説明

梱包箱

【課題】物品の箱詰め作業の負担を小さくすること。
【解決手段】矩形の底板1の各辺から立設する4枚の強化板材の側板3を底板と反対側から蓋体5で被冠してなる梱包箱であり、底板は、矩形の基材7の少なくとも3辺の側面に固着されて基材の上面よりも上方へ突出する突起部9a,9bと、矩形の各辺が基材の各辺よりも内側に位置して突起部との間には第1の隙間Xが形成されるように基材に貼付される第1板材11を有する。蓋体は、矩形の天板33の各辺に沿って折り曲げられて天板から垂下する枠板35と、矩形の各辺が枠板の内面よりも内側に位置して枠板との間に第2の隙間Yを形成するように天板に貼付される第2板材37を有する。各側板は、隣り合う側板の縦方向の辺が連結部材で連結され、この各側板は、下端側が第1の隙間に支持され、上端側が第2の隙間に支持され、底板と蓋体との間に挟持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を輸送・保管などするための梱包箱に関し、特に、製品などの物品が比較的大きな場合(例えば、高さが900mm超、質量が100kg超)でも使用時に容易に組み立てることができ、使用後は分解して回収し、再利用することが可能なリターナブルの梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、製造工場において製品を輸送・保管するために使用される出荷用のダンボール箱は、予め箱型に形成された1面が開口するダンボール箱の内部に、製品の寸法、形状、重量などに合わせて設計されたクッション材を収容した後、製品を収容し、収容された製品がクッション材などの梱包資材で包囲された状態で、ダンボール箱を封止する箱詰め作業が一般に行われている。また、近年では、このようなダンボール箱を、使用後は折り畳んでコンパクトな状態として回収し、再利用を目的とする梱包箱の構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−267881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の梱包箱は、例えば、作業者が直接持ち上げられる程度の比較的小型で軽量な製品を想定した構造となっている。そのため、製品の寸法や重量が、例えば、高さが900mm、質量が100kgを超えるような比較的大きなものになると、収容する箱自体が大型化し、ダンボールを箱型に組み立てる作業に複数の人手が必要となる場合が考えられる。また、製品の重量が大きくなると、予め組み立てられたダンボール箱内に例えばクレーンで製品を吊り上げて収容しなければならなくなるため、製品の箱詰め作業の負担が大きくなるという問題が生じる。さらに、大型製品の場合は、製品別に固有の梱包箱を設計・製造しており汎用性が確保されていないことが通例であり、機種の新展開に伴い梱包資材投入量の比例的増加に繋がっていた。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、物品の寸法、重量が比較的大きな場合でも、物品の箱詰め作業の負担が小さく、製品の保護が十分に図られ、かつリターナブルな梱包箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の梱包箱は、矩形の底板と、この底板の4辺に沿って立設される4枚の矩形の側板と、この4枚の側板を底板と反対側から被冠する箱型の蓋体とを備え、少なくともこの側板が強化板紙で形成される梱包箱であって、底板は、矩形の基材と、該基材の少なくとも3辺の側面に固着されて該基材の上面よりも上方へ突出する突起部と、基材よりも小さい相似形に形成されて各辺が基材の各辺よりも内側に位置して突起部との間に第1の隙間が形成されるように該基材に貼付される第1板材とからなり、蓋体は、矩形の天板と、該天板の各辺に沿って折り曲げられて該天板に対して垂下する枠板と、天板よりも小さい相似形に形成されて各辺が枠板の内面よりも内側に位置して枠板との間に第2の隙間を形成するように該天板に貼付される第2板材とからなり、4枚の側板は、該側板を上下方向に折り曲げる第1折曲線が横方向に設けられるとともに、この第1折曲線を介して該側板を縦方向に広げた状態で隣り合う側板の縦方向の辺が着脱可能な連結部材により互いに連結され、この連結された各側板は、下端側が第1の隙間に支持され、上端側が第2の隙間に支持されて、底板と蓋体との間に挟持されてなり、4枚の側板の内側面には、少なくとも第1折曲線に沿って樹脂製の強化板材が脱着可能な面ファスナーにより貼付されてなることを特徴とする。
【0007】
このように本発明の梱包箱は、底板と側板と蓋体とが、別体で構成されているため、側板が組み付けられていない底板の上に物品を載置し、この状態で物品を包囲するように、側板と蓋体を順次組み付けることができる。このため、物品の寸法、重量が比較的大きくても、物品の梱包作業を少ない人手(基本的には一人)で容易に行うことができる。ここで、4枚の側板は、底板の各辺に沿って形成された第1の隙間によりそれぞれ下端側が支持され、隣り合う側板同士は連結部材で連結される構造のため、1枚又は連結された複数枚の側板を底板の上に順次立設させた状態で組み立て作業を行うことができ、作業負担の軽減を図ることができる。また、側板は、第1折曲線に沿って強化板材が貼付されているため、梱包箱の横方向の変形を抑制することができ、さらに、側板の上端を蓋体の第2の隙間で支持することにより、側板を上下の両方から支持することができるため、梱包箱の変形を少なくして、箱内の物品を十分に保護することができる。
【0008】
