説明

棒状部材用包装体

【課題】 包装容器に貼り付けられた袋体に封入されている棒状部材を容易に取り出すことができる棒状部材用包装体を提供することを課題とする。
【解決手段】
ストローS(棒状部材)を封入するための封入部4が形成されている袋体5からなり、袋体5が、長手方向に所定間隔を離した二箇所の接着部10,10によって、包装容器Yに貼り付けられるストロー用包装体1(棒状部材用包装体)であって、袋体5は、包装容器Yに貼り付けられるベースシート2の外周縁部2bに、被覆シート3の外周縁部3bが貼り合わされることによって形成されており、ベースシート2において、各接着部10,10の間には、長手方向と交わる方向で全周に形成されたミシン目線6,6が、長手方向に所定間隔を離して二箇所に設けられており、少なくとも一方のミシン目線6は、封入部4に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロー等の棒状部材を封入した状態で、飲料水等の包装容器の側面に貼り付けられる棒状部材用包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ストローを封入した状態で、飲料水の包装容器の側面に貼り付けられるストロー用包装体としては、図10(a)に示すように、平坦なベースシート2の表面2aの外周縁部2bに、被覆シート3の裏面3aの外周縁部3bが貼り合わされることにより、ストローSを封入するための空間である封入部4が形成されている袋体5からなり、ベースシート2の裏面2cが、長手方向(上下方向)の両端部に設けられた二箇所の接着部10,10によって、包装容器Yの側面Y1に貼り付けられているストロー用包装体50がある。
前記ストロー用包装体50では、ベースシート2および被覆シート3において、封入部4と各接着部10,10との間には、長手方向と直交する方向のミシン目線6,6が各々形成されており、図10(b)に示すように、袋体5の中央部を把持して包装容器Yから引き離す方向に引いたときには、各ミシン目線6,6を境にして封入部4全体が分離されるため、ストローSが封入されている封入部4を包装容器Yから容易に引き離すことができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−291353号公報(段落0014〜0017、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のストロー用包装体50では、封入部4と接着部10との間にミシン目線6が形成されており、包装容器Yから引き離された封入部4は密閉された状態となっているため、封入部4を包装容器Yから引き離した後に、ストローSの一端によって封入部4を突き破ってストローSを取り出す必要があり、ストローSの取り出し作業が煩雑になってしまうという問題がある。
【0004】
また、封入部4を包装容器Yから引き離すことなく、ストローSを取り出すときには、ベースシート2と被覆シート3とが貼り合わされている外周縁部2b,3bの間にストローSの一端を押し込むことにより、ストローSの一端を外周縁部2b,3bに貫通させて袋体5から突出させているが、外周縁部2b,3bにストローSを強く押し込む必要があり、ストローSが外周縁部2b,3bの内側から外側まで通過する間は、その押し込み力を継続して加える必要があるため、ストローSの取り出し作業が煩雑になってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、包装容器に貼り付けられた袋体に封入されている棒状部材を容易に取り出すことができる棒状部材用包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、棒状部材を封入するための封入部が形成されている袋体からなり、袋体が、長手方向に所定間隔を離した二箇所の接着部によって、包装容器に貼り付けられる棒状部材用包装体であって、袋体は、包装容器に貼り付けられるベースシートの外周縁部に、被覆シートの外周縁部が貼り合わされることによって形成されており、ベースシートにおいて、各接着部の間には、長手方向と交わる方向のミシン目線が、長手方向に所定間隔を離して二箇所に設けられており、少なくとも一方のミシン目線は、封入部に形成されている。
【0007】
