028】
本実施形態の梱包用緩衝体により、被梱包物のサイズ又は/及び形状の違いに対して柔軟に変形可能な第一緩衝部材により、汎用性の高い梱包用緩衝体を提供することができる。
<実施形態2>
<実施形態2 概要>
【0029】
本実施形態の梱包用緩衝体セットは、実施形態1に記載の梱包用緩衝体を被梱包物の梱包用にそろえた梱包用緩衝体セットである。薄型テレビを被梱包物とする場合には、図1に示したように、テレビの四隅のそれぞれに勘合される四つの梱包用緩衝体をそろえたものが、梱包用緩衝体セットとなる。
<実施形態2 構成>
【0030】
本実施形態にかかる梱包用緩衝体セットは、実施形態1を基本として、緩衝用梱包体を被梱包物の梱包用にそろえたものである。
【0031】
「緩衝用梱包体を、梱包用にそろえる」とは、被梱包物を梱包するために十分なだけの梱包用緩衝体を用意し整えることをいう。したがって、例えば、二つの梱包用緩衝体で、被梱包物を十分に梱包できるのであれば、梱包用緩衝体を二つ用意し整えることで、当該被梱物を梱包するための梱包用緩衝体セットとして成立する。すなわち、構成する梱包用緩衝体の数を限定するものではない。図1の例によれば、薄型テレビの四隅を把持する各梱包用緩衝体が、梱包用緩衝体セットの一例といえる。なお、複数の物品を被梱包物としてともに梱包するための梱包用緩衝体セットであってもよい。
<実施形態2 効果>
【0032】
本実施形態の梱包用緩衝体セットにより、被梱包物に適した梱包を不足なく行うことができる。
<実施形態3>
<実施形態3 概要>
【0033】
本実施形態は、被梱包物を梱包するための梱包用緩衝体セットを構成する各梱包用緩衝体に、ベルトなどを挿通し又は固定するためのベルト固定部を設け、そこに挿通等されるベルトにより、被梱包物を把持した状態の梱包用緩衝体を互いに締結することを特徴とするものである。このような構成を採用することにより、複数の梱包用緩衝体を用いて被梱包物を梱包する場合でも、梱包用緩衝体が被梱包物から外れてしまうことを防止して、安全確実に梱包することができる。
<実施形態3 構成>
【0034】
本実施形態の梱包用緩衝体セットの概念図を図5に示す。本実施形態の梱包用緩衝体セットは、被梱包物(0501)を把持する状態にある第一緩衝部材を収納した第二緩衝部材(0502)の複数を互いに締結するための結束ベルト(0503)を有する。そして、梱包用緩衝体の全部又は一部は、第二緩衝部材に設けられる結束ベルトを挿通し又は固定するためのベルト固定部(0504)を有する。
【0035】
図5における結束ベルトは、被梱包物である薄型テレビの四隅を把持する状態の各梱包用緩衝体に挿通され、各梱包用緩衝体を互いに締結する。「締結する」とは、締めて結ぶことをいう。この締結は、単に結束ベルトを接着等して行ってもよいし、ボタン、フック、バックル、面ファスナーなどを用いて長さ調節可能に締結するようにしてもよい。また、結束ベルトの締結は、結束ベルトのみで行うようにしてもよいし、ベルト固定部を用いて行ってもよい。また、結束ベルトは一本であってもよいし複数本であってもよい。このように結束ベルトにより各梱包用緩衝体を締結することで、各梱包用緩衝体が被梱包物から外れることなく、被梱包物を確実に保護する。
【0036】
ベルト固定部は、結束ベルトを挿通し又は固定するためのものである。梱包用緩衝体セットを構成する各梱包用緩衝体のベルト固定部に、挿通あるいは固定の機能をどのように備えさせるかは、結束ベルトの本数などとともに適宜定め得る事項である。
【0037】
図6にベルト固定部の一例を示す。図6(a)に示しているのは、梱包用緩衝体の第二緩衝部材(0601a)に設けられる、結束ベルト(0602a)を挿通するためのベルト固定部(0603a)である。図6(b)に示しているのは、結束ベルトを挿通し固定するためのベルト固定部である。梱包用緩衝体には、結束ベルトの一端(0602b)を挿通して固定するためのベルト固定部(0603b)が備えられているとともに、結束ベルトの他端あるいは別の結束ベルト(0604b)を固定するためのベルト固定部(0605b)が備えられている。面ファスナーやバックル、フックなどの長さ調節自在に系止できる留め部材を結束ベルトに備えておくと、より汎用性の高い梱包用包装体セットとなる。これらの梱包用緩衝体を適宜組み合わせることで、被梱包物及び梱包の態様に応じた梱包用緩衝体セットを構成することができる。
【0038】
また、図示したように、梱包用緩衝体の角の部分に結束ベルトが表出しないように挿通させることで、結束ベルトの保護を図ることもできる。なお、梱包用緩衝体の内部を挿通させずとも、梱包用緩衝体の外表面に、所定の幅および深さの溝状のガイドを設けることによっても、同様の効果を得ることも可能である。
<実施形態3 効果>