加えて、使用後に梱包箱を回収する際には、側板を例えば4枚に分解するとともに折り畳んだ状態で回収することができるため、回収スペースを少なくすることができ、回収効率を高めることができる。
【0009】
この場合において、4枚の側板は、上記の構成に代えて、側板を上下方向に折り曲げる第1折曲線が横方向に設けられ、該側板のうち3枚の側板は、第1折曲線から下半分の隣り合う側板の縦方向の辺が連結代を介してビスで固定されるとともに第1折曲線を介して該側板を縦方向に広げた状態で第1折曲線から上半分の隣り合う側板の縦方向の辺が着脱可能な連結部材により互いに連結され、他の1枚の側板は、第1折曲線を介して該側板を縦方向に広げた状態で、3枚の側板のうち両側の側板との間で第1折曲線の下半分と上半分の縦方向の辺が脱着可能な連結部材により互いに連結され、この連結された各側板は、下端側が第1の隙間に支持され、上端側が第2の隙間に支持されて、底板と蓋体との間に挟持されてなるものとしてもよい。
【0010】
このように4枚の側板のうち3枚の側板をコの字状に初めから連結させておいても、コの字の開いた側から物品を囲むように底板上を滑らせて設置できるから、組立性を向上させることができ、しかも、組み立て時において、側板を底板の上に立設させた状態の安定性を高めることができるため、作業効率を向上させることができる。
【0011】
ここで、突起部は、基材の四隅の側面にそれぞれ固着されるL字金具からなるものとしてもよい。このようにL字状の突起部を四隅に設けることにより、底板上における側板の横方向の動きを確実に抑えることができる。
【0012】
また、突起部は、基材の隣り合う2か所の四隅の側面にそれぞれ固着されるL字金具と、該L字金具に挟まれた辺を除いて対向する2辺の側面にそれぞれ固着される平板金具とからなるものとしてもよい。このように一部の突起部をL字金具に代えて平面金具とすることにより、2つの平面金具に挟まれた底板の1辺から、複数枚連結させた側板を金具に邪魔されることなく底板上を滑らせて組み付けることが可能となるため、側板を組み付ける作業の効率化を図ることができる。
【0013】
また、底板と蓋体は長方形に形成され、4枚の側板のうち、横方向が長尺の2枚の側板には、該側板を内側に折り曲げる第2折曲線が縦方向に設けられ、該長尺の側板の外側面には該側板の縦方向の辺同士を引き付ける帯状部材の両端部が取り付けられてなるものとする。
【0014】
このように横方向が長尺の側板には、第1折曲線に加えて第2折曲線を設けることにより、梱包箱の不使用時には、側板をコンパクトな状態で回収することができる。また、側板の外側面には、縦方向の辺同士を引き付ける帯状部材を取り付けることにより、側板の第2折曲線を介した外側への変形を抑えることができる。なお、側板の第2折曲線を介した内側への変形は、内側面に貼付した強化板材で抑制することができる。
【0015】
また、4枚の側板の内側面には、強化板紙で形成されて側板の横方向を長手とする補強部材が脱着可能な面ファスナーにより貼付されてなり、この補強部材は、該補強部材を折り曲げる2本の折曲線が長手方向に沿って設けられ、この2本の折曲線で断面コの字状に折り曲げられるとともに該2本の折曲線に挟まれた面が側板の内側面に貼付されてなるものとする。
【0016】
このように断面コの字状に折り曲げて強度を高めた強化板紙の補強部材を側板に貼付することにより、梱包箱の重量増加を抑えながら、梱包箱の歪みや横方向の変形などを抑制することができる。また、補強部材は、面ファスナーで貼付可能な構成とすることにより、梱包箱の不使用時には、側板から取り外し、2本の折曲線を介して側板を広げた状態で回収することができるため、回収スペースの増加を抑制し、回収効率を高めることができる。
【0017】
また、第1板材は、矩形に形成された樹脂製の緩衝材と該緩衝材よりも弾力性の小さい受板との積層構造からなり、この受板は、緩衝材の上面の一部を窪ませた平面状の溝内に該上面と面一になるように収容されてなるものとする。
【0018】
このように物品が載置される第1板材において、受板の下側に比較的弾力性の大きな緩衝材を設けることにより、輸送中の揺れや振動を緩衝材により吸収させることができるため、物品に伝わる振動を抑えて、物品を揺れや振動から保護することができる。
【0019】
また、底板の1辺には、基材の上面が露出する部位に一端側が帯状部材を介して連結され、被梱包物となる物品が通る案内面を備えた道板が取り付けられてなり、該道板は、案内面が底板の1辺から立ち上がる側板の外側面に貼付可能に形成されてなるものとする。
【0020】
このように底板の1辺に道板を連結させることにより、物品を案内面に沿って第1板材の上面まで容易に移動させることができる。また、この道板は、梱包箱内に物品が収容されるときには、側板の外側面に貼付させておき、物品を梱包箱から取り出すときには、再び物品を取り出すための案内面として使用することができる。
【0021】
また、第1板材の上面には、被梱包物となる物品を固縛するための長さ調整可能な帯状部材の両端が固定されてなるものとする。このように帯状部材で箱内に収容された物品を固縛することにより、様々な形状の物品の固定が容易となり、輸送中に物品が底板の上で移動するのを抑制できるため、物品を十分に保護することができる。例えば、複数本の帯状部材を備え、物品の足部に巻き付けた2本の帯状部材を水平方向の互いに異なる方向へ引っ張るとともに物品の上部に巻き付けた他の帯状部材を物品の下方向へ引っ張るようにする。これにより、例えば大きさの異なる複数の物品を一つの梱包箱内に固縛した状態で輸送することが可能となる。
【0022】