このように、本発明の棒状部材用包装体では、ベースシートに形成されたミシン目線の少なくとも一方が封入部に形成されているため、袋体の中央部を把持して包装容器から引き離す方向に引くことにより、封入部を引き離した場合には、被覆シート全体とともに、ベースシートの中央部が各ミシン目線を境にして分離することになる。これにより、引き離された封入部の少なくとも一端が開口することになるため、封入部を包装容器から引き離した後に、棒状部材によって封入部を突き破ることなく、封入部から棒状部材を容易に取り出すことができる。特に、引き離された封入部の開口部から棒状部材が突出するように、ミシン目線の位置を設定した場合には、棒状部材を把持し易くなるため、棒状部材の取り出し作業をスムーズに行うことができる。
なお、棒状部材とは、一方向に延長されている部材であれば限定されるものではなく、例えば、ストロー、箸、スプーン、フォーク等である。
【0008】
前記した棒状部材用包装体のベースシートにおいて、各ミシン目線の端部に対応する部位には、切り込み部または切り欠き部が形成されていることが望ましい。
【0009】
このように、ベースシートにおいて、各ミシン目線の端部に対応する部位に切り込み部または切り欠き部を形成することにより、封入部を包装容器から引き離すときに、その引張力によって切り込み部または切り欠き部が広げられ、切り込み部または切り欠き部を始点としてミシン目線が切り離されるため、弱い力でミシン目線を切り離すことができ、包装容器から封入部を容易に引き離すことができる。
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の他の構成は、棒状部材を封入するための封入部が形成されている袋体からなり、袋体が、長手方向に所定間隔を離した二箇所の接着部によって、包装容器に貼り付けられる棒状部材用包装体であって、袋体において、各接着部の間には、長手方向と交わる方向で全周に形成されたミシン目線が、長手方向に所定間隔を離して二箇所に設けられており、少なくとも一方のミシン目線は、封入部に形成されている。
【0011】
このように、本発明の棒状部材用包装体では、袋体の全周に形成されたミシン目線の少なくとも一方が封入部に形成されているため、袋体の中央部を把持して包装容器から引き離す方向に引くことにより、各ミシン目線を境にして封入部を分離させたときに、引き離された封入部の少なくとも一端が開口することになる。これにより、封入部を包装容器から引き離した後に、棒状部材によって封入部を突き破ることなく、封入部から棒状部材を容易に取り出すことができる。特に、引き離された封入部の開口部から棒状部材が突出するように、ミシン目線の位置を設定した場合には、棒状部材を把持し易くなるため、棒状部材の取り出し作業をスムーズに行うことができる。
【0012】
前記した棒状部材用包装体において、袋体は、包装容器に貼り付けられるベースシートの外周縁部に、被覆シートの外周縁部が貼り合わされることによって形成されており、ベースシートおよび被覆シートにおいて、各ミシン目線の端部に対応する部位には、切り込み部または切り欠き部が形成されていることが望ましい。
【0013】
このように、ベースシートおよび被覆シートにおいて、各ミシン目線の端部に対応する部位に切り込み部または切り欠き部を形成することにより、封入部を包装容器から引き離すときに、その引張力によって切り込み部または切り欠き部が広げられ、切り込み部または切り欠き部を始点としてミシン目線が切り離されるため、弱い力でミシン目線を切り離すことができ、包装容器から封入部を容易に引き離すことができる。
【0014】
また、前記課題を解決するため、本発明の他の構成は、棒状部材を封入するための封入部が形成されている袋体からなり、袋体が包装容器に貼り付けられる棒状部材用包装体であって、袋体は、包装容器に貼り付けられるベースシートの外周縁部に、被覆シートの外周縁部が貼り合わされることによって形成されており、被覆シートにおいて、長手方向の一端部または両端部には、長手方向と交わる方向のミシン目線が形成されている。
【0015】
このように、本発明の棒状部材用包装体では、被覆シートにおいて、長手方向の一端部または両端部には、長手方向と交わる方向のミシン目線が形成されており、袋体の外周縁部で張り合わされているベースシートと被覆シートとの間に棒状部材の一端を押し込んだときに、棒状部材の一端が外周縁部の途中で被覆シートのミシン目線を開封して突出することになる。これにより、外周縁部への棒状部材の挿入量が少なくなり、棒状部材に対して押し込み力を加える時間が短くなるため、包装容器に貼り付けられた状態の袋体から棒状部材を容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の棒状部材用包装体において、ミシン目線の少なくとも一方を封入部に形成した構成では、袋体の中央部を把持して包装容器から引き離す方向に引くことにより、各ミシン目線を境にして封入部を分離させたときに、引き離された封入部の少なくとも一端が開口することになる。これにより、封入部を包装容器から引き離した後に、棒状部材によって封入部を突き破ることなく、封入部から棒状部材を取り出すことができるため、袋体から棒状部材を容易に取り出すことができる。
