説明

梱包箱用の中仕切材及び梱包体

【課題】柱状の容器本体と、前記容器本体の上部に取り付けられるとともに突起部を有する内容物取出部とを有し、シュリンクフィルムで包装された複数の被収容物を、中仕切材の複数の収容部にそれぞれ収容した際に、前記突起部のシュリンクフィルムの傷や穴の発生を防止することができる梱包箱用の中仕切材を提供する。
【解決手段】一方の複数の仕切板5と他方の複数の仕切板6とがそれぞれ交差されて格子状に組み合されて、シュリンクフィルムで包装された突起部付の被収容物を収容するための複数の収容部8が設けられ、前記中仕切材を構成する前記一方の仕切板と前記他方の仕切板との交差部上部の全部または一部に前記被収容物の突起部を配設可能な切抜部25が設けられてなることを特徴とする梱包箱用の中仕切材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包箱用の中仕切材及び梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
梱包箱用の中仕切材は一般に、複数の仕切板をそれぞれ平面視格子状に組み合せて構成され、被収容物を収容するための複数の収容部が設けられている。
【0003】
そして、段ボールなどの梱包箱に、複数の被収容物を収容する際には、中仕切材を梱包箱に収容し、中仕切材の複数の収容部に被収容物をそれぞれ収容することで、被収容物同士の接触を防いでいる。
【0004】
ところで、このような中仕切材を備えた梱包箱に収容する被収容物として、自噴式のスプレー缶や、ガングリップ型のスプレー缶が知られている。これらは図2に示すように、内容物を収納する容器本体31と、容器本体31の内容物を取り出すために容器本体31の頭部に取り付けられたスプレー噴射部32とが備えられている。図2に示すスプレー缶30のスプレー噴射部32は、容器本体31に対して折りたたみ可能なノズル部45と、容器本体31の径よりも突出した突起部33が設けられている。突起部33はノズル部45の折りたたみ機構を保護するために設けられている。また、突起部33には端縁33a,33bが設けられている。
また、製品として出荷されるスプレー缶30は通常、シュリンクフィルム40で全体が包装されている。
【0005】
図17及び図18は、シュリンクフィルム40で包装されたスプレー缶30を従来一般の中仕切材の収容部に収容した状態を示す平面図である。図17は容器本体31が円柱状であるスプレー缶30の収容状態を示し、図18は容器本体31が楕円柱状であるスプレー缶30の収容状態を示している。
図17及び図18に示す中仕切材においては、仕切板5,6によって形成される収容部8にスプレー缶30を収容する際に、突起部33の端縁33a,33bが仕切板5,6にそれぞれ接触する。このため、外部から衝撃が加わる等によりスプレー缶30が収容部8内で振動し、端縁33a,33bと仕切板5,6が擦れてシュリンクフィルムに傷や穴が発生する問題があった。
【0006】
従来、中仕切材としては、箱体に収容する容器の凸部同士の間のみに仕切板が設けられた梱包用中仕切(特許文献1を参照)や、縦仕切板と横仕切板との交差位置上部に嵌込用切欠部が切設されたケースの仕切材(特許文献2を参照)が提案されている。
【0007】
図2に示すスプレー缶30を、特許文献1,2に記載の中仕切材に収容しようとすると、スプレー缶30全体を中仕切りで確実に固定できず、スプレー缶30の姿勢が不安定になり、スプレー噴射部32の位置が定まらず、隣接するスプレー缶30の突起部33同士が衝突する可能性があった。また、突起部33の端縁33a,33bにおけるシュリンクフィルムの破損を防止できない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−002676号公報
【特許文献2】実開昭56−164921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、被収納物を確実に固定し、かつ、被収容物のシュリンクフィルムの傷や穴の発生を防止可能な梱包箱用の中仕切材及び梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の梱包箱用の中仕切材は、一方の複数の仕切板と他方の複数の仕切板とがそれぞれ交差されて格子状に組み合されて、シュリンクフィルムで包装された突起部付の被収容物を収容するための複数の収容部が設けられてなる梱包箱用の中仕切材において、前記中仕切材を構成する前記一方の仕切板と前記他方の仕切板との交差部上部の全部または一部に前記被収容物の突起部を配設可能な切抜部が設けられてなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の梱包箱用の中仕切材は、前記一方及び前記他方の仕切板の各上端縁に、前記切抜部を構成する複数の切欠が設けられるとともに、前記切欠同士の間に突出部が形成され、前記突出部の側端縁に凹部が設けられていることが好ましい。