また、蓋体は、枠板の外法寸法が底板の平面寸法よりも小さく設定されてなり、4枚の側板は、折り畳んだ状態で底板の上面内に収まる形状に形成され、かつ、蓋体を底板の上に載置した状態で、蓋体と底板との間に形成される空間内に収容可能に形成されてなるものとする。このような構成とすることにより、使用後に梱包箱を回収する際には、側板の紛失や破損を防ぐことができ、しかも、回収スペースを小さくして、回収効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、物品の寸法、重量が比較的大きな場合でも、物品の梱包作業の負担を小さくし、かつリターナブルな梱包箱を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明が適用される梱包箱の分解斜視図である。
【図2】本発明が適用される梱包箱の底板の構造を示す上面図及び側断面図である。
【図3】本発明が適用される梱包箱の第1板材の構造を示す図であり、(a)は緩衝材のみを表す斜視図、(b)は第1板材の断面図である。
【図4】本発明が適用される梱包箱の底板に取り付けられる突起部を示す斜視図であり、(a)はL字金具、(b)は平板金具を表す図である。
【図5】本発明が適用される梱包箱の蓋体を下面側から見た斜視図である。
【図6】本発明が適用される梱包箱の側板の展開図である。
【図7】本発明が適用される梱包箱の側板を第1折曲線で折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図8】本発明が適用される梱包箱の側板に貼付される補強部材及び強化板材の構成を説明する斜視図である。
【図9】本発明が適用される梱包箱の補強部材及び強化板材が貼付される位置を示す側板の展開図である。
【図10】本発明が適用される梱包箱の側断面図である。
【図11】本発明が適用される梱包箱の回収状態を説明する図であり、(a)は、底板と蓋体との間に側板が収容される状態を示す側断面図、(b)は、底板の上に蓋体が組み付けられた状態を示す外観斜視図である。
【図12】本発明が適用される梱包箱の道板の支柱の拡大図であり、(a)は道板の使用時の状態を示す図、(b)は道板の不使用時の状態を示す図である。
【図13】本発明が適用される梱包箱の道板の状態別の動作を説明する図であり、(a)は道板の使用時の状態を示す図、(b)は梱包箱の回収時の状態を示す図、(c)は梱包箱の輸送時の状態を示す図である。
【図14】本発明が適用される梱包箱の付属品格納箱の斜視図である。
【図15】本発明が適用される梱包箱の組立手順を説明する図である。
【図16】本発明が適用される梱包箱の組立手順を説明する図である。
【図17】本発明が適用される梱包箱の組立手順を説明する図である。
【図18】本発明が適用される梱包箱の組立手順を説明する図である。
【図19】本発明が適用される梱包箱の組立手順を説明する図である。
【図20】本発明が適用される梱包箱の組立手順を説明する図である。
【図21】本発明が適用される梱包箱の組立手順を説明する図である。
【図22】本発明が適用される梱包箱の組立手順を説明する図である。
【図23】本発明が適用される梱包箱の組立手順を説明する図である。
【図24】本発明が適用される梱包箱の組み立てが完了した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を適用してなる梱包箱の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態の梱包箱は、長方形の底板1と、この底板1の4辺に沿って立設する4枚の側板3と、この4枚の側板3を底板1と反対側から被冠する箱型の蓋体5とを備えて構成される。4枚の側板3は、隣り合う側板3と縦方向の辺が互いに連結された状態で、下端が底板1に当接して支持されるとともに上端が蓋体5に当接して支持されており、底板1と蓋体5との間に挟持された状態となっている。なお、図1では、梱包箱の構造を分かりやすくするために、底板1、側板3、蓋体5を分離させた状態で表している。
【0027】
底板1は、図2に示すように、長方形の基材7と、この基材7の側面に固着されて基材の上面よりも上方へ突出する金属製の突起部9と、基材7よりも小さい相似形に形成されて基材7の上面に固定される第1板材11とから構成される。基材7は木製の板材で形成されるが、被梱包物となる物品(以下、物品と略す。)の荷重に耐えうるものであれば、これに限られるものではなく、例えば、樹脂製の板材や金属製の板材を用いることも可能である。この基材7には、平板状の道板13が取り付けられている。
【0028】
第1板材11は、図3に示すように、平板状に形成された樹脂製の緩衝板材15と、この緩衝板材15よりも弾力性の小さい受板17との積層構造からなっている。緩衝板材15は、図3(a)に示すように、上面の一部を窪ませた矩形の平面状の溝19をなして形成される。受板17は、溝19の内部に緩衝板材15の上面と面一になるように密着した状態で収容されている。受板17の下面は、周知の方法により溝19の底面に接着されている。緩衝板材15は、発砲性のポリプロピレン又は発砲性のポリエチレンなどで形成されるが、所望の弾力性を有するものであれば、これに限られるものではない。また、受板17は、ベニア板などで形成されるが、これに限られるものではなく、物品の荷重などに応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂製の板材などを用いることも可能である。このようにして構成される第1板材11は、各辺が基材7の各辺よりも内側に位置する状態で基材7に取り付けられている。
【0029】
