説明

梱包装置

【課題】被梱包物の保護性および荷扱い性に優れた梱包装置を提供すること。
【解決手段】本発明の梱包装置は、室外機の上下に上部緩衝材5a、5bおよび下部緩衝材4a、4bと、板状の包装材の四辺を折り曲げて形成したトレイ状の上部外箱8および下部外箱9とを備え、上部外箱8および下部外箱9の内側に上部緩衝材5a、5bおよび下部緩衝材4a、4bを配置した梱包装置であって、上部外箱8の室外機1の圧縮機搭載側の側壁12を、上部外箱の他の側壁よりも延長した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離型空気調和機の室外機の梱包に用いられる梱包装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の梱包装置としては、図3に示すように板状の包装材の四辺を折り曲げて形成したトレイ状の下部外箱3の内側左右に被梱包物1の下部を支持する下部緩衝材4a、4bを配置し、被梱包物1の上部には角隅部を衝撃等から保護する一対の上部緩衝材5a、5bを配置し、トレイ状に形成された上部外箱2を被せて外側にPPバンド7を巻き付けて結束し梱包を完成させるものであった。なお、6は被梱包物1を覆う袋である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−203565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、運搬など荷扱いする際に上部の外箱を持って扱われ、手掛け部の破損による落下など防ぐため、重量に耐えうる十分な強度を確保する必要があるため、外箱の材質強化や大型化及び補強部材の追加など部品点数も多くなり高価な梱包装置となる課題を有していた。
【0005】
特に、空気調和機の室外機に関しては、重量物である圧縮機が片側に寄って搭載されているため、圧縮機搭載側が重く偏重心となっている。外箱の材質グレードを上げ強度を確保しようとすると、圧縮機側は強度を必要とするが圧縮機の逆側は圧縮機搭載側に比べ強度を必要しなくても外箱は1枚の板状の包装材にて形成されているため全体の材料費が増え高価な梱包装置となってしまう。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、被梱包物の保護性および荷扱い性に優れた梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の梱包装置は、室外機の上下に上部緩衝材および下部緩衝材と、板状の包装材の四辺を折り曲げて形成したトレイ状の上部外箱および下部外箱とを備え、前記上部外箱および前記下部外箱の内側に前記上部緩衝材および前記下部緩衝材を配置した梱包装置であって、前記上部外箱の前記室外機の圧縮機搭載側の側壁を、前記上部外箱の他の側壁よりも延長したことにより、上部外箱の長辺の立ち上がり寸法が圧縮機搭載側に向けて増していく構造になるため、荷扱い時の強度が増し手掛け部の破損による落下などを防ぎ部品点数を増加させること無く強度を確保ことができ品質向上が図れ、部品点数を削減および被梱包物の梱包作業全体を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、被梱包物(室外機)の保護性および荷扱い性に優れた梱包装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における梱包装置の分解斜視図
【図2】同実施の形態1における梱包装置の分解斜視図
【図3】従来例における梱包装置の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明の梱包装置は、室外機の上下に上部緩衝材および下部緩衝材と、板状の包装材の四辺を折り曲げて形成したトレイ状の上部外箱および下部外箱とを備え、前記上部外箱および前記下部外箱の内側に前記上部緩衝材および前記下部緩衝材を配置した梱包装置であって、前記上部外箱の前記室外機の圧縮機搭載側の側壁を、前記上部外箱の他の側壁よりも延長したことにより、上部外箱の長辺の立ち上がり寸法が圧縮機搭載側に向けて増していく構造になるため、荷扱い時の強度が増し手掛け部の破損による落下などを防ぎ部品点数を増加させること無く強度を確保ことができ品質向上が図れ、部品点数を削減および被梱包物の梱包作業全体を簡素化することができる。
【0011】
また、さらには、外箱の長辺の立ち上がり寸法を変えることで、被梱包物の左右の重量差に合わせ強度を確保することができ、全体のコストを上昇させること無く適切な強度を確保することができる。
【0012】
第2の発明の梱包装置は、特に第1の発明において、前記下部外箱の前記室外機の圧縮機搭載側の側壁を、前記下部外箱の他の側壁よりも延長したことにより、下部外箱と上部外箱の長面の立ち上がり寸法が圧縮機搭載側に向けて増していくため、荷扱い時の強度が増し外箱の破損を防止する効果を向上することができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図1に示すように、本実施の形態1における被梱包物1は空気調和機の室外機としている。
【0015】
そして、板状の包装材の四辺を折り曲げて形成したトレイ状の下部外箱9に、被梱包物1の下部を支持する下部緩衝材4a、4bが左右に配置されており、被梱包物1はこの下部緩衝材4a、4bの上に配置され、ほこりなどから被梱包物1を保護する袋6が被せられる。
【0016】
また、被梱包物1の上部左右には上部緩衝材5a、5bを配置し、板状の包装材の四辺を折り曲げてトレイ状に形成された上部外箱8が被せられる。その外側にバンド7を巻き付けて結束し梱包を完成している。
【0017】
そして、本実施の形態では、上部外箱9の側壁のうち、一辺を他の辺よりも延長し、相対する側壁から斜め状に長辺10を形成し、延長した側壁12を被梱包物1の圧縮機搭載側に配置している。
【0018】
このように構成することによって、上部外箱9の長辺10の立ち上がり寸法が圧縮機搭載側に向けて増していく構造になるため、荷扱い時の強度が増し手掛け部の破損による落下などを防ぎ部品点数を増加させること無く強度を確保ことができ品質向上が図れ、部品点数を削減および被梱包物の梱包作業全体を簡素化することができる。
【0019】
さらには、外箱の長辺10の立ち上がり寸法を変えることで、被梱包物1の左右の重量
差に合わせ強度を確保することができ、全体のコストを上昇させること無く適切な強度を確保することができる。
【0020】
また、図2に示すように下部外箱9の側壁の一辺を延長し、相対する側壁から斜め状に長辺11を形成し、延長した側壁13を上部外箱8の延長した側壁12とともに被梱包物の圧縮機搭載側に配置してもよい。
【0021】
このように構成することによって、下部外箱9と上部外箱8の長面10、11の立ち上がり寸法が圧縮機搭載側に向けて増していくため、荷扱い時の強度が増し外箱の破損を防止する効果を得られ、品質を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上のように、本発明は、被梱包物の保護性および荷扱い性に優れたもので、偏重心製品の梱包装置の用途に適している。
【符号の説明】
【0023】
1 被梱包物
4a、4b 下部緩衝材
5a、5b 上部緩衝材
6 袋
7 PPバンド
8 上部外箱
9 下部外箱
10 長辺
11 長辺
12 側壁
13 側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機の上下に上部緩衝材および下部緩衝材と、板状の包装材の四辺を折り曲げて形成したトレイ状の上部外箱および下部外箱とを備え、前記上部外箱および前記下部外箱の内側に前記上部緩衝材および前記下部緩衝材を配置した梱包装置であって、前記上部外箱の前記室外機の圧縮機搭載側の側壁を、前記上部外箱の他の側壁よりも延長したことを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
前記下部外箱の前記室外機の圧縮機搭載側の側壁を、前記下部外箱の他の側壁よりも延長したことを特徴とする請求項1に記載の梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−207522(P2011−207522A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78377(P2010−78377)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】