更に、本発明の梱包体は前述の梱包箱用の中仕切材と、前記中仕切材が収容された梱包箱と、前記中仕切材の前記収容部にそれぞれ収容された被収容物とから構成され、前記被収容物は、柱状の容器本体と、前記容器本体の上部に取り付けられるとともに突起部を有する内容物取出部と、前記容器本体及び前記内容物取出部を包装するシュリンクフィルムと、からなり、前記の各収容部に前記複数の被収容物をそれぞれ収容する際に、前記被収容物の前記突起部を前記切抜部に配設することを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、一方及び他方の仕切板の交差部上部の全部または一部に切抜部が設けられているので、中仕切材の収容部に被収容物をそれぞれ収容する際に、各被収容物の突起部が、切抜部にそれぞれ配設される。また、切抜部に突起部を配設させるようにすることで、収容部の大きさを、突起部を除いた被収容物の大きさに合わせることが可能になる。これにより、被収容物が安定して収容され、かつ、突起部におけるシュリンクフィルムが仕切板に接触することがないため、シュリンクフィルムの破損を防止できる。
また、上記の構成によれば、切抜部を構成する突出部の側端縁に凹部が設けられているので、突起部が切抜部に配設される際に、被収容物の突起部と突出部との接触箇所が、凹部の形成によって小さくなり、突起部におけるシュリンクフィルムと仕切板の突出部との接触が最小限に抑えられ、これによりシュリンクフィルムの破損を確実に防止できる。
更に、上記の構成によれば、上述の梱包箱用の中仕切材が収容された梱包箱内の複数の収容部に、前記複数の被収容物をそれぞれ収容するので、被収容物が安定して収容され、かつ、突起部におけるシュリンクフィルムが仕切板に接触することがないため、シュリンクフィルムの破損を防止できる。また、各被収容物の突起部をそれぞれ、同一の方向に配向させれば、梱包箱の内部の美観性を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被収納物を確実に固定し、かつ、被収容物のシュリンクフィルムの傷や穴の発生を防止可能な梱包箱用の中仕切材及び梱包体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の梱包体の斜視図である。
【図2】被収容物の一例を示す模式図である。(a)は被収容物の平面図、(b)は被収容物の正面図、(c)は被収容物の右側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の中仕切材の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態の中仕切材を構成する仕切板の平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の中仕切材を構成する別の仕切板の平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の梱包体の要部を示す拡大斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態の梱包体の要部を示す拡大平面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の梱包体の要部を示す別の拡大平面図である。
【図9】本発明の第2実施形態の中仕切材の斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態の中仕切材を構成する仕切板の平面図である。
【図11】本発明の第2実施形態の中仕切材を構成する別の仕切板の平面図である。
【図12】本発明の第2実施形態の梱包体の要部を示す拡大斜視図である。
【図13】別の例の被収容物が収容された本発明の第1実施形態の梱包体の要部を示す、拡大平面図である。
【図14】被収容物の更に別の例を示す斜視図である。
【図15】被収容物の他の例を示す斜視図である。
【図16】被収容物のその他の例を示す斜視図である。
【図17】従来の梱包体の要部を示す拡大平面図である。
【図18】従来の梱包体の要部を示す別の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1に示すように、本実施形態の梱包体1には、梱包箱2と、梱包箱2に収容された中仕切材7と、中仕切材7の複数の収容部8にそれぞれ収容されたスプレー缶30とが備えられている。梱包箱2は2つの端面3a,3bと、2つの側面4a,4bと、底面9から構成される箱体である。また、梱包体1が運搬される際には、図示しない蓋が備えられる。