また、被覆シートにおいて、長手方向の一端部または両端部にミシン目線を形成した構成では、袋体の外周縁部に棒状部材の一端を押し込んだときには、棒状部材の一端が外周縁部の途中で被覆シートのミシン目線を開封して突出することになる。これにより、外周縁部への棒状部材の挿入量が少なくなり、棒状部材に対して押し込み力を加える時間が短くなるため、包装容器に貼り付けられた状態の袋体から棒状部材を容易に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
この実施形態では、伸縮可能なストローを封入した状態で、飲料水の包装容器の側面に貼り付けられるストロー用包装体に本発明を適用した場合を例として説明する。
【0018】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のストロー用包装体を包装容器に貼り付けた状態を示した正面図である。図2は、第1実施形態のストロー用包装体におけるベースシートを示した正面図である。図3は、第1実施形態のストロー用包装体を示した図で、(a)はストロー用包装体の側断面図、(b)は封入部を引き離した態様を示した側断面図である。図4は、第1実施形態のストロー用包装体の他の構成を示した図で、(a)は一方のミシン目線が封入部に形成されている構成の側断面図、(b)は接着部が封入部に設けられている構成の側断面図である。図5は、第1実施形態のストロー用包装体の他の構成を示した図で、各ミシン目線の両端部に対応する部位に切り欠き部を形成した構成の正面図である。
【0019】
第1実施形態のストロー用包装体1(特許請求の範囲における「棒状部材用包装体」)は、図1および図3(a)に示すように、ベースシート2の表面2aの外周縁部2bに、被覆シート3の裏面3aの外周縁部3bが貼り合わされることにより、ストローS(特許請求の範囲における「棒状部材」)を封入するための封入部4が形成されている袋体5である。
ここで、外周縁部2b,3bは、ベースシート2および被覆シート3の上下左右の縁部全体であり、以下の説明において、外周縁部2b,3bとは、ベースシート2と被覆シート3とが貼り合わされている部位を示している。
【0020】
ベースシート2および被覆シート3は、封入されるストローSの長手方向に対応させて一方向に延長されている長方形状のシートであり、ベースシート2と被覆シート3とは外周形状が一致しており、その外周縁部2b,3bが貼り合わされている。
ベースシート2は、平坦なシートであり、例えば、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等の樹脂材料によって形成することができ、本実施形態では、ポリプロピレン樹脂によって透明なシートを形成している。
被覆シート3は、ストローSを覆うことが可能となるように、中央部が膨らんでいるシートであり、ベースシート2と同様に、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等の樹脂材料によって形成することができ、本実施形態では、ポリプロピレン樹脂によって透明なシートを形成している。
【0021】
そして、ベースシート2の裏面2cが、長手方向の両端部に設けられた接着部10,10によって、包装容器Yの側面Y1に貼り付けられることにより、袋体5が包装容器Yの側面Y1に貼り付けられている。
なお、本実施形態の接着部10,10は、ホットメルト接着に用いられる熱可塑性樹脂によって構成されているが、十分な接着力を確保することができるものであれば、各種の接着方法を用いることができ、例えば、ポリエチレン樹脂によってベースシート2を形成した場合には、ベースシート2の裏面2cの所定部位を加熱することにより溶融させて接着してもよい。
【0022】
また、図2に示すように、ベースシート2において、各接着部10,10の間となる部位には、長手方向と交わる方向のミシン目線6,6が、長手方向に所定間隔を離して二箇所に設けられており、各ミシン目線6,6は、封入部4に封入されたストローSの両端部よりも長手方向の中心側に配置されるように形成されている。
さらに、ベースシート2の外周縁部2bにおいて、各ミシン目線6,6の両端部に対応する部位には、切り込み部7・・・が形成されている。
【0023】
以上のように構成された第1実施形態のストロー用包装体1では、次のような作用効果を奏する。