基材7の側面に固着される突起部9は、図4に示すように、L字状に形成されたL字金具9a(図4(a))と、平板状に形成された平板金具9b(図4(b))の2種類から構成される。これらの金具は、基材7の側面にビスで固定されるようになっている。図2に示すように、突起部9は、基材7の隣り合う四隅の側面にL字金具9aがそれぞれ固着され、この2つのL字金具9aに挟まれた辺を除いて対向する2辺の側面に平板金具9bがそれぞれ固着されている。これらの金具9は、その上端部の高さが、例えば、第1板材11の上面と同じか、或いは、それよりも高くなるように基材7に固着されている。
【0030】
ここで、突起部9が固着される底板1の3辺においては、第1板材11の側面が対応する基材7の側面に対して幅寸法Lだけ内側に位置するようになっている(図2)。このため、突起部9が固着された底板1には、第1板材11の側面と各突起部9の内側面との間に、Lの幅寸法を有する第1の隙間X(4か所)が形成される。この第1の隙間Xには、後述するように、側板3の下端が差し込まれるようになっている。
【0031】
一方、突起部9が側面に固着されていない底板1の1辺においては、第1板材11の側面が対応する基材7の側面に対してLよりも大きな幅寸法Lだけ内側に位置するようになっている(図2)。そして、この1辺の基材7の上面には、可撓性の帯状部材21を介して連結された道板13が取り付けられている。帯状部材21は、その一端が基材7と第1板材11との間に挟持された状態で取り付けられている。道板13は、物品が通る案内面23を有しており、この案内面23には、後述するように、道板13を立ち上げた状態で側板3に貼付するための脱着可能な面ファスナー25が取り付けられている。道板13は、ベニア板などで形成されるが、これに限られるものではなく、物品の荷重に耐えうるものであれば、樹脂製の板材などで形成することも可能である。
【0032】
基材7の下面側には、複数のブロック状の脚27が取り付けられている(図2)。この脚27は、基材7の四隅に設けられる4個の脚27aと、各辺の中央部及び基材7の中心部に設けられる5個の脚27bとから構成される。各脚の水平方向の断面形状は、脚27aが長方形に形成され、脚27bが正方形に形成されている。これらの脚27により底上げされた基材7の下方に形成される空間内には、フォークリフトの2本の爪が挿入されるようになっている。この2本の爪は、基材7の側方から脚27bの両側、つまり脚27aと脚27bとの間の空間内にそれぞれ挿入されるため、基材7の長尺の辺と短尺の辺のいずれの方向から挿入された場合でも、安定した持ち上げが可能となるように爪の挿入空間の幅方向の寸法が脚27aの寸法で適宜調整されるようになっている。
【0033】
第1板材11の受板17の上面には、物品を固縛するための伸縮自在な3本のベルト部材29の両端がそれぞれ固定されている(図1)。また、底板1の基材7の下面には、側板3と底板1とを固縛するためのベルト部材31の一端が固定されている。
【0034】
蓋体5は、図1及び図5に示すように、長方形の天板33と、この天板33の各辺に沿って略直角に折り曲げられて天板33に対して立設する枠板35と、天板33よりも小さい相似形に形成されて天板33に貼付される第2板材37とから構成される。枠板35の外法寸法は、底板1の基材7の平面寸法よりも小さく設定され、内法寸法は、底板1の第1板材11の平面寸法よりも大きく設定されている。天板33に貼付された第2板材37の各側面とこれに対向する枠体35の内側面との間には、Lの幅寸法を有する第2の隙間Yが形成されている。第2の隙間Yには、後述するように、各側板3の上端が差し込まれるようになっている。天板33及び枠板35は、古紙パルプなどの紙材を圧縮成形して所定の厚み及び強度に形成された強化板紙により形成される。第2板材37は、ベニア板により形成されるが、これに限られるものではなく、例えば、樹脂製の板材を用いることも可能である。
【0035】
天板33の第2板材37が貼付される面と反対側の面には、側板3と蓋体5とを固縛するためのベルト部材39の一端が固定されている。また、枠板35の外側面には、後述する付属品箱を蓋体5の上に固縛するためのベルト部材41の一端が固定されている。
【0036】
側板3は、図6、7に示すように、横方向(図6の左右方向)が長尺の側板C,Dと、短尺の側板A,Bの4枚から構成され、いずれも古紙パルプなどの紙材を圧縮成形して所定の厚み及び強度に形成された強化板紙により形成される。各側板3には、これらを上下方向に折り曲げる第1折曲線43が横方向に設けられるとともに、隣り合う側板同士を連結するための連結代45が形成されている。連結代45には、面ファスナー47が取り付けられており、隣り合う側板の対応する位置に取り付けられた面ファスナー49と係合するようになっている。
【0037】
4枚の側板3のうち側板A,C,Bの3枚は、第1折曲線43から下半分の隣り合う側板の縦方向の辺が連結代45を介してビス51で固定されており、コの字状に連結された状態となっている(図7)。また、長尺の側板C,Dの2枚には、これらを内側に折り曲げる第2折曲線53が縦方向に設けられている。
【0038】
このようにして構成される4枚の側板3は、側板A,C,Bの3枚が第1折曲線43を介して縦方向に広げた状態で、第1折曲線43から上半分の隣り合う側板の縦方向の辺が面ファスナー47,49の係合により互いに脱着可能に連結され、側板Dは、第1折曲線43を介して縦方向に広げた状態で、側板A,Bとの間で第1折曲線43から下半分と上半分の縦方向の辺が、面ファスナー47,49の係合により互いに脱着可能に連結されている。また、4枚の側板3の上下端には、各側板の端を内側に折り曲げる第3折曲線55が横方向に設けられ、この第3折曲線を介して折り曲げ代57が内側に折り曲げられるようになっている。
【0039】