【0017】
スプレー缶30は、内容物を収納する容器本体31と、内容物を取り出すために容器本体31の頭部に取り付けられたスプレー噴射部32とが備えられている。スプレー噴射部32には、容器本体31に対して折りたたみ可能なノズル部45と、容器本体31の径よりも突出した突起部33が設けられている。突起部33は、図2(b)に示すように、ノズル部45の折りたたみ機構47を保護するために設けられている。突起部33には、端縁33a,33bが設けられている。ノズル部45は基部45aと、中間部45bと、先端部45cとが備えられており、基部45aは折りたたみ機構47に装着されている。
以下の説明では、被収容物において容器本体から最も突出している部分を、最突起部と称する。スプレー缶30の最突起部は、端縁33a,33bのそれぞれの下端39a,39bである。
【0018】
また、スプレー缶30はシュリンクフィルム40で包装されている。シュリンクフィルム40は包装時の熱収縮により、スプレー缶30に密着した状態になるが、突起部33やスプレー缶30の段差等の周囲では収縮したシュリンクフィルム40がスプレー缶30の表面から部分的に浮いた状態になっている。具体的には、図2(a)に示すように、突起部33の側方(A,B)のシュリンクフィルム40はスプレー缶30から浮いた状態になっている。そして、図2(c)に示すように、最突起部39a,39bとノズル45の基部45aとの間(C)、ノズル45の先端部45cと容器本体31との間(D)、スプレー噴射部32の窪み(E)のシュリンクフィルム40もスプレー缶30から浮いた状態になっている。
【0019】
次に本実施形態の中仕切材7は、図3に示すように、一方の複数の仕切板5と、他方の複数の仕切板6とがそれぞれ交差されて、格子状に組み合せられてなるものである。中仕切材7には、スプレー缶30を収容するための複数の収容部8が設けられている。また、仕切板5と仕切板6との交差部上部の全部または一部にスプレー缶30の突起部33を配設可能な切抜部25が設けられている。ここで、交差部上部は、仕切板5と仕切板6が交差して組み合わされた部分の上部を指す。また、中仕切材7を構成する仕切板5,6の全ての上端縁の両端部にも切抜部25´が設けられている。
【0020】
切抜部25,25´は、仕切板5,6に切欠を形成することによって構成される。以下、仕切板5,6について説明する。
図4に示すように、仕切板5の上端縁には、切抜部25を構成する切欠23が設けられており、切欠23の形成によって突出部10が形成されている。仕切板5の上端縁の左右両端には、切欠23のほぼ半分の大きさの切欠23´が設けられている。
また、仕切板5には切欠23に連通する第1切込溝21が設けられている。後述するように、第1切込溝21は、仕切板6の第2切込溝22と嵌め合わせて中仕切材7を組み立てるためのものである。第1切込溝21は仕切板5の高さ方向略中央まで延在することが好ましい。
【0021】
続いて、図5に示すように、仕切板6の上端縁には、切抜部25を構成する切欠24が設けられており、切欠24の形成によって突出部11が形成されている。仕切板6の上端縁の左右両端には、切欠24のほぼ半分の大きさの切欠24´が設けられている。
また、仕切板6の下端縁には第2切込溝22が設けられている。第2切込溝22は、第1切込溝21と嵌め合わせて中仕切材7を組み立てるためのものである。第2切込溝22は仕切板6の高さ方向略中央まで延在することが好ましい。
【0022】
切欠23,24の幅は、スプレー缶30の突起部33の幅を勘案して決められることが好ましい。例えば、切欠23,24の幅wは、スプレー缶30が梱包箱2に収納されたときに、スプレー缶30の突起部33周辺にあるシュリンクフィルム40が切抜部25を区画する突出部10,11の側端縁15,16に触れないように調整することが好ましい。同様に、切欠23´,24´の幅w´は、スプレー缶30が梱包箱2に収納されたときに、スプレー缶30の突起部33周辺にあるシュリンクフィルム40が切抜部25´を区画する突出部10,11の側端縁15,16に触れないように調整することが好ましい。
【0023】
また、切欠23,23´,24,24´の深さdは、収容部8にスプレー缶30を収容したときに切抜部25の下端縁がスプレー缶30の最突起部39より下方になるように決められるのが好ましい。
【0024】
次に、梱包体1におけるスプレー缶30の収容状態について説明する。