図1および図3(a)に示すように、包装容器Yの側面Y1に貼り付けられている袋体5からストローSを取り出すときには、図3(b)に示すように、袋体5の中央部を把持して包装容器Yの側面Y1から引き離す方向に引くことにより、被覆シート3全体とともに、各ミシン目線6,6を境にして、ベースシート2の中央部を分離させて、封入部4をストローSとともに包装容器Yから引き離す。
このとき、各ミシン目線6,6の両端部に対応する部位には、切り込み部7・・・が形成されており、封入部4を包装容器Yから引き離すときに、その引張力によって各切り込み部7・・・が広げられ、切り込み部7を始点としてミシン目線6が切り離されるため、弱い力でミシン目線6を切り離すことができ、包装容器Yの側面Y1から封入部4を容易に引き離すことができる。
【0024】
また、ベースシート2に形成された各ミシン目線6,6は封入部4に形成されているため、引き離された封入部4の両端が開口した状態となる。これにより、封入部4を包装容器Yから引き離した後に、ストローSによって封入部4を突き破ることなく、ストローSを取り出すことができるため、袋体5からストローSを容易に取り出すことができる。
【0025】
また、各ミシン目線6,6は、封入部4に封入されたストローSの両端部よりも長手方向の中心側に配置されるように形成されているため、包装容器Yから引き離された封入部4の開口部にストローSの両端が突出した状態となる。これにより、ストローSを把持し易くなるため、ストローSの取り出し作業をスムーズに行うことができる。
【0026】
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、第1実施形態では、図3(b)に示すように、各ミシン目線6,6を封入部4に形成しているが、図4(a)に示すように、一方のミシン目線6a(図4(a)の上側)を封入部4に形成し、他方のミシン目線6b(図4(a)の下側)を封入部4と接着部10との間に形成してもよく、この構成においても、包装容器Yから引き離された封入部4の一端が開口した状態となるため、ストローSを容易に取り出すことができる。
【0027】
また、接着部10,10は、袋体5における長手方向の両端部に設けられている必要はなく、図4(b)に示すように、各ミシン目線6,6よりも長手方向の端部側に配置されているのであれば、封入部4に対応する部位に設けられていてもよい。
【0028】
さらに、第1実施形態では、図2に示すように、ベースシート2に形成された各ミシン目線6,6の両端部に対応する部位に切り込み部7・・・を形成しているが、図5に示すように、ベースシート2の外周縁部2bにおいて、各ミシン目線6,6の両端部に対応する部位に切り欠き部8・・・を形成してもよい。この構成では、切り込み部7・・・(図2参照)を形成した場合と同様に、封入部4を包装容器Yから引き離すときの引張力によって各切り欠き部8・・・が広げられ、切り欠き部8を始点として弱い力でミシン目線6を切り離すことができるため、包装容器Yの側面Y1から封入部4を容易に引き離すことができる。
【0029】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図6は、第1実施形態のストロー用包装体を包装容器に貼り付けた状態を示した正面図である。図7は、第2実施形態のストロー用包装体を示した図で、(a)はストロー用包装体の側断面図、(b)は封入部を引き離した態様を示した側断面図である。
【0030】
第2実施形態のストロー用包装体1aは、図6および図7(a)に示すように、第1実施形態のストロー用包装体1(図1参照)と略同一の構成であり、ミシン目線6の構成が異なっている。
この第2実施形態のストロー用包装体1aでは、袋体5において、各接着部10,10の間となる部位には、長手方向と交わる方向で全周に形成されたミシン目線6,6が、長手方向に所定間隔を離して二箇所に設けられており、各ミシン目線6,6は、封入部4に封入されたストローSの両端部よりも長手方向の中心側に配置されるように形成されている。また、ベースシート2および被覆シート3の外周縁部2b,3bにおいて、各ミシン目線6,6の両端部に対応する部位には、切り込み部7・・・が形成されている。
【0031】
以上のように構成された第2実施形態のストロー用包装体1aでは、次のような作用効果を奏する。
図6および図7(a)に示すように、包装容器Yの側面Y1に貼り付けられている袋体5からストローSを取り出すときには、図7(b)に示すように、袋体5の中央部を把持して包装容器Yの側面Y1から引き離す方向に引くことにより、各ミシン目線6,6を境にして封入部4を分離させ、封入部4をストローSとともに包装容器Yから引き離す。