次に、4枚の側板3の内側面に貼付される補強部材及び強化板材の構成について図8乃至図10を用いて説明する。各側板3の内側面には、それぞれ1枚の強化板材59と、2枚の補強部材61が貼付されるようになっている。強化板材59と補強部材61には、それぞれ面ファスナー63(図8)が取り付けられており、各面ファスナー63は、側板3の対応する位置に取り付けられた面ファスナー65(図9)と係合するようになっている。
【0040】
強化板材59は、長方形の平板状に形成され、その長手方向が第1折曲線43に沿って延在するように、側板3の内側面に貼付される。強化板材59は、比重を小さくするために炭素繊維を用いた繊維強化プラスチック(FRP)により形成されるが、所望の比重と強度が得られるものであれば、これに限られるものではない。
【0041】
補強部材61は、古紙パルプなどの紙材を圧縮成形して所定の厚み及び強度に形成された強化板紙で形成されており、長手方向に沿って2本の折曲線67が設けられ、この2本の折曲線67で断面コの字状に折り曲げられるとともに2本の折曲線67に囲まれた長方形の面が側板3の内側面に取り付けられる。補強部材61は、図9に示すように、強化板材59の取り付け位置69に対して、上下の取り付け位置71にそれぞれ1枚ずつ取り付けられ、長手方向が強化板材59の長手方向の延在方向と略平行になるように配置されている。
【0042】
強化板材59と補強部材61は、側板3の横方向の長さに応じて、2種類ずつ用意されており、図9に示す右側の短尺の側板(第2折曲線53なし)には、長手方向が比較的短く形成された強化板材59と補強部材61が貼付され、左側の長尺の側板(第2折曲線53なし)には、長手方向が比較的長く形成された強化板材59と補強部材61が貼付される。
【0043】
一方、4枚の側板3のうち、横方向が長尺の側板3の外側面には、図1に示すように、第1折曲線43から上半分と下半分の面にそれぞれ、第2折曲線53と交差するように横方向に延在して、側板3の縦方向の辺同士を引き付けるベルト部材73の両端部75が取り付けられている。
【0044】
次に、本実施の形態の梱包箱が回収されるときの構成について、図11を用いて説明する。既に説明したように、蓋体5は、枠板35の外法寸法が底板1の基材7の平面寸法よりも小さく、内法寸法が第1板材11の平面寸法よりも大きく形成されている。そのため、側板3を組み付けていない状態の底板1の上には、枠板35の4辺の下端が基材7の上面と当接し、かつ4か所の第1の隙間Xには枠板35の下端が差し込まれ、底板1の上に蓋体5が支持された状態となっている。
【0045】
そして、この状態で底板1と蓋体5との間に形成される空間内には、第1折曲線43で折り曲げられた側板A,Bと、第1折曲線43及び第2折曲線53で折り曲げられた側板C,Dとが収容されるようになっている。言い換えれば、各側板3は、所定の折曲線を介して折り曲げられた状態で、底板1と蓋体5との間に形成される空間内に収まる形状に形成されている(図11(a))。このようにして底板1の上に載置された蓋体5は、蓋体5のベルト部材39と底板1のベルト部材41を締め付けることにより、固縛された状態となる(図11(b))。
【0046】
次に、道板13の構成について図12、13を用いて説明する。道板13は、案内面23の裏側にブロック状の支柱77が蝶番79により回動可能に取り付けられている。この支柱77は、断面が台形状に形成され、道板13の使用時は、対向する2面のうち一方の面が案内面23の裏面に当接し、他方の面が設置面に当接するようになっている。そして、この一方の面に対して他方の面を所定の角度で形成することにより、道板13の傾斜角度が設定されるようになっている(図12(a))。
【0047】
一方、梱包箱を回収するときには、図13(b)に示すように、案内面23と第1板材11の上面が当接するように可撓性の帯状部材21を折り曲げることにより、道板13が、底板1と蓋体5との間の空間内に収容されるようになっている。このとき、支柱77は、図12(b)に示すように蝶番79を中心に矢印の方向に回動させて畳むことにより、下底面が案内面23の裏面に沿って延在した状態となる。さらに、梱包箱の輸送時においては、図13(c)に示すように、案内面23を立ち上げて、案内面23上の面ファスナー25と側板3側に設けられた面ファスナーとを係合させることにより、道板13は側板3に沿って貼付されるようになっている。そして、支柱77は、図12(b)の状態とすることにより、底板1の投影領域内に収まるようになっている。
【0048】
次に、蓋体5の上面側に取り付けられる付属品箱の構成について図14を用いて説明する。付属品箱81は、古紙パルプなどの紙材を圧縮成形して所定の厚み及び強度に形成された強化板紙で形成されており、底板83と4枚の側板85と蓋体87とが折曲線で折り曲げられるとともに、蓋体87が折曲線89を介して開閉可能な立方体の箱型に形成されている。蓋体87は、連結代91に取り付けられた面ファスナー93と側板85に取り付けられた面ファスナー95とが係合することにより、箱内が封止されるようになっている。また、蓋体87の上面には、付属品箱81を本体側の側板3に固縛するとともに蓋体87の封止状態を確実にするためのベルト部材97の一端が取り付けられている。なお、付属品箱81の底板83は、本体側の蓋体5の天板33と同じ形状及び大きさに形成されている。
【0049】
次に、本実施の形態の梱包箱の組み立て手順について、図15乃至図24を用いて説明する。
【0050】
まず、梱包箱は、底板1と蓋体5との間に形成される空間内に側板3と道板13が収容された状態で回収される(図15)。この状態で、底板1と蓋体5を固縛しているベルト部材31,39を外し、中から側板3を取り出す。
【0051】