複数のスプレー缶30は、中仕切材7の複数の収容部8にそれぞれ収容される際に、図6に示すように、各スプレー缶30の突起部33が中仕切材7の切抜部25,25´に嵌め込まれる。そのため、図7及び図8に示すように、収容部8の大きさは突起部33の大きさを考慮せずに、容器本体31の大きさに合わせればよい。これにより、スプレー缶30の容器本体31は4箇所31a,31b,31c,31dで収容部8の一部に接することになり、安定した状態で収容される。スプレー缶30を収容部8から取り出す際は、切抜部25、25´内で指を突起部33にかけてスプレー缶30を引き抜くことで、簡単に取り出すことができる。また、梱包体1の大きさが従来の梱包体より縮小され、梱包箱2及び中仕切材7の材料の使用量を減らすことができる。
更に、突起部33が切抜部25,25´に配設されることにより、突起部33の端縁33a,33bのシュリンクフィルム40は仕切板5,6と接触しない。これにより、端縁33a,33bのシュリンクフィルム40の破損を防止できる。
【0025】
梱包体1には、複数のスプレー缶30がそれぞれ上述の収容状態で収められている。各スプレー缶30の突起部33はそれぞれ異なる方向に配向されても、同一の方向に配向されても、いずれでもよい。各スプレー缶30の突起33が同一の方向に配向されれば、図1に示すように美観性に優れた梱包体1が提供される。また、運搬等により梱包体1に外部から衝撃が加えられても、梱包体1の美観性は保持される。したがって、梱包体1が図示しない蓋で閉じられ、市販品として製造元から店頭に運搬された場合でも、店頭にて梱包体1の蓋を開けて、そのまま陳列することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
以下に、本発明を適用した第2の実施形態の梱包体100について、図9〜図12を参照し、説明する。なお、図9〜図12に示す構成要素において、図3〜図6に示す構成要素と同一の構成要素には、図3〜図6と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0027】
梱包体100は、梱包箱2と、梱包箱2に収容された中仕切材50と、中仕切材50の複数の収容部8にそれぞれスプレー缶30とが備えられている。
中仕切材50は、図9に示すように、一方の複数の仕切板55と、他方の複数の仕切板56とがそれぞれ交差されて、格子状に組み合せられてなるものである。
【0028】
図10に示すように、仕切板55の突出部10の側端縁15に凹部62が設けられている。また、図11に示すように、仕切板56の突出部11の側端縁16に凹部63が設けられている。なお、図10,11においては、仕切板55,56の全ての突出部10,11の全ての側端縁15,16に凹部62,63が設けられているが、一部の突出部10,11の側端縁15,16に凹部62,63が設けられてもよい。
【0029】
凹部62,63の上端縁は、図12に示すように、スプレー缶30の最突起部39a,39bよりも上方になることが好ましい。また、凹部62,63の下端縁は、最突起部39a,39bよりも下方になることが好ましい。
更に、凹部63,64のそれぞれの突出部10,11の側端縁15,16からの深さd2は、スプレー缶30を中仕切材50の収容部8に収容した際に、最突起部39aと突出部11との接触、及び最突起部39bと突出部10との接触を防ぐことができる程度であることが好ましい。
【0030】
次に、梱包体100におけるスプレー缶30の収容状態について説明する。
梱包体100においては、突出部10,11に凹部62,63が設けられることで、図12に示すように、スプレー缶30の突起部33と、突出部10,11との接触する可能性のある箇所が極めて小さくなる。これにより、端縁33a,33bのシュリンクフィルムの破損を確実に防止できる。また、最突起部39a,39bに中仕切材50が全く接触しないため、最突起部39a,39bのシュリンクフィルム40の破損を防ぐことができる。更に、スプレー缶30の突起部33の下方のシュリンクフィルムが浮いている箇所(図12のC)が、凹部62,63に配設され、中仕切材50と接触しないので、スプレー缶30から浮いているシュリンクフィルム40の破損を防止できる。
【0031】
なお、梱包体1,100には、被収容物として図13に示すように、収容時に隣接する収容部8まで突出する程度の突起部33´が備えられた延長ノズル付スプレー缶30´が使われてもよい。このとき、収容部の大きさ、切欠の幅、深さ及び間隔は、突起部33´の大きさ及び長さを勘案して調整されることが好ましい。
【0032】
なおまた、梱包体1,100には、被収容物として図14〜図16に示すような、シュリンクフィルムで包装されたスプレーや容器が使われても良い。図14〜図16のシュリンクフィルムの被梱包物において、図1のスプレー缶30と同様の機能の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0033】