このとき、各ミシン目線6,6の両端部に対応する部位には、切り込み部7・・・が形成されており、封入部4を包装容器Yから引き離すときに、その引張力によって各切り込み部7・・・が広げられ、切り込み部7を始点としてミシン目線6が切り離されるため、弱い力でミシン目線6を切り離すことができ、包装容器Yの側面Y1から封入部4を容易に引き離すことができる。
【0032】
また、袋体5の全周に形成された各ミシン目線6,6は封入部4に形成されているため、引き離された封入部4の両端が開口した状態となる。これにより、封入部4を包装容器Yから引き離した後に、ストローSによって封入部4を突き破ることなく、ストローSを取り出すことができるため、袋体5からストローSを容易に取り出すことができる。
【0033】
また、各ミシン目線6,6を、封入部4に封入されたストローSの両端部よりも長手方向の中心側に配置されるように形成した場合には、包装容器Yから引き離された封入部4の両端部からストローSの両端が突出した状態となる。これにより、ストローSを把持し易くなるため、ストローSの取り出し作業をスムーズに行うことができる。
【0034】
なお、第2実施形態では、第1実施形態の他の構成で示したように、一方のミシン目線6を封入部4に形成し、他方のミシン目線6を封入部4と接着部10との間に形成してもよい。また、接着部10,10は、各ミシン目線6,6よりも長手方向の端部側に配置されているのであれば、封入部4に対応する部位に設けられていてもよい。さらに、ベースシート2および被覆シート3の外周縁部2b,3bにおいて、各ミシン目線6,6の両端部に対応する部位に切り欠き部を形成してもよい。
【0035】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態のストロー用包装体を包装容器に貼り付けた状態を示した正面図である。図9は、第3実施形態のストロー用包装体を示した図で、(a)はストロー用包装体の側断面図、(b)はストローを外周縁部に押し込んだ態様を示した側断面図、(c)はストローをミシン目線から突出させた状態を示した側断面図である。
【0036】
第3実施形態のストロー用包装体1bは、図8および図9(a)に示すように、第1実施形態のストロー用包装体1(図1参照)と略同一の構成であり、ミシン目線6の数および位置が異なっており、袋体5が包装容器Yの側面Y1に貼り付けられた状態で、封入部4からストローSを取り出す構成となっている。
この第3実施形態のストロー用包装体1bでは、被覆シート3の外周縁部3bにおいて下端部となる部位に、長手方向と直交する方向のミシン目線6が、被覆シート3を横断して形成されている。
【0037】
このように構成された第3実施形態のストロー用包装体1bでは、次のような作用効果を奏する。
袋体5の封入部4からストローSを取り出すときには、図9(b)に示すように、封入部4に封入されているストローSの上端部を下方に押すことにより、ベースシート2と被覆シート3とが貼り合わされている外周縁部2b,3bの下端部にストローSの下端部を押し込む。このとき、被覆シート3の外周縁部3bの下端部には、長手方向と直交する方向のミシン目線6が形成されているため、図9(c)に示すように、ストローSの下端部が外周縁部2b,3bの途中で被覆シート3のミシン目線6を開封して突出することになる。これにより、外周縁部2b,3bへのストローSの挿入量が少なくなり、ストローSに対して押し込み力を加える時間が短くなるため、包装容器Yに貼り付けられた状態の袋体5からストローSを容易に取り出すことができる。
【0038】
以上、本発明の第3実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、第3実施形態では、ミシン目線6が被覆シート3を横断するように形成されているが、外周縁部2b,3bに押し込まれたストローSが通過する位置のみに形成してもよい。
また、第3実施形態では、被覆シート3の外周縁部3bの下端部にミシン目線6を形成しているが、外周縁部3bの上下端部にミシン目線6を各々形成してもよく、この構成では、ストロー用包装体1aの両端部からストローSを容易に取り出すことができる。
【0039】
さらに、各実施形態では、伸縮自在なストローSを封入しているストロー用包装体1,1a,1bについて説明したが、本発明の棒状部材用包装体は、ストローSを封入する構成に限定されるものではなく、箸、スプーン、フォーク等の棒状部材を封入してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1実施形態のストロー用包装体を包装容器に貼り付けた状態を示した正面図である。