次に、道板13は、案内面23の裏の支柱77を起こし(図12(a))、帯状部材21を中心に案内面23が上を向くように外側に展開させた状態とする(図16)。なお、以下の図では、適宜、道板13を省略する。
【0052】
次に、物品101を案内面23に誘導して移動させ、底板1(第1板材11)の上に載せる。この状態で、第1板材11に両端が固定された3本のベルト部材29により、物品101を上下左右の3方向から底板1の上に固縛する(図17)。なお、以下の図では、物品101を省略する。
【0053】
次に、図18に示すように、第1折曲線43から下半分がビスで連結された3枚の側板A,C,Bを、コの字の開いた方向から物品101を囲むように、2つの平板金具9bに挟まれた底板1の辺(手前側)から矢印の方向にスライドさせ、各側板の下端を第1板材11の外側の基材7の上面に当接させる。これにより、側板Bの下端は、L字金具9aと第1板材11の側面との間に形成される2か所の第1の隙間Xに差し込まれ、側板Cの下端は、L字金具9aと第1板材11の側面との間、及び、平板金具9bと第1板材11の側面との間に形成される2か所の第1の隙間Xに差し込まれるため、3枚の側板A,C,Bは、底板1の上に支持されて自然と立設された状態となる。なお、図示しないが、各側板の下端は、予め折り曲げ代57を内側に折り曲げた状態で第1の隙間Xに差し込むことにより、挿入部分の強度を高めることができる。
【0054】
次に、3枚の側板A,C,Bは、第1折曲線43から上半分を縦方向に広げて隣り合う側板の縦方向の辺を面ファスナー47,49の係合により連結させる。そして、各側板の内側面にそれぞれ1枚の強化板材59と2枚の補強部材61を面ファスナー63,65の係合により貼付する(図19)。
【0055】
次に、側板Dを第1折曲線43の上半分から縦方向に広げた状態で、1枚の強化板材59と2枚の補強部材61を面ファスナー63,65の係合により貼付する。このようにして補強された側板Dは、その下端を、L字金具9aと第1板材11の側面との間、及び、平板金具9bと第1板材11の側面との間に形成される2か所の第1の隙間Xに差し込んだ状態で、第1折曲線43から下半分と上半分の縦方向の辺を側板A,Bとの間で面ファスナー47,49の係合により連結させる(図20)。なお、側板Dについても、他の側板と同様に、予め折り曲げ代57を内側に折り曲げた状態で第1の隙間Xに差し込むようにする。
【0056】
次に、側板Cの第1折曲線43から上半分に取り付けられたベルト部材73及び側板Dの第1折曲線43から上半分と下半分に取り付けられたベルト部材73をそれぞれ締め付ける。このとき、ベルト部材73は、側板C,Dが第2折曲線53を介して内側に折れ曲がらない程度に締め付ける(図21)。
【0057】
次に、連結された4枚の側板3の上端に蓋体5を被せる。このとき、4枚の側板3の上端は、蓋体5の第2板材37の側面と枠体35の内側面の間に形成される第2の隙間Yに差し込まれ、天板33に当接した状態となる。この状態で、底板1に取り付けられたベルト部材31と側板C,Dの外側面の下側に取り付けられたベルト部材103を締め付けるとともに、蓋体5に取り付けられたベルト部材39と側板C,Dの外側面の上側に取り付けられたベルト部材105を締め付ける。さらに、道板13を立ち上げて、案内面21に取り付けられた面ファスナー25を側板A側の面ファスナーと係合させることにより、道板13を側板Aに貼付する。これにより、輸送時の梱包箱の本体が完成する(図22)。
【0058】
次に、図23に示すように、蓋体87が開いた状態の付属品箱81に物品101の関連部品(ケーブルや説明書など)を入れた後、蓋体87を閉めて面ファスナー93,95の係合により封止する。
【0059】
そして、この付属品箱81を梱包箱の本体の天板33の上に乗せた状態で、付属品箱81のベルト部材97と蓋体5のベルト部材41とを締め付けて、付属品箱81を梱包箱の本体側に固定する(図24)。
【0060】
本実施の形態の梱包箱は、底板1と側板3と蓋体5が別体で構成されているため、底板1の上に物品101を載置した状態で、側板3及び蓋体5を組み付けることができる。このため、物品101が、例えば、高さ900mm、質量100kgを超える比較的大きなものとなり、梱包箱が大型化した場合でも、梱包箱の各パーツを底板1の上に順次組み付けていけばよいため、物品101の箱詰め作業を少ない人手(例えば一人)で容易に行うことができる。また、道板13を用いることにより、物品101をフォークリフトで持ち上げなくても、載せ降ろしが可能となるため、作業の負担を軽減することができる。
【0061】
また、底板1には、側板3の下端を支持する第1の隙間Xが少なくとも3辺に設けられるとともに、4枚が連結された側板3を内側から第1板材11で支持するようになっている。このため、底板1に対する側板3の位置ずれを防ぐことができ、かつ側板3を下端で支えることにより、底板1の上に側板3を自然と立設させることができる。これにより、組み立て時においては、1枚又は連結された複数枚の側板3を底板1の上に順次立設させた状態で組み立て作業を進めることができ、作業負担の軽減を図ることができる。
【0062】
加えて、蓋体5は、側板3の4辺の上端が差し込まれる第2の隙間Yを有しているため、蓋体5を側板3の上端側に被せ、側板3と底板1及び蓋体5をそれぞれベルト部材で固定することにより、側板3を底板1及び蓋体5の両方から挟持して支持することができ、側板3の横方向の変形を抑制することができる。
【0063】