【0039】
本実施形態の梱包用緩衝体セットにより、被梱包物のサイズ又は/及び形状の違いにも適合することが容易になるとともに、安全確実に梱包することができる。
<実施形態4>
<実施形態4 概要>
【0040】
本実施形態の梱包用緩衝体セットの概念図を図7に示す。本実施形態の梱包用緩衝体セットは、梱包用緩衝体セットで梱包された被梱包物(0701)に、梱包された被梱包物(0702)を積み重ねる際に、相互の位置を適切にガイドするための梱包用緩衝体(0703)を含むことを特徴とするものである。これにより、それぞれの被梱包物を保護するとともに、複数の被梱包物を安定的に積み重ねることが可能となるため、被梱包物を大量に搬送するような物流の場面において特に有用である。
<実施形態4 構成>
【0041】
本実施形態の梱包用緩衝体セットは、実施形態2および3の梱包用緩衝体セットで梱包された被梱包物の複数の相互位置決めをするための梱包用緩衝体をさらに有する。図8は、相互位置決めをするための梱包用緩衝体の一例を示す概念図である。この梱包用緩衝体(0801)は、被梱包物を把持する二つの第一緩衝部材(0802、0803)と、それらを互いに反対向きとなるように入れ子状に収納する第二緩衝部材(0804)と、ベルト固定部(0805)とからなる。
【0042】
相互位置決めの梱包用緩衝体は、一つの緩衝体でありながら、一の被梱包物(0501)を把持するとともに、他の被梱包物(0502)をも把持することができる。このような機能を備えることにより、被梱包物相互の位置を適切に定めることができ安定的に積み重ねることなどが可能となる。
【0043】
相互位置決めのための梱包用緩衝体は、図7のように立置きに梱包された被梱包物を上下に積み重ねる場合にのみ用いられるものではない。左右に配置する場合や前後に配置する場合にも、複数の被梱包物を相互に位置決めができるので安定的に配置することができる。
【0044】
このように、緩衝部材としての機能と、相互位置決めの機能とを兼ね備えることにより、複数の被梱包物を集合的に取り扱う際の利便性を向上させるとともに、梱包の際の部品点数を減らすことができコストの低減を図ることが可能となる。
【0045】
図9は、相互位置決めのための梱包用緩衝体に、さらに、部品収納のためのポケットを設けたものである。梱包用緩衝体(0901)は、図7における薄型テレビのように主となる被梱包物を把持する第一緩衝体とは別に、低反発素材(0902)からなるポケット(0903)を備えている。ポケットを低反発素材とすることで、リモコン(0904)などのように主となる被梱包物に付属する部品の形状に応じて柔軟に収納することが可能となる。主となる被梱包物を相互に位置決めする機能に、さらに、他の部品を収納する機能を備えることにより、部品点数の削減やコストの低減などに、より資することができる。
<実施形態4 効果>
【0046】
本実施形態の梱包用緩衝体セットにより、複数の被梱包物を相互に安定的に配置や積載をすることができるとともに、これに費やすコスト等を削減することが可能となる。
【符号の説明】
【0047】
0101 被梱包物
0102 梱包用緩衝体
0103 第一緩衝部材
0104 第二緩衝部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被梱包物の緩衝部材当接部のサイズ又は/及び形状に応じてこれを嵌合して把持するための変形容易な低反発素材からなる第一緩衝部材と、
前記第一緩衝部材を入れ子状に収納するように形成される第二緩衝部材と、
からなる梱包用緩衝体。
【請求項2】
請求項1に記載の梱包用緩衝体を被梱包物の梱包用にそろえた梱包用緩衝体セット。
【請求項3】
被梱包物を把持する状態にある第一緩衝部材を収納した第二緩衝部材の複数を互いに締結するための結束ベルトをさらに有し、
梱包用緩衝体の全部又は一部は、第二緩衝部材に設けられる結束ベルトを挿通し又は固定するためのベルト固定部を有する請求項2に記載の梱包用緩衝体セット。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の梱包用緩衝体セットで梱包された被梱包物の複数の相互位置決めをするための請求項1に記載の梱包用緩衝体をさらに有する請求項2又は3に記載の梱包用緩衝体セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−235936(P2011−235936A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109622(P2010−109622)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】