【図2】第1実施形態のストロー用包装体におけるベースシートを示した正面図である。
【図3】第1実施形態のストロー用包装体を示した図で、(a)はストロー用包装体の側断面図、(b)は封入部を引き離した態様を示した側断面図である。
【図4】第1実施形態のストロー用包装体の他の構成を示した図で、(a)は一方のミシン目線が封入部に形成されている構成の側断面図、(b)は接着部が封入部に設けられている構成の側断面図である。
【図5】第1実施形態のストロー用包装体の他の構成を示した図で、各ミシン目線の両端部に対応する部位に切り欠き部を形成した構成の正面図である。
【図6】第2実施形態のストロー用包装体を包装容器に貼り付けた状態を示した正面図である。
【図7】第2実施形態のストロー用包装体を示した図で、(a)はストロー用包装体の側断面図、(b)は封入部を引き離した態様を示した側断面図である。
【図8】第3実施形態のストロー用包装体を包装容器に貼り付けた状態を示した正面図である。
【図9】第3実施形態のストロー用包装体を示した図で、(a)はストロー用包装体の側断面図、(b)はストローを外周縁部に押し込んだ態様を示した側断面図、(c)はストローをミシン目線から突出させた状態を示した側断面図である。
【図10】従来のストロー用包装体を示した側断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ストロー用包装体(第1実施形態)
1a ストロー用包装体(第2実施形態)
1b ストロー用包装体(第3実施形態)
2 ベースシート
3 被覆シート
4 封入部
5 袋体
6 ミシン目線
10 接着部
S ストロー
Y 包装容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状部材を封入するための封入部が形成されている袋体からなり、前記袋体が、長手方向に所定間隔を離した二箇所の接着部によって、包装容器に貼り付けられる棒状部材用包装体であって、
前記袋体は、前記包装容器に貼り付けられるベースシートの外周縁部に、被覆シートの外周縁部が貼り合わされることによって形成されており、
前記ベースシートにおいて、前記各接着部の間には、長手方向と交わる方向のミシン目線が、長手方向に所定間隔を離して二箇所に設けられており、
少なくとも一方の前記ミシン目線は、前記封入部に形成されていることを特徴とする棒状部材用包装体。
【請求項2】
前記ベースシートにおいて、前記各ミシン目線の端部に対応する部位には、切り込み部または切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の棒状部材用包装体。
【請求項3】
棒状部材を封入するための封入部が形成されている袋体からなり、前記袋体が、長手方向に所定間隔を離した二箇所の接着部によって、包装容器に貼り付けられる棒状部材用包装体であって、
前記袋体において、前記各接着部の間には、長手方向と交わる方向で全周に形成されたミシン目線が、長手方向に所定間隔を離して二箇所に設けられており、
少なくとも一方の前記ミシン目線は、前記封入部に形成されていることを特徴とする棒状部材用包装体。
【請求項4】
前記袋体は、前記包装容器に貼り付けられるベースシートの外周縁部に、被覆シートの外周縁部が貼り合わされることによって形成されており、
前記ベースシートおよび前記被覆シートにおいて、前記各ミシン目線の端部に対応する部位には、切り込み部または切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の棒状部材用包装体。
【請求項5】
棒状部材を封入するための封入部が形成されている袋体からなり、前記袋体が包装容器に貼り付けられる棒状部材用包装体であって、
前記袋体は、前記包装容器に貼り付けられるベースシートの外周縁部に、被覆シートの外周縁部が貼り合わされることによって形成されており、
前記被覆シートにおいて、長手方向の一端部または両端部には、長手方向と交わる方向のミシン目線が形成されていることを特徴とする棒状部材用包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−290389(P2006−290389A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−111697(P2005−111697)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(391036781)東洋キャップ製造株式会社 (5)
【Fターム(参考)】