また、4枚の側板3には、強化板材59が取り付けられているため、第1折曲線43を介した側板3の折れ曲がりを防ぐとともに側板3の強度を高めることができ、梱包箱の横方向の変形を抑制することができる。さらに、4枚の側板3には、強化板材59の上下の位置に、補強部材61が取り付けられているため、側板3の強度をより高めることができ、梱包箱の上下方向の歪みを抑制することができる。また、補強部材61は強化板紙で形成され、断面コの字状に折り曲げて使用されるため、軽量でありながら高い補強効果を発揮することができる。
【0064】
また、4枚の側板3は、本実施の形態のように、予め3枚をビスで連結させた構造に限られるものではなく、例えば、4枚の側板をばらばらの状態から面ファスナーで互いに連結させる構造としてもよい。要は、側板の大きさなどから組立性を考慮した構造を適宜選択することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、突起部9の構造として、L字金具9aと平板金具9bの2種類を使用している。これは、2つの平面金具9bに挟まれた底板1の1辺から、3枚連結させた側板3を金具に邪魔されることなく底板1上を滑らせて組み付けることができ、側板3の組み付け作業の効率化を図るためである。しかし、突起部9は、この構造に限られるものではなく、L字金具9aのみ、つまり、基材7の四隅の少なくとも3か所にそれぞれL字金具9aを取り付ける構造、或いは、平板金具9bのみ、つまり、基材7の少なくとも3辺の側面に平板金具9bをそれぞれ取り付ける構造を採用することもできる。底板1には、少なくとも3辺に第1の隙間Xを形成することで、側板3を安定に支持することが可能となるため、突起部9は、基材7の側面のうち少なくとも3辺にL字金具9a又は平板金具9bを取り付ければよい。ただし、側板3をより高い支持力で支持するためには、底板1の四隅の4か所にそれぞれL字金具9aを設けておくことが好ましい。
【0066】
また、本実施の形態では、使用後に梱包箱を回収する際には、底板1と蓋体5との間に形成される空間内に、折り畳んだ状態の4枚の側板3と道板13とを収納することができるため、部材の紛失を防ぐとともに、回収スペースを少なくして回収効率を高めることができ、輸送コストを低減することができる。
【0067】
また、本実施の形態では、長方形の底板1を用いて直方体の梱包箱を形成する例を説明したが、これに限られるものではなく、正方形の底板1を用いて立方体又は直方体の梱包箱を形成する場合についても本発明を適用することができる。このように、梱包箱の形状や大きさは、物品101の寸法や質量などに応じて適宜設計することができるが、本実施の形態では、底板1の上に物品101をベルト部材29で固縛する構造を有していることから、物品101毎に固有の梱包箱を設計・製造する必要がなく、梱包箱の汎用性を高めることができる。また、クッション材については、従来のように物品101の寸法などに応じて固有の形状のものを製造する必要がなく、リサイクル性と汎用性の高い無定形のものを使用することができるため、梱包資材の使用量を低減することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、上述したように底板1の上に複数のベルト部材29で物品101を固縛する構造を有しているが、このベルト部材29を用いて物品101を固定する方法としては、例えば、複数のベルト部材29のうち、少なくとも2本を物品101の足部に巻き付けた状態で水平方向の互いに異なる方向へ引っ張るとともに、他の少なくとも1本を物品101の上部に巻き付けた状態で下方へ引っ張るようにする。このような方法で物品101を固縛することにより、例えば、大きさの異なる複数の物品を一つの梱包箱内に固定した状態で輸送することが可能となる。
【0069】
また、本実施の形態では、側板3及び蓋体5を、古紙パルプなどの紙材を圧縮成形して所定の厚み及び強度に形成された強化板紙で形成する例を説明したが、この強化板紙には、例えば、周知の紙材を所定の厚みに成形し強化した、いわゆる圧縮板紙などを含むことができる。
【0070】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、上記実施の形態は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0071】
1 底板
3 側板
5 蓋体
7 基材
9 突起部
11 第1板材
13 道板
15 緩衝板材
17 受板
21 帯状部材
23 案内面
25,47,49,63,65 面ファスナー
29,31,39,41,73,97,103,105 ベルト部材
33 天板
35 枠板
37 第2板材
43 第1折曲線
53 第2折曲線
59 強化板材
61 補強部材
67 折曲線
75 両端部
77 支柱
81 付属品箱
101 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の底板と、該底板の4辺に沿って立設される4枚の矩形の側板と、該4枚の側板を前記底板と反対側から被冠する箱型の蓋体とを備え、少なくとも前記側板が強化板紙で形成される梱包箱であって、
前記底板は、矩形の基材と、該基材の少なくとも3辺の側面に固着されて該基材の上面よりも上方へ突出する突起部と、前記基材よりも小さい相似形に形成され、各辺が前記基材の各辺よりも内側に位置して前記突起部との間には第1の隙間が形成されるように該基材に貼付される第1板材とからなり、
前記蓋体は、矩形の天板と、該天板の各辺に沿って折り曲げられて該天板に対して垂下する枠板と、前記天板よりも小さい相似形に形成され、各辺が前記枠板の内面よりも内側に位置して前記枠板との間に第2の隙間を形成するように該天板に貼付される第2板材とからなり、