図14に示すガングリップ型スプレー缶71のスプレー噴射部32には、内容物を噴射する噴射部43が設けられた突起部33と、内容物を噴射部43から噴射する量を調整するガングリップ42とが備えられている。噴射部43には端縁43aが設けられている。ガングリップ型スプレー缶71の最突起部39は、端縁43aの下端である。
ガングリップ型スプレー缶71がシュリンクフィルム40で包装される際には、熱収縮によりシュリンクフィルム40がガングリップ型スプレー缶71に密着する。しかし、図14に示すように、最突起部39とガングリップ42との間(C)、ガングリップ42と容器本体31との間(D)、噴射部43が設けられている端部に相対する突起部33の端部の下方(E)のシュリンクフィルム40はガングリップ型スプレー缶71の表面から浮いた状態になる。
【0034】
図15に示すガングリップ型スプレー容器72のスプレー噴射部32には、内容物を噴射する噴射部43が設けられた突起部33と、内容物を噴射部43から噴射する量を調整するガングリップ42とが備えられている。噴射部43には端部43aが設けられている。ガングリップ型スプレー容器72の最突起部39はガングリップ42の先端である。
ガングリップ型スプレー容器72がシュリンクフィルム40で包装される際には、熱収縮によりシュリンクフィルム40がガングリップ型スプレー容器71に密着する。しかし、図15に示すように、噴射部43とガングリップ42との間(C)、ガングリップ42と容器本体31との間(D)のシュリンクフィルム40はガングリップ型スプレー容器72の表面から浮いた状態になる。
【0035】
図16に示すチューブ型容器73には、容器本体31と、容器本体31の頭部に取り付けられた内容物取出部32が備えられている。また、内容物取出部32には、容器本体31に収められている内容物を出射する出射部45と、キャップ46と、その中間部47が備えられている。出射部45は、中間部47を介して上下方向に動くようになっており、その上下方向の動きに伴い、内容物の出射量が調整される。出射部45にはチューブ型の突起部33が備えられ、突起部33には端面33aが設けられている。チューブ型容器73の最突起部39は、端面33aの上端である。
チューブ型容器73がシュリンクフィルム40で包装される際には、熱収縮によりシュリンクフィルム40がチューブ型容器73に密着する。しかし、突起部33とキャップ46との間(C)、中間部47とキャップ46との間(E)のシュリンクフィルム40はチューブ型容器73の表面から浮いた状態になる。
【0036】
中仕切材7,50の収容部の大きさ、切欠の幅、深さ及び間隔は、図14〜図16の被収容物の突起部33´の大きさや最突起部39の位置を勘案して調整されることが好ましい。
【符号の説明】
【0037】
1…梱包体、2…梱包箱、5,6,55,56…仕切板、7,50…中仕切材、8…収容部、10,11…突出部、23,24…切欠、25…切抜部、30…スプレー缶、31…スプレー本体、32…スプレー噴射部、33…突起部、40…シュリンクフィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の複数の仕切板と他方の複数の仕切板とがそれぞれ交差されて格子状に組み合されて、シュリンクフィルムで包装された突起部付の被収容物を収容するための複数の収容部が設けられてなる梱包箱用の中仕切材において、
前記中仕切材を構成する前記一方の仕切板と前記他方の仕切板との交差部上部の全部または一部に前記被収容物の突起部を配設可能な切抜部が設けられてなることを特徴とする梱包箱用の中仕切材。
【請求項2】
前記一方及び前記他方の仕切板の各上端縁に、前記切抜部を構成する複数の切欠が設けられるとともに、前記切欠同士の間に突出部が形成され、前記突出部の側端縁に凹部が設けられていることを特徴とする請求項1の梱包箱用の中仕切材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の梱包箱用の中仕切材と、前記中仕切材が収容された梱包箱と、前記中仕切材の前記収容部にそれぞれ収容された被収容物とから構成され、前記被収容物は、柱状の容器本体と、前記容器本体の上部に取り付けられるとともに突起部を有する内容物取出部と、前記容器本体及び前記内容物取出部を包装するシュリンクフィルムと、からなり、
前記の各収容部に前記複数の被収容物をそれぞれ収容する際に、前記被収容物の前記突起部を前記切抜部に配設することを特徴とする梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−14375(P2013−14375A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150134(P2011−150134)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】