前記4枚の側板は、該側板を上下方向に折り曲げる第1折曲線が横方向に設けられるとともに、この第1折曲線を介して該側板を縦方向に広げた状態で隣り合う側板の縦方向の辺が着脱可能な連結部材により互いに連結され、この連結された各側板は、下端側が前記第1の隙間に支持され、上端側が前記第2の隙間に支持されて、前記底板と前記蓋体との間に挟持されてなり、
前記4枚の側板の内側面には、少なくとも前記第1折曲線に沿って樹脂製の強化板材が脱着可能な面ファスナーにより貼付されてなる梱包箱。
【請求項2】
矩形の底板と、該底板の4辺に沿って立設される4枚の矩形の側板と、該4枚の側板を前記底板と反対側から被冠する箱型の蓋体とを備え、少なくとも前記側板が強化板紙で形成される梱包箱であって、
前記底板は、矩形の基材と、該基材の少なくとも3辺の側面に固着されて該基材の上面よりも上方へ突出する突起部と、前記基材よりも小さい相似形に形成され、各辺が前記基材の各辺よりも内側に位置して前記突起部との間には第1の隙間が形成されるように該基材に貼付される第1板材とからなり、
前記蓋体は、矩形の天板と、該天板の各辺に沿って折り曲げられて該天板に対して垂下する枠板と、前記天板よりも小さい相似形に形成され、各辺が前記枠板の内面よりも内側に位置して前記枠板との間に第2の隙間を形成するように該天板に貼付される第2板材とからなり、
前記4枚の側板は、該側板を上下方向に折り曲げる第1折曲線が横方向に設けられ、該側板のうち3枚の側板は、前記第1折曲線から下半分の隣り合う側板の縦方向の辺が連結代を介してビスで固定されるとともに前記第1折曲線を介して該側板を縦方向に広げた状態で該第1折曲線から上半分の隣り合う側板の縦方向の辺が着脱可能な連結部材により互いに連結され、他の1枚の側板は、前記第1折曲線を介して該側板を縦方向に広げた状態で、前記3枚の側板のうち両側の側板との間で前記第1折曲線の下半分と上半分の縦方向の辺が脱着可能な連結部材により互いに連結され、この連結された各側板は、下端側が前記第1の隙間に支持され、上端側が前記第2の隙間に支持されて、前記底板と前記蓋体との間に挟持されてなり、
前記4枚の側板の内側面には、少なくとも前記第1折曲線に沿って樹脂製の強化板材が脱着可能な面ファスナーにより貼付されてなる梱包箱。
【請求項3】
前記突起部は、前記基材の四隅の側面にそれぞれ固着されるL字金具からなる請求項1又は2に記載の梱包箱。
【請求項4】
前記突起部は、前記基材の隣り合う2か所の四隅の側面にそれぞれ固着されるL字金具と、該L字金具に挟まれた辺を除いて対向する2辺の側面にそれぞれ固着される平板金具とからなる請求項1又は2に記載の梱包箱。
【請求項5】
前記底板と前記蓋体は長方形に形成され、
前記4枚の側板のうち、横方向が長尺の2枚の側板には、該側板を内側に折り曲げる第2折曲線が縦方向に設けられ、該長尺の側板の外側面には該側板の縦方向の辺同士を引き付ける帯状部材の両端部が取り付けられてなる請求項1乃至4のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項6】
前記4枚の側板の内側面には、強化板紙で形成されて前記側板の横方向を長手とする補強部材が脱着可能な面ファスナーにより貼付されてなり、
前記補強部材は、該補強部材を折り曲げる2本の折曲線が前記長手方向に沿って設けられ、この2本の折曲線で断面コの字状に折り曲げられるとともに該2本の折曲線に挟まれた面が前記側板の内側面に貼付されてなる請求項1乃至5のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項7】
前記第1板材は、矩形に形成された樹脂製の緩衝材と該緩衝材よりも弾力性の小さい受板との積層構造からなり、前記受板は、前記緩衝材の上面の一部を窪ませた平面状の溝内に前記上面と面一になるように収容されてなる請求項1乃至6のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項8】
前記底板の1辺には、前記基材の上面が露出する部位に一端側が帯状部材を介して連結され、被梱包物が通る案内面を備えた道板が取り付けられてなり、
前記道板は、前記案内面が前記底板の1辺から立ち上がる前記側板の外側面に貼付可能に形成されてなる請求項1乃至7のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項9】
前記第1板材の上面には、被梱包物を固縛するための長さ調整可能な帯状部材の両端が固定されてなる請求項1乃至8のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項10】
前記蓋体は、前記枠板の外法寸法が前記底板の平面寸法よりも小さく設定されてなり、
前記4枚の側板は、折り畳んだ状態で前記底板の上面内に収まる形状に形成され、かつ、前記蓋体を前記底板の上に載置した状態で、前記蓋体と前記底板との間に形成される空間内に収容可能に形成されてなる請求項1乃至9のいずれかに記載の梱包箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−157088(P2011−157088A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18905(P2010−18905)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000178011)山九株式会社 (48)
【出願人】(509329143)JPサンキュウグローバルロジスティクス株式会社 (2)
【出願人】(500121366)スターウェイ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】